JP2021194688A - 圧延板の搬送方法及びゼロピンチロール装置 - Google Patents

圧延板の搬送方法及びゼロピンチロール装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄鋼板熱間圧延設備のゼロピンチロール装置において、圧延板が蛇行することを抑制すること。【解決手段】仕上圧延機200、ランアウトテーブル300、ゼロピンチロールおよび捲取機400を有する薄鋼板熱間圧延設備において、ゼロピンチロール1a,1bと圧延板2の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板2の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態でゼロピンチロール1a,1bにより圧延板2を挟持させ、ゼロピンチロール1a,1bが圧延板2を挟持している間は、ゼロピンチロール1a,1bの駆動装置によりゼロピンチロール1a,1bに常時制動トルクを与える。【選択図】図1

Description

本開示は、圧延板の搬送方法及びゼロピンチロール装置に関する。
板材の製造ラインにおいては、板材の面外変形を防止しながら板材を円滑に搬送すべく、上下一対のピンチロールで板材を挟圧し、板材に張力を付与しつつ搬送する装置が用いられる(例えば特許文献1、2および3参照)。特に、仕上圧延機、ランアウトテーブルおよび捲取機を有する薄鋼板熱間圧延設備においては、捲取機の前にゼロピンチロールと呼ばれるピンチロール装置を配備して、主として圧延板の尾端部が仕上圧延機を抜けた後、ゼロピンチロールと捲取機間で圧延板に張力を付与して、巻き形状を改善する操業が行われる。
特開平8−108208号公報 特開2020−19633号公報 特開2019−147158号公報
上述したような薄鋼板熱間圧延設備のゼロピンチロール装置においては、圧延板の搬送時において、圧延板の板幅中心位置が搬送ラインの中心からずれる(蛇行する)場合がある。最悪の場合、圧延板の蛇行によって圧延板の尾端部がサイドガイドに強く押し付けられて折れ込み、圧延板が損傷する事象が発生し得る。
この問題に対し、特許文献2において、ピンチロール装置の圧下位置の作業側と駆動側の差異、すなわち圧下レベリングを操作して圧延板の蛇行を制御する方法が開示されている。この方法では、圧延板の蛇行のメカニズムを解明し、ピンチロールが圧延板に搬送方向に向かう駆動力を与えている場合は、圧延板とピンチロール間に作用する荷重の板幅方向分布に関して、板幅中心位置現在値を基準として板幅中心位置目標値側の荷重を他方に比べて相対的に大きくする方向にピンチロールの作業側および駆動側の圧下装置を操作、逆に、ピンチロールが圧延板に搬送方向に向かう駆動力を与えていない場合は、圧延板とピンチロール間に作用する荷重の板幅方向分布に関して、板幅中心位置現在値を基準として板幅中心位置目標値側の荷重を他方に比べて相対的に小さくする方向にピンチロールの作業側および駆動側の圧下装置を操作する制御方法を開示している。
しかしながら、本開示で対象としている薄鋼板熱間圧延設備のゼロピンチロール装置では、圧延板が仕上圧延機と捲取機の双方に存在する状態で、ゼロピンチロールを圧下して圧延板に接触させた直後は、仕上圧延機側の圧延板に相対的に大きな張力を作用させるためピンチロールが圧延板に駆動力を与え、その後、圧延板尾端部が仕上圧延機を抜ける直前にはゼロピンチロールと捲取機との間に十分な張力を作用させるため、ピンチロールは圧延板に制動力を与える。したがって、特許文献2に開示された圧下レベリング操作による制御を実施する場合、ゼロピンチロール装置が駆動状態から制動状態に移行する際に圧下レベリング制御の極性反転を実施しなければならないため、非常に高応答な圧下装置が必要になる上、極性移行部において圧延板の蛇行挙動が不安定になることが問題であった。
また、ゼロピンチロール装置のピンチロール胴部の半径の軸方向分布すなわちロールプロフィルを凸形プロフィルにするか凹形プロフィルにするかの選択においても、ピンチロールが圧延板に駆動力を与えている場合と制動力を与えている場合とで、圧延板の蛇行特性および捲取形状に与える影響に一長一短があり、最適なロールプロフィル選定が困難であるという課題があった。
本開示は上記実情に鑑みてなされたものであり、ゼロピンチロール装置を用いた圧延板の搬送において、圧延板の板幅中心位置を板幅中心目標位置に良好に制御することを目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点を解決する方法を鋭意研究した結果、板幅中心位置を目標値に常に良好に制御しながら搬送し、良好な製品コイル巻き形状を実現する薄鋼板熱間圧延設備のゼロピンチロール装置の制御方法を見い出すに至った。
本開示の一態様に係る圧延板の搬送方法は、仕上圧延機、ランアウトテーブル、ゼロピンチロールおよび捲取機を有する薄鋼板熱間圧延設備において、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態でゼロピンチロールにより圧延板を挟持させ、ゼロピンチロールが圧延板を挟持している間は、ゼロピンチロールの駆動装置によりゼロピンチロールに常時制動トルクを与えるよう構成されている。
また本開示の一態様に係る圧延板の搬送方法は、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態でゼロピンチロールにより圧延板を挟持するため、ゼロピンチロールとして、凹クラウンが付与されたロールを用いるよう構成されている。
また本開示の一態様に係る圧延板の搬送方法は、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で操業するため、ピンチロールにロールベンディング力を付与するよう構成されている。
また本開示の一態様に係るゼロピンチロール装置は、ランアウトテーブルと捲取機との間に設けられたゼロピンチロールと、ゼロピンチロールに圧延板を挟持させる圧下装置と、ゼロピンチロールが圧延板を挟持している間はゼロピンチロールに常時制動トルクを与える駆動装置と、を備え、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態でゼロピンチロールにより圧延板を挟持するため、ゼロピンチロールに凹クラウンが付与されている。
また本開示の一態様に係るゼロピンチロール装置は、ランアウトテーブルと捲取機との間に設けられたゼロピンチロールと、ゼロピンチロールに圧延板を挟持させる圧下装置と、ゼロピンチロールが圧延板を挟持している間はゼロピンチロールに常時制動トルクを与える駆動装置と、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態でゼロピンチロールにより圧延板を挟持するため、ゼロピンチロールにロールベンディング力を付与するロールベンディング装置と、を備える。
本開示によれば、薄鋼板熱間圧延設備のゼロピンチロール装置を用いた圧延板の搬送において、圧延板の板幅中心位置を目標値に常に良好に制御でき、製品コイルの良好な巻き形状を実現することができる。
本開示に係るゼロピンチロール装置制御方法の張力付加シーケンスを模式的に示す図である。 本開示に係るゼロピンチロール装置の一般的構成を示す図である。 本開示に係るゼロピンチロール装置制御方法で凹クラウンロールを採用した場合の荷重分布、ロールギャップ形状およびその効果を示す図である。 本開示に係るゼロピンチロール装置制御方法でロールベンディング装置を採用した場合の荷重分布、ロールギャップ形状およびその効果を示す図である。 従来技術に係るゼロピンチロール装置制御方法の張力付加シーケンスを模式的に示す図である。
以下、実施態様について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素または同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
最初に、図1および図2を参照して、本開示に係るゼロピンチロール装置の概要を説明する。ゼロピンチロール装置100は、仕上圧延機200、ランアウトテーブル300および捲取機400を有する薄鋼板熱間圧延設備において、捲取機前ピンチロール500の上流側に配備され、速度Vで搬送される圧延板2の尾端部が仕上圧延機200を抜けた後、ゼロピンチロール装置100と捲取機400間で圧延板2に積極的に張力を付与して、巻き取り形状を改善するための装置である。図2に示すように、ゼロピンチロール装置100は、圧延板2を挟持する上下一対のピンチロール1a,1bと、上下ピンチロール間隙を調整し圧延板2に所定の荷重を付加するための圧下装置3a,3bを、備えている。またピンチロール1a,1bはスピンドル6a,6b、ピニオンスタンド7を介して電動機5によって駆動される構成となっている。
次に、図5を参照して従来技術におけるゼロピンチロール装置の制御方法について説明する。ゼロピンチロール装置は、ゼロピンチロール装置と捲取機間で圧延板の尾端部に張力を付与して巻き取り形状すなわち製品としてのコイル形状を改善するのが主目的であるので、図5(a)に示すように、少なくとも圧延板先端部が捲取機に巻き付くまでは、ゼロピンチロールのロールギャップは圧延板の板厚より大きい待機ギャップに設定し、上ピンチロールは圧延板と接触しない状態で待機する。この時点において、ゼロピンチロールのロール周速度は、圧延板の速度Vに対してリード率β(>0)を与え(1+β)Vとする。すなわち圧延板の速度より若干速い周速度で回転させておく。
その後、図5(b)に示すように圧延板尾端部が仕上圧延機を抜ける前に、ゼロピンチロールのロールギャップを閉め、圧延板を所定のピンチロール荷重で挟持する。このときゼロピンチロール周速度がリード率を有しているため、ピンチロールが圧延板を挟持した直後から、ピンチロールを通じて圧延板に駆動力が伝達される。その後、ゼロピンチロール駆動装置は予め定められた駆動トルクα・Tを付加するトルク一定制御を実施する。ここでαは1よりかなり小さい値とし、駆動トルクα・Tは相対的に小さな値とする。その結果、仕上圧延機とゼロピンチロール装置間の圧延板の張力は、ゼロピンチロール開放状態のσから(1+α)σと若干増加する。
さらにその後、圧延板尾端部が仕上圧延機を抜ける直前において、ゼロピンチロール駆動装置をトルク−Tの制動トルク制御に切り替える。その結果、図5(c)に示すように、圧延板尾端部が仕上圧延機を抜けた後、ゼロピンチロール装置と捲取機間の圧延板の張力はσとなり、この状態で圧延板尾端まで巻き取りを実施する。
以上のような従来のゼロピンチロール装置の制御方法では、ゼロピンチロールが圧延板に駆動力を与えている状態から制動力を与えている状態に遷移するため、前記したように、例えば特許文献2に開示された圧下レベリング操作による制御を実施する場合、駆動状態の遷移のタイミングで圧下レベリング制御の極性反転を実施しなければならないため、非常に高応答な圧下装置が必要になる上、極性移行部において圧延板の蛇行挙動が不安定になるという問題があった。
これに対し、図1に示す本開示技術の実施態様では、図1(a)に示すように、ロールギャップを開いた待機状態のピンチロール周速は圧延板速度Vに対してラグ率β(>0)を与え圧延板速度より遅い(1−β)Vとする。
この状態から図1(b)に示すようにロールギャップを閉め、圧延板を所定のピンチロール荷重で挟持する。このときゼロピンチロール周速度がラグ率を有しているため、ピンチロールが圧延板を挟持した直後から、ピンチロールを通じて圧延板に制動力が伝達される。そしてゼロピンチロール駆動装置は比較的小さい制動トルク−α・Tを付加するトルク一定制御を実施し、その結果、仕上圧延機とゼロピンチロール間の圧延板の張力は、ゼロピンチロール開放状態のσから(1−α)σと若干減少する。
このとき仕上圧延機からゼロピンチロール装置間の張力が大きく低下すると、ランアウトテーブルにおける通板や冷却に悪影響をおよぼす可能性が出てくるので、従来技術の捲取機前張力σに対して(1−α)σ≒σとなるようにσをσよりもやや大きくしておくことが好ましい。
最後に、圧延板尾端部が仕上圧延機を抜ける直前において、ゼロピンチロール駆動装置をトルク−Tの制動トルク制御に切り替える。その結果、図1(c)に示すように、圧延板尾端部が仕上圧延機を抜けた後、ゼロピンチロール装置と捲取機間の圧延板の張力はσとなり、この状態で圧延板尾端まで巻き取りを実施する。
以上のようにゼロピンチロール装置を制御することによって、ゼロピンチロール装置は常に圧延板に制動力を与えつつ圧延板を搬送することが可能となり、例えば、特許文献2に開示された圧下レベリング操作による制御を実施する場合においても、圧下レベリング制御の極性反転を実施する必要がなくなり、常に安定した圧延板の蛇行制御が可能となる。
以上説明してきたピンチロール装置の張力制御方法に加えて、本開示技術では、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で操業する。なお以下では単位幅あたりの荷重のことを線荷重と呼称して説明する。
上記したような板中央部よりも板端部が高い線荷重分布を実現するためには、ピンチロールが圧延板の板端部をより強く圧下する必要があるため、ピンチロールギャップ形状が板中央から板端に向かって小さくなる図3(a)のような幅方向分布にする必要がある。図3では、ピンチロール1a,1bに凹クラウンを付与することでこのようなロールギャップ形状そして線荷重分布10を実現している。
このような状態で、図3(b)に示すように、例えば、圧延板2が作業側に蛇行したとすると、圧延板2はロールギャップの小さい作業側においてより強く押圧されるので線荷重分布11は作業側が駆動側に比べて高くなる。そしてこの線荷重分布11に伴って、ピンチロールから圧延板2に付加されている制動トルクによってピンチロールから圧延板2に作用する水平方向力の幅方向分布12も同様に作業側が駆動側に比べて大きくなる。図3(c)の平面図に示すように、このように左右非対称な水平方向力の幅方向分布12は圧延板2に対してモーメント13を与えることになり、圧延板2はその上流側が駆動側に寄るように僅かに傾く。この状態でピンチロールが回転すると圧延板2の傾きによって圧延板2は次第に駆動側に戻って行く。すなわち圧延板2の板端部を強く圧下するロールギャップ形状にすることによって、圧延板2は蛇行に関して自己復元性を有することになり安定した通板が実現できる。
図4には、圧延板の板端両端部の線荷重の平均値を板中央部の線荷重より高い状態にするため、例えば特許文献3に開示されているようなロールベンディング装置を利用する実施態様を示す。この場合は、圧延板の板端部を強く圧下するため、ロールベンディング装置15a,15bにより、ロールベンディング力8a,8bを板端部のロールギャップが小さくなる方向に付加する。このようなロールギャップ形状にすることで、図4(b)に示すように、例えば、圧延板2が作業側に蛇行した場合、圧延板2はロールギャップの小さい作業側においてより強く押圧されるので線荷重分布11は作業側が駆動側に比べて高くなる。そしてこの線荷重分布11に伴って、ピンチロールから圧延板2に付加されている制動トルクによってピンチロールから圧延板2に作用する水平方向力の幅方向分布12も同様に作業側が駆動側に比べて大きくなる。図4(c)の平面図に示すように、このように左右非対称な水平方向力の幅方向分布12は圧延板2に対してモーメント13を与えることになり、圧延板2はその上流側が駆動側に寄るように僅かに傾く。この状態でピンチロールが回転すると圧延板2の傾きによって圧延板2は次第に駆動側に戻って行く。すなわちロールベンディング装置を用いて圧延板2の板端部を強く圧下するロールギャップ形状にすることによって、圧延板2は蛇行に関して自己復元性を有することになり安定した通板が実現できる。
次に、ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する線荷重分布を推定し、好ましいロールプロフィルあるいはロールベンディング力を計算する方法について説明する。
ピンチロールと圧延板の間に作用する線荷重分布は、ピンチロールの弾性変形と圧延板の弾性変形を計算し、変形後の両者のプロフィルの適合条件から計算する。
まず上下ピンチロールのたわみ変位u,uは材料力学における梁のたわみ理論によって、一般的に次式のように表現される。
Figure 2021194688

Figure 2021194688

ここで、xはゼロピンチロール胴部中心を原点とする幅方向座標であり式(1)、(2)はピンチロールが圧延板から離れる方向のたわみ変位を正としてxの関数として表現している。また、たわみ変位の原点は、例えば、図4ではピンチロール荷重4a,4bが作用するピンチロールチョック位置として定義する。なお以下ではピンチロール荷重4a,4bの作用点位置をロール支点、作業側のロール支点と駆動側のロール支点の間隔をロール支点間距離と称する。Fはロールベンディング力であり、p(ξ)はピンチロールと圧延板の間に作用する線荷重の板幅方向分布で、板幅をbとするときその定義域は−b/2≦ξ≦b/2である。なおξはxと同じ座標軸上の変数である。u,uの計算式は梁理論によるが、計算に必要となる情報は、断面積および断面二次モーメントを計算するためのピンチロール直径、ロールの弾性定数、ロール支点間距離等である。なお式(1)、(2)の意味するところは、ピンチロールのたわみu,uはxの関数であると同時に、ロールベンディング力Fおよび−b/2≦ξ≦b/2にわたる線荷重分布p(ξ)全体に依存することを示している。
次に上下ピンチロールギャップと圧延板との適合条件は、ロール偏平変形および圧延板の圧縮変形をばねモデル化してばね定数の逆数すなわちコンプライアンスKで表現し、上下ピンチロールプロフィルをそれぞれC(x),C(x)、圧延板の板厚分布をh(x)、図2に示したゼロピンチロール圧下装置3a,3bによる上ピンチロールの剛体変位をcx+dとするとき、次式で表現することができる。
Figure 2021194688

なおC(x),C(x)は“(座標xにおけるロール半径)−(基準半径)”で定義している。ここで基準半径としては、ロール軸方向の積分平均半径を用いるのが一般的であるが、必ずしも積分平均半径を用いる必要はなく、線荷重分布の平衡条件は式(3)の剛体変位成分dによって調整される。また式(3)ではp(ξ)[−b/2≦ξ≦b/2]をp(ξ)と省略して表現している。
さて、図3の実施態様のように、板端部の線荷重が板中央の線荷重より高い所望の線荷重分布p(x)を得るためピンチロールに凹クラウンをつける場合の凹クラウンの計算方法について説明する。
凹クラウンの量は、上下ロール共通でピンチロール胴端部半径と胴部中央の半径との差ΔCで表し、ロールプロフィルは、例えば、放物線形状で近似するものとすると、ピンチロール胴長をl、ロールベンディング力はF=0として,式(3)の適合条件式は次式のようになる。
Figure 2021194688
線荷重分布p(x)および板厚分布h(x)は与えられているので式(4)において未知数はΔC,c,dである。そこで圧延板の板端と板中央で式(4)の適合条件式が成立するように、式(4)にx=−b/2,0,b/2を代入して三元連立一次方程式を作成する。これらをΔC,c,dについて解くことで、ΔCすなわちピンチロールに付与すべき凹クラウン量を求めることができる。ただし、このようにして求められる凹クラウン量は圧延板の板幅および板厚分布、さらにはピンチロール荷重によって変化するので、例えば、実操業で対象となる代表的な条件に対して、上記の手続きで凹クラウン量を計算し、すべての条件で板端部の線荷重が板中央の線荷重より高くなるように凹クラウンの上限値を求めて採用する。
次に、図4の実施態様のように、予め決められたピンチロールプロフィル、例えば、フラットロールプロフィルを前提として、板端部の線荷重が板中央の線荷重より高い所望の線荷重分布p(x)を得るためピンチロールに付加すべきロールベンディング力の計算方法について説明する。
特許文献3および図4に示されているように、ここではロールベンディング力8a,8bは、ピンチロール荷重4a,4bを支持するインナーロールチョック9a,9bの外側に位置するアウターロールチョック14a,14bに作用する構成を前提とする。このような構成の場合、ロールベンディング力Fによって、インナーロールチョック〜アウターロールチョック間距離aをモーメントアームとする純粋モーメントaFがピンチロール胴部全体に作用するので、支点間距離をa、ロールのヤング率をE、ピンチロールの断面二次モーメントをIとして、式(1)、(2)は次式のように表現できる。ここでは説明を簡単にするため上下ピンチロールの寸法は全く同じと仮定した。
Figure 2021194688

Figure 2021194688
式(5)、(6)を適用することによって適合条件式(3)は次式のように表現される。
Figure 2021194688
線荷重分布p(x)および板厚分布h(x)は与えられているので式(4)において未知数はF,c,dである。そこで圧延板の板端と板中央で式(7)の適合条件式が成立するように、式(7)にx=−b/2,0,b/2を代入して三元連立一次方程式を作成する。これらをF,c,dについて解くことで、Fすなわちロールベンディング力を求めることができる。
以上説明した好適なピンチロールプロフィルあるいはロールベンディング力の計算方法はもっとも簡単な計算方法の一つである。これらの計算方法ではピンチロールと圧延板の適合条件を板端と板中央の3点のみで考慮していたが、例えば、ピンチロール胴部を幅方向に多くの要素で分割して式(1)、(2)、(3)を離散表現し、マトリクス演算によって板幅方向に多くの点で適合条件を考慮する方法も適用可能であることは言うまでもない。
1a,1b…ピンチロール、2…圧延板、3a,3b…圧下装置,4a,4b…ピンチロール荷重、5…電動機、6a,6b…スピンドル、7…ピニオンスタンド、8a,8b…ロールベンディング力、9a,9b…インナーロールチョック、10…線荷重分布、11…線荷重分布、12…水平方向力の幅方向分布、13…水平方向力によるモーメント、14a,14b…アウターロールチョック、15a,15b…ロールベンディング装置、100…ゼロピンチロール装置、200…仕上圧延機、300…ランアウトテーブル、400…捲取機、500…捲取機前ピンチロール。

Claims (5)

  1. 仕上圧延機、ランアウトテーブル、ゼロピンチロールおよび捲取機を有する薄鋼板熱間圧延設備において、該ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、該圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で該ゼロピンチロールにより圧延板を挟持させ、
    該ゼロピンチロールが圧延板を挟持している間は、該ゼロピンチロールの駆動装置により該ゼロピンチロールに常時制動トルクを与えることを特徴とする圧延板の搬送方法。
  2. 該ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、該圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で該ゼロピンチロールにより該圧延板を挟持するため、該ゼロピンチロールとして、凹クラウンが付与されたロールを用いることを特徴とする請求項1記載の圧延板の搬送方法。
  3. ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、該圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で操業するため、該ピンチロールにロールベンディング力を付与することを特徴とする請求項1記載の圧延板の搬送方法。
  4. ランアウトテーブルと捲取機との間に設けられたゼロピンチロールと、
    該ゼロピンチロールに圧延板を挟持させる圧下装置と、
    該ゼロピンチロールが圧延板を挟持している間は該ゼロピンチロールに常時制動トルクを与える駆動装置と、を備え、
    該ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、該圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で該ゼロピンチロールにより該圧延板を挟持するため、該ゼロピンチロールに凹クラウンが付与されている、ゼロピンチロール装置。
  5. ランアウトテーブルと捲取機との間に設けられたゼロピンチロールと、
    該ゼロピンチロールに圧延板を挟持させる圧下装置と、
    該ゼロピンチロールが圧延板を挟持している間は該ゼロピンチロールに常時制動トルクを与える駆動装置と、
    該ゼロピンチロールと圧延板の間に作用する荷重の幅方向分布について、該圧延板の板端両端部の単位幅あたり荷重の平均値が板中央部の単位幅あたり荷重より高い状態で該ゼロピンチロールにより該圧延板を挟持するため、該ゼロピンチロールにロールベンディング力を付与するロールベンディング装置と、を備える、ゼロピンチロール装置。
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