JP2021182948A - 内視鏡の接着構造 - Google Patents

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Naohiro Kageyama
崇晴 藤井
Takaharu Fujii
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Abstract

【課題】軸の外周に筒状体を嵌合させた状態において、軸の外周に接着剤が漏れなく均一に残留する構成を具備する内視鏡の接着構造を提供する。【解決手段】第1の外径部分51aと、第2の外径部分51bとを有し、第2の外径部分51bが、第1の長さAを有する先端硬質部材50と、筒状体60と、第1の長さA以上の第2の長さBを有する第1の内径部分61と、第1の内径部分61よりも小径な第2の内径部分62と、外周51gと内周60nとの間に充填された接着剤70と、を具備し、第2の外径部分51bは、基端側N2に向かうに従い、外周51gの外径が小さくなるよう形成されており、筒状体60は、先端側N1に押圧された状態において外周51gに嵌合されている。【選択図】図2

Description

本発明は、軸の外周に筒状体が接着されて嵌合された内視鏡の接着構造に関する。
近年、内視鏡は、医療分野及び工業用分野において広く利用されている。医療分野において用いられる内視鏡は、細長い挿入部を被検体となる体腔内に挿入することにより、体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて内視鏡が具備する処置具の挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をしたりすることができる。
また、工業用分野において用いられる内視鏡は、内視鏡の細長い挿入部をジェットエンジン内や、工場の配管等の被検体内に挿入することによって、被検体内の被検部位の傷及び腐蝕等の観察や各種処置等の検査を行うことができる。
また、内視鏡においては、柔軟な挿入部を有する、所謂軟性鏡と、硬質な挿入部を有する、所謂硬性鏡が周知である。
ここで、硬性鏡においては、挿入部が、筒状体における長手方向の先端に、軸である先端硬質部材が接着固定された構成が周知である。
尚、先端硬質部材には、既知のライトガイドの長手方向の先端や、対物レンズユニットを含む撮像ユニットまたは挿入部内に設けられるリレーレンズの長手方向の先端等が固定されている。
具体的には、先端硬質部材は、筒状体の長手方向の先端開口から筒状体内に嵌入される嵌入部位と、筒状体の先端開口を塞ぐ閉塞部材とから構成されている。
嵌入部位の外周と筒状体の内周との間に充填された接着剤、及び筒状体の長手方向の先端と、閉塞部材における筒状体の長手方向の先端への対向部位との間に充填された接着剤により、先端硬質部材が筒状体に接着固定される。
また、先端硬質部材を、筒状体に接着固定する際、嵌入部位の外周に接着剤が塗布された状態において、嵌入部位の外周に筒状体の長手方向の先端側を嵌合させていく手法が用いられる。
ところが、この際、接着剤が閉塞部材の対向部位と筒状体における長手方向の先端との間に留まらず、該間から外部に流れ出てしまい、嵌入部位の外周に接着剤が均一に残らない場合があった。
これは、接着剤に内視鏡に対して行う既知のオートクレーブ滅菌処理に耐え得る粘度の高い、例えばエポキシ系接着剤を用いているため、塗布した接着剤が広がり難いことにも起因している。
この場合、内視鏡に、オートクレーブ滅菌処理を行った際、先端硬質部材の嵌入部位の外周における接着剤が不均一に塗布された箇所から蒸気が筒状体内に進入してしまう可能性があった。即ち、所謂接着剤による水密機能を破壊してしまう可能性があり、撮像ユニットを破壊してしまう場合があった。
このような事情に鑑み、特許文献1には、先端硬質部材の嵌入部位の外周に、長手方向の後方に向かうに従い段階的に小径となるよう段差部が設けられるともに、筒状体の長手方向の先端側の内周に、接着剤押し込み用の周状の段差が設けられた構成が開示されている。
その結果、筒状体の内周において周状に形成された段差により、接着剤を長手方向の先端側に均一に押し込むことができるとともに、嵌入部位の外周に形成された段差部により、嵌入部位の外周における小径な側へと押し込んだ接着剤が逃げる。このことから、嵌入部位の外周に均一に接着剤を残すことができる。
特開2011−200397号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成においては、筒状体の長手方向の先端から段差までの長手方向の長さが、嵌入部位の長手方向の長さよりも短く形成されている。このため、筒状体の段差で押し込んだ際、押し込み直後に、従来と同様に、筒状体における長手方向の先端から接着剤が漏れてしまう可能性があった。
本発明は、上記事情及び問題点に鑑みなされたものであり、軸の外周に筒状体を嵌合させた状態において、軸の外周に接着剤が漏れなく均一に残留する構成を具備する内視鏡の接着構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の一態様における内視鏡の接着構造は、外周における第1の位置に形成された第1の外径部分と、前記外周における第2の位置に形成されるとともに前記第1の外径部分よりも小さい第2の外径部分とを有し、前記第2の外径部分が、長手方向に第1の長さを有する軸と、前記軸の前記外周に前記長手方向に沿って遊嵌状態にて嵌合される筒状体と、前記筒状体の内周において前記長手方向の一方側に形成された、前記第1の外径部分よりも大径であるとともに、前記長手方向に前記第1の長さ以上の第2の長さを有する第1の内径部分と、前記筒状体の前記内周において前記長手方向の他方側に前記第1の内径部分に連続して形成された、前記第1の内径部分よりも小径な第2の内径部分と、前記軸の前記外周と前記筒状体の前記内周との間に充填された接着剤と、を具備し、前記第2の外径部分は、前記第1の外径部分と反対の方向に向かうに従い、前記外周の外径が小さくなるよう形成されており、前記筒状体は、前記第1の内径部分側から、前記第2の位置を通過して前記第1の位置へと向かうよう前記一方側に押圧された状態において前記軸の前記外周に嵌合されている。
本発明によれば、軸の外周に筒状体を嵌合させた状態において、軸の外周に接着剤が漏れなく均一に残留する構成を具備する内視鏡の接着構造を提供することができる。
第1実施の形態の接着構造を有する内視鏡の構成の概略を示す斜視図 図1の先端部におけるII線で囲った部位の接着構造の概略を示す部分断面図 組立工程において、図2の先端硬質部材の嵌入部の外周に、筒状体を嵌合していく際の途中過程を示す部分断面図 図2の先端硬質部材の嵌入部の外周形状の変形例を示す部分断面図 第2実施の形態の内視鏡の接着構造の概略を示す部分断面図 第3実施の形態の内視鏡の接着構造の概略を示す部分断面図 図6中のVII-VII線に沿う先端硬質部材の断面図 図6中のVIII-VIII線に沿う筒状体の断面図 第4実施の形態の内視鏡の接着構造の概略を示す部分断面図 図9中のX-X線に沿う先端硬質部材の断面図 図9中のXI-XI線に沿う筒状体の断面図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態の接着構造を有する内視鏡の構成の概略を示す斜視図である。
図1に示すように、内視鏡1は、被検体内に挿入される細長な挿入部2と、操作部4と、ユニバーサルケーブル30と、コネクタ32とを具備して主要部が構成されている。
挿入部2は、長手方向Nの先端側から順に、先端部10と、複数方向に湾曲自在な湾曲部12と、挿入部2の長手方向Nに長尺かつ硬性なパイプ部14とを具備して主要部が構成されている。即ち、本実施の形態における内視鏡1は、硬質な挿入部2を具備する硬性鏡から構成されている。
操作部4は、パイプ部14の長手方向Nの基端に連設されている。操作部4に、湾曲部12を、上下方向に湾曲操作するとともに回動自在な操作レバー18と、湾曲部12を左右方向に湾曲操作するとともに回動自在な操作レバー20とが設けられている。
また、操作部4に、操作レバー18の回動位置を固定する固定レバー22が設けられている。尚、図示しないが、操作部4に、操作レバー20の回動位置を固定する固定レバーも設けられている。
さらに、操作部4は、操作者によって把持されるグリップ24を有しており、グリップ24に、リモートスイッチ26が設けられている。リモートスイッチ26は、コネクタ32が接続される各種機器を遠隔操作するものである。
ユニバーサルケーブル30は、操作部4から延出されており、延出端にコネクタ32が設けられている。
コネクタ32に、図示しないライトガイドの接続端部32aが突設されている。また、コネクタ32からカメラケーブル34が延出されている。
カメラケーブル34の延出端に、カメラコネクタ36が設けられている。カメラコネクタ36は、図示しない撮像ユニットによって撮像された被検体内の光学像を信号処理する図示しないカメラコントロールユニットに接続される。尚、カメラコントロールユニットは、いずれも図示しない光学像を画像表示するモニタや、映像記録装置等に接続されている。
さらに、コネクタ32に、通気口金38が設けられている。通常、内視鏡1は水密構造を有しているが、通気口金38を開くことにより、内視鏡1の内部は、外部と連通される。即ち、通気口金38によって、内視鏡1内外の連通状態を選択することができ、内視鏡1の水漏れ検査を行うことができる。
次に、図1の先端部における接着構造を、図2、図3を用いて説明する。図2は、図1の先端部におけるII線で囲った部位の接着構造の概略を示す部分断面図、図3は、組立工程において、図2の先端硬質部材の嵌入部の外周に、筒状体を嵌合していく際の途中過程を示す部分断面図である。
図2、図3に示すように、先端部10は、該先端部10の外装を構成する筒状体60が、軸である先端硬質部材50に接着固定されることにより構成されている。
尚、先端硬質部材50には、図示しない挿入部2、操作部4、ユニバーサルケーブル30、コネクタ32内に挿通されたライトガイドの長手方向Nの先端や、先端部10内に設けられる図示しない対物レンズユニットを含む撮像ユニット等が固定されている。
また、先端硬質部材50及び筒状体60は、それぞれ金属から構成されていても良いし、既知のオートクレーブ滅菌処理に耐えうる樹脂からそれぞれ構成されていても構わない。
さらに、先端硬質部材50は、嵌入部51と、閉塞部材52とから主要部が構成されている。
嵌入部51は、外周51gにおける第1の位置に形成された外径K1を有する第1の外径部分51aと、外周51gにおける第2の位置に形成されるとともに第1の外径部分51aよりも小さい第2の外径部分51bとを有している。
尚、外周51gにおける第1の位置と第2の位置とは、挿入部2の長手方向Nに一致する先端硬質部材50の長手方向Nに沿って設けられており、第1の位置は、第2の位置よりも長手方向Nの一方側となる先端側N1に位置している。
第2の外径部分51bは、長手方向Nに第1の長さAを有している。また、第2の外径部分51bは、第1の外径部分51aよりも小径に形成されている。
具体的には、第2の外径部分51bは、長手方向Nにおいて、第1の外径部分51aと反対の方向となる他方側である基端側N2に向かうに従い、外周51gの外径が連続的に小さくなるよう形成されている。即ち、第2の外径部分51bの外周51gは、長手方向Nの基端側N2に向かうに従い連続的に小径となっていく傾斜面に形成されている。
また、嵌入部51における第1の外径部分51aの長手方向Nの先端に、先端硬質部材50の外周51gに筒状体60が嵌合された際、筒状体60の後述する第1の内径部分61における先端側N1の開口61aを塞ぐ閉塞部材52が設けられている。尚、閉塞部材52は、第1の外径部分51aよりも大径かつ、筒状体60と略同径を有している。
筒状体60は、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gに長手方向Nに沿って遊嵌状態で嵌合されるものであり、第1の内径部分61と、第2の内径部分62とを有している。
第1の内径部分61は、筒状体60の内周60nにおいて、先端側N1に形成されており、第1の外径部分51aよりも大径であるとともに(K3>K1)、長手方向Nに第1の長さA以上の第2の長さB(B≧A)を有している。尚、第2の長さBは、嵌入部51の長さ以下に設定されている。
第2の内径部分62は、筒状体60の内周60nにおいて、基端側N2に第1の内径部分61に連続して形成されており、第1の内径部分61よりも小径に形成されている(K4<K3)。
よって、筒状体60の内周60nにおいて、長手方向Nにおける第1の内径部分61と第2の内径部分62との間に、第2の内径部分62が第1の内径部分61よりも小径に形成されていることに起因して、段差65が周状に形成されている。
ここで、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gと、筒状体60の内周60nとの間に、接着剤70が充填されている。この接着剤70により、外周51gに、筒状体60が接着固定される。
具体的には、図2に示すように、第1の内径部分61が、第1の外径部分51a及び第2の外径部分51bを被覆した状態で、外周51gと第1の内径部分61の内周との間、及び閉塞部材52の長手方向Nの基端側N2の面52tと、第1の内径部分61の長手方向Nの先端側N1の先端面61sとの間に充填された接着剤70により、外周51gに、筒状体60が接着固定される。
尚、筒状体60は、嵌入部51の外周51gに嵌合される際、外周51gに接着剤70が周状にまんべんなく塗布された状態において、第1の内径部分61側から、即ち開口61a側から、上述した外周51gにおける第2の位置を通過して第1の位置へと長手方向Nの先端側N1に向けて押圧されることにより、嵌入部51の外周51gに嵌合される。
この押圧の際、段差65により先端側N1への押し込み圧力が増された状態によって、外周51gに塗布された接着剤70は、先端側N1に向かって押圧される。
ここで、上述したように、外周51gにおける第2の外径部分51bが基端側N2に向かうに従い外径が連続的に小さくなるよう形成されている。さらに、第1の内径部分61は、長手方向Nに第2の外径部分51bの第1の長さA以上の第2の長さB(B≧A)を有しているとともに、嵌入部51の長さ以下に設定されている。
よって、第1の内径部分61と第2の外径部分51bとの間には、長手方向Nに沿って大きな空間Wが形成されていることから、押し込みに際し、接着剤70は、閉塞部材52の面52tと、第1の内径部分61の先端面61sとの間には留まるものの、殆ど該間から外部に漏れ出ることなく、空間Wにおいて外周51gに沿って基端側N2へと流れていく。よって、外周51gに接着剤70が均一に残留する。
以上から、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gに筒状体60を嵌合させた状態において、外周51gに接着剤70が漏れなく均一に残留する構成を具備する内視鏡1の接着構造を提供することができる。
尚、以下、変形例を、図4を用いて示す。図4は、図2の先端硬質部材の嵌入部の外周形状の変形例を示す部分断面図である。
上述した本実施の形態においては、第2の外径部分51bは、基端側N2に向かうに従い、外周51gの外径が連続的に小さくなるよう形成されている。即ち、第2の外径部分51bの外周51gは、基端側N2に向かうに従い連続的に小径となっていく傾斜面に形成されていると示した。
これに限らず、図4に示すように、第2の外径部分51bは、基端側N2に向かうに従い、外周51gの外径が段階的に小さくなるよう形成されていても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第2実施の形態)
図5は、本実施の形態の内視鏡の接着構造の概略を示す部分断面図である。
この第2実施の形態の内視鏡の接着構造は、上述した図1〜図3に示した第1実施の形態の内視鏡の接着構造と比して、筒状体の第2の内径部分が、長手方向に移動自在なリングから構成されており、リングが付勢部材により長手方向の先端側に押圧される点が異なる。
よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、本実施の形態においては、第2の内径部分62は、筒状体60の内周60nにおいて長手方向Nに移動自在なリング62dに構成されている。
リング62dは、付勢部材である圧縮バネ(以下、単にバネと称す)80によって、先端側N1に押圧されている。尚、バネ80は、基端側N2が内周60nに固定され、先端側N1がリング62dに固定されている。また、リング62dの先端側N1への押し出し強さは、バネ80の強度を変えることによって自由に設定可能となっている。
尚、その他の構成は、上述した第1実施の形態と同じである。
このような構成によれば、リング62dに形成された段差65は、外周51gに塗布された接着剤70をバネ80の付勢によって確実に先端側N1に押し出す。このことから、仮に接着剤70に、粘度のより高い接着剤を用いたとしても、上述した第1実施形態よりも確実に先端側N1に押し伸ばすことができる。よって、粘度が高い接着剤70であっても、外周51gに漏れなく均一に残留させることができる。尚、その他の効果は、上述した第1実施の形態と同じである。
(第3実施の形態)
図6は、本実施の形態の内視鏡の接着構造の概略を示す部分断面図、図7は、図6中のVII-VII線に沿う先端硬質部材の断面図、図8は、図6中のVIII-VIII線に沿う筒状体の断面図である。
この第3実施の形態の内視鏡の接着構造は、上述した図1〜図3に示した第1実施の形態の内視鏡の接着構造と比して、先端硬質部材の嵌入部の外周に、筒状体の内周に設けられた突起が嵌入される溝が長手方向に沿って形成されている点が異なる。
よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、先端部10は、先端部10の外装を構成する筒状体60が、軸である先端硬質部材50に接着固定されることにより構成されている。
尚、先端硬質部材50には、図示しない挿入部2、操作部4、ユニバーサルケーブル30、コネクタ32内に挿通されたライトガイドの長手方向Nの先端や、先端部10内に設けられる図示しない対物レンズユニットを含む撮像ユニット等が固定されている。
また、先端硬質部材50、筒状体60は、金属から構成されていても良いし、既知のオートクレーブ滅菌処理に耐えうる樹脂から構成されていても構わない。
さらに、先端硬質部材50は、嵌入部51と、閉塞部材52とから主要部が構成されている。
嵌入部51は、外周51gの径が一定を有して長手方向Nに沿って所定の長さに形成されている。
また、嵌入部51の外周51gにおいて、例えば90°毎に、長手方向Nに沿って溝51hが形成されている。
溝51hには、外周51gに塗布された接着剤70が嵌入される他、嵌入部51の外周51gに、筒状体60を嵌合させる際、後述する突起62tが嵌入される。
尚、図7においては、溝51hの断面は、三角状を例に挙げて示したが、その他の断面形状でも良いことは云うまでもない。また、溝51hの本数も4本に限定されない。
また、嵌入部51の長手方向Nの先端に、嵌入部51の外周51gに筒状体60が嵌合された際、筒状体60の後述する第1の内径部分61における先端側N1の開口61aを塞ぐ閉塞部材52が設けられている。尚、閉塞部材52は、嵌入部51よりも大径かつ、筒状体60と略同径を有している。
筒状体60は、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gに長手方向Nに沿って遊嵌状態で嵌合されるものであり、第1の内径部分61と、第2の内径部分62とを有している。
第1の内径部分61は、筒状体60の内周60nにおいて、先端側N1に形成されており、嵌入部よりも大径である(K3>K1)。
図8に示すように、第2の内径部分62は、筒状体60の内周60nにおいて、基端側N2に第1の内径部分61に連続して形成されており、第1の内径部分61よりも小径に形成されている(K4<K3)とともに、内周60nにおいて、例えば45°毎に、長手方向Nに沿って形成された突起62tから構成されている。
突起62tは、嵌入部51の外周51gに、筒状体60を嵌合させる際、溝51hにそれぞれ嵌入される。
尚、図8においては、突起62tの断面は、三角状を例に挙げて示したが、その他の断面形状でも良いことは云うまでもない。また、突起62tの本数も4本に限定されない。
よって、筒状体60の内周60nにおいて、長手方向Nにおける第1の内径部分61と第2の内径部分62との間に、第2の内径部分62が第1の内径部分61よりも小径に形成されていることに起因して、段差65が突起62t毎に形成されている。
ここで、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gと、筒状体60の内周60nとの間に、接着剤70が充填されている。この接着剤70により、外周51gに、筒状体60が接着固定される。
具体的には、図6に示すように、第1の内径部分61が、嵌入部51を被覆した状態で、外周51gと第1の内径部分61の内周との間、及び閉塞部材52の長手方向Nの基端側N2の面52tと、第1の内径部分61の長手方向Nの先端側N1の先端面61sとの間に充填された接着剤70により、外周51gに、筒状体60が接着固定される。
尚、筒状体60は、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gに嵌合される際、各溝51hに接着剤70が塗布された状態において、第1の内径部分61側から、即ち開口61a側から、長手方向Nの先端側N1に向けて押圧されることにより、先端硬質部材50の外周51gに嵌合される。
この押圧の際、段差65により押し込み圧力が増された状態によって、各溝51hに塗布された接着剤70は、先端側N1に向かって押圧される。
この押圧に伴い、溝51h内の接着剤70は、嵌入部51の外周51g方向に押し出される。
よって、筒状体60の押し込みに際し、接着剤70は、閉塞部材52の面52tと、第1の内径部分61の先端面61sとの間には留まるものの、殆ど該間から外部に漏れ出ることなく、外周51g方向に沿って流れていく。よって、外周51gに接着剤70が均一に残留する。
以上から、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gに筒状体60を嵌合させた状態において、外周51gに接着剤70が漏れなく均一に残留する構成を具備する内視鏡1の接着構造を提供することができる。
尚、本実施の形態においても、上述した第2実施の形態が適用可能である。即ち、長手方向Nに沿って内周60nを移動自在な各突起62tを、バネを用いて先端側N1に押圧しても良い。
(第4実施の形態)
図9は、本実施の形態の内視鏡の接着構造の概略を示す部分断面図、図10は、図9中のX-X線に沿う先端硬質部材の断面図、図11は、図9中のXI-XI線に沿う筒状体の断面図である。
この第4実施の形態の内視鏡の接着構造は、上述した図6〜図8に示した第3実施の形態の内視鏡の接着構造と比して、先端硬質部材の嵌入部の外周に、筒状体の内周に設けられた突起が嵌入される溝が長手方向に加え外周方向に沿って形成されている点が異なる。
よって、この相違点のみを説明し、第3実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図9に示すように、嵌入部51の外周51gにおいて、例えば90°毎に、長手方向Nに沿って溝51hが形成されているとともに、外周51gに沿った方向に、各溝51hを外周51gに沿った方向に繋ぐよう周溝51jが形成されている。
尚、図10においては、溝51hの断面は、矩形上を例に挙げて示したが、その他の断面形状でも良いことは云うまでもない。また、溝51hの本数も4本に限定されない。
図11に示すように、第2の内径部分62は、内周60nにおいて、例えば90°毎に、長手方向Nに沿って形成された突起62tから構成されている。
突起62tは、嵌入部51の外周51gに、筒状体60を嵌合させる際、溝51hにそれぞれ嵌入される。
尚、図11においては、突起62tの断面は、矩形状を例に挙げて示したが、その他の断面形状でも良いことは云うまでもない。また、突起62tの本数も4本に限定されない。
ここで、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gと、筒状体60の内周60nとの間に、接着剤70が充填されている。この接着剤70により、外周51gに、筒状体60が接着固定される。
具体的には、図9に示すように、第1の内径部分61が、嵌入部51を被覆した状態で、外周51gと第1の内径部分61の内周との間、及び閉塞部材52の長手方向Nの基端側N2の面52tと、第1の内径部分61の先端側N1の先端面61sとの間に充填された接着剤70により、外周51gに、筒状体60が接着固定される。
尚、筒状体60は、先端硬質部材50の嵌入部51の外周51gに嵌合される際、各溝51hに接着剤70が塗布された状態において、第1の内径部分61側から、即ち開口61a側から、長手方向Nの先端側N1に向けて押圧されることにより、先端硬質部材50の外周51gに嵌合される。
この押圧の際、段差65により押し込み圧力が増された状態によって、各溝51hに塗布された接着剤70は、先端側N1に向かって押圧される。
この押圧に伴い、溝51h内の接着剤70は、嵌入部51の外周51g方向に押し出される。
よって、筒状体60の押し込みに際し、接着剤70は、閉塞部材52の面52tと、第1の内径部分61の先端面61sとの間には留まるものの、殆ど該間から外部に漏れ出ることなく、周溝51jを含めて外周51g方向に沿って流れていく。
よって、第3実施の形態よりもより外周51gに沿った方向に接着剤70が周りやすくなることから、より外周51gに接着剤70が均一に残留しやすくなる。
尚、その他の効果も、上述した第3実施の形態と同じである。
また、本実施の形態においても、上述した第2実施の形態が適用可能である。即ち、長手方向Nに沿って内周60nを移動自在な各突起62tを、バネを用いて先端側N1に押圧しても良い。
50…先端硬質部材(軸)
50g…外周
51a…第1の外径部分
51b…第2の外径部分
52…閉塞部材
60…筒状体
60n…内周
61…第1の内径部分
61a…開口
62…第2の内径部分
62d…リング
70…接着剤
A…第1の長さ
B…第2の長さ
N…長手方向
N1…先端側(一方側)
N2…基端側(他方側)(第1の外径部分と反対の方向)

Claims (5)

  1. 外周における第1の位置に形成された第1の外径部分と、前記外周における第2の位置に形成されるとともに前記第1の外径部分よりも小さい第2の外径部分とを有し、前記第2の外径部分が、長手方向に第1の長さを有する軸と、
    前記軸の前記外周に前記長手方向に沿って遊嵌状態にて嵌合される筒状体と、
    前記筒状体の内周において前記長手方向の一方側に形成された、前記第1の外径部分よりも大径であるとともに、前記長手方向に前記第1の長さ以上の第2の長さを有する第1の内径部分と、
    前記筒状体の前記内周において前記長手方向の他方側に前記第1の内径部分に連続して形成された、前記第1の内径部分よりも小径な第2の内径部分と、
    前記軸の前記外周と前記筒状体の前記内周との間に充填された接着剤と、
    を具備し、
    前記第2の外径部分は、前記第1の外径部分と反対の方向に向かうに従い、前記外周の外径が小さくなるよう形成されており、
    前記筒状体は、前記第1の内径部分側から、前記第2の位置を通過して前記第1の位置へと向かうよう前記一方側に押圧された状態において前記軸の前記外周に嵌合されていることを特徴とする内視鏡の接着構造。
  2. 前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記長手方向に沿って設けられており、
    前記第2の外径部分は、前記長手方向において、前記第1の外径部分と反対の方向となる前記他方側に向かうに従い、前記外周の外径が連続的に小さくなるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の接着構造。
  3. 前記第1の位置と前記第2の位置とは、前記長手方向に沿って設けられており、
    前記第2の外径部分は、前記長手方向において、前記第1の外径部分と反対の方向となる前記他方側に向かうに従い、前記外周の外径が段階的に小さくなるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の接着構造。
  4. 前記第2の内径部分は、前記筒状体の前記内周において前記長手方向に移動自在なリングに構成されており、
    前記リングは、付勢部材により前記長手方向における前記一方側に押圧されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の接着構造。
  5. 前記軸の前記第1の外径部分に、前記筒状体の前記第1の内径部分における前記一方側の開口を塞ぐ閉塞部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の接着構造。
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