JPS6336981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はコーヒー漏斗具に係り、ドリツプ式
コーヒーを極めて手軽に入れることができるコー
ヒー漏斗具に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来より、コーヒー豆からコーヒーを抽出する
方法として、濾紙や漉し袋を使用するドリツプ式
や、サイホンの原理を応用したサイホン式、この
他、所謂、パーコレーターと称するコーヒー抽出
器を使用する方法等が知られている。そして、こ
れらの方法の中で、あまり器具を用いずに最も手
軽に使用できる抽出方法としては、ドリツプ式抽
出方法が注目されている。この方法によれば、所
定のコーヒーポツトやコーヒーカツプの上に、粉
砕したコーヒー豆が入つた漉し袋や濾紙をセツト
し、この漉し袋や濾紙上に湯を注いでコーヒーを
抽出させるものである。ところが、漉し袋を使用
する場合には、濾過したコーヒーを、一旦、別の
器に受けてからでなければ各々のコーヒーカツプ
に注ぐことができないものであり、ちかも、使用
後に漉し袋を洗浄し、乾燥させなければならない
などと、漉し袋の管理に手間が掛るものである。
一方、濾紙を使用する場合には、コーヒーカツプ
等に濾過したコーヒーを直接注ぐことはできる
が、コーヒーカツプ上に所定の濾紙を固定させる
専用の受具が必要になるものである。したがつ
て、これらの器具を携帯して任意の場所でコーヒ
ーを入れるとなると、上述した種々の不都合が伴
なつて極めて不便なものであつた。一方、包装技
術の進歩によつて、挽きたてのコーヒー豆をその
ままの状態で保存できることとも相俟つて、イン
スタントコーヒーの手軽さで本来のコーヒーを入
れることができる器具の提供が望まれていた。

〔考案の目的〕

そこで、この考案は上述の不都合を解消し、従
来からの期待に応えるべく案出されたもので、携
帯に便利で、任意の場所で手軽にドリツプ式のコ
ーヒーを入れることが可能となり、しかも使用後
の処理も極めて容易なコーヒー漏斗具の提供を目
的とするものである。

〔考案の概要〕

上述の目的を達成すべくこの考案は、有底の略
漏斗形状を成し、側面に適数本の折込線が周設さ
れた伸縮自在な粉受具を形成し、この粉受具の底
板下面に接合され、且つ、粉受具の周囲方向に延
長された係止体を設け、底板と係止体との接合部
分に濾過孔を穿設すると共に、底板に濾紙を被着
したことを要旨とすることで、任意の場所で手軽
にドリツプ式のコーヒーを入れることに成功した
ものである。

〔考案の実施例〕

以下、図面を参照してこの考案の実施例を詳細
に説明する。

図に示す符号１は、コーヒーミル等によつて予
め粉砕されたコーヒー豆を載せる粉受具であり、
有底の略漏斗形状を成した側面に適宜数本の折線
を周設して伸縮自在に形成してある（第２図参
照）。このとき、直径100mmの開口部４から高さが
65mmの側板５を設け、底板６の直径を20mm乃至
300mm内外とした粉受具１を形成し、この粉受具
１の側板５に等間隔で10本の折込線３を設けたも
のを予定している。粉受具１をこのように形成す
ることで、一人乃至二人用のコーヒーを抽出する
のに充分な容積となり、また、折込線３を折り込
んで粉受具１の高さを伸縮させた際に、略漏斗形
状の粉受具１を厚さが２mm乃至10mm内外の盤体状
に変形させることができることとなり、極めてコ
ンパクトな形状にすることができる（第３図参
照）。この外、粉受具１の大きさを変更したり、
或いは、折込線３の増減などは任意に変更できる
ものとする。

また、折込線３によつて帯状に区画された側板
５の厚みを変えて肉厚側板５Ａと肉薄側板５Ｂと
を設け、この肉厚側板５Ａと肉薄側板５Ｂとが折
込線３を介して隣接するように配することで、粉
受具１の伸縮を容易に行うことができる。更に、
粉受具１の材質はポリプロピレン又は紙材等を予
定しており、このような材質で粉受具１を形成す
ることにより、食品衛生上安全で、しかも安価な
製造が可能になる。

符号８は係止体であり、粉受具１の底板６下面
に接合されており、この接合部分から粉受具１周
囲の任意方向へ向けて延長してある。図示の係止
体８は、圧着面８Ｂ周囲の載置部８Ａから腕部８
Ｃを延長し、所定の容器Ａ周囲縁にこの腕部８Ｃ
を係止させるようにしてある（第１図参照）。こ
のような係止体８によると、所定の容器Ａ内に溜
つてゆくコーヒーの量を確認しながら湯を注ぐこ
とができるから、適確にコーヒーを抽出できる。
また、図示例に限らず、係止体８の形状として、
人気キヤラクターや動物、その他の形状等を模し
たり、係止体８の補強を図る為に補強リブ等を設
ける等とその形状は自由であり、要は、係止体８
に接合した粉受具１を所定の容器Ａ上に載置固定
できるものであればどのような形状であつても構
わない。更に、接合方法としては、圧着方法を予
定しているが、この外、接着や溶着などによつて
接合することもできる。

尚、係止体８の材質は、粉受具１と同じ材質を
使用することを予定しているが、これを任意に変
更することもできるものとする。

そして、粉受具１の底板６と係止体８との接合
部分に濾過孔７を穿設すると共に、底板６に濾紙
９を被着する。この際、濾紙９を底板６の上面に
被着させることで、濾紙９が、コーヒー豆と底板
６との間に固定されるから、濾紙９を固定して安
定した状態で濾過させることができる。図示の濾
過孔７は、均等の大きさのものを４個穿設してあ
るが、濾過孔７の形状や大きさは適宜に変更でき
るものとする（第４図参照）。

而して、この考案を使用するには、折り畳んで
ある粉受具１を伸展させてからこの粉受具１に所
定のコーヒーを入れ、次に容器Ａの開口縁上に係
止体８を係止させることで粉受具１を固定し、後
は、通常のドリツプ式抽出方法と同様にして粉受
具１の上方から熱湯を注ぎ、コーヒーを抽出する
ものである。この際、折り畳んである適数個のこ
の考案漏斗具と、予め粉砕して真空包装してある
コーヒーとをセツトにしておくことで、一層便利
に使用できるものとなる。

〔考案の効果〕

この考案は上述の如く構成したことにより、携
帯に便利で、任意の場所で手軽にドリツプ式のコ
ーヒーを入れることが可能となり、しかも、使用
後の処理も極めて容易に行えるものである。

すなわち、粉受具１は、有底の略漏斗形状を成
し、側面に適数本の折込線３を周設して伸縮自在
に形成してあるから、粉受具１の収納及び運搬を
極めてコンパクトに行える。

また、係止体８は、粉受具１の底板６下面に接
合し、且つ、粉受具１の周囲方向に延長して粉砕
されたコーヒー豆が入つた粉受具１を所定の容器
Ａ上にセツトすることが可能になる。しかも、係
止体８は、容器Ａの開口縁に係止して容器Ａの開
口部分を略施蓋する状態になるから、ドリツプさ
れたコーヒーが容器Ａの中に溜つてゆく際に、コ
ーヒーの温度を保温する効果も奏する。

そして、粉受具１の底板６と係止体８との接合
部分に濾過孔７を穿設すると共に、底板６に濾紙
９を被着してあるから、粉受具１内に入れたコー
ヒー豆をドリツプする際に、僅かな濾紙９で漉す
ことが可能になる。したがつて、材料費の節約を
図ることができ、安価に提供できる利点がある。
しかも、粉受具１と係止体８との接合部分を穿設
するだけで濾過孔７を設けることができるから、
濾過孔７の製造工程において濾過孔７の面積を自
由に変更することができることとなり、こうする
ことで、コーヒーの濾過速度を調節し、粉受具１
の容積に適応した最適の状態でコーヒーを濾過さ
せることが容易になるものである。

更に、この考案漏斗具は構成上合成樹脂材や紙
材等の安価な材質で形成することができるから、
使用後はそのまま捨てることが可能となつて、使
用後の処理が極めて容易に行える。

このようにこの考案によれば、携帯に便利で、
任意の場所で手軽にドリツプ式のコーヒーを入れ
ることが可能となり、しかも、使用後の処理も極
めて容易に行えるなどといつた実用上有益な種々
の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は使用状態を示す斜視図、第２図は第１図で示す
矢視−線断面図、第３図は折り畳んだ状態を
示す断面図、第４図は平面図である。 Ａ…容器、１…粉受具、２…補強フランジ、３
…折込線、４…開口部、５…側板、５Ａ…肉厚側
板、５Ｂ…肉薄側板、６…底板、７…濾過孔、８
…係止体、８Ａ…載置部、８Ｂ…接合面、８Ｃ…
腕部、９…濾紙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 有底の略漏斗形状を成し、側面に適数本の折
   込線が周設された伸縮自在な粉受具を形成し、
   この粉受具の底板下面に接合され、且つ、粉受
   具の周囲方向に延長された係止体を設け、底板
   と係止体との接合部分に濾過孔を穿設すると共
   に、底板に濾紙を被着したことを特徴とするコ
   ーヒー漏斗具。 ２ 濾紙は、底板の上面に被着した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のコーヒー漏斗具。