JP7178251B2 - 炭素繊維強化成形体とその製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、フェノール樹脂は、成形過程において硬化反応や冷却等の化学変化および物理変化を伴い、体積変化を生じるために、残留歪を生じ易く、その結果としてクラック(亀裂)が発生し易いという問題がある。
特許文献1には、充填剤として硼珪酸ガラスビーズを添加する方法が示されている。
また、特許文献2には、ガラス繊維を主たる充填剤とするフェノール樹脂成形材に、ポリビニルブチラールとアクリロニトリルブタジエンゴムを配合する方法が示されている。
一方、特許文献3には、ノートパソコンなどの携帯機器の筐体などに好適な、軽量、薄肉、高剛性に優れる繊維強化成形体として、芯材と該芯材の両面に積層された繊維補強材とからなるサンドイッチ構造の繊維強化繊維成形体が示されている。
また、特許文献2では、フェノール樹脂成形材料の静的強度および靱性強度の両立を謳っているが、実施例・比較例の結果を見ると、その効果は充分とは言えない。
特許文献3に示される繊維強化成形体では、製品厚みが2mm以下の薄い場合には特に問題ないが、製品厚み(内部の芯材層の厚み)を厚くした場合には、内部の芯材層にクラックが発生し易いという問題がある。
図1に示す本発明の一実施形態に係る炭素繊維強化成形体10は、芯材11と、前記芯材11の両面に積層一体化された繊維補強材21とからなり、厚みが厚く、歯科において歯のX線撮影の際に頬に接触または近接する部材などに好適に用いられる。
なお、前記芯材11の両面の前記繊維補強材21は、それぞれ一層に限られず、複数層の積層で構成してもよい。
X線透過量の測定は松定プレシジョン株式会社製X線透過装置μRay8000を使用し、測定条件として、管電圧60kV、出力10W、線源位置0mm、カメラ位置0mmにて測定した場合に得られる輝度ヒストグラム(縦軸:ピクセル数、横軸:輝度)の輝度ピーク値をX線透過量とした。すなわち、ピクセル最大値(縦軸)における輝度の値(横軸の値)をさす。透過量の数値が大きいほど、透過性は良好といえる。
前記X線透過量の測定は、X線透過装置によって測定した画像を輝度ヒストグラムに表現し、ピクセル数がピークとなった輝度を透過量とした。前記炭素繊維強化成形体10のX線透過量を前記の範囲とすることで、前記強化成形体を歯科において、歯のX線撮影の際に頬に接触または近接する部材とし使用することができる。
前記曲げ弾性率の測定は、JIS K 7074に基づいて行われる。前記炭素繊維強化成形体10の曲げ弾性率を前記の範囲とすることで、高剛性とすることができる。
前記曲げ強度の測定は、JIS K 7074に基づいて行われる。前記炭素繊維強化成形体10の曲げ強度を前記の範囲とすることで、高剛性とすることができる。
なお、前記炭素繊維強化成形体の剛性は、前記曲げ弾性率と前記曲げ強度の両方によって判断され、両方の値が大きいほど剛性が高く、何れか一方でも値が低い場合には剛性が低いと判断される。
発明の繊維強化成形体10の製造方法は、含浸工程、積層工程、圧縮加熱工程とからなる。
含浸工程では、図2の(2-1)に示すように、炭素繊維織物21Aに熱硬化性樹脂21Bを含浸させ、含浸済み炭素繊維織物21Cを形成する。前記炭素繊維織物21A及び前記熱硬化性樹脂21Bは、前記炭素繊維強化成形体10において説明したとおりである。含浸時に用いる熱硬化性樹脂21Bは、未硬化の液状からなる。
配合No.2は、フェノール樹脂90重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)10重量%、エポキシ樹脂0重量%からなる。
配合No.3は、フェノール樹脂80重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)20重量%、エポキシ樹脂0重量%からなる。
配合No.4は、フェノール樹脂70重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)30重量%、エポキシ樹脂0重量%からなる。
配合No.5は、フェノール樹脂80重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)10重量%、エポキシ樹脂10重量%からなる。
配合No.6は、フェノール樹脂85重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)10重量%、エポキシ樹脂5重量%からなる。
配合No.7は、フェノール樹脂70重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)10重量%、エポキシ樹脂20重量%からなる。
配合No.8は、フェノール樹脂100重量%、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)0重量%、エポキシ樹脂0重量%からなる。
10A,10B,10C 積層体
11 芯材
11A 熱硬化性樹脂発泡体
11B 熱硬化性樹脂
11C 含浸済み熱硬化性樹脂発泡体
21 繊維補強材
21A 炭素繊維織物
21B 熱硬化性樹脂
21C 含浸済み炭素繊維織物
Claims (8)
- 連続気泡を有する芯材と前記芯材の両面に積層された繊維補強材が、熱硬化性樹脂により含浸硬化した繊維強化成形体において、
前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂とポリビニルブチラールを含むことを特徴とする炭素繊維強化成形体。 - 前記熱硬化性樹脂の100重量%中、前記フェノール樹脂の含有量は70~95重量%、前記ポリビニルブチラールの含有量は5~30重量%であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化成形体。
- 前記熱硬化性樹脂は、前記フェノール樹脂と前記ポリビニルブチラールの他にエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化成形体。
- 前記熱硬化性樹脂の100重量%中、前記フェノール樹脂の含有量は70~85重量%、前記ポリビニルブチラールの含有量は10~20重量%、前記エポキシ樹脂の含有量は5~20重量%であることを特徴とする請求項3に記載の炭素繊維強化成形体。
- 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加ジグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項3または4に記載の炭素繊維強化成形体。
- 前記ポリビニルブチラールは、水酸基量が24~27wt%であり、アルコールを溶媒とすることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の炭素繊維強化成形体。
- 前記芯材の厚みが2mm以上であることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の炭素繊維強化成形体。
- 連続気泡を有する熱硬化性樹脂発泡体に熱硬化性樹脂が含浸し、前記熱硬化性樹脂発泡体が圧縮された状態で硬化した芯材と、炭素繊維織物に熱硬化性樹脂が含浸硬化した繊維補強材とよりなって、前記芯材の両面に前記繊維補強材が積層一体化されている炭素繊維強化成形体の製造方法であって、
炭素繊維織物に熱硬化性樹脂を含浸させて含浸済み炭素繊維織物を得る含浸工程と、
連続気泡を有する熱硬化性樹脂発泡体の両面に、前記含浸済み炭素繊維織物を配置して積層体を得る積層工程と、
前記積層体を圧縮及び加熱する圧縮加熱工程とからなり、
前記含浸工程における前記熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂と、アルコールにより希釈されたポリビニルブチラールを含むことを特徴とする炭素繊維強化成形体の製造方法。
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