JP2021193920A - 食品品質保持剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 脱酸素作用及びエタノール蒸散作用に優れ、かつ、アセトアルデヒドの生成量がより低減された食品品質保持剤を提供する。【解決手段】 エタノール蒸気放出体、脱酸素剤、及び特定構造のアルデヒド吸着体を食品品質保持剤として用いる。【化1】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1〜6の整数を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)【選択図】 なし

Description

本発明は、菓子、珍味、麺類などの様々な食品包装に添付する食品品質保持剤に関する。
食品品質保持剤は、紙、プラスチックフィルム等の包装体に収容して保存された食品の日持ちを向上させ、品質を保持するため、前記包装体に添付されるものである。
前記食品品質保持剤としては、これまでに様々な種類が知られており、例えば、鉄粉等の脱酸素剤を食品とともに包装することにより、食品包装体内の酸素を除去して、食品の酸化を防止するとともに、有害微生物やカビなどの発生を抑制する脱酸素型の食品品質保持剤が挙げられる。一方、半生菓子や生麺等の水分が比較的多く含まれる食品においては、食品の乾燥を防ぐ必要があるため、前記脱酸素剤に加えて、エタノール蒸気放出体を食品とともに包装し、食品を乾燥させることなく、有害微生物やカビなどの発生を抑え、食品の風味、風合い、柔軟性などを保持する複合型の食品品質保持剤が用いられている。
しかしながら、前記複合型の食品品質保持剤において上記の効果を同時に得るため、エタノール蒸気放出体と鉄粉系の脱酸素剤を共存させた場合、エタノールが脱酸素剤により酸化されてアセトアルデヒドを発生し、これに伴う臭気が食品の品質を著しく低下させてしまうという問題がある。また、前記アセトアルデヒドは、安全衛生上も好ましくなく、特に中華麺等の麺類においては、褐色に変色するという問題もある。したがって、前記複合型の食品品質保持剤においてアセトアルデヒドの発生を抑制することが求められている。
前記問題の解決策としては、陰イオン交換体であるポリアリルアミンや、エチレン尿素を共存させることにより、アセトアルデヒドを吸着してその臭気の発生を抑止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この提案では、アセトアルデヒド生成量の低減が十分ではない課題があった。
したがって、脱酸素作用及びエタノール蒸散作用に優れ、かつ、アセトアルデヒドの生成量がより低減された食品品質保持剤の開発が強く求められているのが現状である。
特開2013−172683公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、脱酸素作用及びエタノール蒸散作用に優れ、かつ、アセトアルデヒドの生成量がより低減される食品品質保持剤を提供することを目的とする。
本発明者が、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
即ち、本発明は、
[1]少なくともエタノール蒸気放出体、脱酸素剤、及びアルデヒド吸着体を含む食品品質保持剤であって、前記アルデヒド吸着体が下記一般式(1)で表されるO−置換ヒドロキシルアミン誘導体又はその化学的に許容される塩であることを特徴とする食品品質保持剤。
Figure 2021193920
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1〜6の整数を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)
[2]エタノール蒸気放出体が、シリカにエタノール溶液又はエタノール水溶液を担持させたものであることを特徴とする前記[1]に記載の食品品質保持剤。
[3]脱酸素剤が、鉄を含むことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の食品品質保持剤。
以下、本発明について詳細に説明する。
<食品品質保持剤>
本発明の食品品質保持剤は、少なくともエタノール蒸気放出体、脱酸素剤、及びアルデヒド吸着体を含む食品品質保持剤であって、前記アルデヒド吸着体が一般式(1)で表されるO−置換ヒドロキシルアミン誘導体又はその化学的に許容される塩であることを特徴とする。
<エタノール蒸気放出体>
前記エタノール蒸気放出体としては、エタノールを蒸気として放出できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール溶液又はエタノール水溶液を担体に担持させたエタノール担持体、エタノール溶液又はエタノール水溶液に高分子ポリマーを溶解させて粘体、クリーム状、糊状又はゲル状としたエタノールゲルなどが挙げられる。
前記担体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エタノールの吸着量が多い場合においても粒子性状がべとつかない点で、シリカ、ゼオライト、活性炭等の多孔質体が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記担持体は、例えば、前記担体にエタノール溶液又はエタノール水溶液を含浸、吸着又は吸収させて製造される。
前記高分子ポリマーとしては、エタノール溶液又はエタノール水溶液と共にゲルを形成できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水性ポリマーが好ましく、カルボキシル基を含有するポリマー(カルボキシル基含有ポリマー)が特に好ましい。これらのポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基含有ポリマーの分子量としては、前記エタノール溶液又はその水溶液との混合系において、適当な粘度を有する安定なゲルを形成できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記エタノールゲルの粘度としては、特に制限はなく、ゲル安定性、吸収倍率、アルコール蒸散速度などの各種パラメータを勘案して、適宜選択することができる。
本発明の食品品質保持剤におけるエタノール蒸気放出体の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、正味の食品品質保持剤全体を100質量%として、1質量%〜89質量%が好ましく、2質量%〜5質量%がより好ましい。
前記配合量が、1質量%未満であると、エタノール蒸気の発生量が不足して十分な効果が得られにくくなり、89質量%を超えると、食品品質保持剤の混合粉中において鉄粉等の脱酸素剤が偏析しやすくなること、及び食品中のアルコール濃度が高くなりすぎ、食品の風味を大きく変えてしまうことがあるため好ましくない。
前記エタノール蒸気放出体におけるエタノール溶液又はエタノール水溶液の吸着量としては、多孔質体1質量部あたり、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。前記吸着量が、0.1質量部未満であると、エタノールが吸着した多孔質体の粉末が嵩高くなって取り扱いにくくなり、5質量部を超えると、エタノールが染み出しやすくなって粉末の流動性も低下する傾向にあり、好ましくない。
前記エタノール蒸気放出体におけるエタノール水溶液のエタノール濃度としては、10質量%以上が好ましく、15質量%〜99.5質量%がより好ましい。前記エタノール濃度が10質量%未満であると、エタノール蒸気の放出量が不足して十分な効果が得られにくくなり、好ましくない。
<脱酸素剤>
前記脱酸素剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉等の金属粉;糖、糖アルコール、グリセリン、アスコルビン酸等のレダクトンなどが挙げられる。これらは、酸化されることにより、雰囲気中の酸素を吸着及び除去して、脱酸素剤として機能する。これらの中でも、酸素との反応速度が速い点及び酸化促進剤の調節による反応速度制御がしやすい点で、鉄粉が好ましい。
前記鉄粉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、還元鉄粉、電解鉄粉、アトマイズ鉄粉が好ましい。
前記鉄粉の粒度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、250μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、20μm〜150μmがさらに好ましい。前記粒度が、250μmを超えると、比表面積が小さくなり反応性が低下する傾向、又は食品品質保持剤の混合粉中で鉄粉が偏析しやすくなる傾向があり、好ましくない。
前記鉄粉は、純品である必要はなく、種々の夾雑物が存在していてもよい。
前記脱酸素剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、正味の食品品質保持剤全体を100質量%として、10質量%〜89質量%が好ましく、40質量%〜80質量%がより好ましい。前記配合量が、10質量%未満であると、脱酸素能力が低くなる傾向、又は食品品質保持剤の混合粉中で鉄粉が偏析しやすい傾向があり、89質量%を超えると、エタノール蒸気放出体の配合量が少なくなり、十分な効果が得られなくなることがあり、好ましくない。
前記脱酸素剤としては、適宜合成乃至精製してもよいし、市販品を用いてもよく、前記市販品としては、例えば、アトメル純鉄粉等のアトマイズ鉄粉(株式会社神戸製鋼所製)、RDHやRS等の還元鉄粉(パウダーテック株式会社製)などが挙げられる。
<脱酸素促進剤>
脱酸素促進剤は、前記脱酸素剤に作用して、前記脱酸素剤を効果的に酸化させて、雰囲気中の酸素の吸着及び除去機能を促進させるものである。脱酸素促進剤としては臭化ナトリウムが好ましく、これによりアセトアルデヒドの生成量を低減することができる。
前記臭化ナトリウム以外の脱酸素促進剤としては、前記脱酸素剤の酸化を促進できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び遷移金属のハロゲン化物が挙げられる。前記ハロゲン化物の中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、塩化錫、塩化マンガン等の塩化物が好ましく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムがより好ましく、前記臭化ナトリウムと併用することによりアセトアルデヒドの生成量をより低減できる点で、塩化カリウムが特に好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脱酸素促進剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、正味の食品品質保持剤全体を100質量%として、0.1質量%〜15質量%が好ましく、1質量%〜7.5質量%がより好ましい。前記配合量が、0.1質量%未満であると、アセトアルデヒドの生成量を十分抑制できないことがあり、15質量%を超えると、脱酸素反応が逆に阻害されることがあり、好ましくない。
前記脱酸素剤が鉄粉である場合、雰囲気中の酸素と反応するためには、前記脱酸素促進剤とともに水分が必要であり、無水状態では反応しない。しかし、食品中に水分が含まれている場合など、使用雰囲気中に水分があるときには、鉄粉の酸化が十分に進行することから水分を添加する必要はない。一方、油脂類のように、水分を含まず、酸化により変質しやすい食品の保存に際しては、保存雰囲気の脱酸素を速やかに行なう必要があり、前記脱酸素剤又は前記エタノール蒸気放出体に水分を含ませるか、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト等の多孔質体に水分を吸収させたものを添加してもよい。
<アルデヒド吸着体>
前記アルデヒド吸着体は、食品包装体内のエタノールが酸化して発生するアセトアルデヒドを吸着することにより、アセトアルデヒドに伴う臭気発生、変色などを防止して、食品の品質を保持するものである。本発明におけるアルデヒド吸着体は、下記一般式(1)で表されるO−置換ヒドロキシルアミン誘導体又はその化学的に許容される塩である。
Figure 2021193920
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1〜6の整数を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)
これらの中でも、分子量が小さい方が単位重量当たりのアルデヒド捕捉容量の点で好ましく、Rは水素、nは1が最も好ましい。
前記アルデヒド吸着体は、例えば、シリカゲル、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト等の多孔質体に、アルデヒド吸着体を担持させたものを好適に使用でき、食品品質保持剤の混合粉中において、偏析を防ぐことができ、アセトアルデヒドをより効果的に吸着することができる。
前記アルデヒド吸着体の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、正味の食品品質保持剤全体を100質量%として、0.05質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。前記配合量が、0.05質量%未満であると、アセトアルデヒドを吸着しきれないおそれがあり、10質量%を超えると、過剰量となりコスト高や食品品質保持剤の容積が大きくなることを招き、又脱酸素反応を阻害するおそれもあることから、好ましくない。
なお、前記アルデヒド吸着体として、シリカゲル、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト等の多孔質体に、アルデヒド吸着体を担持させたものを使用する場合においても、その配合量は上記範囲内であることが好ましい。
さらに、アルデヒド吸着体のエタノール溶液又はエタノール水溶液に対する配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エタノール溶液又はエタノール水溶液100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。前記配合量が、1質量部未満であると、アセトアルデヒドを吸着しきれなかったり、吸着が遅くなったりするおそれがあり、好ましくない。
本発明の食品品質保持剤の形態としては、エタノール蒸気放出体、脱酸素剤、及びアルデヒド吸着体、必要に応じて脱酸素促進剤を同一の包装体に収容することができる。
本発明において、前記アルデヒド吸着体は、主にエタノール蒸気放出体から蒸散したエタノールが酸化して発生したアセトアルデヒドを吸着することにより、アセトアルデヒドに伴う臭気及び変色を防止し、食品の品質を保持するものである。したがって、前記アルデヒド吸着体は、アセトアルデヒドの発生源の近くに収容することが好ましく、本発明では、前記アルデヒド吸着体を脱酸素剤又は脱酸素促進剤と、同一の包装体に収容する。前記アルデヒド吸着体を脱酸素剤又は脱酸素促進剤と別の包装体に収容すると、アセトアルデヒドを除去する効率が低下するおそれがある。
また、脱酸素剤、(脱酸素促進剤)、及びアルデヒド吸着体を収容する包装体と、エタノール蒸気放出体を収容する包装体とを個別に配置することもできる。
前記食品品質保持剤の食品包装体への添付量としては、食品包装体内の空気量1000mL当たりの脱酸素剤量として、1g〜4gが好ましく、1.5g〜3gがより好ましい。前記添付量が、1g未満であると、食品包装体内の酸素を十分に吸収しきれないことがあり、4gを超えると、コストが高くなり、食品品質保持剤の容積が大きくなることから、好ましくない。
前記食品品質保持剤を用いて25℃で保存した場合における保存開始後24時間の食品包装体内における酸素濃度としては、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。
前記酸素濃度は、例えば、酸素分析計(LC−700F、東レ・エンジニアリング社製)を用いて測定することができる。
また、前記食品品質保持剤を用いて25℃で保存した場合における保存開始後48時間の食品包装体内におけるエタノールガス濃度としては、0.04%以上が好ましく、0.06%以上がより好ましい。
前記エタノールガス濃度は、例えば、ガスクロマトグラフ(GC−9A、株式会社島津製作所製)によって測定することができる。
本発明の食品品質保持剤は、洋菓子、和菓子、中華菓子、パン、ケーキ、餅、麺類、珍味類、惣菜、乾燥果実などの加工食品、又は穀物類等の食品に好ましく使用することができる。
本発明の食品品質保持剤は、エタノール蒸気放出体、脱酸素剤、及び特定構造のアルデヒド吸着体を含むことにより、食品と共存させることで、食品の鮮度や風味、風合いを損なわず、防菌及び防カビ作用と保湿作用とを両立し、かつ、アセトアルデヒドの発生を抑制することができる。さらに、脱酸素剤、(脱酸素促進剤)、及びアルデヒド吸着体を同一の包装体に収容することにより、アセトアルデヒドを効果的に吸着し、アセトアルデヒドの発生に伴う臭気、変色を防止することができる。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、脱酸素作用及びエタノール蒸散作用に優れ、かつ、アセトアルデヒドの生成量がより低減された食品品質保持剤を提供することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用する原材料は、以下のとおりである。
・鉄粉:粒度150μm以下のアトマイズ鉄粉(純鉄粉270M、株式会社神戸製鋼所製)
・94質量%エタノール水溶液:変性剤として食品香料を含む変性エタノール
・シリカゲル:重量平均粒径60μmの多孔質シリカ(東京化成工業製)
・3質量%AOAA添着粉末:上記シリカゲルと3%アミノオキシ酢酸水溶液を質量比1:1で混合後、60℃で24時間乾燥させた粉末
・15質量%ポリアリルアミン添着粉末:上記シリカゲルと15%ポリアリルアミン(ニットーボーメディカル社製PAA−15)水溶液を質量比1:1で混合後、60℃で24時間乾燥させた粉末
・15質量%エチレン尿素添着粉末:上記シリカゲルとエチレン尿素(東京化成工業製)の15質量%水溶液を質量比1:1で混合後、60℃で24時間乾燥させた粉末
・臭化ナトリウム:試薬(東京化成工業製)
・活性炭:0.25mm〜0.5mmの粒状活性炭(ヤシコールS、太平化学産業株式会社製)
・食品品質保持剤用の小袋:有孔ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/紙/有孔ポリエチレンで構成されるフィルム包材を外形40mm×50mmの小袋状になるようにヒートシールにより成形したもの
・食品用包装袋:密封可能な市販の非晶質ナイロン/ポリエチレン袋(空気量500mL)
実施例1
<食品品質保持剤の調製方法>
表1に示す各成分を、最終的に表1の含有量となる割合で、次の通りに混合した。シリカゲル及び3%AOAA添着粉末に対し、水に溶解させた臭化ナトリウム(NaBr)及び94質量%エタノール水溶液を配合して混合した後、鉄粉及び活性炭を配合して混合した。得られた粉末を表1に示す1包質量の通り測り採り、食品品質保持剤用の小袋に充填した後、ヒートシールにより封止して、エタノール蒸気放出及び脱酸素機能を有する食品品質保持剤を得た。なお、前記シリカゲルに前記エタノール水溶液が担持されていることは、ガスクロマトグラフ(GC−9A、株式会社島津製作所製)で経時測定することにより確認することができる。
<食品品質保持剤の評価方法>
食品用包装袋に、食品品質保持剤及び相対湿度58%恒湿塩(水分を含む食品の代わりに使用)10gを入れて、ヒートシールにより食品用包装袋を密封した後、温度25℃で48時間静置保管した。保管開始から24時間後の食品用包装袋内の酸素濃度を酸素分析計(LC−700F、東レ・エンジニアリング社製)にて測定し、保管開始後48時間の食品用包装袋内のエタノールガス及びアセトアルデヒドガスの濃度をガスクロマトグラフ(GC−9A、株式会社島津製作所製)にて測定した。
実施例2及び比較例1〜2
実施例1において、食品品質保持剤に含まれる各成分の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、食品品質保持剤を作製した。得られた各食品品質保持剤を用い、実施例1と同様にして、酸素、エタノールガス、及びアセトアルデヒドガスの濃度を評価した。
Figure 2021193920
実施例1〜2及び比較例1〜2においては、アルデヒド吸着体のアセトアルデヒドの生成抑制作用を示すため、アルデヒド吸着体の種類を変更した実施例と比較例とが対比される。即ち、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2が対比される。
表1から、アルデヒド吸着体としてO−置換ヒドロキシルアミン誘導体であるアミノオキシ酢酸を含む本発明の食品品質保持剤は、脱酸素作用及びエタノール蒸散作用に優れ、かつ、アセトアルデヒドの生成量をより低減できることが分かった。したがって、本発明の食品品質保持剤は、アセトアルデヒドによる異臭を低減し、変色を防止することができ、水分を比較的多く含む食品の保存に好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 少なくともエタノール蒸気放出体、脱酸素剤、及びアルデヒド吸着体を含む食品品質保持剤であって、前記アルデヒド吸着体が下記一般式(1)で表されるO−置換ヒドロキシルアミン誘導体又はその化学的に許容される塩であることを特徴とする食品品質保持剤。
    Figure 2021193920
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1〜6の整数を表す。複数のRは同一又は相異なっていてもよい。)
  2. エタノール蒸気放出体が、シリカにエタノール溶液又はエタノール水溶液を担持させたものであることを特徴とする請求項1に記載の食品品質保持剤。
  3. 脱酸素剤が、鉄を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の食品品質保持剤。
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