本発明は、運転者の操作を介さずに自動的に走行が可能な自動運転車に係り、車道や横断歩道への突然の飛び出しに対応する自動運転車に関する。
近年、自動車の自動運転システムや運転支援システムの技術開発が加速し、その技術は、カーナビゲーション技術、高度な通信技術、AI(Artificial Intelligence)等と融合し、人的操作が殆ど必要でないまでの水準に達している。
特許文献1には、自動運転システムにおける自車周囲の監視技術について、運転者は、その確実性に疑問を持っており、そのために自動運転中であってもブレーキを踏むことにより自動運転モードを解除し、手動運転モードに切り換えて危険を回避しているという、現状に鑑みて、車両内にて移動体を確認することを指示する人の声を音声認識した場合、運転者が注目するエリアに位置する移動体が確認されることにより、その存在をユーザに通知する技術が開示されている。
即ち、特許文献1では、運転者が自車の周囲を走行する移動体を発見し、予想した事故リスクの対象物であるその移動体がその運転者が指示した注目エリアに存在するか否かを上記システムに検出させて、存在すれば、運転者にその旨を通知するものである。よって、本技術では、手動操作に頼らずに、自動運転を継続しながら、衝突リスクを回避するものである。
しかしながら、夜間や昼であっても霧や雨等のために視界が悪い天候の場合、晴天の場合と比べて、運転者は、自車前方に気を奪われて、自車の周囲に気を配ることが疎かになる。従って、走行中に運転者が気になる移動体を発見できる可能性も低く、また、この技術においては、運転者の確認指示に対して応答するのみであるために、特に、自車の横からの急な飛び出し等に対して十分な対応ができない。
本発明の目的は、夜間や昼であっても悪天候の場合において、急な飛び出しに対応することができる自動運転車を提供することにある。
請求項1の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の明るさを検出する照度検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の数値以下であり、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記映像認識部が上記所定の方向にある移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を画像認識できるように、例えば、減速する。よって、見通しの悪い夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項2の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の明さを検出する照度検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の数値以下であり、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現名及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向にある所定の移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば「左から自転車!」との声を発して運転者に注意を促した場合、その自転車が飛び出しても、上記一致度を下げることにより、迅速な認識が可能となり、走行制御部による早急なブレーキ対応が可能となる。よって、見通しの悪い夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項3の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の明さを検出する照度検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の数値以下であり、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現名及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する上記所定の移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、上記優先的な画像認識処理により、移動体である自転車が自車の左方向に存在する又は接近していることを早急に認識することができる。よって、見通しの悪い夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項4の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の明るさを検出する照度検出部と、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の値以下であり、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記物体検出部が上記所定の方向にある移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、夜間等の暗い道路上を走行中に、例えば、車内の同乗者が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を検出できるように、例えば、減速する。これにより、自車は、自転車を確実に検出した状態となり、その後、さらに自転車が接近すれば、自車は、自動的に停車するようにすることも可能となる。よって、見通しの悪い夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項5の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の視界度を検出する視界検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記視界検出部の検出結果が所定の数値以下であり、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記映像認識部が上記所定の方向にある移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、霧や雨天時等の道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を画像認識できるように、例えば、減速する。よって、見通しの悪い雨天時等の走行における自転車等の飛び出しに対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項6の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の視界度を検出する視界検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記視界検出部の検出結果が所定の数値以下であり、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向にある所定の移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、霧や雨天時等の道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば「左から自転車!」との声を発して運転者に注意を促した場合、その自転車が飛び出しても、上記一致度を下げることにより、迅速な認識が可能となり、走行制御部による早急なブレーキ対応が可能となる。よって、見通しの悪い雨天時等の走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項7の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の視界度を検出する視界検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記視界検出部の検出結果が所定の数値以下であり、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する上記所定の移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、この構成により、霧や雨天時等の道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、上記優先的な画像認識処理により、移動体である自転車が自車の左方向に存在する又は接近していることを早急に認識することができる。よって、見通しの悪い雨天時等の走行における自転車等の飛び出しに対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項8の本発明では、 自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の視界度を検出する視界検出部と、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体について音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記視界検出部の検出結果が所定の値以下であり、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記物体検出部が上記所定の方向にある移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、夜間等の視界の悪い道路上を走行中に、例えば、車内の同乗者が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を検出できるように、例えば、減速する。これにより、自車は、自転車を確実に検出した状態となり、その後、さらに自転車が接近すれば、自車は、自動的に停車するようにすることも可能となる。よって、見通しの悪い夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項9の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されていないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部が上記所定の方向にある移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が交差点に向かって進行中に、路肩に駐車する大型トラックや乗用車又は歩道に積載された荷物等によって、撮像された映像内にて人や自転車等が認識されたものの、一時的に上記大型トラックや歩道上の荷物等によって遮蔽されてしまい、交差点付近にて上記人や自転車が自車の前方に飛び出してきた状況となる場合においても、例えば、「左から自転車(が来た)!」という同乗者の注意を喚起する声を認識することにより、自車は、その自転車を画像認識できるように、例えば、減速する。よって、交差点付近における交通事故を未然に防止することができる。
請求項10の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されていないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表わす表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向にある所定の移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、自車が交差点に向かって進行中に、路肩に駐車する大型トラックや乗用車又は歩道に積載された荷物等によって、撮像された映像内にて人や自転車等が認識されたものの、一時的に上記大型トラックや歩道上の荷物等によって遮蔽されてしまい、交差点付近にて上記人や自転車が自車の前方に飛び出してきた状況となる場合においても、例えば、「左から自転車!」という同乗者の注意を喚起する声を音声認識することにより、その自転車が飛び出しても、上記一致度を下げることにより、迅速な認識が可能となり、走行制御部による早急なブレーキ対応が可能となる。よって、交差点付近における交通事故を未然に防止することができる。
請求項11の本発明では、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現と所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されていないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表わす表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する上記所定の移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、自車が交差点に向かって進行中に、路肩に駐車する大型トラックや乗用車又は歩道に積載された荷物等によって、撮像された映像内にて人や自転車等が認識されたものの、一時的に上記大型トラックや歩道上の荷物等によって遮蔽されてしまい、交差点付近にて上記人や自転車が自車の前方に飛び出してきた状況となる場合においても、例えば、「左から自転車(が来た)!」という同乗者の注意を喚起する声を音声認識すると、上記優先的な画像認識処理により、移動体である自転車が自車の左方向に存在する又は接近していることを早急に認識することができる。よって、交差点付近における交通事故を未然に防止することができる。
請求項12の本発明では、 自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名について音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記物体検出部が上記所定の方向にある移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、見通しの悪い道路上を走行中に、例えば、車内の同乗者が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を検出できるように、例えば、減速する。これにより、自車は、自転車を確実に検出した状態となり、その後、さらに自転車が接近すれば、自車は、自動的に停車するようにすることも可能となる。よって、見通しの悪い道路における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
本発明は、夜間や昼であっても霧、雨等によって視界が悪い状況において、急な飛び出しに対応することができる。
本発明の自動運転車の実施例の回路構成ブロック図である。
本発明の自動運転車の実施例1の動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の実施例2の動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の実施例3の動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の実施例4の動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の実施例5の動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の実施例6の動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
本発明の自動運転車の実施例の走行説明図である。
以下、図面に沿って本発明の自動運転車の各実施例について説明する。尚、本発明は、以下の各実施例に限定されるものではない。
図1を参照して、本発明の自動運転車の実施例における回路ブロック構成について詳細に説明する。尚、本自動運転車は、手動運転及び追従運転を含む自動運転が可能である。
先ず、図1にて、本自動運転車Aは、基本走行における駆動のためのアクセル部11A並びにそのアクセル部により制御されるアクセル制御部11B、操舵を行うステアリング部13A並びにその制御を行うステアリング制御部13B、自車の制動を行うブレーキ部14A並びにその制御を行うブレーキ制御部14B、及び上記アクセル制御部により制御されるエンジン部12を有する。これらアクセル制御部11B及びブレーキ制御部14Bをまとめて、走行制御部と称する。また、本自動運転車Aは、自車の走行方向を表示する方向指示部15を有する。
上述のように、本自動運転車Aは、手動運転機能、自動運転機能、カーナビゲーション機能、追従走行機能等を備える。先ず、カーナビゲーション機能部16は、GPS(Global Positioning System)を利用して自車位置を検知でき、走行中に選択した走行経路に沿って経路案内を後述の車内スピーカ部18及び表示部19により行う。また、本自動運転車Aの自動運転機能については、ECU(Electronic Control Unit)等からなる制御部10がアクセル部11A、ブレーキ部14A、ハンドル(ステアリング部)13A、及び方向指示器部15の運転操作を自動的に実行する。また、運転モード切換部17は、上記手動運転及び自動運転を相互に切り換える。
即ち、本車両は、カーナビ機能部16により走行ルートが設定され、その走行ルートに沿って走行案内を行いながら、周囲の物体との距離を計測する物体検知部27(レーダー部、ソナー、又は複数のカメラ等)、撮像部20及び映像認識部22によって、車線を逸脱せずに、先行車と所定の距離を保ちながら、自動走行又は追従走行をすることができる。
また、撮像部20は、自車前方の映像を取得する。この撮像部20は、撮像範囲を左右及び上下の撮影角度を変えることによって撮像範囲を変更することができる。撮像部20により撮像された映像情報は、映像記憶部21に格納される。映像記憶部21に格納された映像は、映像認識部22によって画像認識される。更に、映像認識部22は、認識された車外の物体との距離を計測することもでき、自車との所定の距離の範囲内に物体が進入したことを検知することもできる。走行制御部は、この検知により自車の駆動及び制動を制御する。
車内マイク部23は、自車A内の同乗者及び運転者の音声を取得する。その取得された音声は、音声認識部24によって音声認識される。更に、照度検出部25は、自車の車外の照度を検出し、所定の値と比較する。視界検出部26は、自車の前方の視界度を検出し、所定の値と比較する。
また、地図情報取得部28は、外部から道路の形状や幅、交差点の長さ、交通信号機の有無、施設の名称等の地図情報を取得する。これらの取得された情報は、記憶部29に格納され記憶される。また、操作部30は、運転者等がカーナビゲーション機能部16、表示部19等の操作を行うものである。更に、制御部10は、上述の各部の制御を行う。尚、上述の構成については、下記の各実施例においても同一であるが、ソフトウエアプログラムの相違があるために、その動作は各実施例において異なる。
(実施例1)本発明の自動運転車の実施例1の動作について、図2の動作フローチャートに沿って詳細に説明する。尚、実施例1の構成については、上述の通りであるので、その説明を省略する。
先ず、図2を参照して、ステップ1にて、運転者は、カーナビゲーション機能部16を操作して、目的地及び経由地を設定し、走行経路を選択して設定する。その後に、運転モード切換部17を操作して、本自動運転車Aの自動運転を開始する(ステップ2)。ステップ3では、照度検出部25が車外の照度を検出し、所定の値と比較する。その比較結果が上記所定の値より低い場合、ステップ4に移行する。尚、晴れた日においても、一時的に曇り、照度が下がる場合もある。図8を参照して、自車Aは、交差点までLの距離に達している状態が図示してあるが、所定の照度以下のために、自転車Wを検出(認識)できていない。
ステップ4では、車内マイク部23から入手した車内の同乗者の音声を音声認識部24が音声認識する。図9を参照して、例えば、上記同乗者が「左から自転車!」と叫んだとすると、音声認識部24は、その方向を表す表現である「左」及び移動体名を表す表現「自転車」を認識する。他の認識可能な表現としては、「右」、「前」、「人」、「子供」、「車」等がある。
次に、図10を参照して、ステップ5では、制御部10は、自車の左方向に位置する自転車を画像認識するように、走行制御部に自車の速度を減速する。その後、ステップ6にて、上記自転車を認識した後、図11を参照して、例えば、自車の走行速度が高速であった場合、先ず、制御部10は、走行制御部によって自車を徐行させ又は停止させる(ステップ7)。また、制御部10は、物体検知部27の検知結果によって、即ち、自転車Wと自車との距離が所定の距離以下となっているか否かによって、自車を徐行させるか又は停止させるかを決定する。尚、ステップ6では、映像認識部22によって移動体を認識することによって、ステップ7に移行しているが、物体検出部27が上記自転車を検出できるように走行制御部が制御されることでもよく、物体検出部27によって自車から所定距離内にて移動体を検出することでステップ7に移行してもよい。更には、物体検出部27の感度を上げてもよい。
(実施例2)次に、本発明の自動運転車の実施例2の動作について、図3の動作フローチャートに沿って詳細に説明する。尚、実施例2の構成については、上述の通りであるので、その説明を省略する。
先ず、図3を参照して、ステップ11からステップ14は、実施例1のステップ1からステップ4までと同一のために、その説明を省略する。よって、次に、図9及び図10を参照して、ステップ15では、撮像部20の撮像範囲を音声認識部24が認識した方向を表す表現である「左」に基づいて左側に寄せ、特定の移動体として「自転車」を認識する。また、ステップ15において、車内スピーカ部18から「急ブレーキ準備!」という音声アナウンスを発することにより、運転者及び同乗者に対して、衝突の衝撃に対して身構える体勢を準備できるために、怪我をする可能性を低くすることもできる。更に、映像認識部22の認識判定について一致率を下げることによって、迅速な認識を行ってもよい。この認識については、撮像部20が撮像する映像において映像範囲の左側から出現する特定された自転車のパターンについて認識判定の一致率(合致率)を下げることにより、迅速な認識が可能となる。
また、映像認識部22は、撮像部20が撮像した映像について、音声認識部24が認識した方向を表す「左」及び移動体の名称である「自転車」に特定して画像認識を行う。即ち、撮像された映像の左側に位置する自転車を優先的に認識する。尚、撮像部20の撮像範囲を左側に寄せて撮像した映像について、映像認識部22が優先的に映像画面の左側の自転車を優先的に画像認識することもできる。図11を参照して、自車Aの映像認識部22が自転車Wを認識すると、自車Aの走行制御部が作動して、自車を徐行又は停車させることになる。尚、このステップ15において、上記自転車Wが自車Aの周囲の所定の範囲に進入することを物体検出部27が検出した場合には、走行制御部が自車を停止させる。ここで、実施例1及び実施例2では、同じ「照度」を基準としているが、自車Aが両方の実施例の動作が可能な場合、実施例1の照度の所定の値(第1の所定の値)よりも実施例2の所定の値(第2の所定の値)の方を低く設定(より暗い値を設定)することにより、運転者がより運転が困難な状況において実施例2の動作が実行されることになる。
(実施例3)本発明の自動運転車の実施例3の動作について、図4の動作フローチャートに沿って詳細に説明する。尚、実施例3の構成については、上述の通りであるので、その説明を省略する。
図4を参照して、ステップ21及びステップ22は、実施例1のステップ1及びステップ2と同一のために、その説明を省略する。よって、次に、ステップ23では、視界検出部26が自車の車外の視界を検出し、所定の値と比較する。その値が上記所定の値より小さい場合、ステップ24に移行する。
ステップ24からステップ27までは、実施例1のステップ4からステップ7と同一のために、その説明を省略する。尚、ステップ26では、映像認識部22によって移動体を認識することによって、ステップ27に移行しているが、物体検出部27が上記自転車を検出できるように走行制御部が制御されることでもよく、物体検出部27によって自車から所定距離内にて移動体を検出することでステップ27に移行してもよい。更には、物体検出部27が上記自転車を検出できるように、物体検出部の感度を上げてもよい。
(実施例4)本発明の自動運転車の実施例4の動作について、図5の動作フローチャートに沿って詳細に説明する。尚、実施例4の構成については、上述の通りであるので、その説明を省略する。
図5を参照して、ステップ31及びステップ32は、実施例1のステップ1及びステップ2と同一のために、その説明を省略する。また、ステップ33は、実施例3のステップ23と同一であり、更に、ステップ34及びステップ35は、実施例2のステップ14及びステップ15と同一のために、その説明を省略する。ここで、実施例3及び実施例4では、同じ「視界度」を基準としているが、自車Aが両方の実施例の動作が可能な場合、実施例3の視界度の所定の値(第1の所定の値)よりも実施例4の所定の値(第2の所定の値)の方を低く設定(より視界が悪い状態の値を設定)することにより、運転者がより運転が困難な状況において実施例4の動作が実行されることになる。
(実施例5)本発明の自動運転車の実施例5の動作について、図6の動作フローチャートに沿って詳細に説明する。尚、実施例5の構成については、上述の通りであるので、その説明を省略する。
図6を参照して、ステップ41及びステップ42は、実施例1のステップ1及びステップ2と同一のために、その説明を省略する。よって、次に、図12を参照して、ステップ43では、自車Aが直前の交差点まで距離Lの地点に達すると、映像認識部22は、撮像部20が撮像した映像にて自車の左側から交差点に向かう自転車Wを認識するが、その後、大型トラックBによってその映像が所定時間以上遮断されること(画像認識が所定時間以上不可となること)により、映像認識部22による上記自転車Wの追従認識処理(一旦認識した移動体の認識処理を移動体を追従しながら継続すること)が一旦停止して、画像認識ができなくなる(図13参照)。
しかしながら、図14を参照して、ステップ44にて、自車の左側にて交差点に向かう(自車に近づく)自転車Wを発見した自車の同乗者が、「左から自転車!」と叫ぶことによって、音声認識部24は、方向を表す表現である「左」及び所定の移動体名である「自転車」を認識する。これによって、映像認識部22の画像認識処理が再開される。
次に、ステップ45からステップ47は、実施例1のステップ5からステップ7の各ステップと同一のために、その説明を省略する。尚、ステップ46では、映像認識部22によって移動体を認識することによって、ステップ47に移行しているが、物体検出部27が上記自転車を検出できるように走行制御部が制御されることでもよく、物体検知部27によって自車から所定距離内にて移動体を検出することでステップ47に移行してもよい。更には、物体検出部27が上記自転車を検出できるように、物体検出部の感度を上げてもよい。
(実施例6)本発明の自動運転車の実施例6の動作について、図7の動作フローチャートに沿って詳細に説明する。尚、実施例6の構成については、上述の通りであるので、その説明を省略する。
図7を参照して、ステップ51及びステップ52は、実施例1のステップ1及びステップ2と同一のために、その説明を省略する。また、ステップ53は、実施例5のステップ43と同一のために、その説明を省略する。更に、ステップ54及びステップ55は、実施例2のステップ14及びステップ15と同一のために、その説明を省略する。ここで、実施例5及び実施例6では、同じ認識不可である遮蔽の「所定の時間」を基準としているが、自車Aが両方の実施例の動作が可能な場合、実施例5の所定の時間(第1の所定の時間)よりも実施例6の所定の時間(第2の所定の時間)の方を長く設定することにより、実施例6の動作が実行されることになる。
本発明は、人的操作を必要としない走行が可能な自動運転車に係り、自動車事故を未然に防止できる技術のために、高い産業上の利用可能性を有する。
20 撮像部
22 映像認識部
23 車内マイク部
24 音声認識部
25 照度検出部
26 視界検出部
請求項1の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記映像認識部が上記所定の方向に存在する移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者等が「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を画像認識できるように、減速又は加速する。即ち、上記所定の方向に存在する移動体を早急に認識することにより、例えば、見通しの悪い交差点での夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前にかつ即座に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項2の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車において、車外の明さを検出する照度検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の値以下であり、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現名及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向に存在する移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者等が「左から自転車!」との声を発して運転者に注意を促した場合、その自転車が飛び出しても、上記一致度を下げることにより、所定の方向に存在する移動体について迅速な認識が可能となり、走行制御部による早急なブレーキ対応が可能となる。よって、見通しの悪い交差点付近の夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項3の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車において、車外の明さを検出する照度検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の値以下であり、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現名及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者等が「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、認識対象となる複数の移動体においても上記所定の方向にある移動体についての優先的な画像認識処理により、上記所定の方向にある移動体(自転車)が自車の左方向に存在する又は接近していることを早急に認識することができる。よって、見通しの悪い交差点付近の夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項4の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車において、車外の明るさを検出する照度検出部と、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記照度検出部の検出結果が所定の値以下であり、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記物体検出部が上記所定の方向に存在する移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、夜間等の暗い道路上を走行中に、車内の同乗者が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を検出できるように、減速又は加速する。これにより、上記所定の方向にある移動体(自転車)を確実に検出した後、さらに自転車が接近すれば、自車は、自動的に停車するようにすることも可能となる。よって、見通しの悪い交差点付近の夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項5の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体を音声認識した場合、上記物体検出部が上記所定の方向に存在する移動体を検出できるように上記物体検出部の検出感度を上げるように制御する制御部と、を有する。
この構成により、例えば、霧や雨天時等の道路上を走行中に、車内の同乗者等が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、その自転車を画像認識できるように、物体検出部の検出感度を上げる。よって、所定の方向に存在する移動体を即座に検出し、認識することができる。従って、見通しの悪い雨天時等の交差点付近の走行における自転車等の飛び出しに対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項6の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向に存在する移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、霧や雨天時等の道路上を走行中に、車内の同乗者等が、例えば「左から自転車!」との声を発して運転者に注意を促した場合、その自転車が飛び出しても、上記認識判定の一致度を下げることにより、上記所定の方向に存在する移動体について迅速な認識が可能となり、走行制御部による早急なブレーキ対応が可能となる。よって、見通しの悪い雨天時等の交差点付近の走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項7の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、霧や雨天時等の道路上を走行中に、車内の同乗者等が「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、認識の対象となる複数の移動体において、上記所定の方向の移動体についての優先的な画像認識処理により、移動体である自転車が自車の左方向に存在する又は左から接近していることを早急に認識することができる。よって、見通しの悪い雨天時等の交差点付近での走行における自転車等の飛び出しに対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項8の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、車外の視界度を検出する視界検出部と、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記視界検出部の検出結果が所定の値以下であり、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体を音声認識した場合、上記物体検出部が上記所定の方向に存在する移動体を検出できるように上記物体検出部の検出感度を上げるように制御する制御部と、を有する。
この構成により、例えば、夜間等の視界の悪い道路上を走行中に、車内の同乗者が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、巣所定の方向に存在する移動体(自転車)を検出できるように、制御部は、物体検出部の検出感度を上げる。これにより、上記所定の方向に存在する移動体(自転車)を早急に検出できることになる。よって、見通しの悪い交差点付近の夜間走行における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項9の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車において、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部が上記所定の方向に存在する移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が交差点に向かって進行中に、路肩に駐車する大型トラックや乗用車又は歩道に積載された荷物等によって、撮像された映像内にて人や自転車等が認識されたものの、一時的に上記大型トラックや歩道上の荷物等によって遮蔽されてしまい、交差点付近にて上記人や自転車が自車の前方に飛び出してきた状況となる場合においても、例えば、「左から自転車(が来た)!」という同乗者の注意を喚起する声を認識することにより、自車は、上記所定の方向に存在する移動体(自転車)を画像認識できるように、例えば、減速又は加速する。よって、交差点付近における交通事故を未然に防止することができる。
この構成により、自車が交差点に向かって進行中に、路肩に駐車する大型トラックや乗用車又は歩道に積載された荷物等によって、撮像された映像内にて人や自転車等が認識されたものの、一時的に上記大型トラックや歩道上の荷物等によって遮蔽されてしまい、交差点付近にて上記人や自転車が自車の前方に飛び出してきた状況となる場合においても、例えば、「左から自転車!」という同乗者の注意を喚起する声を音声認識することにより、その自転車が飛び出しても、上記一致度を下げることにより、上記所定の方向に存在する移動体(自転車)について迅速な認識が可能となり、走行制御部による早急なブレーキ対応が可能となる。よって、交差点付近における交通事故を未然に防止することができる。
請求項10の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表わす表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向に存在する移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
請求項11の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車において、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表わす表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、自車が交差点に向かって進行中に、路肩に駐車する大型トラックや乗用車又は歩道に積載された荷物等によって、撮像された映像内にて人や自転車等が認識されたものの、一時的に上記大型トラックや歩道上の荷物等によって遮蔽されてしまい、交差点付近にて上記人や自転車が自車の前方に飛び出してきた状況となる場合においても、例えば、「左から自転車(が来た)!」という同乗者の注意を喚起する声を音声認識すると、上記所定の方向に存在する移動体についての優先的な画像認識処理により、移動体である自転車が自車の左方向に存在する又は接近していることを早急に認識することができる。よって、交差点付近における交通事故を未然に防止することができる。
請求項12の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、を有し、設定された走行経路に沿って自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び所定の移動体名を音声認識した場合、上記物体検出部が上記所定の方向に存在する移動体を検出できるように前記物体検出部の検出感度を上げるように制御する制御部と、を有する。
この構成により、例えば、見通しの悪い道路上を走行中に、車内の同乗者が、「左から自転車(が来た)!」との声を発して運転者に注意を促した場合、自車は、上記所定の方向に存在する移動体(自転車)を早急に検出できるように、例えば、減速又は加速する。これにより、上記所定の方向に存在する移動体(自転車)を即座に検出した後、さらに自転車が接近すれば、自車は、自動的に停車するようにすることも可能となる。よって、見通しの悪い道路における自転車等の飛び出し等に対して事前に対応でき、交通事故を未然に防止することができる。
請求項1の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、当該音声認識部が上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記映像認識部が上記音声認識された所定の種類の移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「自転車」と叫んだ場合、その音声を認識して、その自転車に限定された範囲について、画像認識されることにより、上記限定された範囲における画像認識が行われるために、短時間での迅速な画像認識が可能となり、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項2の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記音声認識部が上記所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「自転車」と叫んだ場合、その音声を認識して、その自転車に限定された範囲について、認識判定の一致度を下げて、画像認識されることにより、画像認識の速度が速くなり、短時間での画像認識が可能となり、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項3の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記音声認識部が上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記撮像部が撮像した複数の移動体のうち上記所定の種類の移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「自転車」と叫んだ場合、その音声を認識して、その自転車に限定された範囲について、優先的に画像認識されることにより、短時間での迅速な画像認識が可能となり、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項4の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、当該音声認識部が上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記物体検出部が上記所定の種類の移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「自転車」と叫んだ場合、その音声を認識して、その自転車に限定された範囲について物体検出部が当該移動体である自転車を検出できるように自車の走行速度を制御することによって、制御された走行速度で上記限定された範囲における物体検出を行うために、迅速な物体検知が行われ、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項5の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記映像認識部が上記所定の方向にある上記所定の種類の移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「左から自転車!」と叫んだ場合、その音声を認識して、その方向におけるその自転車に限定された範囲について、画像認識されることにより、上記限定された範囲における画像認識が行われるために、短時間での迅速な画像認識が可能となり、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項6の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記所定の方向にある所定の種類の移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「左から自転車!」と叫んだ場合、その音声を認識して、その方向におけるその自転車に限定された範囲について、認識判定の一致度を下げて、画像認識されることにより、画像認識の速度が極めて速くなり、短時間での画像認識が可能となり、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項7の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、上記音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の方向に存在する上記撮像部が撮像した複数の移動体のうち上記所定の種類の移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「左から自転車!」と叫んだ場合、その音声を認識して、その方向におけるその自転車に限定された範囲について、優先的に画像認識されることにより、極めて短時間での画像認識が可能となり、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項8の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、自車内部の音声について所定の方向を表す表現及び所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車の自動走行中にて、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び上記所定の種類の移動体を音声認識した場合、上記走行制御部に、上記物体検出部が上記所定の方向にある移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
この構成により、自動運転車の自動運転中にて、車内の運転者又は同乗者が、例えば、「左から自転車!」と叫んだ場合、その音声を認識して、その方向におけるその自転車に限定された範囲について物体検出部が当該移動体である自転車を検出できるように自車の走行速度を制御することによって、制御された走行速度で上記限定された範囲における物体検出を行うために、極めて短時間で物体検知が行われ、飛び出し等の交通事故を未然に防止できる。
請求項9の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の種類の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の方向を表す表現及び上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部が上記所定の種類の移動体を画像認識できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。
請求項10の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の種類の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の移動体名を音声認識した場合、上記所定の種類の移動体について上記映像認識部の認識判定の一致度を下げさせる制御部と、を有する。
請求項11の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の種類の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の種類の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記映像認識部に上記所定の種類の移動体の画像認識を優先的に行わせる制御部と、を有する。
請求項12の本発明においては、自車の走行速度及び停止を制御する走行制御部と、自車周囲の映像を撮像する撮像部と、当該撮像部の映像について所定の物体を画像認識する映像認識部と、自車の周囲の所定範囲内の物体の有無を検出する物体検出部と、を有し、少なくとも上記撮像部が撮像した映像に基づいて自動的に走行が可能な自動運転車であって、自車内部の音声について所定の移動体名を音声認識する音声認識部と、自車が直前の交差点に所定の距離だけ接近した後に上記映像認識部が認識した上記交差点方向に向かう所定の種類の移動体が所定の時間以上認識されないことを検出し、当該音声認識部が上記所定の種類の移動体名を音声認識した場合、上記物体検出部が上記所定の種類の移動体を検出できるように自車の走行速度を制御させる制御部と、を有する。