JP2021503291A - 乳酸塩の蓄積を予防しつつ、細胞培養物を増殖させるための方法及びシステム - Google Patents

乳酸塩の蓄積を予防しつつ、細胞培養物を増殖させるための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

初期の測定された濃度及びヒストリカルデータに基づき、将来的なパラメーター濃度を予測することができる予測モデルが記載されている。複数の多変量技術が、複数の多様な細胞株において濃度を予想する能力を有する予測モデルを構築するのに使用可能である。予測モデルは、スケール調整も可能である。一実施形態では、将来的な乳酸塩濃度軌道が決定され、バイオリアクター内の少なくとも1つの条件が、乳酸塩濃度を所望の範囲内に維持するために変更又は修正される。【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
[関連出願]
[0001]本出願は、2017年11月20日出願の米国特許仮出願第62/588,464号、及び2018年10月18日出願の米国特許仮出願第62/747,311号に基づき、その優先権を主張するものであり、両号は参考として本明細書に組み込まれている。
[背景]
[0002]バイオリアクターは、生物学的反応又はプロセスが研究室スケール又は工業スケールで実施可能な装置であり、生物製剤業界において幅広く使用されている。バイオリアクターは、すべての異なる種類のバイオプロダクトを製造するのに使用可能である。バイオプロダクトは、例えば、細胞培養物、及び飲料、バイオ燃料、バイオエネルギー、生化学物質、抗生物質、アミノ酸、酵素、モノクロナール抗体、モノマー、タンパク質、食品培養物、バイオポリマー、アルコール、着香料、芳香剤等を含む、細胞培養物に由来する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、細胞培養物は、細胞療法用として増殖され得る。細胞療法は、ex vivoで操作又は改変された自己、同種異系、又は異種の細胞の投与により、ヒトにおける疾患又は傷害を予防、治療、治癒、又は緩和することである。細胞療法の1つの目的は、傷害を受けた組織又は臓器を修復、置き換え、又は復元することである。
[0003]細胞培養物は、生体物質が反応時間の終了までバイオリアクター内に留まるバッチプロセスにおいて一般的に増殖される。これらのプロセスのある場合では、バイオリアクターに含まれる液体培地が、液体培地に含まれる栄養分を補充するために、及びおそらくはプロセス期間中に生成した傷害性の副生成物を除去するために、定期的又は連続的に除去及び再供給され得る。
[0004]細胞培養物の増殖期間中に、培地内の重要な代謝物について制御を行えば、生成される生成物の品質に直接影響を与えることができる。例えば、乳酸塩濃度は、細胞培養物、特に哺乳動物の細胞培養物の増殖期間中にコントロールすべき重要な代謝物の1つとして長い間考えられてきた。一般的に、多量の乳酸塩が、細胞培養物の指数増殖期に生み出される一方、細胞が静止期に入ると消費が認められる。高レベルの乳酸塩は、細胞培養プロセスに対して多くの悪影響を有し得る。乳酸塩の蓄積は、例えば、製品品質及び特性に対する悪影響と相関関係を有し得る。実際、細胞培養物中に乳酸塩が極度に蓄積すると、細胞培養物を商業的に使用できなくするおそれがある。
[0005]しかし、細胞培養物中の乳酸塩の挙動は、非常に予測不能である。例えば、当業者は、乳酸塩レベルをモニタリング及びコントロールしようと試みたが、細胞培養物中の乳酸塩の生成及び消費の調節に関与する機構は不明確及び不明のままなので、ほとんど成功していない。細胞の代謝的挙動のきわめて多変量的、非線形的、及び時間変動的な性質が、乳酸塩濃度の背後にあるドライビングフォースを識別及び適正化する上で、いずれにおいても難しくしている。
[0006]従来、サンプルを取り出し、次にそれを選択された代謝物、例えば乳酸塩レベル等について分析することにより、上流バイオプロセスがモニタリングされてきた。過去には、細胞培養物が乳酸塩蓄積段階で終了し、従って生成物濃度が減少することを予測するために、反復した乳酸塩濃度測定が行われてきた。残念ながら、これまでの乳酸塩濃度計算は、プロセス内の乳酸塩の蓄積と関連する問題を見極めるに過ぎず、代謝物のフィード量又は操作条件を規定するには遅すぎる。
[0007]最近、当業者は、バイオプロダクトの製造期間中に使用される品質管理ツールとして、予測コントロールモデルを設計することを試みた。市販モデルの予測コントロール技術に関する概要は、例えば、参考として本明細書に組み込まれているQuinらによる、「A survey of industrial model predictive control technology」と題する文献に開示されている。Zupkeらは、「Real−time product attribute control to manufacture antibodies with defined N−linked Glycan level」と題する文献を公表しており、非線形モデルの予測コントロールを使用して考察している。Sommereggerらは、「Quality by control: towards model predictive control of mammalian cell culture bioprocesses」と題する文献を公表しているが、それはより柔軟な品質デザインアプローチに移行するためのプロセス分析技術の導入を目的とする。しかし、上記文献は、乳酸塩濃度コントロールシステムを開示できないばかりか、フィードバック機構と結びついたプロセスパラメーターの強固なコントロールも提供できていない。
[0008]上記を考慮して、生化学的プロセス及び生物製剤プロセスをモニタリングするための改善した方法及びシステム、例えばバイオリアクター内で最適な条件を維持するために、連続的又は定期的な調整を可能にする細胞培養物を増殖する方法に対する必要性が、今もなお存在する。例えば、細胞培養物中の品質特性濃度を予測し、そして品質特性を所望の限界内に維持する能力を有する方法及びシステムに対する必要性が存在する。特に、増殖中の細胞培養物内の将来的な乳酸塩濃度を予測する能力だけでなく、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、1つ又は複数のバイオリアクターコントロール及び/又はインプットを修正する能力も有する方法及びシステムに対する必要性が存在する。また、細胞培養物中への乳酸塩の蓄積を予防するための改善した方法及びシステムに対する必要性も存在する。
[概要]
[0009]本開示は、バイオマテリアル、例えば細胞培養物等を増殖させるための方法及びシステムを一般的に目的とする。一実施形態では、例えば、本開示の方法及びシステムは、哺乳動物の細胞培養物を増殖させることを目的とする。本開示に従って、強固な品質特性濃度、例えば乳酸塩濃度等を、細胞培養物のインキュベーション期間全体を通じて決定する能力を有する予測モデルを含有するコントローラーが開発された。予測モデルは、品質特性濃度を事前設定された限界内に維持するために、増殖期間中に、細胞培養物内の少なくとも1つの条件を選択的に変更するのに使用可能である。例えば、本開示の方法及びシステムを通じて、細胞培養物は、プロセスの終了時に、細胞培養物内の乳酸塩蓄積を防止する方式で増殖し得る。
[00010]一実施形態では、例えば、本開示は、細胞培養物を増殖させる方法を目的とする。方法は、細胞培養物内の乳酸塩の濃度を決定するステップを含む。さらに、細胞培養物内の少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターが測定される。乳酸塩濃度及び少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター測定値が、コントローラーに送付される。本開示に従い、コントローラーは、細胞培養物内の乳酸塩の将来的濃度を決定する予測モデルを含む。乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、次に細胞培養物内の乳酸塩の決定済みの将来的濃度に基づき、細胞培養物内の少なくとも1つの条件が選択的に変更される。
[00011]上記のように、一実施形態では、本開示は、細胞培養物内の乳酸塩濃度をコントロールすることを特に目的とする。しかし、本開示の方法及びシステムは、細胞培養物内の任意の好適な品質特性をモニタリング及びコントロールするのに使用可能であるものと理解すべきである。品質特性は、乳酸塩に加えて、タンパク質、細胞増殖速度、グリカン組成、電荷バリアント、凝集物、クリッピング、ジスルフィド酸化、又はジスルフィドシャッフリングバリアント(disulfide shuffling variant)を含み得る。以下に記載するように、システム及び方法は、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持することにおいて、特に好適である。
[00012]一実施形態では、細胞培養物は、採取される前にインキュベーション期間を有する。インキュベーション期間は、例えば、約12時間〜約28日間であり得る。乳酸塩濃度は、インキュベーション期間の開始時に測定可能及びコントローラーにフィード可能である。初期の乳酸塩濃度に基づき、コントローラーは、次にインキュベーション期間の終了まで乳酸塩濃度を予想することができる。コントローラーは、また乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、細胞培養物内の少なくとも1つの条件を変化させる是正処置を決定するように同様に構成され得る。例えば、乳酸塩濃度情報は、コントローラーが細胞培養物内の乳酸塩の将来的濃度を決定し、そして何らかの是正処置を行う前、約12時間〜約4日間において決定可能である。例えば、乳酸塩濃度は、コントローラーが乳酸塩の予想決定を行う前、インキュベーション期間の約5%〜約40%において測定可能である。乳酸塩濃度は、全インキュベーション期間において測定可能及びコントローラーにフィード可能であり、コントローラーが細胞培養物内で継続して将来予測(predication)を実行し、必要に応じて調整を行うことを可能にする。
[00013]上記のように、乳酸塩濃度に加えて、少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターも同様に測定され、コントローラーにフィードされる。乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターは、例えば、pH、グルタミン酸濃度、グルコース濃度、アスパラギン濃度、温度、又は栄養フィード速度を含み得る。一実施形態では、少なくとも2つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター、例えば少なくとも3つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター等が測定され、そして測定されたデータは、細胞培養物内の乳酸塩の将来的濃度を決定する際に使用されるようにコントローラーに送付される。
[00014]一実施形態では、乳酸塩濃度をコントロールするために、プロセス期間中に細胞培養物内で選択的に変更される少なくとも1つの条件は、細胞培養物にフィードされる栄養培地である。例えば、乳酸塩レベルに影響を及ぼすために、栄養培地のコンポーネントが変更され得る、及び/又は栄養培地の流速が変更され得る。栄養培地は、例えば、炭水化物供給源、アミノ酸供給源、ビタミン、脂質、タンパク質、ペプチド、又はそれらの混合物を含有し得る。
[00015]一実施形態では、乳酸塩濃度をコントロールするために、細胞培養物内で変更される少なくとも1つの条件は、細胞培養物のpHである。さらに別の実施形態では、細胞培養物及び栄養培地のpHは、乳酸塩レベルをコントロールするために、変更及びコントロールの両方がなされる。
[00016]本開示のシステム及び方法は、任意の好適な細胞培養物をコントロールするのに使用可能である。一実施形態では、細胞培養物は哺乳動物細胞を含有する。例えば、細胞培養物は、組換えタンパク質の製造に使用可能である。
[00017]コントローラーに含まれ、乳酸塩濃度を予想する予測モデルは、乳酸塩濃度を事前の参照データと比較することに基づき得る。乳酸塩の将来的濃度は、予測モデルの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター(複数可)を変化させて、規定された参照軌道からの乳酸塩濃度予測の二乗偏差を最小限に抑えることにより決定可能である。一実施形態では、予測モデルは、結果をさらに改善するために、重み付けを含み得る。例えば、一実施形態では、重み付けは予測されたアウトプットと参照された軌道との間の差異に適用され得る。一実施形態では、例えば、重み付けは、測定される期間に基づき適用され得る。例えば、より多くの重み付けが、増殖サイクルの後期に収集されるデータではなく、増殖サイクルの初期のデータに適用され得る。
[00018]コントローラーに含まれる予測モデルは、将来における乳酸塩濃度及び乳酸塩状態を予測する際に、様々な多変量法を使用することができる。例えば、将来的な乳酸塩状態は、部分的な最小二乗分析、分類木、サポートベクターマシン、線形判別分析等から選択される1つ又は複数の技術から、コントローラーにより決定可能である。一実施形態では、将来的な乳酸塩状態を予測する際に、予測モデルは少なくとも2つの多変量法を含む。例えば、予測モデルは、ニューラルネットワーク分析、サポートベクターマシン、及び潜在変数モデルのうちの少なくとも2つを含み得る。一実施形態では、コントローラーは、将来的乳酸塩濃度を予測するために、低減次数時間変動式の自己回帰型外因性モデル(autoregressive exogenous model)を使用する。
[00019]本開示のプロセスを通じて、インキュベーション期間終了時に、細胞培養物が乳酸塩の蓄積を示さないように、乳酸塩レベルがモニタリング及びコントロールされ得る。一実施形態では、例えば、システムは、細胞培養が乳酸塩消費状態又は乳酸塩生成状態で終了するかを予測する分類モデルを含み得る。さらに、コントローラーは、将来的なある日数において、おそらくは細胞培養のインキュベーション期間の終了までの乳酸塩の規定された濃度を予想することができる動的モデルを含み得る。数値的予測を実行して最良の戦略を決定し、細胞培養物の増殖期間中にあらゆる是正処置を実施するために、動的モデルには異なる数値の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターが提供され得る。一実施形態では、処理システムは、生物培養がある特定の乳酸塩濃度範囲内で終了するように設計され得る。例えば、インキュベーション期間終了時の乳酸塩濃度は、約2g/L未満、例えば約1.5g/L未満等、例えば約1g/L未満等であり得る。
[00020]上記乳酸塩濃度範囲は、単に例示的である。本開示の方法及びシステムは、任意の特定の用途に適合し得る。例えば、乳酸塩濃度が高いのは望ましくない場合があり、乳酸塩濃度が低いのも同様に望ましくない場合がある。本開示の方法及びシステムは、乳酸塩濃度を単にコントロールするというのではなく、細胞培養物の代謝状態をコントロールすることができる。例えば、一実施形態では、本開示の方法及びシステムは、最終的な乳酸塩濃度を単にコントロールするというのではなく、乳酸塩濃度のスロープを経時的にコントロールし得る。
[00021]本開示は、細胞培養物を増殖させるためのシステムも目的とする。システムは、細胞培養物を受け入れる中空内部を規定するバイオリアクターを備える。バイオリアクターは、中空内部に材料をフィード、及び/又はそれから材料を取り出すための複数のポートを備える。栄養培地をバイオリアクターの中空内部にフィードするための栄養培地フィードは、バイオリアクターのポートの少なくとも1つと流体連通した状態にある。システムは、バイオリアクターに収納された細胞培養物の乳酸塩濃度測定値を受け取るように構成されたコントローラーをさらに備える。コントローラーは、少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの測定値を受け取るように同様に構成される。コントローラーは、バイオリアクターに収納された細胞培養物内の乳酸塩の将来的濃度を決定する予測モデルを含む。例えば、予測モデルは、細胞培養物のインキュベーション期間全体を通じて乳酸塩濃度を予想するように構成され得る。コントローラーは、予測された乳酸塩濃度に基づき栄養培地のバイオリアクターへの流れを選択的に増加又は減少させて、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、栄養培地フィードをコントロールするように構成される。
[00022]本開示の他の特性及び態様は下記でより詳細に議論される。
[00023]本開示の完全、及び有効な開示が、添付図面に対する参照を含む、本明細書の残りの部分により詳細に記載されている。
図1は、本開示に従うバイオリアクターシステムの一実施形態の断面図を示す図である。 図2は、本開示に従う制御システムの一実施形態を例証する図である。 図3は、細胞培養物インキュベーション期間における乳酸塩濃度のコントロールを例証する図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。 図4〜図19は、下記の実施例で得られたいくつかの結果のグラフ表現を示す図である。
[00028]本明細書及び図面における参照表記の反復使用は、本発明の同一又は類似した特性又は要素を表すように意図されている。
[詳細な説明]
[00029]本考察は、例示的な実施形態の説明に過ぎず、また本開示のより広い態様を制限するようには意図されないものと、当業者により理解される。
[00030]一般的に、本開示は、バイオプロダクトを製造するための方法及びシステムを目的とする。一実施形態では、例えば、本開示は、バイオリアクター内で細胞培養物を増殖させるための方法及びシステムを目的とする。本開示のシステムは、開ループ又は閉ループコントロールを使用して、品質特性、例えばバイオリアクター内の1つ又は複数のパラメーター等をモニタリングし、次にパラメーターに影響を及ぼす物質のバイオリアクター内部又は外部への流れを自動的に変化又は変動させることができる。
[00031]一般的に、任意の好適な品質特性が、本開示に従う細胞培養物においてモニタリング及びコントロールされ得る。一実施形態では、システムは、実際の細胞培養測定値だけでなく、これまでの細胞培養からの参照データもインプット可能な予測コントロールモジュールを備える。インプットされた情報に基づき、細胞培養物内の1つ又は複数の品質特性のうち将来的濃度を計算するために、予測モデルは多変量解析法を使用することができる。例えば、一実施形態では、予測モデルは、将来的濃度レベルをコンピューターで計算する際に、2つの異なる多変量解析法を使用する。
[00032]本開示に従ってモニタリング及びコントロールされる品質特性は、特定の用途及び所望の結果に依存して変化し得る。例えば、コントロール可能である品質特性として、タンパク質タイター、細胞増殖速度、及びグリカン組成が挙げられる。グリカン組成は、ガラクトシレーション、高マンノース種、シアリル化、及びフコシル化を含み得る。別の実施形態では、コントロールされる品質特性は、電荷バリアントを含み得る。例えば、電荷バリアントは、C末端リジンの切断、脱アミド化、付加物形成、スクシンイミド形成、酸化、C末端プロリンのアミド化、異性化、及び/又はシアリル化と関連し得る。コントロール可能であるなおもその他の品質特性として、凝集物濃度、クリッピング、ジスルフィド酸化、及びジスルフィドシャッフリングバリアントが挙げられる。
[00033]一実施形態では、本開示の方法及びシステムは、細胞培養物内の乳酸塩濃度のモニタリング及びコントロールと特に目的とする。本開示に従って、初期の乳酸塩濃度データに基づき、細胞培養物内の将来的乳酸塩濃度軌道を決定する能力を有する予測モデルが確立される。将来的乳酸塩濃度は細胞培養プロセスの初期に決定可能であり、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、バイオリアクター内の1つ又は複数の条件について、その手動コントロール又は自動コントロールを可能にする。本開示の方法及びシステムを通じて、例えば、乳酸塩の蓄積は、インキュベーション期間の全過程にわたり、及び細胞培養物を採取する前に、細胞培養物内で予防可能である。
[00034]特に有利なことには、本開示の方法及びシステムは、異なる様々なバイオリアクターサイズ及び様々な細胞株に応じてスケール調整可能である。例えば、本開示に従って使用される予測モデルは強固であり、また細胞株非依存性のプラットフォームプロセス用として開発されており、従って、臨床製造並びに市販製造において使用可能である。あらゆる異なるバイオプロダクトが本開示に従って製造可能である。例えば、システム及び方法は、あらゆる細胞培養物がバイオリアクター内で増殖するように構成され得る。一実施形態では、細胞培養物は哺乳動物細胞を含有する。哺乳動物細胞は、複雑な生物製剤の製造で非常に頻繁に使用される。例えば、哺乳動物細胞は組換えタンパク質製造に使用可能である。本開示のシステム及び方法は、例えば、製品収率及び製品品質の両方に直接影響を及ぼし、それらを改善することができ、タイター濃度の増加をもたらす。
[00035]1つの例では、本開示のシステム及び方法は、バイオリアクター内の遺伝的に改変された哺乳動物細胞からバイオ治療用タンパク質を製造するのに使用される。そのような製造は、確立された細胞培養物、例えばCHO、NSO、又はPER.C6等の細胞株に由来し得る。これらの細胞は、目的とするタンパク質を発現し、その後タンパク質を培地中に分泌する。細胞培養物は、本明細書で使用する場合、液体が定期的若しくは連続的にバイオリアクターから除去される潅流型細胞培養システム、又は非灌流システムも含む流加プロセス内で増殖し得る。
[00036]図1を参照すると、本開示に従うバイオリアクターシステムの一実施形態が示されている。バイオリアクターシステムは、バイオリアクター10を備える。一般的に、本開示のシステム及び方法は任意の好適なバイオリアクターを使用することができる。バイオリアクターは、例えば、ファーメンター、撹拌式タンクリアクター、接着性バイオリアクター、波型バイオリアクター、ディスポーザブルバイオリアクター等を含み得る。図1で例証される実施形態では、バイオリアクター10は、液体増殖培地内に細胞培養物を受け入れるためのバイオリアクター容積部12を含む中空容器又はコンテナを備える。図1に示すように、バイオリアクターシステムは、撹拌装置、例えばデュアルインペラー16及び18等と結びついた回転可能なシャフト14をさらに備え得る。
[00037]バイオリアクター10は、様々な異なる材料から作製され得る。一実施形態では、例えば、バイオリアクター10は、金属、例えばステンレス鋼等から作製され得る。金属製バイオリアクターは、再使用されるように一般的に設計される。
[00038]或いは、バイオリアクター10は、硬質ポリマー又は可撓性ポリマーフィルムから作製された単回使用バイオリアクターを含み得る。硬質ポリマーから作製される場合、例えば、バイオリアクター壁は自立式であり得る。或いは、バイオリアクターは、液体不透過性であり得、親水性内部表面を有し得る可撓性ポリマーフィルム又は形状適合性材料(shape conforming material)から作製され得る。一実施形態では、バイオリアクター10は、所望の形状を想定して、剛構造、例えば金属コンテナ等に挿入されるように設計された可撓性ポリマーフィルムから作製され得る。硬質容器又は可撓性ポリマーフィルムを作製するのに使用され得るポリマーとして、ポリオレフィンポリマー、例えばポリプロピレン及びポリエチレン等が挙げられる。或いは、ポリマーは、ポリアミドであり得る。なおも別の実施形態では、可撓性ポリマーフィルムは、多層の異なるポリマー材料から形成され得る。一実施形態では、可撓性ポリマーフィルムは、ガンマ線照射され得る。
[00039]バイオリアクター10は、任意の好適な容積を有し得る。例えば、バイオリアクター10の容積は、0.1mL〜約25,000L、又はそれ超であり得る。例えば、バイオリアクター10の容積部12は、約0.5Lを上回る、例えば約1Lを上回る等、例えば約2Lを上回る等、例えば約3Lを上回る等、例えば約4Lを上回る等、例えば約5Lを上回る等、例えば約6Lを上回る等、例えば約7Lを上回る等、例えば約8Lを上回る等、例えば約10Lを上回る等、例えば約12Lを上回る等、例えば約15Lを上回る等、例えば約20Lを上回る等、例えば約25Lを上回る等、例えば約30Lを上回る等、例えば約35Lを上回る等、例えば約40Lを上回る等、例えば約45Lを上回る等であり得る。バイオリアクター10の容積は、一般的に約25,000L未満、例えば約15,000L未満等、例えば約10,000L未満等、例えば約5,000L未満等、例えば約1,000L未満等、例えば約800L未満等、例えば約600L未満等、例えば約400L未満等、例えば約200L未満等、例えば約100L未満等、例えば約50L未満等、例えば約40L未満等、例えば約30L未満等、例えば約20L未満等、例えば約10L未満等である。一実施形態では、例えば、バイオリアクターの容積は、約1L〜約5Lであり得る。代替的な実施形態では、バイオリアクターの容積は、約25L〜約75Lであり得る。なおも別の実施形態では、バイオリアクターの容積は、約1,000L〜約5,000Lであり得る。
[00040]インペラー16及び18に加えて、バイオリアクター10は、様々な追加の機器、例えば生体細胞の培養及び増殖を可能にするバッフル、スパージャ、ガス供給部、熱交換器、又は熱循環器ポート等を備え得る。例えば、図1で例証される実施形態では、バイオリアクター10は、スパージャ20及びバッフル22を備える。スパージャ20は、バイオリアクター10にガス、例えば二酸化炭素、酸素、及び/又は空気等を供給するために、ガス供給部48と流体連通した状態にある。さらに、バイオリアクターシステムは、圧力、フォーム、pH、溶存酸素、溶存二酸化炭素等を測定及びモニタリングするための様々なプローブを備えることができる。
[00041]図1に示すように、バイオリアクター10は、インペラー16及び18に取り付けられた回転可能なシャフト14を備え得る。回転可能なシャフト14は、シャフト14並びにインペラー16及び18を回転させるためのモーター24と結びつき得る。インペラー16及び18は、任意の好適な材料、例えば金属又は生体適合性ポリマー等から作製可能である。バイオリアクターシステム内での使用に好適なインペラーの例として、水中翼インペラー、高堅牢性ピッチブレードインペラー、高堅牢性水中翼インペラー、ラシュトン(Rushton)インペラー、傾斜翼インペラー、ジェントルマリーンブレード(gentle marine−blade)インペラー等が挙げられる。2つ以上のインペラーを備える場合、インペラーには、回転シャフト14に沿って間隔を設けることができる。
[00042]図1に示すように、バイオリアクター10は、複数のポートも備える。ポートは、液体及びその他の材料を添加及び除去するために、バイオリアクター10内及び外へのラインの供給及びフィードを可能にすることができる。さらに、1つ又は複数のポートは、バイオリアクター10内の条件のモニタリングのための1つ又は複数のプローブと接続するためのものであり得る。さらに、バイオリアクター10は、バイオリアクター内の培養物の質量を測定するために、ロードセルと関連して配置される。
[00043]図1で例証される実施形態では、バイオリアクター10は、バイオリアクターから材料を連続的又は定期的に回収するための、流出液28と接続した底部ポート26を備える。さらに、バイオリアクター10は、複数の上部ポート、例えばポート30、32、及び34等を備える。ポート30は、第1の液体フィード36と流体連通した状態にあり、ポート32は、第2のフィード38と流体連通した状態にあり、及びポート34は、第3のフィード40と流体連通した状態にある。フィード36、38、及び40は、異なる様々な材料、例えば栄養培地等をバイオリアクター10にフィードするためのものである。本明細書で使用する場合、栄養培地とは、バイオプロダクト、例えば生存、増殖し、さもなければバイオマスを追加するために、生物により使用され得るあらゆるもの等の質量を増加させることができるあらゆる液体、化合物、分子、又は物質を指す。例えば、栄養フィードは、呼吸又は種類を問わない代謝で使用されるガス、例えば酸素又は二酸化炭素等を含み得る。その他の栄養培地は炭水化物供給源を含み得る。炭水化物供給源として、複合糖類及び単糖類、例えばグルコース、マルトース、フルクトース、ガラクトース等、及びそれらの混合物が挙げられる。栄養培地は、アミノ酸も含むことができる。アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸、個々のそれらの立体異性体、及びそのラセミ混合物を含み得る。用語「アミノ酸」は、公知の非標準的なアミノ酸、例えば、4−ヒドロキシプロリン、ε−N,N,N−トリメチルリジン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、O−ホスホセリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−N−アセチルリジン、ω−N−メチルアルギニン、N−アセチルセリン、N,N,N−トリメチルアラニン、N−ホルミルメチオニン、γ−アミノ酪酸、ヒスタミン、ドーパミン、チロキシン、シトルリン、オルニチン、β−シアノアラニン、ホモシステイン、アザセリン、及びS−アデノシルメチオニンを指す場合もある。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、グルタミン酸、グルタミン、リジン、チロシン、又はバリンである。
[00044]栄養培地は、1つ又は複数のビタミンもまた含有し得る。栄養培地内に含まれ得るビタミンとして、B群ビタミン、例えばB12等が挙げられる。その他のビタミンとして、ビタミンA、ビタミンE、リボフラビン、チアミン、ビオチン、及びそれらの混合物が挙げられる。栄養培地は、1つ又は複数の脂肪酸及び1つ又は複数の脂質もまた含有し得る。例えば、栄養培地フィードは、コレステロール、ステロイド、及びそれらの混合物を含み得る。栄養培地は、タンパク質及びペプチドもバイオリアクターに供給し得る。タンパク質及びペプチドとして、例えば、アルブミン、トランスフェリン、フィブロネクチン、フェチュイン、及びそれらの混合物が挙げられる。本開示内の増殖培地は、増殖因子及び増殖阻害剤、微量元素、無機塩、加水分解産物、及びそれらの混合物も含み得る。増殖培地に含まれ得る微量元素として微量金属が挙げられる。微量金属の例として、コバルト、ニッケル等が挙げられる。
[00045]図1に示すように、バイオリアクターは、複数の栄養フィードと連通した状態にあり得る。このように、プロセス中にバイオリアクター内の栄養分の濃度をより良好にコントロールするために、一つの栄養分のみを含有する栄養培地がバイオリアクターにフィードされ得る。付加的又は代替的に、異なるフィードラインが、ガスと液体とを分離してバイオリアクターにフィードするのに使用可能である。
[00046]バイオリアクター10の上部及び底部にあるポートに加えて、バイオリアクターは、側壁に沿って位置するポートを備え得る。例えば、図1に示すバイオリアクター10は、ポート44及び46を備える。
[00047]ポート44及び46は、細胞培養物を増殖させ、さもなければバイオプロダクトを製造するためのバイオリアクター10内で、1つ又は複数のパラメーターの最適濃度を維持することができるモニタリング及びコントロールシステムと連通した状態にある。例証される実施形態では、例えば、ポート44はpHセンサー52と関連する一方、ポート46は溶存酸素センサー54と関連する。pHセンサー52及び溶存酸素センサー54は、コントローラー60と連通した状態にある。本開示のシステムは、バイオリアクター10に収納される細胞培養物内の様々なパラメーターの決定及び測定を可能にするように構成され得る。測定のいくつか、例えばpH及び溶存酸素等は、インラインで行われ得る。或いは、但し、測定は、ライン上で又はオフラインで取得可能である。例えば、一実施形態では、バイオリアクター10は、サンプリングステーションと連通可能である。細胞培養物のサンプルは、様々な測定値を採取するためにサンプリングステーションにフィードされ得る。なおも別の実施形態では、細胞培養物のサンプルは、バイオリアクターから取り出し可能、及びオフラインで測定可能である。
[00048]本開示に従って、複数のパラメーターが、バイオリアクター10内での細胞培養物の増殖中に測定可能である。一般的に、本開示の方法及びシステムによりコントロールされるパラメーターは、コントロールされるパラメーターの濃度に影響を及ぼし得る1つ又は複数のその他のパラメーターと連携して測定される。例えば、一実施形態では、乳酸塩濃度は、少なくとも1つのその他の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターと連携して細胞培養物内で測定される。乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターは、例えば、グルタミン酸濃度、グルコース濃度、アミノ酸濃度、例えばアスパラギン濃度等を含み得る。一実施形態では、細胞培養物のライン上での解析又はオフライン解析は、任意の好適な機器、例えばNova Biomedicalより販売されているNOVA Bioprofile 400アナライザー等を使用して実施可能である。上記アナライザーは、乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターのうちの1つ又は複数と連携して乳酸塩濃度を測定する能力を有する。
[00049]本開示に従って、バイオリアクター内のその他の様々な条件に加えて、乳酸塩濃度及び1つ又は複数の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの濃度が、コントローラー60にフィードされ得る。コントローラーは、インプットされたデータに基づき、細胞培養物が継続して増殖するに従い、将来的な乳酸塩濃度を予想する能力を有するコントロールモデルを含む。一実施形態では、例えば、コントローラーは、細胞培養物インキュベーション期間の終了時において乳酸塩濃度が事前設定された限界内にあるか、又は細胞培養が乳酸塩蓄積状態で終了するかについて、その確率(%)を生成する早期警告システムを提供し得る。コントローラー60は、将来的な乳酸塩濃度を正確に予測するように同様に構成され得る。例えば、一実施形態では、コントローラーは、インキュベーション期間全体を通じて、細胞培養物が採取されるまで、乳酸塩濃度を予測する乳酸塩濃度軌道を予想することができる。一実施形態では、コントローラーは、乳酸塩濃度が事前設定された限界内に収まらない場合には、是正処置を提案する又は自動的に履行するように同様に構成され得る。例えば、コントローラーは、栄養フィードの変更、又は乳酸塩濃度を所望の数値に推進するのに必要とされ得るその他の作動条件の変更を決定するように構成され得る。是正処置を決定するために、コントローラーは、1つ又は複数の条件について最適な変更が選択されるまで、バイオリアクター内での1つ又は複数の条件変更に基づき、将来的な乳酸塩濃度を決定するために複数回反復稼働し得る。
[00050]コントローラー60は、1つ又は複数のプログラム可能なデバイス又はマイクロプロセッサーを含み得る。図1に示すように、コントローラー60は、1つ又は複数のフィード36、38、及び40、並びに1つ又は複数の流出液28と連通し得る。さらに、コントローラー60は、pHセンサー52、溶存酸素センサー54、及びガスをスパージャ20にフィードするガス供給部48と連通し得る。コントローラー60は、乳酸塩濃度及び1つ又は複数の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの濃度に基づき、バイオリアクター10内及び外への材料の流れを増加又は減少させるように構成され得る。このように、コントローラー60は、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持することができる。コントローラー60は、開ループコントロールシステム内で作動可能であり、又は閉ループコントロールシステム内で作動可能であり、その場合、インプット及び/又はアウトプットデバイスに対する調整は、完全に自動化されている。他の実施形態では、コントローラー60は、乳酸塩濃度に影響を及ぼすために、是正処置を提案することができ、是正処置は手作業により実施可能である。
[00051]図2を参照すると、本開示に従うバイオリアクターシステムの一実施形態が例証されている。示す通り、細胞培養物は、バイオリアクター10でインキュベーション期間培養され、次に採取される。インキュベーションの間に、バイオリアクター10内の様々なパラメーターがモニタリングされる。パラメーターは、1つ又は複数のアナライザー70により測定される。本開示に従って、アナライザー70は乳酸塩濃度を定期的又は連続的にモニタリングし、乳酸塩濃度はコントローラー60に伝達される。コントローラー60が細胞培養物内の将来的乳酸塩濃度を予測するために、少なくとも1つのその他の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターも測定され、そしてコントローラー60にフィードされる。測定される乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターとして、細胞培養物のpH、グルタミン酸濃度、グルコース濃度、アスパラギン濃度、温度、及び/又は栄養フィード速度を挙げることができる。一実施形態では、少なくとも2つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター、例えば少なくとも3つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター等、例えば少なくとも4つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター等が、プロセス中に測定される。例えば、1つ又は複数のアナライザー70は、約2つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターから約8つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターを測定し得る。乳酸塩濃度を含む測定されたデータはすべて、コントローラー60にフィードされる。これらのパラメーターは連続的又は定期的に測定可能である。
[00052]バイオリアクター10内で測定されたリアルタイムデータに加えて、これまでの細胞培養物からの参照データ72も収集することができ、コントローラー60にフィードすることができる。過去の参照データを使用すれば、乳酸塩濃度の将来的な計算を改善することができる。例えば、参照データ72は、細胞培養物内の乳酸塩濃度軌道を含み得るが、その場合乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターが大幅に変動し、コントローラー60の予測性を改善し得る。
[00053]図2に示すように、コントローラー60は、標的乳酸塩プロファイルを用いてプログラムされ得る。コントローラー60は、少なくとも1つのコントロールモデル74を含み得る。一実施形態では、例えば、コントローラーは、分類モデル及び予測モデルを含み得る。分類モデルは、細胞培養物のインキュベーション期間が乳酸塩蓄積状態、又は乳酸塩消費状態で終了する確率(%)を生成するように構成され得る。分類モデルは、部分的な最小二乗分析単独、又は線形判別分析との組合せを含む様々な多変量法を使用することができる。分類モデルは、分類木、サポートベクターマシン等も使用し得る。一実施形態では、各分類モデルに起因する確率(%)のメジアンが、細胞培養物の最終確率(%)として採用され得る。一実施形態では、細胞培養物のインキュベーション期間が所望の乳酸塩濃度限界において終了することを確実にするためには細胞培養物の増殖中に介入が必要とされるか、どうかをユーザーが決定するのを可能にするために、細胞培養物が乳酸塩蓄積状態で終了する確率(%)がユーザーに対して提示され得る。
[00054]コントローラー60は、予測モデルも含むことができる。予測モデルは、インキュベーション期間全体を通じて将来的な乳酸塩濃度軌道を決定することができる。さらに、予測コントローラーは、特定のコントロールホライズンにおけるバイオリアクター10内の1つ又は複数の条件の変化が、どのように特定の予測ホライズンにおける乳酸塩濃度に影響を及ぼすかを予測するように構成され得る。例えば、図2に示すように、予測モデル74は、オプティマイザー76と連通し得る。オプティマイザー76は、1つ又は複数の条件が変化するか、バイオリアクター10内の結果をシミュレートするように構成され得る。条件は、栄養培地フィード速度を変化させ、これによりグルコース濃度、グルタミン酸濃度、アスパラギン濃度等を変化させることを含み得る。栄養フィード速度に加えて、オプティマイザー76は、pH及びガス速度の追加を含むその他の様々な条件も変化させることができる。オプティマイザー76は、細胞培養物内で是正処置が必要とされるか、必要とされる場合には、バイオリアクター内で変更する最良の条件だけでなく、変更の程度も決定するために、複数のシミュレーション及び非常に多くの反復を実行することができる。予測モデルは、特定の参照された軌道からの乳酸塩濃度の将来的な逸脱を最小限に抑えるために、被操作変数の変動量を最終的に決定する。将来的なデータがコントローラー60にフィードされたら、オプティマイザー76は、被操作変数をさらに変化させる又は微調整し、これにより細胞培養物内の1つ又は複数の条件を変化させるために、インキュベーション期間全体を通じてシミュレーションを継続して実行することができる。
[00055]図3は一実施形態について例証し、それにより予測モデル74及びオプティマイザー76は、コントローラー60内で作動し得る。図3に示すように、細胞培養物の様々な測定がなされ、コントローラーにフィードされる。例えば、コントローラーは、乳酸塩濃度情報、pH情報、及び栄養フィード情報を受け取ることができる。予測モデルは、次に乳酸塩濃度軌道を計算又は決定して予測ホライズンをもたらす。図3に示すように、コントローラー60は、乳酸塩濃度セットポイントを用いて事前プログラムも可能である。セットポイントは、細胞培養物が乳酸塩蓄積状態にないことを示唆する、細胞培養物内の所望の最終乳酸塩濃度であり得る。
[00056]図3に示すように、オプティマイザー76は、本実施形態では、細胞培養物内のpH及び栄養フィードを変化させることによりシミュレーションを実行する。例えば、オプティマイザーは、コントロールされるホライズンにおけるpH及び栄養フィードの操作に基づきシミュレーションを実行することができる。乳酸塩濃度レベルを所望の限界内に維持するために、細胞培養物内の1つ又は複数の条件が変更される必要があるか、どうかを決定するために、pH及び栄養フィードの変化に基づき、予測ホライズンにおける乳酸塩軌道が再計算される。このプロセスは、インキュベーション期間全体を通じて連続的又は定期的に生じ得る。上記のように、コントローラー60は、バイオリアクター内の条件を自動的にコントロールするように構成され得る、又はユーザーに警告を発してユーザーが手作業により変更を加えることがきるように設計され得る。
[00057]予測モデルは、様々な多変量法の使用に基づきシミュレーションを実行し、決定することができる。一実施形態では、例えば、規定された参照軌道からの乳酸塩濃度予測の加重平方偏差(weighted squared deviation)、並びに被操作変数それぞれの加重平方偏差及び変化を最小限に抑えるために、予測モデルにおける乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの変動を最小限に抑える、又は最適化することにより、乳酸塩濃度軌道は決定可能である。この最適化は、経時的に変化し得る各被操作変数の量に依存して、線形不等式制約下で実施可能である。
[00058]一実施形態では、予測モデルは、低減次数線形モデル(reduced−order linear model)、例えば低減次数時間変動式の自己回帰型外因性モデル(time varying autoregressive exogenous model)(ARXモデル)等を用いる予測コントロールアルゴリズムを含み得る。予測モデルで使用され得る技術として、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、部分的最小二乗分析を含む潜在的可変性モデリングが挙げられる。さらに、デシジョンツリー及び線形判別分析が使用可能である。
[00059]一実施形態では、少なくとも2つの多変量法が予測モデルに組み込まれる。例えば、予測モデルは、乳酸塩濃度予測の決定において、少なくとも2つのニューラルネットワークモデル、サポートベクターマシン、及び潜在的バリアントモデリングを含み得る。
[00060]一実施形態では、予測モデルは、モデルリグレッサー及び非線形性エスティメーターを含む非線形ARXモデルである。非線形性エスティメーターは、モデルリグレッサーに作用してモデルにアウトプットを付与する線形機能及び非線形機能の両方を含み得る。
[00061]一実施形態では、コントロールされるシステムのインプット−アウトプット動力学を適切に表す低減次数モデルが設計される。目的とするアウトプット又は複数のアウトプットに対して強い影響を有する一連の被操作変数が識別され得る。以前のアウトプット値の知識と共に、被操作可変数の知識が、将来的挙動を予測するのに使用可能である。一実施形態では、マルチインプット、シングルアウトプットARX式におけるインプットとアウトプットとの間の関連性は、以下:
Figure 2021503291

(式中、y(t)はアウトプット/被コントロール変数であり、u(t)は被操作変数nのうちの1つを表し、nは時間遅延であり、nは極の数であり、nはゼロの数であり、並びにa及びbjiは識別プロセスにより決定される係数である)の形式のものである。時間変動式のARXモデルでは、各パラメーターの影響を表す係数は、モデルが時間変動式であるように、時間(すなわち、日)と共に変化する。(1)に記載されるARXモデルは、ワンステップアヘッド(one−step ahead)予測因子である;第t日目のアウトプットに対する数値は、アウトプットの過去の数値、並びに被操作変数の現在及び過去の数値から決定される。このモデルは、例えばコントロール戦略により決定されるように、被操作変数に対する規定値と共に、前日に得られたアウトプット予測を使用して将来的なアウトプット値を予測することにより、マルチステップアヘッド予測因子への拡張が可能である。
[00062]一実施形態では、モデルパラメーターは、反復試行間のあらゆるマルチステップブートストラップ根二乗平均予測エラーを最小限に抑えることにより決定可能である。このマルチステップシミュレーションでは、記録されたプロセスデータは被操作変数のために用いられ得る一方、上記式から予測されたアウトプット値は、その後の予測日のために用いられ得る。
[00063]上記のように、一実施形態では、本開示のシステム及び方法は、一連の被操作変数を使用して乳酸塩濃度を制御することを目的とする。一実施形態では、モデル予測コントローラーは、所望の乳酸塩濃度及び記録された被操作変数の過去の数値及び乳酸塩濃度の知識から、コントロールホライズンにおける被操作変数に対して数値を規定することができる。モデル予測コントローラーは、ヒストリカルプロセスデータから開発された時間変動式ARXモデルを用いて、将来的に所望の数値に至る乳酸塩濃度をもたらす被操作変数に対して数値を決定することができる。乳酸塩予測は、マルチステップ方式で、予測ホライズンにおいて、コントロールホライズンにおける被操作変数に対する一連の数値から生成される。被操作変数に対する最適値は、コントロールホライズンにおいて決定され、予測ホライズンにおける所望の軌道からのモデルアウトプット予測の逸脱に関わる目的関数を最小化する。最適な一連の被操作変数が決定されたら、一実施形態では、これらの数値の最初のみがバイオリアクターで用いられ得る。このように、次のサンプリングにおいて乳酸塩濃度が測定され、該プロセスを繰り返す。後続する各最適化サイクルにおいて、予測された乳酸塩濃度よりはむしろ記録された乳酸塩濃度が用いられるので、マルチステップ予測において予測誤差が蓄積するおそれがあるとしても、コントローラー導入時に認められるその影響は限定的である。
[00064]一実施形態では、モデル予測コントローラーの設計は、コントローラー作動中に最適化される目的関数をコンピューターで計算するためのいくつかの設計パラメーターを特定するステップを含み得る。例えば、一実施形態では、下記のアルゴリズムが、最小二乗平均に基づき使用され得る:
Figure 2021503291

(式中、
Pは予測ホライズン内の日数である
Figure 2021503291

は、低減次数式モデルに由来する乳酸塩濃度の予測された数値である
rは、所望の参照軌道に対する乳酸塩濃度の数値である
Figure 2021503291

は、予測ホライズン内の各日に対する予測されたアウトプットと参照軌道との間の差異に適用される重み付けである
mvは、被操作変数の数である
は、特定の日における被操作変数jの数値である
Figure 2021503291

は、i番目の予測ホライズン日における被操作変数jに対する、後続する被操作可変数値間の差異に適用される重み付けである
Figure 2021503291

は、被操作変数間のスケールの差異を取り扱うための、j番目の被操作変数に対する倍率である)
[00065]一実施形態では、上記式の右側の係数は、下記の単純化された式
Figure 2021503291

(式中、
Pは予測ホライズン内の日数である;
Figure 2021503291

は、低減次数式モデルに由来する乳酸塩濃度の予測値である;rは所望の参照軌道に対する乳酸塩濃度の数値である;
Figure 2021503291

は、予測ホライズン内の各日に対する、予測されたアウトプットと参照軌道との間の差異に適用される重み付けである)を提供するために0に設定され得る。
[00066]目的関数は、参照軌道からの予測されたアウトプットの差異に対してペナルティーを科す。かなり先の将来において、低減次数式モデルのマルチステップ予測の正確性に関して懸念が存在する場合には、異なる重み付けが予測ホライズンの日数全体にわたり用いられ得る。コントロールホライズンにおける被操作変数に対する最適値は、被操作変数に対する範囲制約及び速度制約の両方に関して目的関数を最小化することにより達成される。
[00067]特に有利なことには、本開示のコントローラー60は、細胞培養が乳酸塩蓄積状態で終了するかどうか、インキュベーション期間の初期にその示唆を提供する能力を有する。予測モデルは、例えば、タイター濃度を増加させることにより製品品質を改善するための是正処置を講じるのに十分な機会をもたらすプロセスの初期において、強固であることが判明しているので、乳酸塩濃度に関する正確な予測が可能である。
[00068]例えば、コントローラーは、インキュベーション時間の約40%未満、例えばインキュベーション時間の約30%未満等、例えばインキュベーション時間の約20%未満、例えばインキュベーション時間の約15%未満、例えばインキュベーション時間の約10%未満後、また例えばインキュベーション時間の約5%未満等後に乳酸塩濃度に関して初期予測を行うように構成され得る。例えば、一実施形態では、コントローラーは、細胞培養の最初の12時間、例えば細胞培養の最初の2日間、例えば細胞培養の最初の4日間において、細胞培養物内の定期的乳酸塩濃度情報及び少なくとも1つのその他の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターに関するデータを受け取ることができ、並びに是正処置が必要とされるかどうかを決定するために乳酸塩濃度軌道を正確に決定する能力を有する。例えば、一実施形態では、コントローラー60は、データの受領から約12時間〜約4日後に、データがどのように予測モデル内に収まるかに基づき、バイオリアクター内の少なくとも1つの条件に対して選択的調整を開始することができる。
[00069]将来的な乳酸塩濃度をコントロールするために、バイオリアクター内の1つ又は複数の条件が変更可能である。例えば、バイオリアクター内の1つ又は複数の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターは、乳酸塩濃度をコントロールするために選択的にコントロールされ得る。変更される条件は、pH、グルコース濃度等の炭水化物濃度、グルタミン酸濃度及び/又はアスパラギン濃度等のアミノ酸濃度を含み得る。細胞培養物のpHは、酸又は塩基を細胞培養物に添加すること、例えばスパージャを経由して二酸化炭素ガスをフィードすること、及び/又は重炭酸ナトリウムを細胞培養物に添加すること等により変更され得る。細胞培養物内の炭水化物濃度及び/又はアミノ酸濃度は、バイオリアクター10にフィードされる栄養培地を変更することにより変更及び修正され得る。
[00070]一実施形態では、例えば、乳酸塩濃度に加えて、グルタミン酸濃度がモニタリングされ、コントローラー60にフィードされ得る。インキュベーション期間全体にわたる予測的乳酸塩軌道に基づき、次に乳酸塩濃度を所望の限界内に維持するために、グルタミン酸濃度が選択的にコントロール可能である。代替的な実施形態では、アスパラギン濃度が、乳酸塩濃度と共にモニタリングされ得る。乳酸塩濃度を事前選択された限界内に維持するために、何らかの是正処置が必要とされる場合、アスパラギン濃度が、栄養培地の流速をコントロールすること、又はアスパラギンそれ自体を個別にコントロールすることにより、バイオリアクターに対するアスパラギンの流速を増加又は減少させることでコントロール可能である。一実施形態では、グルタミン酸濃度、アスパラギン濃度、又はグルタミン酸濃度及びアスパラギン濃度の両方が、pHのモニタリング及びコントロールに加えてプロセス中にモニタリングされる。1つ若しくは複数のアミノ酸又は1つ若しくは複数の炭水化物に加えて、pHをモニタリング及びコントロールすることは、乳酸塩濃度を慎重にコントロールされた限界内に有効に維持することが判明した。
[00071]上記のように、一実施形態では、モニタリングされる乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターは、乳酸塩濃度に対して望ましい効果を有するようにコントロール可能である。代替的な実施形態では、しかし、第1の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターがモニタリングされ得る一方、第2の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターは、乳酸塩濃度に影響を及ぼすためにプロセス中にコントロールされ得る。
[00072]本開示のシステム及び方法は、細胞培養物内の乳酸塩濃度を有効にコントロールすることが判明した。例えば、本開示のプロセスを通じて、細胞培養物のインキュベーション期間は、乳酸塩消費状態で終了することができ、また乳酸塩蓄積状態で終了することを防止可能である。細胞培養物の最終乳酸塩濃度は、非常に多くの因子に依存し、増殖する細胞の種類に主に依存する。一実施形態では、細胞培養物の最終乳酸塩濃度は、一般的に約3g/L未満、例えば約2.5g/L未満等、例えば約2g/L未満等、例えば約1.5g/L未満等、例えば約1g/L未満等であり得る。
[00073]特に有利なことには、コントローラー60は、異なるバイオリアクタータイプ及びバイオリアクター容積に対してスケール調整可能だけでなく、複数且つ多様な細胞株に対しても有効であり得る強固な予測モデルも含むことができる。例えば、予測モデルが2つ以上多変量技術を使用する場合、例えば2つの多変量技術又は3つの多変量技術等を使用する場合、予測モデルは複数の細胞株に対する使用に好適であることが発見された。
[00074]1つ又は複数の乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターのモニタリングに加えて、コントローラーは、その他の様々なプロセス条件をコントロールすることができる。例えば、コントローラーは、熱循環器、ロードセル、コントロールポンプと連通し、それらをコントロールすることができ、様々なセンサーやプローブから情報を受け取ることができる。例えば、コントローラーは、酸素分圧、温度、撹拌条件、圧力、フォームレベル等をコントロール及び/又はモニタリングし得る。例えば、コントローラーは、温度情報を受け取り、そして温度を上昇又は低下させるために、バイオリアクターを取り巻くウォータージャケットにフィードされる液体をコントロールすることができる。
[00075]本開示のプロセスを通じて、細胞培養物は、優れた製品特性を伴い増殖し得る。例えば、細胞培養物は、優れた生存特性を伴い増殖し得る。例えば、生存能力は、生存細胞数を総細胞数で除することにより測定可能であり、いずれもプロセス中に測定可能である2つのパラメーターである。本開示に従って、細胞培養物は、約0.6を上回る、例えば約0.7を上回る等、例えば約0.8を上回る等、例えば約0.9を上回る等の上記のような生存率を有して、本開示に従い増殖し得る。実際、生存率は、約0.94を超える、例えば約0.96を超える等、例えば約0.98を超える等であり得る。
[00076]さらに、本開示のシステム及び方法はタイター生産性の増加させ得ることが思いがけず発見された。特に、本開示の方法に従ってコントロールされた細胞培養物は、本開示に従ってコントロールされなかった同一の細胞培養物に関連して、いずれの細胞培養物も正確に同一の乳酸塩濃度で終了する、又は互いに0.5g/L以内、例えば互いに約0.25g/l以内等である乳酸塩濃度で終了する場合、製品タイター濃度が増大し得ることが発見された。この結果は、劇的であり、予期されない。
[00077]本開示は、下記の実施例を参照しながらより深く理解され得る。
[00078]コントローラー中にプログラムされた予測モデル内で使用される時間変動式の動的モデルを創出して、pH及び栄養容積の規定された数値から将来における乳酸塩濃度と日を予測するために、5つのクローンにまたがる流加プロセスデータを使用した。インキュベーション期間の3日目以降、予測モデルは、コントロールホライズンにおいて採用すべきpH及び栄養容積に対する最適値(稼働の残りの部分において規定されたセットポイントに乳酸塩濃度を最適に推進する)を決定した。pH及び栄養容積に対するこれらの最適化された数値を翌日用いた。この方法を、次いで、乳酸塩濃度をインプットした後、各日の終わりに反復した。増殖した細胞培養物は、タンパク質製品を製造するのに使用される哺乳動物の細胞培養物であった。8つの異なる培養物を増殖させた。細胞培養物のうち4つを、予測モデルを使用して本開示に基づきコントロールした。残りの4つの細胞培養物を、比較する目的で増殖させた。細胞培養物のそれぞれを1リットル撹拌タンクバイオリアクター中で増殖させた。但し、細胞培養物のうちの2つを1.5リットル撹拌タンクバイオリアクター中で増殖させ、そしてスケーラビリティを実証するために、本開示に従う予測モデルを用いてコントロールした。下記の8つの細胞培養物サンプルを増殖させた:
Figure 2021503291
[00079]上記の通り、サンプル番号3、4、7、及び8を、本開示に従ってコントロールした。
[00080]より詳細には、組換えタンパク質を安定的に発現するCHO−K1SV由来のクローンを、市販のCD−CHO AGT(商標)を使用して、懸濁状態でルーチン的に培養した。接種トレインを、湿度をコントロールせずに、Kuhnerインキュベーター中、37C、5%COにおいて、振盪フラスコ内に維持した。指数関数的増殖を維持するために細胞を定期的に継代し、必要に応じて増殖させて、本明細書に記載される実験用としてベンチスケールバイオリアクターにイノキュレーションした。
[00081]フェドバッチ実験を実施するために、2Lスケールガラスバイオリアクター(BroadleyJames)を使用した。バイオリアクター条件、例えばpH、DO、及び温度セットポイント等は、実験計画に従い異なった。培養pHを、COスパージ及び塩基性滴定剤の添加を使用してコントロールした。溶存酸素を、酸素スパージを使用してオンデマンドでセットポイントに維持した。培養温度を、ヒートジャケットを使用してコントロールした。濃縮したグルコース原液を必要に応じて添加して、製造稼働全体を通じて少なくとも0.5g/Lの残存グルコース濃度を維持した。リアクター実験を12日間実施した。
[00082]規定された最終日(3、4、及び5日目)までに存在するプロセスデータから最終乳酸塩状態を予測するために、分類モデルを開発した。検討された各最終日について、下記の分類モデルを開発した:線形判別分析(LDA)、分類木、部分的最小二乗スコアに適用される線形判別分析(PLS−LDA)、サポートベクターマシン(SVM)、及びロジスティック回帰分析。個々のモデルは、Matlab統計学及びマシンラーニングツールボックス(R2016b)からの機能(fitcdiscr、fitctree、plsregress、fitcsvm、fitglm)を使用して、トレーニングデータセット中に存在するバッチアンフォールデッドプロセスデータ(batch−unfolded process data)からコンピューターで算出された。クラス閾値確率(class threshold probability)0.5(すなわち、50%)を、分類モデル全体にわたり用いた。
[00083]すべての最終日わたって良好な分類正確性を一貫してもたらすモデルとして、PLS−LDA、LDA、分類木、及びこれらのモデルの集合が挙げられた。分類モデルは、83%(3日目)〜88%(4及び5日目)の範囲のバリデーション正確性(validation accuracy)で行う、好ましい及び好ましくない乳酸塩の生成を正確に分類することが可能であった。4日目及び5日目まで、モデルは、全体として同等のバリデーション分類正確性を実現し、4日目集合モデルは、クローン全体を通じてより一貫したバリデーション性能を生み出した。モデル全体を通じて一般的に現れる特性として、代謝物(グルタミン酸、グルコース、及びグルタミン)、及びpH調節と関連する特性(COスパージ速度)が挙げられる。
[00084]時間変動式のARXモデルを用いるモデル予測コントローラー(MPC)を、コスト機能を最小限に抑えるのに使用されるMatlab最適化ツールボックス(R2016b)のfminconを用いて、Matlab内に構築した。コントローラーデザインパラメーターをシミュレーションで初期化し、そして予備的な実験稼働中に調整した。特に、所望の乳酸塩参照軌道を、すべての日に対してゼロに設定した。予測ホライズン及びコントロールホライズンを用いたのは、それぞれ7日間及び1日であった。予測は10日目までしか必要とされなかったので、予測ホライズンは3日目以降減らした。10日目以降の被操作変数に対する数値を、最後のコントローラー規定値に維持した。長期的な予測ホライズンは、稼働終了までの被操作変数における変動について、その全体的な効果が検討されることを保証するのに役立った一方、短期的なコントロールホライズンは、被操作変数における積極的なコントロール処置を保証した。予測正確性は、より長期の予測ホライズン全体を通じて劇的に劣化しなかったので、すべての予測誤差は、コスト機能を最小限に抑えるのに同じように寄与するものと考えられた(すなわち、すべての
Figure 2021503291

を1に設定した)。栄養フィード容積は、1.8%〜3.6%の間に留まるように限定され、日間の最大変動は3日目〜6日目において±1.8%、それ以外は±1.0%に制限された。pHに対する範囲制約を6.7及び7.2に規定し、日にち間pHの最大変動を±0.5に設定した。
[00085]一連の実験的バイオリアクター稼働において、得られたMPCを、稼働を好ましい乳酸塩終了状態に推進する際のその有効性を判定するために用いた。実験で用いられた細胞培養物は、これまでのプロセス開発において乳酸塩蓄積を示すことが公知のクローンと関連した。実験的MPC稼働を、2つのコントロール稼働と並行して実施した:乳酸塩蓄積挙動が既知の基本的稼働、及び補充的なアスパラギンがフィードに含まれる第2の稼働が、通常の作動条件下で好ましい乳酸塩終了状態を実現する。この一連の実験では、pH及び栄養フィード容積の変動を、オリジナルリアクター作業容積(1L)、並びにスケールアップ作業容積(1.5L)において用いた。コントロール稼働は、いずれも期待通りに実行したが、基本的稼働及びアスパラギンが補給された稼働は、それぞれ好ましくない及び好ましい乳酸塩状態で終了した。MPC稼働(コントロールは3日目の終わりに開始)は、基本的稼働よりも乳酸塩濃度が実質的に低い、好ましい乳酸塩終了状態を実現した細胞培養物をもたらした。
[00086]一連の実験では、pH及びグルコース濃度における乳酸塩誘発性の障害を補償するMPCの能力についても評価した。各稼働の初期においてpH又はグルコースレベルの上昇を用いて、乳酸塩濃度レベルの上昇を生み出した。アスパラギンが補給されたフィードを、この実験のすべての稼働において用いた。2つのコントロール稼働を用いた:pH及びグルコースレベルが正常である第1の稼働、及びpHレベルを上昇させた第2の稼働(0.15のデッドバンドを含む7.2)。第1のMPC稼働は、対応するコントロール稼働と同様に3日目まで同一のpHレベル上昇を用いた一方、第2のMPC稼働では、最初からグルコース濃度を上昇させた。MPC稼働は、pH及びグルコースにおける初期の障害を阻止し、いずれの稼働もpHが上昇したコントロール稼働よりも低い最終乳酸塩濃度をもたらした。測定されたその他の細胞培養物パラメーターにおける変動も、初期の実験において証明された傾向と類似した傾向に従った。これまでの稼働とは対照的に、MPC稼働における生存細胞密度は、pHの上昇を認めないコントロール稼働について証明された密度と類似した。MPC稼働において栄養フィード容積が増加すると、その結果、アンモニウムイオン濃度の増大、及びグルタミン酸の遅発性の枯渇を引き起こした。
[00087]図4及び5を参照すると、12日インキュベーション期間にわたる乳酸塩濃度が示されている。例証される通り、コントロールを伴わない一般的な栄養培地を含有するサンプル番号1は、非常に高い乳酸塩濃度を生成した。従って、過去においては、乳酸塩レベルをコントロールするために、栄養培地は特定の細胞培養物に対して改変及び最適化された。例えば、サンプル番号2、5、及び6中の栄養培地はすべて改変された。
[00088]サンプル番号3及び4は、細胞培養物には一般的な栄養培地のみがフィードされたが、細胞培養物は本開示に従ってコントロールされた細胞培養稼働である。図4に示すように、乳酸塩レベルは、特定の細胞培養物に対して栄養培地を変化させることなく、コントロールされる能力を有する。図4及び図5は、予測モデルはインキュベーション期間を通じて乳酸塩濃度をコントロールする能力を有することを実証する。
[00089]図6及び7を参照すると、栄養フィード及びpHが12日インキュベーション期間にわたり示されている。
[00090]図8及び9は、12日インキュベーション期間にわたり、アンモニウム濃度、グルタミン酸濃度、及びグルタミン濃度を示す。一方、図10及び11は、グルコースフィード及び細胞培養物内のグルコース濃度を示す。
[00091]図12及び13は、製品品質と関連する。グラフは、細胞生存率(%)及び生存細胞密度を示す。一方、図14及び15は、滴定剤フィード及び浸透圧を示す。
[00092]図16〜19は、たとえ最終乳酸塩濃度がコントロールされない細胞培養物と類似した濃度に留まるとしても、本開示に従ってコントロールされた細胞培養物が、どのようにより多くの生成物濃度を実際に生成するかについて例証する。
[00093]タイター分析を実施するために、標準曲線を三連で作成し、インキュベーション期間コース全体に広げた。これらの数値を平均化して、定量化で使用される標準曲線を構築した。7日目〜13日目、又は7日目〜14日目を分析した。
[00094]図16及び17は、生成物タイターを示す(正規化後)。示す通り、本開示に従って増殖した細胞培養物では、生成物のタイター又は濃度が思いがけず、劇的に増大した。類似した結果が、1日当たりに生み出され細胞の量を示す図18及び19で例証されている。
[00095]本明細書に記載するデバイス、設備、及び方法は、原核細胞株及び/又は真核細胞株を含む、あらゆる所望の細胞株を培養するのに好適である。さらに、複数の実施形態では、デバイス、設備、及び方法は、懸濁細胞又は付着依存性(接着性)細胞を培養するのに好適であり、医薬品及びバイオ医薬製品−例えばポリペプチド製品、核酸製品(例えば、DNA又はRNA)等、或いは細胞及び/又はウイルス、例えば細胞療法及び/又はウイルス療法で使用されるもの等を製造するように構成された製造作業に好適である。
[00096]複数の実施形態では、細胞は、製品、例えば組換え治療薬又は診断薬等を発現又は生成する。下記でより詳細に記載するように、細胞により産生される製品の例として、抗体分子(例えば、モノクロナール抗体、二重特異性抗体)、抗体模倣体(抗原と特異的に結合するが、しかし抗体と構造的に関連しないポリペプチド分子、例えばDARPin、アフィボディ(affibody)、アドネクチン、又はIgNAR等)、融合タンパク質(例えば、Fc融合タンパク質、キメラサイトカイン)、その他の組換えタンパク質(例えば、グリコシル化されたタンパク質、酵素、ホルモン)、ウイルス治療薬(例えば、抗がん腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子療法及びウイルス免疫療法用のウイルスベクター)、細胞治療薬(例えば、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、及び成人幹細胞)、ワクチン又は脂質カプセル化粒子(例えば、エキソソーム、ウイルス様粒子)、RNA(例えばsiRNA等)又はDNA(例えばプラスミドDNA等)、抗生物質又はアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、デバイス、設備、及び方法は、後発生物製剤を製造するのに使用可能である。
[00097]記載の通り、複数の実施形態では、デバイス、設備、及び方法は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞若しくは下等の真核細胞、例えば酵母菌細胞若しくは糸状菌細胞等、又は原核細胞、例えばグラム陽性細胞若しくはグラム陰性細胞等、及び/或いは大スケール方式で真核細胞により合成される真核細胞又は原核細胞の生成物、例えばタンパク質、ペプチド、抗生物質、アミノ酸、核酸(例えばDNA又はRNA等)の製造を可能にする。本明細書において別途記載しない限り、デバイス、設備、及び方法は、ベンチスケール、パイロットスケール、及びフル製造スケール能力を含むが、これらに限定されない、あらゆる所望の容積又は製造能力を含み得る。
[00098]さらに、本明細書において別途記載しない限り、デバイス、設備、及び方法は、撹拌タンク、エアリフト、ファイバー、マイクロファイバー、中空ファイバー、セラミックマトリックス、流動床、固定床、及び/又は噴流床バイオリアクターを含むが、これらに限定されない任意の好適なリアクター(複数可)を含み得る。本明細書で使用する場合、「リアクター」は、ファーメンター若しくは発酵ユニット、又は任意のその他の反応槽を含み得、用語「リアクター」は、「ファーメンター」と交換可能に使用される。例えば、いくつかの態様では、バイオリアクターユニットの例は、栄養分及び/又は炭素源のフィード、好適なガス(例えば、酸素)の注入、発酵又は細胞培養培地の流入及び流出、気相と液相の分離、温度の維持、酸素及びCO2レベルの維持、pHレベルの維持、撹拌(agitation)(例えば、撹拌(stirring))、及び/又は洗浄/滅菌のうちの1つ若しくは複数又はすべてを実施することができる。リアクターユニット、例えば発酵ユニット等の例は、ユニット内に複数のリアクターを収納し得るが、例えば、ユニットは、各ユニット内に1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、若しくは100、又はそれ超のバイオリアクターを有することができ、及び/又は設備は、設備内に単一又は複数のリアクターを有する複数のユニットを収納し得る。様々な実施形態では、バイオリアクターは、バッチ、セミフェッドバッチ、フェッドバッチ、潅流、及び/又は連続的発酵プロセスに好適であり得る。リアクターは任意の適する直径を使用することができる。複数の実施形態では、バイオリアクターは、約100mL〜約50,000Lの間の容積を有し得る。非限定的な例として、100mL、250mL、500mL、750mL、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、40リットル、50リットル、60リットル、70リットル、80リットル、90リットル、100リットル、150リットル、200リットル、250リットル、300リットル、350リットル、400リットル、450リットル、500リットル、550リットル、600リットル、650リットル、700リットル、750リットル、800リットル、850リットル、900リットル、950リットル、1000リットル、1500リットル、2000リットル、2500リットル、3000リットル、3500リットル、4000リットル、4500リットル、5000リットル、6000リットル、7000リットル、8000リットル、9000リットル、10,000リットル、15,000リットル、20,000リットル、及び/又は50,000リットルの容積が挙げられる。さらに、好適なリアクターは、複数回使用、単回使用、ディスポーザブル、又は非ディスポーザブルであり得るが、また合金、例えばステンレス鋼(例えば、316L又は任意のその他の好適なステンレススチール)及びインコネル等、プラスチック、及び/又はガラスを含む任意の好適な材料から形成可能である。
[00099]複数の実施形態では、本明細書において別途記載しない限り、本明細書に記載するデバイス、設備、及び方法は、別途記載されない任意の好適なユニット操作及び/又は機器、例えばそのような製品を分離、精製、及び単離するための操作及び/又は機器等を含むことができる。任意の好適な設備及び環境、例えば従来型の現地組み立て設備、モジュラー、可動性及び一過性の設備、又は任意のその他の好適な構築物、施設、及び/又はレイアウト等が使用可能である。例えば、いくつかの実施形態では、モジュラークリーンルームが使用可能である。さらに、別途記載がなければ、本明細書に記載するデバイス、システム、及び方法は、1つの場所又は設備内に収容され、及び/又はそこで実施され得る、或いは分離した又は複数の場所及び/又は設備に収容され、及び/又はそこで実施され得る。
[000100]非限定的な例として、非限定的に、米国特許出願公開第2013/0280797号;同第2012/0077429号;同第2011/0280797号;同第2009/0305626号;及び米国特許第8,298,054号;同第7,629,167号;及び同第5,656,491号(これらは、その全体が参考により本明細書に組み込まれている)が、好適と思われる設備、機器、及び/又はシステムの例について記載する。
[000101]複数の実施形態では、細胞は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞は、例えばヒト又はげっ歯類又はウシの細胞株又は細胞系統であり得る。そのような細胞、細胞株、又は細胞系統の例は、例えばマウスミエローマ(NSO)細胞株、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、HT1080、H9、HepG2、MCF7、MDBK Jurkat、NIH3T3、PC12、BHK(ベビーハムスター腎臓細胞)、VERO、SP2/0、YB2/0、Y0、C127、L細胞、COS、例えば、COS1及びCOS7、QC1−3,HEK−293、VERO、PER.C6、HeLA、EBl、EB2、EB3、腫瘍溶解性又はハイブリドーマ細胞株である。好ましくは、哺乳動物細胞はCHO細胞株である。一実施形態では、細胞はCHO細胞である。一実施形態では、細胞は、CHO−K1細胞、CHO−K1 SV細胞、DG44 CHO細胞、DUXB11 CHO細胞、CHOS、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8 GSノックアウト細胞、CHOZN、又はCHO由来の細胞である。CHO GSノックアウト細胞(例えば、GSKO細胞)は、例えばCHO−K1SV GSノックアウト細胞である。CHO FUT8ノックアウト細胞は、例えば、ポテリジェント(Potelligent)(登録商標)CHOK1 SV(Lonza Biologics、Inc.)である。真核細胞は、鳥類の細胞、細胞株、又は細胞系統、例えばEBx(登録商標)細胞、EB14、EB24、EB26、EB66、又はEBvl3等でもあり得る。
[000102]一実施形態では、真核細胞は幹細胞である。幹細胞は、例えば胚性幹細胞(ESC)、成人幹細胞、誘導多能性幹細胞(iPSC)、組織特異的幹細胞(例えば、造血幹細胞)、及び間葉系幹細胞(MSC)を含む多能性幹細胞であり得る。
[000103]一実施形態では、細胞は、本明細書に記載される細胞のいずれかの分化した形態である。一実施形態では、細胞は、培養物中の初代細胞のいずれかに由来する細胞である。
[000104]複数の実施形態では、細胞は、肝細胞、例えばヒト肝細胞、動物肝細胞、又は非実質細胞等である。例えば、細胞は、付着可能な代謝機能が維持されたヒト肝細胞、付着可能な誘導機能が維持されたヒト肝細胞、付着可能なクオリスト・トランスポーター・サーティファイド(Qualyst Transporter Certified)(商標)ヒト肝細胞、懸濁機能が維持されたヒト肝細胞(10ドナー及び20ドナーのプールされた肝細胞を含む)、ヒト肝臓クッパー細胞、ヒト肝臓星状細胞、イヌ肝細胞(単一及びプールされたビーグル犬肝細胞を含む)、マウス肝細胞(CD−1及びC57BI/6肝細胞を含む)、ラット肝細胞(Sprague−Dawley、Wistar Han、及びWistar系肝細胞を含む)、サル肝細胞(カニクイザル又はアカゲザル肝細胞を含む)、ネコ肝細胞(ドメスティック・ショートヘア肝細胞を含む)、及びウサギ肝細胞(ニュージランドホワイト種肝細胞を含む)であり得る。肝細胞の例は、Triangle Research LabsLLC(6 Davis Drive Research Triangle Park、North Carolina、USA27709)から市販されている。
[000105]一実施形態では、真核細胞は、下等真核細胞、例えば酵母菌細胞(例えば、ピキア属(Pichia genus)(例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)、及びピキア・アングスタ(Pichia angusta))、コマガタエラ属(Komagataella genus)(例えば、コマガタエラ・パストリス(Komagataella pastoris)、コマガタエラ・シュードパストリス(Komagataella pseudopastoris)、又はコマガタエラ・ファフィ(Komagataella phaffii))、サッカロミセス属(Saccharomyces genus)(例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisae)、セレビシエ(cerevisiae)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum))、クルイベロミセス属(Kluyveromyces genus)(例えば、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロミセス・マルキサヌス(Kluyveromyces marxianus))、カンジダ属(Candida genus)(例えば、カンジダ・ユチリス(Candida utilis)、カンジダ・カカオイ(Candida cacaoi)、カンジダ・ボイジニイ(Candida boidinii))、ゲオトリクム属(Geotrichum genus)(例えば、ゲオトリクム・ファーメンタンス(Geotrichum fermentans))、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等である。ピキア・パストリス(Pichia pastoris)種が好ましい。ピキア・パストリス系統の例は、X33、GS115、KM71、KM71H;及びCBS7435である。
[000106]一実施形態では、真核細胞は、真菌細胞(例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)(例えばA.ニガー(A.niger)、A.フミガーツス(A.fumigatus)、A.オジエ(A.orzyae)、A.ニドゥラ(A.nidula)等)、アクレモニウム属(Acremonium)(例えばA.テルモピルム(A.thermophilum)等)、ケトミウム属(Chaetomium)(例えばC.テルモピルム(C.thermophilum)等)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)(例えばC.テルモフィル(C.thermophile)等)、コルディセプス属(Cordyceps)(例えばC.ミリタリス(C.militaris)等)、コリナスカス属(Corynascus)、テノマイセス属(Ctenomyces)、フサリウム属(Fusarium)(例えばF.オキシスポルム(F.oxysporum)等)、グロメレラ属(Glomerella)(例えばG.グラミニコラ(G.graminicola)等)、ヒポクレア属(Hypocrea)(例えばH.ジェコリナ(H.jecorina)等)、マグナポルテ属(Magnaporthe)(例えばM.オジエ(M.orzyae)等)、マイセリオフトラ属(Myceliophthora)(例えばM.テルモフィル(M.thermophile)等)、ネクトリア属(Nectria)(例えばN.ヘマトコッカ(N.heamatococca)等)、ニューロスポラ属(Neurospora)(例えばN.クラッサ(N.crassa)等)、ペニシリウム属(Penicillium)、スポロトリクム属(Sporotrichum)(例えばS.テルモフィル(S.thermophile)等)、チラビア属(Thielavia)属(例えばT.テレストリス(T.terrestris)、T.ヘテロタリカ(T.heterothallica)等)、トリコデルマ属(Trichoderma)(例えばT.リーゼイ(T.reesei)等)、又はベルチシリウム属(Verticillium)(例えばV.ダリア(V.dahlia)等))である。
[000107]一実施形態では、真核細胞は、昆虫細胞(例えば、Sf9、ミミック(Mimic)(商標)Sf9、Sf21、High Five(ハイファイブ)(商標)(BT1−TN−5B1−4)、又はBT1−Ea88細胞)、藻類細胞(例えば、アンフォラ属(Amphora)、珪藻類(Bacillariophyceae)、ドナリエラ(Dunaliella)、クロレラ(Chlorella)、クラミドモナス(Chlamydomonas)、藍藻類(Cyanophyta)(シアノバクテリア)、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)、スピルリナ属(Spirulina)、又はオクロモナス属(Ochromonas)の細胞)、又は植物細胞(例えば、単子葉植物(例えば、トウモロコシ、コメ、コムギ、又はセタリア)、又は双子葉植物(例えば、キャッサバ、ジャガイモ、ダイズ、トマト、タバコ、アルファルファ、ニセツリガネゴケ(Physcomitrella patens)又はシロイヌナズナ(Arabidopsis)に由来する細胞)である。
[000108]一実施形態では、細胞は、細菌細胞又は原核細胞である。
[000109]複数の実施形態では、原核細胞は、グラム陽性細胞、例えばバシルス属(Bacillus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、連鎖球菌属(Streptococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、又は乳酸杆菌属(Lactobacillus)等である。使用可能であるバシルス属は、例えばB.サブチリス(B.subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、納豆菌(B.natto)、又はB.メガテリウム(B.megaterium)である。複数の実施形態では、細胞は、B.サブチリス、例えばB.サブチリス3NA及びB.サブチリス168である。バシルス属は、例えば、Bacillus Genetic Stock Center、Biological Sciences 556、484 West 12th Avenue、Columbus OH43210−1214から取得可能である。
[000110]一実施形態では、原核細胞は、グラム陰性細胞、例えばサルモネラ属菌(Salmonella spp.)、又は大腸菌(Escherichia coli)、例えばTG1、TG2、W3110、DH1、DHB4、DH5a、HMS 174、HMS174(DE3)、NM533、C600、HB101、JM109、MC4100、XL1−Blue、及びOrigami等、並びに大腸菌B系統、例えばBL−21又はBL21(DE3)等に由来する細胞であり、そのすべては市販されている。
[000111]好適な宿主細胞が、例えばカルチャーコレクション、例えばDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH、Braunschweig、ドイツ)又はアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)等から市販されている。
[000112]複数の実施形態では、培養された細胞が、治療用途で、タンパク質、例えば抗体、例えばモノクロナール抗体、及び/又は組換えタンパク質を製造するのに使用される。複数の実施形態では、培養された細胞は、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸、又はその他の有用な生化学的中間体又は代謝物を産生する。例えば、複数の実施形態では、約4000ダルトン〜約140,000ダルトン超の分子量を有する分子が製造可能である。複数の実施形態では、これらの分子はある範囲の複雑性を有し得るが、またグリコシル化を含む翻訳後修飾を含み得る。
[000113]複数の実施形態では、タンパク質は、例えば、ボトックス、マイオブロック、ニューロブロック(Neurobloc)、ディスポート(又はボツリヌス神経毒素のその他の血清型)、アルグルコシダーゼアルファ、ダプトマイシン、YH−16、絨毛性ゴナドトロピンアルファ、フィルグラスチム、セトロレリックス、インターロイキン−2、アルデスロイキン、テセロイキン、デニロイキンジフチトクス、インターフェロンアルファ−n3(注射用)、インターフェロンアルファ−nl、DL−8234、インターフェロン、サントリー(Suntory)(ガンマ−1a)、インターフェロンガンマー、サイモシンアルファ1、タソネルミン、DigiFab、ViperaTAb、EchiTAb、CroFab、ネシリチド、アバタセプト、アレファセプト、レビフ、エプトテルミンアルファ、テリパラチド(骨粗鬆症)、カルシトニン注射用(骨疾患)、カルシトニン(鼻腔用、骨粗鬆症)、エタネルセプト、ヘモグロビングルタマー250(ウシ)、ドロトレコギンアルファ、コラゲナーゼ、カルペリチド、組換えヒト上皮増殖因子(局所用ゲル、創傷治癒)、DWP401、ダルベポエチンアルファ、エポエチンオメガ、エポエチンベータ、エポエチンアルファ、デシルジン、レピルジン、ビバリルジン、ノナコグアルファ、モノニン、エプタコグアルファ(活性化)、組換え第VIII因子+VWF、リコンビナート(Recombinate)、組換え第VIII因子、第VIII因子(組換え)、アルフンマート(Alphnmate)、オクトコグアルファ、第VIII因子、パリフェルミン,インジキナーゼ、テネクテプラーゼ、アルテプラーゼ、パミテプラーゼ、レテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ、フォリトロピンアルファ、rFSH、hpFSH、ミカファンギン、ペグフィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、セルモレリン、グルカゴン、エキセナチド、プラムリンチド、イミグルセラーゼ、ガルスルファーゼ、ロイコトロピン、モルグラモスチム、トリプトレリンアセテート、ヒストレリン(皮下インプラント、ハイドロン)、デスロレリン、ヒストレリン、ナファレリン、ロイプロリド持続放出型デポー(ATRIGEL)、ロイプロリドインプラント(DUROS)、ゴセレリン、ユートロピン、KP−102プログラム、ソマトロピン、メカセルミン(成長障害)、エンルファビルチド(enlfavirtide)、Org−33408、インスリングラルギン、インスリングルリジン、インスリン(吸入式)、インスリンリスプロ、インスリンデテミル、インスリン(バッカル、RapidMist)、メカセルミンリンファバート、アナキンラ、セルモロイキン、99mTc−アプシタイド注射、ミエロピド、ベタセロン、酢酸グラチラマー、ゲポン、サルグラモスチム、オプレルベキン、ヒト白血球由来アルファインターフェロン、ビリブ(Bilive)、インスリン(組換え)、組換えヒトインスリン、インスリンアスパルト、メカセルミン、ロフェロン−A、インターフェロン−アルファ2、アルファフェロン(Alfaferone)、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ、アボネックス’組換えヒト黄体形成ホルモン、ドルナーゼアルファ、トラフェルミン、ジコノチド、タルチレリン、ジボテルミンアルファ、アトシバン、ベカプレルミン、エプチフィバチド、ゼマイラ、CTC−111、シャンバック(Shanvac)−B、HPVワクチン(四価)、オクトレオチド、ランレオチド、アンセスチム、アガルシダーゼベータ、アガルシダーゼアルファ、ラロニダーゼ、酢酸プレザチド銅(局所用ゲル剤)、ラスブリカーゼ、ラニビズマブ、アクティミューン、PEG−イントロン、トリコミン(Tricomin)、組換えハウスダストダニアレルギー脱感作注射剤、組換えヒト副甲状腺ホルモン(PTH)1−84(sc、骨粗鬆症)、エポエチンデルタ、トランスジェニックアンチトロンビンIII、グランジトロピン(Granditropin)、ビトラーゼ(Vitrase)、組換えインスリン、インターフェロン−アルファ(経口ロゼンジ剤)、GEM−21S、バプレオチド、イデュルスルファーゼ、オマパトリラート、組換え血清アルブミン、セルトリズマブペゴル、グルカルピダーゼ、ヒト組換えC1エステラーゼ阻害剤(血管浮腫)、ラノテプラーゼ、組換えヒト成長ホルモン、エンフビルチド(無針注射剤、Biojector 2000)、VGV−1、インターフェロン(アルファ)、ルシナクタント、アビプタジル(吸入式、肺疾患)、イカチバント、エカランチド、オミガナン、オーログラブ(Aurograb)、ペキシガナンアセテート、ADI−PEG−20、LDI−200、デガレリクス、シントレデキンベスドトクス、Favld、MDX−1379、ISAtx−247、リラグルチド、テリパラチド(骨粗鬆症)、チファコギン、AA4500、T4N5リポソームローション剤、カツマキソマブ、DWP413、ART−123、クリサリン(Chrysalin)、デスモテプラーゼ、アメジプラーゼ、コリフォリトロピンアルファ、TH−9507、テデュグルチド、Diamyd、DWP−412、成長ホルモン(持続放出型注射剤)、組換えG−CSF、インスリン(吸入式、AIR)、インスリン(吸入式、Technosphere)、インスリン(吸入式、AERx)、RGN−303、DiaPep277、インターフェロンベータ(C型肝炎ウイルス性感染症(HCV))、インターフェロンアルファ−n3(経口用)、ベラタセプト、経皮インスリンパッチ剤、AMG−531、MBP−8298、キセレセプト(Xerecept)、オペバカン、AIDSVAX、GV−1001、リンホスキャン(LymphoScan)、ランピルナーゼ、リポキシサン、ルスプルチド、MP52(ベータ−リン酸三カルシウム担体、骨再生)、メラノーマワクチン、シプリューセル−T、CTP−37、インセギア、ビテスペン、ヒトトロンビン(凍結、外科出血)、トロンビン、トランスMID、アルフィメプラーゼ、プリカーゼ、テルリプレシン(静脈内、肝腎症候群)、EUR−1008M、組換えFGF−I(注射用、血管疾患)、BDM−E、ロチガプチド、ETC−216、P−113、MBI−594AN、デュラマイシン(吸入式、嚢胞性線維症)、SCV−07、OPI−45、エンドスタチン、アンジオスタチン、ABT−510、ボーマンバークインヒビター濃縮物、XMP−629、99 mTc−Hynic−アネキシンV、カハラリドF、CTCE−9908、テベレリクス(徐放型)、オザレリクス、ロミデプシン、BAY−504798、インターロイキン4、PRX−321、ペプスキャン、イボクタデキン、rhラクトフェリン、TRU−015、IL−21、ATN−161、シレンギチド、アルブフェロン、ビファジックス(Biphasix)、IRX−2、オメガインターフェロン、PCK−3145、CAP−232、パシレオチド、huN901−DMI、卵巣がん免疫療法用ワクチン、SB−249553、オンコバックス−CL、オンコバックス−P、BLP−25、CerVax−16、マルチエピトープペプチドメラノーマワクチン(MART−1、gp100、チロシナーゼ)、ネミフィチド、rAAT(吸入式)、rAAT(皮膚科用)、CGRP(吸入式、喘息)、ペグスネルセプト、サイモシンベータ4、プリチデプシン、GTP−200、ラモプラニン、GRASPA、OBI−1、AC−100、サケカルシトニン(経口用、エリゲン)、カルシトニン(経口用、骨粗鬆症)、エキサモレリン、カプロモレリン、カルデバ、ベラフェルミン、131I−TM−601、KK−220、T−10、ウラリチド、デペレスタット、ヘマタイド、クリサリン(局所用)、rNAPc2、組換え第V111因子(ペグ化されたリポソーム)、bFGF、ペグ化された組換えスタフィロキナーゼバリアント、V−10153、ソノリシスプロリーゼ(SonoLysis Prolyse)、ニューロバックス、CZEN−002、島細胞新生治療、rGLP−1、BIM−51077、LY−548806、エキセナチド(制御放出、Medisorb)、AVE−0010、GA−GCB、アボレリン、ACM−9604、リナクロチドアセテート、CETi−1、ヘモスパン、VAL(注射用)、速効性インスリン(注射用、Viadel)、鼻腔内インスリン、インスリン(吸入式)、インスリン(経口用、エリゲン)、組換えメチオニルヒトレプチン、ピトラキンラ皮下注射(湿疹)、ピトラキンラ(吸入式乾燥粉末剤、喘息)、マルチカイン、RG−1068、MM−093、NBI−6024、AT−001、PI−0824、Org−39141、Cpn10(自己免疫疾患/炎症)、タラクトフェリン(局所用)、rEV−131(眼科用)、rEV−131(呼吸器系疾患)、経口用組換えヒトインスリン(糖尿病)、RPI−78M、オプレルベキン(経口用)、CYT−99007 CTLA4−Ig、DTY−001、バラテグラスト、インターフェロンアルファ−n3(局所用)、IRX−3、RDP−58、タウフェロン、胆汁酸塩刺激リパーゼ、メリスパーゼ、アラリンホスファターゼ、EP−2104R、メラノタン−II、ブレメラノチド、ATL−104、組換えヒトマイクロプラスミン、AX−200、SEMAX、ACV−1、Xen−2174、CJC−1008、ダイノルフィンA、SI−6603、LAB GHRH、AER−002、BGC−728、マラリアワクチン(ビロソーム、PeviPRO)、ALTU−135、パルボウイルスB19ワクチン、インフルエンザワクチン(組換えノイラミニダーゼ)、マラリア/HBVワクチン、炭疽病ワクチン、Vacc−5q、Vacc−4x、HIVワクチン(経口用)、HPVワクチン、Tatトキソイド、YSPSL、CHS−13340、PTH(1−34)リポソームクリーム(ノバソーム)、オスタボリン−C、PTHアナログ(局所用、乾癬)、MBRI−93.02、MTB72Fワクチン(結核)、MVA−Ag85Aワクチン(結核)、FARA04、BA−210、組換えペストFIVワクチン、AG−702、OxSODrol、rBetV1、Der−p1/Der−p2/Der−p7アレルゲンを標的とするワクチン(塵性ダニアレルギー)、PR1ペプチド抗原(白血病)、変異体rasワクチン、HPV−16E7リポペプチドワクチン、ラビリンチンワクチン(腺癌)、CMLワクチン、WT1−ペプチドワクチン(がん)、IDD−5、CDX−110、ペントリス、ノレリン、CytoFab、P−9808、VT−111、イクロカプチド、テルベルミン(皮膚科用、糖尿病性脚部潰瘍)、ルピントリビル、レティキュロース、rGRF、HA、アルファ−ガラクトシダーゼA、ACE−011、ALTU−140、CGX−1160、アンジオテンシン治療用ワクチン、D−4F、ETC−642、APP−018、rhMBL、SCV−07(経口用、結核)、DRF−7295、ABT−828、ErbB2−特異的免疫毒素複合体(抗がん)、DT3SSIL−3、TST−10088、PRO−1762、コムボトックス(Combotox)、コレシストキニン−B/ガストリン−受容体結合ペプチド、111In−hEGF、AE−37、トラスニズマブ−DM1、アンタゴニストG、IL−12(組換え)、PM−02734、IMP−321、rhIGF−BP3、BLX−883、CUV−1647(局所用的)、L−19に基づく放射免疫療法(がん)、RE−188−P−2045,AMG−386、DC/1540/KLHワクチン(がん)、VX−001、AVE−9633、AC−9301、NY−ESO−1ワクチン(ペプチド)、NA17.A2ペプチド、メラノーマワクチン(パルス式抗原治療薬)、前立腺がんワクチン、CBP−501、組換えヒトラクトフェリン(ドライアイ)、FX−06、AP−214、WAP−8294A(注射用)、ACP−HIP、SUN−11031、ペプチドYY[3−36
](肥満、鼻腔内)、FGLL、アタシセプト、BR3−Fc、BN−003、BA−058、ヒト副甲状腺ホルモン1−34(鼻腔用、骨粗鬆症)、F−18−CCR1、AT−1100(セリアック病/糖尿病)、JPD−003、PTH(7−34)リポソームクリーム(ノバソーム)、デュラマイシン(眼科用、ドライアイ)、CAB−2、CTCE−0214、グリコペグ化エリスロポエチン、EPO−Fc、CNTO−528、AMG−114、JR−013、第VIII因子、アミノカンジン、PN−951、716155、SUN−E7001、TH−0318、BAY−73−7977、テベレリクス(即時放出)、EP−51216、hGH(制御放出、Biosphere)、OGP−I、シフビルチド、TV4710、ALG−889、Org−41259、rhCC10、F−991、チモペンチン(肺疾患)、r(m)CRP、肝臓選択性インスリン、スバリン、L19−IL−2融合タンパク質、エラフィン、NMK−150、ALTU−139、EN−122004、rhTPO、トロンボポエチン受容体作動薬(血小板減少性疾患)、AL−108、AL−208、神経成長因子拮抗薬(疼痛)、SLV−317、CGX−1007、INNO−105、経口テリパラチド(エリゲン)、GEM−OS1、AC−162352、PRX−302、LFn−p24融合ワクチン(テラポア)、EP−1043、肺炎球菌(S.pneumoniae)小児ワクチン、マラリアワクチン、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)B群ワクチン、新生児B群連鎖球菌ワクチン、炭疽病ワクチン、HCVワクチン(gpE1+gpE2+MF−59)、中耳炎治療、HCVワクチン(コア抗原+ISCOMATRIX)、hPTH(1−34)(経皮用、ViaDerm)、768974、SYN−101、PGN−0052、アビスクムミン、BIM−23190、結核ワクチン、マルチエピトープチロシナーゼペプチド、がんワクチン、エンカスチム、APC−8024、GI−5005、ACC−001、TTS−CD3、血管標的化TNF(固形腫瘍)、デスモプレシン(バッカル制御放出型)、オネルセプト、及びTP−9201である。
[000114]いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、アダリムマブ(ヒュミラ(HUMIRA))、インフリキシマブ(レミケード(REMICADE)(商標))、リツキシマブ(リツキサン(RITUXAN)(商標)/MAB THERA(商標))、エタネルセプト(エンブレル(ENBREL)(商標))、ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(商標))、トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(商標))、ペグフィルグラスチム(ニューラスタ(NEULASTA)(商標))、又は後発生物製剤及びバイオベターを含む任意のその他の好適なポリペプチドである。
[000115]その他の好適なポリペプチドは、下記及び米国特許出願公開第2016/0097074号の表1に掲載するものである:
Figure 2021503291

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[000116]複数の実施形態では、ポリペプチドは、表2に示すようにホルモン、血液凝固/凝固因子、サイトカイン/増殖因子、抗体分子、融合タンパク質、タンパク質ワクチン、又はペプチドである。
Figure 2021503291

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[000117]複数の実施形態では、タンパク質は、表3に示すように、多重特異性タンパク質、例えば二重特異性抗体である。
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[000118]本発明に対するこれら及びその他の修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲により詳細に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱せずに当業者により実践され得る。さらに、様々な実施形態の側面(aspect)は全部又は一部を問わず交換され得ると理解すべきである。さらに、当業者は、前述の説明は例示目的に過ぎず、添付の特許請求の範囲にさらに記載される場合と同様に、本発明に制限を設けるようには意図されないことを認識する。

Claims (31)

  1. 細胞培養物を増殖させる方法であって、
    細胞培養物中の品質特性の濃度を決定するステップと、
    前記細胞培養物内の少なくとも1つの特性に影響を及ぼすパラメーターを測定するステップと、
    品質特性濃度、及び前記少なくとも1つの特性に影響を及ぼすパラメーター測定値をコントローラーに送付するステップであり、前記コントローラーが、前記細胞培養物中の前記品質特性の将来的濃度を決定する予測モデルを含む、ステップと、
    前記品質特性濃度を事前設定された限界内に維持するために、前記細胞培養物中の前記品質特性の前記決定済みの将来的濃度に基づき、前記細胞培養物内の少なくとも1つの条件を選択的に変化させるステップと
    を含む方法。
  2. 前記品質特性が、乳酸塩、タンパク質、グリカン、電荷バリアント、凝集物、ジスルフィド酸化物、又はジスルフィドシャッフリングバリアントを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記予測モデルが、少なくとも2つの異なる多変量法を使用して将来的濃度を決定する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 細胞培養物を増殖させる方法であって、
    細胞培養物中の乳酸塩の濃度を決定するステップと、
    前記細胞培養物内の少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターを測定するステップと、
    前記乳酸塩濃度、及び前記少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーター測定値をコントローラーに送付するステップであり、前記コントローラーが、前記細胞培養物中の乳酸塩の将来的濃度を決定する予測モデルを含む、ステップと、
    乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、前記細胞培養物中の乳酸塩の決定済みの将来的濃度に基づき、前記細胞培養物内の少なくとも1つの条件を選択的に変化させるステップと、
    を含む方法。
  5. 前記乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターが、pH、グルタミン酸濃度、グルコース濃度、アスパラギン濃度、温度、又は栄養フィード速度を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも2つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターが測定され、並びに測定されたデータが前記コントローラーに送付され、及び前記細胞培養物中の乳酸塩の将来的濃度を決定するステップで使用される、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの条件が、前記細胞培養物にフィードされる栄養培地を変化させることにより選択的に変更される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記栄養培地が、炭水化物供給源、アミノ酸供給源、ビタミン、脂質、タンパク質、ペプチド、又はそれらの混合物を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記細胞培養物にフィードされる前記栄養培地が、前記細胞培養物に対する前記栄養培地の流速を変化させることにより変更される、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記細胞培養物にフィードされる前記栄養培地を変化させるステップに加えて、前記細胞培養物のpHも、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために選択的に変更される、請求項7、8、又は9に記載の方法。
  11. 前記細胞培養物が、採取される前にインキュベーション期間を有し、前記予測モデルが、インキュベーション期間の終了時の最終乳酸塩濃度を予想する、請求項4〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 細胞培養物が、採取される前にインキュベーション期間を有し、前記細胞培養物内の少なくとも1つの条件が、インキュベーション期間の終了時の前記細胞培養物の前記最終乳酸塩濃度が、約2g/L未満、例えば約1.5g/L未満等、例えば約1g/L未満等となるように、インキュベーション期間中に選択的に変更される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記細胞培養物のタイター濃度の増加をもたらす、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記細胞培養物が、哺乳動物細胞を含有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記細胞培養物が、バッチプロセスで約12時間〜約28日間増殖し、次に採取される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記細胞培養物内の前記乳酸塩濃度が、前記コントローラーが前記細胞培養物内の乳酸塩の将来的濃度を決定する前、約12時間〜約4日間において決定される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記バッチプロセスが、前記細胞培養物を採取する前にインキュベーション時間を含み、前記乳酸塩濃度が、前記コントローラーが前記細胞培養物中の乳酸塩の将来的濃度を決定する前に、前記インキュベーション時間の約5%〜約40%において測定される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記乳酸塩濃度が、少なくとも24時間毎に、例えば少なくとも12時間毎等に決定され、乳酸塩濃度データのすべてが前記コントローラーにフィードされ、前記コントローラーが、さらなるデータの受領時に、前記細胞培養物内の前記乳酸塩の将来的濃度を反復して決定するように構成されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記予測モデルが、これまでの参照データに対する乳酸塩濃度の比較に基づく、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記乳酸塩の将来的濃度が、規定された参照軌道から予測された乳酸塩濃度の二乗偏差から、前記予測モデルにより決定される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記乳酸塩の予測的濃度が、前記少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの変化における二乗偏差に基づき、同様に決定される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記乳酸塩の予測的濃度が、部分的二乗分析、分類木、サポートベクター決定、線形判別分析、又はそれらの混合から選択される1つ又は複数の技術から前記コントローラーにより決定される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記乳酸塩の将来的濃度が、低減次数時間変動式の自己回帰型外因性モデルを使用して、前記コントローラーにより決定される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記予測モデルが、それぞれの日において、予測されたアウトプットと参照された軌道との間の差異に対して重み付けを適用する、請求項20又は21に記載の方法。
  25. 細胞培養物を増殖させるシステムであって、
    細胞培養物を受け入れるための中空内部を規定するバイオリアクターであり、材料を前記中空内部にフィードし、及び/又はそれから取り出すための複数のポートを備えるバイオリアクターと、
    栄養培地を前記バイオリアクターの中空内部にフィードするための栄養培地フィードであり、前記バイオリアクターの少なくとも1つのポートと流体連通した状態にある栄養培地フィードと、
    前記バイオリアクターに収納された細胞培養物の乳酸塩濃度測定値を受け取るように構成されたコントローラーであり、少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの測定値を受け取るように同様に構成されており、前記バイオリアクターに収納された細胞培養物中の乳酸塩の将来的濃度を決定する予測モデルを含み、予測された乳酸塩濃度に基づき、栄養培地の前記バイオリアクター中への流れを選択的に増加又は減少させて、乳酸塩濃度を事前設定された限界内に維持するために、栄養培地フィードをコントロールするように構成されている、コントローラーと
    を備えるシステム。
  26. 前記少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターが、pH、グルタミン酸濃度、グルコース濃度、アスパラギン濃度、温度、又は栄養フィード速度を含む、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記予測モデルが、乳酸塩濃度とこれまでの参照データとの比較に基づく、請求項25又は26に記載のシステム。
  28. 前記乳酸塩の将来的濃度が、規定された参照軌道からの予測された乳酸塩濃度の重み付きの二乗偏差から、前記予測モデルにより決定される、請求項25〜27のいずれか一項に記載のシステム。
  29. 前記乳酸塩の予測的濃度が、少なくとも1つの乳酸塩に影響を及ぼすパラメーターの変化における重み付きの二乗偏差に基づき、同様に決定される、請求項28に記載のシステム。
  30. 前記乳酸塩の将来的濃度が、部分的二乗分析、分類木、サポートベクター決定、線形判別分析、又はそれらの混合から選択される1つ又は複数の技術から、前記コントローラーにより決定される、請求項25〜29のいずれか一項に記載のシステム。
  31. 前記乳酸塩の将来的な濃度が、低減次数時変式の自己回帰型外因性モデルを使用して、前記コントローラーにより決定される、請求項25〜30のいずれか一項に記載のシステム。
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