JP2021501095A - 電気自動車 - Google Patents

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Abstract

1600mmから1800mmの車高と、少なくとも260mmの最低地上高と、車高の45%〜55%の外径を有する車輪とを有する電気自動車。【選択図】図1

Description

本発明は、走行距離を延ばすためにエネルギー効率を高める特性を有する電気自動車に関する。
電気自動車部門は、急速な技術的発展を遂げている。ほとんどの主要自動車メーカーは、電気自動車の売り出し又は開発を行っている。この電気自動車の技術的精巧さと可用性の上昇傾向は、徐々にではあるが避けることのできない化石燃料の減少と共に持続する見込みである。
現在のバッテリ技術は、ガソリン及びディーゼルなどの液体燃料に比べてエネルギー密度が限られている。従って、電気自動車の走行距離を最大化するために、慎重にエネルギーを使用することが重要である。
現在のところ、各メーカーは、電気自動車のベースに既存のモデルを使用しながら好適な電気推進システムに適切に適合させる傾向にある。このような手法は、電化に最適な車両を得るためにゼロからの設計を必要としなくて済むので、コスト効率が高くなる傾向にある。しかしながら、この手法では、車両のエネルギー効率を高める質量低減及び空力改善の機会を逃してしまいがちである。市場において明らかな別の手法は、一般に車両の質量を低く維持することによって走行距離を延ばす機会が増すという理由で、小型車両に重点を置くことである。しかしながら、このような車両のサイズ及び乗り心地は、一般購買者に対する車両の魅力を制限してしまう傾向にある。
本発明は、1600mm〜1800mmの車高と、少なくとも260mmの最低地上高と、車高の45%〜55%の外径を有する車輪とを有する電気自動車を提供する。
従って、この車両は最低地上高が比較的高く、これによって少なくとも2つの恩恵が得られる。第1に、この車両は起伏の多い地形での移動に適する。第2に、ドライバーの着座位置が高くなることによって、良好な視界と安全性が促される。最低地上高が高い既存の車両は車高も高い。対照的に、本発明の車両は、1600mm〜1800mmの車高を有する。この比較的低い車高には少なくとも2つの利点がある。第1に、低い重心を達成できることによって良好なハンドリングが促される。第2に、場合によってはさらに重要なことであるが、低い車高によって車両の前方面積が減少する。実際に、この車両は、2.7平方メートル未満の前方面積を有することができる。この結果、車両の抵抗が減少して走行距離が増す。
車両の抵抗係数を抑えるには、空気の大部分が車両の上部に強制されるように車両を設計すべきであるという先入観がある。従って、通常、技術者らは、走行距離を高めようとする際に最低地上高の低い車両を設計する。本発明の車両に関与する技術者らは、現在の考え方に反して、抵抗係数に大きな影響を与えることなく比較的高い最低地上高を使用できることを発見した。さらに、抵抗係数の増加が観察された場合、この抵抗係数は、比較的大径の車輪によって達成される転がり抵抗の減少によって相殺されるよりも大きなものとなり得る。
車高に占める車両の車輪の割合は比較的大きい。このサイズの車輪は、車両の転がり抵抗を大幅に低減するという恩恵をもたらす。この結果、走行距離の増加を達成することができる。採用する際の障害としてしばしば走行距離への不安が挙げられる電気自動車にとって、このことは特に重要である。車輪のサイズは、比較的高い最低地上高も可能にし、これによって高い着座位置も可能になる。高い最低地上高及び高い着座位置は、小径の車輪と上昇したサスペンションとを使用して達成することもできる。しかしながら、これによって車両のハンドリングが損なわれ、結果として得られる駆動シャフト角によってジョイント部の摩耗及び振動が増してしまう。比較的大径の車輪を採用することにより、比較的高い着座位置を達成しながら良好なハンドリングを促すこともできる。また、浅い駆動シャフト角によって比較的高い最低地上高を達成することもできる。
技術者にこのサイズの車輪の採用を思いとどまらせる先入観がいくつかある。第1に、車輪が大径化すればするほど慣性モーメントも大きくなり、従って加速及び減速に多くのエネルギーが必要になる。従って、大径の車輪では効率が下がり、車両の走行距離が減少するという先入観がある。第2に、このサイズの車輪では、ばね下重量が大きくなることによって乗り心地が悪くなるという先入観がある。第3に、大径の車輪では、必要な空間エンベロープ(space envelope)が大きくなる。特に、前輪のサイズが大きくなると、旋回中の車輪に対応するために深いホイールアーチが必要になる。内燃エンジン(ICE)を有する従来の車両では、通常はエンジン室のサイズ又は前方長手方向部材の位置を抑えることが不可能であるため、車幅を増やすことによってしかホイールアーチを深くすることができない。電気自動車の生産を目指している各ICE車両メーカーは、車体の再設計に関連する費用が莫大であるため、ICE車両の車体を使用し続けると思われる。技術者らは、電気自動車を設計する際に、本請求項に係るサイズの車輪を使用しようとは考えないと思われる。技術者らは、本請求項に係るサイズの車輪を使用するには大幅な車幅の増加又は抜本的な車体設計の見直しが必要になると理解するであろう。車幅が増加すれば車両の前方面積が増加し、従って走行距離が減少する一方で、車体の基本的再設計は、全く恩恵が認められない非常に高価なものになる。
本発明の電気自動車では、技術者らが多くの既存の先入観を克服する必要があった。その際に、技術者らは、大径車輪を設けることで、大幅な、しばしば驚くべき技術的恩恵をもたらすことができることを発見した。具体的に言えば、技術者らは、電気自動車ではブレーキ中にエネルギーを回復させることができ、これを大径車輪に関連する高い慣性の緩和に役立てることができると分かった。さらに、技術者らは、この車輪サイズで達成される転がり抵抗の減少が慣性の増加を相殺することによって走行距離の純増を達成できることに気付いた。技術者らは、大径車輪を採用することによって低いタイヤ圧でも所与の負荷指数を達成できることも認識した。タイヤ圧を減少させることによって、より快適な乗り心地を達成することができる。さらに、技術者らは、過度に車幅を増加させることなくこのサイズの車輪を採用できることも認識した。具体的に言えば、技術者らは、パワートレイン要素を他の位置に配置することによって、例えばバッテリパックを車両の下部に配置することによって、従来エンジンに占められていた車両の前方室のサイズを低減することができると認識した。この結果、同じ車幅でさらに深いホイールアーチを達成できるような狭い前方室を有する車体を設計することができる。これにより、車幅、従って車両の前方面積を過度に増加させることなく、本請求項に係るサイズの車輪を電気自動車において採用することが可能になる。
本発明の車両では、大径車輪と、高い最低地上高と、低い車高との組み合わせが相まって車両の走行距離を増加させる。走行距離が大規模な採用の障害を示し続けている電気自動車では、いずれかの走行距離の増加は大きな利点である。さらに、スポーツ用多目的車(SUV)に特有の、すなわち最低地上高が高く着座位置が高いという特徴を有する車両で走行距離の改善を達成することができる。SUVは、大きな成長を遂げている自動車部門ではあるが、通常、優れた効率性はこの部門に関連する特徴ではない。本発明の車両では、良好な走行距離を有する電気SUVが可能になる。
上述したように、本発明に関与する技術者らは、パワートレイン要素を他の位置に配置することによって車両の前方室の幅を減少させることができると認識した。この結果、車幅、従って車両の前方面積を過度に増加させることなく(本請求項に係るサイズの)大径車輪を採用することが可能になる。実際には、車幅を1975mm未満とすることができる。この車幅はいくつかのSUVに匹敵し、車幅が2000mmよりも広い他のSUVよりも大幅に狭い。従って、既存のSUVの車幅に匹敵する車幅を有する電気自動車において、大径車輪を有することに関連する技術的利点を達成することができる。
車輪の断面幅は、車輪の外径の27%〜32%とすることができる。この結果、車輪は比較的狭くなる。狭い車輪には、車両の質量及び前方面積が減少することによって効率及び走行距離が高まるという利点がある。しかしながら、車輪の幅が減少すると負荷指標が低下する。通常、電気自動車は、バッテリパックの質量に起因して同等のICE車両よりも重い。この結果、より負荷指標の高い車輪が必要である。本発明の車両に関与する技術者らは、タイヤメーカーから、これらの寸法の車輪では十分な負荷指標を提供することができないとの助言を受けた。しかしながら、技術者らは、外径の27%〜32%の断面幅を採用することによって、十分な負荷指標を達成できるとともに質量及び前方面積を大幅に低減できることを発見した。具体的に言えば、技術者らは、800mm〜850mmの外径と、235mm〜255mmの断面幅とを有する車輪を採用することによって、競合因子(例えば、転がり抵抗、慣性及び負荷指標)の比較的良好なバランスを達成できることを発見した。
この車輪は、80mm〜135mmの断面高さを有することができる。所与のリム径を有する車輪では、断面高さが増加すると転がり抵抗が減少する。また、断面高さが増加すると、低いタイヤ圧を使用して所与の負荷指標を達成することができ、これによって乗り心地が改善される。しかしながら、断面高さが増加すると車輪の慣性が高くなる。80mm〜135mmの断面高さが、効率性、快適性及び負荷指標という競合因子間に良好なバランスをもたらすことが分かった。
この車両は、1600mm〜1800mmの車高、及び少なくとも260mmの最低地上高を有する。この車両の車高及び最低地上高には、車両の前方面積が減少するという利点がある一方で、室内の高さが減少するという悪影響もある。これを補償するために、車両は、比較的長いホイールベースを有することができる。具体的に言えば、ホイールベースは、3200mm〜3350mmとすることができる。この結果、室内容量が比較的広い車両を実現することができる。長いホイールベースには、広い室内容量を実現する以外に少なくとも2つの利点がある。第1に、ホイールベースが長くなれば、一般に乗り心地も快適になる。第2に、車両のバッテリパックを室内の下方に配置する場合、ホイールベースが長くなれば使用できるバッテリパックも大型になり、これによって走行距離が増す。
車両は、4700mm〜5000mmの車体長を有することができる。この結果、ホイールベースが長いにもかかわらず車体長が長くなりすぎず、駐車及び低速操作の助けとなる。ホイールベースに対する車体長の結果、オーバーハングも比較的短くなる。この結果、アプローチ角及びデパーチャ角が大きくなるという恩恵が得られる。このため、この車両は、急傾斜地及び障害物への対処に適する。
大径車輪及び高い最低地上高は、ホイールベースが比較的長いにもかかわらず、比較的高いブレークオーバー角の達成を可能にする。具体的には、少なくとも20度のブレークオーバー角が可能である。この結果、この車両は、長いホイールベースにもかかわらず起伏の多い地形での移動に適した状態を持続する。
この車両は、260mm〜300mmのシート高(すなわち、H点と室内フロアとの間の垂直距離)を有するドライバーシートを備えることができる。従って、ドライバーは、サルーン又はセダン車両に特有の傾斜した着座位置を有する。対照的に、高い着座位置を有する従来の車両は、通常これよりもはるかに座席高が高く、従ってドライバーが採用する着座位置は直立に近いものになる。しかしながら、直立した着座位置には高い室内が必要である。シート高を比較的低くすることによって、室内の高さを抑えることができる。この結果、低い前方面積(すなわち、1600mm〜1800mmの車高、及び260mmよりも高い最低地上高)を有しながら十分な頭上空間も提供する車両を実現することができる。
車両の車輪が大径である結果、前輪軸とドライバーのH点との間の水平距離が増す。この結果、ドライバーは、車両の前方から離れて位置するようになる。同様に、車両が比較的低いシート高を有する場合にも、前輪軸とドライバーのH点との間の水平距離が増す。これを補償するために、この車両は、比較的短いフロントオーバーハングを有することができる。具体的に言えば、この車両は、850mm未満のフロントオーバーハングを有することができる。この結果、大径車輪及び/又は低いシート高にもかかわらず、ドライバーと車両の前方との間の距離を過度に長くする必要性がなくなる。従って、ドライバーは、より良好に車両の前端を判断することができ、これによって駐車及び低速操作も容易になる。
ドライバーのH点と地面との間の垂直距離は、少なくとも740mmとすることができる。従って、この車両は、上述したように良好な視界及び安全性を促す比較的高い着座位置を有する。
この車両は、車両の室内の下方に配置されたバッテリパックを備えることができる。この車両は、バッテリパックを室内の下方に配置することにより、同じ車幅でさらに深いホイールアーチを達成できるような狭い前方室を有するように設計することができる。この結果、車幅、従って車両の前方面積を過度に増加させることなく大径車輪を採用することが可能になる。室内の下方にバッテリパックを配置すると、車両の重心が低くなることによって良好なハンドリングを促すのに役立つというさらなる恩恵が得られる。しかしながら、室内の下方にバッテリパックを配置することにはそれなりの困難もある。具体的には、バッテリパックが地面の影響又は侵入(intrusion)を受けやすくなる。それにもかかわらず、本発明の車両では、比較的高い最低地上高がこのリスクを大幅に低減させる。
この車両は、850mm未満のフロントオーバーハング、及び950mm未満のリアオーバーハングを有することができる。従って、これらのオーバーハングは比較的短く、駐車及び低速での車両の操作を容易にする。短いオーバーハングには、大きなアプローチ角及びデパーチャ角をもたらすというさらなる利点がある。この結果、この車両は、急傾斜地及び障害物への対処に適する。この車両は、請求項に係る最低地上高と組み合わせた時に、少なくとも25度のアプローチ角及びデパーチャ角を有することができる。
車両の空力抵抗係数は、フロントガラスの傾斜角によって影響を受ける。具体的に言えば、(水平面に対する)傾斜角が減少するにつれて抵抗係数も減少する。しかしながら、傾斜角が減少すると、全体的な窓のサイズ、従って質量が増加し、この影響が車両のコスト及び走行距離に及ぶ。また、傾斜角が減少すると、ドライバーの着座位置がさらに後方に押しやられる。この結果、ドライバーが車両の前端を予測するのが非常に困難になり、これによって駐車及び低速操作に影響が及ぶこともある。最後に、傾斜角が減少すると、光学的歪みが問題になることもある。従って、この車両のフロントガラスは、水平面に対して25度〜30度の角度で傾斜することができる。この角度は、さまざまな競合因子間に良好なバランスをもたらすことが分かっている。
この車両は、1600mm〜1800mmの車高、及び少なくとも260mmの最低地上高を有する。具体的に言えば、車両のルーフと車両の下部との間の垂直距離は、1340mm〜1465mmとすることができる。この距離は、前方面積を減少させる必要性と十分な室内高さを提供することとの間に良好なバランスをもたらす。
本出願の範囲内では、前述の段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面に示すさまざまな態様、実施形態、実施例及び代替案、とりわけこれらの個々の特徴を、単独で又はあらゆる組み合わせで採用できることが明確に意図される。1つの実施形態に関連して説明する特徴は、このような特徴が明らかに矛盾しない限り全ての実施形態に適用することができる。
以下、本発明をさらに容易に理解できるように、ほんの一例として添付図面を参照する。
本発明の実施形態による車両の側面図である。 図1の車両の正面図である。 車両の前方面積を示す図である。 図1及び図2の車両の1つの車輪の、車輪の垂直面に沿って切り取った断面図である。 図1の車両と同様の、ただし車輪径を単位とした車両の車体比率を示す側面図である。
まず図1及び図2に、エネルギー効率の高い電気自動車として実装されるように構成された車両2を示す。この文脈では、車両を、バッテリパック、水素燃料電池及び光電池のうちの1つ又はこれらの組み合わせによって電力が供給されるような完全な電気自動車とすることも、或いは電動原動機とガソリン、ディーゼル又はガスエンジンなどの内燃エンジンとを組み合わせたハイブリッド車とすることもできる。本説明は、車両2の外部特性の全体的構成に関連するものであり、車両で使用される動力源の精密な形態は説明の焦点ではなく、従って図面には示していないと理解されるであろう。しかしながら、一例として、車両2は、一般に車両の車体6内に位置するバッテリパック4と、1又は2以上の電気モータとを備えることができる。ここでは、車両の前輪10を駆動するために1又は2以上の電気モータ8が設けられ、車両2の後輪14を駆動するために1又は2以上の電気モータ12が設けられる。ここでは、各車輪10、14が、車輪リム13上に装着されたタイヤ11を含む。
概説すれば、車体6は、車両のフロントガラス22から車両の後部に向かって後方に延びて車両2の上面を定める車両ルーフ20と、前部26と、後部28と、車両下部30とを含む。
車両2の大きな利点は、長い走行距離を実現するとともに、この設計目標を達成する間に通常行われる空気力学的妥協の最小化を行いながら乗員にとって快適であるように構成されている点である。この利点は、一般に車体長と、その前方面積と、車両の最低地上高との組み合わせによって達成される。以下、これらの車両特性についてさらに詳細に説明する。
注目すべき点として、図示の実施形態の車体長は4700mm〜5000mmであり、現在のところ約4900mmであることが好ましい。いくつかの実施形態では、車体長を最大5100mm又はそれ以上とすることも、4550mmほどの低さとすることもできる。図1では、この長さを寸法D1によって示す。図1には他の多くの車両寸法も示しており、これらについては以下でさらに詳細に説明する。明らかなように、この車両の相当な長さは、抵抗面で望ましい比較的限られた前方面積によって課せられる制約にもかかわらず、車両に十分な室内空間が提供されることによって乗客の快適性に恩恵をもたらすことを保障する。
当業者であれば、前方面積の主要因は、車高、車幅及び最低地上高であると理解するであろう。これらについては、これらの寸法を表記した図2から最もよく理解される。図2を参照すると、車両は、1925mm〜1975mmの車両側面間の全幅(D2として示す)を有する。現在のところ、この幅は約1950mmであると想定されているが、上述した境界間のあらゆる幅が許容可能と考えられる。図2には、D2’で示すような車両のトラック幅も示しており、この幅は1600mmよりも大きい。図示の実施形態では、トラック幅が1685mmである。
図2にD3として示すような車両2の高さは、1600mm〜1800mm、例えば1650mm〜1700mm、さらには1650mm〜1680mmとすることができる。現在のところ、この高さは約1660mmであると想定される。なお、この高さ寸法は、車両が公称荷重で静止した理論的接地面Gから測定され、車両ルーフの最も高い垂直点の水平投影まで延びる。
図2では、車両2の最低地上高をD4として示しており、これは接地面Gと車両下部30との間の距離である。図2に示すように、車両下部30は、大きな突出物を含まずに比較的平坦であり、従って移動時に車両の下方の空気流を改善するように空気力学的アンダートレイによって定めることができる。この実施形態では、最低地上高D4が比較的大きく、この実施形態では少なくとも260mmの公称距離である。現在のところ、最大公称最低地上高は一例として約310mmと想定され、現在のところ300mmであることが好ましい。なお、車両は、例えば走行モードに基づいて車両の最低地上高を変化させる機能を提供する適応型サスペンション上に支持することもできる。例えば、このサスペンションは、高速道路の走行中には車両の最低地上高を低くするように選択的に適応可能であり、都市部の走行中又はオフロード条件では、車両の最低地上高を高くするように適応可能である。このような実施形態では、このサスペンションを、車両の最低地上高を約200mm〜350mmの範囲内で調整できるように構成することができる。明らかなように、上述した最低地上高は、車両内で乗客が座る位置と比べて比較的高い。この高い最低地上高は、一部には車両の他の寸法と比べて驚くほど大きな外径を有する車輪によって可能になる。この態様については後述する。一方で、車両の高さがその長さに比べて比較的低く、例えば車両の全長の約30%〜37%である点に注目すべきである。また、車両の下部と車両のルーフ高さとの間の垂直距離(D3−D4)は、車体長と比べた時に約25%〜30%である。
上述したような車高、車幅、最低地上高及び全体的車両プロファイルの組み合わせは、約2.5m2(平方メートル)〜約2.7m2の前方面積をもたらし、当業者であれば理解するように、この値はこのような大型車両にしては比較的小さく、従って前方面積と車両の抵抗係数(Cd)との関数である車両の良好な空気力学的効率を促す大きな要因である。誤解を避けるために言えば、ここで使用する「前方面積」という用語は、例えば車両の後方の光源によって車両の前方の垂直面に投影された車両の像の面積などの、車両の前方から見た車両の面積として認められている業界的意味を有する。図2bでは、車両の前方面積の表現を「A」という表記で示す。
この車体長は、比較的狭い前方面積を相殺するために、乗客及び荷物を収容するための広い室内空間を提供する。図1にD5で示すような前輪軸と後輪軸との間の水平距離である比較的長いホイールベースを有するように車両2を構成することによって、利用可能な室内空間が最大化される。比較的長いホイールベースは、車両の快適な運転動特性にも恩恵をもたらす。様々な実施形態では、ホイールベースを2950mm〜3350mm、好ましくは約3000mm〜3350mm、さらに好ましくは約3200mm〜3350mmとすることができる。ホイールベースは、約3335mmであると想定される。このホイールベースは従来の乗用車と比べて比較的長く、このことが起伏の激しい路面上での良好な安定性をもたらすと理解されたい。
比較的長いホイールベースD5は、車体長と相まって車輪10、14を車両2の四隅に向けて配置し、このことは、前輪と後輪との間に室内空間としての又は設備を収容するための広い領域を提供するように車体6を構成できることを意味する。図1には、車両室内の下方の前輪10と後輪14との間にバッテリパック4が配置されたこのような例を示す。比較的長いホイールベースは、バッテリパック4のためのフロア面積が最大化されることを意味し、従って所与のバッテリ容量要件では、バッテリパック4を比較的長く浅く形成して車両のフロア面積を有効に活用することができる。この比較的長いホイールベースは、大型バッテリパックが可能にするエネルギー貯蔵量の増加及び放電特性を活用するように、大型バッテリパックを設置するための有用なスペースを提供するとともに、車両の重心を下げることにも寄与する。
車両の全長D1と比較したホイールベースD5の長さは、前後のオーバーハングが短い車両2をもたらす。図1では、フロントオーバーハングが車両の前部26によって定められ、参照記号D6によって示す前輪軸X1と車両の最前縁又は最前部40との間の水平距離である。同様に、リアオーバーハングは車両2の後部28によって定められ、参照記号D7によって示す後輪軸X2と車両の最後縁又は最後部42との間の水平距離である。
この実施形態では、フロントオーバーハングの寸法を約820mmとすることができる。しかしながら、フロントオーバーハングの寸法は、約750mm〜850mmの範囲内にすることができると想定される。同様に、リアオーバーハングの寸法も短く、図示の実施形態では約900mmとすることができるが、850mm〜950mmの範囲内のリアオーバーハングが許容可能であると想定される。車両2の短いオーバーハング寸法D6、D7は、車体長を前提としてホイールベースの長さが最大化されることを意味するとともに、車両のホイールベースを越えて存在する質量が減少することによって車両に望ましいハンドリング特性を与えることにも寄与する。さらに、オーバーハングが短いと、車両のドライバーが車両の先端部を容易に推定できるので、低速操作にも有利である。前後の短いオーバーハングには、車両の前後の脱出角(breakout angles)A1及びA2が関連する。これらの角度は、それぞれアプローチ角及びデパーチャ角としても知られている。以下でさらに詳述するように、前後の脱出角は、それぞれの短いオーバーハング及び比較的高い車両の最低地上高に起因して比較的大きくなるように構成されることが有益である。図示の実施形態では、前方脱出角A1及び後方脱出角A2が約30度であるが、25〜35度とすることができる。比較的大きな脱出角は、急傾斜地及び障害物に対処する車両の能力に恩恵をもたらす。
上述したように、車両の全体的構成は、このような大型車両にしては比較的狭い前方面積を提供するが、車体長は、乗客、荷物及びその他の設備を収容できる有用な内部室内容積を維持する。現在のところ、この車両は、図示の実施形態と同様に、例えば3列で配置された最大7つの着座位置を備えると想定される。従来、このような乗客定員を有する車両ははるかに広い前方面積を有するが、本発明の車両は、最大7人の乗客のための室内容量を保ちながら抵抗係数を改善する狭い前方面積を有するように構成される。
図1から明らかであるとともに以下でさらに詳細に説明するように、車両の比較的狭い前方面積と滑りやすい前方プロファイルとを組み合わせることによって、空気力学的効率のさらなる改善が実現される。
既に、図1を参照しながら、この車両は750mm〜850mmの比較的短いフロントオーバーハングを含み、この実施形態では公称820mmであると説明した。しかしながら、図1からは、ボンネット又はフードカバー44もコンパクトであり、前輪軸8のすぐ後方のフロントガラス22が開始する手前まで延びていることが明らかである。さらに、フロントガラスは、後方になでつけられたような外観を有し、従って水平面に対して低い傾斜角を有する。この実施形態では、前輪軸とボンネットカバーの後方又は最後部46との間の水平距離が約55mmである。しかしながら、この寸法は、45mm〜65mmにすることができると想定される。なお、この距離は車両2のほぼ中心線に沿って測定したものであり、図1ではD8として示す。従って、図示の実施形態では、ボンネットカバー44の後端が車両の最前部40から約875mmの地点に位置するということになるが、825mm〜925mmの寸法範囲が許容可能である。このコンパクトなボンネットは、垂直面からフロントガラスの下部の接線までを測定した60度〜65度の浅いスクリーン角と組み合わされる。具体的に言えば、このスクリーン角は、垂直面から62度〜65度とすることができる。換言すれば、仮想水平面を参照した場合、スクリーン角は25度〜30度、好ましくは28度とすることができる。フロントガラスは、ここから車両2の前方ルーフラインに達するまで次第に浅くなる軌跡に沿って徐々に湾曲する。図1では、スクリーン角をA3で示す。なお、ボンネットカバー44の最後部46は、フロントガラスが上向きに上昇してボンネットカバー44の平面と交差する地点である。
また、側面プロファイルからは、フロントガラスのラインが車両2のルーフラインと滑らかに融合し、浅い逆傾斜角で後方に延びて車両の後部28の尖った後端部50で終端することも注目すべき点であり、このプロファイルは、車両の後方における気流の分離を促すことによって抵抗を減少させるので、空気力学的効率にとって有益である。このプロファイルは、車両のAピラーからドアパネルの頂部上のDピラーに向かって浅い角度で傾斜する比較的高いウエストライン51によって補完される。
図1の車両の側面プロファイルを見ると、短い前部26、傾斜したフロントガラス22、及び車両の後部に向かって後方下向きに傾斜した比較的低いルーフラインによって実現される相当に傾斜した外観に気づくであろう。これらの要素は、車両サイズ及び少なくとも最大7人とすることができる乗客定員にもかかわらず、車両の良好な空気力学的特性に寄与する。乗客が取る位置は、比較的低い車体構成を補完するように構成され、この構成例として図1には前列シート52を示す。
前列シート52を参照すると、車両の前列シート52は、車両のフロアに対して比較的低い位置に存在することによって、ドライバーにとって有用な頭上空間量を提供していることに注目されたい。前列シート52は、図1ではHとして表記するH点によっても表される。当業者であれば理解するように、H点は、乗員が車両内に着座した時の乗員の臀部の理論的位置であり、上半身と下半身との間の枢着部を表す。この実施形態では、上述したように、H点が車両内の比較的低い位置に存在する。具体的に言えば、この実施形態では、H点が、寸法D9で表すように地面から約750mmの高さに存在する。さらに広く言えば、H点の高さは、740mm〜760mmの公称値を有することができると想定される。しかしながら、特に710mm〜790mmの範囲内で調整可能なサスペンションを備えた実施形態では、この範囲をさらに広くすることもできる。
重要なこととして、この実施形態のH点は、車両下部30の上方約450mmの垂直距離(図1ではD9’として表記する)に位置する。車両室内の下方の車両下部30と室内フロアとの間にはバッテリパック4が存在するので、シート52の乗客は、このような大型車両では非典型的な低い車両内の位置に座ると理解されるであろう。この着座位置は、運転のしやすさに有利な低い位置に又は車両に「包まれて」座っている感覚をドライバーにもたらすこともできる。このような位置は、最低地上高が比較的低いサルーン又はセダンタイプの車両内で人が座る高さと同様であり、従って図示の実施形態に例示するSUVスタイルの車両に典型的なはるかに高い最低地上高を有する車両では予想されないことである。図1には示していないが、H点は、車両の室内フロアから260mm〜300mm上方に位置することが好ましい。
低いH点の位置により、低いルーフ高さが損なわれて車両の前方面積が増加してしまい、これによって空気力学的効率に影響が及ぶことが避けられる。図示のように、前列シートは比較的傾斜して配向されると同時に、車両2の長いホイールベースによって前列の着座位置を車両の中間点近くに配置することができ、このような要素は、前列の乗客が車輪の振動から分離されることに起因して乗客の快適性に恩恵をもたらす。重要なこととして、2列目の着座位置は、長いホイールベースによって上質レベルの足元空間を有することができるので、この配置は、2列目シート53の乗客の空間を損なうことなく達成することができる。任意の3列目シート54も設けられる。例えば、55で表記する矢印によって示すように、2列目53は、2列目のH点と1列目52のH点との間に810mm〜約1120mmを有するように構成されると想定される。
一例として、現在のところ、H点は、フロントガラスの最前部に対して車両の中心線に沿って約1480mmの水平位置に来るように選択することができると想定される。なお、この寸法値は具体例であるが他の値も可能であり、現在のところ1400mm〜1500mmのH点位置が許容可能であると想定される。図1では、この寸法をD10として示す。上記の寸法から、H点と前輪軸A1との間の水平距離は1430mm〜1550mmとすることができ、図示の実施形態では1516mmになる。
次に、図2及び図3を具体的に参照すると、車両2のさらに際立った態様は、車両の全体的形状及びサイズに照らした前輪10及び後輪14の構成である。従来、乗用車の文脈では車輪の寸法がインチ単位で測定され、比較的大型の乗用車ではリム直径が15インチ〜17インチの車輪が装着されることが一般的である。かつては、大径の車輪リムはアフターサービス市場の改造部門の領域であったが、今では生産ラインを離れた車両に18又は19インチのリムを装着することが普通になってきており、大型スポーツ用多目的車(SUV)の中には20又は21インチのリムを装着できるものもある。
しかしながら、図2及び図3を見ると、車輪10、14が車高全体の約50%を占めるような大きな直径を有していることに容易に気づく。具体的に言えば、この実施形態では車輪の外径を845mmとすることができるが、800mm〜850mmの直径も許容可能である。図3では、この寸法をD11として示す。
この実施形態では、車輪10の全径が公称845mmであり、車輪リム13の直径が24インチ(約610mm)であるが、23インチ(約584mm)のリム直径も許容可能であると想定される。図3では、この寸法をD12として示す。この車輪は、一体鋳造又は鍛造合金車輪構造として製造されると想定される。しかしながら、ツーピース又はスリーピース車輪構造も許容可能である。車輪の直径は比較的大きいが、車輪の幅が比較的狭いことも重要であり、このことは特に図2及び図3によって理解することができる。ここでは、タイヤ11の幅が235mm〜255mmである。図3では、この寸法をD13として示す。また、タイヤのサイドウォール部の高さ又は深さがその断面幅D13に比べて比較的大きいことにも注目すべきである。通常、車両に装着された大径車輪には、側面プロファイルが非常に低いタイヤが装着される傾向にある。この理由は、低プロファイルタイヤの方が高いコーナリング剛性を示し、リム直径を増加させることに起因する車輪の全径を緩和する傾向にあるからである。一般に、大径の車輪サイズは、最小回転半径、ホイールアーチ量及び乗り心地に悪影響を与えるため、現代の車両では一般に望ましくないと考えられている。しかしながら、本発明の車両では、タイヤの深さがタイヤの断面幅の約50%であり、例えば約45%〜55%であると想定される。図示の実施形態では、公称車輪径又は845mmと、24インチのリム径とを有するタイヤの深さが、図3にD14として示すように約117mmである。この比較的深い断面のタイヤは、高周波振動を吸収し、車輪全径を増加させて転がり抵抗に恩恵をもたらすので有利である。一例として、ある外径、断面幅及びサイドウォール部深さを有するタイヤは、4.5kg/t〜6kg/tの転がり抵抗を達成できると想定され、これらの値は、さらに小さな外径(たとえば、18又は20インチタイヤ)と幅広い断面とを有するタイヤで使用されるタイヤの転がり抵抗よりも大幅に低いと考えられる。ここで言う転がり抵抗とは、当業者であれば理解するように、1トン当たりキログラムの単位の転がり抵抗係数又はCrrのことである。このような車輪とタイヤの組み合わせは、少なくともラジアルチューブレスタイヤ又はエアレスタイヤを装着した現代の車両、さらには年間何万台もの数で生産される大量生産車両では見られない。
本発明の図示の実施形態における比較的高くて狭い車輪は、これから説明するさらなる複数の点で有利である。
まず、これらの車輪は、車両の前方面積の低減に寄与することによって空気力学的抵抗を抑えると考えられる。従って、大径車輪を使用すると、転がり抵抗及び空気力学的抵抗の低減の両方にとって有利であるため、相乗的恩恵が得られる。高速道路の速度では、空気力学的抵抗及び転がり抵抗が車両のエネルギー消費に対する2つの大きな寄与因子である。従って、本発明の車両は、この領域における大幅な改善を達成して現実世界の範囲に恩恵をもたらす。
重要なこととして、大径車輪は、車両2の比較的高い最低地上高に貢献する。上述したように、図示の実施形態における車両の最低地上高は、サルーン又はセダンタイプの車両と比べて比較的高い約300mmであるが、前列の乗客は、車両内のかなり下方のセダンのような着座位置に支持される。この高い最低地上高が可能になるのは、少なくとも部分的に大径車輪のおかげである。この有利な最低地上高は、車両の長いホイールベースと相まって、ブレークオーバー角が損なわれるのを避ける。図1に示すように、図示の実施形態のブレークオーバー角「A4」は約21度であり、20度〜22度とすることができる。
さらに、理論によって制約されることを望むわけではないが、大径で比較的狭い車輪は、濡れた道路条件におけるハイドロプレーニングの傾向を抑え、降雪時のトラクションを改善すると考えられる。また、大径車輪は、荒れた路面及び穴によって受ける影響が少ないので、車両の室内に伝わる道路の騒音を抑え、移動中の車両の安定性に恩恵をもたらすと想定される。
リム径が大きいことによって車両に大径ブレーキディスクを装着する機会が得られることも別の利点である。大径ブレーキディスクは、大きな半径でクランピング負荷を付与できるので有益と考えられる。従って、低いクランピング負荷の使用によって同じブレーキトルクを生じることができ、これによってよりコンパクトで軽量のブレーキピストンとキャリパーを使用してばね下重量を低減する機会が得られる。また、大径ディスクは、ホイール周囲の空気流に広い表面積を曝すので、ブレーキ冷却のためにも有利であると考えられる。
最後に、図4を参照する。ここでは、図1と同じ車両2を示しているが、車両の車輪径を基準とした車両の車体比率を示す。従って、1つの車輪径の寸法を「1D」として表す。同じ規則を使用して、このような直径の倍数及び分数を表す。
ホイールベースで見ると、前輪と後輪との間の距離は約3Dであるが、図示の実施形態では、この距離が3Dよりもわずかに小さい。また、車軸中心間で計ったホイールベースの寸法は約4Dである。車両の全長は約6Dである。フロントオーバーハングは0.5D未満であり、約0.3Dである。リアオーバーハングは0.3D未満である。車両ウエストラインの高さは約1.5Dであり、ルーフライン高さは約2Dである。とりわけ、最低地上高は約0.3Dである。
当業者であれば、上述した本発明の具体例は、特許請求の範囲によって定められる本発明の概念から逸脱することなく修正することができると理解するであろう。
例えば、図示の実施形態はドアミラーを備える。しかしながら、ドアミラーを省略し、代わりにカメラシステムが車両からの後方ビューを提供する実施形態も想定される。ドアミラーは、車両を過ぎる空気流の邪魔になり、従って抵抗の原因になるので、省略することによって空気力学的効率に恩恵が得られる。このようにドアミラーを省略すると、さらにすっきりとしたプロファイルの車両となる。
2 車両
4 バッテリパック
6 車体
8 電気モータ
10 前輪
11 タイヤ
12 電気モータ
13 車輪リム
14 後輪
20 ルーフ
22 フロントガラス
26 前部
28 後部
30 車両下部
40 車両の最前部
42 車両の最後部
44 ボンネットカバー
46 ボンネットカバーの最後部
50 車両の後端部
51 ウエストライン
52 前列シート
53 2列目シート
54 3列目シート
55 H点間距離
A1 前方脱出角
A2 後方脱出角
A3 スクリーン角
A4 ブレークオーバー角
D1 車体長
D5 ホイールベース
D6 フロントオーバーハング
D7 リアオーバーハング
D8 前輪軸とボンネットカバー最後部との間の水平距離
D9 H点と地面との間の垂直方向距離
D10 H点とフロントガラス最前部との間の水平距離
X1 前輪軸
X2 後輪軸
G 接地面
H H点

Claims (17)

  1. 1600mmから1800mmの車高と、少なくとも260mmの最低地上高と、前記車高の45%〜55%の外径を有する車輪とを有する、
    ことを特徴とする電気自動車。
  2. 前記自動車は、1975mm未満の車幅を有する、
    請求項1に記載の電気自動車。
  3. 前記車輪は、該車輪の前記外径の27%〜32%の断面幅を有する、
    請求項1又は2に記載の電気自動車。
  4. 前記車輪は、800mm〜850mmの外径と、235mm〜255mmの断面幅とを有する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気自動車。
  5. 前記車輪は、80mm〜135mmの断面高さを有する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電気自動車。
  6. 前記自動車は、3200mm〜3350mmのホイールベースを有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電気自動車。
  7. 前記自動車は、4700mm〜5000mmの車体長を有する、
    請求項6に記載の電気自動車。
  8. 前記自動車は、少なくとも20度のブレークオーバー角を有する、
    請求項6又は7に記載の電気自動車。
  9. 前記自動車は、260mm〜300mmのシート高を有するドライバーシートを備える、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電気自動車。
  10. 前記自動車は、850mm未満のフロントオーバーハングを有する、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の電気自動車。
  11. ドライバーのH点と地面との間の垂直距離が少なくとも740mmである、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の電気自動車。
  12. 前記自動車は、室内と、該室内の下方に配置されたバッテリパックとを備える、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の電気自動車。
  13. 前記自動車は、850mm未満のフロントオーバーハングと、950mm未満のリアオーバーハングとを有する、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の電気自動車。
  14. 前記自動車は、少なくとも25度のアプローチ角及びデパーチャ角を有する、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の電気自動車。
  15. 前記自動車は、水平面に対して25〜30度の角度で傾斜したフロントガラスを備える、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の電気自動車。
  16. 前記自動車のルーフと前記自動車の下部との間の垂直距離は、1340mm〜1465mmである、
    請求項1から15のいずれか1項に記載の電気自動車。
  17. 前記自動車は、2.7平方メートル未満の前方面積を有する、
    請求項1から16のいずれか1項に記載の電気自動車。
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