JP2021195937A - 給水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】停止時に吐出圧力を上昇させるとともに、吐出圧力の上昇開始から停止までの時間を増加できる給水装置の提供。【解決手段】給水装置1は、モータ31の回転を制御するインバータ51と、ポンプ停止流量Q0、並びに、定格流量Q1、定格圧力P1、末端圧設定流量Q2及び末端圧力P2を記憶する記憶部53と、インバータ51によるモータ31の回転速度の制御で、流量に応じて目標圧力を変化させる推定末端圧一定制御を行う制御部54とを備え、制御部54は、定格圧力P1に対する配管抵抗比率である係数k、末端圧力P2=(1−k)・P1として、推定末端圧一定制御による流量Qが末端圧設定流量Q2から定格流量Q1までの目標圧力PAを、PA=P1−k・P1・(1−((Q−Q2)/(Q1−Q2))2)、流量Qが末端圧設定流量Q2からポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBを、PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)とする。【選択図】図1
Description
本発明は、推定末端圧力一定制御を行う給水装置に関する。
集合住宅等の建造物に給水を行う給水装置として、圧力検出器によりポンプ装置の吐出圧力を検出し、検出した圧力に基づいて、インバータを内蔵した制御盤によってポンプ装置の駆動を制御するものが知られている。
このような給水装置として、省エネ運転を目的とし、ポンプ装置の吐出量が定格流量であるときの設定圧力と停止流量であるときの推定末端圧力との間で、流量に比例する配管損失を加味した目標圧力を定め、圧力検出器により検出される圧力が目標圧力となるようインバータを制御する、所謂推定末端圧力一定制御を行うものも知られている。
例えば、図3に示す揚水性能のポンプを有する従来のインバータの出力周波数に比例した推定末端圧一定制御を行う給水装置は、最高周波数fmaxが予め定められており、最初の試運転時に、小水量停止した時点で検出された出力周波数を最低周波数fminとし、出力周波数が最低周波数fminになる運転点で最低値である末端圧力となり、出力周波数が最高周波数fmaxになる運転点で最高値である設定圧力となる。
また、例えば、特許文献1には、ポンプの吐出し側の圧力を所定の末端圧力の目標圧力としてモータの速度を可変制御する給水装置が開示されている。特許文献1の給水装置は、吐出管の水量が所定の過小水量に達したことを検出する過小水量検出手段と、推定末端圧力を逐次演算するパラメータとしての上限圧力PAと下限圧力PBとを外部から任意に設定する圧力設定手段と、上限圧力PA及び下限圧力PBに基づいてポンプの停止圧力を演算するとともに、停止圧力に基づいてポンプの始動圧力を演算する圧力演算手段とを備える。そして、該給水装置の制御手段は、過小水量に達した段階で、過小水量検出手段から検出信号を受信し、ポンプの吐出圧力を目標圧力から停止圧力に一時的に置き換えてから、所定時間後に、モータを停止させる。
また、例えば、特許文献2には、吐出管の水量が所定の過小水量に達したことを検出する過小水量検出手段と、過小水量時の停止圧力を所定の推定末端圧力の上限圧力及び下限圧力とを別個に外部から設定する圧力設定手段と、停止圧力に基づいてポンプの始動圧力演算する圧力演算手段と、を備える給水装置が開示されている。そして、該給水装置の制御手段は、過小水量検出手段の出力信号に応答し、ポンプの吐出圧力を停止圧力になるようにモータの回転速度を制御し、所定時間後にモータを停止させる。
また、例えば、特許文献3には、吐出管の水量が所定の過小水量に達したことを検出する過小水量検出手段と、過小水量検出手段の出力信号に応答し、過小水量時のモータ回転速度に基づく増速回転数を演算し、モータを増速回転数に上昇させてから所定時間経過後にモータを停止させる給水装置が開示されている。
しかしながら、上述した給水装置では、小水量停止動作の直前に、吐出圧力の上昇を伴う。このように、停止直前の短時間に吐出圧力が上昇すると、建造物の住民の使用感が快適でない虞がある。
そこで本発明は、停止直前に吐出圧力を急激に上昇させることなく、停止圧力を高くして、停止動作から再始動までの時間を増加できる給水装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、給水装置は、モータ及びポンプを含む単数又は複数のポンプ装置と、前記ポンプの二次側に接続された連結管内の圧力を検出する圧力検出器と、前記ポンプの二次側に設けられ、流量に比例した信号を出力する流量センサと、前記モータの回転速度を制御するインバータと、定格流量Q1、前記定格流量Q1時の定格圧力P1、末端圧設定流量Q2、及び、前記定格圧力P1以下となる末端圧力P2を設定可能な設定手段と、一定値である前記ポンプの停止流量Q0、並びに、前記設定手段で設定された前記定格流量Q1、前記定格圧力P1、前記末端圧設定流量Q2及び前記末端圧力P2を記憶する記憶部と、前記インバータを制御し、前記モータの回転速度を制御することで、流量変化に応じて目標圧力を変化させる推定末端圧一定制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記定格圧力P1に対する配管抵抗比率である係数k、前記末端圧力P2=(1−k)・P1としたときに、前記推定末端圧一定制御による流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記定格流量Q1までの目標圧力PAを、
PA=P1−k・P1・(1−((Q−Q2)/(Q1−Q2))2)
前記流量Qが前記定格流量Q1のときの目標圧力PAを、
PA=P1
前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PAを、
PA=P1―k・P1=P2
とするとともに、前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記停止流量Q0までの目標圧力PBを、
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)
前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PBを、
PB=P1―k・P1=P2
前記流量Qが前記停止流量Q0であるときの目標圧力を、
PB=P1
とする。
PA=P1−k・P1・(1−((Q−Q2)/(Q1−Q2))2)
前記流量Qが前記定格流量Q1のときの目標圧力PAを、
PA=P1
前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PAを、
PA=P1―k・P1=P2
とするとともに、前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記停止流量Q0までの目標圧力PBを、
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)
前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PBを、
PB=P1―k・P1=P2
前記流量Qが前記停止流量Q0であるときの目標圧力を、
PB=P1
とする。
本発明の一態様によれば、給水装置は、モータ及びポンプを含む単数又は複数のポンプ装置と、前記ポンプの二次側に接続された連結管内の圧力を検出する圧力検出器と、前記ポンプの二次側に設けられ、ポンプ停止流量Q0から末端圧設定流量Q2までの狭い範囲で、流量に比例した信号を出力する流量センサと、前記モータの回転速度を制御するインバータと、定格流量Q1時の定格圧力P1、及び、前記定格圧力P1以下となる前記末端圧設定流量Q2時の末端圧力P2を設定可能な設定手段と、一定値であるポンプ停止流量Q0、並びに、前記設定手段で設定された前記定格圧力P1及び前記末端圧力P2を記憶する記憶部と、前記インバータを制御するとともに、前記インバータの出力周波数の変化に応じて目標圧力を変化させる推定末端圧一定制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記定格圧力P1に対する配管抵抗比率である係数k、前記末端圧力P2=(1−k)・P1とし、前記定格流量Q1時の出力周波数を最高周波数fmaxとし、前記末端圧設定流量Q2まで減少したときの出力周波数を最低周波数fminとしたときに、前記推定末端圧一定制御による流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記定格流量Q1までの目標圧力PAを、
PA=P1−k・P1・(1−((f−fmin)/(fmax−fmin))2)
とするとともに、前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBを、
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)
とする。
PA=P1−k・P1・(1−((f−fmin)/(fmax−fmin))2)
とするとともに、前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBを、
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)
とする。
本発明によれば、停止直前に吐出圧力を急激に上昇させることなく、停止圧力を高くして、停止動作から再始動までの時間を増加できる給水装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る給水装置1を、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、給水装置1の構成を示す正面図であり、図2は、給水装置1の構成を一部断面で示す側面図である。図3は、給水装置1及び従来の給水装置の推定末端圧力一定制御による全揚程と流量の関係を示すグラフであり、図4は、給水装置1及び従来の給水装置の停止流量に対する停止時間の例を示す説明図である。
図1及び図2に示すように、給水装置1は、複数のポンプ装置11と、複数のポンプ装置11の二次側にそれぞれ接続される複数の吐出管12と、各吐出管12に設けられる複数の逆止弁13と、各吐出管12に設けられる複数の開閉弁14と、複数の吐出管12を連結する連結管15と、連結管15に設けられる接続管16と、接続管16に設けられる蓄圧装置17と、複数のポンプ装置11に接続される逃がし管18と、各ポンプ装置11の流量を検出する複数の流量検出器19と、連結管15内の圧力を検出する圧力検出器20と、各ポンプ装置11の動作を制御する制御盤21と、を備える。給水装置1は、ポンプ装置11により水源の水を圧送し、吐出管12及び連結管15を介して給水先に給水する。
図1及び図2に示すように、ポンプ装置11は、モータ31と、ポンプ32と、を備える。ポンプ装置11は、一次側が水源に接続される。ここで、水源は、例えば受水槽である。また、給水先は、例えば、建造物に設置された蛇口やシャワーヘッド等の末端器具である。ポンプ装置11は、例えば、回転軸が重力方向に沿って延設され、モータ31がポンプ32の上部に配置された、所謂縦型多段タービンポンプである。ポンプ装置11は、例えば3台設けられる。
モータ31は、回転軸を介してポンプ32と接続される。モータ31は、制御盤21に電気的に接続される。
ポンプ32は、モータ31により駆動される。ポンプ32は、例えば、下端側に吸込口32a及び吐出口32bを有する。ポンプ32は、吸込口32aが受水槽に接続され、吐出口32bが吐出管12に接続される。ポンプ32は、例えば、吸込口32aの口径と吐出口32bの口径とが同等に形成される。
図2に示すように、吐出管12は、一端が各ポンプ32の吐出口32bに、他端が連結管15に、それぞれ接続される。吐出管12は、例えば、吐出口32bに連結される一端側が水平方向に沿って延設され、中途部が重力方向に沿う上方に曲折することで他端側にかけて重力方向に沿って延設される。
図2に示すように、逆止弁13は、ポンプ32の二次側であって、且つ、連結管15の一次側に、例えば、各吐出管12にそれぞれ設けられる。逆止弁13は、吐出管12内でポンプ32へ向かう水の逆流を防止する。
図2に示すように、開閉弁14は、ポンプ32の二次側であって、且つ、連結管15の一次側に、例えば、各吐出管12にそれぞれ設けられる。開閉弁14は、例えば、吐出管12と連結管15との接続部に隣接する位置に設けられる。開閉弁14は、吐出管12から連結管15に連続する流路を開放又は閉塞する。
図1及び図2に示すように、連結管15は、複数の吐出管12の他端を連結する。また、連結管15は、連結された複数の吐出管12の二次側に2つの開口端を有し、一端に閉止フランジが接続され、他端に給水先に連通する配管が接続される。連結管15は、各吐出管12を通過した水を合流させ、接続された配管に連通する二次側への流路を形成する。
図1及び図2に示すように、接続管16は、連結管15に設けられ、吐出管12が連結される位置よりも二次側に配置される。また、接続管16は、複数の蓄圧装置17が設けられる。接続管16は、複数の蓄圧装置17と連結管15とを流体的に連続する。
図1及び図2に示すように、蓄圧装置17は、接続管16に複数設けられる。本実施形態では、蓄圧装置17は、2台設けられる。蓄圧装置17は、接続管16を介して、連結管15と流体的に連続する。蓄圧装置17は、アキュムレータである。
図1及び図2に示すように、逃がし管18は、複数のポンプ32の二次側を受水槽に流体的に接続する。逃がし管18は、ポンプ32内で増圧された水の一部を受水槽に逃がし、各ポンプ32内の温度上昇を防止する。
図2に示すように、流量検出器19は、各吐出管12に設けられる。流量検出器19は、例えば、ポンプ32の二次側であって、且つ、吐出管12に設けられた逆止弁13の一次側に設けられる。即ち、流量検出器19は、各ポンプ32の流量を検出可能に構成される。流量検出器19は、流量に対応した信号を出力する流量計である。流量検出器19は、信号を制御盤21に送信する。流量検出器19は、例えば、回転軸41と、羽根車42と、羽根車42の回転を検出する検出部43と、を備える羽根車式流量計である。
回転軸41は、軸方向が水の流れ方向に対して直交する向きに、吐出管12内に配置される。
羽根車42は、例えば、回転軸41に固定される。羽根車42は、吐出管12内を通過する水流を受けることで回転軸41を回転させる。
検出部43は、例えば、回転軸41に設けられた磁石と、磁石の回転を検出するセンサと、当該センサと電気的に接続される検出基板と、を備える。具体例として、センサは、磁気検出素子である交番検知タイプのホールICである。検出部43は、回転軸41の回転に伴う磁石の回転をパルス信号に変換する。検出部43は、信号線等を介して制御盤21に電気的に接続される。検出部43は、パルス信号を制御盤21に送信する。
図1に示すように、圧力検出器20は、連結管15に設けられる。圧力検出器20は、連結管15内の圧力を検出可能に構成される。換言すると、圧力検出器20は、複数のポンプ装置11の二次側の圧力を検出可能に構成される。圧力検出器20は、信号線等を介して制御盤21に電気的に接続され、吐出し圧力に比例したアナログ信号を制御盤21に出力する。
図1に示すように、制御盤21は、インバータ51と、入力部52と、記憶部53と、制御部54と、を備える。
インバータ51は、信号線を介してモータ31及び制御部54に電気的に接続される。インバータ51は、例えば、モータ31と同数設けられる。本実施形態では、インバータ51は、3台設けられる。インバータ51は、出力周波数が可変することで、モータ31の回転数を可変させる。
入力部52は、指令や給水装置1の制御用の設定値を入力し、設定可能な設定手段であり、典型的には、テンキー、操作釦、キーボード等のである。なお、入力部52は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末と無線又は有線によって通信することで指令や設定値を入力可能なコネクタや無線用アンテナ等の通信手段を含んでいても良い。
入力部52は、定格流量Q1、定格圧力P1、末端圧設定流量Q2、末端圧力P2を入力可能に構成される。入力部52により入力された各値は、記憶部53に記憶される。
定格流量Q1は、ポンプ装置11を最高運転周波数で運転し、且つ、ポンプ装置11の吐出圧力が設定圧力であるときのポンプ装置11の吐出量である。定格圧力P1は、定格流量Q1時の圧力である。末端圧設定流量Q2は、定格流量Q1の5%乃至20%の範囲に設定される。例えば、末端圧設定流量Q2を、定格流量Q1の10%とすると、高圧側圧力120mで、定格流量Q1は0.9m3/min、末端圧設定流量Q2は0.09m3/minとなる。なお、末端圧力P2は、定格圧力P1以下である。
記憶部53は、例えばプログラムメモリ、RAM及び/又はROMを含む。記憶部53は、例えば、制御に必要な情報として、各種プログラム、算出式、データテーブル、基準値、閾値等が記憶されている。
記憶部53は、停止流量Q0と、定格流量Q1、定格圧力P1、末端圧設定流量Q2、末端圧力P2と、係数kと、を記憶する。記憶部53は、入力部52で入力された各設定値を新たな設定値として記憶し、設定する。
停止流量Q0は、一定値であり、ポンプ装置11の運転を停止するポンプ装置11の吐出量である。末端圧力P2は、P2=(1−k)・P1である。係数kは、定格圧力P1に対する配管抵抗比率である。係数kは、0<k<1の範囲で設定される。係数kは、例えば、ポンプ装置11の定格流量Q1時の配管損失が定格圧力P1の10%であるとした場合には、k=0.1に設定される。
また、記憶部53は、ポンプ装置11の圧力・流量関数を記憶する。圧力・流量関数は、1台のポンプ装置11の性能曲線を基に定められ、ポンプ装置11の全揚程と流量との関係を示す関数である。
制御部54は、プロセッサを含む。制御部54は、ポンプ装置11の動作を制御する。具体的には、制御部54は、インバータ51に制御信号を送信し、インバータ51を制御することで、モータ31の回転速度を制御する。
制御部54は、例えば、流量検出器19による流量の検出値として、流量検出器19より受信したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を計測する。制御部54は、計測したパルス数に所定の係数を乗算することで、流量検出器19が設置された箇所を通過する瞬時流量Qを算出する。
また、制御部54は、圧力検出器20による圧力の検出値として、圧力検出器20より受信した信号を圧力値に変換する。
制御部54は、流量検出器19、圧力検出器20による流量及び圧力の各検出値、並びに、記憶部53が記憶する情報に基づいて、推定末端圧力一定制御により各インバータ51の出力周波数を制御する。ここで、推定末端圧一定制御方式は、配管損失が流量の二乗に比例することに対応して、末端圧力と定格圧力を定めて、その差圧に流量の二乗比を乗じて目標圧力Pを演算する。
また、制御部54は、推定末端圧一定制御による流量Qが末端圧設定流量Q2から定格流量Q1までの目標圧力PAを、以下の式(1)から求める。
PA=P1−k・P1・(1−((Q−Q2)/(Q1−Q2))2) (1)
これにより、制御部54は、流量Qが前記末端圧設定流量Q2から定格流量Q1となるまでの間、目標圧力PAに基づいて、推定末端圧一定制御を行う。なお、流量Qが定格流量Q1のときの目標圧力PAを、PA=P1とし、流量Qが末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PAを、PA=P1―k・P1=P2とする。
これにより、制御部54は、流量Qが前記末端圧設定流量Q2から定格流量Q1となるまでの間、目標圧力PAに基づいて、推定末端圧一定制御を行う。なお、流量Qが定格流量Q1のときの目標圧力PAを、PA=P1とし、流量Qが末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PAを、PA=P1―k・P1=P2とする。
また、制御部54は、流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBを、以下の式(2)から求める。なお、目標圧力PBは、ポンプ装置11の停止動作開始から停止までの間の目標圧力である。
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0) (2)
これにより、制御部54は、流量Qが末端圧設定流量Q2から停止流量Q0までの間、目標圧力PBに基づいて、末端圧上昇制御を行う。すなわち、流量Qが末端圧設定流量Q2から前記停止流量Q0までの間は、吐出し圧力を上昇することが目的のため、流量の減少に伴い、吐出し圧力が上昇するよう、式(2)を逆比例の1次式としている。なお、流量Qが末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PBを、PB=P1−k・P1=P2とし、流量Qが停止流量Q0であるときの目標圧力を、PB=P1とする。
これにより、制御部54は、流量Qが末端圧設定流量Q2から停止流量Q0までの間、目標圧力PBに基づいて、末端圧上昇制御を行う。すなわち、流量Qが末端圧設定流量Q2から前記停止流量Q0までの間は、吐出し圧力を上昇することが目的のため、流量の減少に伴い、吐出し圧力が上昇するよう、式(2)を逆比例の1次式としている。なお、流量Qが末端圧設定流量Q2のときの目標圧力PBを、PB=P1−k・P1=P2とし、流量Qが停止流量Q0であるときの目標圧力を、PB=P1とする。
制御部54は、末端圧設定流量Q2から定格流量Q1までの間、上述した式(1)から求めた目標圧力PAによって推定末端圧一定制御を行うとともに、末端圧設定流量からポンプ停止流量Q0までの間、上述した式(2)から求めた目標圧力PBによって、末端圧上昇制御を行う。
なお、給水装置1を用いた、ポンプ一台の揚水性能と推定末端圧一定制御における目標圧力の推移を図3に示す。なお、給水装置1は、例えば、高圧側の定格圧力P1Hと、低圧側定格圧力P1Lが設定される例を、図3に示す。
このように構成された給水装置1によれば、ポンプ装置11の停止時における圧力を増加することにより、ポンプ装置11の停止動作から再始動までの停止時間を増加することができる。
例えば、図4に示すように、目標圧力PBを設定しない従来の推定末端圧一定制御方式の給水装置においては、停止時の吐出圧力(停止圧力)が10.8kg/cm2であり、停止流量が20L/minであるときに、吐出圧力の上昇開始(停止動作開始)から停止までの時間である停止時間が3.2秒であった。これに対し、本実施形態の給水装置1によれば、停止時の吐出圧力(停止圧力)が12.0kg/cm2であり、停止流量が20L/minであるときに、停止時間が11.6秒であった。なお、本実施形態の給水装置1は、停止流量が40L/minのときでも、5.8秒と、停止時間が従来よりも長時間確保できることが明らかである。このため、給水装置1によれば、停止時の吐出圧力を上昇させることにより、停止時間を増加することができる。なお、停止直前に吐出し圧力を、急激に末端圧力P2から定格圧力P1に上昇しないため、給水装置1を設置した建造物において、快適な使用感を与えることができる。
なお、図4中、蓄圧装置17は、20L、ガス圧8kg/cm2のアキュムレータを用いたときの停止時の蓄水量は、従来の給水量は1.07Lであるのに対し、実施形態の給水装置1は、3.88Lとなり、給水装置1は、蓄圧装置17の蓄水量の増加が可能となる。
上述したように、本実施形態に係る給水装置1によれば、停止直前に吐出圧力を急激に上昇させることなく、停止圧力を高くして、ポンプ装置11の停止動作から再始動までの時間を増加することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、給水装置1は、流量検出器19により検出された流量を用いて目標圧力を算出して推定末端圧一定制御を行う例を説明したがこれに限定されない。
例えば、給水装置1は、インバータ51の出力周波数に比例した推定末端圧一定制御を行う方式であってもよい。例えば、インバータ51の速度制御範囲を限定し、ポンプ32の吐出量がポンプ速度に比例する原理を応用して、ポンプ速度から流量を推定可能であるため、このような給水装置1は、定格圧力P1及び末端圧力P2を定めて、その差圧に出力周波数の二乗比を乗じて目標圧力を演算する。そして、制御部54において、最高周波数fmaxを予め定めて記憶部53に記憶し、給水装置1の設置後の最初の試運転時に、流量が末端圧設定流量Q2まで減少した時点の出力周波数を検出し、該出力周波数を最低周波数fminとして記憶部53に記憶する。また、制御部54は、ポンプ装置11の運転毎に、末端圧設定流量Q2になった時点で、最低周波数fminを検出し、記憶部53に記憶することで、最低周波数fminを更新する。
なお、インバータ51の出力周波数が最低周波数fminになる末端圧設定流量Q2で最低値である末端圧力P2となり、インバータ51の出力周波数が最高周波数fmaxになる定格流量Q1時に、最高値である定格圧力P1となる。
また、このような給水装置1は、入力部52により、定格流量Q1時の定格圧力P1と、末端圧設定流量Q2時の末端圧力P2と、を設定し、記憶部53に記憶するとともに、記憶部53に停止流量Q0を記憶する。
そして、制御部54は、推定末端圧一定制御による流量Qが末端圧設定流量Q2から定格流量Q1までの目標圧力PAを、
PA=P1−k・P1・(1−((f−fmin)/(fmax−fmin))2)
から求める。このように、給水装置1は、インバータ51の出力周波数に比例した推定末端圧一定制御を行う方式とすることができる。
なお、末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBは、上述した式(2)から求める。
PA=P1−k・P1・(1−((f−fmin)/(fmax−fmin))2)
から求める。このように、給水装置1は、インバータ51の出力周波数に比例した推定末端圧一定制御を行う方式とすることができる。
なお、末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBは、上述した式(2)から求める。
一方、上記の給水装置1には、停止流量Q0から末端圧設定流量Q2までの狭い範囲で、流量に比例した信号を出力する流量検出器19が必要であり、例えば、従来の給水装置に使用されているパドル式の流量センサであってもよい。このようなパドル式の流量センサとしては、例えば、パドルに内蔵された磁石の磁気を検出する磁気検出素子に、アナログ出力タイプのホールICを使用することで、流量に応じて傾斜するパドルの回転角度を検出して、流量に反比例した電圧を出力可能となる。
このように、給水装置1は、末端圧設定流量からポンプ停止流量Q0までの間、上述した式(2)から求めた目標圧力PBによって、末端圧上昇制御を行う。
このように、給水装置1は、末端圧設定流量からポンプ停止流量Q0までの間、上述した式(2)から求めた目標圧力PBによって、末端圧上昇制御を行う。
また、上述した例では、制御部54の機能を説明したが、制御部54の機能は上述した内容に限定されない。例えば、制御部54は、定格流量Q1の5%乃至20%の範囲に設定された末端圧設定流量Q2から、新しい定格圧力P1Nが入力部52により入力されたときに、新しい定格圧力P1Nに対応した設定流量Q1Nを設定し、定格流量Q1の5%乃至20%の範囲に設定された末端圧設定流量Q2から、同じ比率の新たな末端圧設定流量Q2Nを記憶部53に記憶する機能を有していてもよい。
このような制御部54の具体例を、末端圧設定流量Q2を定格流量Q1の10%とした例を用いて説明する。給水装置1の設置現場において、高圧側定格圧力P1Hと低圧側圧力P1Lの定格圧力範囲内にある新しい定格圧力P1Nが入力部52から入力されると、制御部54は、新しい定格圧力P1Nに対応した設定流量Q1Nを、記憶部53に記憶された揚水性能より演算する。そして、制御部54は、記憶部53に記憶する。そして、制御部54は、末端圧設定流量Q2が定格流量Q1の10%である情報から、新たな末端圧設定流量Q2Nを演算し、そして、新たな末端圧設定流量Q2Nを記憶部53に記憶する。なお、制御部54は、他の機能を有していてもよいことは勿論である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…給水装置、11…ポンプ装置、12…吐出管、13…逆止弁、14…開閉弁、15…連結管、16…接続管、17…蓄圧装置、18…逃がし管、19…流量検出器、20…圧力検出器、21…制御盤、31…モータ、32…ポンプ、32a…吸込口、32b…吐出口、41…回転軸、42…羽根車、43…検出部、51…インバータ、52…入力部、53…記憶部、54…制御部。
Claims (3)
- モータ及びポンプを含む単数又は複数のポンプ装置と、
前記ポンプの二次側に接続された連結管内の圧力を検出する圧力検出器と、
前記ポンプの二次側に設けられ、流量に比例した信号を出力する流量センサと、
前記モータの回転速度を制御するインバータと、
定格流量Q1、前記定格流量Q1時の定格圧力P1、末端圧設定流量Q2、及び、前記定格圧力P1以下となる末端圧力P2を設定可能な設定手段と、
一定値であるポンプ停止流量Q0、並びに、前記設定手段で設定された前記定格流量Q1、前記定格圧力P1、前記末端圧設定流量Q2及び前記末端圧力P2を記憶する記憶部と、
前記インバータを制御し、前記モータの回転速度を制御することで、流量変化に応じて目標圧力を変化させる推定末端圧一定制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記定格圧力P1に対する配管抵抗比率である係数k、前記末端圧力P2=(1−k)・P1としたときに、前記推定末端圧一定制御による流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記定格流量Q1までの目標圧力PAを、
PA=P1−k・P1・(1−((Q−Q2)/(Q1−Q2))2)
とするとともに、
前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBを、
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)
とする、給水装置。 - モータ及びポンプを含む単数又は複数のポンプ装置と、
前記ポンプの二次側に接続された連結管内の圧力を検出する圧力検出器と、
前記ポンプの二次側に設けられ、ポンプ停止流量Q0から末端圧設定流量Q2までの範囲で、流量に比例した信号を出力する流量センサと、
前記モータの回転速度を制御するインバータと、
定格流量Q1時の定格圧力P1、及び、前記定格圧力P1以下となる前記末端圧設定流量Q2時の末端圧力P2を設定可能な設定手段と、
一定値であるポンプ停止流量Q0、並びに、前記設定手段で設定された前記定格圧力P1及び前記末端圧力P2を記憶する記憶部と、
前記インバータを制御するとともに、前記インバータの出力周波数の変化に応じて目標圧力を変化させる推定末端圧一定制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記定格圧力P1に対する配管抵抗比率である係数k、前記末端圧力P2=(1−k)・P1とし、前記定格流量Q1時の出力周波数を最高周波数fmaxとし、前記末端圧設定流量Q2まで減少したときの出力周波数を最低周波数fminとしたときに、前記推定末端圧一定制御による流量Qが前記末端圧設定流量Q2から定格流量Q1までの目標圧力PAを、
PA=P1−k・P1・(1−((f−fmin)/(fmax−fmin))2)
とするとともに、
前記流量Qが前記末端圧設定流量Q2から前記ポンプ停止流量Q0までの目標圧力PBを、
PB=P1−k・P1・(Q−Q0)/(Q2−Q0)
とする、給水装置。 - 前記末端圧設定流量Q2は、前記定格流量Q1の5%乃至20%の範囲に設定される、請求項1又は請求項2に記載の給水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020105192A JP2021195937A (ja) | 2020-06-18 | 2020-06-18 | 給水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020105192A JP2021195937A (ja) | 2020-06-18 | 2020-06-18 | 給水装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2021195937A true JP2021195937A (ja) | 2021-12-27 |
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Family Applications (1)
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JP2020105192A Pending JP2021195937A (ja) | 2020-06-18 | 2020-06-18 | 給水装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021195937A (ja) |
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2020
- 2020-06-18 JP JP2020105192A patent/JP2021195937A/ja active Pending
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