JP7101606B2 - 複合成形品の製造方法 - Google Patents

複合成形品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7101606B2
JP7101606B2 JP2018230993A JP2018230993A JP7101606B2 JP 7101606 B2 JP7101606 B2 JP 7101606B2 JP 2018230993 A JP2018230993 A JP 2018230993A JP 2018230993 A JP2018230993 A JP 2018230993A JP 7101606 B2 JP7101606 B2 JP 7101606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded product
strain
composite molded
value
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018230993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020093410A (ja
Inventor
直彬 薗田
裕司 奥山
寛晃 岡井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renault SAS
Original Assignee
Renault SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renault SAS filed Critical Renault SAS
Priority to JP2018230993A priority Critical patent/JP7101606B2/ja
Publication of JP2020093410A publication Critical patent/JP2020093410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7101606B2 publication Critical patent/JP7101606B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

本発明は、複合成形品の製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、例えば、車両外板部品として適用可能な複合成形品の製造方法に関する。
従来、繊維強化プラスチック構造体を安価に効率よく製造できる繊維強化プラスチック構造体の製造方法が提案されている。この繊維強化プラスチック構造体の製造方法は、溝を有するコア材と、該コア材の少なくとも片面に配置され、前記溝内に埋設部を有する繊維強化プラスチック板とからなり、かつ、該繊維強化プラスチック板の表面積が10m以上である繊維強化プラスチック構造体を、一発成形によって製造する方法である(特許文献1参照。)。
特開平11-254566号公報
しかしながら、特許文献1に記載の繊維強化プラスチック構造体は、溝を有するコア材を有しているので、繊維強化プラスチック構造体の形状に制約がある、溝が意匠面に転写される、といった問題点を有していた。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、上記従来の課題を克服しつつ、優れた表面性と寸法安定性とを実現し得る複合成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、芯部と表層部の原料との積層体を成形温度での応力-歪み曲線の所定歪値で加熱加圧し、加熱加圧を下型と上型を用いて行い、加熱加圧する前に、上型と下型とで形成されたキャビティ内を真空引きすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、優れた表面性と寸法安定性とを実現し得る複合成形品の製造方法を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る複合成形品の製造方法の一例を示す説明図である。 図2は、実施例1で用いた発泡樹脂を含む芯部の歪みと応力との関係を示す応力-歪み曲線である。 図3は、実施例4で用いた発泡樹脂を含む芯部の歪みと応力との関係を示す応力-歪み曲線である。 図4は、比較例4で用いた発泡樹脂を含む芯部の歪みと応力との関係を示す応力-歪み曲線である。 図5は、本発明の一実施形態に係る複合成形品の一例を示す分解斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複合成形品の製造方法について詳細に説明する。
本形態の複合成形品の製造方法は、発泡樹脂を含有する芯部と、繊維強化樹脂を含有し、芯部を挟む表層部と、を備えた複合成形品の製造方法である。この製造方法は、芯部と表層部の原料とを積層して得られる複合積層成形材料を、複合成形品の成形温度での芯部の歪みと圧縮応力との関係を示す応力-歪み曲線の所定歪値で加熱加圧し、複合成形品を得る工程を有する。
ここで、所定歪値は、芯部の歪みと圧縮応力との関係を示す応力-歪み曲線の歪みの最大値と最小値との差が20%である歪み範囲内において、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最大値及び最小値の比率が±15%の応力比率範囲内となる歪値である。
なお、原則、「歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最大値」の比率は、「[(圧縮応力の最大値)-(中央値における圧縮応力の値)]/(中央値における圧縮応力の値)×100(%)」より算出でき、「歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最小値」の比率は、[(圧縮応力の最小値)-(中央値における圧縮応力の値)]/(中央値における圧縮応力の値)×100(%)」より算出できる。
例外として、「歪みの中央値における圧縮応力の値が圧縮応力の最小値」である場合、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最大値の比率に対応する比率は、「[(歪みの最大値側の圧縮応力の最大値)-(圧縮応力の最小値)]/(圧縮応力の最小値)×100(%)」より算出でき、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最小値の比率に対応する比率は、「[(圧縮応力の最小値)-(歪みの最小値側の圧縮応力の最大値)]/(歪みの最小値側の圧縮応力の最大値)×100(%)」より算出できる。また、「歪みの中央値における圧縮応力の値が圧縮応力の最大値」である場合、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最大値の比率に対応する比率は、「[(圧縮応力の最大値)-(歪みの最小値側の圧縮応力の最小値)]/(歪みの最小値側の圧縮応力の最小値)×100(%)」より算出でき、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最小値の比率に対応する比率は、「[(歪みの最大値側の圧縮応力の最小値)-(圧縮応力の最大値)]/(圧縮応力の最大値)×100(%)」より算出できる。
上述のように、芯部と表層部の原料とを積層して得られる複合積層成形材料を、複合成形品の成形温度での芯部の歪みと圧縮応力との関係を示す応力-歪み曲線の所定歪値で加熱加圧することにより、優れた表面性と寸法安定性とを有する複合成形品を得ることができる。なお、特に限定されるものではないが、表面性と寸法安定正の更なる向上の観点から、この所定歪値を設定する際に、上記各比率が±10%の応力比率範囲内となる歪値とすることがより好ましい。
所定歪値より小さい歪値にしかならない加圧力で加圧すると、繊維強化樹脂に十分な加圧力がかからず、表面の平滑性、芯部と表層部との接着性が十分なものとならない。その結果、優れた表面性を有する複合成形品を得ることができない。さらに、所定歪値より小さい歪値にしかならない加圧力で加圧すると、発泡樹脂の厚みを所望の厚みにすることができない。また、所定歪値より小さい歪値であると、上記各比率が示す応力-歪み曲線における傾きにばらつきが生じ易くなる。その結果、優れた寸法安定性を有する複合成形品を得ることができない。
所定歪値より大きい歪値にしかならない加圧力で加圧すると、所望の厚みにすることができない。また、所定歪値より大きい歪値であると、上記各比率が示す応力-歪み曲線における傾きにばらつきが生じ易くなる。その結果、優れた寸法安定性を有する複合成形品を得ることができない。
また、この複合成形品の製造方法においては、表層部の原料の1つである樹脂として半硬化状態の熱硬化性樹脂を用いた場合、加熱加圧によって、短時間で熱硬化性樹脂を硬化することができるという利点がある。なお、半硬化状態とは、例えば、2~5分硬化状態、より具体的には、B状態をいう。
また、この複合成形品の製造方法においては、表層部の原料の1つである樹脂として半硬化状態の熱硬化性樹脂を用いた場合、半硬化状態の熱硬化性樹脂が芯部の発泡樹脂と接着するため、追加の材料を用いる必要がないという利点がある。追加の材料としては、例えば、接着剤を挙げることができる。
また、この複合成形品の製造方法により得られた複合成形品は、形状に制約がないという利点があり、溝が意匠面に転写されないという利点もある。
さらに、本形態の複合成形品の製造方法においては、加熱加圧を下型と上型を用いて行い、この際、下型と上型との間の距離を制御することが好ましい。
下型と上型との間の距離を制御して厚みを制御することにより、加圧力を制御して厚みを制御する場合よりも寸法安定性をより向上できる。
さらに、本形態の複合成形品の製造方法においては、加熱加圧を下型と上型を用いて行い、加熱加圧する前に、上型を表層部原料の近傍位置ないし隣接位置に配置し、上型の位置への配置を30秒以上保持し、表層部原料を加熱する、すなわち予熱することが好ましい。
表層部原料を30秒以上予熱することにより、表層部原料の粘度が低下してから加熱加圧することが可能となるので、芯部と表層部との接着性を向上できる。さらに、下型や上型などの金型への転写性が良好になり、表面性をより向上できる。なお、特に限定されるものではないが、表層部原料の予熱時間は70秒以下とすることが好ましい。
さらに、本形態の複合成形品の製造方法においては、加熱加圧を下型と上型を用いて行い、加熱加圧する前に、上型と下型とで形成されたキャビティ内を真空引きすることが好ましい。
キャビティ内を真空引きすることにより、複合成形品の表面に気泡を残すこと無く複合成形品を成形することができる。また、上述した予熱によって表層部原料の粘度が低下したタイミングでキャビティ内を真空引きすることにより、複合成形品の表面に気泡をより残すこと無く複合成形品を成形することができる。
さらに、本形態の複合成形品の製造方法においては、歪み範囲内の歪みの中央値が20%以下であることが好ましい。
歪み範囲内の歪みの中央値を20%以下とすることにより、発泡樹脂の使用量を低減することができ、軽量化及びコスト低減を実現できる。
さらに、本形態の複合成形品の製造方法においては、複合成形品の製造工程における加熱加圧する際における芯部の圧縮応力の値が、0.1MPa以上3.0MPa以下であることが好ましい。
複合成形品の製造工程における加熱加圧する際における芯部の圧縮応力の値が0.1MPaよりも小さいと、表層部原料に十分な加圧力をかけることができないことがある。さらに、複合成形品の製造工程における加熱加圧する際における芯部の圧縮応力の値が3.0MPaよりも大きいと、成形設備が大きくなってしまう。
以下、本発明の一実施形態に係る複合成形品の製造方法及び複合成形品について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で引用する図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る複合成形品の製造方法の一例を示す説明図である。
図1に示すように、本形態の複合成形品の製造方法は、例えば、下型51と上型52とシール53と真空ポンプ54とを備えた製造装置によって実現できる。
図1の(A)工程に示すように、下型51上に複合積層成形材料1Aを配置する。この下型51の温度を、例えば、120℃以上150℃以下にすることが好ましく、120℃以上140℃以下にすることがより好ましい。
図1の(B)工程に示すように、シール53の位置まで、上型52を下降させる。これにより、下型51と上型52とからなる金型でキャビティを形成する。この予熱工程の際には、厚みは殆ど変化しないが、表面層原料の粘度が一旦低くなった後、高くなる。例えば、エポキシ樹脂を140℃で予熱した場合、50秒以上60秒以下保持すると粘度が高く、すなわち硬化が始まる。このタイミングに合わせて、後述する押圧をすることにより、優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を得ることができる。なお、エポキシ樹脂を140℃で予熱した場合、40秒以下しか保持しないと、表面性が若干低下することがあった。また、なお、エポキシ樹脂を140℃で予熱した場合、70秒以上保持すると、金型中央部に接する樹脂に白化が観察された。これは、金型中央部の温度が145℃と高くなったためと考えられる。また、エポキシ樹脂を120℃で予熱した場合、60秒以上120秒以下で保持することで、同様に表面性と、寸法安定性を有する複合成形品を得ることができる。
図1の(C)工程に示すように、真空ポンプ54を作動させて、キャビティ内を真空引きする。キャビティ内の圧力を、例えば、5kPa以下にすることが好ましい。具体的には、複合積層成形材料の加圧前に15.3kPa以下となり、加圧中に1.3kPaとなるまで真空引きすると、樹脂枯れによるかすれを小さくすることができ、複合積層成形材料の加圧前に6.3kPa以下となり、加圧中に1.3kPa以下となるまで真空引きすると、樹脂枯れによるかすれを殆ど無くすことができる。
図1の(D)工程に示すように、上型52をさらに下降させ、下型51との距離が所定の距離になるまで、加圧力5MPaで押圧する。なお、例えば、厚み制御をすることなく、加圧力3.5MPaで押圧した場合、目標厚みよりも厚みが小さくなってしまうことがある。また、例えば、厚み制御をすることなく、1.0MPaで押圧した場合、目標厚みよりも厚みが大きくなってしまうことがある。
図1の(E)工程に示すように、複合積層成形材料1Aの表層部原料が反応し、図示しない表層部が成形され、芯部と表層部とが接合されるまで、型締めをする。なお、図示したように、表層部の成形と、芯部と表層部との接合とを1工程で行うことができるので、本形態の複合成形品の製造方法は、工程数を削減することができるという利点がある。
図1の(F)工程に示すように、上型52を上昇させ、下型51から複合成形体1を取り出す。
ここで、複合積層成形材料の構成要素を更に詳細に説明する。
複合積層成形材料1Aは、芯部と表層部の原料とを積層して得られる。例えば、下型51上に表層部の原料を配置し、次いで、芯部を配置し、しかる後、表層部の原料を配置すればよい。
芯部としては、発泡樹脂を含んでいれば、特に限定されるものではない。発泡樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどの非晶性樹脂を発泡させた発泡樹脂体を挙げることができる。特に限定されるものではないが、ガラス転移温度が100℃よりも高いことが好ましい。また、特に限定されるものではないが、より具体的には、発泡樹脂体としては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂発泡体、硬質アクリル発泡体を挙げることができる。
ここで、図2は、実施例1で用いた発泡樹脂(変性ポリフェニレンエーテル樹脂発泡体)を含む芯部の歪みと応力との関係を示す応力-歪み曲線である。なお、図2中の曲線は加熱温度120℃における応力-歪み曲線である。
図2を参照すると、120℃の加熱温度では、歪みを、曲線の平坦部である5~25%にすることが好ましく、15~20%にすることが好ましい。このような範囲においては、優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を得ることができる。
また、図3は、実施例4で用いた発泡樹脂(硬質アクリル発泡体)を含む芯部の歪みと応力との関係を示す応力-歪み曲線である。なお、図3中の曲線は加熱温度140℃における応力-歪み曲線である。
図3を参照すると、140℃の加熱温度では、歪みを、曲線の平坦部である10~30%にすることが好ましい。このような範囲においては、優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を得ることができる。
さらに、図4は、比較例4で用いた発泡樹脂(ポリエチレンテレフタレート)を含む芯部の歪みと応力との関係を示す応力-歪み曲線である。なお、図4中の曲線は加熱温度140℃における応力-歪み曲線である。
図4を参照すると、140℃の加熱温度では、曲線において所望の平坦部が観察されないため、現時点においては、芯部としては適切でない。
表層部の原料(プリプレグ)としては、熱硬化性樹脂と繊維強化材とを含む層状の繊維強化熱硬化性樹脂を好適例として挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、半硬化状態(例えば、2~5分硬化)、より具体的には、B状態の熱硬化性樹脂を好適例として挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を好適例として挙げることができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの繊維強化樹脂の分野において用いられる従来公知の熱硬化性樹脂を適用できる。
繊維強化材の形態としては、例えば、一方向繊維基材、クロス基材を挙げることができる。繊維強化材の材質としては、例えば、炭素繊維やガラス繊維を挙げることができる。その中でも、炭素繊維を好適例として挙げることができる。
次に、複合成形体の構成要素を更に詳細に説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る複合成形品の一例を示す分解斜視図である。
図5に示すように、本形態の複合成形品1は、芯部10と、芯部10の一方の面に積層された第1表層部20と、他方の面に積層された第2表層部30と、を備える。また、本形態の複合成形品1は、図5に示すように、サンドイッチ構造を有する。
第1表層部20及び第2表層部30は、それぞれ一方向繊維強化樹脂層21,31を複数有する。
第1表層部20における一方向繊維強化樹脂層21の積層数が、第2表層部30における一方向繊維強化樹脂層31の積層数と異なることが好ましい。なお、第1表層部の一方向繊維強化樹脂層の積層数と第2表層部における一方向繊維強化樹脂層の積層数とが同じであってもよい。
なお、図示しないが、芯部は、発泡樹脂を含む。
また、図示しないが、一方向繊維強化樹脂層は、熱硬化性樹脂と繊維強化材とを含み、繊維強化材の軸方向が一方向に引き揃えられている。
さらに、図示しないが、第1表層部及び第2表層部は、それぞれ繊維強化材の軸方向に関して疑似等方性を有していることが好ましい。なお、疑似等方性は、例えば、表層部中の一方向繊維強化樹脂層の積層構成を直交積層、等角積層又はこれらを任意に組み合わせた積層構成とすることにより付与することができる。また、第1表層部、第2表層部において、直交積層同士、等角積層同士、直交積層と等角積層とを組み合わせる場合には、表層部内に対称面を有することが好ましい。さらに、表層部には、一方向繊維基材だけでなく、一方向繊維基材に代えて又は加えてクロス基材を適用することもできる。
なお、図示例では、第1表層部における一方向繊維強化樹脂層の積層数が4であり、第2表層部における一方向繊維強化樹脂層の積層数が2である。
また、図示例では、第1表層部の表面(図5中上側)の第1層目の一方向繊維強化樹脂層における繊維強化材の軸方向を0°としたとき、第2層目の一方向繊維強化樹脂層における繊維強化材の軸方向は45°であり、第3層目の一方向繊維強化樹脂層における繊維強化材の軸方向は-45°であり、第4層目の一方向繊維強化樹脂層における繊維強化材の軸方向は90°である。さらに、図示例では、第1表層部の表面側に位置する第2表層部の第1層目の一方向繊維強化樹脂層における繊維強化材の軸方向は90°であり、第2層目の一方向繊維強化樹脂層における繊維強化材の軸方向は0°である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
芯部に含まれる発泡樹脂として、変性ポリフェニレンエーテル樹脂発泡体(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:サンフォース(登録商標)、厚み:6mm、発泡倍率:7倍)を用意した。表層部に含まれる繊維強化熱硬化性樹脂層を形成する材料として、一方向炭素繊維にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させて半硬化状態にしたプリプレグ(三菱レイヨン株式会社製、TR350G150S、繊維量(Wfiber):150g/m、樹脂量(Wrisin):70g/m、厚み:0.15mm)を用意した。
用意した発泡樹脂と8枚のプリプレグとを用い、0°/60°/-60°/-60°/60°/0°/芯部/90°/0°で示される積層構成とした複合積層成形材料(厚み:7.2mm)を120℃に加熱された下型に配置した。次いで、下型と上型との間の距離が10mmであるシールの位置まで下型を下降させて60秒保持した。次いで、真空ポンプを作動させて、キャビティ内を真空引きして、キャビティ内の圧力を5kPa以下にした。次いで、上型をさらに下降させ、下型との距離が目標厚み値になるまで、成形圧力5MPaで押圧した。さらに、表層部にエポキシ樹脂が硬化するまで型締めをした。なお、この際の芯部の歪みは15%である。しかる後、上型を上昇させ、本例の複合成形品を得た。することにより、半硬化状態のエポキシ樹脂を硬化させて、本例の複合成形品を得た。本例の複合成形品の仕様の一部を表1に示す。
(実施例2~実施例3、比較例1及び比較例2)
型締めの際の芯部の歪みを変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、各例の複合成形品を得た。各例の複合成形品の仕様の一部を表1に示す。
(実施例4~実施例6、比較例3)
芯部に含まれる発泡樹脂として、硬質アクリル発泡体(積水化成品工業株式会社製、商品名:フォーマック(登録商標)HR10、厚み:6mm)を用意した。用意した発泡樹脂と実施例1で用いたプリプレグとを用い、下型の加熱温度を140℃とし、表1に示した成形条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、各例の複合成形品を得た。各例の複合成形品の仕様の一部を表1に示す。
(実施例7、実施例8、参考例9
実施例1で用いた発泡樹脂及びプリプレグを用い、表1に示した成形条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、各例の複合成形品を得た。各例の複合成形品の仕様の一部を表1に示す。
(比較例4)
芯部に含まれる発泡樹脂として、ポリエチレンテレフタレート発泡体(積水化成品工業株式会社製、商品名:セルペット(登録商標)、厚み:8.5mm)を用意した。用意した発泡樹脂と実施例1で用いたプリプレグとを用い、表1に示した成形条件に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の複合成形品を得た。本例の複合成形品の仕様の一部を表1に示す。
Figure 0007101606000001
なお、表1中の「比率」とは、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最大値及び最小値の比率を意味する。
上記各例の複合成形品を、以下の要領で評価した。
[実厚み]
実厚みは、成形した複合成形品について、定規を用いて計測した。
[ボイド]
ボイドは、成形した複合成形品について、目視で表面の空孔の数を計測して評価を行った。下記の判断基準に基づいて性能を評価した。
表1中の「○」は、500mm×500mmの範囲で、空孔数が0個であることを示す。
表1中の「△」は、500mm×500mmの範囲で、空孔数が10個以下であることを示す。
表1中の「×」は、500mm×500mmの範囲で、空孔数が10個より多いことを示す。
[面歪]
面歪は、成形した複合成形品について、蛍光灯を映しこみ目視で歪みの有無の評価を行った。下記の判断基準に基づいて性能を評価した。
表1中の「○」は、蛍光灯による映り込みで、周縁部の揺らぎが少ないことを示す。
表1中の「△」は、蛍光灯による映り込みで、周縁部の揺らぎが少ないが、その波長が長く粗く見えることを示す。
表1中の「×」は、蛍光灯による映り込みで、周縁部の揺らぎが大きく、蛍光灯が直線的に見えないことを示す。
[カサツキ]
カサツキは、成形した複合成形品について、表面の樹脂の欠損を目視で評価を行った。下記の判断基準に基づいて性能を評価した。
表1中の「○」は、500mm×500mmの範囲で、樹脂の欠損がないことを示す。
表1中の「△」は、500mm×500mmの範囲で、樹脂の欠損が3カ所以内であることを示す。
表1中の「×」は、500mm×500mmの範囲で、樹脂の欠損が3カ所より多いことを示す。
[重量]
上記各例の複合成形品の重量を、以下の要領で測定した。500mm×500mmの寸法で成形した各例の試験片の重量を測定した。
表1より、本発明の範囲に属する実施例1~3は、本発明外の比較例1~2に対して、優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を製造できることが分かる。さらに、本発明の範囲に属する実施例4~6は、本発明外の比較例3に対して、優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を製造できることが分かる。これは、所定歪値が、成形温度での応力-歪み曲線の芯部の応力-歪み曲線の歪みの最大値と最小値との差が20%である歪み範囲内において、歪みの中央値における圧縮応力の値に対する圧縮応力の最大値及び最小値の比率が±15%の応力比率範囲内となる歪値であるからと考えられる。
本発明の範囲に属する実施例7と実施例8とを比較すると、実施例8では、予熱の保持時間が30秒以上であるため、より優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を製造できていると考えられる。
参考例9と本発明の範囲に属する実施例1とを比較すると、実施例1では、真空引きをしているため、より優れた表面性と寸法安定性を有する複合成形品を製造できていると考えられる。
なお、現時点では、優れた表面性と寸法安定性を実現し得るという観点から、実施例1~3が好ましいと思われ、その中でも、実施例1が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 複合成形品
1A 複合積層成形材料
10 芯部
20 第1表層部
21 一方向繊維強化樹脂層
30 第2表層部
31 一方向繊維強化樹脂層
51 下型
52 上型
53 シール
54 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 発泡樹脂を含有する芯部と、
    繊維強化樹脂を含有し、前記芯部を挟む表層部と、を備えた複合成形品の製造方法であって、
    前記芯部と前記表層部の原料とを積層し、前記複合成形品の成形温度での前記芯部の歪みと圧縮応力との関係を示す応力-歪み曲線の所定歪値で加熱加圧し、前記複合成形品を得る工程を有し、
    前記所定歪値が、前記応力-歪み曲線の前記歪みの最大値と最小値との差が20%である歪み範囲内において、前記歪みの中央値における前記圧縮応力の値に対する前記圧縮応力の最大値及び最小値の比率が±15%の応力比率範囲内となる歪値であり、
    前記加熱加圧を下型と上型を用いて行い、
    前記加熱加圧する前に、前記上型と前記下型とで形成されたキャビティ内を真空引きする
    ことを特徴とする複合成形品の製造方法。
  2. 前記加熱加圧の際、前記下型と前記上型との間の距離を制御することを特徴とする請求項1に記載の複合成形品の製造方法。
  3. 記加熱加圧する前に、前記上型を前記表層部原料の近傍位置ないし隣接位置に配置し、前記上型の前記位置への配置を30秒以上保持し、前記表層部原料を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形品の製造方法。
  4. 前記歪みの中央値が、20%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つの項に記載の複合成形品の製造方法。
  5. 前記芯部の前記圧縮応力の値が、0.1MPa以上3.0MPa以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つの項に記載の複合成形品の製造方法。
JP2018230993A 2018-12-10 2018-12-10 複合成形品の製造方法 Active JP7101606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018230993A JP7101606B2 (ja) 2018-12-10 2018-12-10 複合成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018230993A JP7101606B2 (ja) 2018-12-10 2018-12-10 複合成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020093410A JP2020093410A (ja) 2020-06-18
JP7101606B2 true JP7101606B2 (ja) 2022-07-15

Family

ID=71085401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018230993A Active JP7101606B2 (ja) 2018-12-10 2018-12-10 複合成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7101606B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053842A (ja) 2001-06-05 2003-02-26 Sekisui Chem Co Ltd 積層複合体の製造方法
JP2011207162A (ja) 2010-03-30 2011-10-20 Daio Paper Corp 成形用シート及びこれを用いたシート状成形体
WO2012029810A1 (ja) 2010-08-30 2012-03-08 株式会社イノアックコーポレーション 繊維強化成形体及びその製造方法
JP2015193119A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 東レ株式会社 繊維強化プラスチック積層体及びその製造方法
JP2015193723A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 積水化成品工業株式会社 型内発泡成形用発泡粒子、型内発泡成形体及び繊維強化複合体
WO2018186360A1 (ja) 2017-04-07 2018-10-11 旭化成株式会社 繊維強化複合体用芯材、及びそれを用いた繊維強化複合体

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11254566A (ja) * 1998-01-06 1999-09-21 Toray Ind Inc Frp構造体およびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053842A (ja) 2001-06-05 2003-02-26 Sekisui Chem Co Ltd 積層複合体の製造方法
JP2011207162A (ja) 2010-03-30 2011-10-20 Daio Paper Corp 成形用シート及びこれを用いたシート状成形体
WO2012029810A1 (ja) 2010-08-30 2012-03-08 株式会社イノアックコーポレーション 繊維強化成形体及びその製造方法
JP2015193119A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 東レ株式会社 繊維強化プラスチック積層体及びその製造方法
JP2015193723A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 積水化成品工業株式会社 型内発泡成形用発泡粒子、型内発泡成形体及び繊維強化複合体
WO2018186360A1 (ja) 2017-04-07 2018-10-11 旭化成株式会社 繊維強化複合体用芯材、及びそれを用いた繊維強化複合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020093410A (ja) 2020-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6739861B2 (en) High pressure co-cure of lightweight core composite article utilizing a core having a plurality of protruding pins
JP2000167950A (ja) ハニカムサンドイッチ構造複合材パネルの成形方法
JP2007118598A (ja) プリフォームの製造方法および製造装置
JP7404486B2 (ja) 炭素繊維強化成形体
WO2020003609A1 (ja) 複合材構造体の成形方法
WO2022260186A1 (ja) プレス用積層体及びプレス済積層体
JPWO2013084552A1 (ja) プリフォームの製造方法および繊維強化プラスチック成形体の製造方法
JP2006192745A (ja) 強化繊維基材、プリフォーム、繊維強化樹脂成形体およびその製造方法
JP2002292591A (ja) ロボットハンド部材の製造方法
CN111886119A (zh) 纤维增强树脂的制造方法
US20060246796A1 (en) Composite curing
KR102174301B1 (ko) 샌드위치 패널 제조방법 및 이에 의해 제조되는 샌드위치 패널
JP7101606B2 (ja) 複合成形品の製造方法
JP6717105B2 (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造方法
EP2662203A2 (en) Contour caul with expansion region and method for its manufacture
JP2012066397A (ja) 繊維強化プラスチックの製造方法
KR102584110B1 (ko) Cfrp 폼코어 샌드위치 구조체 및 그의 제조방법
JP2009083441A (ja) 繊維強化樹脂製構造体の製造方法
JP4459401B2 (ja) 複合材ビームの成形方法
JP2004330474A (ja) 複合材製品の製造方法
KR20220001413A (ko) 탄소섬유 강화 플라스틱 성형 방법
JP5092444B2 (ja) 繊維強化複合材料の製造方法
JP2004338270A (ja) 繊維強化樹脂複合材料の製造方法および繊維強化樹脂複合材料
GB2574498A (en) Method for manufacturing a part made of composite material
JP7139296B2 (ja) 繊維強化樹脂複合成形体とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220610

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7101606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150