JP2024012294A

JP2024012294A - フレグランスプロセス

Info

Publication number: JP2024012294A
Application number: JP2023171533A
Authority: JP
Inventors: フェリー，オレリー; Ferry Aurelie
Original assignee: Givaudan SA
Current assignee: Givaudan SA
Priority date: 2018-12-17
Filing date: 2023-10-02
Publication date: 2024-01-30
Also published as: US20210403834A1; CN113195697A; EP3898921A1; BR112021010767A2; JP2022516234A; SG11202105603WA; WO2020125921A1; MX2021006318A

Abstract

【課題】洗濯されたアイテムに添加されるフレグランスの嗅覚効果を延長する方法を提供する。【解決手段】方法は、洗濯にフレグランスを添加することを含み、フレグランスは以下からなる群から選択される少なくとも１つの化合物を含む：エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアート；エチルＮ，Ｓ－ビス（４－オキソ－４－（２，６，６－トリメチルシクロヘキサ－３－エン－１－イル）ブタン－２－イル）システイナート；４－（ドデシルチオ）－４－メチルペンタン－２－オン；１－ブトキシ－３－（（１Ｅ，４Ｚ）－へプタ－１，４－ジエン－１－イル）ベンゼン；および２－エトキシ－４－（（１Ｅ，４Ｚ）－へプタ－１，４－ジエン－１－イル）フェノール。【選択図】なし

Description

本開示は、フレグランス製剤に、より具体的には、かかるフレグランスの嗅覚効果を延長する手段に関する。

フレグランスは、フレグラントリンスとして、または洗浄剤組成物またはファブリックソフトナーなどの洗濯調製物の構成要素として、衣類の洗濯への一般的な添加物である。フレグランスの匂いは、洗濯が完了した後、乾燥させ、引き出し、戸棚またはクローゼットなどの閉じられた開閉可能な保管スペースに保管した後でも、一般にはっきりとしている。最初の保管時には、フレグランスは、スペースを開けたときにしばらくはっきりとしているが、一般的には薄れていき、数回開けた後には検出不可能である。

今、驚くべきことに、無数回開けた後および相当な時間の経過後においても検出可能であるように、フレグランスの嗅覚効果を大幅に持続化させることが可能であることが見い出された。したがって、洗濯されたアイテムに添加されるフレグランスの嗅覚効果を延長する方法であって、洗濯にフレグランスを添加することを含み、フレグランスは以下からなる群から選択される少なくとも１つの化合物を含む、前記方法が提供される：
エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアート；
エチルＮ，Ｓ－ビス（４－オキソ－４－（２，６，６－トリメチルシクロヘキサ－３－エン－１－イル）ブタン－２－イル）システイナート；
４－（ドデシルチオ）－４－メチルペンタン－２－オン；
１－ブトキシ－３－（（１Ｅ，４Ｚ）－へプタ－１，４－ジエン－１－イル）ベンゼン；および
２－エトキシ－４－（（１Ｅ，４Ｚ）－へプタ－１，４－ジエン－１－イル）フェノール。

上述のグループから選択された化合物（以下、単に「化合物」という）は、フレグランス前駆体であり、すなわち、湿気または酸素への曝露などの具体的な条件下で分解して少なくとも１つのフレグラント材料を放出する。かかる化合物は、例えば国際公開ＷＯ２００７／１４３８７３、ＷＯ２０１８／０９６１７６およびＷＯ２０１２／０８５２８７に記載されている。１より多くのかかる化合物を使用してもよい。

具体的な態様において、化合物は、エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアートを含む。それは、単独で使用してもよいし、上に挙げた他の化合物の少なくとも１つと組み合わせてもよい。

かかる状況下で、かかる化合物（単独）または化合物（複数）を使用することで、香り高い匂いが得られることは驚くことではないが、洗濯に添加されたフレグランスの寿命を延ばすことができることは全く予想外である。同様に、かかる化合物の存在が、フレグランスの完全な本来の嗅覚効果を、他の場合よりも大幅に長い時間持続させることを保証することも、全く予想外のことである。

上述のように、延長効果は、洗濯したアイテムが閉じられた開閉可能な保管スペースに保管したときに、特に顕著に表れる。延長効果の程度および性質は、化合物（単数）または化合物（複数）（１より多くを使用してもよい）の性質およびフレグランスの性質によって異なる。延長効果は、時間的にはかなり短いものからかなり長いものまであり得、嗅覚観点からは弱いものから強いものまでである。典型的には、上述の化合物（単数）または化合物（複数）を用いた洗濯調製物を使用して洗濯し、次いで閉じられた開閉可能な保管スペースに保管された、洗濯したアイテムは、強い匂いを保管の５～６日後まで有し、１４日もの間持続する。これは、上述の化合物（単数）または化合物（複数）を用いていない洗濯調製物を使用して洗濯した、洗濯したアイテムとは対照的であり、その場合、匂いは３日間の保管後にかなり弱くなり、全く感知できないこともある。加えて、化合物を含有する洗濯したアイテムは、この時間後に、香料の本来の嗅覚特性の実質的な部分を保持するが、化合物を含まない洗濯したアイテムは、極めて少し、ときには全く保持しない。

あらゆる所望される延長を提供するために好適な製剤を決定することは、当技術分野の通常の技術を行使することによって行うことができ、上述した限られた数の化合物を考慮すると、これは過度に負担のかかる努力ではない。

フレグランスに存在する化合物の割合は、フレグランスの性質および所望される嗅覚効果に依存する。典型的には、０．１～３０％の重量割合で存在するが、特定のケースでは、これらの制限外の割合を使用することも実行可能であり、容認される。

フレグランスは、フレグランス組成物に有用であることが知られている成分のいずれかで構成されていてもよい。好適な成分の典型的で非限定的な例は、以下のものを包含する：

- 精油および抽出物、例として、海狸香、コスタスルート油、オークモスアブソリュート、ゼラニウム油、ツリーモスアブソリュート、バジル油、果実油、たとえばベルガモット油およびマンダリン油など、ミルテ油、パルマローザ油、パッチュリ油、プチグレン油、ジャスミン油、バラ油、白檀油、アブサン油、ラベンダー油またはイランイラン油；

- アルコール、例として桂皮アルコール、ｃｉｓ－３－ヘキセノール、シトロネロール、Ebanol^TM、オイゲノール、ファルネソール、ゲラニオール、Super Muguet^TM、リナロール、メントール、ネロール、フェニルエチルアルコール、Rhodinol^TM、Sandalore^TM、テルピネオールまたはTimberol^TM；

- アルデヒドおよびケトン、例としてAzurone^(R)（７－（３－メチルブチル）－１，５－ベンゾジオキセピン－３－オン）、アニスアルデヒド、アルファ－アミル新ナムアルデヒド、Georgywood^TM、ヒドロキシシトロネラール、Iso E^(R)Super、Isoraldeine^(R)、Hedione^(R)、３－（４－イソブチル－２－メチルフェニル）プロパナール、マルトール、メチルセドリルケトン、メチルイオノン、ベルベノン、またはバニリン；

- エーテルおよびアセタール、例としてAmbrox^(R)、ゲラニルメチルエーテル、ローズオキシド、またはSpirambrene^(R)；
- エステルおよびラクトン、例としてベンジルアセタート、セドリルアセタート、γ－デカラクトン、Helvetolide^(R)、γ－ウンデカラクトンまたはベチベリルアセタート；

- 大員環化合物、例としてアンブレットリド、ブラシル酸エチレンまたはExaltolide^(R)；および
- 複素環化合物、例としてイソブチルキノリン。

フレグランス製剤は、当該技術で認められた割合で存在する、悪臭防止剤、溶媒および界面活性剤などを通常の補助材料も含んでもよい。

化合物を含むフレグランスは、例えば、好適な溶媒中のフレグラントリンスとして洗濯サイクルの終わり近くに洗濯に個別に添加してもよく、またはファブリックソフトナー、タンブルドライシートまたは粉末または液体洗浄剤などの洗濯製品に組み込んでもよい。後者の場合において、フレグランスは、洗濯調製物の０．３％～２重量％の率で添加される。

具体的な態様において：
- エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアートは、ファブリックソフトナーに、またはタンブルドライシートに、２０％までの重量割合で添加される；
- エチルＮ，Ｓ－ビス（４－オキソ－４－（２，６，６－トリメチルシクロヘキサ－３－エン－１－イル）ブタン－２－イル）システイナートは、高密度液体および粉末洗浄剤およびファブリックコンディショナーに、１％までの重量割合で添加される；
- ４－（ドデシルチオ）－４－メチルペンタン－２－オンは、高密度液体洗浄剤およびファブリックコンディショナーに５％までの重量割合で添加される。

本開示は、具体的な態様を描いた以下の例を参照してさらに説明されるが、これらの例はいかなる意味でも限定的であることを意図していない。

例：ファブリックソフトナーに好適な基本的なフレグランス

１） Javanol＝（（１－メチル－２－（１，２，２－トリメチルビシクロ（３．１．０）
－ヘキサ－３－イルメチル）－シクロプロピル）メタノール）
２） Radjanol＝２－エチル－４－（２，２，３－トリメチル－３－シクロペンテン－１－イル）－２－ブテン－１－オール
このアコードは、そのままの製品において、ならびに濡れたおよび乾いたファブリックにおいて、フレッシュな、フローラルフルーティ特徴を与えた。

このフレグランスの２つのサンプルを、ジプロピレングリコール（ＤＰＧ）の溶媒を同一重量の以下の物質で置き換えることによって改変した。
(i) エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアート、および
(ii) エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアート（６部）、エチルＮ，Ｓ－ビス（４－オキソ－４－（２，６，６－トリメチルシクロヘキサ－３－エン－１－イル）ブタン－２－イル）システイナート（４部）および４－（ドデシルチオ）－４－メチルペンタン－２－オン（１部）の混合物。
このようにして改変されたフレグランスを、夫々ＢおよびＣとした。

３つのフレグランスを、それぞれ、フレグランスの入っていないファブリックソフトナーベースの試料に、ファブリックソフトナーベースの１重量％の割合で添加した。改変されていないフレグランスを持つファブリックソフトナーを「Fabsoft A」とし、他の２つのファブリックソフトナーを、添加された変性された香りに合わせて「Fabsoft B」と「Fabsoft C」とした。フレグランスのの試料を、比較のために残しておいた。

ファブリックソフトナーを、テストの１日前に調製した。
洗濯物は、タオル（綿１００％）１枚、Ｔシャツ（綿９５％、Elasthane^TMポリエーテル－ウレア５％）１枚およびスポーツＴシャツ（合成繊維１００％）１枚で構成された。
洗濯サイクルは、１８分１回および１２００ｒｐｍのスピンであった。

様々なサイクルの終了時に洗濯したアイテムを取り出し、物干しで最初に１日乾燥させた。次いで、戸棚または引き出しでの保管を想定して箱に入れ、６日間の保管後に熟練したパフューマーによってテストした。パフューマーは、匂いの強度を０（弱い）～５（極めて強い）の間で評価し、本来のフレグランスと比較して嗅覚の質を評価もした。
その結果は以下の通りであった：

化合物を用いた試料は、いずれも匂いが強くなっただけでなく、本来のフレグランスの
特徴をより多く維持しており、単一の化合物フレグランス（Ｂ）が混合物（Ｃ）をわずかに上回った。一方、未改変のフレグランスを含有する試料は、香りが弱いだけでなく、本来の嗅覚特徴のほとんどを失った。

Claims

洗濯されたアイテムに添加されるフレグランスの嗅覚効果を延長する方法であって、洗濯にフレグランスを添加することを含み、フレグランスは以下からなる群から選択される少なくとも１つの化合物を含む、前記方法：
エチル（Ｚ）－２－アセチル－４－メチルトリデカ－２－エノアート；
エチルＮ，Ｓ－ビス（４－オキソ－４－（２，６，６－トリメチルシクロヘキサ－３－エン－１－イル）ブタン－２－イル）システイナート；
４－（ドデシルチオ）－４－メチルペンタン－２－オン；
１－ブトキシ－３－（（１Ｅ，４Ｚ）－へプタ－１，４－ジエン－１－イル）ベンゼン；および
２－エトキシ－４－（（１Ｅ，４Ｚ）－へプタ－１，４－ジエン－１－イル）フェノール。
化合物が１～３０重量％の範囲でフレグランスに存在する、請求項１に記載の方法。
フレグランスが、好適な溶媒中のフレグラントウォッシュとして添加される、請求項１に記載の方法。
フレグランスが、洗濯製品の一部として添加される、請求項１に記載の方法。