JP2021171860A - 長尺ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧クーラントにより、穴開け加工部分の冷却効果を高め、切りくずを細かく切断して、効率の良い穴開け加工を実現する。【解決手段】長尺ドリル1は、ドリル長さが100mm以上で、先端に形成されるクーラント噴出穴2a,2aに接続されるクーラント通路2が形成されている。クーラント通路2は、高圧クーラントを供給するクーラント送給ポンプ3に接続される。クーラント流路2は、直線状である。クーラント通路2は、クーラント送給ポンプ3に接続される第1の通路2Aと、第1の通路2Aから分岐されクーラント噴出穴2a,2aに通じる2つの第2の通路2B,2Bとを備える。【選択図】 図1
Description
本発明は、長尺ドリルに関する。
一般に、ドリルにおいて、穴開け加工部分の冷却のために、クーラント通路を設けることは知られている(たとえば、特許文献1参照)。このクーラントの供給圧力を高圧にすることで、冷却効果を高め、切りくずを細かく切断できることも知られている。
ところで、タイヤの製造は、まず、カーカス・ベルト・ビート・トレッド・サイドウォールといった、各パーツを巻いて切って重ねて組み合わせた「生タイヤ」というものを作る。それから、この「生タイヤ」を雌型だけの金型(モールド)に入れて、内側から60kPaぐらいの空気の圧力で押し付け、高温(140度〜185度)による熱化学反応、いわゆる加硫によってゴムに弾力性を持たせ、トレッドパターンなどを成形することによって行われる。
このモールドの内側から生タイヤを膨らませ型に押し付けていくとき、生タイヤとモールドの間に入っている空気をどこかで抜かなければならず、そのエア抜きのための穴がモールドには無数にあり、そのエア抜きの穴に入ったゴムが固まったのが、いわゆるヒゲ(スピュー)になる。
このエア抜きの穴を、金型に形成するのに、長尺のドリルが用いられ、このような長尺のドリルの場合には、クーラント通路が、ドリル先端からドリル後端まで2本のらせん状の通路とされている。
このようならせん状の通路であると、長尺ドリルの場合には、ドリル長さが長いので、クーラントが噴出されないおそれがあり、噴出されても噴出圧力が弱く、切りくずを小さく切断することができず、効率の良い加工を実現することができない。
本発明は、高圧クーラントにより、穴開け加工部分の冷却効果を高め、切りくずを細かく切断して、効率の良い穴開け加工ができる長尺ドリルを提供する。
本発明は、クーラント噴出穴を有し、ドリル長さが100mm以上の長尺ドリルであって、高圧クーラントを供給するクーラント流路を有し、前記クーラント流路は、一端が前記クーラント送給ポンプに接続される直線状の通路で、他端が前記クーラント噴出穴に通じていることを特徴とする。
このようにすれば、クーラント流路は、クーラント送給ポンプとクーラント噴出穴とをつなぐ直線状の通路であるので、従来のらせん状の通路とは異なり、高圧クーラントの噴出が妨げられることなく、高圧クーラントを吹き付けながら穴開け加工をすることができる。よって、高圧クーラントにより、穴開け加工部分の冷却効果を高め、穴開け加工の際に生ずる切りくずを小さく切断することができ、効率の良い穴開け加工を実現することができる。
この場合、前記クーラント噴出穴は、2つとし、前記クーラント流路は、前記クーラント送給ポンプに接続される1つの第1の通路と、前記第1の通路から分岐され2つの前記クーラント噴出穴に通じる2つの第2の通路とを備え、前記第1及び第2の通路は、直線状であるようにすることができる。
このようにすれば、クーラント流路は、クーラント送給ポンプに接続される第1の通路と、前記第1の通路から分岐され前記クーラント噴出穴に通じる2つの第2の通路とを備え、前記第1及び第2の通路は、直線状であるので、高圧クーラントの噴出が妨げられることなく、高圧クーラントを吹き付けながら穴開け加工をすることができる。
前記クーラント噴出穴の直径は、ドリル径の1/10以上であることが望ましい。このようにすれば、ドリル径に応じて、クーラント噴出穴について、必要な直径に設定される。ドリル径との関係で、クーラント噴出穴の直径が小さすぎると、クーラントが噴出されない場合があり、大きすぎると、噴出圧が低くなるからである。
また、前記第2の通路の通路径は、前記第1の通路の通路径よりも小さい、ことが望ましい。このようにすれば、第2の通路は、第1の通路よりも通路径が小さいので、高圧クーラントを噴出させる上で有効である。
前記クーラント送給ポンプは、送給圧が20MPa以上である、ことが望ましい。 このようにすれば、20MPa以上の高圧クーラントを、クーラント噴出穴を通じて噴出することになり、穴開け加工部分の冷却効果を高め、切りくずを小さく切断できる。
ゴムタイヤを成形する金型についてのエア抜き穴の加工に用いるものである、ことが望ましい。このようにすれば、ゴムタイヤを成形する金型についてのエア抜き穴を、効率よく加工することができる。
本発明は、クーラント流路は、クーラント送給ポンプとクーラント噴出穴とをつなぐ直線状の通路であるので、高圧クーラントの噴出が妨げられることなく、高圧クーラントを吹き付けながら穴開け加工をすることができる。よって、高圧クーラントにより、穴開け加工部分の冷却効果を高め、穴開け加工の際に生ずる切りくずを小さく切断することができ、効率の良い穴開け加工を実現することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る長尺ドリルの一実施の形態を示す正面図、図2はドリル先端を示す図である。
図1は本発明に係る長尺ドリルの一実施の形態を示す正面図、図2はドリル先端を示す図である。
図1及び図2に示すように、長尺ドリル1は、ドリル長さが100mm以上(例えば200mm)で、先端に2つのクーラント噴出穴2a,2aが形成され、クーラント噴出穴2a,2aにクーラント通路2が接続されている。このクーラント通路2には、高圧クーラントを供給するクーラント送給ポンプ3に接続されている。クーラント送給ポンプ3は、ポンプ駆動制御手段4に連係され、クーラント送給圧を制御できるようになっている。
クーラント流路2は、クーラント送給ポンプ3に接続される第1の通路2Aと、第1の通路2Aから分岐されクーラント噴出穴2a,2aに通じる2つの第2の通路2B,2Bとを備える。第1及び第2の通路2A,2B,2Bは、それぞれ直線状である。このクーラント流路2は、第1の通路2Aが途中から分岐して第2の通路2B,2Bとなり、分岐することでY字形状の通路となっている。そして、クーラント噴出穴2a,2aを通じての噴出圧が低下するのを回避するために、第2の通路2Bの通路径は、第1の通路2Aの通路径よりも小さくなっている。
このように、クーラント流路2は、第1の通路2Aと、第1の通路2Aから分岐されクーラント噴出穴2a,2aに通じる2つの第2の通路2Bとを備え、第2の通路2Bの通路径は、第1の通路2Aの通路径よりも小さく、第1及び第2の通路2A,2Bは直線状であるので、高圧クーラントがクーラント噴出穴2a,2aを通じて噴出され、高圧クーラントを吹き付けながら、穴開け加工をすることができる。
よって、高圧クーラントにより、穴開け加工部分の冷却効果を高め、穴開け加工の際に生ずる切りくずを小さく切断することができ、効率の良い穴開け加工を実現することができる。
各クーラント噴出穴2aの直径は、長尺ドリル1のドリル径の1/10以上(例えば、2/10)とすることで、ドリル径に応じて、クーラント噴出穴2aの直径を必要な大きさとすることができる。つまり、穴開け加工部分の冷却効果を高め、穴開け加工の際に生ずる切りくずを小さく切断することができるのに有効な直径とすることができる。
また、クーラント送給ポンプ3は、クーラント通路2に高圧クーラントを送るもので、その送給圧は、20MPa以上とされている。このように、20MPa以上の高圧でクーラントを噴出させることで、穴開け加工部分の冷却効果を高めるだけでなく、穴開け加工に際して生ずる切りくずを小さく切断することができる。
このような長尺ドリル1は、図3に示すように、基端部がホルダ5を介して回転軸部6に連結され、ケーシング7内の駆動モータ(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。ケーシング7内には、前記駆動モータだけでなく、クーラント送給ポンプ3等も一緒に収納されている。
長尺ドリル1は、例えば、ゴムタイヤを成形する金型Mについてのエア抜き穴Maの加工に用いられ、ゴムタイヤを成形する金型Mについてのエア抜き穴Maを、効率よく加工することができる。
また、前述した長尺ドリルを製造するには、後端から前端に向かって、クーラント通路となる中心孔が貫通するようにドリル本体を形成し、前端部分の中止孔を埋める一方、前端側から前記中心孔に向かって、それに連通するようにクーラント噴出穴となる先端孔を形成すればよい。なお、後端から前端に向かって延びる中心孔を前端付近まで形成するようにすれば、前端部分の中止孔を埋める必要はなくなる。
また、前述した長尺ドリルを製造するには、後端から前端に向かって、クーラント通路となる中心孔が貫通するようにドリル本体を形成し、前端部分の中止孔を埋める一方、前端側から前記中心孔に向かって、それに連通するようにクーラント噴出穴となる先端孔を形成すればよい。なお、後端から前端に向かって延びる中心孔を前端付近まで形成するようにすれば、前端部分の中止孔を埋める必要はなくなる。
前記実施の形態では、クーラント通路2は、クーラント送給ポンプ3に接続される第1の通路2Aと、第1の通路2Aから分岐されクーラント噴出穴2a,2aに通じる2つの第2の通路2B,2Bとを備えるようにしているが、クーラント送給ポンプ3から2つのクーラント噴出穴2a,2aに向かって平行に延びる2つの直線状の通路とすることもできる。
さらに、本発明は、いわゆるガンドリルにも適用することができる。
さらに、本発明は、いわゆるガンドリルにも適用することができる。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが,本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 長尺ドリル
2 クーラント通路
2A 第1の通路
2B 第2の通路
2a クーラント噴出穴
3 クーラント送給ポンプ
4 ポンプ駆動制御手段
5 ホルダ
6 回転軸部
7 ケーシング
M 金型
Ma エア抜き穴
2 クーラント通路
2A 第1の通路
2B 第2の通路
2a クーラント噴出穴
3 クーラント送給ポンプ
4 ポンプ駆動制御手段
5 ホルダ
6 回転軸部
7 ケーシング
M 金型
Ma エア抜き穴
Claims (6)
- クーラント噴出穴を有し、ドリル長さが100mm以上の長尺ドリルであって、
高圧クーラントを供給するクーラント流路を有し、
前記クーラント流路は、一端が前記クーラント送給ポンプに接続される直線状の通路で、他端が前記クーラント噴出穴に通じていることを特徴とする長尺ドリル。 - 前記クーラント噴出穴は、2つで、
前記クーラント流路は、前記クーラント送給ポンプに接続される1つの第1の通路と、前記第1の通路から分岐され2つの前記クーラント噴出穴に通じる2つの第2の通路とを備え、
前記第1及び第2の通路は、直線状である、請求項1記載の長尺ドリル。 - 前記クーラント噴出穴の直径は、ドリル径の1/10以上である、請求項1または2記載の長尺ドリル。
- 前記第2の通路の通路径は、前記第1の通路の通路径よりも小さい、請求項2記載の長尺ドリル。
- 前記クーラント送給ポンプは、送給圧が20MPa以上である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の長尺ドリル。
- ゴムタイヤを成形する金型についての、エア抜き穴の加工に用いるものである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の長尺ドリル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020076523A JP2021171860A (ja) | 2020-04-23 | 2020-04-23 | 長尺ドリル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020076523A JP2021171860A (ja) | 2020-04-23 | 2020-04-23 | 長尺ドリル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021171860A true JP2021171860A (ja) | 2021-11-01 |
Family
ID=78281141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020076523A Pending JP2021171860A (ja) | 2020-04-23 | 2020-04-23 | 長尺ドリル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021171860A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7358023B1 (ja) | 2022-06-23 | 2023-10-10 | 油圧機工業有限会社 | ハイマンガン鋳鋼のネジ穴加工方法 |
-
2020
- 2020-04-23 JP JP2020076523A patent/JP2021171860A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7358023B1 (ja) | 2022-06-23 | 2023-10-10 | 油圧機工業有限会社 | ハイマンガン鋳鋼のネジ穴加工方法 |
JP2024001923A (ja) * | 2022-06-23 | 2024-01-11 | 油圧機工業有限会社 | ハイマンガン鋳鋼のネジ穴加工方法 |
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