JP2021167383A - 繊維製品処理用香料組成物 - Google Patents

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Kumiko Kikuchi
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Harumi Kiyofuji
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Abstract

【課題】繊維製品を洗浄する工程において、洗剤、柔軟剤とは別の組成物によって、洗浄処理後の衣類に、皮脂臭や汗臭、生乾き臭といった衣類から発生する臭気に対する消臭・防臭効果、そして調理臭等、外部環境からの臭いの両方に対する消臭・防臭効果を合わせて付与することができる技術の提供。【解決手段】下記成分(A)を6.5質量%以上含む、繊維製品処理用香料組成物。成分(A):下記香料化合物(a-1)及び(a-2)を、[(a-1)/(a-2)]=6.5以上25以下の質量比で含む混合物(a-1):2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-1-シクロペンタ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オール(a-2):[1-メチル-2-[(1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メチル]シクロプロピル]メタノール【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄工程で、繊維製品に消臭・防臭効果を付与する香料組成物に関する。
従来、消臭・防臭効果に優れた香料を配合した衣料用洗剤や柔軟剤を用いて、衣類等の繊維製品を処理し、繊維製品に消臭・防臭効果を付与する技術が知られている。
例えば特許文献1には、消臭・防臭効果と香りの持続性とを兼ね備えた柔軟剤や洗剤を提供できる香料組成物が開示されている。特許文献2には、処理した繊維製品を屋外で干した場合でも十分に強くかつ屋内で干した場合との差が少ない残香強度が得られる繊維製品処理剤用香料組成物が開示されている。また、特許文献3には、衣料用繊維製品に加齢臭の消臭ないし防臭効果を付与する香料組成物が開示されている。さらに、特許文献4には、煙草臭、焼肉臭等の不快な臭気に対しての防臭・消臭効果を有し、更に柔軟剤としての残香性を有する柔軟剤用香料組成物が開示されている。
特開2019-6919号公報 特開2015-203100号公報 特開2001-97838号公報 特開2006-124884号公報
特許文献1〜3の技術は、皮脂臭や汗臭、生乾き臭といった、衣類から発生する臭気に対する消臭・防臭効果を、香料を有する洗剤や柔軟剤で衣類を処理することによって付与する技術である。一方、特許文献4の技術は、タバコの臭いや、焼き肉臭等、外部環境からの臭いに対する消臭・防臭効果を柔軟剤処理によって衣類に付与する技術である。
このため、衣類から発生する臭気、外部環境から衣類に付着する臭気の両方に対して消臭・防臭効果のある技術の開発が望まれている。しかしながら、特許文献4の技術において用いられる香料組成物は、柔軟剤用の香料組成であって、洗濯処理の濯ぎ工程で香料が流失しやすい洗剤用の香料組成ではないため、洗剤への適用は困難である。また、柔軟剤を使用しない消費者に対応することはできない。
したがって本発明は、繊維製品を洗浄する工程において、洗剤、柔軟剤とは別の組成物によって、洗浄処理後の衣類に、皮脂臭や汗臭、生乾き臭といった衣類から発生する臭気に対する消臭・防臭効果、そして調理臭等、外部環境からの臭いの両方に対する消臭・防臭効果を合わせて付与することができる、繊維製品処理用香料組成物、繊維製品処理剤及び繊維製品処理方法に関する。
かかる状況において、本発明者らは、洗剤を用いて繊維製品を洗浄する工程において、特定の香料化合物を特定の比率で含有する香料組成物を洗濯水又は濯ぎ水に添加することによって、洗浄処理後の繊維製品に、皮脂臭や汗臭、生乾き臭に対する消臭・防臭効果に加えて、調理臭等の外部環境に由来する臭気に対する消臭・防臭効果を同時に付与することができ、しかも、他の香料素材の香気特性を妨害せずに、香り創作の自由度を拡張できることを見出した。
すなわち本発明は、下記成分(A)を6.5質量%以上含有する、繊維製品処理用香料組成物に関する。
成分(A):下記香料化合物(a-1)及び(a-2)を、[(a-1)/(a-2)]=6.5以上25以下の質量比で含む混合物
(a-1):2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-1-シクロペンタ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オール
(a-2):[1-メチル-2-[(1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メチル]シクロプロピル]メタノール
また、本発明は、上記の香料組成物を0.05質量%以上2質量%以下含有する繊維製品処理剤を提供するものである。
更に本発明は、上記の繊維製品処理剤を、繊維製品の洗浄処理において、洗剤とは別に洗濯水又は濯ぎ水中に添加する、繊維製品処理方法を提供するものである。
本発明の繊維製品処理用香料組成物、繊維製品処理剤及び繊維製品処理方法は、洗浄後の繊維製品に香料成分を残存させ、衣類等の繊維製品に衣類から発生する臭気、外部環境から衣類に付着する臭気の両方に対して優れた消臭・防臭効果を付与することができる。
本発明の繊維製品処理剤は、柔軟仕上剤とは異なり、洗剤との併用でも優れた消臭・防臭効果を付与することができ、柔軟仕上剤を使用しない消費者に対して、新しい消臭・防臭処理方法を提案することができる。特に、本発明の繊維製品処理剤は、洗剤成分が共存している洗濯水中に添加した場合でも、繊維製品に消臭・防臭効果を効果的に付与することができる点で、洗剤と併用できず、濯ぎ水に添加しなくてはならない柔軟仕上剤や濯ぎの最終段階で洗濯槽に投入される従来の衣料用着香剤とは異なる技術的特徴を有するものである。
本発明において「消臭・防臭効果」という用語は、香料等による嗅覚への作用によって、悪臭に由来する臭気を感じにくくする、又は緩和する効果を意味する。
また、本発明において「悪臭」という用語は、皮脂臭、汗臭、そして生乾き臭のように、人体に直接接触した結果として繊維製品から発せられる臭気と、食品臭や調理臭のように、外部環境から発生して衣類等の繊維製品に付着する臭気の双方を意味する。特に、後者の外部環境から発生して衣類等の繊維製品に付着する臭気としては、日常生活において繊維製品に付着する機会が比較的多く、かつ繊維製品に比較的長時間残留しやすい臭気である、加熱調理油から発せられる臭気が代表的である。また、加熱調理油から発せられる臭気の特徴的成分である2,4-デカジエナールに由来する臭気が含まれる。この2,4-デカジエナールに由来する臭気は、様々な食材や調味料に由来する臭気の中でも、比較的低濃度で感知されやすく、また、一旦繊維製品に付着すると長時間残留しやすい特徴を有しており、いわゆる調理臭の代表的成分である。前記加熱調理油から発せられる臭気及び前記2,4-デカジエナールを有する臭気として、例えば、焼肉臭が挙げられる。
<香料組成物>
〔成分(A):香料混合物〕
成分(A)の香料混合物は、下記香料化合物(a-1)及び(a-2)を[(a-1)/(a-2)]=6.5以上25以下の質量比で含有する。
(a-1):2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-1-シクロペンタ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オール(CAS登録番号:28219-61-6、ClogP=5.14;高砂香料工業社登録商標「レボサンドール」、IFF社登録商標「バクダノール」)
(a-2):[1-メチル-2-[(1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メチル]シクロプロピル]メタノール(CAS登録番号:198404-98-7、ClogP=5.35;ジボダン社登録商標「ジャバノール」)
成分(A)は、濯ぎ水によって流失しにくく、洗剤で洗浄し乾燥した後の繊維製品にも長期間残留し、繊維製品に消臭・防臭効果を付与するうえで特に効果的な香料化合物である。これは、香料化合物(a-1)及び(a-2)が、化合物の親水性の指標でもあるClogP値が4以上であり、かつ、25℃における飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]が0.1Pa未満の化合物であることから、繊維との親和性が高いためである。
ここで、logPとは、ある有機化合物の、水と1-オクタノールに対する親和性を示す係数である。今日では、化合物分子を構成する原子の数及び化学結合のタイプによって決められる原子団のフラグメント値を用いた計算プログラムによって算出される、“計算logP(ClogP)”の値が広く用いられており、本発明においても、化合物の選択に際して、ClogPの値を用いる。本発明においては、ClogPの値として、米国環境保護庁とSyracuse社が共同開発したソフトウェアEPI Suite(登録商標;The Estimations Programs Interface for Windows version 4.11)によって算出された値を用いる。
また、本発明においては、25℃における化合物の飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]の値として、米国環境保護庁とSyracuse社が共同開発したソフトウェアEPI Suite(登録商標;The Estimations Programs Interface for Windows version 4.11)を用いて算出された値(Antoine & Grain methodsによる値)を用いる。
本発明の香料組成物は、洗浄後の繊維製品に対して、皮脂臭や汗臭、生乾き臭といった衣類、枕カバー等の繊維製品そのものから発生する臭気に対する消臭・防臭効果と、調理臭のように、外部環境から発生して衣類等の繊維製品に付着する臭気に対する消臭・防臭効果とを、合わせて付与する。香料化合物(a-1)、(a-2)のいずれか一方だけでは、皮脂臭や汗臭、生乾き臭といった衣類そのものから発生する臭気に対する消臭・防臭効果は認められるものの、弱いながら臭気が感じられ、その効果は不十分であり、特に香料化合物(a-1)だけでは、調理臭等の外部環境由来の臭気に対して、優れた消臭・防臭効果が得られない。一方、香料化合物(a-2)だけでは、香料化合物(a-1)だけの場合よりも、調理臭等の外部環境由来の臭気に対する消臭効果はやや向上するものの、皮脂臭や汗臭、生乾き臭といった衣類そのものから発生する臭気に対する消臭・防臭効果は、前述したように、不十分である。
成分(A)において、成分(a-1)と成分(a-2)は、質量比[(a-1)/(a-2)]が6.5以上25以下となるように調整される。質量比[(a-1)/(a-2)]は、優れた消臭・防臭効果を得る観点から、6.5以上であって、好ましくは7.5以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは13以上であり、また、香料化合物(a-1)及び(a-2)に由来する香りのいずれか片方だけが目立って認知されることなく、香り創作の自由度が、香料化合物(a-1)及び(a-2)に由来するウッディ調の香調によって制約されないという観点から、25以下であって、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。
本発明の香料組成物は、成分(A)のみでも、処理した繊維製品に消臭・防臭効果を付与することができるが、成分(A)に由来するウッディ調の香調以外の香りを創作する際には、他の香料成分も本発明の香料組成物に含まれる。
その場合、本発明の香料組成物中における成分(A)の含有量は、他の香料成分に由来する香調を妨げることなく、十分な消臭効果を得るという観点から、6.5質量%以上であって、好ましくは8質量%以上、より好ましくは14質量%以上であり、また、洗濯水中での良好な分散性を確保する観点から、好ましくは100質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
〔成分(B):ClogP値が4以上、飽和蒸気圧Vpが0.15Pa未満である香料化合物(ただし、香料化合物(a-1)及び(a-2)を除く)〕
本発明の香料組成物には、処理された繊維製品を着用した際における前記成分(A)による消臭・防臭効果を補う観点から、更に成分(B)として、化合物の親水性の指標でもあるClogP値が4以上であり、かつ、25℃における飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]が0.15Pa未満である、香料化合物(a-1)及び(a-2)以外の香料化合物を含有させることができる。成分(B)は、繊維との親和性が高いため濯ぎ水によって比較的流失しにくく、乾燥後の繊維製品にも比較的長期間残留し、繊維製品に消臭・防臭効果を付与するうえで効果的な成分である。
成分(B)は、好ましくは下記(b-1)〜(b-5)から選ばれる1種又は2種以上を含む。
(b-1):(E)-2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-1-シクロペンタ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オール(CAS登録番号:28219-60-5;花王社登録商標「サンダルマイソルコア」、高砂香料工業社登録商標「ヒンジノール」、IFF社登録商標「サンタリフ」)
(b-2):1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン(CAS登録番号:105-95-3;慣用名「エチレンブラシレート」)
(b-3):2-(フェニルメチリデン)オクタナール(CAS登録番号:101-86-0;慣用名「α-ヘキシルシンナミックアルデヒド」)
(b-4):1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オンと1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オンの混合物(CAS登録番号:54464-57-2/68155-66-8;IFF社製品名「イソEスーパー」、「イソシクレモンE」)
(b-5):3-メチルシクロペンタデカ-4-エン-1-オンと3-メチルシクロペンタデカ-5-エン-1-オンの混合物(CAS登録番号:82356-51-2/63314-79-4/36399-15-2;フィルメニッヒ社登録商標「ムセノン」)
成分(B)は、いずれか1種を用いても2種以上を併用してもよい。本発明の香料組成物中における成分(B)の含有量は、成分(A)による消臭・防臭効果を補う観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、香料成分全体としての水中での分散性を確保する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
表1に、成分(B)の香料化合物のClogPと飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]の値を示す。
Figure 2021167383
〔成分(B'):ClogPが4以上、飽和蒸気圧Vpが0.15Pa以上5Pa未満である香料化合物〕
本発明の香料組成物には、香調のバリエーションを拡げる観点から、更に下記成分(B')を含有させることができる。
成分(B'):ClogPが4以上であり、かつ、25℃における飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]が0.15Pa以上5Pa未満である香料化合物
成分(B')は、繊維との親和性は比較的高い成分であるが、成分(B)よりも揮発性に富んでいるため、成分(B)よりも水中からの香り立ちへの寄与が高く、また、他の香料成分と組み合わせて、香料組成物全体の水中での分散安定性にも関与する成分である。
なお、成分(B')の25℃における飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]は、良好な香り立ちを得る観点から、0.15Pa以上5Pa未満であって、0.5Pa以上5Pa未満が好ましく、0.8Pa以上5Pa未満がより好ましく、1Pa以上3.7Pa未満が更に好ましい。
成分(B')の好ましい香料化合物として、下記(b'-1)〜(b'-9)が挙げられる。
(b'-1):1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセニル)ペンタ-4-エン-1-オン(CAS登録番号:56973-85-4;フィルメニッヒ社登録商標「ダイナスコン」)
(b'-2):1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-2-エニル)ブタ-3-エン-1-オン(CAS登録番号:43052-87-5;慣用名「α-ダマスコン」)
(b'-3):1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)-2-ブテン-1-オン(CAS登録番号:35044-68-9;慣用名「β-ダマスコン」)
(b'-4):1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン(CAS登録番号:57378-68-4;慣用名「δ-ダマスコン」)
(b'-5):(E)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-2-エニル)ブタ-3-エン-2-オン(CAS登録番号:127-41-3;慣用名「α-イオノン」)
(b'-6):(E)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(CAS登録番号:79-77-6;慣用名「β-イオノン」)
(b'-7):(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-2-エニル)ブタ-3-エン-2-オン(CAS登録番号:127-51-5;慣用名「α-イソメチルイオノン」)
(b'-8):ドデカナール(CAS登録番号:112-54-9)
(b'-9):プロパ-2-エニル 3-シクロヘキシルプロパノエート(CAS登録番号:2705-87-5; 慣用名「アリル シクロヘキサンプロピオネート」)
表2に、成分(B')の香料化合物のClogPと飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]の値を示す。
Figure 2021167383
成分(B')はいずれか1種を用いても2種以上を併用してもよい。本発明の香料組成物中における成分(B')の含有量は、香調のバリエーションを拡大させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、成分(A)、(B)の繊維への吸着を競争的に阻害しないという観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
〔成分(C):ClogPが1.5以上4未満である香料化合物〕
本発明の香料組成物には、香調のバリエーションを拡げる観点から、更に成分(C)として、ClogPが1.5以上4未満である香料化合物を含有させることができる。成分(C)は、ClogPが4以上である前記成分(A)、(B)及び(B')よりも親水性であって、濯ぎ工程で成分(A)、(B)及び(B')よりも比較的流失しやすい香料成分である。
成分(C)の香料化合物は、下記(c-1)〜(c-3)に分類される。
(c-1):ClogPが1.5以上2未満である香料化合物
(c-2):ClogPが2以上3未満である香料化合物
(c-3):ClogPが3以上4未満である香料化合物
(c-1)〜(c-3)の好ましい香料化合物として、表3〜5に示す化合物が挙げられる。表中に、それぞれの化合物のClogP及び飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]の値を示す。
Figure 2021167383
Figure 2021167383
Figure 2021167383
成分(C)としては、(c-1)〜(c-3)の各群のいずれか1群から1種以上選んでもよく、いずれか2群からそれぞれ1種以上選んでもよく、3群からそれぞれ1種以上選んでもよい。本発明の香料組成物中における成分(C)の含有量は、香調のバリエーションを拡大させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、成分(A)、(B)による消臭・防臭効果に影響を及ぼさないという観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
成分(C)の(c-1)〜(c-3)の各群から少なくとも1種以上を使用する場合、(c-1)〜(c-3)の質量比(c-3)/[(c-1)+(c-2)]は、できるだけ少量で効果的に香りを知覚させるという観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上であり、また、好ましくは4以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.3以下である。
〔成分(D):ClogPが1.5未満である香料化合物、又はClogPが4以上、かつ飽和蒸気圧Vpが5Pa以上である香料化合物〕
本発明の香料組成物には、更に香調のバリエーションを拡げる観点から、更に成分(D)として、下記(d-1)及び(d-2)から選ばれる1種以上を含有させることができる。
(d-1):ClogPが1.5未満である香料化合物
(d-2):ClogPが4以上であり、かつ、25℃における飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]が5Pa以上である香料化合物
成分(A)〜(C)と比較して、(d-1)はより水溶性の香料化合物であり、一方(d-2)はより揮発性の香料化合物であるため、洗剤で処理した後の繊維製品には残留しにくく、後述する繊維製品処理剤、洗浄水、そして脱水直後の繊維製品からの香り立ちに寄与する成分である。
成分(D)の香料化合物として、表6及び7に示す化合物が挙げられる。表中に、それぞれの化合物のClogP及び飽和蒸気圧Vp[Pa;25℃]の値を示す。
Figure 2021167383
Figure 2021167383
成分(D)は、(d-1)、(d-2)の各群のいずれか1群から1種以上選んでもよく、2群からそれぞれ1種以上選んでもよい。本発明の香料組成物中における成分(D)の含有量は、香調のバリエーションを拡大させる観点からは、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、成分(A)、(B)による消臭・防臭効果に影響を及ぼさないという観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下であり、成分(D)を含有しないことも好ましい。
上記成分(D)の含有量の条件を満たす限りにおいて、本発明の香料組成物中における(d-1)の含有量は、香調のバリエーションを拡大させる観点からは、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、香料組成物が全体として適度な水中分散性を維持するという観点、及び成分(A)、(B)による消臭・防臭効果に影響を及ぼさないという観点から、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下であり、(d-1)を含有しないことも好ましい。
また、上記成分(D)の含有量の条件を満たす限りにおいて、本発明の香料組成物中における(d-2)の含有量は、香調のバリエーションを拡大させる観点からは、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、また、香料全体の水中への分散性を妨げないという観点、及び成分(A)、(B)による消臭・防臭効果に影響を及ぼさないという観点から、好ましくは32質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下であり、(d-2)を含有しないことも好ましい。
成分(C)及び成分(D)としては、前記化合物以外にも、例えば、Steffen Arctander編著“Perfume and Flavor Chemicals” Montclair, N.J.(U.S.A.) (1969年)、合成香料編集委員会編集「合成香料−化学と商品知識」(化学工業日報社、2016年12月20日、増補新版)、中島基貴編著「香料と調香の基礎知識」産業図書(1995年初版)等に記載されている、前記の条件を満たす公知の香料化合物を含有することができる。
本発明の香料組成物は、成分(A)のみでも、繊維製品に消臭・防臭効果を付与することができるが、より効果的に消臭・防臭効果を付与する観点から、前記成分(B)を含んでもよく、その場合、成分(A)と成分(B)の質量比(B)/(A)は、消臭・防臭効果の向上に加えて、香調のバリエーションを拡大させる観点、及び水中への香料組成物の分散性を高める観点から、好ましくは0.013以上、より好ましくは0.22以上、更に好ましくは0.75以上、更に好ましくは1.2以上、更に好ましくは2以上であり、また、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは5.7以下、更に好ましくは3.9以下である。
また、本発明の香料組成物は、成分(A)、(B)に加えて、香調のバリエーションを拡大させる観点から、成分(B')、(C)、(D)のいずれか1種以上を含んでもよい。その場合、成分(A)と、成分(B)、(C)、(D)のそれぞれとの含有比率は以下が好ましい。
成分(A)と成分(B')の質量比[(B')/(A)]は、成分(A)による消臭・防臭効果を妨げない観点、及び香調のバリエーションを拡大させる観点から、好ましくは0.013以上、より好ましくは0.033以上、更に好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.3以上であり、また、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.95以下、更に好ましくは0.667以下である。
成分(A)と成分(C)の質量比[(C)/(A)]は、成分(A)による消臭・防臭効果を妨げない観点から、及び香調のバリエーションを拡大させる観点から、好ましくは0.013以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、更に好ましくは2以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。
成分(A)と成分(D)の質量比[(D)/(A)]は、成分(A)による消臭・防臭効果を妨げない観点、及び香調のバリエーションを拡大させる観点から、好ましくは0.013以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上であり、また、好ましくは7以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。
本発明の香料組成物は、成分(A)からなる香料組成物であってもよく、また、前記成分(A)に加え、更に成分(B)、(B')、(C)及び(D)から選ばれる1種以上を含んでもよい。本発明の香料組成物に成分(A)以外の香料化合物を含む場合、良好な消臭・防臭効果を得る観点から、成分(A)及び(B)の組み合わせが好ましく、また良好な香り立ちを得る観点から、成分(A)、(B)及び(B')の組み合わせが好ましく、更に香りのバリエーションを増やすという観点からは、成分(A)、(B)及び(B')と、成分(C)及び(D)から選ばれる1種又は2種との組み合わせが好ましい。
<繊維製品処理剤>
本発明の香料組成物は、繊維製品に消臭・防臭効果を簡便に、かつ効率的に付与するという観点から、繊維製品の洗濯工程において、洗剤とは別の繊維製品処理剤に含有された状態で、洗濯水中に分散させ、処理する対象の繊維製品に付着させることが好ましい。すなわち、本発明は、本発明の香料組成物を0.05質量%以上2質量%以下含有する繊維製品処理剤にも関する。
なお、本発明の繊維製品処理剤は、繊維製品(衣料)の洗浄処理過程において用いられる組成物であって、洗剤、柔軟仕上剤とは異なるものである。具体的には、洗浄処理工程において、繊維製品に特定の香料を効率よく残留させる機能を有する組成物であり、例えば、繊維製品用着香剤、繊維製品用消臭剤、繊維製品用防臭剤、繊維製品用消臭・防臭剤、衣料用着香剤、衣料用消臭剤、繊維製品用防臭剤、及び衣料用消臭・防臭剤が挙げられる。
また、本発明において「洗濯水」とは、繊維製品が洗浄(洗濯)される工程において、繊維製品を洗浄する目的で使用される水で、洗浄工程の最初に繊維製品が浸漬される水を指し、例えば、家庭用の全自動洗濯機において、洗濯開始時に洗濯槽内に注水される水がこれにあたる。この「洗濯水」への洗剤の投入時期は、繊維製品が洗濯槽に投入・浸漬されるより前であってもよく、繊維製品が同時に洗濯槽に投入・浸漬される時点で、同時に添加されてもよく、更には、繊維製品が洗濯槽に投入され、洗濯槽への注水が完了後に添加されてもよい。本発明の繊維製品処理剤は、繊維製品の洗浄工程の中で、上記いずれかの時点で、洗剤より先に洗濯水に添加されてもよく、洗剤と同時に洗濯水に添加されてもよく、また、洗濯水による洗浄工程の後の濯ぎ工程において、濯ぎ水に添加されてもよい。
本発明の繊維製品処理剤中における本発明の香料組成物の含有率は、0.05質量%以上2質量%以下であり、良好な消臭・防臭効果を得る観点から、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.55質量%以上であり、また、水中での分散性を確保する観点から、好ましくは1.7質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
また、本発明の繊維製品処理剤中における香料成分(A)の含有量は、処理される繊維製品に十分な消臭・防臭効果を付与できるという観点から、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上であり、また、繊維製品処理剤中に安定に分散・可溶化させるという観点から、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。
〔成分(E):トリグリセリド〕
本発明の繊維製品処理剤には、繊維製品を処理した際に、処理された繊維製品への香料の残留性を向上させ、消臭・防臭効果を向上させる観点から、前記香料組成物と共に、下記成分(E)を含むことが好ましい。
成分(E)は、下記一般式(1)で表されるトリグリセリドである。
Figure 2021167383
〔式中、R1、R2及びR3は、独立に、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数7以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた残基を示す。〕
本発明の繊維製品処理剤は、更に成分(E)を含有することによって、香料の繊維製品への残留性を高め、より効果的に繊維製品に消臭・防臭効果を付与することができる。
成分(E)としては、処理された繊維製品への香料の残留性を向上させ、消臭・防臭効果を向上させる観点から、R1〜R3として、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数8〜22の脂肪酸のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた残基を3個有する脂肪酸トリグリセリドが好ましい。
好ましい成分(E)の具体例としては、例えば、トリイソパルミチン酸グリセリド、トリイソステアリン酸グリセリル、トリウンデカン酸グリセリル、トリ(12-ヒドロキシステアリン酸)グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・イソステアリン・アジピン酸)グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ラウリン酸)グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・リノール酸)グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリ牛脂脂肪酸グリセリル、トリ(牛脂脂肪酸・ミンク油脂肪酸・タラ肝油脂肪酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリド、トリステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリ(2-ヘプチルウンデカン酸)グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリ(ミンク油脂肪酸・パルミチン酸)グリセリル、トリヤシ油脂肪酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリラノリン脂肪酸グリセリル、トリ(リシノレイン・カプロン・カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリリノール酸グリセリル等の合成グリセリドが挙げられる。本発明においては、これらの1種又は2種以上を選択して用いることができる。なかでも、処理された繊維製品への香料の残留性を向上させる観点から、トリ(12-ヒドロキシステアリン酸)グリセリルが好ましい。また、トリ(12-ヒドロキシステアリン酸)グリセリルは、当該化合物を主成分とする硬化ヒマシ油の形態で添加してもよい。
本発明の繊維製品処理剤中における成分(E)の含有量は、良好な消臭・防臭効果を得る観点から、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.12質量%以上、更に好ましくは0.15質量%であり、また、分散安定性と適度な流動性を確保する観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
また、本発明の繊維製品処理剤に含まれる香料組成物の全量と成分(E)との質量比[(香料組成物)/(E)]は、繊維製品に十分な消臭・防臭効果を付与する観点、及び分散安定性と適度な流動性を確保する観点から、好ましくは0.0167以上、より好ましくは0.583以上、更に好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上、更に好ましくは3以上であり、また、好ましくは28.57以下、より好ましくは15.5以下、更に好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、更に好ましくは4.57以下である。
〔成分(F):ノニオン性界面活性剤〕
本発明の繊維製品処理剤には、香料成分及び前記成分(E)の繊維製品処理剤中での分散安定性、及び洗濯時に希釈される際の水中への分散性を高める目的で、更に成分(F)としてノニオン性界面活性剤を含有させることができる。成分(F)は、成分(E)の水への分散性を向上させる観点から、下記一般式(2)で表される、ポリオキシエチレン基を含む、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。
4O−(C24O)m(A1O)nH (2)
〔式中、R4は炭素数8以上22以下の炭化水素基を示し、A1Oは炭素数3以上5以下のアルキレンオキシ基を示し、m及びnは平均付加モル数であり、mは3以上30以下の数、nは0以上5以下の数を示す。C24O基及びA1O基は、ランダム及びブロックのいずれの形態で結合したものであってもよい。〕
4の炭化水素基の炭素数は、好ましくは10以上であり、また、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。R4の炭化水素基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の、飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げられるが、直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましく、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基及びアルケニル基がより好ましく、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が更に好ましく、直鎖アルキル基が更に好ましい。
24Oの平均付加モル数mは、保存安定性及び水への溶解性の観点から、好ましくは4以上であり、また、好ましくは27以下、より好ましくは24以下である。A1Oの平均付加モル数nは、好ましくは0以上4以下である。
1Oであるアルキレンオキシ基は、炭素数3以上5以下のアルキレンオキシドを付加反応させることによって得られるものであり、付加反応により結合した部分はメチル分岐ないしプロピル分岐した構造を有する。A1Oとしては、プロピレンオキシドを付加反応させて得られるプロピレンオキシ基が好ましい。
本発明の繊維製品処理剤中における成分(F)の含有量は、分散安定性、流動性を向上させる観点、及び処理される繊維製品に十分な防臭・消臭効果を付与する観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは9質量%以上であり、また、好ましくは12質量%以下、より好ましくは11.5質量%以下、更に好ましくは11質量%以下である。
〔成分(G):カチオン性界面活性剤〕
本発明の繊維製品処理剤には、香料成分及び前記成分(E)の繊維製品処理剤中での分散安定性、及び洗濯時に希釈される際の水中への分散性を高める目的で、更に成分(G)として、カチオン性界面活性剤を添加することができる。成分(G)は、成分(F)のノニオン性界面活性剤と併用することによって、香料成分と成分(E)の繊維製品処理剤中での分散安定性をより向上させ、かつ繊維製品処理剤を洗濯水で希釈する際のレオロジー特性を調整することができる。カチオン性界面活性剤としては、下記一般式(3)で表される4級アンモニウム塩型界面活性剤が好ましい。
Figure 2021167383
〔式中、R5は炭素数8以上18以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、R6は炭素数8以上18以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基、炭素数1以上3以下のアルキル基、ベンジル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して炭素数1以上3以下のアルキル基、ベンジル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基を示し、X-はCH3SO4 -、CH3CH2SO4 -、又はハロゲン化物イオンを示す。〕
一般式(3)中のR5である炭化水素基の炭素数は、好ましくは10以上であり、また、好ましくは16以下である。R5の炭化水素基としては、直鎖アルキル基及び直鎖アルケニル基が好ましく、また、天然油脂由来の基であることが好ましい。
一般式(3)中のR6、R7及びR8における炭素数1以上3以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられるが、メチル基及びエチル基が好ましい。一般式(3)中の対イオンであるX-としては、安定性、流動性を向上させる観点、経済性の観点から、CH3SO4 -及びCH3CH2SO4 -が好ましい。
成分(G)としては、下記(G-1)〜(G-3)から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
(G-1):一般式(3)中のR5及びR6がそれぞれ炭素数10以上18以下の直鎖アルキル基であり、R7及びR8がそれぞれ炭素数1以上3以下のアルキル基である第4級アンモニウム塩
(G-2):一般式(3)中のR5が炭素数10以上18以下の直鎖アルキル基であり、R6〜R8がそれぞれ炭素数1以上3以下のアルキル基である第4級アンモニウム塩
(G-3):一般式(3)中のR5が炭素数10以上18以下の直鎖アルキル基であり、R6が炭素数10以上18以下の分岐鎖アルキル基であり、R7及びR8がそれぞれ炭素数1以上3以下のアルキル基である第4級アンモニウム塩
成分(G)は、前記(G-1)及び(G-2)から選ばれる1種以上の化合物が成分(G)中の50質量%以上を占めることが好ましく、60質量%以上を占めることがより好ましく、80質量%以上を占めることが更に好ましい。
本発明の繊維製品処理剤中における成分(G)の含有量は、分散安定性、流動性を向上させる観点、及び処理される繊維製品に十分な防臭・消臭効果を付与する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.7質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
本発明の繊維製品処理剤中における成分(F)と成分(G)との合計含有量(F)+(G)は、好ましくは5.5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは9質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは13質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは11.5質量%以下、更に好ましくは11質量%以下である。
本発明の繊維製品処理剤中における成分(F)に対する成分(G)の質量比(F)/(G)は、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは22以下、更に好ましくは20以下である。
〔成分(H):アニオン性界面活性剤〕
本発明の繊維製品処理剤は、分散安定性、流動性を向上させる観点から、成分(H)としてアニオン性界面活性剤を含有することができる。成分(H)としては、炭素数8以上20以下の脂肪族アルキル基及びスルホン酸塩基を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。かかるアニオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエステルスルホン酸塩、一級又は二級アルカンスルホネート塩から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。前記アルキル基の炭素数は、成分(E)の水中での分散安定性の観点から、8以上18以下が好ましく、配合時の溶解性の観点から、10以上16以下が好ましい。成分(H)としては、繊維製品処理剤の流動性を向上させる観点から、炭素数10以上16以下の脂肪族アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
〔成分(I):分子内に水酸基を1つ以上有する有機溶剤〕
本発明の繊維製品処理剤は、界面活性剤の可溶化能や処理剤の防腐性を向上させる観点から、成分(I)として、分子内に水酸基を1つ以上有する有機溶剤を含有することができる。かかる有機溶剤としては、以下の(I-1)〜(I-6)から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(I-1) 炭素数2以上6以下の脂肪族炭化水素基を有する1価のアルコール:
例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール及び1-ブタノールから選ばれる1種以上が挙げられる。
(I-2) 炭素数2以上6以下の2価以上6価以下のアルコール〔(I-3)を除く〕:
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びグリセリンから選ばれる1種以上が挙げられる。
(I-3) 炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位を含有するポリアルキレングリコール:
例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、質量平均分子量400以上4000以下のポリエチレングリコール及び質量平均分子量400以上4000以下のポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上が挙げられる。
(I-4) 炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位と、炭素数1以上4以下のアルキル基とを有する、(モノ又はポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル:
例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール及び1-エトキシ-2-プロパノールから選ばれる1種以上が挙げられる。
(I-5) 炭素数1以上8以下のアルキルを有するアルキルグリセリルエーテル:
例えば、1-メチルグリセリルエーテル、2-メチルグリセリルエーテル、1,3-ジメチルグリセリルエーテル、1-エチルグリセリルエーテル、1,3-ジエチルグリセリルエーテル、トリエチルグリセリルエーテル、1-ペンチルグリセリルエーテル、2-ペンチルグリセリルエーテル、1-オクチルグリセリルエーテル及び2-エチルヘキシルグリセリルエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。
(I-6) 炭素数2又は3のアルキレングリコール単位を有する(モノ又はポリ)アルキレングリコールの芳香族アルキルエーテル:
例えば、2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2-ベンジルオキシエタノール及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。
成分(I)としては、界面活性剤の可溶化能や組成物の防腐性を向上させる観点から、上記の(I-1)、(I-2)、(I-4)及び(I-6)から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上がより好ましく、プロピレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上が更に好ましい。
〔その他の任意成分〕
本発明の繊維製品処理剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルカノールアミン等の水溶性無機塩、アクリル酸系ポリマー等の水溶性ポリマー、亜硫酸塩等の還元剤、シリコーン等の抑泡剤、蛍光染料、色粒、着色剤等の任意成分を含有させることができる。
〔水〕
本発明の繊維製品処理剤は水を含有することができる。水に特段の制限はなく、水道水、蒸留水、及びイオン交換水から選ばれる水を使用できる。
本発明の繊維製品処理剤中における水の含有量は、成分(A)〜(I)及びその他の任意成分の合計量の残部であり、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であり、また、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
<繊維製品処理方法>
更に本発明は、前記繊維製品処理剤を、繊維製品の洗浄処理において、洗剤とは別に洗濯水又は濯ぎ水中に添加する、繊維製品処理方法に関する。
本発明の繊維製品の消臭・防臭処理方法によれば、洗剤を用いて繊維製品を洗浄する工程で、洗剤とは別に、前記繊維製品処理剤を、洗濯水又は濯ぎ水に添加することによって、洗浄処理後、着用時の衣類に、皮脂臭や汗臭、生乾き臭に対する消臭・防臭効果、そして調理臭に対する消臭・防臭効果を合わせて付与することができる、
今日、一般家庭において繊維製品を洗浄(洗濯)する一般的な方法としては、大別して、全自動洗濯機を用いる方法、手洗いによる方法があるが、いずれの方法でも、浴水中に洗剤を投入して洗濯水を調製し、繊維製品を洗濯水中に浸漬し、洗濯水中で繊維製品を回転させる、又は手でしごくことによって汚れを除去し、次いで、洗濯水を排水し、剰余の洗剤を洗い流すために濯ぎ水を投入して、衣類を濯いだ後、脱水、乾燥する、という工程を経て繊維製品は洗浄される。
繊維製品を洗濯する工程において、本発明の繊維製品処理剤を添加する工程は、洗剤とは別に添加するのであれば、洗剤より前、洗剤と同時、洗剤を水に添加して洗濯水中に繊維製品が浸漬している間、洗濯水が排水されて濯ぎ水が繊維製品に投下される間、そして、繊維製品が濯ぎ水に浸漬している間のいずれのタイミングでもよい。
なお、日本の一般家庭で使用されている家庭用電気洗濯機の多くが、性能測定方法として日本工業規格(JIS C 9811:1999)の洗濯性能試験において採用されている洗濯条件に準拠して設計されていることを考慮して、本発明の繊維製品処理方法において想定される使用水、周囲温度といった洗濯条件は、前記日本工業規格(JIS C 9811:1999)に準拠して、決めることができる。本願の実施例においても、前記日本工業規格に準拠して性能試験が実施された市販の全自動洗濯機を使用している。
すなわち、市販の家庭用全自動洗濯機を用いて繊維製品を洗浄処理する場合の性能試験条件として、前記日本工業規格(JIS C 9811:1999)の4.2における、『使用水を加熱する電熱素子がない場合』において洗浄試験以外の「その他の試験」を実施する場合に相当する洗浄条件で、本発明の繊維製品処理方法は実施される。
日本工業規格(JIS C 9811:1999)の4.2に準拠して、繊維製品処理剤の試験を実施した周囲温度、使用水の特性については、以下のとおりである。
周囲温度:洗濯試験を実施した試験室の室温は25℃
使用水の特性:水の硬度(CaCO3)が80mg/L以下の水として水道水を使用
『使用水を加熱する電熱素子がない場合』において洗浄試験以外の「その他の試験」を実施するので、使用水として常温水を使用
また、一般家庭における全自動洗濯機の標準洗濯容量及び標準使用水量についても、同じく前記日本工業規格(JIS C 9811:1999)の「附属書 2(規定)標準洗濯機」に記載されている標準洗濯容量:1.5kg(衣類の乾燥質量);標準使用水量:30Lという標準条件に準拠して、本願発明の繊維製品処理方法は実施される。
本発明の繊維製品処理方法において、洗濯水又は濯ぎ水中に添加される本発明の繊維製品処理剤の量は、洗浄処理される繊維製品の乾燥質量1.5kgあたりの香料成分(A)の量として、処理される繊維製品に十分な消臭・防臭効果を付与するという観点から、好ましくは4mg以上、より好ましくは5mg以上、更に好ましくは7.5mg以上、更に好ましくは10mg以上であり、また、洗濯水中に香料成分が安定に分散するという観点、及び繊維に強く着香しすぎないという観点から、好ましくは80mg以下、より好ましくは50mg以下、更に好ましくは20mg以下である。
本発明の繊維製品処理方法において、洗濯水又は濯ぎ水中に添加される本発明の繊維製品処理剤の量は、洗濯水又は濯ぎ水1Lあたりの香料成分(A)の量として、処理される繊維製品に十分な消臭・防臭効果を付与するという観点から、好ましくは0.166mg以上、より好ましくは0.19mg以上、更に好ましくは0.25mg以上、更に好ましくは0.33mg以上であり、また、洗濯水又は濯ぎ水中に香料成分が安定に分散するという観点、及び繊維に強く着香しすぎないという観点から、好ましくは2.67mg以下、より好ましくは1.67mg以下、更に好ましくは0.67mg以下である。
[調製例1](プレミックス:PM(1)の調製)
100mL容量のガラスビーカーに、(E)硬化ヒマシ油1.0g(2質量%)、(F)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:11.5相当*)2.5g(4.9質量%)、イオン交換水47.5g(92.2質量%)を投入し、直径1cm、長さ3.5cmのテフロン(登録商標)製のマグネチックスターラーを入れた。内容物の温度が90〜95℃の温度範囲になるようにビーカーをウォーターバスで加熱した。次に、90〜95℃の温度範囲で、6連マグネチックスターラー(アズワン社製;RS-60D)を用いて、600rpmで25℃まで1.0℃/分の冷却速度で冷却し、プレミックスPM(1)を得た。
*HLB値はオキシエチレン基の平均付加モル数と分子量を基にGriffin法によって算出した。
[調製例2](プレミックス:PM(2)の調製)
100mL容量のガラスビーカーに、(F)ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル7.4g(8.2質量%)、(F)ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル3.0g(3.3質量%)、(G)N,N-ジデシル-N-メチル-N-エチルアンモニウム エチルサルフェート1.8g(2.0質量%)、(I)ジエチレングリコールモノブチルエーテル10.0g(11.1質量%)、ヤシ油脂肪酸1.0g(1.1質量%)、アルカノールアミン0.4g(0.4質量%)、アクリル酸系ポリマー1.2g(1.3質量%)、イオン交換水65.5g(72.4質量%)、プロキセルBDN(防腐剤)0.15g(0.2質量%)を、6連マグネチックスターラー(アズワン社製;RS-60D)を用いて、600rpmで25℃にて攪拌しながら順次添加し、プレミックスPM(2)を調製した。
[調製例3](繊維製品処理剤(1)の調製)
100mL容量のガラス製ビーカーに、表13の実施例1に示す組成で全量が100gとなるように繊維製品処理剤(1)を調製した。具体的には、前記プレミックスPM(1)と前記プレミックスPM(2)を、プレミックスPM(1)とプレミックスPM(2)が質量比で1:9の割合となるように投入し、直径が2cmのテフロン(登録商標)製の棒状のスターラーピースを用いて100rpmで5分間撹拌し、次いで、香料を添加して全量を100gとし、更に5分間攪拌して、繊維製品処理剤(1)を100g調製した。
[調製例4](繊維製品処理剤(2)の調製)
100mL容量のガラス製ビーカーに、それぞれの配合成分を表13の実施例2に示す組成で、全量が100gとなるように投入し、直径が2cmのテフロン(登録商標)製の棒状のスターラーピースを用いて100rpmで5分間撹拌して、繊維製品処理剤(2)を調製した。
実施例1〜25、比較例1〜24
表13(実施例)、表14(比較例)に示す組成の繊維製品処理剤を前記調製方法に従って調製した。なお、繊維製品処理剤に配合した香料組成物の組成を表15(実施例)、表16(比較例)に示す。また、下記の方法で作製した消臭・防臭評価用の試験布を用いて、各繊維製品処理剤の残香性、各種のニオイに対する消臭・防臭効果を評価した。
<消臭・防臭評価用試験布の調製>
(1)未賦香洗剤を用いた試験布の調製
室温25℃、湿度65%の環境に保たれた室内にて、東芝製全自動洗濯機AW-7D8(W)を用い、使用水22Lに設定して、洗濯槽内に表8に示す未賦香の液体洗剤18.3g、実施例又は比較例の繊維製品処理剤11gを投入し、綿タオル8枚、綿Tシャツ10枚(タオルとTシャツの乾燥重量の合計は1.1Kg)を洗い9分、ためすすぎ2回、脱水3分で洗浄した。室内で一日乾燥させた後、綿Tシャツから10×10cmの大きさで切り出し、これを消臭・防臭評価用の試験布(I)とした。
Figure 2021167383
(2)賦香洗剤を用いた試験布の調製
用いた液体洗剤を賦香洗剤18.3gとした以外は、試験布(I)の調製方法と同様の方法で繊維製品を処理して、消臭・防臭評価用の試験布(II)とした。なお、ここで用いた賦香洗剤は、表8に示す組成の液体洗剤に、表9に示す組成の調合香料を0.4質量%添加したものである。
Figure 2021167383
<試験布の香りの評価方法>
上記の方法で作製した試験布(I)、(II)の乾燥後の香り(残香)の評価を、以下の評価基準に従って実施した。評価は3名の専門パネルによる協議によって実施した。
<試験布の乾燥後の香り(残香)の評価基準>
0:無臭
1:ごくわずかに感じる
2:弱く感じる
3:はっきりと感じる
4:強く感じる
5:かなり強く感じる
<消臭・防臭評価方法>
人体に直接接触する繊維製品から発せられる臭気である汗臭、皮脂臭、生乾き臭について、それぞれ表10〜12に示す疑似臭気の再現組成物を用いて、消臭・防臭効果を、下記の方法で評価した。なお、それぞれの臭気に対する消臭・防臭効果は以下の評価基準を用い、3名の専門パネルが評価し、協議により判定した。ここで、疑似臭気を用いたのは、洗浄後、ヒトが着用して再汚染された繊維製品(衣類)から発生する臭気を常に一定の臭い質と強度で再現でき、評価精度を高めることができるためである。
更に、外部環境から発生して衣類等の繊維製品に付着する臭気として、一般家庭における調理臭の代表的成分である2,4-デカジエナールを用いて、調理臭に対する消臭・防臭効果について評価した。
◎:悪臭を全く感じない
〇:悪臭をほとんど感じない
△:悪臭を弱く感じる
×:悪臭をはっきり感じる
(汗臭防臭評価方法)
室温25℃、湿度65%の環境に保たれた室内にて、評価用試験布(I)又は(II)に表10に記載の擬似汗臭組成物をエタノールにて1000ppmに希釈したものを20μL塗布した。エタノールのニオイの影響を取り除くため、6分間室温で放置した後、ニオイの官能評価を行った。
Figure 2021167383
(皮脂臭防臭評価方法)
室温25℃、湿度65%の環境に保たれた室内にて、評価用試験布(I)又は(II)に表11に記載の擬似皮脂臭組成物をエタノールにて1000ppmに希釈したものを20μL塗布した。エタノールのニオイの影響を取り除くため、6分間室温で放置した後、ニオイの官能評価を行った。
Figure 2021167383
(生乾き臭消臭評価方法)
室温25℃、湿度65%の環境に保たれた室内にて、評価用試験布(I)又は(II)に表12に記載の衣類の擬似生乾き臭組成物をエタノールにて200ppmに希釈したものを10μL塗布した。エタノールのニオイの影響を取り除くため、6分間室温で放置した後、ニオイの官能評価を行った。
Figure 2021167383
(調理臭防臭評価方法)
室温25℃、湿度65%の環境に保たれた室内にて、評価用試験布(I)又は(II)に2,4-デカジエナールの4ppmアセトン溶液を25μL塗布した。アセトンのニオイの影響を取り除くため、6分間室温で風乾放置後、ニオイの官能評価を行った。
試験布(I)、(II)の処理後の香り強度の評価、それぞれの臭気に対する消臭・防臭効果の評価結果を表13〜14の組成表の下に併せて示す。
Figure 2021167383
Figure 2021167383
Figure 2021167383
Figure 2021167383
評価の結果、硬化ヒマシ油を含まない繊維製品処理剤、硬化ヒマシ油を含む繊維製品処理剤のいずれを用いて処理した試験布も、消臭・防臭効果を発揮することが確認された。また、硬化ヒマシ油を含む処理剤で処理した方が、より残香が強く、消臭・防臭効果もより向上することが確認された。
また、成分(A)のうち、成分(a-1)だけしか含まない香料組成物で処理した試験布は、汗臭、皮脂臭、生乾き臭に対しては一定の消臭・防臭効果を発現したものの、調理臭に対しては効果が確認されなかった。更に、成分(A)を含まない香料組成物で処理した試験布は、汗臭、皮脂臭、生乾き臭といった臭気に対する消臭効果が不十分であった。
更に、一般家庭の消費者52名に、実施例14及び15の香料組成物を実際に家庭で市販の洗剤と合わせて使用してもらい、消臭・防臭効果について質問したところ、調査対象者の70%以上が、肌着、スポーツウェア、枕カバー等から生じる嫌な臭い、洗濯後の生乾き臭、衣類に付着した嫌な臭いのいずれに対しても、臭いがしない効果(消臭・防臭効果)を実感したと回答した。

Claims (7)

  1. 下記成分(A)を6.5質量%以上含む、繊維製品処理用香料組成物。
    成分(A):下記香料化合物(a-1)及び(a-2)を、[(a-1)/(a-2)]=6.5以上25以下の質量比で含む混合物
    (a-1):2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-1-シクロペンタ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オール
    (a-2):[1-メチル-2-[(1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メチル]シクロプロピル]メタノール
  2. 更に下記成分(B)を含有する、請求項1に記載の香料組成物。
    成分(B):ClogPが4以上であり、かつ、25℃における飽和蒸気圧Vpが0.15Pa未満である香料化合物(ただし、香料化合物(a-1)及び(a-2)を除く)
  3. 更に下記成分(B')を含有する、請求項1又は2に記載の香料組成物。
    成分(B'): ClogPが4以上であり、かつ、25℃における飽和蒸気圧Vpが0.15Pa以上5Pa未満である香料化合物
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の香料組成物を0.05質量%以上2質量%以下含有する繊維製品処理剤。
  5. 更に下記成分(E)を含有する、請求項4に記載の繊維製品処理剤。
    成分(E):一般式(1)で表されるトリグリセリド
    Figure 2021167383
    〔式中、R1、R2及びR3は、独立に、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数7以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた残基を示す。〕
  6. 繊維製品用着香剤である、請求項4又は5に記載の繊維製品処理剤。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の繊維製品処理剤を、繊維製品の洗浄処理において、洗剤とは別に洗濯水又は濯ぎ水中に添加する、繊維製品処理方法。
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