JP6902072B2 - 車両用パワーユニット - Google Patents

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Description

本発明は、車両用パワーユニットに関する。
従来技術として、特許文献1では、内燃機関の制御装置を開示している。特許文献1で開示される内燃機関は単気筒であり、この内燃機関におけるオーバーリーン空燃比に起因する失火を検知する。この検知では、検知タイミング前後の燃焼サイクルの間で、クランクシャフトの角速度の変化量が予め決められた閾値を超えるか否かを判定する。予め設定されたサイクル数の間で、前記変化量が閾値を超えた回数が規定の回数に達すると、内燃機関の失火が生じていると推測する。
クランクシャフトの角速度の検出には、特許文献2に開示されるような電磁ピックアップ方式が広く用いられている。この場合、クランクシャフトには、パルサーリングが取り付けられる。パルサーリングは、クランクシャフトの軸線中心で連続する環状体と、環状体から放射方向に延びて軸線中心の周方向に等間隔に配列される複数のリラクターと、を有している。リラクターの環状軌道には、パルサーセンサ先端の検知部が対向している。
特開2014−199040号公報 特開2002−371906号公報
ところで、パルサーセンサをクランクケースに取り付ける場合、パルサーセンサ先端の検知部がリラクターの軌道に対向するように精度よく取り付ける必要がある。この場合、パルサーセンサと他部品との干渉を避けるとともに、パルサーセンサのクランクケース外側への突出部分に対する飛び石等の外乱の影響を抑えることができるように、パルサーセンサの配置場所を考慮する必要がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、クランクケースに取り付けたパルサーセンサへの外乱を効率よく抑制することができる車両用パワーユニットを提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体側(5)に支持されるクランクケース(22)と、前記クランクケース(22)に回転可能に収容されるクランク軸(21)と、リラクター(51b)を有して前記クランク軸(21)に取り付けられるパルサーリング(51)と、前記クランクケース(22)に取り付けられて前記リラクター(51b)に検知部(56)を対向させるパルサーセンサ(55)と、を備える車両用パワーユニット(PU)において、前記クランクケース(22)は、前記パルサーセンサ(55)における前記クランクケース(22)の外側に突出するセンサ突出部(59)を囲う囲繞部(23,48,49,68,69)を備え、前記クランクケース(22)は、前端部から車両前方側に膨出して内部にバランサ(41)を収容するバランサ収容部(48)を備え、前記バランサ収容部(48)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を車両下方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサのセンサ突出部をクランクケースに設けた囲繞部によって囲うことで、パルサーセンサのセンサ突出部に外乱が至り難くすることができる。
また、パルサーセンサのセンサ突出部をバランサ収容部によって車両下方側から囲うことで、バランサ収容部を利用して、パルサーセンサのセンサ突出部に車両下方側から外乱が至り難くすることができる。
請求項2に記載した発明は、前記クランクケース(22)は、前記クランクケース(22)を前記車体側(5)に支持可能とするハンガー部(49)を備え、前記ハンガー部(49)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を少なくとも車幅方向一側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサのセンサ突出部の少なくとも車幅方向一側をクランクケースに設けたハンガー部によって囲うことで、ハンガー部を利用して、パルサーセンサのセンサ突出部に車幅方向一側から外乱が至り難くすることができる。
請求項3,6に記載した発明は、前記車体側(5)と前記ハンガー部(49)とを結合するハンガーブラケット(68)および締結部材(69)を備え、前記ハンガーブラケット(68)および締結部材(69)は、前記囲繞部に含まれ、前記ハンガー部(49)と協働して、前記センサ突出部(59)を車両前方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサのセンサ突出部の車両前方側をハンガー部、ハンガーブラケットおよび締結部材によって囲うことで、ハンガー部、ハンガーブラケットおよび締結部材を利用して、パルサーセンサのセンサ突出部に車両前方側から外乱が至り難くすることができる。
請求項4に記載した発明は、車体側(5)に支持されるクランクケース(22)と、前記クランクケース(22)に回転可能に収容されるクランク軸(21)と、リラクター(51b)を有して前記クランク軸(21)に取り付けられるパルサーリング(51)と、前記クランクケース(22)に取り付けられて前記リラクター(51b)に検知部(56)を対向させるパルサーセンサ(55)と、を備える車両用パワーユニット(PU)において、前記クランクケース(22)は、前記パルサーセンサ(55)における前記クランクケース(22)の外側に突出するセンサ突出部(59)を囲う囲繞部(23,48,49,68,69)を備え、前記クランクケース(22)は、前記クランクケース(22)を前記車体側(5)に支持可能とするハンガー部(49)を備え、前記ハンガー部(49)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を少なくとも車幅方向一側から囲っており、前記ハンガー部(49)は、前記センサ突出部(59)の車幅方向一側に起立する側壁部(65)と、前記側壁部(65)の車両前方側から車幅方向他側に突出して前記センサ突出部(59)の車両前方側に配置されるボス部(66a)と、を有し、前記側壁部(65)は、前記センサ突出部(59)を車幅方向一側から囲い、前記ボス部(66a)は、前記センサ突出部(59)を車両前方側から囲っている。
この構成によれば、請求項1,2の効果に加え、パルサーセンサのセンサ突出部の車幅方向一側をハンガー部の側壁部によって囲い、ケース側突出部の車両前方側をハンガー部のボス部によって囲うことで、ハンガー部を利用して、パルサーセンサのセンサ突出部に車幅方向一側および車両前方側から外乱が至り難くすることができる。
請求項6に記載した発明は、前記クランクケース(22)から車両上方側に起立するシリンダ(23)を備え、前記シリンダ(23)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を車両後方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサのセンサ突出部をシリンダによって車両後方側から囲うことで、パルサーセンサのセンサ突出部に車両後方から外乱が至り難くすることができる。
本発明によれば、クランクケースに取り付けたパルサーセンサへの外乱を効率よく抑制することができる車両用パワーユニットを提供することができる。
本発明の実施形態における自動二輪車の右側面図である。 上記自動二輪車のパワーユニットの左側面図である。 上記パワーユニットの主要軸の軸線に沿う展開端面図である。 上記パワーユニットの前上ハンガー部周辺の右側面図である。 上記パワーユニットの前上ハンガー部周辺の斜視図である。 図5に対してダウンチューブおよび排気管を追加した斜視図である。 上記パワーユニットのパルサーセンサ周辺を軸方向から見た正面図である。 図7に対してダウンチューブおよび排気管を追加した正面図である。 上記パワーユニットのクランクケースの右ケース半体の右側面図である。 図5に対してダウンチューブおよび排気管を追加した斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車体左右中心を示す線CLが示されている。また、本実施形態で用いる「中間」とは、対象の両端間の中央のみならず、対象の両端間の内側の範囲を含む意とする。
<車両全体>
図1に示すように、本実施形態は、鞍乗り型車両の一例としての自動二輪車1に適用されている。自動二輪車1の前輪2は、左右一対のフロントフォーク3の下端部に支持されている。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して、車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に支持されている。ステアリングステム4のトップブリッジ上には、バータイプの操向ハンドル4aが取り付けられている。
車体フレーム5は、ヘッドパイプ6と、ヘッドパイプ6から後方へ延びるメインチューブ7と、ヘッドパイプ6から下方へ延びるダウンチューブ7aと、メインチューブ7の後端部から下方に延びるピボットフレーム8と、メインチューブ7およびピボットフレーム8の後方に連なるシートフレーム(不図示)と、を備えている。ダウンチューブ7aは、下端部から後方へロアフレームを延ばしてピボットフレーム8に接続してもよい。ピボットフレーム8には、スイングアーム11の前端部が揺動可能に枢支されている。スイングアーム11の後端部には、自動二輪車1の後輪12が支持されている。
メインチューブ7の下方には、自動二輪車1のパワーユニットPUが配置されている。パワーユニットPUは、前部に位置するエンジン(内燃機関、原動機)13と、後部に位置する変速機31と、を一体に備えている。パワーユニットPUは、後輪12と例えばチェーン式伝動機構35Aを介して連係されている。
メインチューブ7の上方には、エンジン13の燃料を貯留する燃料タンク18が配置されている。燃料タンク18の後方で前記シートフレームの上方には、乗員が着座するシート19が配置されている。シート19の下方の左右両側には、乗員が足を載せる左右一対のステップ19aが配置されている。
<エンジン>
図2、図3を併せて参照し、エンジン13は、クランク軸21の回転中心軸線(クランク軸線)C1を左右方向(車幅方向)に沿わせた空冷単気筒エンジンである。エンジン13は、クランクケース22の前部上方にシリンダ部23を略垂直に起立させている。クランクケース22は、左右方向に直交する分割面を境に左右ケース半体22a,22bに分割される。左右ケース半体22a,22bの前上部には、シリンダ部23の下端部(基部、以下、シリンダ基部という。)23fが一体形成されている。
左右ケース半体22a,22bの車幅方向外側には、左右ケースカバー22c,22dが取り付けられている。クランクケース22の前部内にはクランク軸21が収容され、クランクケース22の後部内には変速機31が収容されている。図中線C2はシリンダ部23の突出方向に沿う軸線(シリンダ軸線)を示している。シリンダ軸線C2(およびクランクケース22の左右中心)は、例えば車体左右中心に対して僅かにオフセットしているが、車体左右中心にあってもよい。
本実施形態では、自動二輪車1の前後方向に沿う軸をX軸、左右方向(車幅方向)に沿う軸をY軸、上下方向に沿う軸をZ軸、と称し、各軸を図中矢印X,Y,Zで示している。
シリンダ部23は、クランクケース22側から順に、シリンダブロック(シリンダ本体)23a、シリンダヘッド23bおよびヘッドカバー23cを備えている。シリンダブロック23aのシリンダホール(シリンダボア)23d内には、ピストン24がシリンダ軸線C2に沿って往復動可能に嵌装されている。ピストン24は、シリンダヘッド23bとともに燃料室を区画する。ピストン24は、コンロッド(コネクティングロッド)25を介して、クランク軸21のクランクピン21aに連結されている。シリンダヘッド23b内には、カムシャフトおよびバルブ等を含む動弁機構23eが構成されている。シリンダヘッド23bの後部には、吸気系部品のスロットルボディthが接続され、シリンダヘッド23bの前部には、排気系部品の排気管exが接続されている。
エンジン13は、シリンダ軸線C2をクランク軸線C1よりも前方へ所定量だけオフセットさせたオフセットシリンダ機構を採用している。シリンダ軸線C2は、クランク軸線C1よりも前方へオフセットすることで、ピストン24が上死点にあるときのクランクピン21aの軸線C1回りの正転方向側へオフセットすることとなる。これにより、燃焼室内での最大圧力時(燃焼行程初期、ピストン24が上死点から下降し始めたとき)におけるピストン24のシリンダ内壁への押し付け力(摺動抵抗)が低減される。図中矢印R1はクランク軸21のエンジン13運転時の回転方向(正転方向)を示している。
<クランク軸>
図2、図3に示すように、クランク軸21は、クランクケース22の前部内において、左右一対のボールベアリング26l,26r(軸受け部材、以下、クランクベアリング26l,26rという。)を介して回転可能に支持されている。クランク軸21は、ピストン24の往復運動から軸線C1回りの回転運動を生成する。クランク軸21は、クランクアームおよびカウンタウェイトを含む左右一対のクランクウェブ21bl,21brと、左右クランクウェブ21bl,21brの各々からクランク軸線C1に沿って左右方向外側に突出する左右一対のジャーナル21cl,21crと、左右ジャーナル21cl,21crの各々からさらにクランク軸線C1に沿って左右方向外側に延びる左右一対の延長軸21dl,21drと、を一体回転可能に備えている。左右ジャーナル21cl,21crは、それぞれ左右クランクベアリング26l,26rに挿通、支持されている。
なお、左右クランクウェブ21bl,21brを合わせて単にクランクウェブ21bで示し、左右ジャーナル21cl,21crを合わせて単にジャーナル21cで示し、左右延長軸21dl,21drを合わせて単に延長軸21dで示すことがある。
例えば、左右クランクウェブ21bl,21brは、それぞれ軸線C1を中心とした円板状をなしている。ここで、右クランクウェブ21brの車幅方向外側の側面には、パルサーリング51が重なるように取り付けられている。パルサーリング51は、薄板円板状をなし、その径方向外側には、クランクケース22に保持されたパルサーセンサ55の検知部が対向配置されている。これらパルサーリング51およびパルサーセンサ55を含んで、クランク軸21の回転を検知する回転センサが構成されている。
クランク軸21の回転駆動力は、クランクケース22の右側部内に収容されたクラッチ装置36、及びクランクケース22の後部内に収容された変速機31を経て、クランクケース22の後部左側に配置された機関出力部35に出力される。機関出力部35は、駆動輪である後輪12とチェーン式伝動機構35Aを介して連係されている。
クランク軸21の右延長軸21drには、基端側(右クランクベアリング26r側)から順に、カムドライブスプロケット27、リヤバランサドライブギヤ28およびプライマリドライブギヤ29が同軸かつ一体回転可能に設けられている。プライマリドライブギヤ29は、クランク軸21の右後方に配置されたプライマリドリブンギヤ39に噛み合っている。プライマリドライブギヤ29及びプライマリドリブンギヤ39は、パワーユニットPUの一次減速機構39Aを構成している。
クランク軸21の左延長軸21dlには、交流発電機14が同軸配置されている。交流発電機14は、クランク軸21と一体回転可能なアウタロータ14aを備えている。アウタロータ14aは、左方(車幅方向外側)に開放する有底円筒状をなし、このアウタロータ14aの底部の車幅方向内側に、スタータギヤ15がワンウェイクラッチを介して係合されている。
左右クランクウェブ21bl,21brは、クランク軸方向でコンロッド25を挿通可能な間隔を空けて対向配置されている。左右クランクウェブ21bl,21brの周方向の規定位置は、各々クランクアームとされている。左右クランクアームの先端側(軸線C1から偏心した位置)には、クランクピン21aの両端部が支持されている。クランクピン21aには、コンロッド25の大端部が回転可能に外嵌されている。左右クランクウェブ21bl,21brの車幅方向外側には、それぞれ左右ジャーナル21cl,21rが隣接している。左右ジャーナル21cl,21crは、それぞれ左右クランクベアリング26l,26rに挿通されて回転可能に支持されている。
<変速機>
図2、図3に示すように、変速機31は、クランク軸線C1と交差(直交)する車両前後方向で、クランク軸21の一方側(後方側)に配置されている。変速機31は、メイン軸32およびカウンタ軸33と、メイン軸32およびカウンタ軸33に跨る変速ギヤ群34と、を有する有段式のトランスミッションである。クランク軸21の回転動力は、変速ギヤ群34の任意のギヤを介して、メイン軸32からカウンタ軸33に伝達される。カウンタ軸33は、変速機31ひいてはパワーユニットPUの出力軸を構成している。カウンタ軸33の左端部は、クランクケース22の後部左側に突出して前記機関出力部35を構成している。
メイン軸32及びカウンタ軸33は、クランク軸21の後方で前後に並んで配置されている。メイン軸32及びカウンタ軸33は、各々の中心軸線C3,C4をクランク軸線C1と平行にして配置されている。メイン軸32の右端部には、クラッチ装置36が同軸配置されている。図中符号17はクランクケース22の後端部に支持されたキックスピンドル、線C7はキックスピンドル17におけるクランク軸線C1と平行な中心軸線をそれぞれ示している。
<クラッチ装置>
図3に示すように、クラッチ装置36は、例えば湿式多板クラッチであり、かつノーマルクローズクラッチである。すなわち、クラッチ装置36は、例えば乗員のクラッチ操作に応じて不図示のアクチュエータから規定の操作入力があると、動力伝達が不能な切断状態となる。クラッチ装置36は、前記アクチュエータからの操作入力が解除されと、内装するクラッチスプリングのバネ力により、動力伝達が可能な接続状態に戻る。前記アクチュエータの作動は、乗員の手動でも電動等の自動でもよい。
クラッチ装置36は、クラッチアウタ36aと、クラッチインナ36bと、複数のクラッチ板36cと、を備えている。クラッチアウタ36aは、右方(車幅方向外側)に開放する有底円筒状をなし、メイン軸32の右端部に相対回転可能に支持されている。クラッチインナ36bは、クラッチアウタ36aの内周側に配置され、メイン軸32の右端部に一体回転可能に支持されている。複数のクラッチ板36cは、クラッチアウタ36a及びクラッチインナ36bの間に配置され、軸方向で積層されている。クラッチアウタ36aの底部の車幅方向内側には、プライマリドリブンギヤ39がダンパー機構を介して一体回転可能に係合されている。クラッチアウタ36aおよびプライマリドリブンギヤ39は、メイン軸32の右側部上に、ニードルベアリングを介して相対回転可能に支持されている。
<バランサ>
図2、図3に示すように、パワーユニットPUは、クランク軸21の前後位置に一対のバランサ41,45を備えている。一対のバランサ41,45は、それぞれクランク軸線C1と平行な回転軸線C5,C6を有している。一対のバランサ41,45は、クランク軸線C1と交差(直交)する車両前後方向で、クランク軸21を挟むように設けられている。以下、一対のバランサ41,45の内、クランク軸21よりも前方に位置するものをフロントバランサ41と称し、クランク軸21よりも後方に位置するものをリヤバランサ45と称する。
フロントバランサ41およびリヤバランサ45は、クランク軸21の回転に連動して同周期で回転(逆回転)する。フロントバランサ41およびリヤバランサ45は、クランク軸21の回転と同周期で発生する一次振動を抑えるための二軸一次バランサを構成している。
フロントバランサ41は、左右方向に沿うフロントバランサ支持軸42と、フロントバランサ支持軸42の軸方向一端部(本実施形態では左端部)に支持されるフロントバランサ本体43と、フロントバランサ支持軸42の軸方向他端部(本実施形態では右端部)に支持されるフロントバランサドリブンギヤ44と、を備えている。
フロントバランサ41は、クランクケース22の前端部に膨出形成されたバランサ収容部48内に収容されている。バランサ収容部48は、クランクケース22の前端部において、側面視で半円状をなすように前方へ膨出している。バランサ収容部48は、側面視でクランクケース22前上部の前上ハンガー部49よりも前方まで膨出している。バランサ収容部48は、側面視でシリンダヘッド23bの前端部と同等位置まで膨出している。図中符号49aはクランクケース22後上部の後上ハンガー部、符号49bはクランクケース22前下部の前下ハンガー部、符号49cはクランクケース22後下部の後下ハンガー部をそれぞれ示している。
フロントバランサ支持軸42は、車体左右中心(およびクランクケース22の左右中心)を跨いで車両左右方向に延びている。フロントバランサ支持軸42は、左右側部の各々がボールベアリング(以下、フロントバランサベアリングという。)42al,42arを介して、クランクケース22の左右側壁22a1,22b1にそれぞれ支持されている。左右側壁22a1,22b1は、それぞれ左右ケース半体22a,22bに形成されている。
左右フロントバランサベアリング42al,42arは、それぞれ左右クランクベアリング26l,26rと軸方向位置をラップさせている。例えば、左フロントバランサベアリング42arは、軸方向で左クランクベアリング26lの左右幅内に配置されている。例えば、右フロントバランサベアリング42arは、軸方向で右クランクベアリング26rよりも右方側に張り出して配置されている。
フロントバランサ支持軸42の左端部には、フロントバランサ本体43のカラー状の基部43aが一体回転可能に固定されている。フロントバランサ本体43は、車体左右中心CL(およびシリンダ軸線C2)よりも軸方向の一方側(左方側)に配置されている。
図3を参照し、プライマリドライブギヤ29は、右クランクベアリング26rの右方に離間した位置で、クランク軸21の右延長軸21dr上に同軸配置されている。クランク軸21の右延長軸21drにおいて、軸方向でプライマリドライブギヤ29と右クランクベアリング26rとの間には、カムドライブスプロケット27およびリヤバランサドライブギヤ28が同軸配置されている。リヤバランサドライブギヤ28は、プライマリドライブギヤ29の左方(車幅方向内側)に隣接して配置されている。リヤバランサドライブギヤ28は、プライマリドライブギヤ29よりも大径である。リヤバランサドライブギヤ28は、プライマリドライブギヤ29とともにクランク軸21と一体回転可能である。
リヤバランサドライブギヤ28は、変速機31のメイン軸32上のリヤバランサドリブンギヤ46に噛み合っている。リヤバランサドリブンギヤ46は、メイン軸32と同軸配置され、メイン軸32に相対回転可能に支持されている。メイン軸32は、左端部および右側部がそれぞれボールベアリング(メイン軸ベアリング)32al,32arを介して、クランクケース22の左右側壁22a1,22b1に支持されている。また、カウンタ軸33は、左側部および右端部がそれぞれボールベアリング(カウンタ軸ベアリング)33al,33arを介して、クランクケース22の左右側壁22a1,22b1に支持されている。
リヤバランサドリブンギヤ46は、偏心ウェイトを備えることで、一体のリヤバランサ45を構成している。すなわち、リヤバランサ45は、メイン軸32およびクラッチ装置36と同軸配置されている。リヤバランサドリブンギヤ46(リヤバランサ45)は、車体左右中心CL(およびシリンダ軸線C2)よりも他側(右方側)に配置されている。
リヤバランサドリブンギヤ46は、プライマリドリブンギヤ39の右方に近接し、メイン軸32の右側部上に同軸配置されている。リヤバランサドリブンギヤ46の中央カラー部46aは、メイン軸32の右側部上に、ニードルベアリングを介して相対回転可能に支持されている。リヤバランサドリブンギヤ46は、メイン軸32の軸方向で、右メイン軸ベアリング32arとプライマリドリブンギヤ39との間に配置されている。リヤバランサドリブンギヤ46は、プライマリドリブンギヤ39よりも小径であり、プライマリドリブンギヤ39よりも速く回転される。リヤバランサドリブンギヤ46は、プライマリドリブンギヤ39に対しても相対回転可能であり、一次減速機構39Aの減速比とは独立して、リヤバランサ45をクランク軸21と同周期で回転可能である。
フロントバランサ41は、クランク軸21よりも前方に配置されている。フロントバランサ41の回転中心軸線(軸心)C5は、クランク軸21の回転中心軸線(軸心)C1よりもやや下方に配置されている。
リヤバランサ45は、クランク軸21よりも後方に配置されている。リヤバランサ45の回転中心軸線(軸心)C6は、クランク軸線(軸心)C1よりもやや上方に配置されている。
<パルサーリング>
図10は、クランク軸21のクランクウェブ21b(左右クランクウェブ21bl,21brを含む)およりパルサーリング51を軸方向から見た模式図である。
クランクウェブ21bは、クランクピン21aの左右端部を支持するクランクアーム21fと、クランク径方向でクランクアーム21fと反対側の領域に張り出すカウンタウェイト21gと、を一体に備えている。
パルサーリング51は、円板状のクランクウェブ21bよりも小径でかつ薄い円板状の環状体51aと、環状体51aの外周縁から放射方向に延びる複数のリラクター51bと、を備えている。各リラクター51bは、環状体51aの外周部に一体形成された突起であり、クランクウェブ21bの外周縁よりも径方向外側に突出している。パルサーリング51は、炭素鋼その他の鋼材(磁性体)から形成されている。パルサーリング51は、軸線C1と直交する平板状をなし、複数のリラクター51bは、軸線C1中心の周方向に沿って一列に並んでいる。
複数のリラクター51bは、パルサーリング51の外周部において、周方向で等間隔(例えば軸線C1中心の角度で10度毎)に配列されている。パルサーリング51の外周部において、周方向の一部には、予め定めた周方向範囲でリラクター51bを除去したリラクター欠如域52が設けられている。すなわち、複数のリラクター51bは、パルサーリング51の周方向でリラクター欠如域を除く範囲において、周方向で等間隔に配列されている。リラクター欠如域52の周方向幅(リラクター欠如域52を挟んで隣り合う(リラクター欠如域52両側の)一対のリラクター51bの間隔)は、リラクター欠如域52を除く範囲で等間隔に並ぶリラクター51bの間隔の整数倍に設定されている。
エンジン13において、燃焼室での燃焼に応じてクランク軸21が回転すると、パルサーリング51もクランク軸21と一体に回転する。このとき、ピストン24の往復動を回転動に変換するために、クランク軸21にはピストン24の往復動に応じた振動および撓みが生じる。この振動および撓みは、左右クランクベアリング26l,26rに支持された左右ジャーナル21cl,21crでは抑制される。このため、右ジャーナル21crに隣接する右クランクウェブ21brのジャーナル側の外側面にパルサーリング51を取り付けることで、パルサーリング51の振動および撓みが抑えられる。これにより、クランク軸21の振動および撓みの影響を低減した状態で、クランク軸21の回転を精度よく検出可能となる。
パルサーリング51の外周部におけるリラクター欠如域52を除く範囲では、リラクター51bが周方向で等間隔に配列されている。右クランクウェブ21brは、パルサーリング51の環状体51aよりも大径の円板形状であり、この右クランクウェブ21brの外周面よりも径方向外側に、リラクター51bの先端側が突出している。このリラクター51bの先端面に対し、パルサーセンサ55先端の検知部56が径方向外側から対向配置されている。パルサーセンサ55は、検知対象であるリラクター51bの有無に応じて、周期的に磁性を変化させてパルス信号を生成する。
すなわち、パルサーセンサ55は、クランク軸21の回転に応じたパルス信号を生成する。パルサーセンサ55の検出結果(パルス信号)は、エンジン13の制御装置であるECU(Engine Control Unit)に送られる。例えば、ECUは、予め設定されたサイクル数の間でクランク軸21の回転数の変化量(角速度の変化量)が閾値を超えた場合に、エンジン13の失火を推測する。
パルサーリング51は、リラクター欠如域52ではリラクター51bが存在しないことから、パルサーセンサ55が生成するパルス信号の周期が変化する。これにより、クランク軸21の回転位置ひいてはエンジン13の行程が検知される。
なお、クランクウェブ21bは、円板状に限らず、クランクアーム21fの周方向両側を削ぎ落とした形状としてもよい。
<パルサーセンサ>
図4に示すように、パルサーセンサ55は、クランクケース22に穿たれるセンサ差し込み孔61に差し込まれて、クランクケース22に取り付けられている。パルサーセンサ55は、例えばGMR(Giant Magneto Resistance)といった磁気抵抗効果素子を用いた回転センサで構成されている。パルサーセンサ55は、車両上下方向(鉛直方向)に対して傾斜した姿勢で、クランクケース22に保持されている。パルサーセンサ55は、シリンダ部23の前方でクランクケース22の前上部に配置されている。
パルサーセンサ55は、磁性体を検知する先端をクランクケース22内に臨ませている。パルサーセンサ55は、最も感度の高い検出軸線(パルサーセンサ55の本体部の中心軸線に相当)55aをクランク軸線C1に指向させている。パルサーセンサ55は、リラクター51bの軌道上で検出される磁性体の有無に応じて、規定の電気信号を出力する。パルサーセンサ55は、クランク軸21の回転角度位置を特定するパルス信号を出力する。
図9を併せて参照し、クランクケース22の右半体22bの上面部22b2は、前下がりに傾斜している。右半体22bの前上部には、パルサーセンサ55を取り付けるためのセンサ取り付け座面62が形成されている。センサ取り付け座面62は、左右方向と平行な平面であり、上面部22b2よりもさらに前下がりに傾斜し、面直方向を前上方に向けている。センサ取り付け座面62は、円形のセンサ差し込み孔61の開口を囲む円環状をなしている。センサ差し込み孔61には、その中心軸線(取り付け座面62の面直方向に沿う軸線)C8に沿って、パルサーセンサ55の円柱状の本体部が挿入される。
図5、図7を参照し、パルサーセンサ55は、本体部の基端側に固定フランジ57を備えるとともに、外部ハーネスを接続するカプラ58を備えている。固定フランジ57は、本体部の中心軸線55aと直交する板状をなしている。固定フランジ57は、例えば周方向の一部を外周側に張り出させて締結部57aとしている。固定フランジ57は、本体部をセンサ差し込み孔61に挿入した状態(センサ取り付け状態)で、センサ取り付け座面62に当接する。この状態で、締結部57aがクランクケース22におけるネジ穴部にボルト57bによって締結されることで、パルサーセンサ55がクランクケース22に固定される。前記ネジ穴部は、センサ差し込み孔61と平行なネジ穴を有し、クランクケース22におけるセンサ取り付け座面62の例えば左側(車幅方向内側)に形成されている。
図4、図9を併せて参照し、センサ取り付け座面62は、クランク軸線C1の前上方に形成されている。センサ取り付け座面62は、側面視でフロントバランサ41の軸線C5を通る鉛直線T1と交差する位置に配置されている。センサ取り付け座面62は、クランクケース22の前端部を車体フレーム5に支持する前上ハンガー部49の右方に並んで配置されている。センサ取り付け座面62に取り付けられたパルサーセンサ55のクランクケース外側への突出部分(例えばカプラ58、以下、センサ突出部59という。)は、前上ハンガー部49の右方に並んで配置されている。センサ突出部59は、全体的に側面視で前上ハンガー部49と重なるように配置されている。センサ突出部59は、全体的に前上ハンガー部49の右方側に隠れるように配置されている。
前上ハンガー部49は、クランクケースの前上部に一体形成されたシリンダ基部23fの前端とバランサ収容部48の上端とに渡る範囲から前方へ、側面視三角形状をなして突出している。前上ハンガー部49は、車幅方向と直交する平坦状をなして前記側面視形状を形成する側壁部65と、側壁部65の下縁部に沿うように傾斜して側壁部65の下部から右方に起立する下壁部66と、を備えている。
図6、図8を併せて参照し、前上ハンガー部49の側面視形状の前端部は、車幅方向に沿うハンガーボルトB1を挿通するボス部66aとされている。下壁部66の側面視の傾斜は、例えば右半体22bの成型上の都合から、センサ差し込み孔61の軸線と平行をなしている。図中線CL1は左右半体22a,22bの分割線を示している。分割線CL1は、シリンダ軸線C2と同様、例えば車体左右中心に対して僅かにオフセットしているが、車体左右中心にあってもよい。前上ハンガー部49は、分割線CL1を左右に跨いで設けられている。
車体フレーム5のダウンチューブ7bの下部には、上下一対のフレーム側ボス部67が設けられている。上下フレーム側ボス部67は、車幅方向に沿う円筒状の鋼材からなる。上下フレーム側ボス67は、丸鋼管からなるダウンチューブ7bの下部を車幅方向に貫通した状態で、ダウンチューブ7bに溶接固定されている。上下フレーム側ボス部67の左右端面は、車幅方向と直交する平面状をなしている。上下フレーム側ボス部67の左右両側には、車幅方向と直交する平板状のハンガーブラケット68がそれぞれ配置される。左右ハンガーブラケット68は、上下フレーム側ボス67の左右端面に当接した状態で、左右ハンガーブラケット68および上下フレーム側ボス67を車幅方向に貫通する上下ボルトB2およびこれらに螺着する上下ナットN2によって、上下フレーム側ボス67に締結固定されている。
左右ハンガーブラケット68は、側面視三角形状をなしている。左右ハンガーブラケット68は、側面視形状の一辺側をダウンチューブ7bに沿わせるように配置されている。左右ハンガーブラケット68の前記一辺側の上下頂部は、上下フレーム側ボス部67に、前記上下ボルトB2およびナットN2によって締結固定されている。左右ハンガーブラケット68の後端側の頂部は、前上ハンガー部49のボス部66aに、左右ハンガーブラケット68およびボス部66aを車幅方向に貫通するハンガーボルトB1およびこれに螺着するナットN1によって締結固定されている。以下、ハンガーボルトB1およびナットN1、ならびに上下ボルトB2およびナットN2を、ダウンチューブ7bに前上ハンガー部49を結合するための締結部材69と称する。
センサ取り付け座面62は、前上ハンガー部49およびシリンダ基部23f等に囲まれた部位に配置されている。具体的に、センサ取り付け座面62の車幅方向内側には、前上ハンガー部49の側壁部65が配置され、センサ取り付け座面62の車両前後方向前方側には、前上ハンガー部49の下壁部66前側のボス部66aが配置され、センサ取り付け座面62の車両前後方向後方側には、シリンダ基部23fが配置され、センサ取り付け座面62の車両上下方向下方側には、前上ハンガー部49の下壁部66後側が配置されている。
センサ取り付け座面62は、ボス部66a(下壁部66)の右側面よりも右方に張り出しているが、ボス部66aの右側面には、ハンガーブラケット68および締結部材69が取り付けられ、これらハンガーブラケット68および締結部材69がセンサ取り付け座面62の右側部の前方に配置されている。下壁部66の下方には、下壁部66よりも車幅方向で幅広のバランサ収容部48が配置され、このバランサ収容部48の上面部48aがセンサ取り付け座面62の右側部の下方に配置されている。
したがって、センサ取り付け座面62上に突出するセンサ突出部59は、前上ハンガー部49、シリンダ基部23f、ハンガーブラケット68、締結部材69およびバランサ収容部48に囲まれることで、各方向からの外乱の影響が抑えられる。
以上説明したように、上記実施形態における車両用パワーユニットPUは、車体側(車体フレーム5)に支持されるクランクケース22と、前記クランクケース22に回転可能に収容されるクランク軸21と、リラクター51bを有して前記クランク軸21に取り付けられるパルサーリング51と、前記クランクケース22に取り付けられて前記リラクター51bに検知部56を対向させるパルサーセンサ55と、を備える車両用パワーユニットPUにおいて、前記クランクケース22は、前記パルサーセンサ55における前記クランクケース22の外側に突出するセンサ突出部59を囲う囲繞部(前上ハンガー部49等)を備えている。
この構成によれば、パルサーセンサ55のセンサ突出部59をクランクケース22に設けた囲繞部によって囲うことで、パルサーセンサ55のセンサ突出部59に外乱が至り難くすることができる。
なお、「車体側」とは、主に車体フレーム5であるが、これに限らず、パワーユニットPUを除く車体構成部品全般を含む。例えば、車体フレーム5に連結されるサブフレーム、固定部材および可動部材であってもよい。
また、「〜側から囲う」とは、「〜側」から見たときに、センサ突出部59の手前に対象部位の少なくとも一部が重なることの意である。重なる範囲が多ければ、「〜側から遮蔽する」、「〜側から覆う」ともいえる。
上記実施形態における車両用パワーユニットPUにおいて、前記クランクケース22は、前記クランクケース22を前記車体側に支持可能とする前上ハンガー部49を備え、前記前上ハンガー部49は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部59を少なくとも車幅方向一側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサ55のセンサ突出部59の少なくとも車幅方向一側をクランクケース22に設けた前上ハンガー部49によって囲うことで、前上ハンガー部49を利用して、パルサーセンサ55のセンサ突出部59に車幅方向一側から外乱が至り難くすることができる。
上記実施形態における車両用パワーユニットPUにおいて、前記車体側と前記前上ハンガー部49とを結合するハンガーブラケット68および締結部材69を備え、前記ハンガーブラケット68および締結部材69は、前記囲繞部に含まれ、前記前上ハンガー部49と協働して、前記センサ突出部59を車両前方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサ55のセンサ突出部59の車両前方側を前上ハンガー部49、ハンガーブラケット68および締結部材69によって囲うことで、前上ハンガー部49、ハンガーブラケット68および締結部材69を利用して、パルサーセンサ55のセンサ突出部59に車両前方側から外乱が至り難くすることができる。
上記実施形態における車両用パワーユニットPUにおいて、前記前上ハンガー部49は、前記センサ突出部59の車幅方向一側に起立する側壁部65と、前記側壁部65の車両前方側から車幅方向他側に突出して前記センサ突出部59の車両前方側に配置されるボス部66aと、を有し、前記側壁部65は、前記センサ突出部59を車幅方向一側から囲い、前記ボス部66aは、前記センサ突出部59を車両前方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサ55のセンサ突出部59の車幅方向一側を前上ハンガー部49の側壁部65によって囲い、ケース側突出部の車両前方側を前上ハンガー部49のボス部66aによって囲うことで、前上ハンガー部49を利用して、パルサーセンサ55のセンサ突出部59に車幅方向一側および車両前方側から外乱が至り難くすることができる。
上記実施形態における車両用パワーユニットPUにおいて、前記クランクケース22は、前端部から車両前方側に膨出して内部にフロントバランサ41を収容するバランサ収容部48を備え、前記バランサ収容部48は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部59を車両下方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサ55のセンサ突出部59をバランサ収容部48によって車両下方側から囲うことで、バランサ収容部48を利用して、パルサーセンサ55のセンサ突出部59に車両下方側から外乱が至り難くすることができる。
上記実施形態における車両用パワーユニットPUにおいて、前記クランクケース22から車両上方側に起立するシリンダ部23を備え、前記シリンダ部23は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部59を車両後方側から囲っている。
この構成によれば、パルサーセンサ55のセンサ突出部59をシリンダ部23によって車両後方側から囲うことで、パルサーセンサ55のセンサ突出部59に車両後方から外乱が至り難くすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、実施例は直立単気筒エンジンだが、シリンダ部23を前方に向けて略水平に配置したエンジン、並列二気筒エンジン等の複数気筒エンジン、クランク軸を車両前後方向に沿わせた縦置きエンジン等、各種形式のレシプロエンジンに適用してもよい。また水冷式エンジンに適用してもよい。
本発明を適用する車両には、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車
5 車体フレーム(車体側)
21 クランク軸
22 クランクケース
23 シリンダ部(シリンダ、囲繞部)
41 フロントバランサ(バランサ)
48 バランサ収容部(囲繞部)
49 前上ハンガー部(ハンガー部、囲繞部)
51 パルサーリング
51b リラクター
55 パルサーセンサ
56 検知部
59 センサ突出部
65 側壁部
66a ボス部
68 ハンガーブラケット
69 締結部材
PU パワーユニット(車両用パワーユニット)

Claims (6)

  1. 車体側(5)に支持されるクランクケース(22)と、
    前記クランクケース(22)に回転可能に収容されるクランク軸(21)と、
    リラクター(51b)を有して前記クランク軸(21)に取り付けられるパルサーリング(51)と、
    前記クランクケース(22)に取り付けられて前記リラクター(51b)に検知部(56)を対向させるパルサーセンサ(55)と、を備える車両用パワーユニット(PU)において、
    前記クランクケース(22)は、前記パルサーセンサ(55)における前記クランクケース(22)の外側に突出するセンサ突出部(59)を囲う囲繞部(23,48,49,68,69)を備え、
    前記クランクケース(22)は、前端部から車両前方側に膨出して内部にバランサ(41)を収容するバランサ収容部(48)を備え、
    前記バランサ収容部(48)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を車両下方側から囲っている車両用パワーユニット。
  2. 前記クランクケース(22)は、前記クランクケース(22)を前記車体側(5)に支持可能とするハンガー部(49)を備え、
    前記ハンガー部(49)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を少なくとも車幅方向一側から囲っている請求項1に記載の車両用パワーユニット。
  3. 前記車体側(5)と前記ハンガー部(49)とを結合するハンガーブラケット(68)および締結部材(69)を備え、
    前記ハンガーブラケット(68)および締結部材(69)は、前記囲繞部に含まれ、前記ハンガー部(49)と協働して、前記センサ突出部(59)を車両前方側から囲っている請求項2に記載の車両用パワーユニット。
  4. 車体側(5)に支持されるクランクケース(22)と、
    前記クランクケース(22)に回転可能に収容されるクランク軸(21)と、
    リラクター(51b)を有して前記クランク軸(21)に取り付けられるパルサーリング(51)と、
    前記クランクケース(22)に取り付けられて前記リラクター(51b)に検知部(56)を対向させるパルサーセンサ(55)と、を備える車両用パワーユニット(PU)において、
    前記クランクケース(22)は、前記パルサーセンサ(55)における前記クランクケース(22)の外側に突出するセンサ突出部(59)を囲う囲繞部(23,48,49,68,69)を備え、
    前記クランクケース(22)は、前記クランクケース(22)を前記車体側(5)に支持可能とするハンガー部(49)を備え、
    前記ハンガー部(49)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を少なくとも車幅方向一側から囲っており、
    前記ハンガー部(49)は、前記センサ突出部(59)の車幅方向一側に起立する側壁部(65)と、前記側壁部(65)の車両前方側から車幅方向他側に突出して前記センサ突出部(59)の車両前方側に配置されるボス部(66a)と、を有し、
    前記側壁部(65)は、前記センサ突出部(59)を車幅方向一側から囲い、前記ボス部(66a)は、前記センサ突出部(59)を車両前方側から囲っている車両用パワーユニット。
  5. 前記車体側(5)と前記ハンガー部(49)とを結合するハンガーブラケット(68)および締結部材(69)を備え、
    前記ハンガーブラケット(68)および締結部材(69)は、前記囲繞部に含まれ、前記ハンガー部(49)と協働して、前記センサ突出部(59)を車両前方側から囲っている請求項4に記載の車両用パワーユニット。
  6. 前記クランクケース(22)から車両上方側に起立するシリンダ(23)を備え、
    前記シリンダ(23)は、前記囲繞部に含まれ、前記センサ突出部(59)を車両後方側から囲っている請求項1から5の何れか一項に記載の車両用パワーユニット。
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