JP2021176296A - 包装された魚介製品およびその製造方法 - Google Patents

包装された魚介製品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021176296A
JP2021176296A JP2021031936A JP2021031936A JP2021176296A JP 2021176296 A JP2021176296 A JP 2021176296A JP 2021031936 A JP2021031936 A JP 2021031936A JP 2021031936 A JP2021031936 A JP 2021031936A JP 2021176296 A JP2021176296 A JP 2021176296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seafood
packaged
product
vacuum
food
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021031936A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7241112B2 (ja
Inventor
誠 高田
Makoto Takada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyshow Corp
Original Assignee
Kyshow Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyshow Corp filed Critical Kyshow Corp
Publication of JP2021176296A publication Critical patent/JP2021176296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7241112B2 publication Critical patent/JP7241112B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

【課題】常温保管が可能で、且つ常温保管時の魚介食品に由来する臭いが抑制された、包装された魚介製品およびその製造方法を提供すること。【解決手段】魚介食品が真空包装体中に収納され常温で保管される製品であって、真空包装体の包装体は、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m2/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m2/day以下であり、魚介食品は、真空包装体中で、30±2℃にて90日間保管後において、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版2018年)に記載の方法に準拠して検査した際、標準寒天培地を用いて検査した一般生菌数が300CFU/g未満、XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌群が陰性、XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌が陰性、かつ卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて検査した黄色ブドウ球菌が陰性となる無菌性条件を満たすものである。【選択図】なし

Description

本発明は、包装された魚介製品およびその製造方法に関する。詳しく述べると本発明は、魚介食品が包装された魚介製品であって、常温保管が可能で、且つ常温保管時の魚介食品由来の臭いがしない、包装された魚介製品およびその製造方法に関するものである。
近年、魚を調理する家庭が少なくなり、魚の消費量が減少している。これは、魚の調理には手間がかかることや、魚の臭いが非常にきついことが原因と考えられる。
前者の手間については、調理済みの魚介食品を包装体に収容した、包装された魚介製品を販売することにより、魚の消費量を増加させることができる。このような魚介製品は、扱いの容易さから、長期間にわたり常温保管が可能であることが望ましい。
常温で保管可能な魚介製品として、本出願人らは、調理済の非成形魚介食品を真空包装体中に収納してなる製品であって、魚介食品の硬さが、6×10N/m以下でかつ2×10N/m以上であり、魚介食品はレトルト臭を有さず、かつ、加熱殺菌処理されたものであり、非成形魚介食品は、真空包装体中で、25±2℃にて90日間保管後において、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版 2018年)に記載の方法に準拠して検査した際、標準寒天培地を用いて検査した一般生菌数が300CFU/g未満、XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌群が陰性、XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌が陰性、かつ卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて検査した黄色ブドウ球菌が陰性となる無菌性条件を満たすものである包装された調理済魚介製品等を開発した(特許文献1)。
特許文献1の魚介製品によれば、包装体内の魚介食品は上記無菌性条件を満たすため、魚介製品の腐敗が生じ難い。
特許第6628922号
しかしながら、上記特許文献1の魚介製品であっても、店頭での陳列や購入後等の常温での保管時において、魚介食品に由来する臭いが、魚介製品が腐食してなくかつ真空包装された状態でも感じられることが分かった。すなわち、常温保管が可能で、且つ常温保管時の魚介食品由来の臭いが抑制されることが望ましい。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、常温保管が可能で、且つ常温保管時の魚介食品に由来する臭いが抑制された、包装された魚介製品およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、魚介食品を特定の無菌条件を満たすものとした上で、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下である包装体を用いて魚介食品を真空包装することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1) 魚介食品が真空包装体中に収納され常温で保管される包装された魚介製品であって、
前記真空包装体の包装体は、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下であり、
前記魚介食品は、前記真空包装体中で、30±2℃にて90日間保管後において、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版 2018年)に記載の方法に準拠して検査した際、
標準寒天培地を用いて検査した一般生菌数が300CFU/g未満、
XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌群が陰性、
XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌が陰性、かつ
卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて検査した黄色ブドウ球菌が陰性となる
無菌性条件を満たすものである包装された魚介製品。
(2)前記魚介食品の形態が、味付け調理済み、練り、及び未調理からなる群から選択されるいずれかの形態である、上記(1)に記載の包装された魚介製品。
(3) 魚介食品を、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下である包装体内に収納して真空包装した後、真空包装した魚介食品を殺菌処理することを特徴とする、包装された魚介製品の製造方法。
(4) 前記殺菌処理が、加熱による殺菌処理である、上記(5)に記載の包装された魚介製品の製造方法。
(5) 前記真空包装した後に、前記包装体の外側を洗浄する、上記(3)又は(4)に記載の包装された魚介製品の製造方法。
本発明によれば、常温保管が可能で、且つ常温保管時の魚介食品に由来する臭いが抑制された、包装された魚介製品およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
≪製品(包装された魚介製品)≫
本発明に係る製品(「包装された魚介製品」とも記載する)は、魚介食品が真空包装体中に収納され常温で保管される包装された魚介製品であって、真空包装体の包装体は、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下であり、魚介食品は、真空包装体中で、30±2℃にて90日間保管後において、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版 2018年)に記載の方法に準拠して検査した際、標準寒天培地を用いて検査した一般生菌数が300CFU/g未満、XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌群が陰性、XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌が陰性、かつ卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて検査した黄色ブドウ球菌が陰性となる無菌性条件を満たすものである
このような本発明の包装された魚介製品は、魚介食品を特定の無菌条件を満たすものとした上で、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下である包装体を用いて魚介食品を真空包装することにより、後述する実施例に示すように、魚介食品の無菌状態が維持されることにより魚介食品の腐敗が抑制され、且つ、魚介食品に由来する臭いが包装体の外に排出等されることも抑制される。魚介食品の腐敗が抑制されるため、常温での保管が可能である。なお、本明細書において、「常温」とは、20℃以上32℃以下の範囲内の温度である。そして、魚介食品に由来する臭いが包装体の外に排出等されることが抑制されるため、常温保管時の魚介食品由来の臭いが抑制された、包装された魚介製品を達成できる。
なお、本明細書において、「魚介食品に由来する臭い」は、腐敗していない魚介食品が有する魚介食品本来の臭いであり、魚介食品の腐敗により生じる臭いは含まれない。腐敗していない魚介食品が有する魚介食品本来の臭いは、例えば魚油の臭いである。
包装された魚介製品の臭いに関して、従来、魚介食品の腐敗により生じる臭いを抑制する検討はなされてきた。しかしながら、腐敗臭とは質的・量的に異なる臭いである、魚介食品本来の臭いについては、検討されていなかった。
本発明者らは、腐敗により生じる臭いを抑制することにより、魚介食品本来の臭いも消費者等の購入意欲に影響を与え得ることを知見し、これをも抑制するものである。
無菌性条件の観点から、本発明に係る製品は、製造から90日間以上365日間以下の期限までに消費されることが好ましい。すなわち、本発明に係る製品は、魚介食品が真空包装体中に収納され常温で保管され製造から90日間以上365日間以下の期限までに消費される包装された魚介製品であることが好ましい。
なお、本明細書において、「消費される」とは「食される」ことである。
製造から90日間以上365日間以下の期限までに消費される包装された魚介製品とは、例えば、消費期限が、製造から90日間以上365日間以下の製品である。当該消費期限は、製造から120日間以上や、製造から240日間以上でもよい。
また、本発明に係る製品は、腐敗による臭いが生じやすい、製造からある程度経過した後に消費される包装された魚介製品、例えば、製造から90日目又は90日以上経過後に消費される包装された魚介製品であってもよく、製造から120日目又は120日以上経過後に消費される包装された魚介製品であってもよく、製造から240日目又は240日以上経過後に消費される包装された魚介製品であってもよい。
当該製造からある程度経過した後に消費される包装された魚介製品としては、例えば、非常時に備える保存食等、製造から消費されるまでにある程度の期間があることが予想される製品である。
以下に、本発明の包装された魚介製品の構成について、具体的に説明する。
<<真空包装>>
本発明に係る包装された魚介製品においては、魚介食品の外部が真空包装体により包装されている。ここで、本明細書において「真空包装」とは、食品包装の分野において、一般的に用いられるような内部減圧度をもって包装することを意味し、絶対真空の状態に限られるものではない。具体的には、例えば、包装体内部が、大気圧よりも減圧された状態、特に限定されるものではないが、例えば、内部圧力が2×10Pa以下、より好ましくは10Pa以下に減圧された状態とすることができる。
真空包装に用いられる包装体は、23℃、相対湿度90%(90%RH)における酸素透過率が0.9cc/m/day以下であり、好ましくは0.4cc/m/day以下であり、より好ましくは0.1cc/m/day以下である。酸素透過度は、JIS K7126B法に準拠して測定される。酸素透過率測定装置は、例えば、MOCON社製のOX−TRAN2/22である。
真空包装に用いられる包装体は、40℃、相対湿度90%(90%RH)における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下であり、好ましくは0.8g/m/day以下であり、より好ましくは0.5g/m/day以下である。水蒸気透過率は、JIS K7129B法に準拠して測定される。水蒸気透過率測定装置は、例えば、MOCON社製のPERMATRAN−W3/34である。
このような包装体としては、酸素バリア層を有する単層若しくは複層構造のシート状またはフィルム状の包装材料を適宜に成型したものが挙げられる。酸素バリア層としては、従来から知られている材料である例えば、アルミニウム箔等の金属箔、シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム等の無機物蒸着膜、延伸ナイロン(ONY)フィルム、無延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロン(KON)フィルム、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン酢酸ビニルコポリマー鹸化物フィルムなどを含む層が好ましく使用される。これらの組み合わせや厚さ等を調整することにより、上述の酸素透過率、水蒸気透過率を満たす包装体とすることができる。
包装材料の内層にはシーラント層として、シール性に優れたフィルムを配することができる。該フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等のフィルムを使用できる。
包装体の具体的な形状としては、例えば、平パウチ、スタンディングパウチ、ノズル付きパウチ、ピロー袋、ガゼット袋等の形状が挙げられ、構成する包装材料である積層体フィルムの材料構成を任意に選択することにより、易開封性、易引裂性、収縮性、電子レンジ適性、紫外線遮断性、意匠性等を付与して用いることができる。真空包装とするには、例えば、フィルムから三方シール袋を作成し、魚介肉材料等の内容物を入れた後、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部をシールして密閉する等の方法が挙げられる。
さらに、本発明に係る包装された魚介製品においては、内部に収められる魚介食品の形状等の見た目を外部から視認できるようにするため、透明ないしは半透明のものであることが、より好ましい。
本発明に係る包装された魚介製品においては、魚介食品がこのような包装体に入れられて真空包装されており、後述するような製造方法を経て十分な殺菌がなされている。従って、包装された魚介製品は、魚介食品の腐敗が抑制されるため、常温保存でも長期間安定した品質を保つことができる。勿論、冷蔵、冷凍保存も可能である。そして、魚介食品に由来する臭いが包装体の外に排出等されることが抑制されるため、常温保管時の魚介食品由来の臭いが抑制された、包装された魚介製品を達成できる。
本発明の一実施形態において、魚介食品は、真空包装体中で、30±2℃にて90日間保管後において、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版 2018年)に記載の方法に準拠して検査した際、
標準寒天培地を用いて検査した一般生菌数が300CFU/g未満、
XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌群が陰性、
XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌が陰性、かつ
卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて検査した黄色ブドウ球菌が陰性となる
無菌性条件を満たすことができることを特徴とするものであって、
さらに好ましくは、120日間保管後、より好ましくは240日間保管後、あるいはそれ以上の期間(例えば365日間)の保管後においても、上記の無菌性条件を満たすことができるものである。
なお、本発明に係る包装された魚介製品は、後述するように、その製造工程において製造された直後に、出荷まで冷凍保管される場合があるが、ここで規定される30±2℃にて90日間保管後、120日間保管後、240日間保管後等といった日数は、このような出荷までの冷凍保管の期間は含むものではなく、冷凍保管されていた製品に関しては、真空包装体中で解凍後、30±2℃にて保管した時点からの日数である。同様に、前述の90日間以上365日間以下の期限までに消費、製造から90日目又は90日以上経過後に消費等といった日数は、このような出荷までの冷凍保管の期間は含むものではなく、冷凍保管されていた製品に関しては、真空包装体中で解凍後、常温で保管した時点からの日数である。
<魚介食品>
本発明において、包装体に収納される魚介食品の形態は、特に限定されず、味付け調理済み、練り、及び未調理のいずれでもよい。
<<具体的な包装された魚介製品及びその製造方法>>
(魚介食品が味付け調理済みの魚介食品である、包装された魚介製品)
まず、魚介食品が味付け調理済みの魚介食品である包装された魚介製品(以下「包装された調理済魚介製品」とも記載する)について、説明する。
−魚介肉素材(魚介材料)−
包装体に収納される味付け済みの魚介食品を製造するための、処理対象となる原料としての魚介材料(魚介ないし魚介肉)としては、一般的に加熱調理して食される魚介材料であれば特に限定されず、種々のものを用いることができる。また、魚介材料(被加工原料)の形状も、特に制限されず、魚介の種類および調理方法等に応じて、魚体全体そのまま(ラウンド)、適宜加工処理された魚体全体(セミドレス、ドレス、パンドレス等)、魚体から得た切り身やブロック(フィレー、チャンク等)、さらに、必要に応じて、皮、卵巣、白子等の部分を有していてもよい。
また、魚介材料としては、生原料(鮮魚)であっても、冷凍品ないしはその解凍品であってもよいが、比較的大量生産する上で一定の品質を保つ上では、冷凍品、特に品温−18℃以下に保持された冷凍品を用いることが望ましい。
用いることのできる魚介材料の種類の一例を挙げると、例えば、サバ、アジ、イワシ、サンマ、ニシン、カツオ、マグロ、ブリ、カジキ、マダラ、スケソウダラ、シロイトダラ、ホキ、メルルーサ、サケ、マス、トラウト、カレイ、コガネガレイ、カラスガレイ、カワハギ、ウマズラハギ、ヒラメ、アカウオ、キンメダイ、アラカブ、メバル、シルバー、メロ、クロメヌケ、ホッケ、クロムツ、タイ、イトヨリダイ、アマダイ、タチウオ、サワラ、イサキ、アナゴ、ウナギ、シシャモ、ワカサギ、イワナ、シイラ、サゴシ、青ヒラス、キャットフィッシュ、ティラピア、ナイルパーチ、キングクリップ、フグ、アンコウ、グチ、エソ、ママカリ、サメなどの魚類、各種のエビ、カニなどの甲殻類、各種のイカ、タコなどの頭足類、アサリ、ハマグリ、ホタテ、赤貝、サザエ、アワビ、カキなどの貝類等が挙げられるが、もちろん、これらに何ら限定されるものではない。
−調理方法−
魚介材料の調理形態としても、加熱調理するものであれば、各種の調理形態やレシピを用いることができる。基本的な調理法として、例えば、焼く、煮る、油調(揚げる)、蒸す、といったいずれの調理の形態としてもよい。具体的には、例えば、塩焼き、照り焼き、煮付け、味噌煮、生姜煮、ケチャップ煮、和風蒸し、西京漬け、粕漬け、糀漬け、素揚げ等が例示できるが、もちろん、これらに何ら限定されるものではない。また、調理に際しては、各種調味料、香辛料はもちろんのこと、調理のレシピに応じて、各種野菜、特に薬味野菜、その他、チーズや食用ペースト、餡等の副材を製品中に併せて含有することが可能である。
なお、上記に挙げた調理形態は、一般的な調理法ないしそのレシピであって、本発明に係る包装された調理済魚介製品は、厳密にそのような調理法ないしそのレシピによって調理される必要はなく、後述するような、本発明の製造方法に係る工程に沿って製造された結果、最終製品として、このような調理法ないしそのレシピによって調理された料理品の味、形態に近いないしはこれらを模したものとなっていればよい。なお、もちろん、後述する本発明の製造方法に係る工程に沿った上で、可能な限り上記のような調理法に準じて調理されることは好ましい態様の一つである。
−調味料−
魚介食品においては、食塩以外のその他の調味料が添加され得る。調味料は、加熱調理中に魚介材料の内部に浸透することにより魚介肉のもつ本来的な旨みを引き出して味を良くするとともに、魚介材料を軟化させる役割を有するものである。例えば煮付け用の調味料は、果糖ぶどう糖液糖、醤油、水飴、酒、澱粉、香辛料、食塩、魚介エキス、水およびその他の微量添加成分を含むことができる。また、照焼き用の調味料としては、例えば、醤油、砂糖、米発酵調味料、澱粉、魚介エキス、食塩、水およびその他の微量添加成分を含み得る。また塩焼き用の調味料は、食塩の他、必要に応じて、上記照焼き用の調味料と同様な成分を配合比を代えて含み得ることができる。
−包装された調理済魚介製品の製造方法−
次にこのような包装された調理済魚介製品の製造方法について、具体的な態様に基づき詳細に説明する。
本発明に係る上記したような特徴を有する包装された調理済魚介製品の製造するにおいては、調理しようとする魚介材料の種類、あるいは調理法によって、真空包装するまでの下処理ないし下調理としては、それらに応じた各種の態様を取り得る。
そして、原料となる魚介材料を予め下処理して、包装体内に収納して真空包装した後、真空包装した魚介食品を殺菌処理する。真空包装した魚介食品を加熱により殺菌する場合、殺菌条件は、例えば、レトルトパウチの殺菌条件である120℃で30分間でもよく、また、120℃以上の高温でもよい。しかしながら、これらよりも低い温度である90℃以上105℃未満で、50〜150分間の加熱処理を行うことが好ましい。なお、殺菌のための加熱は、魚介食品の調理のための加熱を兼ねていてもよい。
90℃以上105℃未満の温度で、加熱殺菌処理を行えば、加熱殺菌処理に依る魚介材料本来の旨み等の特性を損なうことが少ない。さらに、このような比較的に低温にて加熱殺菌を行う上では、殺菌性を保障するために上記したように50分以上、より好ましくは80分以上といった比較的長時間の処理が必要となるものであるが、この加熱殺菌のための熱処理は、内部に収納されている魚介食品の調理のための加熱を兼ねていてもよく、このように比較的低温の適度な温度により50〜150分間加熱されることによって、魚介食品が、脆化や旨みの消失等を起こすことなく、やわらかさを増すことができる。
なお、加熱殺菌処理条件としては、より好ましくは、90℃以上100℃以下の温度にて、80〜120分間、さらに具体的には、例えば、代表的に、100℃で約100分間といった条件を挙げることができる。
また、加熱殺菌処理は、単回行えば十分であるが、より好ましくは、その殺菌性を保障するために、上記殺菌条件範囲のうちの比較的短い時間、例えば50分間での処理を2回ないしそれ以上の回数行う、特に2回行うことが好ましい。なお、このように複数回加熱殺菌処理を行う場合、各加熱殺菌処理の間は、特に限定されるものではないが、魚介材料は一旦、例えば、23℃±5℃程度の温度まで冷却されることが望ましい。
真空包装した後に、包装体の外側を洗浄することが好ましい。洗浄処理は、殺菌処理の後でも前でもよい。包装体の外側を洗浄することにより、製造中に付着した魚介食品に由来するドリップや微生物等を除去することができる。このドリップ等の付着物は、冷蔵保管・冷凍保管においては特に臭いを発生しないが、常温保管においては臭いを発生する。魚介食品の臭い排出が抑制された本発明の製品においては、このドリップ由来の臭いが特に強く感じ取られやすいため、上記除去が重要であり得る。
包装体の外側の洗浄方法は、特に次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流す方法が挙げられる。次亜塩素酸水は、例えば厚生労働省の答申案の成分規格案に従う。次亜塩素酸水は、塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液であり、例えば有効塩素10〜80mg/kgを含む。
包装された調理済魚介製品を製造する上では、前記した加熱殺菌処理までの下処理ないしは下調理としては、魚介材料の種類、あるいは調理法に応じて、各種の態様を取り得る。以下各具体的な例を通じて、包装された調理済魚介製品を製造する方法の詳細につき説明する。
まず、煮付けないし煮物の形態として包装された調理済魚介製品の製造方法の一例を説明する。
この実施形態では、下処理として、原料である冷凍された魚介材料を、自然解凍した後、流水にて洗浄してドリップを除去し、水切りを行うものであり、さらに包装体内に下処理した魚介材料と共に調味タレ液を入れて真空包装することを基本とする。次に、いくつかの調理法例について説明する。
さばの味噌煮
さばの味噌煮の形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明すると、まず外部より、魚介材料である冷凍品であるさばの切り身を、原料受入れ工程で受け入れ、品名、規格、賞味期限、産地等に問題がないか点検を行う。なお、原料としては、冷凍品でなく、鮮魚の切り身を用いることももちろん可能であるが、原料供給路ないし工場設備等における季節変動や温度変化といった因子の影響を受けることなく、均一でかつ安定した製品品質を保つ上では、冷凍品を用いる方がその管理が容易である。原料自体に起因する製品不良の発生を防止する上から、搬入される原料が品温−18℃以下で、また包装の箱破れ等が無いかを検査する。
ついで検品工程において、原料品個々の品質、形状、色、臭い等に問題がないかを目視等により検査する。次いで原料開封工程で個々の原料を開封し、解凍工程において底部に水切り穴が開口されている専用の容器内に原料を入れて自然解凍を行う。なお、解凍温度としては、特に限定されるものではないが、15℃以下の温度で行うことが望ましい。温度が20℃以上となると解凍された原料が腐敗しやすくなる虞れがあるためである。自然解凍時間としては、原料品の切り身が十分に解凍できる時間であれば良いが、通常12〜24時間程、代表的には1晩程度の時間によって自然解凍できる。
解凍した切り身は、次いで流水洗い工程で、水道水によって全体をきれいに洗われる。これにより解凍した切り身からドリップが出ないようにする。なお、冷凍品を解凍した際等に生じるドリップには、魚の旨み成分も含まれているものではあるが、この例におけるようなさば等においてはドリップが特に多く、また煮物料理として加熱調理した際にはあくとなって製品表面に付着し見た目および味を損なう傾向があるために、これを除去することが好ましい。なお、切り身を洗う場合には、切り身の身割れを生じないように注意して処理を行う。
流水洗い工程の後、水切り工程において、前記したと同様の底部に水切り穴が開口されている専用の容器を用いて、切り身の水切りを十分に行う。例えば、水を自然落下させて30分以上の時間をかけて行い、さらに切り身からのドリップが出ないようにする。
次いで袋詰め工程において、それぞれの切り身を包装体に入れる。包装体は上述のとおりである。袋詰め工程に前後して、タレ入れ工程において、包装体に予め所定調合により調製しておいた味噌ダレを所定量加える。切り身および味噌ダレを包装体に入れた後、真空包装工程において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査工程で、規格の製品質量となっているかを検査すると共に、真空漏れの有無を確認し、さらに金属検査工程で、製造機器等から製品中に混入する、例えば、Fe,SUS等の金属の有無を確認する。
真空包装製品の内容物の安全性の確認が取れたら、殺菌工程において、真空包装した内容物である、さばの切り身と味噌ダレを、90℃以上105℃未満の温度にて、50〜150分間という条件範囲内である、100℃で50分という条件にて加熱殺菌処理する。さらに同じ100℃で50分という条件で再度加熱殺菌処理する。加熱殺菌処理を行う装置としては、特に限定されるわけではないが例えばレトルト釜が用いられる。
この態様においては、内容物であるさばの切り身と味噌ダレは、この殺菌工程における加熱が、最初の加熱処理であって、殺菌処理と同時に加熱調理も行われることとなる。
殺菌工程による加熱処理が終了したら、真空包装され加熱調理済となった製品を、冷却工程において、例えば直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度とする。このように急速に冷却を行うことで、加熱調理された魚介材料(さばの切り身)の必要以上の脆化を抑制し、所定の形状性およびやわらかさ(硬さ)を有するさばの味噌煮製品を得る。
このようにして製造された、真空包装されたさばの味噌煮製品は、その後、箱詰めされ、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、出荷される。なお、製造後、直ちに出荷することも、もちろん可能であり、この場合においては、本発明に係る製品は、常温保管用であるため、冷凍することなく常温にてそのまま出荷され得る。なお、この出荷前の冷凍保管が任意であり、常温にてそのまま出荷され得る点に関しては、以下に示すいずれの実施形態においても当然共通するもの事項である。
なお、真空包装されたさばの味噌煮製品は、真空包装後であって、例えば殺菌工程の前、及び/又は殺菌工程の後に、洗浄工程で、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流すことが好ましい。
さばの煮付け
また、さばの煮付けの形態として包装された調理済魚介製品も、上記のさばの味噌煮を製造する場合とほぼ同様の手順によって製造可能である。すなわち、タレ入れ工程において、上述した味噌タレに変えて生姜醤油タレを用いる以外は、基本的に、上記と同じ手順を行うものである。
次に、煮物の形態として包装された調理済魚介製品の製造方法の一例を説明する。この製造工程は、魚介材料として特に骨付き魚を用いそのままの形態で所定のやわらかさまでやわらかくする場合に好適に用いられる。
この実施形態では、下処理として、原料となる魚介材料を、120℃で20分以上30分以下という温度と時間で加熱加圧処理し、加熱加圧処理後、魚介材料を20℃以下の温度に30分以内に冷却することを行うものであり、さらに包装体内に下処理した魚介材料と共に調味タレ液を入れて真空包装することを基本とする。次に、調理法例について説明する。
いわしの生姜煮
いわしの生姜煮の形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。ここで上述の各工程は、いわしの生姜煮等において共通するものであるため、以下の説明において、その説明を簡略化する場合もあることを理解していただきたい。まず外部より、魚介材料である冷凍品であるいわしドレスを、原料受入れ工程で受け入れ、検品工程、原料開封工程を経たのち、並べ工程において、原料を凍ったまま、例えばステンレストレー等の上に配置する。そして加熱・加圧工程において、凍結したままのいわしドレスを、120℃、0.12MPaで20分の加熱加圧処理を、例えばレトルト釜において行う。これにより、いわしドレスはその骨部までが柔らかい状態となり、ドリップも除去される。加熱加圧処理が終わったら取り出し工程において、レトルト釜より加熱加圧処理したいわしドレスを取り出し、ただちに凍結工程で、いわしドレスを凍結庫に入れ、30分以内に20℃以下の温度へと急冷し、さらに凍結させる。このように急速に冷却を行うことで、加熱加圧処理したいわしドレスの保形性を高めまた環境下で付着する菌体の増殖を抑制する。
次いで袋詰め工程において、凍結されたいわしドレスを、例えば、任意ではあるが2匹ずつ、包装体に入れる。袋詰め工程に前後して、タレ入れ工程において、包装体に予め所定調合により調製しておいた生姜醤油タレを所定量加える。いわしドレスおよび生姜醤油タレを包装体に入れた後、真空包装工程において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査工程、金属検査工程を経た後、殺菌工程において、真空包装した内容物である、いわしドレスおよび生姜醤油タレを、120℃で40分という条件にて加熱殺菌処理する。
この態様においては、この殺菌工程における加熱によって、内容物である素の状態で加熱加圧されたいわしドレスに生姜醤油タレが効率よく均一に浸透し、さらに骨までやわらかな魚介肉質のものとなる。
殺菌工程による加熱処理が終了したら、その後は前述したものと同様に、冷却工程において、直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度とする。その後、箱詰めされ、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、出荷される。
なお、真空包装されたいわしの生姜煮は、真空包装後であって、例えば殺菌工程の前、及び/又は殺菌工程の後に、洗浄工程で、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流すことが好ましい。
次に、煮物の形態として包装された調理済魚介製品の製造方法の他の例を説明する。この製造工程は、受け入れた魚介材料をさらに切り身加工する工程を有する以外は、基本的にはさばの味噌煮の製造工程のものと基本的に同じである。次に、調理法例について説明する。
にしんの土佐煮
にしんの土佐煮の形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。ここで、上述の各工程は、にしんの土佐煮等において共通するものであるため、以下の説明において、その説明を簡略化する場合もあることを理解していただきたい。まず外部より、魚介材料である冷凍品であるにしんフィレーを、原料受入れ工程で受け入れ、検品工程、原料開封工程を経たのち、切り身加工工程においてフィレーを凍ったまま半分にカットする。カットした切り身を凍ったまま、漬込み工程で漬込み液に投入し、味付けおよび軟化工程で、15℃以下にて15〜22時間程度、代表的には1晩程度漬込み、切り身を漬込み液内で解凍するとともに、味付けおよび軟化させてから、取り出し工程で液から取り出し液を落す。
次いで袋詰め工程において、にしん切り身を、2切れずつ、包装体に入れる。袋詰め工程に前後して、タレ入れ工程において、包装体に予め所定調合により調製しておいた土佐煮タレを所定量加える。にしん切り身および土佐煮タレを包装体に入れた後、真空包装工程において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査工程、金属検査工程を経た後、殺菌工程において、真空包装した内容物である、にしん切り身および土佐煮タレを、120℃にて、30分間という条件にて加熱殺菌処理する。
この態様においては、この殺菌工程における加熱によって、内容物である素の状態で加熱加圧されたにしん切り身に土佐煮タレが効率よく均一に浸透し、さらに骨までやわらかな魚介肉質のものとなる。
殺菌工程による加熱処理が終了したら、その後は前述したものと同様に、冷却工程において、直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度とする。その後、箱詰めされ、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、出荷される。
なお、真空包装されたにしんの土佐煮は、真空包装後であって、例えば殺菌工程の前、及び/又は殺菌工程の後に、洗浄工程で、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流すことが好ましい。
次に、塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品の製造方法の一例を説明する。
この実施形態では、下処理として、原料である魚介材料を、食塩濃度3〜6容積%の処理液中に約15時間〜約22時間浸漬し、その後、処理液中より取り出した魚介材料を、中心温度75℃以上90℃未満の温度で焼き加熱し、焼き加熱後、魚介材料を20℃以下の温度に30分以内に冷却することを基本とする。次に、調理法例について説明する。
さけの塩焼き
さけの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。ここで、上述の各工程は、さけの塩焼き等において共通するものであるため、以下の説明において、その説明を簡略化する場合もあることを理解していただきたい。まず外部より、魚介材料である冷凍品であるさけの切り身を、原料受入れ工程で受け入れ、検品工程にかける。一方、これと並行して、漬込み液調製工程において、食塩濃度3〜6容積%、代表的には食塩濃度5容積%の漬込み液を、水に食塩を加えて調製する。原料開封工程を経たのち、凍結したままのさけの切り身を、上述したように別途調製しておいた漬込み液に投入し、味付けおよび軟化工程で、15℃以下にて15〜22時間程、代表的には1晩程度漬込み、切り身を漬込み液内で解凍するとともに、味付けおよび軟化させる。塩焼きの形態に関しては、煮物の形態の場合とは異なり、包装容器体に調味液を入れて加熱殺菌の際の加熱により調味液の塩分が魚介肉に浸透し軟化するということがもたらせないため、このように予め所定の塩分濃度の漬込み液に浸漬し、魚介肉に塩分を付与しておくことが望ましい。次いで、鉄板並べ工程で、漬込み液より取り出した切り身を鉄板上に配置し、焼き加熱工程で、切り身を、その中心温度75℃以上90℃未満、より好ましくはその中心温度75℃以上85℃未満の温度でオーブンにて焼き加熱し、表面に焼き色を付ける。焼き加熱後、取り出し工程でオーブンより取り出した切り身を異物混入防止のための専用容器に入れ、ただちに冷却工程で、さけ切り身を冷蔵庫に入れ、30分以内に20℃以下の温度へと急冷する。このように急速に冷却を行うことで、さけの切り身に環境下で付着する菌体の増殖を抑制する。なお、さけの切り身は焼き身であるのでこの段階では、上記したような煮物用に加圧下で加熱したものと比べて、比較的形状性は良好であるので、保形性のために、冷凍まで行う必要はなく冷蔵まででも十分である。
次いで袋詰め工程において、冷蔵されたさけの切り身を、それぞれ包装体に入れた後、真空包装工程において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査工程、金属検査工程を経た後、殺菌工程において、真空包装した内容物である、さけの切り身を、90℃以上105℃未満の温度にて、50〜150分間という条件範囲内である、100℃で50分という条件にて加熱殺菌処理する。さらに同じ100℃で50分という条件で再度加熱殺菌処理する。
この態様においては、この殺菌工程における加熱によって、内容物である塩焼き状のさけの切り身は、さらにやわらかな肉質のものとなる。
殺菌工程による加熱処理が終了したら、その後は前述したものと同様に、冷却工程において、直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度とする。その後、箱詰めされ、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、出荷される。
なお、真空包装されたさけの塩焼きは、真空包装後であって、例えば殺菌工程の前、及び/又は殺菌工程の後に、洗浄工程で次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流すことが好ましい。
さばの塩焼き
さばの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。さばの塩焼きの場合であっても、上記したさけの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合と、原料がさけの切り身の冷凍品から、さばの切り身の冷凍品に変わるのみで、それ以外は基本的に同一の工程を経て、さばの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造することができる。
しまほっけの塩焼き
しまほっけの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。しまほっけの塩焼きの場合についても同様に、上記したさけの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合と、原料がさけの切り身の冷凍品から、しまほっけの切り身の冷凍品に変わるのみで、それ以外は基本的に同一の工程を経て、しまほっけのの塩焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造することができる。
次に、照焼きの形態として包装された調理済魚介製品の製造方法の一例を説明する。
この実施形態では、下処理として、原料となる魚介材料を、醤油ダレの液中に15℃以下約15時間〜約22時間浸漬し、その後、処理液中より取り出した魚介材料を、中心温度75℃以上90℃未満の温度で焼き加熱し、焼き加熱後、魚介材料を20℃以下の温度に30分以内に冷却することを行うものであり、さらに包装体内に下処理した魚介材料と共に調味タレ液を入れて真空包装するものである。
ぶりの照焼き
ぶりの照焼きの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。ここで、上述の各工程は、ぶりの照焼き等において共通するものであるため、以下の説明において、その説明を簡略化する場合もあることを理解していただきたい。まず外部より、魚介材料である冷凍品であるぶりの3枚卸しフィレーを、原料受入れ工程で受け入れ、検品工程にかける。次いで、切り身加工工程において所定質量の切り身へとカットする。次いで、このような切り身の漬込み液として予め調製しておいた、醤油ダレの漬込み液に、ぶりの切り身を投入し、味付けおよび軟化工程で、15℃以下にて15〜22時間程、代表的には1晩程度漬込み、味付けおよび軟化させる。照焼きの形態に関しては、包装体に魚介原料とともに調味液を入れるが、その量は煮物の形態のものと比較して少量であり、加熱殺菌の際の加熱により調味液の塩分が魚介肉全体に浸透し軟化するということが十分にはもたらせないため、上記したような塩焼きの形態の場合と同様に、予め所定の塩分濃度の漬込み液に浸漬し、魚介肉に塩分を付与しておくことが望ましい。次いで、焼き網並べ工程で、漬込み液より取り出した切り身を網上に配置し、焼き加熱工程で、切り身を、その中心温度75℃以上90℃未満、より好ましくはその中心温度75℃以上85℃未満の温度でガスロースターにて焼き加熱し、表面に焼き色を付ける。焼き加熱後、ただちに冷却工程で、ぶり切り身を冷蔵庫に入れ、30分以内に20℃以下の温度へと急冷しする。このように急速に冷却を行うことで、ぶりの切り身に環境下で付着する菌体の増殖を抑制する。なお、ぶりの切り身は焼き身であるのでこの段階では、上記したような煮物用に加圧下で加熱したものと比べて、比較的形状性は良好であるので、保形性のために、冷凍まで行う必要はなく冷蔵まででも十分である。
次いで焼き網外し工程で、身割れおよび異物混入に注意しながら、ぶりの切り身を焼き網より引き離し、袋詰め工程において、冷蔵されたぶりの切り身を、それぞれ包装体に入れる。袋詰め工程に前後して、タレ入れ工程において、包装体に予め所定調合により調製しておいた照焼きタレを所定量加える。ぶりの切り身および照焼きタレを包装体に入れた後、真空包装工程において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査工程、金属検査工程を経た後、殺菌工程において、真空包装した内容物である、ぶりの切り身を、90℃以上105℃未満の温度にて、50〜150分間という条件範囲内である、100℃で50分という条件にて加熱殺菌処理する。さらに同じ100℃で50分という条件で再度加熱殺菌処理する。
この態様においては、この殺菌工程における加熱によって、内容物である照焼き状であるぶりの切り身は、さらにやわらかな魚介肉質のものとなる。
殺菌工程による加熱処理が終了したら、その後は前述したものと同様に、冷却工程において、直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度とする。その後、箱詰めされ、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、出荷される。
なお、真空包装されたぶりの照焼きは、真空包装後であって、例えば殺菌工程の前、及び/又は殺菌工程の後に、洗浄工程で、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流すことが好ましい。
次に、あんかけ等の油調の形態として包装された調理済魚介製品の製造方法の一例を説明する。
この実施形態では、下処理として、下原料となる魚介材料を、中心温度75℃以上90℃未満の温度で油調し、油調処理後、魚介材料を20℃以下の温度に30分以内に冷却し、さらに包装体内に下処理した魚介材料と共に調味タレ液を入れて真空包装することを基本とする。次に、調理法例について説明する。
かれいのあんかけ
かれいのあんかけの形態として包装された調理済魚介製品を製造する場合について説明する。ここで、上述の各工程は、かれいのあんかけ等において共通するものであるため、以下の説明において、その説明を簡略化する場合もあることを理解していただきたい。まず外部より、魚介材料である冷凍品であるかれいの骨無し切り身を、原料受入れ工程で受け入れ、検品工程にかける。一方、これと並行して、漬込み液調製工程において、このような切り身の漬込み液として、食塩濃度1〜3容積%、代表的には食塩濃度2容積%の漬込み液を、水に食塩を加えて調製する。原料開封工程を経たのち、凍結したままのかれいの切り身を、15℃以下にて1時間程漬込み、味付けさせる。所定時間経過後、漬込み液より取り出し十分に水切りした後、打ち粉、バッター付け工程において、切り身に小麦粉、指定配合のバッター液を付着量が過多ならないように分量に注意しながら付け、バッター液を付け終わった切り身をフライヤーに投入し、油調工程で、切り身を、その中心温度75℃以上90℃未満、より好ましくはその中心温度75℃以上85℃未満の温度でフライヤーにて揚げ加熱する。揚げ加熱後、取り出し工程でフライヤーより取り出した切り身を異物混入防止のための専用容器に入れ、ただちに冷却工程で、かれいの切り身を冷蔵庫に入れ、30分以内に20℃以下の温度へと急冷しする。このように急速に冷却を行うことで、かれいの切り身に環境下で付着する菌体の増殖を抑制する。なお、かれいの切り身は揚げ身であるのでこの段階では、上記したような煮物用に加圧下で加熱したものと比べて、比較的形状性は良好であるので、保形性のために、冷凍まで行う必要はなく冷蔵まででも十分である。
次いで袋詰め工程において、冷却された揚げかれいの切り身を包装体に入れる。袋詰め工程に前後して、タレ入れ工程において、包装体に予め所定調合により調製しておいたあんかけタレを所定量加える。かれいの切り身およびあんかけダレを包装体に入れた後、真空包装工程において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査工程、金属検査工程を経た後、殺菌工程において、真空包装した内容物である、かれいの切り身およびあんかけダレを、90℃以上105℃未満の温度にて、50〜150分間という条件範囲内である、98℃で100分という条件にて加熱殺菌処理する。
この態様においては、この殺菌工程における加熱によって、内容物である揚げかれいの切り身にあんかけダレが効率よく均一に浸透し、さらにやわらかな魚介肉質のものとなる。
殺菌工程による加熱処理が終了したら、その後は前述したものと同様に、冷却工程において、直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度とする。その後、箱詰めされ、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、出荷される。
なお、真空包装されたかれいの切り身は、真空包装後であって、例えば殺菌工程の前、及び/又は殺菌工程の後に、洗浄工程で、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流すことが好ましい。
(魚介食品が練り魚介食品である、包装された魚介製品)
次に、魚介食品が練り魚介食品である場合について説明する。
−原料−
練り魚介食品(以下「魚肉練り食品」とも記載する)の原料としては、特に限定されるものではないが、例えば、グチ、オキギス、エソ、ハモ、タチウオ、トビウオ、イトヨリダイ、キントキダイなどの暖水性,熱帯性魚;スケソウダラ、底ダラ類、ホッケ、キチジ、ワラズカ、サケなどの冷水性魚;パシフィクホワイティング、ホキ、ミナミダラなどのメルルーサ(タラ目メルルーサ科の海水魚);マグロ、カジキ、サメ類などの遠洋大型原魚、イワシ類、サバ、アジなどの赤身魚;イカ、タコなどの頭足類;エビ、カニ、オキアミなどの甲殻類;さらにこれらの卵などを、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。なお、以下においては、その記載を簡略化するために、単に「魚」、「魚肉」と表記するが、これは魚類のみならず、上記したような頭足類、甲殻類などの魚類以外の水産物ないし水産物の身を含めたものを意味するものであることを留意されたい。
また、このような原料より調製された市販のすり身、特に冷凍すり身を使用することも可能である。このようなすり身を用いることで、以下に述べるような魚肉練り食品の原料の製造工程において、魚肉を精製する前段階の多くを省略できる。
魚肉練り食品の原料は、魚の筋原繊維の主要構成成分を形成する塩溶性タンパク質であるアクチンとミオチンの特性を利用した加工食品であってよい。
−副材料−
例えば、玉ねぎ、ねぎ、ゴボウ、ニンジン、しょうが、壬生菜等の野菜や、イカ、タコ、エビ、カニ等の切り身やじゃこなどの小魚、ウズラの卵、豆腐、チーズその他の加工食品等を適量加えることが可能である。
−調味料−
魚肉練り食品には、種々の調味料が添加され得る。例えば、砂糖、醤油、酒、みりん、香辛料、食塩、ごま油、水およびその他の微量添加成分が含まれてよい。
−形態−
魚肉練り食品の形態は、特に限定されず、従来知られる各種のいずれであってもよい。具体的には、例えば、蒲鉾(板付き蒲鉾、カニカマ、すじかまぼこ、簀巻き等を含む。)、はんぺん、魚肉ソーセージなどの蒸し物;ちくわ、笹かまぼこ、伊達巻などの焼き物;はんぺん、つみれ、鳴門巻きなどの茹で物;および、揚げ蒲鉾(さつまあげ、テンプラ、つけあげ、えび天、じゃこ天、がんす等を含む。)などの揚げ物などが挙げられる。揚げ蒲鉾としては、上記した名称のほか、前記副原料を各種の態様で加えた種々名称が付された態様のものが含まれる。
魚肉練り食品の原料は、後述するように一般に魚肉等の魚肉練り原料に食塩を加えてすりつぶし、さらに調味料等を加えた後成形し、95℃以下の温度で加熱してゲル化することにより製造されてよい。この際、原料に食塩を加えて練ることにより原料中のアクチンとミオチンが溶け網目構造が形成され、これによって練り製品特有の「足」すなわち強い弾性を持った歯切れの良い食感を持たせることができる。足の強さは一般に官能の評価(そしゃく試験と折り曲げ試験)および物理的な測定(引張り試験とプランジャー押込み試験)を併用して評価できる。
−魚肉練り食品の原料の製造−
調理方法
魚肉練り食品またはその原料の形態として、各種の形態を用いることができる。基本的な調理法は、例えば、焼く、煮る、油調(揚げる)、蒸す、といったいずれの調理形態であってもよい。また、調理に際しては、各種調味料、香辛料はもちろん、上記したような各種野菜、特に薬味野菜、海産物、その他の副原料を製品中に含有させてもよい。
ただし、上記に挙げた調理形態は一般的な魚肉練り食品の原料製法にすぎず、厳密にそのような調理法ないしそのレシピによって調理される必要はない。
−魚介食品が練り魚介食品である、包装された魚介製品の製造方法−
次にこのような魚肉練り食品(練り魚介食品)を用いた包装された魚介製品(包装された魚肉練り製品)の製造方法について、具体的な態様に基づき詳細に説明する。
真空包装するまでの魚肉練り食品の原料の加工工程としては、魚肉練り食品のタイプに応じた各種の態様を取り得る。魚肉練り食品の原料を、包装体内に収納して真空包装した後、殺菌処理する。真空包装した魚肉練り食品を加熱により殺菌する場合、殺菌条件は、例えば、レトルトパウチの殺菌条件である120℃で30分間でもよく、また、120℃以上の高温でもよい。また、これらよりも低い温度である90℃以上(好ましくは95℃以上)105℃未満の温度で、40〜120分間の加熱処理を行うことが好ましい。なお、殺菌のための加熱は、魚肉練り食品の調理のための加熱を兼ねていてもよい。
90℃以上(好ましくは95℃以上)105℃未満の温度で、加熱殺菌処理を行えば、加熱殺菌処理による魚肉練り食品本来の食感、食味、風味等の特性の低下を顕著に抑制することができる。
加熱殺菌処理条件としては、より好ましくは90℃以上100℃以下の温度にて、80〜120分間、具体的には約95℃で約100分間といった条件を挙げることができる。本発明者は、90℃以上105℃未満の温度で相応の処理時間に亘り加熱殺菌処理すると、意外にも、常温保管に耐え得る十分な無菌性と、食感等を両立できる。
加熱殺菌処理は、単回行えば十分であるが、好ましくは、殺菌性を向上するために、上記殺菌条件範囲のうちの比較的短い時間、例えば各50分間以下の処理を、2回以上、特に2回行うことが好ましい。なお、このように複数回に分けての加熱殺菌処理を行う場合、包装された魚肉練り製品の原料は、各加熱殺菌処理の間、各加熱殺菌処理の温度よりも低い温度に置かれ、例えば23℃±5℃程度の温度まで冷却される。
前記した加熱殺菌処理までの魚肉練り食品の原料の加工方法としては、魚肉練り食品の種類、あるいは調理法に応じて、各種の態様を取り得る。ただし、加熱を行う場合、例えば120℃以上といった高温で長時間(具体的には5分間以上)の処理は行わないことが好ましく、加熱処理後に魚介材料を20℃以下に冷却することも好ましい。
具体的な例を通じて、包装された魚肉練り製品を製造する方法の詳細につき説明する。
この実施形態では、材料である冷凍魚肉すり身を、原料受入れ検査で受け入れ、品名、規格、賞味期限、産地等に問題がないか点検を行う。原料としては、冷凍品でなく、鮮魚を用いることも可能である。ただし、原料供給路ないし工場設備等における季節変動や温度変化といった因子の影響を受けることなく、均一でかつ安定した製品品質を保つ上では、冷凍品を用いることが好ましい。原料自体に起因する製品不良の発生を防止する上で、搬入される原料が品温−18℃以下で、また包装の箱破れ等が無いかを検査する。次に、原料解凍)において底部に水切り穴が開口されている専用の容器内に原料を入れて自然解凍を行う。なお、解凍温度としては、特に限定されるものではないが、15℃以下の温度で行うことが望ましい。温度が20℃以上となると解凍された原料が腐敗しやすくなる虞れがあるためである。自然解凍時間としては、原料が十分に解凍できる時間であれば良いが、通常12〜24時間程、代表的には1晩程度の時間によって自然解凍できる。
解凍した魚肉は、次いで、すり身機で、粗すりを行う。粗すりにおいては氷を加えて、温度上昇を防ぐ。その後、食塩を2〜3%程度加えて塩すりを行い、さらに調味料を適宜加えて本すりを行う。
このようにして得られた魚肉すり身に対して、副原料を添加する場合はその品質を確認した上で、具材投入を行う。
得られた魚肉すり身(具材入り)を所期形状に成形し、すわりを行う。
そして、所定の製品形態とするために、加熱機で、ゆで、揚げ、蒸し、または焼き等のいずれかの方法で加熱を行い、魚肉練り食品の原料を得、袋詰めのために一旦冷却する。
次いで袋詰めにおいて、それぞれの魚肉練り食品の原料を包装体に入れる。包装体は上述のとおりである。魚肉練り食品の原料を包装体に入れた後、真空包装において、真空包装機を用いて、減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉する。
真空包装を行った後、重量検査で、規格の製品質量となっているかを検査すると共に、真空漏れの有無を確認し、さらに金属検査で、製造機器等から製品中に混入し得るFe,SUS等の金属の有無を確認する。
真空包装製品の内容物の安全性の確認が取れたら、殺菌において、真空包装した魚肉練り食品の原料を、90℃以上(好ましくは95℃以上)105℃未満の温度にて40〜120分間という条件範囲内の一例として、95℃で100分、加熱殺菌処理する。
殺菌による加熱処理が終了したら、製品を、直ちに冷蔵庫を用いて冷却し、1時間以内で20℃以下の温度としてもよい。このように急速に冷却を行うことで、加熱調理された魚介材料(かまぼこ)の必要以上の脆化を抑制し、所定の形状性およびやわらかさ(硬さ)を有するかまぼこを得ることができる。
このようにして製造された、真空包装された魚肉ねり製品は、その後、冷却され、水切り工程で真空包装に欠陥がないか検査の上、必要に応じて出荷まで冷凍保管され、箱詰めの上、出荷される。
真空包装した後に、包装体の外側を洗浄することが好ましい。洗浄処理は、殺菌処理の後でも前でもよい。包装体の外側を洗浄することにより、上述のとおり、製造中に付着した魚介食品に由来するドリップ等を除去することができる。
包装体の外側の洗浄方法は、上記で述べた方法と同様である。
(魚介食品が未調理魚介食品である、包装された魚介製品)
次に、魚介食品が未調理魚介食品である場合について説明する。
未調理の魚介食品は特に限定されず、例えば、上記味付け調理済みの魚介食品における魚介肉素材(魚介材料)が挙げられる。
−包装された未調理魚介製品の製造方法−
生の魚介材料(例えば、魚体全体そのまま、又は、魚体から得た切り身、又は、貝類及び貝ムキ身)やこれらをボイル及びスチーム等で加熱処理した冷凍品を、上述の包装体内に収納して真空包装した後、殺菌処理する。加熱により殺菌する場合、殺菌条件は、例えば、100℃で、100分間である。
また、加熱殺菌処理は、単回行えば十分であるが、より好ましくは、その殺菌性を保障するために、上記殺菌条件範囲のうちの比較的短い時間での処理を2回行うことが好ましい。なお、このように複数回加熱殺菌処理を行う場合、各加熱殺菌処理の間は、特に限定されるものではないが、魚介材料は一旦、例えば、23℃±5℃程度の温度まで冷却されることが望ましい。
真空包装した後に、包装体の外側を洗浄することが好ましい。洗浄処理は、殺菌処理の後でも前でもよい。包装体の外側を洗浄することにより、上述のとおり、製造中に付着した魚介食品に由来するドリップ等を除去することができる。
包装体の外側の洗浄方法は、上記で述べた方法と同様である。
なお、以上は、本発明を具体的実施形態に基づき説明したが、本発明はこれらの例示した実施形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲において規定する本発明の範囲内において、種々の変更ないし改変を行い得るものである。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。
なお、以下の実施例において、評価した各特性値の評価方法は以下によるものであった。
細菌検査
包装体に収納した状態にて、実施例1、実施例3、比較例1及び比較例2においては解凍後に、また、実施例2においては冷却後に、30±2℃にて30日間保管、30±2℃にて90日間保管、30±2℃にて365日間保管、又は8±2℃90日間保管した。製造後(実施例1、実施例3、比較例1及び比較例2においては凍結前、実施例2においては冷却前)、及び保管後において、包装体より取り出した魚介食品を、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版 2018年)に記載の方法に準拠し、標準寒天培地を用いて一般生菌数、XM−G寒天培地を用いて大腸菌群数、XM−G寒天培地を用いて大腸菌数、卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて黄色ブドウ球菌数を調べた。結果を表2及び表3に示す。なお、実施例1〜3及び比較例1〜2の全てにおいて、製造後においては、一般生菌0(CFU/g)であり、大腸菌群、大腸菌及び黄色ブドウ球菌は陰性であった。
臭い評価
魚介食品を包装体に収納した状態にて、実施例1、実施例3、比較例1及び比較例2においては解凍後に、また、実施例2においては冷却後に、30±2℃にて30日間保管、30±2℃にて90日間保管後、30±2℃にて365日間保管、又は8±2℃にて90日間保管した。製造後(実施例1、実施例3、比較例1及び比較例2においては凍結前、実施例2においては冷却前)、及び保管後、魚介食品を包装体に収納した状態にて、男女10名のパネラーに、魚介食品の腐敗臭及び魚介食品由来の臭いの有無について評価してもらった。魚介食品の腐敗臭の結果を表4に示し、魚介食品に由来する臭いの結果を表5に示す。なお、ご協力いただいたパネラーの年代構成は、30代 3名、40代 4名、50代 3名であり、男女比は6:4であった。
なお、評価基準は以下の通りであり、それぞれのパネラーによる採点結果を平均し、小数点以下を四捨五入して得られた値を評価結果とした。なお、協力いただいたパネラーには、各製品がどのような工程を経て得られたものであるか等については、一切予め教えることなく、またそれぞれのパネラーに提供する各魚介食品の順番についても、予測できないように無作為なものとした。
<魚介食品の腐敗臭>
5:魚介食品の腐敗臭は全く感じられない。
4:なんとなく魚介食品の腐敗臭がある気がする。
3:魚介食品の腐敗臭をやや感じる。
2:魚介食品の腐敗臭をはっきり感じる。
1:魚介食品の腐敗臭がきつい。
<魚介食品に由来する臭い>
5:魚介食品由来の臭いは全く感じられない。
4:なんとなく臭いに違和感がある気がする。
3:魚介食品由来の臭いをやや感じる。
2:魚介食品由来の臭いをはっきり感じる。
1:魚介食品由来の臭いがきつい。
0:魚介食品の腐敗臭のため、魚介食品由来の臭いが判別できない。
実施例1(さばの味噌煮(調理済み魚介食品)を魚介食品とする、包装された魚介製品の製造)
魚介材料である冷凍品のさばの切り身(70g)を、15℃以下の温度で一晩自然解凍し、解凍した切り身を、水道水の流水で15分間洗浄し、洗浄後水を30分間自然落下させて水切りを行った後、3層のラミネートフィルムである包装体A(キョーラク株式会社製EMCBAGバリアタイプの三方シール袋。一層にバリアロックス、1011SBR2、東レフィルム加工株式会社製、PET/酸化アルミ/コーティングの積層フィルムを使用。その他の二層に、NY、レトルトCPPを使用。)に、予め所定調合により調製しておいた味噌ダレ(30g)と共に切り身を入れ、真空包装機を用いて減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉した。そして真空包装後、製品をレトルト釜にて、100℃で100分という条件にて加熱殺菌処理した。加熱殺菌処理後、包装体ごと、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流し洗浄した。その後凍結し保管した。
解凍後、上記細菌検査および臭い評価に供した。5パックの魚介製品について上記細菌検査および臭い評価を行い、その平均値(小数点以下は四捨五入する。以下、同様。)を、表2〜5に示す。
実施例2(かまぼこ(練り魚介食品)を魚介食品とする、包装された魚介製品の製造)
加熱処理して得られた揚げかまぼこを、実施例1と同じ包装体Aに入れ、真空包装機を用いて減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉した。そして真空包装後、製品をボイル槽にて、95℃で50分2回という条件にて加熱殺菌処理した。その後、冷蔵庫を用いて冷却した。
冷却後、上記細菌検査および臭い評価に供した。5パックの魚介製品について上記細菌検査および臭い評価を行い、その平均値を、表2〜5に示す。
実施例3(ボイルホタテ(未調理魚介製品)を魚介食品とする、包装された魚介製品の製造))
ボイルホタテを、実施例1と同じ包装体Aに入れ、真空包装機を用いて減圧した後、開放部を高周波誘導加熱等によりヒートシールして密閉した。そして真空包装後、製品をレトルト釜にて、100℃で100分という条件にて加熱殺菌処理した。加熱殺菌処理後、包装体ごと、次亜塩素酸水に浸漬した後、水で洗い流し洗浄した。その後凍結し保管した。
解凍後、上記細菌検査および臭い評価に供した。5パックの魚介製品について上記細菌検査および臭い評価を行い、その平均値を、表2〜5に示す。
比較例1(さばの味噌煮(調理済み魚介食品)を魚介食品とする、包装された魚介製品の製造)
包装体として、包装体Aの代わりに、包装体B(福助工業株式会社製ラミネート製品レンジシールFKバリアタイプの三方シール袋)を用いたことの他は、実施例1と同様にした。
比較例2(さばの味噌煮(調理済み魚介食品)を魚介食品とする、包装された魚介製品の製造)
包装体として、包装体Aの代わりに、包装体C(キョーラク株式会社製EMCBAG冷温タイプの三方シール袋。)を用いたことの他は、実施例1と同様にした。
比較例3
包装体Aの代わりに、包装体D(凸版印刷株式会社製、品名:GL−ARY、酸素透過率:0.5cc/m/day、水蒸気透過率:8.0g/m/day)を用いたことの他は、実施例1と同様にした。
<酸素透過度の測定>
包装体A〜Dについて、JISK7126B法に基づく、23℃、相対湿度90%における酸素透過率、及びJISK7129Bに基づく、40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率を表1に示す。
Figure 2021176296
Figure 2021176296
Figure 2021176296
Figure 2021176296
Figure 2021176296
表1〜5に示すように、酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ水蒸気透過率が1.0g/m/day以下である包装体を用いた実施例1〜3の包装された魚介製品は、90日間及び365日間保管しても無菌条件を満たし且つ魚介食品由来の臭いもしなかった。このため、長期間の常温保管が可能であり、常温流通に適していることが分かる。
一方、酸素透過度が0.9cc/m/day以下且つ水蒸気透過率が1.0g/m/day以下を満たさない包装体を用いた比較例1〜3の包装された魚介製品は、魚介食品に由来する臭いを感じた。

Claims (5)

  1. 魚介食品が真空包装体中に収納され常温で保管される包装された魚介製品であって、
    前記真空包装体の包装体は、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下であり、
    前記魚介食品は、前記真空包装体中で、30±2℃にて90日間保管後において、食品衛生検査指針微生物編(改定第2版 2018年)に記載の方法に準拠して検査した際、
    標準寒天培地を用いて検査した一般生菌数が300CFU/g未満、
    XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌群が陰性、
    XM−G寒天培地を用いて検査した大腸菌が陰性、かつ
    卵黄加マンニット食塩寒天培地を用いて検査した黄色ブドウ球菌が陰性となる
    無菌性条件を満たすものである包装された魚介製品。
  2. 前記魚介食品の形態が、味付け調理済み、練り、及び未調理からなる群から選択されるいずれかの形態である、請求項1に記載の包装された魚介製品。
  3. 魚介食品を、23℃、相対湿度90%における酸素透過率が0.9cc/m/day以下且つ40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1.0g/m/day以下である包装体内に収納して真空包装した後、真空包装した魚介食品を殺菌処理することを特徴とする、包装された魚介製品の製造方法。
  4. 前記殺菌処理が、加熱による殺菌処理である、請求項3に記載の包装された魚介製品の製造方法。
  5. 前記真空包装した後に、前記包装体の外側を洗浄する、請求項3又は4に記載の包装された魚介製品の製造方法。
JP2021031936A 2020-04-30 2021-03-01 包装された魚介製品およびその製造方法 Active JP7241112B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020080199 2020-04-30
JP2020080199 2020-04-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021176296A true JP2021176296A (ja) 2021-11-11
JP7241112B2 JP7241112B2 (ja) 2023-03-16

Family

ID=78408972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021031936A Active JP7241112B2 (ja) 2020-04-30 2021-03-01 包装された魚介製品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7241112B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07315356A (ja) * 1994-05-20 1995-12-05 Suzupatsuku:Kk 容器とその製造方法
JP2001278356A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Kureha Chem Ind Co Ltd 魚加工品用レトルト食品包装体及びその製造方法
JP2002001890A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Asahi Kasei Corp 多層密着性耐熱ラップフィルム
JP2005096269A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Dainippon Printing Co Ltd 積層材およびそれを使用した包装用袋
JP2013091208A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Dic Corp 保香用多層フィルム
JP2015182785A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 国立大学法人名古屋大学 食品包装体
WO2019142923A1 (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 凸版印刷株式会社 ガスバリア積層体及びそれを備える包装体
WO2019189490A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 大日本印刷株式会社 包装材料及び包装材料を備えるレトルトパウチ又は電子レンジ用パウチ
JP6628922B1 (ja) * 2018-11-20 2020-01-15 海商株式会社 包装された調理済魚介製品およびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07315356A (ja) * 1994-05-20 1995-12-05 Suzupatsuku:Kk 容器とその製造方法
JP2001278356A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Kureha Chem Ind Co Ltd 魚加工品用レトルト食品包装体及びその製造方法
JP2002001890A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Asahi Kasei Corp 多層密着性耐熱ラップフィルム
JP2005096269A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Dainippon Printing Co Ltd 積層材およびそれを使用した包装用袋
JP2013091208A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Dic Corp 保香用多層フィルム
JP2015182785A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 国立大学法人名古屋大学 食品包装体
WO2019142923A1 (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 凸版印刷株式会社 ガスバリア積層体及びそれを備える包装体
WO2019189490A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 大日本印刷株式会社 包装材料及び包装材料を備えるレトルトパウチ又は電子レンジ用パウチ
JP6628922B1 (ja) * 2018-11-20 2020-01-15 海商株式会社 包装された調理済魚介製品およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7241112B2 (ja) 2023-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101704007B1 (ko) 순대의 제조방법 및 그 방법에 의한 순대
JP6628922B1 (ja) 包装された調理済魚介製品およびその製造方法
CN103798847B (zh) 一种即食虾制品及其加工方法
KR102003459B1 (ko) 가공식품 제조방법
KR20140017757A (ko) 간편편이식 조미생선 및 그의 제조방법
WO2015106010A1 (en) Safe pasteurized shellfish with extended refrigerated shelf-life
KR20160034870A (ko) 씨앗이 함유된 비벼먹는 젓갈 제조방법 및 그에 의해 제조된 씨앗이 함유된 비벼먹는 젓갈
JP7241112B2 (ja) 包装された魚介製品およびその製造方法
KR101490752B1 (ko) 간편편이식의 제조방법
Whittle et al. Glossary of fish technology terms
CN112471449A (zh) 一种脆虾加工用生产工艺
WO2021045204A1 (ja) 包装された魚肉練り製品
RU103280U1 (ru) Набор полуфабрикатов продуктов питания
Singh et al. Fish processing: An entrepreneurial opportunity for livelihood and income generation
CN1976844A (zh) 用于调味品的制作方法
Espinoza Development of safe and ready to eat frozen oyster products using microwave steam-venting technology
WO2021002366A1 (ja) パック入り焼きタラコとその製造方法
JP7229344B2 (ja) 香辛料がトッピングされた加工豚肉を含むベーコン製品及びその製造方法
Zakkar et al. Good practices for preprocessing and cooking farmed fish
KR20170091284A (ko) 상온에서 유통가능한 레토르트 수산탕의 제조방법 및 이로부터 제조된 레토르트 수산탕
Herring et al. Paddlefish Food Products
CN111990613A (zh) 一种可以去腥的酥骨鱼加工工艺
KR101768885B1 (ko) 자숙굴을 이용한 굴스낵 및 이의 제조방법
JP2023097740A (ja) 包装凍結食品の製造方法、および包装凍結食品
KR20060077547A (ko) 쇠고기 장조림의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210305

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210305

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210305

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210921

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211220

C116 Written invitation by the chief administrative judge to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C116

Effective date: 20220111

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220203

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220802

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20221004

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20230131

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20230228

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7241112

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350