JP2021188561A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関において、プレート部材を締結する締結部材の状態を容易に確認できるようにすることを目的とする。
また、上述の構成において、前記クランク軸(31)には、前記確認孔(75)に対し前記クランク軸(31)の軸方向外側の位置に、発電用のローター(57)が固定され、前記ローター(57)には、前記クランク軸(31)の軸方向視において前記締結部材(65)に重なる肉抜き孔(60a,60c,60e)が設けられても良い。
また、上述の構成において、前記クランクケース(30)は、車両の車体フレーム(10)に固定され、前記クランクケース(30)には、前記確認孔(75)が設けられた前記支持壁(42)を前記クランク軸(31)の軸方向外側から覆うクランクケースカバー(49)が取り付けられ、前記車体フレーム(10)は、前記クランク軸(31)の軸方向視で前記クランクケースカバー(49)に重ならない位置に配置され、前記クランクケースカバー(49)は、前記クランクケース(30)を前記車体フレーム(10)に搭載した状態で、前記クランクケース(30)に着脱可能であっても良い。
また、上述の構成において、前記支持壁(42)には、オイルが流通可能なオイル孔(73)が、前記支持壁(42)を前記クランク軸(31)の軸方向に貫通して設けられ、前記オイル孔(73)は、前記クランク軸(31)の下方に設けられ、前記確認孔(75)は、前記クランク軸(31)の上方に設けられても良い。
また、上述の構成において、前記内燃機関は、前記クランク軸(31)の軸方向に複数の気筒が配列される多気筒の内燃機関であり、前記クランクケース(30)は、複数の前記気筒を互いに連通させる連通孔(78)を備え、前記確認孔(75)は、前記連通孔(78)と同軸に配置されても良い。
この構成によれば、クランクケースの支持壁に対しクランクケースの内側に配置されるプレート部材の締結部材を、締結部材に重なる確認孔から確認できる。このため、締結部材の状態を容易に確認できる。
この構成によれば、確認孔に挿入される工具によって、締結部材を増し締めでき、メンテナンス性が良い。
また、上述の構成において、クランク軸には、確認孔に対しクランク軸の軸方向外側の位置に、発電用のローターが固定され、ローターには、クランク軸の軸方向視において締結部材に重なる肉抜き孔が設けられても良い。
この構成によれば、クランク軸に発電用のローターが固定される場合であっても、ローターの肉抜き孔及び確認孔から締結部材の状態を確認できる。
この構成によれば、肉抜き孔及び確認孔に挿入される工具によって、締結部材を増し締めでき、メンテナンス性が良い。
また、上述の構成において、クランクケースは、車両の車体フレームに固定され、クランクケースには、確認孔が設けられた支持壁をクランク軸の軸方向外側から覆うクランクケースカバーが取り付けられ、車体フレームは、クランク軸の軸方向視でクランクケースカバーに重ならない位置に配置され、クランクケースカバーは、クランクケースを車体フレームに搭載した状態で、クランクケースに着脱可能であっても良い。
この構成によれば、クランクケースを車体フレームに搭載した状態で、クランクケースカバーを外すことで確認孔にアクセスでき、締結部材の状態の確認が容易である。
この構成によれば、確認孔が締結部材に重なる状態で、確認孔が締結部材に対し上方に位置するため、確認孔を介して締結部材を見下ろすことができ、締結部材を見易い。
また、上述の構成において支持壁には、オイルが流通可能なオイル孔が、支持壁をクランク軸の軸方向に貫通して設けられ、オイル孔は、クランク軸の下方に設けられ、確認孔は、クランク軸の上方に設けられても良い。
この構成によれば、クランク軸の下方にオイル孔が設けられるため、オイルを流通させ易い。また、クランク軸の上方に確認孔が設けられるため、確認孔にオイルが付着し難い。このため、確認孔から締結部材の状態を確認し易い。
この構成によれば、一対の締結部によってシリンダー部をクランクケースに締結できるとともに、支持壁において一対の締結部の間のスペースを利用して確認孔を効率良く配置できる。
また、上述の構成において、内燃機関は、クランク軸の軸方向に複数の気筒が配列される多気筒の内燃機関であり、クランクケースは、複数の気筒を互いに連通させる連通孔を備え、確認孔は、連通孔と同軸に配置されても良い。
この構成によれば、確認孔が連通孔と同軸であるため、確認孔を連通孔と一緒に形成でき、確認孔を容易に形成できる。
自動二輪車1は、車体フレーム10に内燃機関11が支持され、前輪2を操舵可能に支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部に設けられる車両である。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両であり、シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
後輪3は、スイングアーム13の後端部に設けられる車軸3aに支持される。
スイングアーム13と車体フレーム10との間には、リアクッション24が掛け渡される。
内燃機関11は、クランクケース30と、クランクケース30に回転自在に支持されるクランク軸31と、クランクケース30の前部の上部から上方に延びるシリンダー部32とを備える。
クランクケース30は、車体フレーム10に固定される。
シリンダー部32は、クランクケース30の上面から上方に延出するシリンダー32aと、シリンダー32aの上面に結合されるシリンダーヘッド32bと、シリンダーヘッド32bの上面を覆うヘッドカバー32cとを備える。
クランク軸31の回転を検出するセンサー33は、クランクケース30に取り付けられる。
内燃機関11の排気管35は、シリンダーヘッド32bの前面から下方に引き出され、内燃機関11の下方を通って後方に延びる。
燃料タンク36は、内燃機関11の上方においてシート14とヘッドパイプ15との間に配置され、メインフレーム16に支持される。
図1〜図4を参照し、内燃機関11は、クランク軸31の軸方向に複数の気筒が配列される多気筒の内燃機関である。クランク軸31は、車幅方向(左右方向)に水平に延びており、各気筒は、車幅方向に並べて配置される。
シリンダー32a内には、ピストン(不図示)を収容する円筒状のシリンダーボア32dが各気筒毎に設けられる。シリンダーボア32dの中心線は、シリンダー32aのシリンダー軸線32eである。シリンダー軸線32eは、車両側面視でやや前傾の姿勢で上下方向に延びる。上記ピストンは、シリンダー軸線32eの軸方向に往復運動する。
図2では、4つの気筒の配列において一端側(左端側)に設けられる第1の気筒41が図示される。
クランクケース30は、クランク軸31の軸方向の一端側(左端側)におけるクランクケース30の外側壁を構成する支持壁42と、クランク軸31の軸方向の他端側(右端側)におけるクランクケース30の外側壁を構成する他側支持壁(不図示)とを備える。
支持壁42及び上記他側支持壁は、クランク軸31に直交する壁である。
クランク軸31は、クランクケース30内において、各気筒のクランク室に収納される。
図2では、上記内側支持壁のうち、第1の気筒41のクランク室41aを区画する内側支持壁43が図示される。内側支持壁43はクランク軸31に直交する壁である。
第1の気筒41のクランク室41aは、支持壁42と内側支持壁43とによってクランク軸31の軸方向に区画される。また、内側支持壁43は、内側支持壁43に対しクランク室41aの軸方向に離間して配置される他の内側支持壁(不図示)との組によって上記第2の気筒のクランク室(不図示)をクランク軸31の軸方向に区画する壁でもある。
シリンダー部32のシリンダー32aは、上側ケース46の前部の上部に一体に形成される。
クランクケース30には、支持壁42をクランク軸31の軸方向外側から覆うクランクケースカバー49が取り付けられる。クランクケースカバー49は、周壁部48の端面48aに締結され、周壁部48が区画する開口を塞ぐ。クランクケースカバー49は、図1に示すように、車両側面視では、周壁部48(図4)の外形に沿う略円板状である。
内燃機関11では、支持壁42、周壁部48、及びクランクケースカバー49によって発電機室44が区画される。
図2では、上記軸支持孔のうち、支持壁42に設けられる軸支持孔42aと、内側支持壁43に設けられる軸支持孔43aとが図示されている。軸支持孔42a及び軸支持孔43aは、合わせ面47によってそれぞれ上下に2等分される。
図2では、複数の上記クランクウェブのうち、第1の気筒41のクランク室41aに配置されるクランクウェブ50が図示されている。
図2では、複数のジャーナル部のうち、支持壁42の軸支持孔42aに支持されるジャーナル部51、及び、内側支持壁43の軸支持孔43aに支持されるジャーナル部52が図示されている。
支持壁42には、支持壁42内を上下に延びる油路42bが設けられる。油路42bは、支持壁42の下部から軸支持孔42aまで延びる。内燃機関11を潤滑するオイルは、油路42b内を上方に移動してジャーナル部51に供給される。
発電機室44には、クランク軸31の回転によって発電する発電機56が収納される。
発電機56は、軸端部55に固定されるローター57と、ローター57に近接して設けられるステーター(不図示)とを備える。このステーターは、電磁コイルであり、例えばクランクケースカバー49の内面に固定される。
図2、図4、及び図5を参照し、ローター57は、軸端部55の外周部に嵌合する筒状の固定部57aと、固定部57aから径方向外側に延出する円板状の板部57bと、板部57bの外周部からクランク軸25の軸方向の外側に延出する筒状部57cとを備える。
ローター57は、クランク軸31と同軸に配置されるとともにクランク軸31に固定され、クランク軸31と一体に回転する。ローター57は、発電用であるとともに、内燃機関11のフライホイールでもある。
ローター57は、固定部57aを軸方向に押圧するように軸端部55に締結されるローター固定ボルト58によってクランク軸31に固定される。
ローター57の筒状部57cは、クランク軸31の軸端部55を周囲から囲うように設けられる円筒状である。筒状部57cは、クランク軸31と同軸に配置される。筒状部57cの内周面には、発電用の磁石(不図示)が配置される。この磁石は、ローター57が回転すると、上記ステーターの周囲を回転する。
プレート部材61は、クランク軸31に直交する円板状であり、クランク軸31と同軸に配置される。
詳細には、プレート部材61は、支持壁42に対しクランク室41aの内側から面するクランクウェブ50の外側面50bに締結される。外側面50bは、クランク軸31の軸線31aに直交する面である。
プレート本体部62の中心部には、プレート本体部62を貫通する円形の孔部62aが設けられる。
プレート部材61は、クランクウェブ50の外周に設けられる段部に、孔部62aを介して嵌合する。
被検出部63は、凹凸歯によって構成される。詳細には、凹凸歯は、プレート本体部62の外周から径方向外側に突出する複数の歯部63aと、隣接する歯部63a,63aの間に形成される凹部63bとを備える。歯部63a及び凹部63bは、プレート部材61の周方向(回転方向)に交互に配置される。歯部63aは、プレート部材61の周方向に等間隔で複数配置される。
また、被検出部63は、等間隔に配置される歯部63aの一部を切り欠くことで隣接する歯部63a,63aの間隔を不等間隔とした不等間隔部63cを1箇所に備える。不等間隔部63cでは、凹部63bが他の凹部63bよりも周方向に長い。
プレート部材61は、クランク軸31の軸方向外側から各固定孔64に挿通される締結部材65によって、クランクウェブ50に締結される。
クランクウェブ50の外側面50bには、ねじ穴部50cが設けられる。締結部材65は、クランク軸31の軸方向に延びるボルトであり、クランク軸31の軸方向外側からねじ穴部50cに締結される。プレート部材61は、締結部材65の頭部65aとクランクウェブ50の外側面50bとの間に挟まれる。
これにより、プレート部材61を不適切な向きで配置した場合には、締結部材65をねじ穴部50cに締結できなくなるため、プレート部材61の誤組みを防止できる。
なお、少なくとも一か所の固定孔64及びねじ穴部50cをプレート部材61の径方向にずらすことで、プレート部材61の誤組みを防止しても良い。
また、プレート本体部62において、孔部62aを挟んで開口部67とは反対側には、複数の肉抜き開口部68が設けられる。
プレート部材61の開口部67は、記号50eに重なっており、記号50eは、開口部67から外側に露出する。このため、プレート部材61がクランク軸31に固定された状態であっても、作業者等は記号50eを開口部67から視認して確認できる。
センサー33は、棒状の検出器ケース33aと、検出器ケース33aの一端部に設けられる検出部33bと、検出器ケース33aの他端部に設けられる接続部33cとを備える。
検出部33bは、例えばピックアップコイルであり、歯部63a及び凹部63bの凹凸による磁束の変化を検出し、この磁束の変化をプレート部材61の回転として検出する。
プレート部材61は、クランク軸31と同速度で一体に回転するため、プレート部材61の回転数はクランク軸31の回転数に等しい。すなわち、センサー33は、クランク軸31の回転を検出する。
クランクケース30の外側に位置する接続部33cには、センサー33を自動二輪車1の制御部(不図示)に接続するハーネス69(図1)が接続される。
自動二輪車1の上記制御部は、検出部33bが検出したプレート部材61の回転の情報から、クランク軸31の回転数を算出する。また、上記制御部は、不等間隔部63cを検出することで、クランク軸31の回転の位相を検出する。
詳細には、クランクケース30の後壁30bにおいて第1の気筒41のクランク室41aの後壁を構成する部分には、センサー33が固定されるセンサー固定孔部70が設けられる。センサー固定孔部70は、後上方に向けて開口する筒状部である。
センサー33は、支持壁42に対しクランク軸31の軸方向内側に配置される。
ボルト71は、ボルト71の下端部がクランクケース30の締結部30cに締結されるスタッドボルトである。
支持壁42では、締結部30cは、クランク軸31の上方において、クランク軸31の前側及び後側に一対で設けられる。締結部30cは、シリンダー軸線32eの軸方向に延びるねじ穴部である。締結部30cは、支持壁42の外側面では、ボルト71の軸方向に延びる膨出部を形成する。締結部30cは、ボルト71の下端部が締結される雌ねじ部を内部に備える。
オイル孔73は、周壁部48で囲まれる部分に設けられており、第1の気筒41のクランク室41aと発電機室44とを連通させる。
重力によってクランク室41aの下部に溜まるオイルは、オイル孔73を通ってクランク室41aと発電機室44との間を行き来する。
孔74は、下側ケース45及び上側ケース46に跨って設けられる。
また、確認孔75は、クランク軸31の軸方向視で、シリンダー軸線32eに重なる位置に設けられるとともに、前側の締結部30cと後側の締結部30cとの間に位置する。
確認孔75は、略円形の孔である。
確認孔75は、締結部材65の周回の軌道上にある。確認孔75は、締結部材65が所定の周回位置に来ると、締結部材65にクランク軸31の軸方向外側から重なる。
詳細には、図4に示すように、クランク軸31の軸方向視で、締結部材65がシリンダー軸線32eに重なる位置に来ると、確認孔75は締結部材65に重なる。
確認孔75は締結部材65よりも大径の孔であるため、確認孔75が締結部材65に重なると、締結部材65は、全体が確認孔75からクランクケース30の外側に露出する。
このため、確認孔75から締結部材65を視認して、締結部材65の緩み等の締結部材65の状態を確認できる。
プレート部材61は、3つの締結部材65によって締結されるが、確認孔75は、所定の周回位置において3つの締結部材65の全てにそれぞれ重なる。
ローター57の板部57bに設けられた肉抜き孔60a,60b,60c,60d,60e,60fのうち、肉抜き孔60a,60c,60eは、クランク軸31の軸方向視において、3つの締結部材65にそれぞれクランク軸31の軸方向外側から重なる位置に配置される。
これにより、確認孔75が、肉抜き孔60aに対応する締結部材65に重なると、肉抜き孔60aも確認孔75に重なり、締結部材65は、確認孔75及び肉抜き孔60aを介し、クランクケース30の外側に露出する。このため、作業者等は、肉抜き孔60a及び確認孔75を介し、締結部材65を視認して確認できる。
なお、上記肉抜き孔の個数(本実施の形態では6個)は、締結部材65の個数(本実施の形態では3個)の整数倍であると良い。これにより、肉抜き孔を周方向に略均等に配置して重量バランスを良好にできるとともに、肉抜き孔を締結部材65に重なる位置に配置できる。
肉抜き孔60aは、クランク軸31の軸方向視で、締結部材65の頭部65aよりも大径である。また、頭部65aは、全体が肉抜き孔60aに重なることができる。これにより、頭部65aの全体が肉抜き孔60aから外側に露出するため、締結部材65の視認性が良い。
確認孔75及び肉抜き孔60aは、工具77の外径よりも大径である。作業者等は、肉抜き孔60a及び確認孔75に外側から工具77を挿入し、締結部材65を工具77によって回転させて増し締めできる。このため、ローター57を取り外したり、クランクケース30を分解したりしなくとも、容易に締結部材65を増し締めできる。
さらに、図3及び図4を参照し、図4の状態からクランク軸31が回転して、クランクウェブ50の記号50eが確認孔75に重なると、記号50eは、プレート部材61の開口部67及び確認孔75を介し、クランクケース30の外側に露出する。このため、記号50eを容易に確認できる。
ここで、肉抜き孔60cは、一部のみが締結部材65に重なり、締結部材65は一部のみが肉抜き孔60cから外側に露出するが、作業者等は、肉抜き孔60c及び確認孔75から締結部材65を視認して確認できる。また、工具77として、スパナやドライバー等の狭いスペースで使いやすい工具を用い、肉抜き孔60c及び確認孔75を介して締結部材65を増し締めしても良い。
また、肉抜き孔60cに対応する締結部材65は、締結部材65が確認孔75に重なった状態で図4の様にローター57が取り外されると、全体が確認孔75からクランクケース30の外側に露出する。この状態では、確認孔75から工具77を挿入して容易に締結部材65を増し締めできる。
ここで、肉抜き孔60eは、一部のみが締結部材65に重なり、締結部材65は一部のみが肉抜き孔60eから外側に露出するが、作業者等は、肉抜き孔60e及び確認孔75から締結部材65を視認して確認できる。また、工具77として、スパナやドライバー等の狭いスペースで使いやすい工具を用い、肉抜き孔60c及び確認孔75を介して締結部材65を増し締めしても良い。
また、肉抜き孔60eに対応する締結部材65は、締結部材65が確認孔75に重なった状態で図4の様にローター57が取り外されると、全体が確認孔75からクランクケース30の外側に露出する。この状態では、確認孔75から工具77を挿入して容易に締結部材65を増し締めできる。
図2では、内側支持壁43の連通孔78が図示されており、他の連通孔は不図示である。
内側支持壁43の連通孔78は、第1の気筒41のクランク室41aと第2の気筒のクランク室(不図示)とをクランク軸31の軸方向に連通させる。
連通孔78は、第2の気筒のクランク室と第3の気筒のクランク室とを仕切る内側支持壁(不図示)、及び、第3の気筒のクランク室と第4の気筒のクランク室とを仕切る内側支持壁(不図示)にも設けられる。
内燃機関11の上記ピストンが往復運動する際、連通孔78を介して空気が複数のクランク室間を行き来できるため、ピストンの運動の抵抗を減らすことができ、効率良く内燃機関11を運転できる。
すなわち、クランク軸31の軸方向視で、確認孔75は、連通孔78にクランク軸31の軸方向外側から重なる。
確認孔75及び全ての連通孔78は、クランクケース30の上側ケース46の鋳造後に、機械加工によって上記内側支持壁を切削して形成される孔である。この機械加工では、クランク軸31の軸方向に移動する切削工具によって確認孔75及び連通孔78が形成される。
確認孔75及び全ての連通孔78は、同軸の位置関係で配置されるため、機械加工によって確認孔75及び連通孔78を容易に形成できる。なお、鋳造によって確認孔75及び連通孔78を形成しても良い。
クランクケース30は、車体フレーム10によって支持されているが、クランク軸31の軸方向視(車両側面視)において、車体フレーム10は、クランクケースカバー49に対しクランク軸31の軸方向外側から重なっていない。これにより、車体フレーム10がクランクケースカバー49の取り外しの邪魔にならず、クランクケースカバー49を締結及び締結解除するだけで容易にクランクケースカバー49を着脱できる。このため、クランクケース30を車体フレーム10に搭載した状態で、クランクケースカバー49を容易に着脱できる。
この構成によれば、クランクケース30の支持壁42に対しクランクケース30の内側に配置されるプレート部材61の締結部材65を、締結部材65に重なる確認孔75から確認できる。このため、締結部材65の状態を容易に確認できる。
この構成によれば、確認孔75に挿入される工具77によって、締結部材65を増し締めでき、メンテナンス性が良い。
また、クランク軸31には、確認孔75に対しクランク軸31の軸方向外側の位置に、発電用のローター57が固定され、ローター57には、クランク軸31の軸方向視において締結部材65に重なる肉抜き孔60a,60c,60eが設けられる。
この構成によれば、クランク軸31に発電用のローター57が固定される場合であっても、ローター57の肉抜き孔60a,60c,60e及び確認孔75から締結部材65の状態を確認できる。
この構成によれば、肉抜き孔60a,60c,60e及び確認孔75に挿入される工具77によって、締結部材65を増し締めでき、メンテナンス性が良い。
また、クランクケース30は、自動二輪車1の車体フレーム10に固定され、クランクケース30には、確認孔75が設けられた支持壁42をクランク軸31の軸方向外側から覆うクランクケースカバー49が取り付けられ、車体フレーム10は、クランク軸31の軸方向視でクランクケースカバー49に重ならない位置に配置され、クランクケースカバー49は、クランクケース30を車体フレーム10に搭載した状態で、クランクケース30に着脱可能である。
この構成によれば、クランクケース30を車体フレーム10に搭載した状態で、クランクケースカバー49を外すことで確認孔75にアクセスでき、締結部材65の状態の確認が容易である。
この構成によれば、確認孔75を介して締結部材65を見下ろすことができ、締結部材65を見易い。
また、支持壁42には、オイルが流通可能なオイル孔73が、支持壁42をクランク軸31の軸方向に貫通して設けられ、オイル孔73は、クランク軸31の下方に設けられ、確認孔75は、クランク軸31の上方に設けられる。
この構成によれば、クランク軸31の下方にオイル孔73が設けられるため、オイルを流通させ易い。また、クランク軸31の上方に確認孔75が設けられるため、確認孔75にオイルが付着し難い。このため、確認孔75から締結部材65の状態を確認し易い。
この構成によれば、一対の締結部30cによってシリンダー部32をクランクケース30に締結できるとともに、支持壁42において一対の締結部30cの間のスペースを利用して確認孔75を効率良く配置できる。
また、内燃機関11は、クランク軸31の軸方向に複数の気筒が配列される多気筒の内燃機関であり、クランクケース30は、複数の気筒を互いに連通させる連通孔78を備え、確認孔75は、連通孔78と同軸に配置される。
この構成によれば、確認孔75が連通孔78と同軸であるため、確認孔75を連通孔78と一緒に形成でき、確認孔75を容易に形成できる。
上記実施の形態では、クランク軸31の軸方向に複数の気筒が配列される多気筒の内燃機関を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、単気筒の内燃機関、及び、気筒がV字状に配置されるV型の内燃機関等に本発明を適用しても良い。
また、上記実施の形態では、内燃機関11が自動二輪車1に搭載される構造を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の鞍乗り型車両、4輪以上を備える鞍乗り型車両、及びその他の車両の内燃機関に適用可能である。
10 車体フレーム
11 内燃機関
30 クランクケース
30c 締結部
31 クランク軸
32 シリンダー部
32e シリンダー軸線
42 支持壁
49 クランクケースカバー
51 ジャーナル部
57 ローター
60a,60c,60e 肉抜き孔
61 プレート部材
65 締結部材
71 ボルト
73 オイル孔
75 確認孔
75a 中間部
77 工具
78 連通孔
Claims (9)
- クランクケース(30)と、前記クランクケース(30)に支持されるクランク軸(31)と、前記クランク軸(31)に固定されて前記クランク軸(31)と一体に回転するプレート部材(61)と、前記プレート部材(61)を前記クランク軸(31)に対し前記クランク軸(31)の軸方向に締結する締結部材(65)とを備え、前記プレート部材(61)が、前記クランク軸(31)のジャーナル部(51)を回転自在に支持する前記クランクケース(30)の支持壁(42)に対し前記クランクケース(30)の内側に配置される内燃機関において、
前記支持壁(42)には、前記クランク軸(31)の回転中心に対し径方向にオフセットされた前記締結部材(65)に対し、前記クランク軸(31)の軸方向視において重なる確認孔(75)が設けられることを特徴とする内燃機関。 - 前記確認孔(75)は、前記締結部材(65)を締結する工具(77)を挿入して前記締結部材(65)を回すことが可能な大きさ及び位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
- 前記クランク軸(31)には、前記確認孔(75)に対し前記クランク軸(31)の軸方向外側の位置に、発電用のローター(57)が固定され、
前記ローター(57)には、前記クランク軸(31)の軸方向視において前記締結部材(65)に重なる肉抜き孔(60a,60c,60e)が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関。 - 前記肉抜き孔(60a,60c,60e)及び前記確認孔(75)は、前記締結部材(65)を締結する工具(77)を挿入して前記締結部材(65)を回すことが可能な大きさ及び位置に設けられることを特徴とする請求項3記載の内燃機関。
- 前記クランクケース(30)は、車両の車体フレーム(10)に固定され、
前記クランクケース(30)には、前記確認孔(75)が設けられた前記支持壁(42)を前記クランク軸(31)の軸方向外側から覆うクランクケースカバー(49)が取り付けられ、
前記車体フレーム(10)は、前記クランク軸(31)の軸方向視で前記クランクケースカバー(49)に重ならない位置に配置され、
前記クランクケースカバー(49)は、前記クランクケース(30)を前記車体フレーム(10)に搭載した状態で、前記クランクケース(30)に着脱可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関。 - 前記確認孔(75)が前記クランク軸(31)の軸方向視において前記締結部材(65)に重なる状態で、前記確認孔(75)は、前記確認孔(75)の上下の中間部(75a)が前記締結部材(65)に対し上方に位置するように配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の内燃機関。
- 前記支持壁(42)には、オイルが流通可能なオイル孔(73)が、前記支持壁(42)を前記クランク軸(31)の軸方向に貫通して設けられ、
前記オイル孔(73)は、前記クランク軸(31)の下方に設けられ、前記確認孔(75)は、前記クランク軸(31)の上方に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の内燃機関。 - 前記クランク軸(31)を回転させるピストンを収容するシリンダー部(32)がボルト(71)によって前記クランクケース(30)に締結され、
前記支持壁(42)は、前記ボルト(71)が締結される締結部(30c)を一対備え、前記締結部(30c)は、前記シリンダー部(32)のシリンダー軸線(32e)の軸方向に延び、
前記クランク軸(31)の軸方向視において、前記確認孔(75)は、一対の前記締結部(30c)の間に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の内燃機関。 - 前記内燃機関は、前記クランク軸(31)の軸方向に複数の気筒が配列される多気筒の内燃機関であり、
前記クランクケース(30)は、複数の前記気筒を互いに連通させる連通孔(78)を備え、
前記確認孔(75)は、前記連通孔(78)と同軸に配置されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の内燃機関。
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