JP2021173929A - 感光性樹脂組成物、それを用いた半導体装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、それを用いた半導体装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 スパッタリングによって形成された金属層との密着性を向上できる感光性絶縁材を提供し、更に、配線形成時の歩留りと信頼性に優れた半導体装置を提供する。【解決手段】 感光性樹脂組成物を窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱した硬化膜の、下記式から算出される架橋密度(Cd)が1×10−3〜1×10−2mol/cm3である、感光性樹脂組成物。ここで、Cdは架橋密度(mol/cm3)、E’は573Kにおける動的貯蔵弾性率(Pa)、Rは気体定数(=8.31J/mol・K)、Tは573Kである。【選択図】 図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた半導体装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体パッケージの高密度化、高性能化を目的に、異なる性能のチップを一つのパッケージに混載する実装形態が提案されており、歩留りやコスト面に優れたチップ間の高密度インターコネクト技術が重要になっている(例えば特許文献1参照)。
パッケージ上に異なるパッケージをフリップチップ実装によって積層することで接続するパッケージ・オン・パッケージがスマートフォンやタブレット端末に広く採用されている(例えば非特許文献1及び非特許文献2参照)。
更に高密度で実装するための形態として、高密度配線を有する有機基板を用いたパッケージ技術(有機インターポーザ)、スルーモールドビア(TMV)を有するファンアウト型のパッケージ技術(FO−WLP)、シリコン又はガラスインターポーザを用いたパッケージ技術、シリコン貫通電極(TSV)を用いたパッケージ技術、基板に埋め込まれたチップをチップ間伝送に用いるパッケージ技術等が提案されている。
特に有機インターポーザやFO−WLPでは、半導体チップ同士を並列して搭載する場合には、高密度で導通させるために微細配線層が必要となる(例えば特許文献2参照)。
特表2012−529770号公報 米国特許出願公開第2011/0221071号明細書
Application of Through Mold Via (TMV) as PoP Base Package, Electronic Components and Technology Conference (ECTC), 2008 Advanced Low Profile PoP Solution with Embedded Wafer Level PoP (eWLB−PoP) Technology, ECTC, 2012
微細配線形成には、通常、スパッタリングによる感光性絶縁材上へのシード層となる金属層形成、レジスト形成、電気めっき、レジスト除去、及び、レジストで覆われた個所のシード層除去の工程が必要となり、微細配線部分のシード層を除去する工程時に、感光性絶縁材から金属層が剥離して歩留りが低下する課題があった。
更に、温度サイクルなどの信頼性試験においても、スパッタリングによって形成された金属層が剥離する不具合があった。
本開示は、スパッタリングによって形成された金属層との密着性を向上できる感光性絶縁材を提供し、更に、配線形成時の歩留りと信頼性に優れた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、[1]感光性樹脂組成物を窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱した硬化膜の、下記式から算出される架橋密度(Cd)が1×10−3〜1×10−2mol/cmである、感光性樹脂組成物である。
Figure 2021173929
ここで、Cdは架橋密度(mol/cm)、E’は573Kにおける動的貯蔵弾性率(Pa)、Rは気体定数(=8.31J/mol・K)、Tは573Kである。
また、本発明は、[2] 前記硬化膜のガラス転移温度が100℃以上である、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物である。
また、本発明は、[3] 前記硬化膜とスパッタリングによって形成される金属層との密着性が、0.30kN/m以上である上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物である。
また、本発明は、[4] 前記硬化膜の疲労破壊応力が120MPa以上である上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物である。
また、本発明は、[5] 前記硬化膜が、イミド基を有するポリマー、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有するベース樹脂から選択される少なくとも1種を含む上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物である。
更に、本発明は、[6] 上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜と第1の金属層との間に、第2の金属層を厚み10〜500nm設けた半導体装置である。
また、本発明は、[7] 上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を熱硬化して硬化膜を得る工程と、硬化膜上にスパッタリングによって第2の金属層を形成する工程と、金属層上にレジストパターンを形成する工程と、電解めっきにより第1の金属層を形成する工程、レジスト剥離及びレジストで覆われていた第2の金属層の除去によって配線パターンを形成する工程と、を少なくとも含む半導体装置の製造方法である。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、接触する金属層との密着性を向上することができ、配線形成時の金属層と感光性樹脂との間の剥離やそれに伴う感光性樹脂へのクラックを抑制でき、また、高い溶剤耐性を有していることから、歩留まりと信頼性に優れた半導体装置を製造することができる。
本発明の半導体装置とその製造方法の工程を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例の密着性(縦軸、単位:kN/m)と架橋密度(横軸、単位:mol/cm)をプロットした図である。
本発明は、感光性樹脂組成物を窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱した硬化膜の、上記式から算出される架橋密度(Cd)が1×10−3〜1×10−2mol/cmである、感光性樹脂組成物である。
架橋密度(Cd)は、架橋点間分子量の逆数であることから、架橋密度(Cd)が1×10−3〜1×10−2mol/cmであることと、架橋点間分子量(Cm)が1×10〜1×10g/molは同義である。ただし、本発明において、架橋密度(Cd)は、感光性樹脂組成物の密度ρを1.0g/cmとして算出した値である。
ここで、架橋密度(Cd)は次のようにして算出することができる。感光性樹脂組成物を200℃で2時間加熱して硬化膜の10μm厚、10mm幅の短冊サンプルを、チャック間距離を20mm、周波数を1.0Hzとし、25〜350℃の温度条件で測定する。300℃での貯蔵弾性率(E’)を測定し、上記式のE’にその値(Pa)を代入して架橋密度を算出する。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物を熱硬化して硬化膜とスパッタリングによって形成される金属層との密着性(密着強度)は、0.30kN/m以上であることが好ましく、0.40kN/m以上であることがより好ましく、0.50kN/m以上であることが最も好ましい。金属層としては特に限定はしないが、Ti、Cr、TiW、Cu、及びそれらが含まれる合金のいずれかが好ましく用いられる。また、異なる金属層が積層されていてもよい。
金属層との密着性は下記のように測定することができる。シリコンウェハ上に感光性樹脂組成物を形成し、窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱して硬化膜を得る。スパッタリング装置(株式会社アルバック製、SIV−500)を用いて、120℃で30分間加熱した後、アルゴンイオンガンで硬化膜の表面処理を行い、電源4000W、圧力1×10―3Pа、アルゴン流量30sccmの条件で、50nm厚のチタン、次いで200nmの銅をスパッタリングした。その後、電解銅めっきによって20μm厚の銅を形成し、85℃に設定したオーブンで5分間乾燥させた。試験幅が15mmとなるように金属層及び硬化膜を切断し、卓上ピール試験機(株式会社島津製作所製EZ−S)を用いて、試験角度を90°、引っ張り速度を10mm/minとし、25℃で3回測定した平均値を密着強度とした。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜のガラス転移温度が、金属との密着性を維持できる点で100℃以上であることが好ましく、温度サイクル中の不具合を低減できる点で150℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることが更に好ましく、リフロー後の反りを低減できる点で200℃以上であることが最も好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の−55〜125℃の間の線膨張係数が、金属との密着性を維持できる点で20〜80×10−6/Kであることが好ましく、温度サイクル中の不具合を低減できる点で20〜70−6/Kであることがより好ましく、パッケージの応力を緩和できる点で30〜70−6/Kであることが更に好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の疲労破壊応力が、リフロー後のクラック耐性の観点から120MPa以上であることが好ましく、温度サイクル時のクラック耐性の観点から125MPa以上であることがより好ましい。
硬化膜の疲労破壊応力は次のように測定することができる。硬化膜の10μm厚、10mm幅の短冊サンプルを、株式会社島津製作所製特形恒温槽付きオートグラフ(AG−1kNXplus)を用い、測定温度を25℃、チャック間距離を20mm、試験速度を5mm/min、任意の応力で繰り返し引っ張り試験を実施した。破断までのサイクル数が1000サイクル未満となる応力を3条件設定し、破断サイクル数と試験応力との関係をプロットする。得られた近似直線から破断サイクル数が1000となる応力を算出し、疲労破壊応力と定義した。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ベース樹脂、(B)加熱により架橋又は重合し得る架橋剤、(C)感光剤、(D)その他の添加剤(硬化促進剤、表面処理剤)、(E)充填材等を必要に応じて含有する。
本発明では、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜が、イミド基を有するポリマー、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有する(A)のベース樹脂(ポリマー)から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
イミド基を有するポリマーとしては、イミド基を側鎖に有するアクリル樹脂、マレイミド樹脂、マレイミド基を末端に有する樹脂、ポリイミド樹脂、が好ましく用いられる。
イミド基を側鎖に有するアクリル樹脂は、イミド基含有アクリレートを用いて得ることができる。イミド基含有アクリレートとしては、イミド基を有するアクリレートであれば特に限定はなく、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドが好ましく用いられる。
マレイミド基を末端に有する樹脂としては、下記一般式(1)で示される構造を有するマレイミド樹脂であることが好ましい。
Figure 2021173929
一般式(1)中、Rは飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示し、少なくとも炭素数6〜20のメチレン鎖を含み、Rは4価の有機基を示し、nは1〜10の整数を表す。
ポリイミド樹脂としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを通常の方法で、例えば有機溶剤中で縮合反応させて得られるものが好ましく用いられる。
本発明では、上記のように感光性樹脂組成物から得られる硬化膜が、イミド基を有するポリマー、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有するポリマーから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。そして、イミド基を有するポリマーとしては、イミド基を側鎖に有するアクリル樹脂、マレイミド樹脂、マレイミド基を末端に有する樹脂、ポリイミド樹脂、が好ましく用いられる。
((B)成分:加熱により架橋又は重合し得る架橋剤)
本発明に使用される(B)成分である加熱により架橋又は重合し得る架橋剤は、感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において、(A)成分のベース樹脂と架橋反応する。又は、この(B)成分は、加熱処理する工程において、自身が重合する。これによって、比較的低い温度、例えば、200℃以下の硬化において懸念される膜の脆さを防ぎ、機械特性や薬品耐性、フラックス耐性を向上させることができる。
この(B)成分は、加熱処理する工程において架橋又は重合する化合物である以外に特に制限はない。
(A)成分のポリマーと(B)成分が架橋反応を形成するためには、(A)成分の末端基と(B)成分の官能基との組み合わせとしては、熱により、共有結合、イオン結合、水素結合のいずれかの形態にて両者の間で結合が生ずればよく、特に制限はない。
中でも、反応性すなわち最終的に得られる硬化膜の特性の観点で、(A)成分の末端基と(B)成分の官能基とが、次のA群、B群よりそれぞれ一つずつ選ばれるような組み合わせが好ましい。この場合、(A)成分の末端基をどちらの群から選んでもよいが、(A)成分の末端基と、(B)成分の官能基とが互いに異なる群より選ばれた組み合わせとする必要がある。
A群:1級又は2級アルコール、フェノール、カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、チオール、芳香環。
B群:メチロール、アルコキシアルキル基、3級アルコール、シクロアルキル基、オレフィン、三重結合、ハロゲン化アルキル、エポキシ基などの環状エーテル、エステル結合、カーボネート、イソシアナート。
上記に該当しない組み合わせでも、カルボキシル基又はエステルとアミノ基、カルボキシル基又はエステルと1、2級アルコール又はフェノール、シクロアルキル基同士、カルボキシル基同士、アルコール同士、エポキシ基同士、オレフィンあるいは三重結合同士、メチロール同士なども反応性の高い好ましい組み合わせとして挙げることができる。
更に、前記末端基の種類によらず分子内にメチロール基、アルコキシメチル基、エポキシ基又はビニルエーテル基を有する化合物が、取り扱いが容易である点から、本発明に用いることが好ましい。特に、これらの基がベンゼン環に結合している化合物、あるいはN位がメチロール基又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン系化合物、尿素系化合物は、配合したワニスの安定性が良く、好ましい。また、これらの基がフェノール性水酸基を有するベンゼン環に結合している化合物は、現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度を向上させることができる点で、より好ましい。中でも、感度とワニスの安定性、加えてパターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる点で、分子内に2個以上のメチロール基、アルコキシメチル基を有する化合物がより好ましい。
そのような(B)成分の化合物は、下記一般式(2)〜(4)で表すことができる。
Figure 2021173929
(一般式(2)中、Xは単結合又は1〜4価の有機基を示し、R11、R12は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示し、nは1〜4の整数であり、p及びqは各々独立に0〜4の整数である)
Figure 2021173929
(一般式(3)中、2つのYは各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基で酸素原子、フッ素原子を含んでいてもよく、R13〜R16は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示し、m及びnは各々独立に1〜3の整数であり、p及びqは各々独立に0〜4の整数である)
Figure 2021173929
(一般式(4)中、R17、R18は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示し、複数あるR18は環構造を有して、互いに連結していてもよい)
上述の架橋剤((B)成分)として、例えば、以下の構造式:
Figure 2021173929
で示される化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(B)成分(加熱により架橋又は重合し得る架橋剤)の配合量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅、及び硬化膜物性を良好とする点から、(A)成分(ベース樹脂)100質量部に対して1〜50質量部が好ましい、一方、230℃以下での硬化膜の薬品耐性、フラックス耐性を良好とする観点から、20質量部以上とすることが好ましい。
((C)成分:感光剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)成分のベース樹脂とともに(C)感光剤を含む。この感光剤とは、光に反応して、その組成物から形成された膜の現像液に対する機能を有するものである。本発明で(C)成分として用いられる感光剤に特に制限はないが、光により酸又はラジカルを発生するものであることが好ましい。
ポジ型の場合は、(C)感光剤は、光により酸を発生するもの(光酸発生剤)であることがより好ましい。光酸発生剤は、ポジ型においては、光の照射により酸を発生し、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。そのような光酸発生剤としてはo−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、o−キノンジアジド化合物が感度が高く好ましいものとして挙げられる。
上記o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが使用できる。
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
上記反応の反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
また、(A)成分中の構造においてアクリロイル基、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基がある場合は、(C)成分(感光剤)として、ラジカルを発生するもの、即ち光重合開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることができる。このネガ型感光性樹脂組成物は、光の照射による架橋反応によって光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を低下させる機能を有するものである。
本発明の感光性樹脂組成物において、(C)成分(感光剤)の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、(A)成分(ベース樹脂)100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、8〜40質量部がより好ましい。
(熱酸発生剤)
本発明において、更に、(C)成分として熱酸発生剤(熱潜在酸発生剤)を使用することができる。熱酸発生剤を使用すると、(A)成分のフェノール性水酸基含有ポリアミド構造が脱水反応を起こして環化する際の触媒として効率的に働くので好ましい。また、本発明の約280℃以下での脱水閉環率が高い特定の樹脂に、この酸熱発生剤を併用することにより、脱水環化反応を更に低温化できるので、低温での硬化でも硬化後の膜の物性が、高温で硬化したものと遜色ない性能が得られる。
上記熱酸発生剤(熱潜在酸発生剤)から発生する酸としては、強酸が好ましく、具体的には、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸等が好ましい。これらの酸は、ポリベンゾ オキサゾール前駆体のフェノール性水酸基含有ポリアミド構造が脱水反応を起こして環化する際の触媒として効率的に働く。これに対して、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸や硝酸が出るような酸発生剤では、発生した酸の酸性度が弱く、更に加熱で揮発し易いこともあって、ポリイミド前駆体の環化脱水反応には殆ど関与しないと考えられ、本発明の十分な効果が得られ難い。
上述の酸は、熱酸発生剤として、オニウム塩としての塩の形やイミドスルホナートのような共有結合の形で本発明の感光性樹脂組成物に添加される。
上記オニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩のようなジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩のようなジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩、トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩のようなジアルキルモノアリールスルホニウム塩、ジフェニルメチルスルホニウム塩のようなジアリールモノアルキルヨードニウム塩等が好ましい。これらが好ましいのは、分解開始温度が150〜250℃の範囲にあり、280℃以下での前駆体の環化脱水反応に際して効率的に分解するためである。
これに対してトリフェニルスルホニウム塩は、本発明の熱酸発生剤としては望ましくない。トリフェニルスルホニウム塩は熱安定性が高く、一般に分解温度が300℃を超えているため、280℃以下での前駆体の環化脱水反応に際しては分解が起きず、環化脱水の触媒としては十分に働かないと考えられるためである。
以上の点から、本発明に用いる熱酸発生剤に好適なオニウム塩としては、例えば、アリールスルホン酸、カンファースルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸又はアルキルスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩、トリアルキルスルホニウム塩、ジアルキルモノアリールスルホニウム塩又はジアリールモノアルキルヨードニウム塩が挙げられる。これらは、保存安定性、現像性の点から好ましい。更に具体的には、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩(1%重量減少温度180℃、5%重量減少温度185℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩(1%重量減少温度151℃、5%重量減少温度173℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩(1%重量減少温度255℃、5%重量減少温度278℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩(1%重量減少温度186℃、5%重量減少温度214℃)、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩(1%重量減少温度154℃、5%重量減少温度179℃)、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩等を好ましいものとして挙げることができる。
また、上記イミドスルホナートとしては、ナフトイルイミドスルホナートが望ましい。
これに対して、フタルイミドスルホナートは、熱安定性が悪いために、硬化反応よりも前に酸が出て、保存安定性等を劣化させるので望ましくない。
上記ナフトイルイミドスルホナートの具体例としては、例えば、1,8−ナフトイルイミドトリフルオロメチルスルホナート(1%重量減少温度189℃、5%重量減少温度227℃)、2,3−ナフトイルイミドトリフルオロメチルスルホナート(1%重量減少温度185℃、5%重量減少温度216℃)などを好ましいものとして挙げることができる。
更に、上記熱酸発生剤として、下記の化学式(5)に示すように、RC=N−O−SO−Rの構造を持つ化合物(1%重量減少温度204℃、5%重量減少温度235℃)を用いることもできる。ここで、Rとしては、例えば、p−メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基等のパーフルオロアルキル基などが挙げられる。また、Rとしては、シアノ基、Rとしては、例えば、メトキシフェニル基、フェニル基等が挙げられる。
Figure 2021173929
また、上記熱酸発生剤として、下記の化学式(6)に示すように、アミド構造−HN−SO−Rをもつ化合物(1%重量減少温度104℃、5%重量減少温度270℃)を用いることもできる。ここでRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル等のパーフルオロアルキル基などが挙げられる。また、−HN−SO−Rの結合する基としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンや2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等が挙げられる。
Figure 2021173929
更にまた、本発明で用いる熱酸発生剤としては、オニウム塩以外の強酸と塩基から形成された塩を用いることもできる。このような強酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が好ましい。塩基としては、例えば、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンのようなアルキルピリジン、2−クロロ−N−メチルピリジンのようなN−アルキルピリジン、ハロゲン化−N−アルキルピリジン等が好ましい。更に具体的には、p−トルエンスルホン酸のピリジン塩(1%重量減少温度147℃、5%重量減少温度190℃)、p−トルエンスルホン酸のL−アスパラギン酸ジベンジルエステル塩(1%重量減少温度202℃、5%重量減少温度218℃)、p−トルエンスルホン酸の2,4,6−トリメチルピリジン塩、p−トルエンスルホン酸の1,4−ジメチルピリジン塩などが保存安定性、現像性の点から好ましいものとして挙げられる。
これらも280℃以下での前駆体の環化脱水反応に際して分解し、触媒として働くことができる。
熱酸発生剤の配合量は、(A)成分(ベース樹脂)100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部が更に好ましい。
((D)その他の成分)
本発明による感光性樹脂組成物において、上記(A)〜(C)成分に加えて、(i)溶解促進剤、(ii)溶解阻害剤、(iii)密着性付与剤、(iv)界面活性剤又はレベリング剤、(v))硬化促進剤などのその他の成分を配合してもよい。
((i)溶解促進剤)
本発明においては、更に(A)成分であるベース樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を促進させる溶解促進剤、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を含有させることができる。フェノール性水酸基を有する化合物は、本発明の感光性樹脂組成物に加えることで、アルカリ水溶液を用いて現像する際に露光部の溶解速度が増加し感度が上がり、また、パターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる。
本発明に使用することのできる上記フェノール性水酸基を有する化合物に特に制限はない。かかるフェノール性水酸基を有する低分子化合物としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、B、C、E、F及びG、4,4’,4’’−メチリジントリスフェノール、2,6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノールなど挙げることができる。
上記フェノール性水酸基を有する化合物の配合量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅の点から、(A)成分(ベース樹脂)100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、3〜25質量部がより好ましい。
((ii)溶解阻害剤)
本発明においては、更に(A)成分であるベース樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物である溶解阻害剤を含有させることができる。かかる溶解阻害剤とし て、具体的には、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨーダイト等の化合物を挙げることができる。
これら化合物は、発生する酸が揮発し易いこともあり、前駆体の環化脱水反応には関与しない。しかし、これら化合物は、効果的に溶解阻害を起こし、残膜厚や現像時間をコントロールするのに役立つ。かかる溶解阻害剤の配合量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分(ベース樹脂)100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.1〜20質量部が更に好ましい。
((iii)密着性付与剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等の密着性付与剤を含むことができる。
上記有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
また、上記アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
上記密着性付与剤を用いる場合は、(A)成分(ベース樹脂)100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
((iv)界面活性剤又はレベリング剤)
また、本発明の感光性樹脂組成物には、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりするために、適当な界面活性剤又はレベリング剤を添加することができる。
このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等があり、市販品としては、商品名「メガファックスF171」、「F173」、「R−08」(以上、DIC株式会社製)、商品名「フロラードFC430」、「FC431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、商品名「オルガノシロキサンポリマーKP341」、「KBM303」、「KBM403」、「KBM803」(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
((v)成分:硬化促進剤)
感光性樹脂組成物には、(D)成分として(D)硬化促進剤を更に含有させることもできる。(D)成分としては、加熱によって(A)、(B)成分の架橋、硬化又は重合を促進するものであれば特に制限はない。各成分がエポキシ樹脂である場合、(D)成分としては、例えば、芳香族含窒素化合物、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレートが挙げられる。中でもイミダゾール化合物又はそれらの塩が促進効果と安定性が両立できる点で好ましく、エポキシ樹脂の硬化を促進する効果が高いことから、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート等が特に好ましい。これら(D)成分の感光性樹脂組成物における含有量は、(A)、(B)成分100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
((E)成分:充填材)
感光性樹脂組成物は、(E)成分として充填材を含有していてもよい。(E)成分は、その含有量に応じて、パターン形成後の絶縁材料層を加熱して得られた硬化膜の熱膨張係数を低減することができる。
(E)成分としては、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物;アルカリ金属化合物;炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;タルク、マイカ等の鉱山物由来の無機化合物;溶融球状シリカ、溶融粉砕シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカなどが挙げられる。これら無機フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機フィラーは、粉砕機で粉砕され、場合によっては分級を行い、最大粒子径を2μm以下に調整することが好ましい。
これらのうち、無機フィラーはシリカであることが好ましい。シリカを用いる場合、その熱膨張係数が5.0×10−6/K以下であることが好ましい。シリカは、粒子径の観点から、溶融球状シリカ、煙霧状シリカ、又はゾルゲルシリカであることが好ましく、煙霧状シリカ又はゾルゲルシリカがより好ましい。シリカは、平均一次粒子径が5〜100nmであるシリカ(ナノシリカ)であることが好ましい。
(E)成分の平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは50nm以下である。平均一次粒子径が100nm以下であると、感光性樹脂組成物が白濁し難くなるため、露光光が感光性樹脂組成物を透過し易くなる傾向にある。平均一次粒子径は、BET比表面積から換算することによって求めることができる。
(E)成分は、最大粒子径が2μm以下であることが好ましい。最大粒子径は、公知の粒度分布計を用いて測定することができる。粒度分布計は、例えば、粒子群にレーザー光を照射し、発せられる回折光/散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めるレーザー回折散乱式粒度分布計、動的光散乱法による周波数解析を用いて粒度分布を求めるナノ粒子の粒度分布計等が挙げられる。
(E)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全量100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは3〜65質量部である。
((F)成分:溶剤)
本発明に使用される(F)成分(溶剤)としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられる。
これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また、使用する溶剤の量は特に制限はないが、一般に組成物中溶剤の割合が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
[半導体装置の製造方法]
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る半導体装置と、それを製造する方法について説明する。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、微細化及び多ピン化が必要とされる形態において特に好適であり、ライン幅が20μm以下(より微細な場合には例えば0.5〜10μm)であり且つスペース幅が20μm以下(より微細な場合には例えば0.5〜10μm)の構造を有するパッケージ形態において好適である。
本発明の実施形態に係る半導体装置と、それを製造する方法は、支持体上に上記の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を形成し硬化させ硬化膜を得る工程(I)と、硬化膜上に、スパッタリングによってシード層となる第2の金属層を形成する工程(II)と、第2の金属層上にレジストパターンを形成する工程(III)と、電解めっきにより第1の金属層を形成する工程(IV)と、レジスト剥離及びレジストで覆われていた第2の金属層の除去によって配線パターンを形成する工程と(V)を備える。
上記製造方法によれば、絶縁信頼性が充分に高い微細配線層を有する半導体装置を製造することができる。以下、各工程について説明する。
<支持体上に感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を得る工程(I)>
まず、支持体1上に上記の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂層を形成し硬化させ硬化膜2を形成する(図1(a)、(b))。支持体1は、特に限定されないが、シリコン板、ガラス板、SUS(ステンレス鋼)板、ガラスクロス入り基板、半導体素子入り封止樹脂等であり、高剛性からなる基板が好適である。支持体1の厚みは0.2mmから2.0mmの範囲であることが好ましい。0.2mm以上であると、ハンドリングが容易になり、2.0mm以下であると、材料費を抑えることができる傾向にある。支持体1は、ウェハ状であってもパネル状であってもよい。サイズは特に限定されないが、好ましくは直径200mm、直径300mm又は直径450mmのウェハ、あるいは、一辺が300〜700mmの矩形パネルが用いられる。
感光性樹脂層は、上述の感光性樹脂組成物を用い、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等の塗布方法によって形成することができる。感光性樹脂層の厚みは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。感光性樹脂層の厚みは、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
感光性樹脂層は加熱処理により硬化膜2を形成でき、加熱処理工程における加熱温度は、280℃以下、望ましくは120〜280℃、より望ましくは160〜250℃である。
また、加熱処理は、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等を用いて行う。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方が感光性樹脂組成物膜の酸化を防ぐことができるので望ましい。上記加熱温度範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本発明の製造方法を用いることによって、デバイスが歩留り良く製造できる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。
また、本発明方法における加熱処理としては、通常の窒素置換されたオーブンを用いる以外に、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いることもできる。これらを用いることにより、感光性樹脂組成物膜のみを効果的に加熱することが可能である。
<硬化膜上に、スパッタリングによって第2の金属層を形成する工程(II)>
続いて硬化膜2上に、スパッタリングよってシード層となる第2の金属層3を形成する工程を行う(図1(c))。この後の工程で電解めっきにより第1の金属層を形成するために行う電解めっきのシード層(電解めっきのための給電層)に相当する。シード層となる第2の金属層3を形成する方法としては、例えば、スパッタリングによってTi(チタン)、Cr(クロム)、TiW(チタンタングステン)、Cu(銅)等の金属薄層を形成する方法が挙げられる。スパッタリングターゲットとしてチタン、クロム等の金属を用い、反応ガスとして酸素、窒素等を導入することによって、硬化膜2の表面上に第2の金属層3を成膜することができる。
スパッタリングにより形成される第2の金属層3の厚みは、10〜500nmであることが好ましく、欠陥なく形成する点で20〜500nmであることがより好ましい。また、生産性の観点から10〜300nmであることが好ましい。以上から、第2の金属層の厚みは、20〜300nmであることが最も好ましい。
本発明では、硬化膜2と第1の金属層6との間に、予め第2の金属層3を設ける。
<第2の金属層上にレジストパターンを形成する工程(III)>
硬化膜の表面上に第2の金属層3を成膜したら、続いて、フォトリソグラフィープロセス(露光及び現像)でレジストパターンを形成する(図1(d)、(e))。感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定のマスクパターンを介して、感光性樹脂層4を所定のパターンに露光する。露光に用いられる活性光線としては、例えば、g線ステッパーの光線;低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、i線ステッパー等の紫外線;電子線;レーザー光線などが挙げられる。露光量は使用する光源、感光性樹脂層の厚み等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光性樹脂層の厚みが10〜50μmのとき、100〜5000mJ/cm程度である。
更に、露光後に加熱処理(露光後ベーク)を行う。露光後ベークを行うことにより、硬化反応を促進させることができる。露光後ベークの条件は感光性樹脂組成物の含有量、感光性樹脂層の厚み等によって異なるが、通常、70〜150℃で1〜60分間加熱することが好ましく、80〜120℃で1〜60分間加熱することがより好ましい。
次いで、露光又は露光後ベークを行った感光性樹脂層4を現像液により現像して、ネガ型にあっては、硬化部以外(未露光部)の領域を、ポジ型にあっては硬化部(露光部)の領域を溶解及び除去することにより所望のレジストパターン5を得る。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件としては、通常、20〜40℃で1〜10分間である。
上記現像液としては、特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解した水溶液、アンモニア水等のアルカリ性水溶液などが挙げられる。また、一般に広く用いられる有機溶剤を用いることもできる。
現像液として用いることができる有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。有機溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<電解めっきにより第1の金属層を形成する工程(IV)>
次に、シード層となる第2の金属層3上に電解めっきにより第1の金属層6を形成する工程(IV)を行う(図1(f))。具体的には、スパッタリングで形成した第2の金属層3に電解めっきにより、第1の金属層6が形成される。第1の金属層は、銅層が好ましい。なお、本実施形態では、第1の金属層6を形成する方法として、電解めっきを用いたが、これ以外に、例えば、無電解めっきを選択できる。
第1の金属層6の厚みは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましく、1〜3μmが更に好ましい。
<レジスト剥離及びレジストで覆われていた第2の金属層の除去によって配線パターンを形成する工程と(V)>
レジスト剥離は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解した水溶液が挙げられる。また、一般に広く用いられる有機溶剤を用いることもできる。
そして、レジスト剥離後、レジストに覆われていた第2の金属層の除去を行う(図1(g)、(h))。第2の金属層がチタン又はチタン合金の場合、例えば10〜40質量%の過酸化水素、0.1〜2質量%のリン酸及びアンモニアからなる水溶液でチタン又はチタン合金皮膜のエッチングを行う。第2の金属層がニッケル又はニッケル合金の場合、例えば、硝酸と過酸化水素水と水よりなるエッチング液によりニッケル又はニッケル合金のエッチングを行う。各種金属に対してのエッチング液は市販されているのでそれを用いることが好ましい。
上記の工程により支持体表面に設けた感光性樹脂層の硬化膜に、絶縁信頼性が充分に高い微細配線パターン7を有する半導体装置を製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明について、より具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(A)成分:ベース樹脂
(P−1)
クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、重量平均分子量=12000、Tg=165℃(商品名「EP4020G」、旭有機材株式会社製)
(P−2)
クレゾールノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、重量平均分子量=4500、Tg=150℃(商品名「EP4080G」、旭有機材株式会社製)
(P−3)
フラスコに4−ヒドロキシフェニルメタクリレートを35.6g、2−ヒドロキシメチルメタクリレートを78.0g、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを20.0g、N,N−ジメチルアセトアミド300g、アゾイソブチロニトリル6.43gを入れ、窒素雰囲気下にて80℃で6時間反応させた。メタノール200gを添加した後、1000gのイオン交換水へゆっくり滴下して析出したP−3をろ過、乾燥した。得られたP−3のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下「GPC」と略す。)測定を行ったところ、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)=22000であった。また、Tg=80℃であった。
(P−4)
撹拌機、温度計、窒素置換装置(窒素流入管)及び水分受容器付きの還流冷却器を備えた300mLフラスコ内に、アミン成分である2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(商品名「BIS−AP−AF」、(セントラル硝子株式会社製)14.64g(0.04mol)、ポリオキシプロピレンジアミン(商品名「D−400」)、BASF社製)19.48g(0.045mol)、3,3’−(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビスプロピルアミン(商品名「BY16−871EG」、東レ・ダウコーニング株式会社製)2.485g(0.01mol)と、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略す。)80gを仕込み、撹拌してアミン成分を溶媒に溶解させた。上記フラスコを氷浴中で冷却しながら、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(以下「ODPA」と略す。)31g(0.1mol)を、フラスコ内の溶液に少量ずつ添加した。添加終了後、窒素ガスを吹き込みながら溶液を180℃に昇温させて5時間保温して、P−4を得た。得られたP−4のGPC測定を行ったところ、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)=42000であった。また、P−4のTg=65℃であった。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥することによって、ポリイミド樹脂(P−4)を得た。
(P−5)
マレイミド化合物(日立化成株式会社製、商品名:SFR2300)を用いた。ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)=18000であった。SFR2300をメシチレンで固形分を50質量%として希釈したものを使用した。
(P−6)
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)7.07gと2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(DMAP)4.12gとをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gに溶解し、30℃で4時間、その後、室温(25℃)下で一晩撹拌し、ポリアミド酸を得た。そこに水冷下で無水トリフルオロ酢酸を9.45g加え、45℃で3時間撹拌し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)7.08gを加えた。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥することによって、ポリイミド前駆体(P−6)を得た。得られたP−6のGPC測定を行ったところ、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)=32000であった。
(B)成分:加熱により架橋又は重合し得る架橋剤
(B−1)
4,4’,4’’−エチリデントリス[2,6−(メトキシメチル)フェノール](商品名「HMOM−TPHAP」、本州化学工業株式会社製)
(B−2)
ビスフェノールAビス(トリエチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル(商品名「BEO−60E」、新日本理化株式会社製)
(B−3)
イソシアヌル酸EO(エチレンオキシド)変性ジ及びトリアクリレート(商品名「M−313」、東亞合成株式会社製)
(B−4)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名「YDF−8170C」、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)
(B−5)
4,4’−(1−(4−(ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビフェノール(商品名「TrisP−PA」、本州化学工業株式会社製)
(B−6)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DCP)
(B−7)
下記式(7)で表されるナジイミド化合物(丸善石油化学株式会社製、商品名:BANI−X)
Figure 2021173929
(C)成分:感光剤
(C−1)
トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約95%)
(C−2)
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASF製、商品名:Irgacure−819)
(D)成分:その他の添加剤
(D−1)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−403)。50%エタノール溶液として使用した。
(D−2)
2−フェニル−4メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:2P4MHZ)
(E)成分:充填材
平均粒径が9nmのシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名:R−972)
表1に示した配合量の(A)〜(E)及び溶剤を配合し、溶解させた。これを3μm孔のテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて加圧ろ過して、感光性樹脂組成物を調製した。
<感光性樹脂組成物の評価>
感光性樹脂組成物について、以下に示す評価を行った。その結果を表1に示した。
(評価用サンプルの作製)
評価用のサンプルは次のように作製した。スパッタリングによって表面に銅が形成された6インチシリコンウェハ上に、硬化後の膜厚が10μmとなるように感光性樹脂組成物をスピンコーターによって塗布し、ホットプレート上で100℃、5分間加熱した。幅10mmの短冊パターンが得られるように設計したフォトマスクを介して、高精度平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1172−B−∞)を用いて1000mJ/cmの条件で露光し、実施例1、2、4及び比較例1,2は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて、実施例3及び比較例3はシクロペンタノンを用いて現像することで、短冊パターンを得た。短冊パターンを窒素下で200℃、2時間の条件で加熱した後、銅のエッチング液に浸漬して測定用の短冊サンプルを作製した。
(架橋密度)
架橋密度(Cd)は次のようにして算出した。感光性樹脂組成物を窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱した硬化膜の10μm厚、10mm幅の短冊サンプルを、チャック間距離を20mm、周波数を1.0Hzとし、25〜350℃の温度条件で測定した。300℃(573K)での貯蔵弾性率から、下記式より架橋密度を算出した。
Figure 2021173929
ここで、Cdは架橋密度(mol/cm)、E’は573Kにおける動的貯蔵弾性率(Pa)、Rは気体定数(=8.31J/mol・K)、Tは573Kである。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度は、次のように測定したときの値である。ユービーエム株式会社製の動的粘弾性測定装置を用い、チャック間距離20mm、周波数10Hz、昇温速度5℃/分で40〜350℃の温度範囲で前記短冊サンプルを測定し、ガラス転移温度として、tanδの最大値を示す温度を得た。
(密着性)
金属層との密着性は下記のように測定した。シリコンウェハ上に感光性樹脂組成物を形成し、窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱して10μm厚の硬化膜を得る。スパッタリング装置(株式会社アルバック製、SIV−500)を用いて、120℃で30分間加熱した後、アルゴンイオンガンで硬化膜の表面処理を行い、電源4000W、圧力1×10―3Pа、アルゴン流量30sccmの条件で、50nm厚のチタン、次いで200nmの銅をスパッタリングした。その後、電解銅めっきによって20μm厚の銅を形成し、85℃に設定したオーブンで5分間乾燥させた。試験幅が15mmとなるように金属層及び硬化膜を切断し、卓上ピール試験機(株式会社島津製作所製EZ−S)を用いて、試験角度を90°、引っ張り速度を10mm/minとし、25℃で3回測定した平均値を密着強度とした。
(耐溶剤性)
シリコンウェハ上に感光性樹脂組成物を形成し、窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱して10μm厚の硬化膜を得た。98質量%のDMSO(ジメチルスルホキサイド)と2質量%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を混合した溶液に、60℃で10分間浸漬した。浸漬前後の膜厚を測定し、膜厚変化が20%以下であった場合を「A」、20%を上回った場合を「C」として耐溶剤性を評価した。
(微細配線形成性)
400μm厚の8インチのシリコンウェハに、硬化後の膜厚が10μmとなるように感光性樹脂組成物をスピンコーターによって塗布し、ホットプレート上で100℃、5分間加熱した後、窒素下で200℃、2時間の条件で加熱して硬化膜を作製した。スパッタリング装置によって、Tiが25nm上にCuが150nm形成されるようにシード層を形成した。レジスト材料(日立化成株式会社製RY−5107UT)を用いて、配線のラインとスペースの幅がそれぞれ2μm、長さが500μmとなるように設計されたマスクを用いて、ステッパー露光機(株式会社サーマプレシジョン製Sc6k)によって露光した後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、パターンを作製した。奥野製薬工業株式会社製酸性脱脂液ICPクリーンS−135の100mL/Lの水溶液に50℃で1minの条件で浸漬し,50℃の純水で1min,更に25℃の純水で1minの条件で水洗した後、10質量%の硫酸に25℃で1minの条件で浸漬した。次に,硫酸銅5水和物を120g/L、96質量%の硫酸を220g/Lの水溶液に、塩酸を0.25mL、奥野製薬工業株式会社製トップルチナGT−3を10mL、奥野製薬工業株式会社製トップルチナGT−2を1mL添加して調製した溶液を用い、液温を25℃、電流密度を1.5A/dmで30minの条件で銅厚が5μmとなるように電解めっきした。その後、純水で洗浄し、ホットプレートを用いて80℃で5minの条件で加熱乾燥した。スプレー現像機を用いて、0.3MPaのスプレー圧で2.38質量%TMAH(水酸化テトレメチルアンモニウム)水溶液を用いて40℃で45秒、次いで水洗を30℃で20秒の条件でレジスト剥離を実施した。次に、三菱ガス化学株式会社製エッチング液WLC−C2と純水とを1:1で混合した水溶液を用いて室温(25℃)で45秒の条件で、スパッタリングによって形成されたCu層を除去し、三菱ガス化学株式会社製エッチング液WLC−T1Lに対し、25質量%アンモニア水溶液を10mL混合した水溶液を用いて室温で60秒の条件で、スパッタリングによって形成されたTi層を除去した。得られたラインとスペースの幅がそれぞれ2μmで形成された部分の配線を顕微鏡で観察し、配線の剥離がないものを「A」、剥離が観察されたものを「C」として微細配線形成性を評価した。
Figure 2021173929
架橋密度(Cd)が1×10−3〜1×10−2mol/cmの範囲を外れる比較例1〜3は、微細配線形成性に劣る。これに対し、架橋密度(Cd)が前記範囲内である実施例1〜4は、微細配線形成性に優れ、密着性、耐溶剤性が良好である。密着性を向上することができるので、配線形成時の金属層と感光性樹脂の硬化物との間の剥離やそれに伴う感光性樹脂の硬化物へのクラックを抑制でき、また、高い溶剤耐性を有していることから、歩留まりと信頼性に優れた半導体装置を製造することができる。
1:支持体
2:硬化膜
3:シード層となる第2の金属層
4:感光性樹脂層
5:レジストパターン
6:第1の金属層
7:配線パターン

Claims (7)

  1. 窒素雰囲気下において、200℃で2時間加熱した硬化膜の、下記式から算出される架橋密度(Cd)が1×10−3〜1×10−2mol/cmである、感光性樹脂組成物。
    Figure 2021173929
    ここで、Cdは架橋密度(mol/cm)、E’は573Kにおける動的貯蔵弾性率(Pa)、Rは気体定数(=8.31J/mol・K)、Tは573Kである。
  2. 前記硬化膜のガラス転移温度が100℃以上である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記硬化膜とスパッタリングによって形成される金属層との密着性が、0.30kN/m以上である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記硬化膜の疲労破壊応力が120MPa以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記硬化膜が、イミド基を有するポリマー、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有するベース樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜と第1の金属層との間に、第2の金属層を厚み10〜500nm設けた半導体装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を熱硬化して硬化膜を得る工程と、硬化膜上にスパッタリングによって第2の金属層を形成する工程と、金属層上にレジストパターンを形成する工程と、電解めっきにより第1の金属層を形成する工程、レジスト剥離及びレジストで覆われていた第2の金属層の除去によって配線パターンを形成する工程と、を少なくとも含む半導体装置の製造方法。
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