JP2021169219A - 制振材 - Google Patents
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Abstract
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図1に示す本発明の実施形態の制振材10は、芯材11と、前記芯材11の両面に積層された繊維強化複合材料21とからなり、ノートパソコン等の携帯機器の筐体などに用いられる。
前記熱硬化性樹脂発泡体は、特に限定されるものではなく、シリコンフォーム材、ウレタン軟質フォーム材、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂などが例示でき、特に連続気泡構造であるポリウレタンフォームが好適である。ポリウレタンフォームとしては、表面に無発泡のスキン層を有するもの、あるいは表面に無発泡のスキン層が存在しないものを使用することができる。表面に無発泡のスキン層を有するポリウレタンフォームは、機械発泡法で製造することができる。一方、表面に無発泡のスキン層が存在しないポリウレタンフォームは、スラブ発泡法で製造することができる。
また、前記制振材10に難燃性が求められる場合、前記熱硬化性樹脂は難燃性のものが好ましい。フェノール樹脂は良好な難燃性を有するため、前記強化繊維織物に含浸させる熱硬化性樹脂として好適である。
また、前記含浸工程後のプリプレグ作成工程を行わないで、含浸工程で得られた含浸後の強化繊維を用いて前記積層工程と前記圧縮加熱工程を順に行ってもよい。
熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂溶液(住友ベークライト株式会社製、品名;PR−55791B、樹脂濃度60wt%エタノール溶液)に、強化繊維として綾織の炭素繊維織物(東邦テナックス株式会社製、品名;W−3161、繊維重さ200g/m2)を漬け、取り出した後に25℃の室温にて2時間自然乾燥し、更に60℃の雰囲気下にて1時間乾燥させてプリプレグを4枚作成した。炭素繊維織物は、200×350mmの平面サイズに裁断したもの(重量14g/枚)を使用した。乾燥後のプリプレグは1枚あたり32gであった。
実施例1におけるスペーサーを厚み1.6mmにした以外は、実施例1と同様にして実施例2の制振材を作成した。
実施例1におけるプリプレグを6枚作成して熱硬化性樹脂発泡体の両面にそれぞれ3枚配置し、スペーサーの厚みを2.0mmにした以外は、実施例1と同様にして実施例3の制振材を作成した。
実施例3における芯材用の熱硬化性樹脂発泡体を、厚み1.0mm(重量33.6g/枚)のもの(品名、密度、スキン層有、引張強度、伸びは、実施例3と同じ)にした以外は、実施例3と同様にして実施例4の制振材を作成した。
芯材用の熱硬化性樹脂発泡体として、スラブ発泡のポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製、品名;セルダンパ−BF−150、厚み0.5mm、密度150kg/m3、スキン層無、引張強度0.8MPa、伸び220%)を、平面サイズ200×350mmに裁断したもの(重量5.2g/枚)を使用し、スペーサーの厚みを1.6mmにした以外は、実施例4と同様にして実施例5の制振材を作成した。
スペーサーの厚みを1.7mmにした以外は、実施例5と同様にして実施例6の制振材を作成した。
芯材用の熱硬化性樹脂発泡体として、スラブ発泡のポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製、品名;セルダンパ−BF−300、厚み0.5mm、密度300kg/m3、スキン層無、引張強度1.3MPa、伸び310%)を、平面サイズ200×350mmに裁断したもの(重量10.5g/枚)を1枚、含浸することなく使用し、また、スペーサーの厚みを2.0mmにした以外は、実施例5と同様にして実施例7の制振材を作成した。
芯材用の熱硬化性樹脂発泡体として、スラブ発泡のポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製、品名;UGR、厚み0.9mm、密度60kg/m3、スキン層無、引張強度0.5MPa、伸び180%)を、平面サイズ200×350mmに裁断したもの(重量3.8g/枚)を1枚、含浸することなく使用した以外は、実施例7と同様にして実施例8の制振材を作成した。
実施例7におけるプリプレグを10枚作成し、また、芯材用の熱硬化性樹脂発泡体を厚み1.0mm(重量21g/枚)のもの(品名、密度、スキン層無、引張強度、伸びは実施例7と同じ)にし、熱硬化性樹脂発泡体の両面にプリプレグをそれぞれ5枚配置し、スペーサーの厚みを3.0mmにした以外は、実施例7と同様にして実施例9の制振材を作成した。
芯材用の熱硬化性樹脂発泡体として、機械発泡のポリウレタンフォーム(株式会社ロジャースイノアック製、品名;PRON NU−60、厚み0.7mm、密度600kg/m3、スキン層有、引張強度1.30MPa(JIS K 6251)、伸び150%(JIS K 6251)を、平面サイズ200×350mmに裁断したもの(重量29.4g/枚)を1枚、含浸することなく使用し、スペーサーの厚みを1.7mmにした以外は、実施例1と同様にして実施例10の制振材を作成した。
芯材用の熱硬化性樹脂発泡体として、スラブ発泡のポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製、品名;MF50、厚み1.5mm、密度30kg/m3、スキン層無、引張強度150MPa、伸び200%)を、平面サイズ200×350mmに裁断したもの(重量3.1g/枚)を1枚、含浸することなく使用した以外は、実施例3と同様にして実施例11の制振材を作成した。
実施例3における芯材用の熱硬化性樹脂発泡体を、厚み1.1mm(重量37g/枚)のもの(品名、密度、スキン層有、引張強度、伸びは、実施例3と同じ)にし、スペーサーの厚みを2.4mmにした以外は、実施例3と同様にして実施例12の制振材を作成した。
実施例1における芯材用の熱硬化性樹脂発泡体に代えて、メラミン樹脂発泡体(BASF社製、品名:バソテクトG、厚み5.0mm、密度9kg/m3、スキン層無、引張強度148KPa、伸び18%)に予めフェノール樹脂を含浸、乾燥したものを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1の制振材を作成した。
実施例1と同様にして作成したプリプレグを6枚重ねてプレス成形用下型上にセットし、スペーサーの厚みを1.5mmとして、150℃で10分間、10MPaの面圧をかけてプレス成形用上型(平板状)で押圧し、圧縮及び加熱を行ない、フェノール樹脂を反応硬化させ、比較例2の制振材を作成した。
繊維強化複合材の全層の厚み(Tcf)は、繊維強化複合材一層の厚み(マイクロメーターにより測定)に使用枚数を乗じた値である。
芯材の厚み(Tcr)は、制振材の厚みから繊維強化複合材の全体の厚みを引くことで算出した。
芯材の厚み比率(%)は、Tcr/Tcf×100で算出した。
比重は、制振材を5cm角に切り出し、その重量を体積で除した値である。
芯材の厚み中央部の気泡構造は、制振材を裁断し、その断面を株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープにより観察した。芯材の厚み中央部に、熱硬化性樹脂の含浸していない気泡構造となっているか否かについて観察、判断した。また、同時に芯材と繊維強化複合材料との境界面には、熱硬化性樹脂が固化した層の存在を観察、判断した。結果は、芯材の繊維強化複合材料との境界面に熱硬化性樹脂が固化した層があり、かつ芯材の厚み中央部で熱硬化性樹脂が観察できない気泡構造となっている場合に「〇」とし、芯材の厚み中央部まで熱硬化性樹脂の存在が確認できる場合に「×」とした。
また。総合評価は、曲げ弾性率10GPa以上且つ損失係数0.03以上の場合に「◎」、曲げ弾性率3GPa以上且つ損失係数0.03以上の場合に「〇」、損失係数が0.03より小さい場合に「×」とした。
曲げ強度は、JIS K7074−1988 A法にしたがって測定した。
曲げ弾性率は、JIS K 7074−1988 A法にしたがって測定した。曲げ弾性率は剛性の指標となる物性値であり、曲げ弾性率の値が大ほど、剛性が高い。
11 芯材
11a 芯材の厚み中央部
11b 芯材の繊維強化複合材料との境界面
21 繊維強化複合材料
101 積層体
210 含浸前の強化繊維
210A 含浸後の強化繊維
211 プリプレグ
250 熱硬化性樹脂
31 プレス成形用下型
33 プレス成形用上型
41 スペーサー
Claims (5)
- 芯材の両面に、繊維強化複合材料が積層された制振材において、
前記芯材は、熱硬化性樹脂発泡体からなり、前記芯材の前記繊維強化複合材料との境界面では、前記繊維強化複合材料に含浸している樹脂によって、前記芯材と前記繊維強化複合材料が接着固化されており、前記芯材の厚み中央部では、前記樹脂によって含浸されていない気泡構造を有することを特徴とする制振材。 - 前記熱硬化性樹脂発泡体は、表面に無発泡のスキン層を有するポリウレタンフォームであって、前記積層前の密度(JIS K 6401)が150〜500kg/m3、引張強度(JIS K 6251)が0.2〜5.0MPa、伸び(JIS K 6251)が70〜200%であることを特徴とする請求項1に記載の制振材。
- 前記熱硬化性樹脂発泡体は、表面に無発泡のスキン層が存在しないポリウレタンフォームであって、前記積層前の密度(JIS K 6401)が150〜700kg/m3、引張強度(JIS K 6251)が0.5〜3.2MPa、伸び(JIS K 6251)が160〜310%であることを特徴とする請求項1に記載の制振材。
- 前記制振材における前記繊維強化複合材料の厚みに対する前記芯材の厚みの比率が5〜70%であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の制振材。
- 前記芯材を構成する熱硬化性樹脂発泡体の前記積層前の目付量は、50〜500g/m2であることを特徴とする請求項4に記載の制振材。
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