JPH0556027U - 抽出具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】厚紙やプラスチックシートを主体とする折り畳
み可能で、使い捨て可能なコーヒー等の抽出具におい
て、注湯口の開口がワンタッチで容易に開口でき、組立
てが容易な抽出具を提供すること。 【構成】前板、後板、少なくともひとつの側板で角筒状
の本体を形成し、その本体の内側に濾紙袋を収納し、そ
の濾紙袋開口縁を本体の内側上部に貼着し、前記前板、
後板の下部には係止凹部を設け、上縁には偏平に折り畳
んだ時にずれる位置に開口用摘み片を設け、開口しやす
くしたので、組立てが容易でカツプ上に安定して載置で
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、厚紙やプラスチックシートを主体とする折り畳み可能で、使い捨て 可能なコーヒー等の簡易注出具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来使い捨ての簡易コーヒー注出具に関して、濾紙袋を抽出器に貼着させたも のに、例えば実公昭５０−３９８２２号や実開昭６０−１５８５８号公報、実開 平２−１０６１４０号公報に記載されているものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

実公昭５０−３９８２２号公報には、濾袋の両側上方部に弾性補強紙を重設し 濾袋内に適量の茶材を収容し、濾袋の開口部を閉封して成るテイバックが記載さ れている。該出願の実施例に於いて、その濾袋の開口部は、接着性テープにより 閉封されており、注湯の際、濾袋を開封するためには、爪等により接着性テープ の角部から剥がさなければならず、開封するのが非常に面倒であるという問題点 があった。

【０００４】 また、実開昭６０−１５８５８号公報には、アルミ箔もしくは、その積層体を もって外装され、内部に焙煎した一回分のコーヒー粉末を濾紙をかねた包装袋を 納めたドリッパー兼用コーヒー包装体が記載されている。しかし、実開昭６０− １５８５８号公報記載のドリッパー兼用コーヒー包装体は、組立てる際に、濾紙 をかねた包装袋を納めているために、横壁部を押し広げ底紙を水平状態に組み立 てにくく、更に台座部に横壁部の下端に設けた組立用係合部を係止させなくては ならず、ドッパー用台紙を筒状に組立てにくい。更に注湯用の開口部は未使用時 は接着されて閉封されているので開封しにくく、摘み片を設けているものの、該 摘み片は、開封後注湯する際に横癖部を押し広げるためのものであり、未使用時 には、偏平に折り畳まれているので、摘み片はぴったりと重なっており非常に開 封しにくいという問題点がある。

【０００５】 実開平２−１０６１４０号公報には、開閉可能端に拡開保持片が罫線を介して 連設され、開時折り返し部を鉛直にして起立可能に二つ折りされたシート製本体 内面に、漏斗状に形成された濾紙が上縁を固定されて収納されている抽出具でコ ーヒー等を内包する膨らんだ濾紙を収納し、開口し易くするために側壁の対峙す る上部が不連続にポイントシールされており、それぞれの中央部には、開口用摘 み片とが設けられている抽出具が開示されている。 しかし、上記抽出具の摘み片も側壁の対峙する上縁にぴったり重なった状態で 設けられいるので、摘み片を設けているにもかかわらず、使用する際開口しにく いという問題点がある。

【０００６】 そこで、本考案は、焙煎コーヒー粉末等に注湯してコーヒー等を抽出する抽出 器に関して、特には、折り畳み可能で組立が容易な使い勝手がよい抽出器を提供 ことを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、前板、 後板および少なくとも一つの側板からなり、上下端を開口した角筒状に形成され ている上部開口縁の内側には濾紙袋を貼着していると共に、偏平状に折り畳み可 能に構成した本体で、前記側板には上縁より二箇所以上の切込みと、該切込みを 結ぶ罫線により、拡開保持片を形成する共に、前記前板後板の下部には係止凹部 を設け、更に上縁には、偏平状に折り畳んだ時にずれる位置に、開封用摘み片を 設けたことを特徴とする抽出具を提供するものである。

【０００８】

【作用】

本考案は前記前板、後板の上縁には、偏平状に折り畳んだ時にずれる位置に、 開封用摘み片を設けたので、使用する際には、一方の手で抽出具を持ち、もう一 方の手指で財布のがま口をひねって開口するごとき要領で、開封用摘み片どうし のずれた部分を押して注湯口である開口部を形成することも出来、開口部が形成 されれば、その後の組立も、組立て易くなる。更に、前板、後板、側板を略同等 の横幅に設けることにより、ドリッパーは正三角形状に保形され注湯口が広く広 がるので注湯し易い。

【０００９】

【実施例】

本考案の抽出具を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。 第１図と第２図はコーヒー等の粉末を濾紙に予め収納して供給する抽出具例であ る。 抽出具の本体は軽量化を図ると共にコストを低減し、使い捨て可能とするため に例えば厚紙のような安価なシートから形成されている。 本体Ａは、前板１、後板２、側板３を折り曲げ線を介し、側板３に隣設したの りしろ３１を前板１に貼着し、三角形状の角筒状に形成し、その内部に濾紙袋５ を収納し、前板１、後板２の内側上部開口部に濾紙袋５の開口縁をヒートシール 等の接着方法により貼着部５１を設け、更に不用意に口が開いて内容物がこぼれ ないようにポイントシール４を施し、該前板１、後板２の上縁には、第２図のよ うに折り畳んだ状態でずれる位置で摘み片７が設けられている。また、側板３は 抽出具を偏平に折り畳む為の折り畳み用の罫線３２が設けられ該罫線を挟む位置 に切り込み３３を設け該切り込み下端を結ぶ折り曲げ罫線３４を設け、抽出具を 拡開した時にその拡開を保持する為の拡開保持片３５を形成している。また、カ ップに載置した場合にカップ９の開口縁と係合させる係止凹部６をもうけている 。よって使用する場合折り畳まれた開口部を開口するのに片手でワンタッチで開 封可能になり開口部の開口後、注湯可能な角筒状に形作り、カップに載置してカ ップの開口縁と係止凹部６を係合させ、更には、注湯した時折り癖により開口部 が閉じていかないように、拡開保持片３５を外側に折り畳むことによって抽出具 Ａは、安定して保持される。

【００１０】 第３図から第６図の抽出具は、コーヒー等の粉末を濾紙に予め収納して供給す る抽出具の第２の実施例である。 本体Ｂは、第３図のように、前板１、後板２、側板３を横幅の長さを略同等に 設け、拡開時には、略三角形状の角筒状に形成し、その内部には濾紙袋５を収納 し、前板後板の内側上部開口部に濾紙袋５の開口縁をヒートシール等の接着方法 により貼着し更に不用意に口が開いて内容物がこぼれないようにポイントシール ４を施し、該前板１後板２の上縁には、第４図のように折り畳んだ状態で、尚且 つずれる位置で摘み片７が設けられている。また、側板３は抽出具を偏平に折り 畳む為の折り畳み用の罫線３２が設けられ該罫線を挟む位置に切り込み３３を設 け該切り込み下端を結ぶ折り曲げ罫線３４を設け抽出具Ｂを拡開した時にその拡 開を保持する為の拡開保持片３５が形成されている。前板１、後板２、側板３に は、係止凹部６を設け、更に、各板の係止凹部６と係止凹部６間に突片８を設け 、該突片８は弧状に形成されている。よって、折り畳まれた未開封の抽出具を開 封する場合は、片手でワンタッチで開封可能であり前板１後板２、側板３には係 止凹部６が設けられているので、抽出具をコーヒーカップ９に載置した際、コー ヒーカップの開口縁が前記係止凹部６に嵌まり込み、安定して抽出具を載置する ことができる。更に、各板の係止凹部６と係止凹部６を結ぶ突片８は、弧状に形 成されているので、各板に設けた係止凹部６内に嵌まり込む位置と一致して載置 されなかった場合でもカップ９の開口縁の周縁が弧状に設けた突片８に当たり、 該突片８の弧状部分がカップの開口縁の周縁をすべり、ぴったり係止凹部６に嵌 まり込むので、載置が確実である。更に通常コーヒーカップ等のカップの開口部 は円状であるので、前板１、後板２、側板３を略同等の横幅に設ると、拡開時に は略正三角形状の角筒状に形成され、抽出具Ｂをカップに載置した際、第６図の ようにカップの開口円の中心ｂと抽出具の前板、後板、側板で形成する略正三角 形の中心ｃがほぼ重なるのでカップ９上の載置が安定し、尚且つ中心が広く開口 するので注湯する場合に注湯しやすい。

【００１１】 上記実施例は、コーヒー等の粉末を濾紙に予め収納して供給する抽出具の例で あり、コーヒー粉末を封入しない抽出具としての供給も可能である。 抽出具本体Ｃは、第１図と第５図に示した抽出具の本体と、略同一外観を呈 しているが、上記実施例のように前板１、後板２の内側上部開口部にポイントシ ール４する代わりに、第７図から第９図のように前板１、後板２の上縁に一部分 が重なるように摘み片７を設けて、必要に応じて重なる部分をポイントシール７ １してもよい。ポイントシールの方法は、単に重なり部を貼着してもよいが、第 ８図や第９図のように例えば円形に貼着７１し、該円形貼着部７１の周囲にミシ ン目７２、又は半切れ状の切り込みを設けておけば、摘み片７どうしの貼着が強 固な場合、ミシン目、半切れ状の切り込みにより、円形接着部７１が摘み片側に 切り抜かれて取られるので、開封するために加えた外力によって摘み片７を変形 させることなく開封することができる。 尚、摘み片７を部分的に重ね、重なり部分を貼着することはコーヒー等の粉末 を濾紙に予め収納して供給する抽出具でも実施可能であることは明らかである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の抽出具は、偏平に折り畳んだときに、前板、後板の上縁にずれる位置 に摘み片を設けているので抽出具の開口部を片手でワンタッチで開口する事が出 来るという顕著な効果を発揮するものである。更に、前板、後板、側板を略同等 に設け、拡開保持片を設けることによりドリッパーが正三角形状に保形されるの で、カップ上の安定して載置されるとともに、注湯もし易くなるという、効果を 有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例における全体斜視図であ
る。

【図２】本考案の第１の実施例の折り畳み図である。

【図３】本考案の第２の実施例の展開図である。

【図４】本考案の第２の実施例の折り畳み図である。

【図５】本考案の第２の実施例における全体斜視図であ
る。

【図６】本考案の第２の実施例を真上からみた略図であ
る。

【図７】本考案の第３の実施例の展開図である。

【図８】本考案の第３の実施例の展開図である。

【図９】本考案の第３の実施例の折り畳み図である。

【符号の説明】

A …抽出具本体 B …抽出具本体 C …抽出具本体 1 …前板 2 …後板 3 …側板 31…のりしろ 32…折
り畳み用罫線 33…切り込み 34…折り曲げ罫線 35…
拡開保持片 4 …ポイントシール 5 …濾紙袋 6 …係止凹部 7 …摘み片 71…ポイントシール 72…
ミシン目 8 …突片 9 …カップ a …コーヒー等の粉末

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前板、後板および少なくとも一つの側板
   からなり、上下端を開口した角筒状に形成される上部開
   口縁の内側には濾紙袋を貼着し、該側板には折り畳み用
   罫線を設け、偏平状に折り畳み可能に構成した本体に、
   前記側板には上縁より折り畳み罫線を挟んで二箇所以上
   の切込みと、該切込みの端部を結ぶ罫線を設けて拡開保
   持片を形成すると共に、前記前板、後板の下部には係止
   凹部を設け、更に上縁には、偏平状に折り畳んだ時にず
   れる位置に、開封用摘み片を設けたことを特徴とする抽
   出具。
2. 【請求項２】 上記注出具に於いて、前板、後板と少な
   くとも一つの側板の横幅の長さを略同等に設けた請求項
   １に記載の注出具。