JP2021172456A - 無限軌道型高所作業車の走行操作装置 - Google Patents

無限軌道型高所作業車の走行操作装置 Download PDF

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功 増田
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Abstract

【課題】無限軌道型高所作業車の前進,後進,旋回,停止等の走行操作の他,イネーブルスイッチの操作を含む全ての走行操作を片手で行える走行操作装置を提供する。【解決手段】走行時にオペレータが操作する操作桿20を構成する操作桿本体21に,該操作桿本体21を把持した同じ手指で操作可能な位置にイネーブルスイッチ22と切替スイッチ24を設け,これらを全て片手で操作できるようにする。そして,操作桿20の前後方向の傾動,及び左右方向の傾動に応じて,高所作業車1を前進,後退,停止,旋回させる通常走行制御の状態から,切替スイッチ24の操作に伴う切替指令信号をコントローラ70が受信すると,コントローラ70は通常走行制御を停止して,左側モータ60aと右側モータ60bを相互に逆方向に回転させて高所作業車1をその場で旋回させるスピンターン制御に移行するように構成した。【選択図】図4

Description

本発明は無限軌道型高所作業車の走行操作装置に関し,より詳細には,走行装置である無限軌道とこれを駆動するモータを備えた車台上に,オペレータが搭乗するデッキを備えると共に,このデッキを車台上で昇降させるための昇降機構を備えた無限軌道型自走式高所作業車において,前記デッキ上に搭乗したオペレータの操作に応じて高所作業車に前進,後退,旋回,停止等の走行操作を行わせるための走行操作装置に関する。
無限軌道型高所作業車100は,図15に示すように,走行装置である無限軌道105(105a,105b)を備えた車台102上に,オペレータ等を乗せて昇降するデッキ104を備えると共に,このデッキ104を車台102上で昇降させるための昇降機構(図示の例ではシザースリンク機構)103を備えたもので,前記車台102の左右に設けられた無限軌道105a,105bをそれぞれ独立して駆動する一対のモータ(図示せず)を車台102に搭載することで,自走可能に構成されている。
このような無限軌道型高所作業車100には,デッキ104上に取り付けた操作盤110と,該操作盤に設けたレバーやスイッチの操作に応じて,前述した一対のモータの動作を制御する電子制御装置であるコントローラから成る走行操作装置が設けられており,デッキ104に搭乗したオペレータが操作盤110に設けたレバーやスイッチ類を操作することで高所作業車100を前進,後退,旋回及び停止させて運転することができるように構成されている。
このような無限軌道型高所作業車100の走行操作装置に採用されている操作盤110の構成例を図15及び図16に示す。
図15及び図16に示す操作盤110は,左側無限軌道105aを操作する左側走行レバー125aと,右側無限軌道105bを操作する右側走行レバー125bをそれぞれ個別に備えており,左側走行レバー125a及び右側走行レバー125bのいずれ共に,前後の一軸方向にのみ傾動可能な一軸レバーとすることで,左側走行レバー125a及び右側走行レバー125bの傾動方向と傾動角に応じてコントローラ(図示せず)が左側及び右側無限軌道用のモータの回転方向及び回転速度をそれぞれ制御するように構成されている。
なお,図15中,符号122はフットスイッチ式のイネーブルスイッチであり,このイネーブルスイッチ122を踏んでいる間だけ,左側及び右側走行レバー125a,125bの操作を有効にすることで,高所作業車100を停止させてデッキ上で作業を行っている際に,オペレータの身体の一部が操作盤110に設けた走行レバー125a,125b等と接触等した場合であっても高所作業車100が走行を開始する等の誤動作を起こさないように構成されている。
また,無限軌道型高所作業車100の操作盤110としては,図17に示すように,前後の一軸方向にのみ傾動操作可能な走行操作レバー125を設け,この走行操作レバー125を中立位置から前後方向へ傾動させることにより,前方への傾動で高所作業車100を前進させ,後方への傾動で高所作業車100を後退させると共に,中立位置で停止させる走行操作を行うと共に,回転式のスイッチである旋回量操作ダイアル126を設け,この旋回量操作ダイアル126を中立位置から右又は左方向へ回転させることにより,回転方向と回転量に応じて高所作業車100の旋回方向と旋回量を操作できるようにした走行操作装置が提案されている(特許文献1の図3参照)。
特許第6080458号公報
以上で説明した走行操作装置では,図15及び図16を参照して説明したものでは左側走行レバー125aと右側走行レバー125b,図17を参照して説明した構成では走行操作レバー125と旋回量操作ダイアル126といったように,2つ以上の装置を操作しなければ走行操作を行うことができず,そのため走行操作時には両手が塞がってしまい,オペレータは防護柵140につかまる等して体を支えることができない。
特に,図15を参照して説明したように,フットスイッチ式のイネーブルスイッチ122を設けた構成では,オペレータは片足でイネーブルスイッチ122を踏んだ片足立ちの状態でデッキ104上に立った,不安定な姿勢で走行操作を行っており,両手が塞がった,防護柵140などにつかまることができない姿勢は,より転倒等の危険を伴うことになる。
しかも,近年では高所作業の効率化の要求から,デッキ104を上昇させたままで高所作業車100を走行できるようにすることが要求されるようになっており,両手が塞がり,身体を支えることができない状態での走行操作はオペレータに恐怖心を抱かせるだけでなく,危険でもある。
しかし,左右一方の無限軌道を停止させて行う旋回動作(本明細書においてこの旋回動作を「ピボットターン」という。)や,左側と右側の無限軌道を逆回転させて行う旋回動作(本明細書においてこの旋回動作を「スピンターン」という。)のような特有の旋回動作を行う無限軌道型の高所作業車100において,このような特有の旋回動作やイネーブルスイッチ122の操作も含め,走行操作の全てを片手で行うことができるようにした走行操作装置は従来存在しておらず,その結果,走行操作時におけるオペレータの恐怖心や,転倒等の危険性を払拭することができない。
なお,高所作業車100において,前述の操作盤110は,デッキ104の防護柵140等に固定した状態に取り付けられているのが一般的であるが,これを着脱可能としてデッキ104外に持ち出すことができるように構成することで,作業環境に応じて,この操作盤110を,高所作業車100を遠隔操作するためのリモートコントローラ(リモコン)としても使用できるようになる。
このように操作盤110をリモコンとしても使用することができれば,デッキ104上にオペレータが搭乗しなくとも高所作業車100を走行させることができ,例えば,通常の使用状態では操作盤110をデッキ104の防護柵140等に取り付けて使用するが,高所作業車100をセルフローダやセーフティローダ等の車両運搬車に積み下ろしする際の走行,ローディングランプ(車両積載用スロープ)を使ってトラックの荷台に積み下ろしする際の走行等,人が乗った状態での運転が危険を伴う場合や,ビル工事での使用の際に高所作業車100をエレベータに乗せて運ぶ際のエレベータの入口等,デッキ上にオペレータが搭乗した状態では通過し難い(高さが低い)場所を通過させる場合等には,デッキ104上にオペレータを乗せることなく,操作盤110を取り外してリモコンとして使用してデッキ104外より操作盤110に設けた運転操作装置を操作して走行させることが可能となる。
しかし,既存の操作盤110は,比較的大きな箱型であり,成人男性であってもこれを腕で抱えるようにして持たなければ持ち運びができず,このような操作盤110をリモコンとして使用できるようにするためには,イネーブルスイッチの操作や,ピボットターンやスピンターンといった無限軌道型の高所作業車100に特有の走行状態への移行をも含め,無限軌道型高所作業車100の走行操作全般を片手で,かつ,比較的簡単な操作で行うことができるようにすることが必要である。
そこで,本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,高所作業車の前進,後進,旋回(ピボットターン,スピンターンを含む)や停止等の走行操作の他,イネーブルスイッチの操作を含め,全ての走行操作を片手で,かつ,比較的簡単な操作により行うことができる無限軌道型高所作業車の走行操作装置を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と,発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の無限軌道型高所作業車1の走行操作装置10は,
走行装置である左側無限軌道5a及び右側無限軌道5bと,該左側無限軌道5aと前記右側無限軌道5bをそれぞれ独立して駆動する左側モータ60a及び右側モータ60bを備えた車台2上に,昇降可能なデッキ4を備えた自走式の無限軌道型高所作業車1の走行操作装置10において,
前記走行操作装置10が,
前記デッキ4上に設けられる操作盤11と,該操作盤11に設けた操作桿20と,前記操作桿20の操作に応じて前記左側モータ60a及び前記右側モータ60bの回転を制御するコントローラ70を備え,
前記操作桿20が,
中立位置から前後及び左右方向に傾動操作可能な操作桿本体21と,
押している間のみ前記操作桿20の操作に基づく前記コントローラ70による前記左側及び右側モータ60a,60bの制御を有効と成すイネーブルスイッチ22を備え,
該操作桿本体21を把持した同じ手指で該イネーブルスイッチ22を押しながら該操作桿本体21を傾動操作できる位置の前記操作桿本体21上に前記イネーブルスイッチ22が配置されており,
前記コントローラ70が,
前記操作桿20からの切替指令信号の非受信時に通常走行制御を実行すると共に,該切替指令信号の受信時に前記通常走行制御を停止してスピンターン制御に移行するように構成されており,
前記通常走行制御において,
前記操作桿本体21を左右方向に傾動操作することなく,前後方向にのみ傾動動作が行われた場合,前記左側モータ60a及び右側モータ60bを,前記操作桿本体21の中立,前傾,後傾の各位置に対応した前記左側モータ60a及び右側モータ60bに共通の回転方向及び回転速度として予め設定された基本回転速度で回転させ,
前記操作桿本体21を前後方向に傾動操作しつつ該操作桿本体21の左右方向への傾動操作が行われると,例えば前記操作桿本体21の左傾動操作時には左旋回,前記操作桿本体21の右傾動操作時には右旋回するように,該操作桿本体21の左右方向の傾動動作に対応した方向に前記高所作業車1が旋回動作するように前記左側モータ60aと右側モータ60bの回転速度を補正し,
前記スピンターン制御において,
前記左側モータ60aと右側モータ60bを相互に逆方向に回転させることを特徴とする(請求項1)。
なお,ここでいう左旋回とは,操作桿本体21の前後方向の傾動により指定された走行方向に回転する右側モータ60bの回転速度に対し,左側モータ60aの回転速度が相対的に遅い(停止を含む)走行状態をいい,また,右旋回とは,操作桿本体21の前後方向の傾動により指定された走行方向に回転する左側モータ60aの回転速度に対し,右側モータ60bの回転速度が相対的に遅い(停止を含む)走行状態をいう。
前記操作桿20は,該操作桿本体21を把持して操作しながら,該操作桿本体21を把持した同じ手指で前記イネーブルスイッチ22と同時に操作することができる位置に,前記切替指令信号を発生させる切替スイッチ24を備えるものとすることができる(請求項2)。
前記切替スイッチ24としては,中立位置と,前記切替指令信号として第1切替指令信号を発生する第1位置と,前記切替指令信号として第2切替指令信号を発生する第2位置を有する例えば3ポジションスイッチを採用することができ,
前記コントローラ70が,
前記切替スイッチ24からの前記第1切替指令信号の受信により,前記右側モータ60bを前記基本回転速度で,前記左側モータ60aを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させると共に,
前記切替スイッチからの前記第2切替指令信号の受信により,前記左側モータ60aを前記基本回転速度で,前記右側モータ60bを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させるように構成するものとしても良い(請求項3)。
また,上記構成に代えて,前記操作桿本体21の左右方向の傾動角を検出する左右傾動角検出手段(第2傾動角検出センサ28b)が所定の角度(一例として15°)以上前記操作桿本体21が中立位置より左右方向に傾動したことを検知した検知信号を前述の切替指令信号とすることもできる(請求項4)。
この場合,コントローラ70は,
前記左右傾動角検出手段(第2傾動角検出センサ28b)の検出信号が,前記操作桿本体の左傾動角が前記所定の角度(例えば15°)以上であることを示すものであるとき,前記右側モータ60bを前記基本回転速度で,前記左側モータ60aを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させると共に,
前記左右傾動角検出手段(第2傾動角検出センサ28b)の検出信号が,前記操作桿本体の右傾動角が前記所定の角度(例えば15°)以上であることを示すものであるとき,前記左側モータ60aを前記基本回転速度で,前記右側モータ60bを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させるようにしても良い(請求項5)。
なお,前記コントローラ70は,前記通常走行制御において,
前記操作桿本体21が通常走行制御における最大左傾動角にあるとき,前記左側モータ60aの回転を停止させ,前記操作桿本体21が,通常走行制御における最大右傾動角にあるとき,前記右側モータ60bの回転を停止させる(高所作業車1をピボットターンさせる)ように構成するものとしても良い(請求項6)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の走行操作装置10を備えた高所作業車1では,以下の顕著な効果を得ることができた。
操作桿20を,操作桿本体21上に,該操作桿本体21を把持した手指で操作することができる位置にイネーブルスイッチ22を設けた構成としたことで,高所作業車1の前進,後退,ピボットターン,スピンターンを含む旋回,停止の動作のみならず,イネーブルスイッチの操作を含め,無限軌道型高所作業車1の走行操作を全て片手で行うことができる走行操作装置10を提供することができた。
このように,高所作業車1の運転操作を片手で行うことができることで,オペレータは空いた方の手で防護柵40等につかまる等して体を支えた状態で高所作業車1を運転することができ,デッキ4上での転倒等のリスクを軽減することができた。
しかも,前述したようにイネーブルスイッチ22の操作を含め高所作業車1の走行操作を全て片手で行えるようにしたことで,図15を参照して説明した走行操作装置のようにオペレータは足でイネーブルスイッチを操作する必要がなく,デッキ上に両足を付けた姿勢で走行操作を行えることで,片手で防護柵につかまることができることとも相まって,デッキ上での転倒リスクをより一層軽減することができた。
また,イネーブルスイッチ22を含め,走行操作の全てが片手で行えることで,操作盤10をデッキ4より取り外してオペレータが腕に抱え込んだ状態で操作する場合でも,オペレータは片手で操作桿20を操作することができ,その結果,本発明の操作盤11を,高所作業車1を遠隔走行によって走行させる際に使用する,リモコンとしても使用することができた。
コントローラ70にスピンターン制御への移行を指令する切替指令信号を発生する切替スイッチ24を,操作桿本体21を把持して操作しながら,該操作桿本体21を把持した同じ手指で前記イネーブルスイッチ22と同時に操作することができる位置の操作桿本体21上に設けたことで,通常走行制御からスピンターン制御への移行操作も切替スイッチ24を片手で操作することにより簡単に行うことができた。
しかも,通常走行制御からスピンターン制御への切り替えを,切替スイッチ24の操作によって行うことができることから,例えば操作桿本体21を中立位置などに戻す操作を行うことなく操作桿本体21が適宜任意の傾動位置にある状態で切替スイッチ24を操作するだけでスピンターン制御に移行することができた。
特に,切替スイッチ24を,中立位置と,前記切替指令信号として第1切替指令信号を発生する第1位置と,前記切替指令信号として第2切替指令信号を発生する第2位置を有する,例えば3ポジションスイッチにより構成し,コントローラ70が,第1切替指令信号を受信した場合と第2切替指令信号を受信した場合とで,高所作業車1のスピンターンの旋回方向を変更するようにしたことで,切替スイッチ24の操作により,高所作業車1を,反時計回り方向,時計周り方向に選択的にスピンターンさせることができた。
また,左右傾動角検出手段(第2傾動角検出センサ28b)が,操作桿本体21が中立位置より所定の角度(例えば15°)以上左右方向に傾動したことを検知した検知信号を前述の切替指令信号とした構成では,操作桿本体21を前記所定の角度(例えば15°)以上傾動させるという簡単な操作により,操作桿20に切替スイッチ24を設けることなく通常走行制御からスピンターン制御への切替を行うことができ,切替スイッチ24を省略して部品点数を減少させることができるだけでなく,操作桿本体21の左右方向の傾動角を増大させることで,通常走行制御における旋回走行からスピンターンに自然に移行させることができた。
前記コントローラ70が,前記操作桿本体21が通常走行制御における最大左傾動角にあるとき,左側モータ60aの回転を停止させ,前記操作桿本体21が,通常走行制御における最大右傾動角にあるとき,右側モータ60bの回転を停止させるようにした構成では,操作桿本体21の操作によって高所作業車1の旋回状態を,ピボットターンに自然に変化させることができた。
本発明の走行操作装置を備えた高所作業車の側面図。 本発明の走行操作装置を備えた高所作業車の斜視図。 本発明の走行操作装置を備えた高所作業車の機能ブロック図。 本発明の走行操作装置に設けた操作盤の(A)は平面図,(B)は左側面図,(C)は背面図。 本発明の走行操作装置に設けた操作盤の斜視図。 操作盤(操作盤本体)を取り外した使用状態を示す平面図。 基本回転速度の一例を示す説明図。 補正値の一例を示す説明図。 高所作業車の旋回走行(左旋回)の説明図であり,(A),(B)は反時計回り方向に旋回しながらの前進,(C),(D)は時計回り方向に旋回しながらの後退を示す。 高所作業車の旋回走行(右旋回)の説明図であり,(A),(B)は時計回り方向に旋回しながらの前進,(C),(D)は反時計回り方向に旋回しながらの後退を示す。 高所作業車のスピンターンの説明図であり,(A)は反時計回り方向のスピンターン,(B)は時計回り方向のスピンターンを示す。 補正値の変更例を示す説明図。 本発明の一実施例の走行操作装置を備えた高所作業車の動作フロー。 本発明の別の実施例の走行操作装置を備えた高所作業車の動作フロー。 従来の無限軌道型高所作業車の斜視図。 従来の運転操作装置の説明図。 従来の運転操作装置の説明図(特許文献1の図3の構成に対応)。
以下に,添付図面を参照しながら本発明の構成につき説明する。
〔高所作業車の全体構成〕
図1及び図2において,符号1は本発明の走行操作装置10を備えた無限軌道型の高所作業車であり,この高所作業車1は,幅方向の両側にそれぞれ走行装置として無限軌道5(左側無限軌道5a,右側無限軌道5b)を備えると共に,左側及び右側の無限軌道5a,5bをそれぞれ駆動する左側モータ60a及び右側モータ60b(図3参照)が搭載された車台2と,該車台2上にシザースリンク機構からなる昇降機構3を介して昇降するデッキ4を備えている。
このデッキ4には防護柵40が設けられる等して,このデッキ4上に搭乗したオペレータや荷物等の落下が防止されている。
図示の実施形態では,本発明の走行操作装置10を備える高所作業車1の一例として,シザースリンク機構から成る昇降機構3によってデッキを昇降可能とした構造の高所作業車1を示したが,本発明の走行操作装置10が適用される高所作業車1は,例えば前掲の特許文献1(特許文献1の図1参照)に記載されているようにクレーン車のクレーン先端に箱型のデッキを取り付けて昇降可能とした高所作業車や,図示は省略するが車台上に垂直に立設されて上下方向に伸縮する,テレスコピック構造のマストによってデッキを昇降可能とした高所作業車等,既知の各種の昇降機構を備えた高所作業車に対し適用可能である。
〔走行操作装置〕
以上のように構成された無限軌道型の高所作業車1の走行操作装置10は,図3に示すように,オペレータによって操作される操作盤11と,この操作盤11に設けた操作桿20の操作に応じて左側モータ60a及び右側モータ60bの回転を制御するコントローラ70によって構成されている。
〔操作盤〕
(1)全体構成
このうちの操作盤11は,図1及び図2に示すように,高所作業車1のデッキ4上に設けた防護柵40の上端付近に取り付ける等,デッキ4に搭乗したオペレータが操作可能な位置に設けられており,この操作盤11に設けられた操作桿20を操作することにより,高所作業車1の前進,後退,旋回,及び停止の各操作を行うことができるように構成されている。
この操作盤11を介して入力された各種の操作指令は,図3に示すようにマイクロコントローラ等の電子制御装置によって構成される,後述のコントローラ70に入力され,このコントローラ70が左側モータ60a及び右側モータ60bの回転を制御することで,オペレータによる操作盤11の操作に従い,高所作業車1の走行操作(運転)を行うことができるように構成されている。
この操作盤11は,図4及び図5に示すようにケーシング13内に構成機器を収容して成る操作盤本体12と,該操作盤本体12に設けられ,高所作業車1の走行操作を行うための操作桿20,及び,前記操作盤本体12を防護柵40に取り付けるブラケット30により構成されている。
なお,図示の実施形態では,操作盤本体12には,高所作業車1を操作するためのレバーやスイッチ類として,前述の操作桿20と,符号50で示す非常停止スイッチのみを設ける構成としたが,操作盤本体12には,更に,昇降機構3にデッキ4の昇降操作を行わせるためのスイッチやレバー類を設けるものとしても良く,又は,走行操作と昇降操作を切り換えるための切換スイッチを設け,切換スイッチにより昇降操作が選択されている場合,操作桿20の操作によって,デッキの昇降操作を行わせることができるようにしても良い。
(2)操作桿
この操作盤11に設けられている前述の操作桿20は,操作桿本体21と,この操作桿本体21に取り付けられたイネーブルスイッチ22〔図4(B)参照〕,操作桿本体21の前後方向の傾動角を検出する前後傾動角検出手段としての第1傾動角検出センサ28a,左右方向の傾動角を検出する左右傾動角検出手段としての第2傾動角検出センサ28bを備え(図3参照),図3〜5に示す実施形態では,更に,コントローラ70に対し通常走行制御からスピンターン制御への運転モードの切り替えを指令する,切替指令信号を出力する切替スイッチ24を備えている。
このうちの操作桿本体21は,中立位置を起点として,前後方向及び左右方向の双方に揺動可能に構成され,操作桿本体21の傾動角を検出した前述の第1,第2傾動角検出センサ28a,28bの検知信号に基づいて,コントローラ70が通常走行制御時,この操作桿本体21を前方に傾動させることで高所作業車1を前進させ,後方に傾動させることで高所作業車1を後退させ,中立位置に戻すことで,高所作業車1を停止させることができるように構成されていると共に,操作桿本体21を左方向に傾動させることにより左側モータ60aの回転速度を右側モータ60bの回転速度に対し相対的に遅くすることで高所作業車1を左旋回させ,また,操作桿本体21を右方向に傾動させることにより右側モータ60bの回転速度を左側モータ60aの回転速度に対し相対的に遅くすることで高所作業車1を右旋回させることができるように構成されている。
この操作桿本体21には,オペレータが把持する部分にグリップラバー等が取り付けられてグリップ部26が形成されており〔図4(B),(C)及び図5参照〕,オペレータは,このグリップ部26を把持して操作桿本体21を傾動操作する。
この操作桿本体21には,前述したようにイネーブルスイッチ22と,本実施形態では,切替スイッチ24が設けられており,このうちのイネーブルスイッチ22は,モメンタリタイプのスイッチにより構成され,オペレータがこのイネーブルスイッチ22を押している間だけ,操作桿20の操作に基づくコントローラ70による左側,右側モータ60a,60bの回転制御が有効となるように構成されている。
また,前述の切替スイッチ24は,コントローラ70が行う左側,右側モータ60a,60bの制御を,通常走行制御からスピンターン制御への切替を指令する切替指令信号を発生する。
本実施形態では,この切替スイッチ24は,図5中に拡大図で示したように中立位置(OFF)と,第1切替指令信号を発生する第1位置と,第2切替指令信号を発生する第2位置を備えた3ポジションスイッチにより構成し,該切替スイッチ24が中立位置にあるときには,コントローラ70は通常走行制御手段71を起動して通常走行制御を行い,一方,第1位置又は第2位置にあるときには,スピンターン制御手段72を起動して,切替スイッチ24が第1位置,第2位置のいずれの位置にあるかによって,予め設定された方法でスピンターン制御を行うように構成されている。
前述のイネーブルスイッチ22と切替スイッチ24は,いずれも,オペレータが操作桿本体21のグリップ部26を把持した状態で,該グリップ部26を把持している同じ手指で同時に操作することができる前記操作桿本体21上の位置に設けられている。
本実施形態では,図4(B)に示すように,前述のイネーブルスイッチ22を,操作桿本体21のグリップ部26の前方側の側面にトリガースイッチとして設け,イネーブルスイッチ22に指の腹を掛けた状態でグリップ部26を握ることでイネーブルスイッチ22を押しながら操作桿本体21を把持して操作することができるように構成した。
また,本実施形態では,図4及び図5に示すように,前述の切替スイッチ24を操作桿本体21のグリップ部26の上面に配置し,グリップ部26を把持した状態で,なおかつ,イネーブルスイッチ22を押している(握っている)状態で,親指で容易に切替スイッチ24を操作することができるように構成している。
なお,図4及び図5に示す実施形態では,操作桿20に切替スイッチ24を設け,この切替スイッチ24の操作によって,コントローラ70が行う走行制御を,通常走行制御とスピンターン制御間で切替可能とする構成例を示したが,後に変更例として説明するように,コントローラ70における通常走行制御とスピンターン制御の切替を,操作桿本体21の左右方向の傾動角が所定角度(一例として15°)以上となった場合にスピンターン制御に切り替えるよう構成する場合には,操作桿20には前述した切替スイッチ24を設ける必要がなく,これを省略することができる。
(3)操作盤本体
前述の操作盤本体12のケーシング13には,前述した第1傾動角検出センサ28aと,第2傾動角検出センサ28b等の,操作桿20の操作によって入力された高所作業車1の走行操作を電気信号として取り出すために必要な各種のセンサや電子制御装置等が収容されている。
また,前述のケーシング13内には,操作桿本体21を付勢して中立位置に復帰させる付勢手段(図示せず)が設けられており,操作桿本体21を前後左右のいずれかの方向に傾動させた状態から,操作桿本体21を離すと,自動で中立位置に戻るように構成されている。
(4)ブラケット
前述の操作盤本体12を防護柵40に取り付ける前述のブラケット30として,本実施形態では,図5に示すように,操作盤本体12の背面を載置する傾斜面を形成する背面板31と,該背面板31の幅方向の一辺31aより垂直方向に立設された側面板32と,前記背面板31の上端辺31bより垂直方向に立設された前面板33を備え,該前面板33の幅方向の一辺33aと,側面板32の高さ方向の一辺32aが,直角に連結されている。
前面板33の上端辺33bと,側面板32の上端辺32bには,それぞれ上向きに突出した吊下片34aと,該吊下片34aの上端より外向きに水平方向に突出した係止片34bと,該係止片34bの他端縁より下向に突出した鍔部34cから成る吊り金具34が設けられており,この吊り金具34の前記吊下片34aの上端部と,係止片34b,及び,鍔部34cによって囲まれた,下向きに開口するコ字状の部分にデッキ4上に立設された防護柵40の上端部を挿入して嵌合させることで,防護柵40の上端付近に操作盤11を吊り下げ状態に取り付けることができるように構成されている。
本実施形態では,前述した吊り金具34によって,操作盤11を防護柵40の角部に取り付けることができるように構成し,防護柵40の上端部に2つの吊り金具34,34を引っ掛けるだけで,ボルト止め等の固定を行うことなく,防護柵40上に移動等しないように操作盤11を取り付けることができると共に,操作盤11を持ち上げるだけで防護柵40から簡単に取り外すことができるように構成されている。
なお,図示の実施形態では,操作盤本体12をブラケット30と一体的にデッキ4の防護柵40より取り外すことができるようにした構成を示したが,この構成に代え,例えば前述のブラケット30を防護柵40にボルト止め等の方法で固着すると共に,ブラケット30に対し,操作盤本体12を着脱可能に取り付ける構成として,操作盤本体12を防護柵40から取り外した際,操作盤11の一部であるブラケット30やブラケット30に設けた付属品,その他の操作盤11の構成部品(例えば,防護柵40側に取り付けた場合における後述の着脱検出手段29等)が,デッキ4の防護柵40側に残るように構成するものとしても良い。
なお,本発明の操作盤11には,防護柵40に対する操作盤本体12の着脱状態を検出する,着脱検出手段29(図3参照)を設けることができ,前述したように操作盤本体12と一体的にブラケット30が防護柵40より取り外せるようにした図示の実施形態では,一例として前述したブラケット30の吊り金具34の例えば係止片34bに,リミットスイッチや近接センサなどを着脱検出手段29として設け,吊り金具34を防護柵40の上端部に引っ掛けると,この着脱検出手段29が防護柵40の上端部の存在を検出するように構成して,操作盤11が防護柵40に対し取り付けられた状態にあること,及び取り外された状態にあることを前述した着脱検出手段29によって検出できるようにしても良い。
なお,前述の着脱検出手段29は,操作盤11の着脱を検出することができるものであれば,ブラケット30側に設ける構成に限定されず,防護柵40側に設けるものとしても良い。
また,前述したように操作盤本体12をブラケット30に対し着脱可能とした構成では,この着脱検出手段29は,操作盤本体12側に設けるものとしても良く,又は,ブラケット30側に設けて操作盤本体12を取り外した際にブラケット30と共に防護柵40側に残るように構成しても良い。
このようにして防護柵40に対する操作盤11の着脱状態を検出した検出信号は,コントローラ70に入力され,コントローラ70は,操作盤11が防護柵40より取り外された状態で使用されている場合には,操作盤11を防護柵に取り付けた状態で使用されている場合に適用される走行速度に対し,所定の減速された走行速度を適用するように構成するものとしても良い。
(5)操作盤の操作方法等
以上のように構成された本発明の走行操作装置10に設けた操作盤11は,既知の操作盤同様に,デッキ4の防護柵40に取り付けた状態で使用できるだけでなく,防護柵40より操作盤本体12を取り外してデッキ4外に持ち出して,高所作業車1を遠隔走行させる際のリモコンとして使用することができる(図6参照)。
いずれの態様で使用する場合においても,オペレータは,トリガースイッチとして設けられているイネーブルスイッチ22が指の腹に当たるように操作桿本体21のグリップ部26を握ると,イネーブルスイッチ22が押され,これにより,イネーブルスイッチ22を押したまま,操作桿本体21の傾動や切替スイッチ24の操作をいずれも片手で簡単に行うことができる。
その結果,操作盤本体12を防護柵40に取り付けたまま使用する場合,オペレータは両足をデッキ上に付けた安定した状態でデッキ上に立つことができ,しかも,空いているもう片方の手で防護柵につかまることができ,デッキ上での転倒等を防止できる。
また,操作盤本体12を防護柵40より取り外して図6に示すようにリモコンとして使用する場合には,オペレータは,操作盤本体12を腕に抱えた状態で操作することとなるが,操作盤本体12に設けた操作桿20は,前述したようにオペレータが容易に片手で操作できるように設計されていることから,操作盤本体12を腕で抱えた状態であっても片手で容易に高所作業車1の走行操作を行うことができる。
このように,操作盤本体12を防護柵40より取り外してリモコンとして使用できるようにしたことで,通常の用途での使用時には従来通り防護柵40に操作盤本体12を取り付けてオペレータが運転を行うが,例えば高所作業車1をセルフローダやセーフティローダ等の車両運搬車に積み下ろしする際の走行,ローディングランプ(車両積載用スロープ)を使ってトラックの荷台に積み下ろしする際の走行等,人が乗った状態での運転が危険を伴う場合や,ビル工事での使用の際に高所作業車1をエレベータに乗せて運ぶ際のエレベータの入口等,デッキ4上にオペレータが搭乗した状態では通過し難い(高さが低い)場所を通過させる場合等には,デッキ4上にオペレータを乗せることなく,デッキ4外より操作盤本体12に設けた操作桿20を操作して走行させることが可能となる。
〔コントローラ〕
(1)全体構成
本発明の無限軌道型高所作業車1の走行操作装置10には,前述した操作盤11の他,図3に示すように該操作盤11に設けた第1,第2傾動角検出センサ28a,28bが検出した操作桿本体21の傾動角,及び切替スイッチ24からの切替指令信号を受信し,予め記憶した対応関係に従って左側モータ60a及び右側モータ60bの回転を制御する,マイクロコントローラ等の電子制御装置によって構成されるコントローラ70が設けられている。
なお,図3に示した実施形態では,このコントローラ70を,前述した操作盤11とは別の構成要素として示しているが,コントローラ70は,前述した操作盤11のケーシング13内に第1,第2傾動角検出センサ28a,28b等と共に収容して操作盤11の構成機器の1つとして設けるものとしても良い。
このコントローラ70は,前述の切替スイッチ24の操作に伴う操作盤11からの切替指令信号の受信が無い場合,予め記憶しているプログラムの実行により通常走行制御手段71を起動して,操作桿本体21の傾動操作に対応して高所作業車1に前進,後退,旋回(ピボットターンを含む),停止等の通常の走行制御を行わせる通常走行制御を行うと共に,切替指令信号を受信すると,通常走行制御を停止すると共にスピンターン制御手段72を起動して,高所作業車1にスピンターンを行わせるスピンターン制御を開始する。
そして,切替スイッチ24の更なる操作(OFF操作)によって操作盤11からの切替指令信号が停止すると,コントローラ70は前述のスピンターン制御を終了して,前述の通常走行制御に復帰するように構成されている。
(2)通常走行制御手段
通常走行制御手段71は,コントローラ70が,切替スイッチ24の操作に伴う操作盤11からの切替指令信号の受信をしていないときに起動する手段である。
この通常走行制御手段71の起動により,コントローラ70は,第1傾動角検出センサ28aが検出した操作桿本体21の前後方向の傾動角によって決まる,左側モータ60a及び右側モータ60bに共通の回転方向と回転速度である基本回転速度を,第2傾動角検出センサ28bが検出した操作桿本体21の左右方向の傾動角によって決まる補正値によって補正して得た回転速度で左側モータ60aと右側モータ60bを回転させることにより高所作業車1に前進,後退,旋回(ピボットターンを含む),及び停止を行わせる,通常走行制御を実行する。
ここで,「基本回転速度」とは,操作桿本体21が左右方向に傾動操作されていない状態において左側モータ60a及び右側モータ60bが取るべき共通の回転方向と回転速度であり,従ってコントローラ70の通常走行制御手段71は,オペレータが操作桿本体21を左右方向に傾動させることなく,前後方向にのみ傾動操作した場合,操作桿本体21の前後方向の傾動位置に応じて左側モータ60a及び右側モータ60bの双方にこの基本回転速度を適用する。
本実施形態では,高所作業車1を前進させる方向への左側及び右側モータ60a,60bの回転速度を正(+),後退させる方向の回転速度を負(−)として示し,一例として操作桿本体21を,中立位置から前傾方向に20°,後傾方向に20°の計40°の範囲で傾動させることができるように構成し,図7に示すように中立位置の基本回転速度0(停止)から,前傾20°の基本回転速度rmax,又は後傾20°の基本回転速度−rmaxまで,傾動角の増大に対応して線形に回転速度が増大するように設定している。
また,操作桿本体21の左右方向の傾動角によって決まる補正値は,左右方向への傾動角の増大によって左側モータ60aの回転速度と右側モータ60bの回転速度の速度差が増大するように前記基本回転速度を補正する。
本実施形態ではこの補正値を基本回転速度に対するパーセンテージ(%)で規定しており,例えば,補正値50%は基本回転速度の1/2の回転速度,100%は基本回転速度と同一の回転速度(補正なし),0%は回転速度ゼロ(停止),−100%は基本回転速度と同一回転速度で逆方向の回転を示す(以下,同様。)。
本実施形態では一例として操作桿本体21を中立位置から左傾方向に20°,右傾方向に20°の計40°の範囲で傾動させることができるように構成し,図8に示すように操作桿本体21を左側に傾動させた場合,右側モータ60bの回転速度を前述の基本回転速度100%に維持したまま,左側モータ60aの回転速度として,傾動角の増大に伴い基本回転速度を100%から0%まで減速するよう補正して得た回転速度を適用している。
これにより,左側モータ60aの回転速度を右側モータ60bの回転速度に対し相対的に遅くして高所作業車1を左旋回させると共に,操作桿本体21の左方向への傾動角が増大するに従い,高所作業車1がより小回りで左旋回するように変化させ,左方向の最大傾動角(20°)の傾動によって左側モータ60aの回転速度を基本回転速度の0%まで減速して停止させることで高所作業車1にピボットターンを行わせることができるように構成されている。
従って,操作桿本体21を前傾させた状態で,操作桿本体21を中立位置から左方向に傾動させていくと,高所作業車1は直進方向に前進した状態(図示せず)から,図9(A)に示すように反時計回り方向に旋回しながら行う前進に移行し,左方向の最大傾動角(20°)に至ると図9(B)に示す,反時計回り方向のピボットターンにその走行状態を移行する。
また,操作桿本体21を後傾させた状態で,操作桿本体21を中立位置から左方向に傾動させていくと,高所作業車1は直進方向に後退した状態(図示せず)から,図9(C)に示すように時計回り方向に旋回しながら行う後退にその走行状態を移行し,左方向の最大傾動角(20°)に至ると,図9(D)に示すように時計回り方向のピボットターンにその走行状態を移行する。
これとは反対に,操作桿本体21を右側に傾動させた場合には,左側モータ60aの回転速度を前述の基本回転速度を100%に維持したまま,右側モータ60bの回転速度として,傾動角の増大に伴い基本回転速度を100%から0%まで減速する補正をして得た回転速度を適用している。
これにより,右側モータ60bの回転速度を左側モータ60aの回転速度に対し相対的に遅くすることで,高所作業車1を右旋回させると共に,操作桿本体21の右方向への傾動角の増大に伴い,高所作業車1がより小回りで旋回するように変化させると共に,右方向の最大傾動角(20°)の傾動によって右側モータ60bの回転速度を基本回転速度の0%まで減速して停止させることで,高所作業車1にピボットターンを行わせることができるようにしている。
従って,操作桿本体21を前傾させた状態で,操作桿本体21を中立位置から右方向に傾動させていくと,高所作業車1は直進方向に前進した状態(図示せず)から,図10(A)に示すように時計回り方向に旋回しながら行う前進にその走行状態を移行し,右方向の最大傾動角(20°)に至ると,図10(B)に示す,時計回り方向のピボットターンへとその走行状態を移行する。
また,操作桿本体21を後傾させた状態で,操作桿本体21を中立位置から右方向に傾動させていくと,高所作業車1は直進方向に後退した状態(図示せず)から,図10(C)に示すように反時計回り方向に旋回しながら後退する走行状態に移行し,左方向の最大傾動角(20°)に至ると図10(D)に示す,反時計回り方向のピボットターンにその走行状態を移行する。
(3)スピンターン制御手段
前述のスピンターン制御手段72は,コントローラ70が操作盤11からの切替指令信号を受信することにより起動する手段であり,スピンターン制御手段72の起動によりコントローラ70は,前述の通常走行制御を停止して,スピンターン制御に移行し,左側モータ60aと右側モータ60bを相互に逆方向に回転させて高所作業車1にスピンターンを行わせる。
前述したように,3ポジションスイッチである切替スイッチ24を設けた本実施形態では,この切替スイッチ24を,中立位置(OFF)から第1位置又は第2位置に切り替えることによりスピンターン制御手段が起動し,図8に示した補正値に従った通常走行制御を停止して,スピンターン制御を開始する。
このスピンターン制御手段72による制御では,切替スイッチ24が図5中の拡大図に示した中立位置(OFF)から第1位置(左ON)に切り替えられた場合には,操作桿本体21の左右方向の傾動角にかかわらず,右側モータ60bを前述の基本回転速度100%で回転させると共に,左側モータ60aの回転速度として,前記基本回転速度の−100%の回転速度(逆回転)を適用して,高所作業車1をスピンターンさせる。
一方,前述の切替スイッチ24が図5中の拡大図に示した第2位置(右ON)に切り替えられた場合には,スピンターン制御手段72は,操作桿本体21の左右方向の傾動角にかかわらず,左側モータ60aを前述の基本回転速度100%で回転させると共に,右側モータ60bの回転速度として,前記基本回転速度の−100%の回転速度(逆回転)を適用して,高所作業車1をスピンターンさせる。
その結果,切替スイッチ24を第1位置(左ON)に切り替えた状態で操作桿本体21を前傾し,又は,操作桿本体21を前傾させた状態で切替スイッチ24を第1位置(左ON)に切り替えると,高所作業車1は図11(A)に示すように平面視で反時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の前傾角の増大により増大する。
また,切替スイッチ24を第2位置(右ON)に切り替えた状態で操作桿本体21を前傾し,又は,操作桿本体21を前傾させた状態で切替スイッチ24を第2位置(右ON)に切り替えると,高所作業車1は図11(B)に示すように平面視で時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の前傾角の増大により増大する。
更に,切替スイッチ24を第1位置(左ON)に切り替えた状態で操作桿本体21を後傾し,又は,操作桿本体21を後傾させた状態で切替スイッチ24を第1位置(左ON)に切り替えると,高所作業車1は図11(B)に示すように平面視で時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の後傾角の増大により増大する。
また,切替スイッチ24を第2位置(右ON)に切り替えた状態で操作桿本体21を後傾し,又は,操作桿本体21を後傾させた状態で切替スイッチ24を第2位置(右ON)に切り替えると,高所作業車1は図11(A)に示すように平面視で反時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の後傾角の増大により増大する。
〔変更例〕
以上で説明した実施形態では,操作桿20に切替スイッチ24を設け,この切替スイッチ24の操作によって通常走行制御とスピンターン制御を切り替えることができるようにした。
これに対し,本実施形態では,操作桿本体21を左右方向に所定の角度(一例として15°)以上傾動させたことを検出した第2傾動角検出センサ28bの検出信号を切替指令信号とした例を示す。
この例では,図3〜図5に符号24で示した切替スイッチは設けなくても良い。
本実施形態においても,操作桿本体21を中立位置より前後にそれぞれ20°(計40°)傾動可能として,前後方向の傾動角に応じて図7に示した所定の基本回転速度が適用されるようにした点は,切替スイッチ24の操作により通常走行制御とスピンターン制御を切替可能とした前述の実施形態と同様である。
本実施形態では,左右にそれぞれ20°の計40°の操作桿本体21の左右方向の傾動範囲のうち,左右15°未満の範囲を通常走行制御,15°以上の範囲をスピンターン制御の適用範囲としている。
従って,本実施例において,通常走行制御時に適用される補正値は,図12に示すように操作桿本体21を左側に傾動させた場合,右側モータ60bの回転速度を前述の基本回転速度100%に維持したまま,左側モータ60aの回転速度として,傾動角が通常走行制御の使用範囲である0°から15°未満の範囲で増大するに伴い,基本回転速度を100%から0%まで減速する補正をして得た回転速度を適用することで,左側モータ60aの回転速度を右側モータ60bの回転速度に対し相対的に遅くして高所作業車1を左旋回させると共に,操作桿本体21の左方向への傾動角の増大に伴い,高所作業車1がより小回りで旋回するように変化させると共に,通常走行制御で使用する左方向の最大傾動角(一例として<15°)の傾動によって左側モータ60aの回転速度を基本回転速度の0%まで減速して停止させることでピボットターンを行うようにしている。
また,操作桿本体21を右側に傾動させた場合には,左側モータ60aの回転速度を前述の基本回転速度を100%に維持したまま,右側モータ60bの回転速度として,傾動角が通常走行制御の使用範囲である0°から15°未満の範囲で増大するに伴い,基本回転速度を100%から0%まで減速する補正をして得た回転速度を適用することで,右側モータ60bの回転速度を左側モータ60aの回転速度に対し相対的に遅くすることで,高所作業車1を右方向に旋回させると共に,操作桿本体21の右方向への傾動角の増大に伴い,高所作業車1がより小回りで旋回するように変化させると共に,通常走行制御で使用する右方向の最大傾動角(一例として<15°)の傾動によって右側モータ60bの回転速度を基本回転速度の0%まで減速して停止させることでピボットターンを行うようにしている。
一方,操作桿本体21の左右方向の傾動角が15°以上になると,スピンターン制御手段72が起動し,図12に示した補正値に従った通常走行制御を停止して,スピンターン制御を開始する。
このスピンターン制御手段72による制御では,操作桿本体21が左方向に15°以上傾動されている場合には,操作桿本体21の左方向の傾動角の変化(15°〜20°間の変化)にかかわらず,右側モータ60bを前述の基本回転速度100%で回転させると共に,左側モータ60aの回転速度として,前記基本回転速度の−100%の回転速度(逆回転)を適用して,高所作業車1をスピンターンさせる。
一方,操作桿本体21が右方向に15°以上傾動されている場合には,操作桿本体21の右方向の傾動角の変化(15°〜20°間の変化)にかかわらず,左側モータ60aを前述の基本回転速度100%で回転させると共に,右側モータ60bの回転速度として,前記基本回転速度の−100%の回転速度(逆回転)を適用して,高所作業車1をスピンターンさせる。
その結果,操作桿本体21を左方向に15°以上傾動させた状態で操作桿本体21を前傾し,又は,操作桿本体21を前傾させた状態で操作桿本体21を左方向に15°以上傾動させると,高所作業車1は図11(A)に示すように平面視で反時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の前傾角の増大により増大する。
また,操作桿本体21を右方向に15°以上傾動させた状態で操作桿本体21を前傾し,又は,操作桿本体21を前傾させた状態で操作桿本体21を右方向に15°以上傾動させると,高所作業車1は図11(B)に示すように平面視で時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の前傾角の増大により増大する。
更に,操作桿本体21を左方向に15°以上傾動させた状態で操作桿本体21を後傾し,又は,操作桿本体21を後傾させた状態で操作桿本体21を左方向に15°以上傾動させると,高所作業車1は図11(B)に示すように平面視で時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の後傾角の増大により増大する。
また,操作桿本体21を右方向に15°以上傾動させた状態で操作桿本体21を後傾し,又は,操作桿本体21を後傾させた状態で操作桿本体21を右方向に15°以上傾動させると,高所作業車1は図11(A)に示すように平面視で反時計回り方向にスピンターンを行い,このスピンターンによる旋回速度は操作桿本体21の後傾角の増大により増大する。
なお,以上のように操作桿本体21を左右方向に15°以上傾動させて行うスピンターン制御の状態から,操作桿本体21の左右方向の傾動角を15°未満の範囲に移動させると,コントローラ70はスピンターン制御を終了して前述の通常走行制御に復帰する。
〔走行操作装置の動作〕
以上で説明した走行操作装置の動作説明を,図13及び図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
なお,本発明の走行操作装置10では,通常走行制御とスピンターン制御を,切替スイッチ24の操作によって切り替える構成と,操作桿本体21を左右方向に所定角度(15゜)以上傾動させることで切り替える構成とで動作に相違が生じることから,それぞれを分けて説明する。
(1)切替スイッチにより切替を行う例
通常走行制御とスピンターン制御の切り替えを切替スイッチ24の操作によって行う走行操作装置10の動作を,図13に示す。
操作桿20に設けたイネーブルスイッチ22がOFFとなっており,高所作業車1が停止している状態から,オペレータが操作桿20のグリップ部26と共にイネーブルスイッチ22と共に把持すると,イネーブルスイッチ22がONとなり(S1−1の「ON」),操作桿本体21の傾動操作と切替スイッチ24の操作による走行操作が有効となる。
このイネーブルスイッチのONにより,コントローラ70は,切替スイッチ24からの切替指令信号(ON信号)の有無を判断し,切替スイッチ24がOFFの場合(S1−2の「OFF(中立)」),通常走行制御手段71を起動して通常走行制御を実行し,切替スイッチ24がONの場合(S1−2の「ON」),スピンターン制御手段72を起動してスピンターン制御を実行する。
通常走行制御において,コントローラ70の通常走行制御手段71は,操作桿本体21の前後方向における傾動位置が,前傾,中立,後傾のいずれの位置にあるかに基づいて,以下の制御を行う。
操作桿本体21の前後方向の傾動位置が中立位置にある場合(S1−3の「中立」),左側モータ60aと右側モータ60bには,図7に示すように基本回転速度「0」が適用されて,高所作業車1は停止した状態を維持する(S1−4)。
また,操作桿本体21が前傾位置にある場合(S1−3の「前傾」),更に,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が,左傾,中立,右傾のいずれの位置にあるか否かが判断され(S1−5),この判断結果に基づきコントローラ70は高所作業車1に下記の前進動作を行わせる。
すなわち,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が左傾位置にある場合(S1−5の「左傾」),コントローラ70は,図8の補正値に従い,右側モータ60bの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,左側モータ60aの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の左傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,右側モータ60bの回転速度に対し左側モータ60aの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図9(A),(B)に示すように反時計回り方向に旋回させつつ前進させる(S1−6)。
また,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が中立位置にある場合(S1−5の「中立」),コントローラ70は,左側モータ60aと右側モータ60bのいずれに対しても図7に示す基本回転速度を適用して,高所作業車1を直進方向に前進させる(S1−7)。
更に,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が右傾位置にある場合(S1−5の「右傾」),コントローラ70は,図8の補正値に従い,左側モータ60aの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,右側モータ60bの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の右傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,左側モータ60aの回転速度に対し右側モータ60bの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図10(A),(B)に示すように時計回り方向に旋回させつつ前進させる(S1−8)。
また,操作桿本体21が後傾位置にある場合にも(S1−3の「後傾」),操作桿本体21の左右方向の傾動位置が,左傾,中立,右傾のいずれの位置にあるか否かが判断され(S1−9),この判断結果に基づきコントローラ70は高所作業車1に下記の後退動作を行わせる。
すなわち,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が左傾位置にある場合(S1−9の「左傾」),コントローラ70は,図8の補正値に従い,右側モータ60bの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,左側モータ60aの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の左傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,右側モータ60bの回転速度に対し左側モータ60aの回転速度を低回転速度とすることで,図9(C),(D)に示すように高所作業車1を時計回り方向に旋回させつつ後退させる(S1−10)。
また,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が中立位置にある場合(S1−9の「中立」),コントローラ70は,左側モータと右側モータ60a,60bのいずれとも図7に示す基本回転速度を適用して,高所作業車1を直進方向に後退させる(S1−11)。
更に,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が右傾位置にある場合(S1−9の「右傾」),コントローラ70は,図8の補正値に従い,左側モータ60aの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,右側モータ60bの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の右傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,左側モータ60aの回転速度に対し右側モータ60bの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図10(C),(D)に示すように反時計回り方向に旋回させつつ後退させる(S1−12)。
一方,切替スイッチ24をONとしたスピンターン制御(S1−2の「ON」)では,切替スイッチ24が第1位置(左)又は第2位置(右)のいずれの位置に切り替えられているかが判断され(S1−13),それぞれ下記のように動作する。
切替スイッチ24の位置が,第1位置(左ON)である場合(S1−13の「第1(左)」),コントローラ70は操作桿本体21の左右方向の傾動位置に拘わらず右側モータ60bの回転速度として基本回転速度100%の回転速度を適用する一方,左側モータ60aの回転速度として,基本回転速度の−100%の回転速度を適用して,右側モータ60bに対し,左側モータ60aを同一の回転速度で逆回転させて高所作業車1をスピンターンさせる。
従って,操作桿本体21が前傾位置にある場合(S1−14の「前傾」),高所作業車1は図11(A)に示すように反時計回り方向にスピンターンし(S1−15),操作桿本体21が後傾位置にある場合(S1−14の「後傾」),高所作業車1は図11(B)に示すように時計回り方向にスピンターンする(S1−16)。
また,切替スイッチ24の位置が,第2位置(右ON)である場合(S1−13の「第2(右)」),コントローラ70は操作桿本体21の左右方向の傾動位置に拘わらず,左側モータ60aの回転速度として基本回転速度100%の回転速度を適用する一方,右側モータ60bの回転速度として,基本回転速度の−100%の回転速度を適用して,左側モータ60aに対し,右側モータ60bを同一の回転速度で逆回転させて高所作業車1をスピンターンさせる。
従って,操作桿本体21が前傾位置にある場合(S1−17の「前傾」),高所作業車1は図11(B)に示すように時計回り方向にスピンターンし(S1−16),操作桿本体21が後傾位置にある場合(S1−17の「後傾」),高所作業車1は図11(A)に示すように反時計回り方向にスピンターンする(S1−18)。
なお,切替スイッチ24が第1位置又は第2位置のいずれかの位置にありコントローラ70が切替指令信号を受信してスピンターン制御手段72が起動している場合であっても,操作桿本体21の前後方向の傾動位置が中立の位置にある場合(S1−14及びS1−17の「中立」)には,高所作業車1はスピンターンを行わずに停止した状態となる(S1−19,S1−20)。
(2)操作桿本体の傾動角により切替を行う例
以上,図13を参照した説明では,通常走行制御とスピンターン制御の切替を,切替スイッチ24の操作によって行う場合の動作を説明した。
これに対し,図14に,操作桿本体21の左右方向の傾動角が15°未満の範囲では通常走行制御を行い,操作桿本体21の左右方向の傾動角を15°以上とすると,スピンターン制御を行うように構成した走行操作装置10の動作を示す。
図14に示すように,高所作業車1が停止している「スタート」の状態から,操作盤11に設けた操作桿20のグリップ部26を,イネーブルスイッチ22と共に把持すると,イネーブルスイッチ22がONとなり(S2−1の「ON」),操作桿本体21の傾動操作による走行操作が有効になる。
イネーブルスイッチ22のONにより操作桿20からの信号の受信を開始したコントローラ70は,操作桿本体21が,左側又は右側に15°以上傾動した状態にあるか否かを判断し(S2−2),傾動角が15°未満である場合には(S2−2の「15°未満」),通常走行制御手段71を起動して通常走行制御を実行する一方,傾動角が15°以上である場合には,スピンターン制御手段72を起動し,通常走行制御を中止してスピンターン制御を開始する。
通常走行制御において,コントローラ70の通常走行制御手段71は,操作桿本体21の前後方向における傾動位置が,前傾,中立,後傾のいずれの位置にあるかに基づいて,以下の制御を行う。
操作桿本体21が中立位置にある場合(S2−3の「中立」),左側モータ60aと右側モータ60bには,図7に示す基本回転速度「0」が適用されて,高所作業車1は停止した状態を維持する(S2−4)。
また,操作桿本体21が前傾位置にある場合(S2−3の「前傾」),更に,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が,左傾,中立,右傾のいずれの位置にあるか否かが判断され(S2−5),この判断結果に基づきコントローラ70は高所作業車1に下記の前進動作を行わせる。
すなわち,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が左傾位置にある場合(S2−5の「左傾」),コントローラ70は,図12の補正値に従い,右側モータ60bの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,左側モータ60aの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の左傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,右側モータ60bの回転速度に対し左側モータ60aの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図9(A),(B)に示すように反時計回り方向に旋回させつつ前進させる(S2−6)。
また,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が中立位置にある場合(S2−5の「中立」),コントローラ70は,左側モータ60aと右側モータ60bのいずれとも図7に示す基本回転速度を適用して,高所作業車1を直進方向に前進させる(S2−7)。
更に,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が右傾位置にある場合(S2−5の「右傾」),コントローラ70は,図12の補正値に従い,左側モータ60aの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,右側モータ60bの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の右傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,左側モータ60aの回転速度に対し右側モータ60bの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図10(A),(B)に示すように時計回り方向に旋回させつつ前進させる(S2−8)。
また,操作桿本体21が後傾位置にある場合にも(S2−3の「後傾」),操作桿本体21の左右方向の傾動位置が,左傾,中立,右傾のいずれの位置にあるか否かが判断され(S2−9),この判断結果に基づきコントローラ70は高所作業車1に下記の後退動作を行わせる。
すなわち,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が左傾位置にある場合(S2−9の「左傾」),コントローラ70は,図12の補正値に従い,右側モータ60bの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,左側モータ60aの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の左傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,右側モータ60bの回転速度に対し左側モータ60aの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図9(C),(D)に示すように時計回り方向に旋回させつつ後退させる(S2−10)。
また,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が中立位置にある場合(S2−9の「中立」),コントローラ70は,左側モータ60aと右側モータ60bのいずれとも図7に示す基本回転速度を適用して,高所作業車1を直進方向に後退させる(S2−11)。
更に,操作桿本体21の左右方向の傾動位置が右傾位置にある場合(S2−9の「右傾」),コントローラ70は,図12の補正値に従い,左側モータ60aの回転速度を基本回転速度の100%に維持しつつ,右側モータ60bの回転速度として,基本回転速度を操作桿本体21の右傾動角に応じた所定の補正値で減速して得た回転速度を適用することで,左側モータ60aの回転速度に対し右側モータ60bの回転速度を低回転速度とすることで,高所作業車1を図10(C),(D)に示すように反時計回り方向に旋回させつつ後退させる(S2−12)。
一方,操作桿本体21を左又は右方向に15°以上傾動させて行うスピンターン制御(S2−2の「15°以上」)では,操作桿本体21が,左方向に15°以上傾動された状態にあるか,又は,右方向に15°以上傾動された状態にあるかが判断され(S2−13),それぞれ下記のように動作する。
操作桿本体21が左方向に15°以上傾動されている場合(S2−13の「左傾」),コントローラ70は操作桿本体21の左方向の傾動角が15〜20°のいずれの位置にあるかに拘わらず右側モータ60bの回転速度として基本回転速度100%の回転速度を適用する一方,左側モータ60aの回転速度として,基本回転速度の−100%の回転速度を適用して,右側モータ60bに対し,左側モータ60aを同一の回転速度で逆回転させて高所作業車1をスピンターンさせる。
従って,操作桿本体21が前傾位置にある場合(S2−14の「前傾」),高所作業車1を図11(A)に示すように反時計回り方向にスピンターンさせ(S2−15),操作桿本体21が後傾位置にある場合(S2−14の「後傾」),高所作業車1を図11(B)に示すように時計回り方向にスピンターンさせる(S2−16)。
また,操作桿本体21が右方向に15°以上傾動されている場合(S2−13の「右傾」),コントローラ70は操作桿本体21の右方向の傾動角が15〜20°のいずれの位置にあるかに拘わらず,左側モータ60aの回転速度として基本回転速度100%の回転速度を適用する一方,右側モータ60bの回転速度として,基本回転速度の−100%の回転速度を適用して,左側モータ60aに対し,右側モータ60bを同一の回転速度で逆回転させて高所作業車1をスピンターンさせる。
従って,操作桿本体21が前傾位置にある場合(S2−17の「前傾」),高所作業車1は図11(B)に示すように時計回り方向にスピンターンし(S2−16),操作桿本体21が後傾位置にある場合(S2−17の「後傾」),高所作業車1は図11(A)に示すように反時計回り方向にスピンターンする(S2−18)。
なお,操作桿本体21が左又は右に15°以上傾動した状態にあり,コントローラ70が切替指令信号を受信してスピンターン制御手段72が起動している場合であっても,操作桿本体21の前後方向の傾動位置が中立の位置にある場合(S2−14及びS2−17の「中立」)には,高所作業車1はスピンターンを行わずに停止した状態となる(S2−19,S2−20)。
1 高所作業車
2 車台
3 昇降機構(シザースリンク機構)
4 デッキ
5 無限軌道
5a 左側無限軌道
5b 右側無限軌道
10 走行操作装置
11 操作盤
12 操作盤本体
13 ケーシング
20 操作桿
21 操作桿本体
22 イネーブルスイッチ
24 切替スイッチ
26 グリップ部
28a 第1傾動角検出センサ(前後傾動角検出手段)
28b 第2傾動角検出センサ(左右傾動角検出手段)
29 着脱検出手段
30 ブラケット
31 背面板
31a 幅方向の一辺(背面板の)
31b 上端辺(背面板の)
32 側面板
32a 高さ方向の一辺(側面板の)
32b 上端辺(側面板の)
33 前面板
33a 幅方向の一辺(前面板の)
33b 上端辺(前面板の)
34 吊り金具
34a 吊下片
34b 係止片
34c 鍔部
40 防護柵
50 非常停止スイッチ
60a 左側モータ
60b 右側モータ
70 コントローラ
71 通常走行制御手段
72 スピンターン制御手段
80 ケーブル
100 高所作業車
102 車台
103 昇降機構(シザースリンク機構)
104 デッキ
105a 左側無限軌道
105b 右側無限軌道
110 操作盤
125 走行操作レバー
126 旋回量操作ダイアル
140 防護柵

Claims (6)

  1. 走行装置である左側無限軌道及び右側無限軌道と,該左側無限軌道と前記右側無限軌道をそれぞれ独立して駆動する左側モータ及び右側モータを備えた車台上に,昇降可能なデッキを備えた自走式の無限軌道型高所作業車の走行操作装置において,
    前記走行操作装置が,
    前記デッキ上に設けられる操作盤と,該操作盤に設けた操作桿と,前記操作桿の操作に応じて前記左側モータ及び前記右側モータの回転を制御するコントローラを備え,
    前記操作桿が,
    中立位置から前後及び左右方向に傾動操作可能な操作桿本体と,
    押している間のみ前記操作桿の操作に基づく前記コントローラによる前記左側及び右側モータの制御を有効と成すイネーブルスイッチを備え,
    該操作桿本体を把持した同じ手指で該イネーブルスイッチを押しながら該操作桿本体を傾動操作できる位置の前記操作桿本体上に前記イネーブルスイッチが配置されており,
    前記コントローラが,
    前記操作桿からの切替指令信号の非受信時に通常走行制御を実行すると共に,該切替指令信号の受信時に前記通常走行制御を停止してスピンターン制御に移行するように構成されており,
    前記通常走行制御において,
    前記操作桿本体を左右方向に傾動操作することなく,前後方向にのみ傾動動作が行われた場合,前記左側モータ及び右側モータを,前記操作桿本体の中立,前傾,後傾の各位置に対応した前記左側モータ及び右側モータに共通の回転方向及び回転速度として予め設定された基本回転速度で回転させ,
    前記操作桿本体を前後方向に傾動操作しつつ該操作桿本体の左右方向への傾動操作が行われると,該操作桿本体の左右方向の傾動動作に対応した方向に前記高所作業車が旋回動作するように前記左側モータと右側モータの回転速度を補正し,
    前記スピンターン制御において,
    前記左側モータと右側モータを相互に逆方向に回転させることを特徴とする無限軌道型高所作業車の走行操作装置。
  2. 前記操作桿が,該操作桿本体を把持して傾動操作しながら,該操作桿本体を把持した同じ手指で前記イネーブルスイッチと同時に操作することができる位置に,前記切替指令信号を発生させる切替スイッチを備えることを特徴とする請求項1記載の無限軌道型高所作業車の走行操作装置。
  3. 前記切替スイッチが,中立位置と,前記切替指令信号として第1切替指令信号を発生する第1位置と,前記切替指令信号として第2切替指令信号を発生する第2位置を有し,
    前記コントローラが,
    前記切替スイッチからの前記第1切替指令信号の受信により,前記右側モータを前記基本回転速度で,前記左側モータを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させると共に,
    前記切替スイッチからの前記第2切替指令信号の受信により,前記左側モータを前記基本回転速度で,前記右側モータを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させることを特徴とする請求項2記載の無限軌道型高所作業車の走行操作装置。
  4. 前記操作桿本体の左右方向の傾動角を検出する左右傾動角検出手段が所定の角度以上前記操作桿本体が中立位置より左右方向に傾動したことを検知した検知信号を前記切替指令信号とすることを特徴とする請求項1記載の無限軌道型高所作業車の走行操作装置。
  5. 前記コントローラが,
    前記左右傾動角検出手段の検出信号が,前記操作桿本体の左傾動角が前記所定の角度以上であることを示すものであるとき,前記右側モータを前記基本回転速度で,前記左側モータを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させると共に,
    前記左右傾動角検出手段の検出信号が,前記操作桿本体の右傾動角が前記所定の角度以上であることを示すものであるとき,前記左側モータを前記基本回転速度で,前記右側モータを,前記基本回転速度を逆回転方向とした回転速度で回転させることを特徴とする請求項4記載の無限軌道型高所作業車の走行操作装置。
  6. 前記コントローラは,前記通常走行制御において,
    前記操作桿本体が通常走行制御における最大左傾動角にあるとき,前記左側モータの回転を停止させ,前記操作桿本体が,通常走行制御における最大右傾動角にあるとき,前記右側モータの回転を停止させることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の無限軌道型高所作業車の走行操作装置。

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