JP2008306813A - 電動車両の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防災用オフロード車など、上り坂や凹凸のある路面を走行する機会の多い車両を、電動車両で構成した場合に、搭載される電動モータの合計出力容量が無駄に大きくなることを回避する。また、オフロード走行に要求される最低地上高を十分に確保する。
【解決手段】電動車両は、電動モータ61、62、63の作動に応じて全ての車輪1、2、3、4が駆動輪として駆動される。電動モータは、前駆動輪用の電動モータ61と、左後駆動輪用の電動モータ62と、右後駆動輪用の電動モータ63とからなる。 前駆動輪用電動モータと、前駆動輪1、2との間には、前駆動輪用電動モータから駆動力を前駆動輪1、2に伝達するディファレンシャルギヤ102Gが介在されて設けられている。 電動モータ62の出力容量PrLと電動モータ63の出力容量PrRとを合計した出力容量は、前駆動輪用電動モータ61の出力容量Pf以上になるように、出力容量が定められている。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動モータの作動に応じて駆動輪が駆動される電動車両の駆動装置に関する
ものである。
近年、自動車の分野では、自動車用モータや各種制御機器の性能の向上に伴い、燃費効
率、排気ガスのクリーンさに優れている点に注目して、電動車両の研究、開発が盛んに行
われている。ここで、電動車両とは、電動モータによって駆動輪が駆動される車両のこと
であり、エンジンの代わりに電動モータを駆動源として走行する純電気自動車を含む車両
のことである。
電動自動車には、ハイブリッド電気自動車、純電気自動車、燃料電池電気自動車などの
各方式がある。さらに、ハイブリッド電気自動車には、パラレルハイブリッド電気自動車
とシリーズハイブリッド電気自動車の各方式がある。自動車の中でもとりわけ乗用車や商
用車の分野では、すでにパラレルハイブリッドの形式で多数の車種が商品化されている。
図1(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、パラレルハイブリッド電気自動車、シリー
ズハイブリッド電気自動車、純電気自動車、燃料電池電気自動車の構成例を概略的に示し
ている。
図1(a)に示すように、パラレルハイブリッド電気自動車100は、トランスミッシ
ョン120を含む動力伝達機構40と並列に、発電機50、電動モータ60を含む電源系
統70が設けられている。
図1(b)に示すように、シリーズハイブリッド電気自動車100は、エンジン10か
ら発電機50までの動力伝達機構41と直列に、発電機50、電動モータ60を含む電源
系統71が設けられている。シリーズハイブリッド電気自動車100は、図1(a)のパ
ラレルハイブリッド電気自動車100と異なり、トランスミッション120などの機械的
な変速機構を持っていない。
図1(c)に示すように、純電気自動車100は、蓄電池(バッテリ)80に蓄電され
た電気エネルギーが電動モータ60で機械的なエネルギーに変換されて駆動輪1、2、3、
4に伝達される。
図1(d)に示すように、燃料電池電気自動車100は、燃料電池190で発生した電
気エネルギーが蓄電池(バッテリ)80に蓄電され、電動モータ60で電気エネルギーが
機械的なエネルギーに変換されて駆動輪1、2、3、4に伝達される。
下記非特許文献1には、各駆動輪ごとに独立した電動モータを備えて、各電動モータを
制御するという純電気自動車の制御装置に関する発明が記載されている。以下では、4つ
の駆動輪ごとに独立した電動モータが備えられて、4つの駆動輪が独立した4つの電動モ
ータによって個別に駆動される車両のことを、「4輪独立駆動タイプ」形式の電動車両と称
することとする。なお、以下の説明では、モータやエンジンの出力値を例示するが、これ
はあくまでも大まかな概念の理解を容易にするための便宜上のものにすぎないので、エネ
ルギー効率は概ね100%として単純化して説明する。
"電気自動車制御の現況と革新に向けて"電子情報通信学会東京支部シンポジウム、1998、9、18、堀 洋一
自動車の中には、主として被災現場などのオフロード(路外地形)を走行する防災用途
のオフロード車がある。かかる防災用オフロード車を、電動車両、とりわけシリーズハイ
ブリッド電気自動車で構成した場合に、要求される性能、機能は、以下のとおりである。
1) 全輪駆動(四輪駆動)であること
防災用オフロード車は、被災地などへ急行するために一般乗用車やトラック、バスと同
様に高速走行性能が求められるのみならず、土砂崩れ現場などを突破するために極低速で
あっても大トルクで運転できることが求められる。これは、防災用オフロード車を、電動
車両、とりわけシリーズハイブリッド電気自動車で構成した場合も同様である。オフロー
ドを安定して走行するには、全ての車輪に電動モータから駆動力が伝達されて全ての車輪
が駆動輪として駆動されることが必要である。たとえば4つの車輪を備えた4輪車両の場
合には、4つの車輪の全てに電動モータから駆動力が伝達される四輪駆動車であることが、
オフロードを安定して走行させるために必要である。
2) 後輪の接地荷重が前輪の接地荷重よりも大きい状態で走行する機会が多いこと
防災用オフロード車は、前進走行で急坂を乗り越えなければならい機会が多い。前進走
行で急坂を乗り越える際には、車体が前上がりになる。このとき前輪と後輪の接地荷重が
均等ではなく、後輪の接地荷重が前輪の接地荷重よりも大きくなる。このため後輪用の電
動モータの出力容量は、前輪用の電動モータの出力容量よりも大きいことが要求される。
一般的に、後輪に60%以上の負荷がかかり、前輪に40%以下の負荷がかかることが多
い。エンジンの出力が、たとえば120kWであるとすると、上り坂では、たとえば前輪
に40kW(40%以下)の負荷がかかり、後輪に80kW(60%以上)の負荷がかか
る。
3) 前輪の左輪と右輪とで接地圧、負荷に瞬間的に不均一が生じる機会が多いこと
防災用オフロード車は、凹凸のある路面を走行する機会が多く、凹凸のある上り坂等を
前進走行する際に、前輪の左輪と右輪とで接地圧、負荷に瞬間的な不均一が生じる。これ
により、最悪の場合には前輪の左右車輪のうち片側の車輪が浮き上がり、もう一方の車輪
に車体を進行させるために必要な駆動力(左右車輪合計分の駆動力)を伝達する必要があ
る。
4) 搭載機器や客室空間を広く確保することが求められるとともに、最低地上高を大きく
確保しなければならないこと
防災用オフロード車は、搭載機器や乗員数を多く確保するために、搭載機器の収納スペ
ースや客室空間を広く確保することが求められる。また車両の用途に応じて最適な機器レ
イアウトを変更する必要があるため、車内のレイアウトを自由に設計できるようにしたい
との要請がある。また、防災用オフロード車は、突起物や障害物がある路面上を走行する
機会が多いため、最低地上高はできる限り大きく確保しなければならない。
5) 電動モータの小型化、共通化を図ること
防災用オフロード車は、用途毎に仕様が異なる少量多品種生産の車両であり、量産効果
は期待できない。したがって、車両に搭載される複数の電動モータを小型化して、あるい
は共通化して、車両のコストを低減することが望まれる。
防災用オフロード車には、このような要求、仕様があるにもかかわらず、防災用オフロ
ード車を「4輪独立駆動タイプ」形式の電動車両で構成すると、つぎのような問題が発生
する。
上記2)で上述したように、防災用オフロード車が、平坦な上り坂を登板するときなど、
後輪の接地荷重が前輪の接地荷重よりも大きい状態で走行すると、エンジンの出力が、た
とえば120kWであれば、上り坂では、たとえば前輪に40kW(40%以下)の負荷
がかかり、後輪に80kW(60%以上)の負荷がかかる場合がある。しかし、滑りやす
い状況にある登坂路では前輪の接地荷重が減るので前輪はスリップしやすくなり、前輪が
スリップすれば発揮できる駆動力が減少するので、主に後輪の駆動力に頼って登板しなけ
ればならない。このような場面で後輪の駆動力が不足すれば登板が困難になるおそれがあ
る。
また、前輪で路面の凹凸を乗り越えようとするときには、上記3)で上述したように、
前輪の左輪と右輪とで接地圧、負荷に瞬間的に不均一が生じ、前輪のうち片側の車輪が浮
き上がると、もう一方の車輪に車体を進行させるために必要な駆動力(左右車輪合計分の
駆動力)を伝達するために、接地している片側の駆動輪の電動モータには、左右駆動輪の
平均出力の2倍という大きな出力容量が要求される。このため、たとえば120kWのエ
ンジンをもち、平坦な上り坂では、前輪の電動モータは前輪合計で40kWの出力容量で
済む場合でも、前輪で路面の凹凸を乗り越える状況では、前輪の電動モータは、片側の電
動モータだけで、前輪合計分の40kWの出力容量が必要とされる。このように電動モー
タの合計出力容量が無駄に大きくなるという問題が発生する。
なお、後輪については、予め前輪が路面の凹凸を乗り越えた状態で懸架装置が働き前輪
ほど大きな負荷のアンバランスは発生しないため、このような問題はない。
防災用オフロード車は、凹凸のある路面を走破するために、車体の床板から路面までの
距離、つまり最低地上高を十分に大きく確保する必要がある。車体床下の部品で最も直径
が大きく、最低地上高に最も影響を与える部品は、図2(a)に示すように、車体101
の床下に配置されたディファレンシャルギヤのケース102である。従来は、ディファレ
ンシャルギヤのケース102の直径に注意をして最低地上高を確保できるように車体レイ
アウトを設計するだけで問題はなかった。
ところが、防災用オフロード車を電動車両で構成すると、図2(b)に示すように、デ
ィファレンシャルギヤケース102の直径よりも電動モータ60の直径の方が大きくなり、
電動モータ60の配置が最低地上高に最も影響を与えることになった。
たとえば、40kWの出力容量をもつ電動モータ60は、その直径が、従来のディファ
レンシャルギヤケース102の直径の約1.5倍に達する。しかも電動モータ60を床下
に配置するに際して電動モータ60の上部を車内に大きく突出させることができない。こ
れは上記4)で上述したように搭載機器や客室空間を広く確保することが求められている
からである。このため電動モータ60の下部は、必然的にディファレンシャルギヤケース
102の下部よりも低い位置に位置されることになり、オフロード走行に要求される最低
地上高を十分には確保できなくなるという問題が発生する。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、防災用オフロード車など、上り
坂や凹凸のある路面を走行する機会の多い車両を、電動車両で構成した場合に、搭載され
る電動モータの合計出力容量が無駄に大きくなることを回避することを解決課題とするも
のである。また、本発明は、防災用オフロード車など、オフロードを走行する機会の多い
車両を、電動車両で構成した場合に、オフロード走行に要求される最低地上高を十分に確
保することを解決課題とするものである。
そこで、第1発明は、
電動モータの作動に応じて全ての車輪が駆動輪として駆動される電動車両の駆動装置に
おいて、
前駆動輪用の電動モータと、
左後駆動輪用の電動モータと、
右後駆動輪用の電動モータと、
前駆動輪用電動モータと、前駆動輪との間に介在され、前駆動輪用電動モータから駆動
力を前駆動輪に伝達するディファレンシャルギヤと
が設けられ、
左後駆動輪用電動モータの出力容量と右後駆動輪用電動モータの出力容量とを合計した
出力容量が、前駆動輪用電動モータの出力容量以上になるように、各電動モータの出力容
量が定められていること
を特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
前駆動輪用電動モータと、左後駆動輪用電動モータと、右後駆動輪用電動モータは、同
一あるいは略同一の出力容量になるように、各電動モータの出力容量が定められているこ

を特徴とする。
第3発明は、第1発明において、
前駆動輪用電動モータと、左後駆動輪用電動モータと、右後駆動輪用電動モータの少な
くともいずれか1つは、複数の電動モータで構成され、
複数の電動モータの最低地上高が、出力容量が同じ単一の電動モータを配置した場合の
最低地上高よりも大きくなるように、複数の電動モータが配置されていること
特徴とする。
第4発明は、
電動モータの作動に応じて全ての車輪が駆動輪として駆動される電動車両の駆動装置に
おいて、
各駆動輪がそれぞれ、複数の電動モータによって駆動されるように構成し、
複数の電動モータの最低地上高が、出力容量が同じ単一の電動モータを配置した場合の
最低地上高よりも大きくなるように、複数の電動モータが配置されていること
を特徴とする。
第1発明では、図3に示すように、電動車両100は、電動モータ61、62、63の
作動に応じて全ての車輪1、2、3、4が駆動輪として駆動される全輪駆動車両で構成さ
れる。
電動モータ61、62、63は、前駆動輪用の電動モータ61と、左後駆動輪用の電動
モータ62と、右後駆動輪用の電動モータ63とからなる。
前駆動輪用電動モータ61と、前駆動輪1、2との間には、前駆動輪用電動モータ61
から駆動力を前駆動輪1、2に伝達するディファレンシャルギヤ102Gが介在されて設
けられている。
左後駆動輪用電動モータ62の出力容量PrLと右後駆動輪用電動モータ63の出力容
量PrRとを合計した出力容量PrL+PrRは、前駆動輪用電動モータ61の出力容量Pf以
上になるように、各電動モータ61、62、63の出力容量が定められている。
なお、以下では、一例として、前述のように120kWのエンジンをもち、前輪の両輪
1、2に相当する電動モータ61に40kWの出力容量が、後輪の両輪に相当する電動モ
ータ62、63に80kWの出力容量が要求される電動車両100を想定する。
本第1発明によれば、前駆動輪用電動モータ61と、前駆動輪1、2との間に、前駆動
輪用電動モータ61から駆動力を前駆動輪1、2に伝達するディファレンシャルギヤ10
2Gを介在させて設けるようにしているため、前輪1、2で路面の凹凸を乗り越えようと
するときに、前輪1、2の左輪1と右輪2とで接地圧、負荷に瞬間的に不均一が生じ、た
とえ前輪1、2のうち片側の車輪1が浮き上がったとしても、前駆動輪用電動モータ61
からディファレンシャルギヤ102Gを介してもう一方の車輪2に車体を進行させるため
に必要な駆動力(左右車輪1、2の合計分の駆動力)40kWを伝達させることができる。
なお、ディファレンシャルギヤ102Gを介して連結された左右車輪1、2の片方が浮き
上がったとしても、その車輪の空転を防止する方法は、「特公昭39−9603号公報」な
どによって「トラクションコントロール技術」、「タイヤ空転防止技術」として古くから公
知である。また、この空転防止のためには、左右タイヤを個別に制動するブレーキを必要
とするが、その構造や制御方法は当業者に周知であるので本明細書では図示せず、説明を
省略する。
このため、従来の「4輪独立駆動タイプ」形式の電動車両のように、接地している片側
の駆動輪2の電動モータだけで、左右駆動輪1、2の平均出力の2倍という大きな出力容
量(40kW)が要求されることがない。このように、前輪両輪分で電動モータ61は、
40kWの出力容量があれば足りる。従来の「4輪独立駆動タイプ」形式の電動車両のよ
うに前輪の電動モータの片側の電動モータだけで、前輪合計分の40kWの出力容量が必
要とされることがない。これにより電動モータの合計出力容量が無駄に大きくなるという
問題を回避することができる。
また、本第1発明によれば、前駆動輪用の電動モータ61と、左後駆動輪用の電動モー
タ62と、右後駆動輪用の電動モータ63とを設け、左後駆動輪用電動モータ62の出力
容量PrLと右後駆動輪用電動モータ63の出力容量PrRとを合計した出力容量PrL+P
rRが、前駆動輪用電動モータ61の出力容量Pf以上になるように、各電動モータ61、
62、63の出力容量を定めるようにしているため、平坦な上り坂を登板するときなど、
後輪3、4の接地荷重が前輪1、2の接地荷重よりも大きい状態で走行しているときに、
電動モータ62、63から後輪3、4に与えられる駆動力が、電動モータ61から前輪1、
2に与えられる駆動力を下回ることがない。たとえば前輪1、2に40kW(40%以下)
の駆動力を伝達でき、後輪3、4には、それ以上の80kW(60%以上)を伝達させる
ことができる。これにより、後輪3、4の駆動力が不足して、登坂が困難になる事態を回
避できる。
第2発明では、前駆動輪用電動モータ61と、左後駆動輪用電動モータ62と、右後駆
動輪用電動モータ63は、同一あるいは略同一の出力容量になるように、各電動モータ6
1、62、63の出力容量Pf、PrL、PrRが定められる。
急坂登坂時には、後輪3、4の駆動力に、車両全体の駆動力の60%を超える駆動力、
つまりたとえば車両全体の駆動力の2/3の駆動力が必要とされることも稀ではない。本
発明によれば、たとえばエンジンの出力が120kWであるとすると、全体の1/3に相
当する出力容量Pfの電動モータ61から前輪1、2に対して、全体の1/3に相当する
駆動力40kW(約33%)が伝達される一方で、後輪3、4に対しては、全体の2/3
に相当する出力容量PrL+PrRの各電動モータ62、63から、全体の2/3に相当する
駆動力80kW(約66%)伝達される。これにより、急坂登坂時に、後輪3、4の駆動
力が不足して、登坂が困難になる事態を回避できる。
しかも、本第2発明によれば、各電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、
PrRが同一もしくは略同一となるため、車両100に搭載される複数の電動モータ61、
62、63の部品型番の共通化を図ることができるようになり、車両100のコストを低
減することができる。
第3発明では、図4あるいは図5あるいは図6に示すように、前駆動輪用電動モータ6
1と、左後駆動輪用電動モータ62と、右後駆動輪用電動モータ63の少なくともいずれ
か1つは、複数の電動モータ60A、60Bで構成される。そして、図2(c)に示すよ
うに、複数の電動モータ60A、60Bの最低地上高Lが、出力容量が同じ単一の電動モ
ータ60を配置した場合(図2(b))の最低地上高L´よりも大きくなるように、複数の
電動モータ60A、60Bが配置される。
すなわち、電動モータ60A、60Bの大きさ(たとえば直径)は、単一の電動モータ
60の大きさ(たとえば直径)よりも小さい。このためディファレンシャルギヤケース1
02よりも電動モータ60A、60Bを含む筐体60Cの方が小さくなる。
このように複数の電動モータ60A、60Bの直径d(図5)あるいは高さ方向の厚さ
t(図6)を小さくすることができるため、複数の電動モータ60A、60Bを含む筐体
60Cを車体の床上に大きく突出させたり車体の床下から大きくせり出させることなく配
置することができる。このため搭載機器や客室空間を広く確保しつつ、最低地上高Lを大
きく確保することができる。
しかも、本第3発明によれば、各電動モータ61、62、63が更に複数の電動モータ
60A、60Bに分割されているため、個々の電動モータ60A、60Bの出力容量を更
に小さくし、共通化を図ることができる。すなわち、たとえば各電動モータ61、62、
63それぞれを、2つの電動モータ60A、60Bに分割すれば、個々の電動モータ60
A、60Bの出力容量は、前駆動輪用電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、
PrR(たとえば40kW)の1/2の出力容量20kWとなり、個々の電動モータが小さ
くなるとともに、同じ規格品を使用することができる。これにより、電動車両100に搭
載される複数の電動モータの小型化、共通化を図ることができるようになり、電動車両1
00のコストを大幅に低減することができる。
第4発明は、図3で例示した第1発明の構成の車両100のみならず(図14(a)参
照)、図14(b)、(c)、(d)に例示されるように、従来の「4輪独立駆動タイプ」形式
の電動車両(図14(b))を含む電動車両一般にも適用することができる。すなわち、第
4発明は、電動モータ60A、60Bの作動に応じて全ての車輪1、2、3、4(あるいは
車輪1〜6)が駆動輪として駆動される電動車両100に適用することができる。
本第4発明の車両100は、各駆動輪1、2、3、4(あるいは各駆動輪1〜6)がそれ
ぞれ、複数の電動モータ60A、60Bによって駆動されるように構成されている。
そして、第3発明と同様に、複数の電動モータ60A、60Bの最低地上高Lが、出力
容量が同じ単一の電動モータ60を配置した場合の最低地上高L´よりも大きくなるよう
に、複数の電動モータ60A、60Bが配置される。
本第4発明によれば、図3で例示した第1発明の構成の車両100のみならず(図14
(a)参照)、図14(b)、(c)、(d)に例示されるように、従来の「4輪独立駆動タイ
プ」形式の電動車両(図14(b))を含む電動車両一般においても、上述した第3発明の
作用効果が得られる。すなわち、搭載機器や客室空間を広く確保しつつ、最低地上高Lを
大きく確保することができるとともに、車両100に搭載される複数の電動モータの小型
化、共通化を図ることができ、車両100のコストを大幅に低減することができる。本第
4発明は、車輪数が4以上の6輪、8輪、10輪などの多軸車両のみならず、モータで駆
動するタイヤを備える電動のトレーラなどにも適用できる。
発明の実施の形態
以下、図面を参照して本発明に係る電動車両の駆動装置の実施の形態について説明する。
図3は、実施形態の電動車両100の車体101と各構成要素の位置関係を示した上面
図である。なお、実施例では、電動車両100として、シリーズハイブリッド電気自動車
として構成された防災用オフロード車を想定する。
図3に示すように、電動車両100は、電動モータ61、62、63の作動に応じて全
ての車輪1、2、3、4が駆動輪として駆動される全輪駆動(四輪駆動)車両である。電
動車両100の車体101の前側左には、左前駆動輪1が設けられ、同車体101の前側
右には、右前駆動輪2が設けられ、同車体101の後側左には、左後駆動輪3が設けられ、
同車体101の後側右には、右後駆動輪4が設けられている。
電動モータ61、62、63は、前駆動輪用の電動モータ61と、左後駆動輪用の電動
モータ62と、右後駆動輪用の電動モータ63とからなる。
前駆動輪用電動モータ61と、前駆動輪1、2との間には、前駆動輪用電動モータ61
から駆動力を前駆動輪1、2に伝達するディファレンシャルギヤ102Gが介在されて設
けられている。ディファレンシャルギヤ102Gは、ディファレンシャルギヤケース10
2に収納されている。
前駆動輪用電動モータ61は、筐体60Cに収容されている。図4は、筐体60Cの構
造を示した平面図で、図5は、筐体60Cの構造を示した斜視図である。
前駆動輪用電動モータ61は、2つの電動モータ60A、60Bからなる。2つの電動
モータ60A、60Bの各回転軸60Fは、ギヤ60Dにより結合されている。ギヤ60
Dには出力軸60Eが連結されている。出力軸60Eから2つの電動モータ60A、60
Bの各出力を合成した出力、つまり前駆動輪用電動モータ61の出力が取り出される。な
お、筐体60C内に、電動モータ60A、60Bを冷却するための冷却装置などを内蔵さ
せてもよい。
図5に示すように、電動モータ60A、60Bは、回転軸60Fの方向に細長で直径d
が小さい「横型」のモータである。「横型」の電動モータは、ロータのモーメントアームが
短いため出力トルクが小さいが、ロータの遠心力でロータが分解する危険のおそれのある
回転数が高回転になるため比較的最高回転数を高く設定できるという特徴がある。このた
め「横型」の電動モータの出力特性は、「高回転数、低トルク」型になる。
同図5に示すように、電動モータ60A、60Bは、回転軸60Fが車体の床面105
に対して平行となるように配置される。
図3に示すように、前駆動輪用電動モータ61を構成する電動モータ60A、60Bは、
出力軸60Eを介して減速機103の入力軸に連結されている。減速機103の出力軸は
ディファレンシャルギヤ102Gに入力軸に連結されている。ディファレンシャルギヤ1
02Gの左右の各出力軸はそれぞれ、左右のファイナルギヤ107L、107Rの入力軸
に連結されている。ファイナルギヤ107L、107Rの出力軸はそれぞれ、左前駆動輪
1、右前駆動輪2に連結されている。
本実施例では、直径dが小さい「横型」の電動モータ60A、60Bを、回転軸60F
が車体の床面105に対して平行となるように配置しているため、電動モータ60A、6
0Bを含む筐体60Cの大きさ(直径方向の大きさ)を、前駆動輪用電動モータ61を単
一の電動モータ60で構成したときの大きさ(直径)よりも小さくすることができる。こ
れによりディファレンシャルギヤケース102よりも電動モータ60A、60Bを含む筐
体60Cの方が小さくなる。このため図2(c)に示すように、2つ)の電動モータ60
A、60Bを含む筐体60Cの最低地上高Lが、出力容量が同じ単一の電動モータ60を
配置した場合(図2(b))の最低地上高L´よりも大きくなる。
このように2つの電動モータ60A、60Bの直径d(図5)を小さくすることができ
るため、2つの電動モータ60A、60Bを含む筐体60Cを車体の床上に大きく突出さ
せたり車体の床下から大きくせり出させることなく配置することができる。このため搭載
機器や客室空間を広く確保しつつ、最低地上高Lを大きく確保することができる。
前駆動輪用電動モータ61を構成する電動モータ60A、60Bを、「縦型」の電動モー
タとしてもよい。
図6は、電動モータ60A、60Bを、「縦型」の電動モータとした場合の筐体60Cの
構造を示した斜視図である。
「縦型」の電動モータは、回転軸60Fの方向に扁平であり、直径dが大きく、その代
わりに厚さtが小さい。「縦型」の電動モータは、ロータのモーメントアームが長いので出
力トルクが大きいが、ロータの回転に伴う遠心力によってロータが分解する危険を避ける
ために最高回転数が低く設定されることが多い。このため「縦型」の電動モータの出力特
性は、「高トルク、低回転数」型になる。
図6に示すように、電動モータ60A、60Bは、回転軸60Fが車体の床面105に
対して垂直となるように配置されている。
このため出力軸60Eは、図5の構成と異なり、車体の床面105に対して垂直となる。
このため出力軸60Eを、車体の床面105に対して平行な方向に変換する出力軸方向変
換ギヤ106が設けられる。
前駆動輪用電動モータ61を構成する電動モータ60A、60Bは、出力軸60E、出
力軸方向変換ギヤ106を介して減速機103の入力軸に連結される。減速機103より
後段の構成は、「横型」の電動モータの構成と同様である。
このように、厚さtが小さい「縦型」の電動モータ60A、60Bを、回転軸60Fが
車体の床面105に対して垂直となるように配置しているため、電動モータ60A、60
Bを含む筐体60Cの大きさ(厚さ方向の大きさ)を、前駆動輪用電動モータ61を単一
の電動モータ60で構成したときの大きさ(厚さ)よりも小さくすることができ、同様に、
複数の電動モータ60A、60Bを含む筐体60Cを車体の床上に大きく突出させたり車
体の床下から大きくせり出させることなく配置することができる。このため搭載機器や客
室空間を広く確保しつつ、最低地上高Lを大きく確保することができる。
左後駆動輪用電動モータ62は、筐体60Cに収容されている。左後駆動輪用電動モー
タ62は、2つの電動モータ60A、60Bからなる。かかる左後駆動輪用電動モータ6
2を構成する電動モータ60A、60Bと車体との関係は、図5、図6、図2(c)を用
いて説明したのと同様である。
左後駆動輪用の電動モータ62は、出力軸60Eを介して、ファイナルギヤ104Lの
入力軸に連結されている。ファイナルギヤ104Lの出力軸は、左後駆動輪3に連結され
ている。
同様に、右後駆動輪用電動モータ63は、筐体60Cに収容されている。右後駆動輪用
電動モータ63は、2つの電動モータ60A、60Bからなる。かかる右後駆動輪用電動
モータ63を構成する電動モータ60A、60Bと車体との関係は、図5、図6、図2(c)
を用いて説明したのと同様である。
右後駆動輪用の電動モータ63は、出力軸60Eを介して、ファイナルギヤ104Rの
入力軸に連結されている。ファイナルギヤ104Rの出力軸は、右後駆動輪4に連結され
ている。
左後駆動輪用電動モータ62の出力容量PrLと右後駆動輪用電動モータ63の出力容
量PrRとを合計した出力容量PrL+PrRは、前駆動輪用電動モータ61の出力容量Pf以
上になるように、各電動モータ61、62、63の出力容量が定められている。
この場合、各電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、PrRを、同一あるい
は略同一とすることができる。
たとえば、エンジン10の最大出力が120kWであるとすると、その1/3に相当す
る40kWの出力容量(Pf)が前駆動輪用電動モータ61に割り当てられ、その2/3
に相当する80kWの出力容量(PrL+PrR)が左後駆動輪用電動モータ62および右後
駆動輪用電動モータ63に割り当てられる。これにより、左後駆動輪用電動モータ62の
出力容量PrLと右後駆動輪用電動モータ63の出力容量PrRとを合計した出力容量PrL
+PrRを、前駆動輪用電動モータ61の出力容量Pf以上にすることができる。このとき
各電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、PrRは、同じ出力容量40kWと
なる。
本実施例では、各電動モータ61、62、63がそれぞれ更に2つの電動モータ60A、
60Bに分割され、個々の電動モータ60A、60Bの出力容量が同じに設定されている。
電動モータ61、62、63を2つの電動モータ60A、60Bに分割し、個々の電動モ
ータ60A、60Bの出力容量を、電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、
PrR(たとえば40kW)の1/2の出力容量20kWとすることで、電動車両100に
搭載される複数の電動モータの小型化、共通化を図ることができるようになり、電動車両
100のコストを大幅に低減することができる。
図7は、電動車両100を、シリーズハイブリッド電気自動車として構成した場合の駆
動制御装置の装置構成を示している。
電動車両100は、エンジン10から増速機20を介して発電機50までの動力伝達機
構41と直列に、発電機50、電気ケーブル21、発電インバータ22、蓄電キャパシタ
23、駆動電源系統バス24、前輪駆動インバータ25、左後輪駆動インバータ26、右
後輪駆動インバータ27、電気ケーブル28、29、30、前駆動輪用の電動モータ61、
左後駆動輪用の電動モータ62、右後駆動輪用の電動モータ63を含む電源系統71が設
けられている。
アクセルペダル31は、電動車両100の運転室に設けられており、踏込み操作に応じ
て踏込み操作量Y(mm)が変化する。アクセルペダル31の踏込み操作量Y(mm)を
示す信号は、制御装置32に入力される。
制御装置32は、エンジンコントローラ33、発電インバータ22、蓄電キャパシタ2
3、前輪駆動インバータ25、左後輪駆動インバータ26、右前輪駆動インバータ27と
の間で信号の入出力を行い、発電インバータ22、蓄電キャパシタ23、前輪駆動インバ
ータ25、左後輪駆動インバータ26、右前輪駆動インバータ27を制御する。
エンジンコントローラ33は、制御装置32との間で信号の入出力を行い、エンジン1
0の回転数を制御する。
エンジン10の出力軸は、増速機20に連結されている。増速機20の出力軸は、発電
機50に連結されている。発電機50は、電気ケーブル21を介して発電インバータ22
に電気的に接続されている。
発電インバータ22と、蓄電キャパシタ23と、前輪駆動インバータ25と、左後輪駆
動インバータ26と、右前輪駆動インバータ27は、駆動電源系統バス24によって電気
的に接続されている。
前輪駆動インバータ25は、電気ケーブル28によって、前駆動輪用電動モータ61に
電気的に接続され、左後輪駆動インバータ26は、電気ケーブル29によって、左後輪駆
動用電動モータ62に電気的に接続され、右後輪駆動インバータ27は、電気ケーブル3
0によって、右後駆動輪用電動モータ63に電気的に接続されている。
エンジン10の回転数は、増速機20によって最適な回転数まで上昇される。エンジン
10の出力は、増速機20を介して発電機50に伝達される。
発電機50では、発電作用によりエンジン10の出力が電力に変換される。発電された
電力は、発電機50から電気ケーブル21を介して発電インバータ22に供給される。発
電機50で発生した交流電力は発電インバータ22で直流電力に変換される。発電インバ
ータ22から直流電力が駆動電源系統バス24に供給される。
制御装置32は、電動車両100が定常走行中は、エンジン10が最大出力を得られる
回転数になるように、エンジンコントローラ33に対して指令を与える。これにより電動
車両100が定常走行中は、走行負荷にかかわらずエンジン回転数が一定となる。
発電機50は一定の回転数で回転するが、負荷電流に応じて出力電圧が変動するおそれ
がある。そこで、制御装置32は発電インバータ22を、その出力直流電圧値が一定にな
るように制御する。これにより、発電インバータ22から、ほぼ一定の直流電圧が駆動電
源系統バス24に供給される。
蓄電キャパシタ23の中には、高速応答型の高電圧、大容量のキャパシタが内蔵されて
いる。
駆動電源系統バス24の電圧値は、蓄電キャパシタ23の出力電圧値に等しい。
制御装置32は、蓄電キャパシタ23の出力電圧が規定値よりも低下したときに、発電
インバータ22に対して、発電機50の発電量を増やして蓄電キャパシタ23の出力電圧
を規定値に戻すように、指令する。これにより発電インバータ22は発電機50に発電作
用を行わせて発電量を増やし、蓄電キャパシタ23の出力電圧を規定値に戻す。逆に、制
御装置32は、蓄電キャパシタ23の出力電圧が規定値よりも上昇したときに、発電イン
バータ22に対して、発電機50の発電量を休止して蓄電キャパシタ23の出力電圧を規
定値に戻すように、指令する。これにより発電インバータ22は発電機50に発電作用を
休止させて、蓄電キャパシタ23の出力電圧を規定値に戻す。
仮に、蓄電キャパシタ23の出力電圧が許容できる上限電圧に向かって上昇し続けて、
警戒値を越えた場合には、制御装置32は、発電インバータ22に対して発電機50を電
動作用させてエンジン10を加速するように指令すると同時に、エンジンコントローラ3
3に対してエンジン10が加速しないように指令する。これによりエンジン10にエンジ
ンブレーキがかかり、発電機50の回転を妨害するように機能する。これによって蓄電キ
ャパシタ23の過充電が回避され、蓄電キャパシタ23が過電圧で損傷することを防止で
きる。
図8は、横軸を後述する「仮想的なトランスファ」の出力軸の回転数ωxとし、縦軸を
「仮想的なトランスファ」の出力軸のトルクTxとした場合の両者の関係を示したトルク
線図であり、等馬力となる特性のカーブTLを示している。
図8において、TL100は、各回転数ωx毎に、出力し得る定格のトルク(100%ト
ルク)を示すトルク線であり、TL50は、各回転数ωx毎に、上記定格トルク(100%
トルク)の50%に相当するトルクを示すトルク線である。同様にして、各Z%のトルク
に相当するトルク線TLzが予め設定されているものとする。
制御装置32は、アクセルペダル31の踏込み操作量Yに比例するZ%のトルクが発生
するように、前輪駆動インバータ25、左後輪駆動インバータ26、右後輪駆動インバー
タ27を制御する。前駆動輪用電動モータ61、左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動
輪用電動モータ63で発生する各トルクの合計したトルクが、Z%のトルクとなるように
制御する。ただし、前述したように電動車両100の定常走行中は、アクセルペダル31
の踏込み操作量Yが変化したとしてもエンジン10の回転数は電力需要が適正に管理され
るよう制御される。
つぎに、前駆動輪用電動モータ61、左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動輪用の電
動モータ63を制御する方法について説明する。
電動車両100は、電動モータが設けられておらずエンジンからトランスミッションを
介して車輪が駆動される非電動車両と同様に、アクセルペダル31の踏込み操作に応じて
加速させる必要がある。
そこで、前駆動輪用電動モータ61、左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動輪用電動
モータ63を制御するに当り、図9に示す非電動車両200を制御モデルとして、仮想的
なトランスファ203の出力軸に伝達されるトルクTx、仮想的なトランスファ203の
出力軸の回転数ωxを制御することを考える。なお、以下では、説明の便宜のため、車両
の各部の効率を100%、ギヤ比を全て1と仮定して説明する。
図9は、非電動車両200の構成例を示している。非電動車両200は、エンジン10
で発生したトルクがトルクコンバータ201、トランスミッション(たとえば無段変速機)
202を介してトランスファ203に伝達され、トランスファ203からトルクTxが取
り出されるとともに、トランスファ203の出力軸が回転数ωxで回転する構成の車両で
ある。トランスファ203の出力軸は、前側ドライブシャフト204Fと、後側ドライブ
シャフト204Rに連結されている。前側ドライブシャフト204Fと、後側ドライブシ
ャフト204Rはそれぞれ同一の回転数ωxで回転する。トランスファ203の出力軸の
トルクTxは、前側ドライブシャフト204F、後側ドライブシャフト204Rそれぞれ
にトルクTf、トルクTrとして分配される(Tx=Tf+Tr)。
前側ドライブシャフト204FのトルクTfは、前側ディファレンシャルギヤ205F
を介して前側左右の車輪1、2に伝達される。
また、後側ドライブシャフト204RのトルクTrは、後側ディファレンシャルギヤ2
05R、左右の等速ジョイント206L、206Rを介して後側左右の車輪3、4に伝達
される。後側ドライブシャフト204RのトルクTrは、後側ディファレンシャルギヤ2
05Rによって、左右の等速ジョイント206L、206RそれぞれにトルクTrL、トル
クTrRとして分配される(Tr=TrL+TrR)。また、左右の等速ジョイント206L、
206Rはそれぞれ、回転数ωrL、ωrRで回転する。回転数ωrL、ωrRは、電動車両10
0の左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動輪用電動モータ63の各出力軸60Eの回転
数に対応している。
前駆動輪用電動モータ61、左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動輪用電動モータ6
3は、たとえば以下のように制御される。
・前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eの回転数ωfは、非電動車両200(制
御モデル)の前側ディファレンシャルギヤ205Fの入力軸204Fの回転数ωxに比例
するとみなして、同電動モータ61を速度制御する。
・左後駆動輪用電動モータ62の出力回転軸60Eの出力トルクTrL´は、非電動車両2
00(制御モデル)の左等速ジョイント206LのトルクTrLに比例するものとみなし
て、同電動モータ62をトルク制御する。
・右後駆動輪用電動モータ63の出力回転軸60Eの出力トルクTrR´は、非電動車両2
00(制御モデル)の右等速ジョイント206RのトルクTrRに比例するものとみなし
て、同電動モータ63をトルク制御する。
以上のとおり、制御モデルの非電動車両200では、以下のような関係が成立する。
Tx=Tf+Tr …(1)
Tr=TrL+TrR …(2)
TrL=TrR …(3)
また、実施例の電動車両100では、後輪側にディファレンシャルギヤが存在しないが、
制御モデルの非電動車両200では、後輪側にディファレンシャルギヤ205Rが存在す
る。この後側ディファレンシャルギヤ205Rの効率を100%、ギヤ比を1と仮定する
と、後側ディファレンシャルギヤ205Rの入力軸(後側ドライブシャフト204R)の
回転数ωxと、出力軸(左右の等速ジョイント206L、206R)の回転数ωrL、ωr
Rとの間には、下記の関係が成立する。
ωx=(ωrL+ωrR)/2 …(4)
以下、図10に示すフローチャートを参照して、制御の処理手順を説明する。以下では、
非電動車両200(制御モデル)の各構成要素を「仮想的な」ものとして扱い、電動車両
100を制御するものとする。
図10において、ステップ301は、初期値の読み込み、ステップ302、303は、
「仮想的なトランスファ」の出力軸におけるトルクTxの指令値の算出処理、ステップ3
04〜306は、前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eの回転数ωfの回転数制
御処理、ステップ307〜309は、左後駆動輪用電動モータ62の出力回転軸60Eの
出力トルクTrL´および右後駆動輪用電動モータ63の出力回転軸60Eの出力トルクT
rR´のトルク制御処理に相当する。
(初期値の読み込み)
初期状態では、電動車両100は停止しているため、仮想的トランスファ203の出力
軸の回転数ωxは、0である(ステップ301)。かかる初期状態以後、ステップ301〜
309からなる制御ループが一巡するごとに、計算により現在の仮想的トランスファ20
3の出力軸回転数ωxが求められる(ステップ309)。
(「仮想的なトランスファ」の出力軸におけるトルクTxの指令値の算出処理)
つぎに、アクセルペダル31の踏込み操作量Yが計測され、制御装置32に入力される
(ステップ302)。
つぎに、図8に示すトルク線図を用いて、現在のアクセルペダル31の踏込み操作量Y
に対応するZ%のトルク線TLzが選択され、このトルク線TLz上において、現在の仮
想的トランスファ203の出力軸回転数ωxに対応する出力トルク値Txが算出される
(ステップ303)。
(前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eの回転数ωfの回転数制御処理)
つぎに、制御装置32は、現在の仮想的トランスファ203の出力軸回転数ωxに対応
する目標回転数ωfで、前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eが回転するように、
前輪駆動インバータ25を制御する。現在の仮想的トランスファ203の出力軸回転数ω
xから前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eの回転数ωfへの換算は、各部のギ
ヤ比などを勘案して行われる(ステップ304)。
つぎに、前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eのトルクが計測される(ステッ
プ305)。なお、モータトルクの推定値が個々の電動モータを駆動するインバータの内部
で制御の計算に使われている場合には、このトルク推定値をトルク計測値として利用する
ことができる。
つぎに、前駆動輪用電動モータ61の出力回転軸60Eの計測トルク値が、仮想的な前
側ドライブシャフト204FのトルクTfに変換される。前駆動輪用電動モータ61の出
力回転軸60Eのトルクから仮想的な前側ドライブシャフト204FのトルクTfへの換
算は、各部のギヤ比などを勘案して行われる(ステップ306)。
(左後駆動輪用電動モータ62の出力回転軸60Eの出力トルクTrL´および右後駆動輪
用電動モータ63の出力回転軸60Eの出力トルクTrR´のトルク制御処理)
つぎに、制御装置32は、ステップ303で算出された、現在の仮想的トランスファ2
03の出力軸回転数ωxに対応する出力トルク値Txと、ステップ306で算出された仮
想的な前側ドライブシャフト204FのトルクTfとに基づいて、上記(1)式(Tx=
Tf+Tr)より、仮想的な後側ドライブシャフト204RのトルクTr(=Tx−Tf)
を求める。ここで、上記(2)式(Tr=TrL+TrR)、(3)式(TrL=TrR)より、
TrL=Tr=Tr/2であるから、上述のごとく求めたトルクTrを用いて、左右の等速
ジョイント206L、206Rそれぞれに与えるべきトルクTrL、トルクTrRが求めら
れる。つぎに、制御装置32は、現在の左等速ジョイント206LのトルクTrLに対応
する目標トルクTrL´で、左後駆動輪用電動モータ62の出力回転軸60Eが回転するよ
うに、左後輪駆動インバータ26を制御する。同様に、現在の右等速ジョイント206R
のトルクTrRに対応する目標トルクTrR´で、右後駆動輪用電動モータ63の出力回転
軸60Eが回転するように、右後輪駆動インバータ27を制御する。トルクTrLからト
ルクTrL´への換算およびトルクTrRからトルクTrR´への換算は、各部のギヤ比など
を勘案して行われる。ただし、本実施例では、後輪3、4で回生制動はかけない。このた
め、TrL=Tr=Tr/2≧0に制限される。TrL=Tr=Tr/2<0のときには、左
後輪駆動インバータ26、右後輪駆動インバータ27に対してトルクTrL´、TrR´を零
にするように指令する(ステップ307)。
つぎに、左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動輪用電動モータ63の各出力軸60E
の各回転数ωrL、ωrRが計測される(ステップ308)。
つぎに、上記(4)式(ωx=(ωrL+ωrR)/2)に基づいて、上述のごとく計測
された各回転数ωrL、ωrRを用いて、現在の仮想的トランスファ203の出力軸回転数ω
xが算出される(ステップ309)。
ところで、電動車両100を制動しようとしてブレーキペダルを踏込み、ブレーキをき
かせると、後輪3、4の速度が低下して、仮想的トランスファ203の出力軸回転数ωx
の更新値が順次減少していく。このとき、アクセルペダル31が踏込まれていないとする
と、後輪3、4には駆動トルクや制動トルクは発生しない。また、前輪1、2では、更新
されて減少された回転数ωxにしたがって、前回の制御ループ時よりも小さくなった速度
ωfが得られるように制御されるため、電動車両100は順次減速していく。ただし、電
動車両100の運動の状況によっては、たとえば定常円旋回をしている場合などには、前
輪1、2の平均回転数が後輪3、4の平均回転数を上回る場合がある。この瞬間、前輪駆
動インバータ25は、強制的に前駆動輪用電動モータ61を減速させるために回生制動を
かけることになる。これにより、電動車両100の運動エネルギーが電力に変換されて、
駆動電源系統バス24の電圧値が上昇するとともに、電力が蓄電キャパシタ23に蓄積さ
れることになる。かかる回生制動は、ブレーキをきかせるときに常に発生するわけではな
く、状況次第で偶発的に発生するものである。また瞬間的かつ短時間で発生し回生制動に
よるエネルギー量も僅かである。よって、蓄電キャパシタ23に、高速応答型の高電圧、
大容量のキャパシタを使用している限り、大きな問題は発生しない。
前述したように、前駆動輪用電動モータ61は、2つの電動モータ60A、60Bで構
成することができる。そこで、2つの電動モータ60A、60Bからなる前駆動輪用電動
モータ61を回転数制御する場合の構成例について図11、図12を用いて説明する。
図11に示すように、一方の電動モータ60Aをマスタとし、他方の電動モータ60B
をスレーブとするマスタスレーブ制御が行なわれるように、装置が構成されている。
すなわち、電動モータ60A、60Bそれぞれに対応して、前輪駆動インバータ25A、
25Bが設けられる。前輪駆動インバータ25Aおよび差分器34のプラス(+)入力側
には、目標回転数ωfに応じた回転数指令が与えられる。一方、差分器34のマイナス(−)
入力側には、前輪駆動インバータ25Bのトルク推定値に係数Kを乗じた値が加えられる。
差分器34の出力は速度指令値として前輪駆動インバータ25Bに入力される。これによ
り、電動モータ60Bの負荷が重くなると、前輪駆動インバータ25Bに入力される速度
指令値が補償されて負荷が軽減される。
図12は、マスタ側の電動モータ60A、スレーブ側の電動モータ60Bの回転速度と
トルク出力との関係を示している。マスタ側の電動モータ60Aの特性をLNA、スレー
ブ側の電動モータ60Bの特性をLNBにて示す。
マスタ側の電動モータ60A、スレーブ側の電動モータ60Bの各回転軸60Fは、ギ
ヤ60Dにより結合されているため、同一の回転数で回転するものの、マスタ側の電動モ
ータ60Aの負荷(トルク出力)が上限値に達しない間は、スレーブ側の電動モータ60
Bに比してマスタ側の電動モータ60Aが多めに負荷(トルク出力)を負担する。また、
マスタ側の電動モータ60Aが上限値に達した後に、負荷(トルク出力)が増加すると、
その負荷増加分は、スレーブ側の電動モータ60Bが上限値に達するまでは、スレーブ側
の電動モータ60Bが負荷増加分(トルク出力)を負担することになる。このようにして、
2つの電動モータ60A、60Bからなる前駆動輪用電動モータ61を容易に回転数制御
することができる。
左後駆動輪用電動モータ62、右後駆動輪電動モータ63はそれぞれ、2つの電動モー
タ60A、60Bで構成することができる。そこで、2つの電動モータ60A、60Bか
らなる左後駆動輪用電動モータ62、2つの電動モータ60A、60Bからなる右後駆動
輪用電動モータ63をトルク制御する場合の構成例について図13を用いて説明する。以
下では、左後駆動輪用電動モータ62を例にとり説明する。右後駆動輪用電動モータ63
についても同様に構成することができる。
図13に示すように、電動モータ60A、60Bそれぞれに対応して、左後輪駆動イン
バータ26A、26Bが設けられる。
目標トルクTrL´の1/2のトルクTrL´/2に応じたトルク指令が、左後輪駆動イン
バータ26A、26Bそれぞれに与えられる。このようにして、2つの電動モータ60A、
60Bからなる左後駆動輪用電動モータ62を容易にトルク制御することができる。同様
に2つの電動モータ60A、60Bからなる右後駆動輪用電動モータ63を容易にトルク
制御することができる。
以上のように本実施例では、前駆動輪用電動モータ61と、前駆動輪1、2との間に、
前駆動輪用電動モータ61から駆動力を前駆動輪1、2に伝達するディファレンシャルギ
ヤ102Gを介在させて設けるようにしている。このため、前輪1、2で路面の凹凸を乗
り越えようとするときに、前輪1、2の左輪1と右輪2とで接地圧、負荷に瞬間的に不均
一が生じ、たとえ前輪1、2のうち片側の車輪1が浮き上がったとしても、前述の公知の
トラクションコントロール(あるいは空転防止)用のブレーキ(図示せず)を配設して作
動させることで、前駆動輪用電動モータ61からディファレンシャルギヤ102Gを介し
てもう一方の車輪2に車体を進行させるために必要な駆動力(左右車輪1、2の合計分の
駆動力)40kWを伝達させることができる。このため、従来の「4輪独立駆動タイプ」
形式の電動車両のように、接地している片側の駆動輪2の電動モータだけで、左右駆動輪
1、2の平均出力の2倍という大きな出力容量(40kW)が要求されることがない。こ
のように、前輪両輪分で電動モータ61は、40kWの出力容量があれば足りる。従来の
「4輪独立駆動タイプ」形式の電動車両のように前輪の電動モータは、片側の電動モータ
だけで、前輪合計分の40kWの出力容量が必要とされることがない。これにより電動モ
ータの合計出力容量が無駄に大きくなるという問題を回避することができる。
また、本実施例では、前駆動輪用の電動モータ61と、左後駆動輪用の電動モータ62
と、右後駆動輪用の電動モータ63とを設け、左後駆動輪用電動モータ62の出力容量P
rLと右後駆動輪用電動モータ63の出力容量PrRとを合計した出力容量PrL+PrRが、
前駆動輪用電動モータ61の出力容量Pf以上になるように、各電動モータ61、62、
63の出力容量を定めるようにしている。このため、平坦な上り坂を登板するときなど、
後輪3、4の接地荷重が前輪1、2の接地荷重よりも大きい状態で走行しているときに、
電動モータ62、63から後輪3、4に与えられる駆動力が、電動モータ61から前輪1、
2に与えられる駆動力を下回ることがない。たとえば前輪1、2に40kW(40%以下)
の駆動力を伝達でき、後輪3、4には、それ以上の80kW(60%以上)を伝達させる
ことができる。これにより、後輪3、4の駆動力が不足して、登坂が困難になる事態を回
避できる。
また、本実施例では、前駆動輪用電動モータ61と、左後駆動輪用電動モータ62と、
右後駆動輪用電動モータ63が、同一あるいは略同一の出力容量(たとえば40kW)に
なるように、各電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、PrRを定めている。
急坂登坂時には、後輪3、4の駆動力に、車両全体の駆動力の60%を超える駆動力、
つまり車両全体の駆動力の2/3の駆動力が必要とされることも稀ではない。本実施例に
よれば、たとえばエンジンの出力が120kWであるとすると、全体の1/3に相当する
出力容量Pfの電動モータ61から前輪1、2に対して、全体の1/3に相当する駆動力
40kW(約33%)が伝達される一方で、後輪3、4に対しては、全体の2/3に相当
する出力容量PrL+PrRの各電動モータ62、63から、全体の2/3に相当する駆動力
80kW(約66%)伝達される。これにより、急坂登坂時に、後輪3、4の駆動力が不
足して、登坂が困難になる事態を回避できる。
しかも、本実施例によれば、各電動モータ61、62、63の出力容量Pf、PrL、P
rRが同一もしくは略同一となるため、電動車両100に搭載される複数の電動モータ61、
62、63の部品型番の共通化を図ることができるようになり、電動車両100のコスト
を低減することができる。
また本実施例では、図4あるいは図5あるいは図6に示すように、前駆動輪用電動モー
タ61と、左後駆動輪用電動モータ62と、右後駆動輪用電動モータ63の少なくともい
ずれか1つは、2つの電動モータ60A、60Bで構成されている。そして、図2(c)
に示すように、2つの電動モータ60A、60Bの最低地上高Lが、出力容量が同じ単一
の電動モータ60を配置した場合(図2(b))の最低地上高L´よりも大きくなるように、
複数の電動モータ60A、60Bが配置されている。
すなわち、電動モータ60A、60B(たとえば直径)は、単一の電動モータ60の大
きさ(たとえば直径)よりも小さくなる。これによりディファレンシャルギヤケース10
2よりも電動モータ60A、60Bを含む筐体60Cの方が小さくなる。
このように複数の電動モータ60A、60Bを含む筐体60Cの直径d(図5)方向の
大きさあるいは厚さt(図6)方向の大きさを小さくすることができるため、複数の電動
モータ60A、60Bを含む筐体60Cを車体の床上に大きく突出させたり車体の床下か
ら大きくせり出させることなく配置することができる。このため搭載機器や客室空間を広
く確保しつつ、最低地上高Lを大きく確保することができる。
図14(a)は、図3に示す構成の電動車両100の各電動モータ61、62、63を
それぞれ更に2つの電動モータ60A、60Bに分割した実施例を示している。
本実施例によれば、各電動モータ61、62、63が更に2つの電動モータ60A、6
0Bに分割されているため、個々の電動モータ60A、60Bの出力容量を更に小さくで
き、共通化を図ることができる。
なお、各電動モータ61、62、63を更に3つ以上の各電動モータ60A、60B…
に分割する実施も可能である。
また、各電動モータ61、62、63それぞれを、2つの電動モータ60A、60Bに
分割した上で、個々の電動モータ60A、60Bの出力容量を、各電動モータ61、62、
63の出力容量Pf、PrL,PrR(たとえば40kW)の1/2の出力容量(20kW)
とする実施も可能である。これにより、個々の電動モータ60A、60Bが小さくなると
ともに、同じ規格品を使用することができる。これにより、電動車両100に搭載される
複数の電動モータの小型化、共通化を図ることができるようになり、電動車両100のコ
ストを大幅に低減することができる。
また、本実施例では、図14(a)に示すように、図3に示す構成の電動車両100の
各電動モータ61、62、63をそれぞれ更に2つの電動モータ60A、60Bに分割す
るようにしているが、図14(b)、(c)、(d)に例示されるように、従来の「4輪独立
駆動タイプ」形式の電動車両(図14(b))を含む電動車両一般にも適用して、各電動モ
ータを複数(たとえば2つ)に分割することができる。
図14(b)、図14(c)、図14(d)は、図14(a)と同様に、全ての車輪が駆
動輪として電動モータによって駆動される全輪駆動の電動車両100である。
図14(b)は、4つの駆動輪1、2、3、4が独立した4つの電動モータ61、62、
63、64によって個別に駆動される「4輪独立駆動タイプ」形式の電動車両100であ
って、各電動モータ61、62、63、64がそれぞれ、2つの電動モータ60A、60
Bに分割されている。図2(b)、(c)で説明したのと同様に、2つの電動モータ60A、
60Bは、それらの最低地上高Lが、出力容量が同じ単一の電動モータ60を配置した場
合の最低地上高L´よりも大きくなるように、複数の電動モータ60A、60Bが配置さ
れている。
図14(c)は、車体の前側および後側に、ディファレンシャルギヤ102Gf、102
Grが設けられ、電動モータ61の出力がディファレンシャルギヤ102Gfを介して前駆
動輪1、2に伝達されて前駆動輪1、2が駆動されるとともに、電動モータ62の出力が
ディファレンシャルギヤ102Grを介して後駆動輪3、4に伝達されて後駆動輪3、4
が駆動される電動車両100であって、各電動モータ61、62がそれぞれ、2つの電動
モータ60A、60Bに分割されている。図2(b)、(c)で説明したのと同様に、2つ
の電動モータ60A、60Bは、それらの最低地上高Lが、出力容量が同じ単一の電動モ
ータ60を配置した場合の最低地上高L´よりも大きくなるように、複数の電動モータ6
0A、60Bが配置されている。
図14(d)は、トラクタ100Fとトレーラ100Rからなる連結車として構成され
た電動車両100である。トラクタ100Fには、ディファレンシャルギヤ102Gf、1
02Grが設けられ、電動モータ61の出力がディファレンシャルギヤ102Gfを介して
前駆動輪1、2に伝達されて前駆動輪1、2が駆動されるとともに、電動モータ62の出
力がディファレンシャルギヤ102Grを介して後側駆動輪3、4に伝達されて後駆動輪
3、4が駆動される。一方、トレーラ100Rの駆動輪5、6は、独立した2つの電動モ
ータ63、64によって個別に駆動される。各電動モータ61、62、63はそれぞれ、
2つの電動モータ60A、60Bに分割されている。図2(b)、(c)で説明したのと同
様に、2つの電動モータ60A、60Bは、それらの最低地上高Lが、出力容量が同じ単
一の電動モータ60を配置した場合の最低地上高L´よりも大きくなるように、複数の電
動モータ60A、60Bが配置されている。また、トレーラ100Rの左右の車輪5、6
の間にディファレンシャルギヤを設け、その入力軸を1つの電動モータあるいは2つに分
割した電動モータで駆動してもよい。
よって、これら図14(b)、(c)、(d)に例示される電動車両100は、図14(a)
に例示した構成の電動車両100と同様に、搭載機器や客室空間を広く確保しつつ、最低
地上高Lを大きく確保することができるとともに、車両100に搭載される複数の電動モ
ータの小型化、共通化を図ることができ、車両100のコストを大幅に低減することがで
きるという効果が得られる。
なお、以上の各実施例では、電動車両100が、シリーズハイブリッド電気自動車であ
ることを前提といて説明したが、本発明としては、図1(a)、(c)、(d)にそれぞれ例
示されるようなパラレルハイブリッド電気自動車、純電気自動車、燃料電池電気自動車に
対しても、同様に適用することができる。
図1(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、パラレルハイブリッド電気自動車、シリーズハイブリッド電気自動車、純電気自動車、燃料電池電気自動車の構成例を概略的に示した図である。 図2(a)、(b)、(c)はそれぞれ、車体の床下に配置されたディファレンシャルギヤのケースと電動モータの大きさを対比して説明する図である。 図3は、実施例の電動車両の構成図である。 図4は、2つの電動モータを内蔵した筐体の構造を示した平面図である。 図5は、2つの電動モータを内蔵した筐体の構造を示した斜視図である。 図6は、2つの電動モータを内蔵した筐体の構造を示した斜視図である。 図7は、実施例の電動車両の駆動制御装置の構成図である。 図8は、等馬力となる特性のカーブを示したトルク線図である。 図9は、非電動車両を制御モデルとして示した図である。 図10は、制御の処理手順を説明するフローチャートである。 図11は、2つの電動モータを回転数制御する場合の構成例を示した図である。 図12は、2つの電動モータの特性を示したグラフである。 図13は、2つの電動モータをトルク制御する場合の構成例を示した図である。 図14(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、各駆動輪がそれぞれ、2つの電動モータによって駆動される構成の電動車両を例示した図である。
符号の説明
1、2、3、4 駆動輪、100 電動車両、102G ディファレンシャルギヤ、 1
0 エンジン、 61、62、63 電動モータ、32 制御装置

Claims (4)

  1. 電動モータの作動に応じて全ての車輪が駆動輪として駆動される電動車両
    の駆動装置において、
    前駆動輪用の電動モータと、
    左後駆動輪用の電動モータと、
    右後駆動輪用の電動モータと、
    前駆動輪用電動モータと、前駆動輪との間に介在され、前駆動輪用電動モータから駆動
    力を前駆動輪に伝達するディファレンシャルギヤと
    が設けられ、
    左後駆動輪用電動モータの出力容量と右後駆動輪用電動モータの出力容量とを合計した
    出力容量が、前駆動輪用電動モータの出力容量以上になるように、各電動モータの出力容
    量が定められていること
    を特徴とする電動車両の駆動装置。
  2. 前駆動輪用電動モータと、左後駆動輪用電動モータと、右後駆動輪用電動
    モータは、同一あるいは略同一の出力容量になるように、各電動モータの出力容量が定め
    られていること
    を特徴とする請求項1記載の電動車両の駆動装置。
  3. 前駆動輪用電動モータと、左後駆動輪用電動モータと、右後駆動輪用電動
    モータの少なくともいずれか1つは、複数の電動モータで構成され、
    複数の電動モータの最低地上高が、出力容量が同じ単一の電動モータを配置した場合の
    最低地上高よりも大きくなるように、複数の電動モータが配置されていること
    特徴とする請求項1記載の電動車両の駆動装置。
  4. 電動モータの作動に応じて全ての車輪が駆動輪として駆動される電動車両
    の駆動装置において、
    各駆動輪がそれぞれ、複数の電動モータによって駆動されるように構成し、
    複数の電動モータの最低地上高が、出力容量が同じ単一の電動モータを配置した場合の
    最低地上高よりも大きくなるように、複数の電動モータが配置されていること
    を特徴とする電動車両の駆動装置。
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