JP2021164471A - プライマー伸長によるスライドガラス上での染色 - Google Patents

プライマー伸長によるスライドガラス上での染色 Download PDF

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Samusik Nikolay
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Goltsev Yury
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Abstract

【課題】平面試料を分析するための、異なる相補性部位を認識する複数の捕捉剤を含む捕捉剤組成物を提供する。
【解決手段】(i)複数の検出試薬であって、当該複数の検出試薬の各検出試薬が、第1の核酸鎖に結合した捕捉剤及び前記第1の核酸鎖にハイブリダイズした第2の核酸鎖を含み、
前記第1または第2の核酸鎖の5’末端または3’末端が、他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能であり、
前記伸長可能な末端の直下流の前記鋳型が前記複数の検出試薬のそれぞれに対して異なり、かつ、
前記複数の検出試薬のおのおのが異なる相補性部位を認識する、複数の検出試薬;
(ii)平面試料;及び
(iii)化学的架橋剤を含む捕捉剤組成物であって、
前記化学的架橋剤が、前記複数の検出試薬を前記平面試料に架橋する、捕捉剤組成物。
【選択図】図1

Description

連邦支援の研究に関する記述
本発明は、国防総省によって授与された契約W81XWH−12−1−0591ならびに国立衛生研究所によって授与された契約GM104148及びHHSN268201000034Cのもとで政府の支援によってなされた。政府は本発明の特定の権利を有する。
相互参照
本特許出願は、その特許出願が全体として参照によって本明細書に組み入れられる2014年6月23日に出願された米国仮出願第62/015,799号及び2014年12月4日に出願された米国本出願番号14/560,921号の利益を主張する。
単一細胞の抗原のサイトメトリーについて今までのところ、いくつかの主要なアプローチが使用されている。中でも最も評判が良いのは、単一細胞のPCR、蛍光活性化フローサイトメトリー、質量サイトメトリー、及び単一細胞の配列決定である。これら(蛍光及び質量に基づくサイトメトリー)のアプローチは、検体(この場合、細胞)当たり100を超えるパラメータの多重化レベルを突破できないことで、または高い処理能力(単一細胞の配列決定)を達成できないことで制限される。また、これらの方法は、保管された組織及びスライドガラス上の試料の細胞多重化分析を可能にするのに適さない、または可能にするように容易に改変されない。
本明細書で開示されているのは、DNAによる捕捉剤の標識とその後のプライマー伸長によるこのDNAの検出に基づく捕捉剤検出についてのいくつかの関連する方法である。
平面試料を分析する方法が提供される。特定の実施形態では、該方法は、(a)標識された試料を生じるような方法で捕捉剤(例えば、抗体またはオリゴヌクレオチドプローブ)によって平面試料(例えば、組織切片)を標識することであって、(i)捕捉剤は第1の鎖と第2の鎖を含む二本鎖核酸に結合され、かつ(ii)第1の鎖または第2の鎖のいずれかの3’末端または5’末端が他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能である、標識することと、(b)標識された試料と(i)ポリメラーゼ及びヌクレオチドミックスとを、及び/または(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼと、を接触させ、それによって二本鎖核酸の鎖の一方に1つまたは複数のヌクレオチド及び/または1つの標識されたオリゴヌクレオチドを付加することと、(c)蛍光顕微鏡を用いて、1つまたは複数のヌクレオチド及び/またはオリゴヌクレオチドを二本鎖核酸の鎖の一方に付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取り、それによって捕捉剤の平面試料への結合のパターンを示す画像を作製することと、を含んでもよい。
本方法は種々の異なる方式で実施されてもよい。例えば、一部の実施形態では、工程(b)は、標識された試料と、ポリメラーゼ、及び蛍光ヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって、二本鎖核酸の鎖の一方(すなわち、どちらの鎖が伸長可能な3’末端を有するにしても上の鎖または下の鎖)に蛍光ヌクレオチドを付加することを含んでもよく、かつ、工程(c)は、二本鎖核酸の鎖の一方(すなわち、どちらの鎖が伸長可能な3’末端を有するにしても上の鎖または下の鎖)に蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含んでもよい。この実施形態では、蛍光シグナルは、(i)付加されたヌクレオチドから直接放射されてもよく、(ii)鎖の一方の3’末端に付加される2つの蛍光ヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよく、または(iii)第1の付加される蛍光ヌクレオチド(すなわち、鎖の一方に付加されている蛍光ヌクレオチド)と鎖の一方にすでに存在する第2の蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよい。
代替の実施形態では、工程(b)は、標識された試料とリガーゼ及び標識されたオリゴヌクレオチドとを接触させ、それによって標識されたオリゴヌクレオチドを二本鎖核酸の鎖の一方の3’または5’末端に付加することを含み、かつ工程(c)は、標識されたオリゴヌクレオチドを二本鎖核酸の鎖の一方へライゲーションすることによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含む。場合によっては、伸長可能な3’末端がポリメラーゼによって伸長され、標識されたオリゴヌクレオチドにライゲーションされてもよい。これらの実施形態では、蛍光シグナルは、(i)付加されたヌクレオチドから直接放射されてもよく、(ii)鎖の一方に付加される2つの蛍光ヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよく、または(iii)鎖の一方に付加される第1の蛍光ヌクレオチドと他方の鎖にすでに存在する第2の蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよい。
一部の実施形態では、鎖の一方の伸長は、第1の鎖から下流の、他の鎖とハイブリッド形成する消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去する。
一部の実施形態では、第1の鎖は、ローリングサークル増幅(RCA)の産物であり、第2の鎖はRCA産物における複数の部位とハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドを含む。
他の実施形態では、第1の鎖はオリゴヌクレオチドであり、第2の鎖は第1のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する第2のオリゴヌクレオチドである。これらの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、鋳型として他方のオリゴヌクレオチドを用いて第1の鎖のオリゴヌクレオチドの3’末端が伸長可能であるように5’オーバーハングを生じるように設計されてもよい。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、鋳型として他方のオリゴヌクレオチドを用い、ライゲーションによって第1の鎖のオリゴヌクレオチドの5’末端が伸長可能であるように3’オーバーハングを生じるように設計されてもよい。
任意の実施形態では、平面試料は組織切片、例えば、ホルマリン固定され、パラフィン包埋された(FFPE)組織切片であってもよい。
二本鎖核酸に連結される捕捉剤であって、(i)二本鎖核酸は第1の鎖と第2の鎖とを含み、(ii)捕捉剤は第1の鎖に連結され、(iii)鋳型として他方の鎖を用いて第1の鎖または第2の鎖の3’末端または5’末端が伸長可能である、捕捉剤もまた提供される。
また提供されるのは、異なる相補性部位を認識する複数の捕捉剤を含む捕捉剤組成物であって、捕捉剤のそれぞれは第1の鎖と第2の鎖とを含む二本鎖核酸に結合され、捕捉剤は第1の鎖によって二本鎖核酸に連結され、鋳型として他方の鎖を用いて第1の鎖または第2の鎖の3’末端または5’末端が伸長可能であり、伸長可能な末端の直下流の鋳型が捕捉剤のそれぞれについて異なる。これらの実施形態では、第1の鎖の配列は捕捉剤のそれぞれについて同一であり、第2の鎖の配列は捕捉剤のそれぞれについて異なる。
可逆的なターミネータを使用する実施形態(「可逆的ターミネータ」のアプローチ)では、伸長可能な3’末端での鋳型に直接隣接する鋳型は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5の残基)が任意で後に続く式3’−N4n/N/N−5’のものであってもよく、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは0、1以上である。場合によっては、集団はヌクレオチドN、N、及びNの単一ヌクレオチドのオーバーハングを含有し、またはオーバーハングの集団は、配列、3’−N−5’、3’−N−5’及び3’−N−5’の2つのヌクレオチドのオーバーハング、任意で配列、3’−N−5’,3’−N−5’及び3’−N−5’のオーバーハング等(例えば、配列、3’−N−5’、3’−N−5’及び3’−N−5’の4つのヌクレオチドのオーバーハング)を含む。これらの式のいずれかによって定義される配列を有するオリゴヌクレオチドまたはRCA産物の集団も提供される。RCAの実施形態では、配列は、RCA産物の各反復で見いだされてもよい。
これらの実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、さらに一般的な式3’−XN/N/N−5’のものであってもよく、式中、N、N、NはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、Xは、無作為な組成及び長さの塩基Xi(XiがG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであるような)のヌクレオチドのストレッチである。場合によっては、集団は、配列、3’−X−5’、3’−X−5’及び3’−X−5’の2つのヌクレオチドのオーバーハング、任意で配列、3’−N−5’、3’−N−5’及び3’−N−5’のオーバーハング等(例えば、配列、3’−N−5’、3’−N−5’及び3’−N−5’の4つのヌクレオチドのオーバーハング)を含んでもよい。多くの実施形態では、この集団はさらに、ヌクレオチドN、N、及びNの単一ヌクレオチドのオーバーハングを含有する。これらの式のいずれかによって定義される配列を有するオリゴヌクレオチドまたはRCA産物の集団も提供される。RCAの実施形態では、配列は、RCA産物の各反復で見いだされてもよい。
「欠落塩基」のアプローチに依存する実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5の残基)が任意で後に続く式3’−YN/N−5’のものであってもよく、式中、Yは塩基N及びNで構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列であり、オーバーハングの開始から数えてヌクレオチドNは奇数の位置にあり、ヌクレオチドNは偶数の位置にあり、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。例えば、場合によっては、集団は、配列、3’−N−5’及び3’−N−5’または任意で3’−N−5’及び3’−N−5’または3’−N−5’及び3’−N−5’の5’オーバーハングを含んでもよく、任意で、配列、3’−N−5’及び3’−N−5’等のオーバーハング(例えば、配列、3’−N−5’及び3’−N−5’及び次いで3’−N−5’及び3’−N−5’のオーバーハング)を含んでもよい。これらの式のいずれかによって定義される配列を有するオリゴヌクレオチドまたはRCA産物の集団も提供される。RCAの実施形態では、配列は、RCA産物の各反復で見いだされてもよい。
これらの実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、さらに一般的な式3’−YN/N−5’のものであってもよく、式中、Yは、N−ストレッチの整列番号が奇数となり、Nストレッチの整列番号が偶数となるように塩基N及びNの交互に無作為な長さのストレッチから構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列であり、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。例えば、集団は、配列、3’−N−5’及び3’−N−5’、または任意で3’−N−5’及び3’−N−5’もしくは3’−N−5’及び3’−N−5’のオーバーハングを含んでもよく、任意で配列3’−N−5’及び3’−NN−5’等のオーバーハングを含んでもよい。これらの式のいずれかによって定義される配列を有するオリゴヌクレオチドまたはRCA産物の集団も提供される。RCAの実施形態では、配列は、RCA産物の各反復で見いだされてもよい。
組織試料を分析する方法も提供される。これらの実施形態では、本方法は、(a)上述の捕捉剤組成物で平面試料を標識することと、(b)標識された試料と(i)ポリメラーゼ及び不完全なヌクレオチドミックスまたは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させること、かつ/または(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させることと、(c)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部にヌクレオチドまたは標識されたオリゴヌクレオチドを添加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることと、を含んでもよい。
これらの実施形態では、本方法は、(c)平面試料とポリメラーゼ、及び(i)N、N及びNに相補性である蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックス、または(ii)N及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド、Nに相補性である非標識のヌクレオチドを含み、かつNに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって、捕捉剤すべてではないが一部の二本鎖核酸に蛍光ヌクレオチドを付加することと、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではないが一部に蛍光ヌクレオチドを添加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることと、を含んでもよい。
一部の実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は式3’−N4n/N/Nのものであり、式中、N、N、N及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上であり、工程(c)は平面試料と、ポリメラーゼ、ならびにN、N、及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド、ならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させることを含む。
一部の実施形態では、本方法はさらに、(e)蛍光ヌクレオチドを不活化すること、可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護すること、及び試料をブロッキングすることと、(f)工程(c)及び(d)を反復することとを含んでもよい。場合によっては、工程(f)は工程(c)、(d)及び(e)を複数回反復することを含んでもよい。
一部の実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5のヌクレオチド)が任意で後に続く式3’−YN/N−5’のものであってもよく、式中、Yは塩基N及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N及びNはG、A、T及びCから選択される異なるヌクレオチドである。
これらの実施形態では、本方法は、(e)蛍光シグナルを不活化し、平面試料とポリメラーゼ、及びNに相補性である非標識のヌクレオチドとを接触させることと、(f)工程(c)及び(d)を反復することと、を含んでもよい。場合によっては、工程(f)は工程(c)、(d)及び(e)を複数回反復することを含んでもよい。
代替の実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドはそれぞれ、第1の鎖の下流の第2の鎖とハイブリッド形成された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを含み、蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドは消光剤を含み、第1の鎖の伸長は消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤を除去し、それによって捕捉剤のすべてではなく一部について蛍光シグナルを生成する。
他の実施形態では、捕捉剤は、非標識であるか、またはFRETアクセプター蛍光色素分子で標識することができる一本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。そのような一本鎖オリゴヌクレオチドは、非標識の塩基またはFRET励起蛍光色素分子で標識された塩基によって伸長されることになる相補性のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する専用の配列を組み込み、それによって捕捉剤のすべてではなく一部について蛍光シグナルを生成する。
一部の実施形態では、平面試料を分析する方法。一部の実施形態では、本方法は、(a)平面試料を捕捉剤で標識して標識された試料を作製することであって、(i)捕捉剤は第1の鎖と第2の鎖とを含む二本鎖核酸に結合され、かつ(ii)第1の鎖または第2の鎖のいずれかの3’末端または5’末端が鋳型としての他方の鎖を用いて伸長可能である、作製することと、(b)標識された試料と、(i)ポリメラーゼ及び複数のヌクレオチド、ならびに/または(ii)標識された1つのオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させ、それによって複数のヌクレオチドの1つもしくは複数のヌクレオチド及び/または標識された1つのオリゴヌクレオチドを二本鎖核酸の鎖の一方の末端に付加することと、(c)二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に1つまたは複数ヌクレオチド及び/または標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取ることと、を含む。一部の実施形態では、シグナルは蛍光シグナルであってもよい。一部の実施形態では、読み取ることは蛍光顕微鏡を含んでもよい。任意の実施形態、本方法は、平面試料への捕捉剤の結合のパターンを示す画像を作製することをさらに含んでもよい。
任意の実施形態では、工程(b)は標識された試料と、ポリメラーゼ及び蛍光ヌクレオチドを含む複数のヌクレオチドとを接触させ、それによって二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に蛍光ヌクレオチドを付加することを含んでもよく、工程(c)は、二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含む。これらの実施形態では、蛍光シグナルは、(i)付加されたヌクレオチドから直接放射されてもよく、(ii)二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に付加される複数の蛍光ヌクレオチドのうちの2つの蛍光ヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよく、または(iii)付加された蛍光ヌクレオチドと二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に存在する第2の蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよい。
任意の実施形態では、本方法の工程(b)は、標識された試料と、リガーゼ及び標識されたオリゴヌクレオチドとを接触させ、それによって標識されたオリゴヌクレオチドを二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に付加することを含んでもよく、かつ工程(c)は、二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含む。この実施形態では、蛍光シグナルは、(i)付加された標識されたヌクレオチドから直接放射されてもよく、(ii)二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に付加される2つの標識されたヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよく、または(iii)二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方に付加される標識されたヌクレオチドと他方の鎖に存在する第2の標識されたヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよい。これらの実施形態では、標識されたヌクレオチドは蛍光ヌクレオチドを含んでもよい。
任意の実施形態では、二本鎖核酸の第1の鎖または第2の鎖の一方の伸長は、第1の鎖の下流の、他方の鎖とハイブリッド形成する消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去してもよい。
任意の実施形態では、二本鎖核酸の第1の鎖はローリングサークル増幅(RCA)の産物であってもよく、二本鎖核酸の第2の鎖はRCA産物における複数の部位とハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドを含む。
任意の実施形態では、二本鎖核酸の第1の鎖は第1のオリゴヌクレオチドであってもよく、二本鎖核酸の第2の鎖は第1のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する第2のオリゴヌクレオチドである。
任意の実施形態では、平面試料は、ホルマリン固定され、パラフィン包埋された(FFPE)切片であってもよい。
任意の実施形態では、捕捉剤は、抗体、アプタマーまたはオリゴヌクレオチドプローブであってもよい。
二本鎖核酸に連結される捕捉剤も提供される。一部の実施形態では、(i)二本鎖核酸は第1の鎖と第2の鎖とを含み、(ii)捕捉剤は第1の鎖に連結され、(iii)第1の鎖または第2の鎖のいずれかの5’末端または3’末端は鋳型として他方の鎖を用いて伸長することができる。
それぞれ異なる相補性部位を認識する複数の捕捉剤を含む捕捉剤組成物もまた提供される。これらの実施形態では、複数の捕捉剤のそれぞれは、第1の鎖と第2の鎖とを含む二本鎖核酸に結合されてもよく、第1または第2の鎖の5’末端または3’末端は鋳型として他方の鎖を用いて伸長可能であってもよく、伸長可能な末端の直下流の鋳型は複数の捕捉剤のそれぞれについて異なってもよい。これらの実施形態では、第1の鎖の配列は複数の捕捉剤のそれぞれについて同一であってもよく、かつ第2の鎖の配列は複数の捕捉剤のそれぞれについて異なってもよい。
一部の実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は式3’−N4n/N/Nのものであってもよく、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上である。
一部の実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続く式3’−YN/N−5’のものであってもよく、式中、YはN及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N及び、NはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。
平面試料を分析する方法が提供される。この方法は、(a)上記で要約された捕捉剤組成物で平面試料を標識することと、(b)標識された試料と、(i)ポリメラーゼ及び不完全なヌクレオチドミックスまたは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスのいずれかとを接触させ、それによって複数の捕捉剤にヌクレオチドを付加すること、かつ/または(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させ、それによって複数の捕捉剤に標識されたオリゴヌクレオチドを付加することと、(c)複数の捕捉剤のすべてではなく一部にヌクレオチドまたは標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取ることを含んでもよい。これらの実施形態では、シグナルは蛍光シグナルであってもよい。一部の実施形態では、読み取ることは蛍光顕微鏡によって実施されてもよい。
一部の実施形態では、本方法は、(b)平面試料と、ポリメラーゼ、及び(i)N、N、及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックス、または(ii)N及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチド、Nに相補性である非標識のヌクレオチドを含み、Nに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスと、を接触させ、それによって複数の捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖核酸に蛍光ヌクレオチドを付加することと、(c)蛍光顕微鏡を用いて、複数の捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖核酸に蛍光ヌクレオチドを付加すること生成される蛍光シグナルを読み取ることとによって実施されてもよい。これらの実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、式3’−N4n/N/Nのものであってもよく、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上であり、工程(b)は、平面試料と、ポリメラーゼならびにN、N、及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させることを含む。これらの実施形態では、本方法はさらに、(d)蛍光シグナルを不活化することと、(e)任意で可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護することと、(f)試料をブロッキングすることと、(g)工程(b)及び(c)を反復することと、を含んでもよい。一部の実施形態では、工程(g)は工程(b)〜(f)を複数回反復することを含んでもよい。
一部の実施形態では、伸長可能な3’末端に直接隣接する鋳型は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続く式3’−YN/N−5’のものであってもよく、式中、YはN及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。これらの実施形態では、本方法はさらに、(d)蛍光シグナルを不活化することと、(e)平面試料と、ポリメラーゼ、及びNに相補性である非標識のヌクレオチドとを接触させることと、(f)工程(b)及び(c)を反復することとを含んでもよい。場合によっては、工程(f)は工程(b)〜(e)を複数回反復することを含んでもよい。
一部の実施形態では、二本鎖核酸はそれぞれ、第1の鎖から下流の第2の鎖とハイブリッド形成される蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを含み、蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドは消光剤を含み、第1の鎖の伸長は、消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤を除去し、それによって複数の捕捉剤のすべてではなく一部について蛍光シグナルを生成する。
一部の実施形態では、二本鎖核酸の伸長は、平面試料と、標識されたオリゴヌクレオチドと非標識のオリゴヌクレオチドとの混合物及びリガーゼとを接触させることを含む。
任意の実施形態では、複数の捕捉剤は、抗体、アプタマー、及びオリゴヌクレオチドプローブからなる群から選択されてもよい。
キットも提供される。これらの実施形態では、キットは、(a)平面試料における相補性部位に特異的に結合することができる1つまたは複数の捕捉剤と、(b)第1の鎖と第2の鎖を含む1つまたは複数の二本鎖核酸とを含んでもよく、1つまたは複数の捕捉剤のそれぞれは二本鎖核酸に結合され、第1の鎖または第2の鎖のいずれかの5’末端または3’末端は他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能である。一部の実施形態では、キットはさらに、ポリメラーゼまたはリガーゼを含んでもよい。一部の実施形態では、キットはさらに蛍光ヌクレオチド、非標識のヌクレオチド、及び可逆的ターミネータヌクレオチドの少なくとも1つを含むヌクレオチドミックスを含んでもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の捕捉剤は、抗体、アプタマー、及びオリゴヌクレオチドプローブからなる群から選択されてもよい。
一部の態様では、平面試料を分析する方法が提供される。場合によっては、本方法は、捕捉剤が平面試料の相補性部位に特異的に結合する条件下で、平面試料を捕捉剤とインキュベートすることを含む。場合によっては、捕捉剤は第1の鎖と第2の鎖を含む二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。場合によっては、第1の鎖の3’末端は第2の鎖の5’末端と比較して陥凹しており、それによってオーバーハングが生じる。場合によっては、本方法は、平面試料とポリメラーゼ及び複数のヌクレオチドとを接触させ、それによってオーバーハングに複数のヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドを付加することを含む。場合によっては、本方法は、オーバーハングに1つまたは複数のヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取ることを含む。場合によっては、複数のヌクレオチドは複数の蛍光ヌクレオチドを含む。場合によっては、複数のヌクレオチドの蛍光ヌクレオチドがオーバーハングに付加される。場合によっては、シグナルは蛍光シグナルを含む。場合によっては、蛍光シグナルはオーバーハングに付加された蛍光ヌクレオチドから直接放射される。他の場合では、複数の蛍光ヌクレオチドのうちの2つがオーバーハングに付加される。この例では、蛍光シグナルは、オーバーハングに付加された複数の蛍光ヌクレオチドのうちの2つの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルである。代替の例では、蛍光シグナルは、オーバーハングに付加された複数の蛍光ヌクレオチドに由来する蛍光ヌクレオチドと第2の鎖に存在する蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルである。場合によっては、第1の鎖の伸長は、第1の鎖から下流の、第2の鎖とハイブリッド形成する消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去する。場合によっては、平面試料はホルマリン固定され、パラフィン包埋された(FFPE)切片である。場合によっては、捕捉剤は第1の鎖の5’末端によって二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。他の場合では、捕捉剤は第2の鎖の3’末端によって二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。場合によっては、本方法はさらに捕捉剤を平面試料に架橋することを含む。場合によっては、読み取ることは蛍光顕微鏡を含む。場合によっては、本方法はさらに、平面試料への捕捉剤の結合のパターンを示す画像を作製することを含む。場合によっては、複数のヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドがプライマー伸長によってオーバーハングに付加される。場合によっては、捕捉剤は、抗体、アプタマー、またはオリゴヌクレオチドプローブである。
一部の態様では、平面試料の異なる相補性部位に特異的に結合する複数の捕捉剤を含む組成物が提供される。場合によっては、複数の捕捉剤のそれぞれが第1の鎖と第2の鎖とを含む二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。場合によっては、二本鎖オリゴヌクレオチドのそれぞれにおける第1の鎖の3’末端は第2の鎖の5’末端と比較して陥凹しており、それによってオーバーハングが生じる。場合によっては、オーバーハングは複数の捕捉剤のそれぞれについて異なる。場合によっては、複数の捕捉剤のそれぞれは第1の鎖の5’末端によって二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。他の場合では、複数の捕捉剤のそれぞれは第2の鎖の3’末端によって二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される。場合によっては、第1の鎖の配列は複数の捕捉剤のそれぞれに対して同一であり、第2の鎖の配列は複数の捕捉剤のそれぞれに対して異なる。場合によっては、オーバーハングは、式3’−N4nN1/N2/N3のものであり、式中、N1、N2、N3、及びN4はG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上である。他の場合では、オーバーハングは、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために第1の鎖の5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続く式3’−YN1/N2−5’のものであってもよく、式中、YはN3及びN4の交互のストレッチで構成され、N1、N2、N3、及びN4はG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。場合によっては、Yは長さnのヌクレオチド配列であり、nは0、1以上である。場合によっては、N3ストレッチの整列番号は奇数であり、N4ストレッチの整列番号は偶数である。場合によっては、平面試料はホルマリン固定され、パラフィン包埋された切片(FFPE)である。場合によっては、複数の捕捉剤は抗体、アプタマー、またはオリゴヌクレオチドプローブである。
一部の態様では、平面試料を分析する方法が提供される。場合によっては、本方法は、複数の捕捉剤のそれぞれが平面試料の異なる相補性部位に特異的に結合する条件下で、平面試料を上述の組成物とインキュベートすることを含む。場合によっては、本方法は、平面試料と、ポリメラーゼ及び複数のヌクレオチドとを接触させ、それによって、複数の捕捉剤のすべてではなく一部のオーバーハングに複数のヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドを付加することを含む。場合によっては、本方法は、複数の捕捉剤のすべてではなく一部のオーバーハングに複数のヌクレオチドに由来する1つまたは複数のヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取ることを含む。場合によっては、本方法はさらに複数の捕捉剤を平面試料に架橋することを含む。場合によっては、複数のヌクレオチドは不完全なヌクレオチドミックスまたは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスを含む。場合によっては、シグナルは蛍光シグナルを含む。場合によっては、読み取ることは蛍光顕微鏡を含む。場合によっては、本方法はさらに平面試料への複数の捕捉剤の結合のパターンを示す画像を作製することを含む。場合によっては、複数のヌクレオチドは、(i)N1、N2、及びN3に相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにN4に相補性である可逆的ターミネータヌクレオチド、または(ii)N1及びN2に相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにN3に相補性である非標識のヌクレオチドを含み、N4に相補性であるヌクレオチドを含まない。場合によっては、複数の蛍光ヌクレオチドのうちの1つの蛍光ヌクレオチドが複数の捕捉剤のすべてではなく一部のオーバーハングに付加される。場合によっては、シグナルは、複数の捕捉剤のすべてではなく一部に複数の蛍光ヌクレオチドのうちの1つの蛍光ヌクレオチドを付加することのよって生成される蛍光シグナルを含む。場合によっては、読み取ることは蛍光顕微鏡を含む。場合によっては、本方法はさらに、平面試料への複数の捕捉剤の結合のパターンを示す画像を作製することを含む。場合によっては、オーバーハングは、3’−N4nN1/N2/N3のものであり、式中、N1、N2、N3、及びN4はG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上であり、複数のヌクレオチドは、N1、N2、N3に相補性である複数の蛍光ヌクレオチド及びN4に相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含む。場合によっては、本方法はさらに、蛍光シグナルを不活化することと、任意で可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護することと、平面試料をブロッキングすることと、接触させる工程及び読み取る工程を反復することと、を含む。場合によっては、反復することは、接触させる工程、読み取る工程、不活化する工程、任意で脱保護する工程、及びブロッキングする工程を複数回反復することを含む。他の場合では、オーバーハングは、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために第1の鎖の5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続く式3’−YN1/N2−5’のものであり、式中、YはN3及びN4の交互のストレッチで構成され、N1、N2、N3、及びN4はG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。場合によっては、Yは長さnのヌクレオチド配列であり、nは0、1以上である。場合によっては、N3ストレッチの整列番号は奇数であり、N4ストレッチの整列番号は偶数である。場合によっては、本方法はさらに、蛍光シグナルを不活化することと、平面試料とポリメラーゼ及びN4に相補性である非標識のヌクレオチドとを接触させることと、接触させる工程及び読み取る工程を反復することと、を含む。場合によっては、反復することは、接触させる工程、読み取る工程、不活化する工程及び接触させる工程を複数回反復することを含む。場合によっては、二本鎖オリゴヌクレオチドのそれぞれは第1の鎖から下流の第2の鎖とハイブリッド形成される蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを含み、蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドは消光剤を含み、第1の鎖の伸長は、消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤を除去し、それによって捕捉剤のすべてではなく一部についての蛍光シグナルを生成する。
当業者は、以下に記載される図面が説明目的のみのものであることを理解するであろう。図面は本発明の教示の範囲を限定することを決して意図するものではない。
(A)は、二本鎖オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる捕捉剤の組み合わせで構成される検出試薬を模式的に説明する。未結合の検出試薬の検出及び除去の際、ポリメラーゼ誘導プライマー伸長によって結合パターンが提供される。パネル(B)は、二本鎖オリゴヌクレオチドへの捕捉剤(この場合、抗体であるが、他の想定される捕捉剤を排除しない)の結合についての3つのアプローチ(すなわち、捕捉剤への上の鎖のオリゴヌクレオチドの化学的コンジュゲートによるもの、中間体としてストレプトアビジンを用いてビオチン化抗体とビオチン化オリゴヌクレオチドを結合させるもの、及びストレプトアビジンに化学的にコンジュゲートされた抗体にビオチン化オリゴヌクレオチドを結合させることによるもの)を模式的に説明する。 異なるオーバーハングを有する二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される捕捉剤の例を模式的に説明する。そのような異なるオーバーハングは、検出剤塩基(この場合dU)に相補性の下の鎖のオリゴヌクレオチドの位置の増加によって特定の捕捉剤から回収されるシグナルを増やす方略を表す。下のパネルは、異なる蛍光色素分子で標識された異なる塩基が、「検出剤」塩基についてのFRET励起対としてどのように使用されるのかも示す。配列番号1〜4。 可逆性色素のターミネータに依存する多重化検出法のいくつかのサイクルを模式的に説明する。 サイクル当たりの4つのヌクレオチドの1つを省くことに依存する多重化検出法のいくつかのサイクルを模式的に説明する。 「可逆的ターミネータ」及び「欠落塩基」の多重化法についてのオリゴヌクレオチド二本鎖の例示的な設計を模式的に説明する。配列番号5〜12。 高度に多重化した捕捉剤のパネルの場合、下の鎖のオリゴヌクレオチドの長さを縮小してオーバーハングを作製するのを可能にする方略のためのオリゴヌクレオチド二本鎖の例示的な設計を模式的に説明する図である。配列番号13〜30。 ニックトランスレーションによって標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去することに依存する検出法の例を模式的に説明する。配列番号31〜35。 標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去することに依存する多重化検出法を模式的に説明する。工程1:配列番号36〜44、工程2:配列番号45〜52、工程3:配列番号53〜60、工程4:配列番号61〜67。 ポリメラーゼプライミングヌクレオチドの循環再アニーリングに依存する実施形態及びFRETを利用する同じアプローチの変異形を模式的に説明する。配列番号68〜80。 ポリメラーゼプライミングヌクレオチドのサイクル再アニーリングに依存する実施形態及びFRETを利用する同じアプローチの変異形を模式的に説明する。配列番号81〜86。 プライマー伸長によって染色されるように設計されたオリゴヌクレオチド二本鎖に結合させた抗CD4抗体(パネルA)、及びポリメラーゼの不在下での浮遊液における脾臓細胞の標識された集団から得られたデータ(パネルB)、及びポリメラーゼの存在下での浮遊液における脾臓細胞の標識された集団から得られたデータ(パネルC)を示す。配列番号87及び88。 スライドガラス上に予め付着させた脾臓細胞の集団のプライマー伸長による標識から得られたデータを示す。「通常の」TCRb−FITC抗体、及びプライマー伸長によって染色されるように設計されたオリゴヌクレオチド二本鎖に結合させたCD4抗体によって細胞を同時染色した。 オリゴヌクレオチド二本鎖に結合させた2つの捕捉剤CD4及びCD8の模式的説明(パネルA)、及び多重化法から得たデータを示し、それによってこの捕捉剤による染色が「可逆的ターミネータ」法を用いてスライドガラス上に塗抹された脾臓細胞上で順次検出されたことを示す(パネルC〜D)。配列番号89〜92。 「欠落塩基」のアプローチによって多重化染色を検査する実験の模式図を示す。マウスの脾臓試料を試料ごとに特異的なオリゴヌクレオチド二本鎖にコンジュゲートされた汎白血球CD45抗体によってバーコード化した。染色の後、試料を混合し、CD45−オリゴヌクレオチド変異体を順次提供することによって混合物を解像した。 (図14におけるスキームのように)CD45によってバーコード化された30の集団を提供する最初の6サイクルを示す画像の12枚のパネルである。2つの集団は提供サイクルごとに同時に検出された。各サイクルでは、対照の画像は蛍光を不活化した後に取得した。 ローリングサークル増幅によって増強された抗体のシグナルを説明する。(A)抗体、共有結合した線形リンカーオリゴヌクレオチド、5’−リン酸化されたパドロックヌクレオチドとからなる抗体−DNAコンジュゲートを用いて細胞抗原を染色する。パドロックプローブは、後に蛍光ヌクレオチドの組み込み部位(T)が続く検出プライマーの配列(橙色)を含有する。(B)パドロックオリゴヌクレオチドをT4DNAリガーゼで処理してその環化を誘導する。(C)鎖を置き換えるphi29DNAポリメラーゼによるローリングサークル増幅は検出プライマー部位(緑色)の逆相補体の反復を作り出した。(F〜G)ローリングサークル増幅を行わずに(F)及びローリングサークル増幅を行った後の(G)dUTP−Cy5によるプライマー伸長によって視覚化された抗体−DNAコンジュゲートによるマウス脾臓細胞の染色。 反復プライマー伸長のプロトコルによって提供される22の異なる抗原の染色を示す細胞の蛍光画像である。各サイクルにて、1つの抗原−抗体−DNAの複合体がdUTP−SS−Cy5蛍光色素分子(赤色)を組み込み、1つの複合体がdUTP−SS−Cy3(緑色)を組み込み、他の複合体はすべて非標識の「ウォーキング」塩基(奇数サイクルではdGTP、偶数サイクルではdATP)を受ける。 (A)3’−ジデオキシターミネータ塩基のために抗体−DNAコンジュゲートをプライマー伸長できないが、パネルに特異的なプライマーを加えることによって他とは無関係に伸長のために各パネルを活性化することができる多重パネル設計を示す。(B)マウス脾臓細胞の18のアリコートをそのように設計された様々なCD45抗体コンジュゲートで独立して染色した。アリコート1〜3(パネル1)は通常のABseqプライマー伸長によって検出することができ(上の列)、アリコート4〜6(パネル2)はスペーサー1オリゴヌクレオチドプライマーの添加の後に伸長したが、アリコート7〜9(パネル3)はスペーサー2オリゴヌクレオチドプライマーの添加の後に伸長することができる。(C)画像定量の結果。個々の細胞強度の強度はバーコード、各列に対する1細胞として提示され、赤色はより高い染色強度を表した。柱状のものは各伸長サイクルの細胞の強度を表す。対角線状のパターンは、スペーサーに基づく伸長の特異性が高いこと、及びパネルと伸長サイクルとの間にシグナルのクロストークが存在しないことを示す。 (A)一致検出プローブの対を標的RNAとハイブリッド形成させる。上流のオリゴヌクレオチドプローブ(スプリントプライマー)は、下流のオリゴヌクレオチドプローブ(パドロック)の環化及びライゲーションのスプリントとして機能する。パドロックプローブは後に蛍光ヌクレオチドの組み込み部位(赤色)が続く検出プライマー配列(イタリック体)を含有する。(B)ローリングサークル増幅は上流プローブの3’末端で開始され、検出プライマー配列(イタリック体)の逆相補体の複数のコピーを作製する。(C)検出プライマーを増幅産物の複数の部位にアニーリングする。(D)dUTP-Cy5によるポリメラーゼ反応が結果的に組み込みを生じる。(E〜F)NALM細胞における小さなかつ明るい点は単一のHLADRAのRNA分子に相当するが、これらは陰性対照のJurkat細胞には存在しない。双方のパネルに存在する大きな赤い斑点は、蛍光ヌクレオチドを非特異的に結合するアポトーシス細胞に相当する。 プライマー伸長及び短い標識されたオリゴヌクレオチドのライゲーションに依存する代替法を示す。上から下の左側:配列番号93〜108。上から下の右側:配列番号109〜124。 ユーザーが試料の画像を検出し、解析し、処理するのを可能にするシステムを示す。
定義
本明細書で特に定義されない限り、本明細書で使用されている専門用語及び科学用語はすべて、本発明が属する当該技術の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものに類似するまたはそれらと同等である任意の方法及び材料を本発明の実践及び試験で使用することができるが、好ましい方法及び材料が記載されている。
本明細書で引用される特許及び出版物は、そのような特許及び出版物で開示されている配列をすべて含めて、そのすべてが参照によって明白に組み入れられる。
数値範囲は範囲を定義する数を含む。特に指示されない限り、それぞれ、核酸は5’から3’の方向に左から右に書かれ、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの方向に左から右に書かれる。
本明細書で提供される見出しは、本発明の種々の態様または実施形態を限定するものではない。したがって、直下で定義される用語は全体として明細書を参照してさらに完全に定義される。
特に定義されない限り、本明細書で使用されている専門用語及び科学用語はすべて、本発明が属する当該技術の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.,John Wiley and Sons,New York(1994),ならびにHale & Markham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、当業者に本明細書で使用されている用語の多数の一般的な意味を提供している。さらに、参照の明瞭さ及び容易さのために特定の用語が以下で定義される。
本明細書で使用されるとき、「対象とする生物学的特徴」は、捕捉剤への結合によって示され得る細胞の任意の部分を指す。対象とする例示的な生物学的特徴には、細胞壁、核、細胞質、膜、ケラチン、筋肉線維、コラーゲン、骨、タンパク質、核酸(例えば、mRNAまたはゲノムDNA等)、脂肪等が挙げられる。対象とする生物学的特徴は、免疫学的な方法、例えば、オリゴヌクレオチドに連結される捕捉剤によって示すこともできる。これらの実施形態では、捕捉剤は試料における部位、例えば、タンパク質エピトープに結合する。例示的なエピトープには、癌胎児性抗原(腺癌特定用、サイトケラチン(癌腫特定用のものではあるが、一部の肉腫にも発現され得る)、CD15及びCD30(ホジキン病用)、アルファフェトタンパク質(卵黄嚢腫瘍及び肝細胞癌用)、CD117(消化管間質腫瘍用)、CD10(腎細胞癌及び急性リンパ芽球性白血病用)、前立腺特異抗原(前立腺癌用)、エストロゲン及びプロゲステロン(腫瘍の特定用)、CD20(B細胞リンパ腫の特定用)、CD3(T細胞リンパ腫特定用)が挙げられるが、これらに限定されない。試料における相補性核酸分子(例えば、DNA及び/またはRNA)はオリゴヌクレオチドプローブのための結合相補性部位を提供する。
本明細書で使用されるとき、用語「多重化」は、生物学的に活性のある物質を同時または順次検出かつ測定するのに1超の標識を使用することを指す。
本明細書で使用されるとき、用語「抗体」及び「免疫グロブリン」は、本明細書では相互交換可能に使用され、当業者によってよく理解されている。これらの用語は、抗原を特異的に結合する1つまたは複数のポリペプチドからなるタンパク質を指す。抗体の1つの形態は、抗体の基本構造単位を構成する。この形態は四量体であり、2つの同一の対の抗体鎖からなり、各対は1つの軽鎖及び1つの重鎖を有する。各対では、軽鎖及び重鎖の可変領域は一緒に抗原への結合に関与し、定常領域は抗体のエフェクター機能に関与する。
認識されている免疫グロブリンのポリペプチドには、カッパ及びラムダの軽鎖、ならびにアルファ、ガンマ(IgG、IgG、IgG、IgG)、デルタ、イプシロン及びミューの重鎖、または他の種における同等物が挙げられる。完全長の免疫グロブリン「軽鎖」(約25kDaまたは約214アミノ酸の)は、NH末端における約110アミノ酸の可変領域及びCOOH末端におけるカッパまたはラムダの定常領域を含む。完全長の免疫グロブリン「重鎖」(約50kDaまたは約446アミノ酸の)は、同様に可変領域(約116アミノ酸の)及び前述の重鎖定常領域の1つ、例えば、ガンマ鎖(約330アミノ酸の)を含む。
用語「抗体」及び「免疫グロブリン」には、Fab、Fv、scFv、及びFdの断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、ミニボディ、単鎖抗体、ならびに抗体の抗原結合部分及び非抗体タンパク質を含む融合タンパク質を含むが、これらに限定されない、抗原への特異的な結合を保持する任意のアイソタイプの抗体または免疫グロブリン、抗体の断片が挙げられる。その用語によって包含されるのはまた、抗原への特異的な結合を保持するFab’、Fv、F(ab’)及びまたは他の抗体断片、ならびにモノクローナル抗体である。抗体は、例えば、Fv、Fab、及びF(ab’)、ならびに二官能性(すなわち、二重特異性の)ハイブリッド抗体(例えば、Lanzavecchia et al.,Eur.J.Immunol.17,105(1987))を含む種々の他の形態で、かつ単鎖(例えば、参照によって本明細書に組み入れられるHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,85,5879−5883(1988)及びBird et al.,Science,242,423−426(1988))で存在してもよい.(一般に、Hood et al.,Immunology,Benjamin,N.Y.,2nd ed.(1984),ならびにHunkapiller and Hood,Nature,323,15−16(1986)を参照のこと)。
用語「特異的な結合」は、異なる検体の均質な混合物に存在する特定の検体に優先的に結合する結合試薬の能力を指す。特定の実施形態では、特異的な結合の相互作用により試料における望ましい検体と望ましくない検体とを識別され、一部の実施形態では、約10〜100倍以上(例えば、約1000〜10,000倍を超えて)を超えて識別するであろう。
特定の実施形態では、捕捉剤/検体の複合体にて特異的に結合する場合、結合試薬と検体との間の親和性は、10−6M未満、10−7M未満、10−8M未満、10−9M未満、10−9M未満、10−11M未満、または約10−12M未満またはそれ以下のK(解離定数)を特徴とする。
「複数」は少なくとも2つのメンバーを含有する。特定の場合では、複数は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、または少なくとも10以上のメンバーを有する場合がある。
本明細書で使用されるとき、用語「標識すること」は、部位の存在及び/または存在量が、標識の存在及び/または存在量を評価することによって決定することができるように、試料における特定の部位(例えば、使用される抗体についてのエピトープを含有する部位)に検出可能な蛍光色素分子を結合することを指す。
用語「標識すること」は、必要とされる標識された試料が作製される限り、任意の必要な工程が好都合な順で実施される標識された試料を作製する方法を指す。例えば、一部の実施形態では、以下で例示されるように、試料が抗体に結合する前に捕捉剤がすでに二本鎖核酸に連結されていてもよく、その場合、試料は相対的に少ない工程を用いて標識することができる。他の実施形態では、捕捉剤は、試料とインキュベートされる時点で二本鎖核酸の第1の鎖に連結されてもよい。これらの実施形態では、抗体が試料に結合した後、二本鎖核酸の第2の鎖は二本鎖核酸の第1の鎖とハイブリッド形成してもよい。同様に、捕捉剤はそれが試料とインキュベートされる時点でローリングサークル増幅(RCA)プライマーに結合されてもよい。これらの実施形態では、二本鎖核酸は、図16にて示されるように、(a)RCAプライマーに相補性である末端を有するパドロックプローブと試料をハイブリッド形成させ、パドロックプローブの末端を一緒にライゲーションし、ローリングサークル増幅によってパドロックプローブをコピーすることによって、かつ(b)オリゴヌクレオチドをRCA産物とハイブリッド形成させることとによって作製されてもよい。この例では、RCA産物は二本鎖核酸の第1の鎖であり、RCA産物とハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドは二本鎖核酸の第2の鎖である。多くの実施形態では、標識する工程は、平面試料における相補性部位から捕捉剤を解離させずにその後の操作を実施することができるように平面試料に捕捉剤を架橋することを含んでもよい。これらの実施形態では、抗体が試料に結合する前に捕捉剤が二本鎖核酸に結合される場合、架橋工程は、抗体が試料に結合した直後に実施することができる。捕捉剤が試料とインキュベートされる時点で第1の鎖(またはそれを作製するためのRCAプライマー)に結合される実施形態では、抗体が試料に結合した後に試料が架橋されてもよく、かつ二本鎖は架橋の後に作製されてもよい。
本明細書で使用されるとき、「平面試料」は、細胞、または、例えば、タンパク質、核酸、脂質、オリゴ糖類/多糖類、生体分子複合体、細胞小器官、細胞残渣または排泄物(エキソソーム、微小胞)のような細胞に由来する生体分子の任意の組み合わせを含む、実質的に平面の、すなわち、二次元の物質(例えば、ガラス、金属、セラミック、有機ポリマーの表面またはゲル)を指す。平面的な細胞試料は、例えば、平面的な表面上で細胞を増殖させることによって、例えば、遠心により細胞を平面的な表面に堆積させることによって、細胞を含有する三次元の物体を切片に切断し、該切片を平面的な表面に載置することによって、すなわち、組織切片を作製し、親和性作用剤(例えば、抗体、ハプテン、核酸プローブ)で官能化されている表面に細胞成分を吸着することによって、生体分子をポリマーゲルに導入し、または電気的にもしくは他の手段によりそれらをポリマー表面に移動させることによって作製することができる。細胞または生体分子は、ホルマリン、メタノール、パラホルムアルデヒド、メタノール:酢酸、グルタールアルデヒド、二官能性架橋剤、例えば、スベリン酸ビス(スクシンイミジル)、ビス(スクシンイミジル)ポリエチレングリコール等を含む任意の数の試薬を用いて固定されてもよい。この定義は細胞性試料(例えば、組織切片等)、電気泳動ゲル及びそのブロット、ウエスタンブロット、ドットブロット、ELISA、抗体マイクロアレイ、核酸マイクロアレイ等を網羅するように意図されている。
本明細書で使用されるとき、用語「組織切片」は、対象から得られ、固定され、切片にされ、平面的な表面、例えば、顕微鏡スライドガラスの上に載置された組織の小片を指す。
本明細書で使用されるとき、「ホルマリン固定され、パラフィン包埋された(FFPE)組織切片」は、対象から得られ、ホルムアルデヒド(例えば、リン酸緩衝生理食塩水中で3〜5%のホルムアルデヒド)またはブアン液にて固定され、ワックスに包埋され、薄い切片に切断され、顕微鏡スライドガラスの上に載置されている組織、例えば、生検の小片を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「空間的に指定可能な測定」は、それぞれ表面上の特定の位置に関連する値のセットを指す。空間的に指定可能な測定は、試料の位置にマッピングすることができ、試料の画像を再構築するのに使用することができる。
「診断マーカー」は、疾患を検出する、疾患の進行または治療の効果を測定するのに、または対象とする過程を測定するのに有用な特定の分子特性を有する体内での特定の生化学物質である。
「病状を示す(pathoindicative)」細胞は、組織に存在する場合、組織が位置する(または組織が得られる)動物が疾患または障害に罹患していることを示す細胞である。例として、動物の肺組織に1つまたは複数乳腺細胞が存在することは、動物が転移性乳癌に罹患していることを示す。
用語「相補性部位」は、捕捉剤がオリゴヌクレオチドプローブである場合、抗体もしくはアプタマーのエピトープ、または核酸分子を指すのに使用される。具体的には、捕捉剤が抗体である場合、捕捉剤についての相補性部位は、抗体が結合する試料におけるエピトープである。捕捉剤がオリゴヌクレオチドプローブである場合、捕捉剤についての相補性部位は、試料中のDNAまたはRNAの分子における相補性の配列である。
用語「エピトープ」は、本明細書で使用されるとき、抗体によって結合される抗原分子上の小さな化学基として定義される。抗原は1つまたは複数のエピトープを有することができる。多くの場合、エピトープのサイズはおよそアミノ酸または糖5つ分である。当業者は、一般に分子の三次元構造全体または特定の線状配列が抗原特異性の主な基準であり得ることを理解する。
診断または治療の「対象」はヒトを含む植物または動物である。診断または治療の非ヒト動物対象には、例えば、家畜及びペットが挙げられる。
本明細書で使用されるとき、「インキュベートすること」は、平面試料における分子(例えば、エピトープまたは相補性の核酸)に捕捉剤が特異的に結合するのに好適である条件下(その条件には時間、温度、適切な結合緩衝液及び洗浄が含まれる)で平面試料及び捕捉剤を維持することを指す。
本明細書で使用されるとき、用語「捕捉剤」は、平面試料における相補性部位に特異的に結合することができる薬剤を指す。例示的な捕捉剤には、例えば、結合部位とハイブリッド形成する抗体、アプタマー、及び核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)プローブ(DNAまたはRNAであってもよい)が挙げられる。抗体が使用される場合は、多くの場合、抗体はタンパク質エピトープに結合してもよい。核酸プローブが使用される場合、核酸プローブは、(細胞内RNAの位置及び存在量を検出することができるように)、例えば、ゲノムのDNAまたはRNAに結合してもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「伸長可能な」は、例えば、「鋳型として他方の鎖を用いて伸長可能である」3’末端の文脈では、ポリメラーゼまたはリガーゼを核酸分子の3’末端に付加することができることを意味し、その場合、3’末端の直下流である鋳型配列(すなわち、他方の鎖)は、どのヌクレオチド(ポリメラーゼが使用される場合)またはオリゴヌクレオチド(リガーゼが使用される場合)を付加するかを決定する。「鋳型として他方の鎖を用いて伸長可能である5’末端」は、リガーゼがオリゴヌクレオチドを核酸分子の5’末端に付加することができることを意味し、その場合、5’末端の直下流である鋳型配列(すなわち、他方の鎖)は、どのオリゴヌクレオチドが付加されるかを決定する。
本明細書で使用されるとき、用語「3’末端の直下流にある鋳型配列」は、第1のヌクレオチドで出発する、3’末端を伸長するための鋳型として使用される他方の鎖における配列を指す。第1の鎖がRCA産物である実施形態では、3’末端の直下流にある鋳型配列はRCA産物における配列であってもよい。第1の鎖がオリゴヌクレオチドである実施形態では、3’末端の直下流である鋳型配列は5’オーバーハングであってもよい。
本明細書で使用されるとき、「二本鎖核酸に結合される捕捉剤」という用語は、捕捉剤が依然として結合部位に結合することができ、核酸の一方の3’末端がポリメラーゼ及び/またはリガーゼにアクセス可能であるような方法で、二本鎖核酸(一緒にハイブリッド形成する2つの一本鎖オリゴヌクレオチド鎖または複数のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するRCA産物で構成されてもよい)に非共有結合される(例えば、ストレプトアビジン/ビオチンの相互作用を介して)または共有結合される(例えば、クリック反応等を介して)捕捉剤、例えば、抗体またはオリゴヌクレオチドプローブを指す。核酸及び捕捉剤は、システイン反応性である、マレイミドまたはハロゲン含有基を使用するものを含む多数の様々な方法によって結合されてもよい。捕捉剤及び核酸は、二本鎖核酸の鎖の一方の5’末端の近傍でもしくは5’末端で、二本鎖核酸の鎖の一方の3’末端の近傍でもしくは3’末端で、またはその間のどこかで結合されてもよい。
本明細書中で、用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」を互換的に使用して、ヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはそれらの組み合わせで構成される任意の長さ、例えば、約2塩基より長い、約10塩基より長い、約100塩基より長い、約500塩基より長い、約1000塩基より長い、最長約10,000以上の塩基の長さのポリマーについて説明し、それらを酵素的にまたは合成で(例えば、米国特許第5,948,902号及びその中で引用された参考文献にて記載されているPNA)作製することができ、それらは、2つの天然に存在する核酸が、例えば、ワトソン−クリック塩基対形成相互作用に関与し得るものに類似する配列特異的な方法で天然に存在する核酸とハイブリッド形成することができる。天然に存在するヌクレオチドには、グアニン、シトシン、アデニン、チミン、ウラシル(それぞれG、C、A、T、及びU)が挙げられる。DNA及びRNAはそれぞれ、デオキシリボース及びリボースの糖主鎖を有するのに対して、PNAの主鎖はペプチド結合で結合される反復N−(2−アミノエチル)−グリシン単位で構成される。PNAでは、種々のプリン塩基及びピリミジン塩基がメチレンカルボニル結合によって主鎖に結合される。アクセスできないRNAと呼ばれることが多いロックド核酸(LNA)は修飾されたRNA分子である。LNA分子のリボース部分が2’酸素と4’炭素を接続する余分な架橋で修飾される。架橋が3’末端(ノース)構成でリボースを「ロック」するが、これはA形態の二本鎖で見いだされることが多い。所望であればいつでもLNA分子はオリゴヌクレオチドにおけるDNA残基またはRNA残基と混合することができる。用語「非構造化核酸」または「UNA」は、低い安定性で互いに結合する非天然のヌクレオチドを含有する核酸である。例えば、非構造化核酸はG’残基及びC’残基を含有してもよく、この場合、これらの残基は、天然に存在しない形態、すなわち、低下した安定性で互いに塩基対を形成するが、それぞれ天然に存在するC残基及びG残基と塩基対を形成する能力を保持するG及びCの類似体に相当する。非構造化核酸はUS20050233340に記載されており、これはUNAを開示するために参照によって本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチド」は少なくとも10、例えば、少なくとも15または少なくとも30のヌクレオチドの多量体を指す。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドの長さは、15〜200のヌクレオチドの範囲内、またはそれ以上であってもよい。
本明細書で使用されるとき、蛍光シグナルを読み取ることという文脈における用語「読み取ること」は、走査によってまたは顕微鏡によって画像を得ることを指し、この場合、画像は、蛍光のパターン及び視野における蛍光の強度を示す。
本明細書で使用されるとき、用語「プライマー」は、ポリヌクレオチドの鋳型と共に二本鎖を形成する際、核酸合成の開始点として作用することができ、かつ伸長された二本鎖が形成されるように鋳型に沿って3’末端から伸長することが可能である天然のまたは合成のオリゴヌクレオチドである。伸長過程中に付加されるヌクレオチドの配列は、鋳型ポリヌクレオチドの配列によって決定される。通常、プライマーはDNAポリメラーゼによって伸長される。プライマーは、長さ少なくとも10、例えば、少なくとも15または少なくとも30のヌクレオチドであってもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「単一ヌクレオチドの5’オーバーハング」はオーバーハングが長さで単一のヌクレオチドである5’オーバーハングを指す。同様に、「2つのヌクレオチドの5’オーバーハング」はオーバーハングの長さが2つのヌクレオチドである5’オーバーハングである。3’末端は5’オーバーハングで陥凹する。
特定の場合では、オーバーハングの種々のヌクレオチドは、その位置によって、例えば、「第1の位置」及び「第2の位置」によって呼ばれてもよい。この場合、「位置」は陥凹した3’末端に対して相対的なものである。したがって、複数塩基の5’オーバーハングでは、オーバーハングの「第1の」位置は陥凹した3’末端に直接隣接し、オーバーハングの「第2の」位置は第1の位置に直接隣接する。
特定の場合では、二本鎖のオリゴヌクレオチドまたは核酸の相補性の鎖は本明細書では、「第1の」及び「第2の」、または「上の」及び「下の」鎖と呼ばれてもよい。「上の」または「下の」鎖としての鎖の割り当ては任意であり、任意の特定の方向性、機能または構造を暗示するものではない。
本明細書で使用されるとき、蛍光ヌクレオチドの付加によって生成される蛍光シグナルを読み取ることという文脈における用語「によって生成されるシグナル」は、蛍光ヌクレオチドから直接放射されるシグナル、別の蛍光ヌクレオチドへのエネルギー移動によって(すなわち、FRETによって)間接的に放射されるシグナルを指す。
本明細書で使用されるとき、用語「消光剤を含む、蛍光で標識されたオリゴヌクレオチド」は、蛍光色素分子及び消光剤を含有するオリゴヌクレオチドを指し、この場合、同一オリゴヌクレオチドにて消光剤は蛍光色素分子を消光する。
本明細書で使用されるとき、異なっている様々な5’オーバーハングの文脈における用語「異なる」は、異なる配列を有するオーバーハングを指す。異なる長さのオーバーハング(例えば、GATC対GAT)は、一方の配列が他方に包含されてもよいが、暗に異なる配列を有する。
本明細書で使用されるとき、用語「オーバーハング」は、他方の鎖を鋳型として用いて、ポリメラーゼによってその鎖から核酸合成を開始することができる(またはリガーゼによってオリゴヌクレオチドを末端にライゲーションすることができる)ように二本鎖核酸の一方の鎖が終了する構造を指す。
本明細書で使用されるとき、1つまたは複数のヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを伸長可能な3’末端に付加することという文脈における用語「伸長可能な3’末端に付加すること」は、他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能な3’末端にヌクレオチド(またはオリゴヌクレオチド)を付加すること(例えば、オーバーハングを鋳型として用いて5’オーバーハングの陥凹した3’末端に付加すること)を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすための5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5の残基)が任意で後に続く式3’−N4n/N/N−5’の鋳型(式中、N、N、N、及びNがG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nが0、1以上である)」は、ヌクレオチドN、N、及びNの単一ヌクレオチドのオーバーハングを潜在的に含有する配列の集団を指し、またはオーバーハングの集団は、配列3’−N−5’、3’−N−5’及び3’−N−5’ −5’の2つのヌクレオチドのオーバーハング、任意で配列3’−N−5’,3’−N−5’及び3’−N−5’のオーバーハング等(例えば、配列3’−N−5’、3’−N−5’及び3’−N−5’の4つのヌクレオチドのオーバーハング)を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすための5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5の残基)が任意で後に続く式3’−YN/N−5’の鋳型(式中、Yは塩基N及びNで構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列であり、オーバーハングの開始から数えてヌクレオチドNは奇数の位置にあり、ヌクレオチドNは偶数の位置にあり、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである)」は、配列3’−N−5’及び3’−N−5’または任意で3’−N−5’及び3’−N−5’または3’−N−5’及び3’−N−5’を潜在的に含有する配列の集団、ならびに任意で、配列3’−N−5’及び3’−N−5’等のオーバーハング(例えば、配列3’−N−5’及び3’−N−5’及び次いで3’−N−5’及び3’−N−5’のオーバーハング)の集団を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「交互のストレッチ」は、2つのヌクレオチドストレッチを指し、この場合、一方の「ストレッチ」は、例えば、最大10の同じヌクレオチド(例えば、G、A、T、またはC)の連続的な配列であり、第2のストレッチは、例えば、最大10の異なるヌクレオチドの連続的な配列であり、それらは互いに交互に存在する、すなわち、一方のストレッチ(例えば、T’の列)が奇数の位置を占有し、他方のストレッチ(例えば、A’の列)が偶数の位置を占有する。
本明細書で使用されるとき、用語「不完全なヌクレオチドミックス」はG、A、T及びCから選択される1、2、または3つのヌクレオチド(しかし、4つのヌクレオチドすべてではない)を含有するヌクレオチドミックスを含む。ヌクレオチドは標識されてもよいし、または非標識であってもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「可逆的ターミネータ」は、DNAポリメラーゼによって成長しているDNA鎖に組み込まれると塩基のさらなる組み込みを阻止する化学的に修飾されたヌクレオチド塩基を指す。そのような「可逆的ターミネータ」塩基及びDNA鎖は化学的な処理によって脱保護することができ、そのような脱保護に続いて、DNAポリメラーゼによってDNA鎖をさらに伸長することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「蛍光で標識された可逆的ターミネータ」は、この塩基で終了するDNA鎖を脱保護するのに使用される同じ処理によって切断することができるリンカーを介して蛍光色素分子によって標識される「可逆的ターミネータ」塩基を指す。「蛍光で標識された可逆的ターミネータ」を脱保護することによって同時に、さらなる伸長のためにDNA鎖が活性化して、それから蛍光標識が除去される。
記載を容易にするために、本明細書に記載されている配列の多くは3’から5’の方向で記述されている。DNA配列は通常5’から3’の方向で示されるが、記載を容易にするために、以下の本文における特定のDNA配列は3’から5’の方向で記載されている。そのような場合ではそれぞれ、方向性には具体的に注釈が付けられている。
これらの用語の別の定義が明細書の全体中に現れる場合もある。
詳細な説明
一部の実施形態では、方法は、平面試料における相補性部位に特異的に結合する捕捉剤を用いて標識された平面試料(例えば、顕微鏡スライドガラスのような平面的な表面に載置されたFFPE切片)を作製することを含む。平面試料における部位に抗体及び/または核酸を結合する方法は周知である。これらの実施形態では、標識された試料における捕捉剤は、第1の鎖及び第2の鎖を含む二本鎖核酸(例えば、一緒にハイブリッド形成する2つのオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するRCA産物)に結合され、捕捉剤は、二本鎖核酸の第1の鎖によって(例えば、5’末端、3’末端またはその間のどこかによって)二本鎖核酸に(共有結合でまたはビオチンを介した非共有結合で)結合され、鎖の一方の3’末端または5’末端(例えば、第1の鎖の3’末端、第2の鎖の3’末端、第1の鎖の5’末端、または第2の鎖の任意の5’末端)は他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能である。場合によっては、第1の鎖の3’末端は、第2の鎖の5’末端と比較して陥凹している場合があり、それによってオーバーハングを定義することができる。他の場合では、第1の鎖の5’末端は第2の鎖の3’末端と比較して陥凹している場合があり、それによってオーバーハングを定義することができる。多くの実施形態では、捕捉剤は平面試料に架橋され、それによってその後の工程中に捕捉剤が解離するのを防ぐ。所望であれば、種々の他の化学物質を用いて捕捉剤を平面試料に架橋することができるが、この架橋工程はアミン−アミン架橋剤(例えば、ホルムアルデヒド、ジスクシンイミイルタレート、または類似の作用の別の試薬)を用いて実施することができる。本方法は、鎖の一方の伸長可能な末端(例えば、3’末端)にヌクレオチドまたはより短いオリゴヌクレオチド(例えば、2〜10塩基の)を付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含む。この工程は、平面試料とポリメラーゼ及びヌクレオチドミックス、リガーゼ及び標識されたオリゴヌクレオチド、またはその2つの組み合わせとを接触させ、それによって1つまたは複数のヌクレオチド及び/または標識されたオリゴヌクレオチドを伸長可能な末端に付加すること、及び伸長可能な末端に1つまたは複数のヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることによって実施されてもよい。
以下でさらに詳細に記載されるように、種々の異なる方法によって蛍光シグナルが生成されてもよい。例えば、一部の実施形態では、蛍光シグナルは、プライマーの末端に付加された蛍光ヌクレオチドに由来する蛍光、またはそれから結果的に生じるFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)シグナルであってもよい。他の実施形態では、シグナルは、オリゴヌクレオチドともハイブリッド形成する蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去することによって生成されてもよい。
本方法の任意の実施態様では、読み取る工程には、他の結合事象を検出して読み取ることができるように読み取りの後に蛍光を不活化することが続いてもよい。これらの実施形態では、蛍光は、例えば、過酸化物に基づく退色、切断可能なリンカーによって(例えば、切断試薬としてTCEPを用いて)ヌクレオチドに結合された蛍光色素分子の切断、例えば、Ventのようなエキソポリメラーゼによる塩基交換、または消光剤のその後の組み込みによって不活化されてもよい。
また、以下でさらに詳細に記載されているように、本方法は、単一の平面試料を複数の異なる捕捉剤によって調べることができるような方法で多重化されてもよく、この場合、各抗体は異なるオリゴヌクレオチド(すなわち、異なる配列のオリゴヌクレオチド)に結合される。多重化実施形態では、平面試料は、それぞれ異なるオリゴヌクレオチドに連結される少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、または少なくとも100、最大150以上の捕捉剤を用いて標識されてもよく、捕捉剤の結合は、各蛍光色素分子に対する適切なフィルターを備えた蛍光顕微鏡を用いて、または複数の蛍光色素分子を観察するための二重もしくは三重の帯域通過フィルターセットを使用することによって別々に読み取ることができる。米国特許第5,776,688号を参照のこと。以下で言及されるように、捕捉剤に結合されたオリゴヌクレオチドは、パドロックプローブのスプリントとしてかつローリングサークル増幅を開始するためのプライマーとして作用することができる。
本方法の一部の実施形態で使用される捕捉剤は、5’オーバーハング(すなわち、ポリメラーゼまたはリガーゼによって伸長することができる陥凹した3’末端)または3’ オーバーハング(すなわち、リガーゼによって伸長することができる陥凹した5’末端)を含有する二本鎖オリゴヌクレオチドに結合されてもよい。そのような捕捉剤の例は図1及び図2にて示される。図1Bにて示される例では、オーバーハングは、単一ヌクレオチドのオーバーハング(例えば、A)であるが、さらに長いオーバーハング(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも20、または少なくとも30)が他の用途(例えば、多重化用途)に有用な場合がある。図5A〜Dにて示されるように、特定の場合では、オーバーハングは、反復配列、例えば、2、3、4、5、または6のヌクレオチドの同じ配列の2、3、4、5、または6回以上の反復を含有してもよく、それによって以下に記載されるように捕捉剤を多重化用途で使用されるようにすることができる。特定の実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの他方の末端で(すなわち、捕捉剤に最も近い末端で)陥凹した3’末端を有してもよい。しかしながら、この末端は伸長できないように設計されてもよい。特定の状況では、二本鎖オリゴヌクレオチドは、オーバーハングとハイブリッド形成する1つまたは複数の第3のオリゴヌクレオチドを含有してもよい。これらの実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドの第2の鎖と、オーバーハングとハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドとの間で1、2、3、4、または5以上のヌクレオチドのギャップが存在することになる(例えば、図7及び図8を参照)。多重化実施形態では、複数の捕捉剤は、二本鎖オリゴヌクレオチドの第1の鎖の配列によってではなく、オーバーハングの配列によって区別されてもよい。これらの実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドの第2の鎖は捕捉剤のそれぞれに対して異なる。他の図で示されるように、本方法は、パドロックプローブを環化するためのかつローリングサークル増幅によって環化されたパドロックプローブの増幅を刺激するためのスプリントとして作用するプライマーに結合される捕捉剤を用いて実施されてもよい。これらの実施形態では、標識された試料における捕捉剤はローリングサークル増幅の産物に結合されてもよい。
特定の場合では、使用される蛍光色素分子は、クマリン、シアニン、ベンゾフラン、キノリン、キナゾリノン、インドール、ベンザゾール、ボラポリアザインダセン、及びまたはフルオレセイン、ローダミン及びロードールを含むキサンテンであってもよい。多重化実施形態では、蛍光色素分子は、それらが識別可能であるように、すなわち、互いに独立して検出可能であり、標識が、混合される場合でも、独立して検出されて測定され得ることを意味するように選択されてもよい。言い換えれば、標識のそれぞれに対して存在する標識の量(例えば、蛍光の量)は、標識が、(例えば、同一試験管にてまたは切片の同一領域にて)同時局在する場合でも、別々に測定可能である。
対象とする具体的な蛍光色素には、キサンテン色素、例えば、フルオレセイン及びローダミン色素、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、6−カルボキシフルオレセイン(略記FAM及びFによって一般に知られる)、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン(JOEまたはJ)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRAまたはT)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROXまたはR)、5−カルボキシローダミン−6G(R6GまたはG)、6−カルボキシローダミン−6G(R6GまたはG)、及びローダミン110、シアニン色素、例えば、Cy3、Cy5及びCy7の色素;クマリン、例えば、ウンベリフェロン、ベンズイミド色素、例えば、ヘキスト33258、フェナントリジン色素、例えば、テキサスレッド、エチジウム色素、アクリジン色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素、例えば、BODIPY色素及びキノリン色素が挙げられる。主題の適用で一般に使用される対象とする具体的な蛍光色素分子には、ピレン、クマリン、ジエチルアミノクマリン、FAM、フルオレセインクロロトリアジニル、フルオレセイン、R110、エオシン、JOE、R6G、テトラメチルローダミン、TAMRA、リサミン、ナフトフルオレセイン、テキサスレッド、Cy3及びCy5等が挙げられる。
主題の方法にて有用な好適な区別可能な蛍光標識対には、Cy-3及びCy-5(Amersham Inc.,Piscataway,NJ)、クエーサー570及びクエーサー670(Biosearch Technology,Novato,CA)、アレクサフルオル555及びアレクサフルオル647(Molecular Probes,Eugene,OR)、BODIPY V−1002及びBODIPY V1005(Molecular Probes,Eugene,OR)、POPO−3及びTOTO−3(Molecular Probes,Eugene,OR)、ならびにPOPRO3及びTOPRO3(Molecular Probes,Eugene,OR)が挙げられる。さらに好適で区別可能かつ検出可能な標識は、Kricka et al.(Ann.Clin.Biochem.39:114−29,2002)、Ried et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.1992:89:1388−1392)、及びTanke et al.(Eur.J.Hum.Genet.1999,7:2−11)等にて見いだすことができる。
上述の標識法に加えて、上述の方法を実施する前にまたは後で細胞染色を用いて試料を染色してもよい。これらの実施形態では、染色は、例えば、ファロイジン、ガドジアミド、アクリジンオレンジ、ビスマルクブラウン、バーミン、クマシーブルー、ブレシルバイオレット、ブリスタルバイオレット、DAPI、ヘマトキシリン、エオシン、臭化エチジウム、酸フクシン、ヘマトキシリン、ヘキスト染色、ヨウ素、マラカイトグリーン、メチルグリーン、メチレンブルー、中性赤、ナイルブルー、ナイルレッド、四酸化オスミウム(以前の名称:四酸化オスミウム)、ローダミン、サフラニン、リンタングステン酸、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、モリブデン酸アンモニウム、ヨウ化カドミウム、カルボヒドラジド、塩化第二鉄、ヘキサミン、三塩化インジウム、硝酸ランタン、酢酸鉛、クエン酸鉛、硝酸鉛II、過ヨウ素酸、リンモリブデン酸、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、ルテニウムレッド、硝酸銀、プロテイン銀、塩化金酸ナトリウム、硝酸タリウム、チオセミカルバジド、酢酸ウラニル、硝酸ウラニル、硫酸バナジル、またはそれらの任意の誘導体であってもよい。染色は、対象とする任意の特徴、例えば、タンパク質またはタンパク質のクラス、リン脂質、DNA(例えば、dsDNA、ssDNA)、RNA、細胞内小器官(例えば、細胞膜、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、核エンベロープ等)、細胞の区画(例えば、細胞質ゾル、核分画等)について特異的であってもよい。染色は細胞内または細胞外の構造の明暗差または画像化を向上させてもよい。一部の実施形態では、試料はヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色されてもよい。
本発明の方法で使用することができる例示的なスルフヒドリルで切断可能なデオキシヌクレオチド類似体の構造を以下に示す。認識されるように、これらのヌクレオチドは単に例示的なものにすぎず、他の刺激によって切断可能であるヌクレオチド(例えば、光切断可能なヌクレオチド)を含む他のヌクレオチドを本発明の方法で使用することができる
dUTP−SS−Cy5:
Figure 2021164471
dCTP−SS−Cy3:
Figure 2021164471
本発明をさらに説明するために、以下の具体的な例が提供されているが、それらは本発明を説明するために提供されているものであり、その範囲を限定するものと決して解釈されるべきではないと理解されている。
実施態様1
この例では、蛍光シグナルは、プライマーの3’末端に付加される(すなわち、ポリメラーゼによって付加される、または蛍光ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドである場合、ライゲーションされる)蛍光ヌクレオチドによって生成されてもよい。この方法は、付加された蛍光ヌクレオチドからのシグナルを読み取ること、またはプライマーに付加されている2つの蛍光ヌクレオチド間のエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルを読み取ることを含んでもよい。
図1及び図2に示す例は、抗体がビオチン/ストレプトアビジン相互作用を介してどのようにオリゴヌクレオチドに化学的に結合され得るか(図1B)、及び蛍光シグナルがプライマーの末端に蛍光ヌクレオチドを付加することによってどのように生成され得るか(図2)を示している。この例では、抗原は、オーバーハングしている5’末端(下の鎖)及び陥凹した3’末端(上の鎖)を伴ったDNA二量体に化学的に(図1の上のパネル)またはストレプトアビジンを介して(図1の下の及び真ん中のパネル)カップリングされている抗体によって染色される。
組織試料に捕捉剤を結合した後、捕捉剤の結合パターンは、好適なポリメラーゼ(例えば、エキソクレノウ、Bst、Taq、Klentaq、またはエキソクレノウ?Ventの混合物によって)かつ蛍光で標識されたヌクレオチド(図1及び図2の上のパネル)を用いることによってスライドガラス上での末端埋め込み反応を用いて測定されてもよい。
必要に応じて、シグナル対ノイズの比を、a)標識ヌクレオチドに相補性の位置の多量体化(図2真ん中のパネル)によって、またはb)組み込まれる2つのヌクレオチド間でFRETを生成することによって増大させることができ、それによってヌクレオチドの一方(図2、図における下のパネルC)の放射波長がもう一方(図2、図における下のパネルU)のための励起波長として機能する。
光退色法、過酸化物に基づく退色法、オゾンによる不活化、切断可能なリンカーを介して(例えば、切断試薬としてTCEPを用いて)ヌクレオチドに結合された蛍光色素分子を切断すること、Ventのようなエキソポリメラーゼによる塩基交換、消光剤のその後の組み入れを含むが、これらに限定されない任意の好都合な方法によって、その後の染色試薬を添加する前に蛍光を不活化してもよい。
これらの実施形態では、蛍光を不活化した後、本方法を反復することができる。すなわち、異なる抗体を用いて平面試料を再染色することができ、蛍光を読み取ることができる。
多重化
以下でさらに詳細に記載されている「可逆的ターミネータ」及び「欠落塩基」のアプローチと呼ばれる2つの異なるアプローチを用いて特別に設計されたオリゴヌクレオチドを用いて多重化を実施することができる。これらの方法は双方とも、異なる相補性部位を認識する複数の(例えば、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、最大150以上)の捕捉剤を含む組成物に依存するが、この場合、捕捉剤のそれぞれは、第1の鎖及び第2の鎖を含む二本鎖核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に結合され、捕捉剤は第1の鎖の(例えば、5’末端)によって二本鎖核酸に結合され、二本鎖核酸のそれぞれにおける鎖の一方の3’末端は鋳型として他方の鎖を用いて伸長可能であり、鋳型は捕捉剤のそれぞれに対して異なる。そのような組成物の例は図3及び図4にて説明されており、鋳型はオーバーハングである。図3及び図4にて示される一般的な原理はRCA産物を含む二本鎖核酸に拡大することができる。図3は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為組成物の短いストレッチが後に続く式3’−N4n/N/N−5’によって定義される鋳型(例えば、オーバーハング)を有する捕捉剤の集団を示し、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは0、1以上である。一方、図4は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5の残基)が任意で後に続く式3’−YN/N−5’によって定義されるオーバーハングを有する捕捉剤の集団を示し、式中、Yは塩基N及びNで構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列であり、オーバーハングの開始から数えてヌクレオチドNは奇数の位置にあり、ヌクレオチドNは偶数の位置にあり、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。図3、4、及び5で説明されるように、第1の鎖の配列は捕捉剤のそれぞれに対して同一であり、第2の鎖の配列は捕捉剤のそれぞれに対して異なる。これらの実施形態では、異なる第2の鎖によって異なる捕捉剤間でオーバーハングが異なるものになる。
一部の実施形態では、多重化法は一般に、(a)捕捉剤が平面試料における相補性部位に結合する条件下で平面試料を上述の抗体組成物とインキュベートすることと、(b)平面試料に捕捉剤を架橋することと、(c)平面試料とポリメラーゼ、及び標識された及び未標識のヌクレオチドの不完全なヌクレオチドミックス、または一部のもしくはすべてのヌクレオチドが蛍光であり、かつ一部のもしくはすべてのヌクレオチドが可逆的ターミネータヌクレオチドもしくは蛍光の可逆的ターミネータヌクレオチドであるヌクレオチドミックスとを接触させることと、任意で平面試料と標識された及び未標識のヌクレオチドの混合物ならびに特定の捕捉剤に結合されるオリゴヌクレオチド二本鎖の3’末端に短い標識されたオリゴヌクレオチドを共有結合するDNAリガーゼ酵素とを接触させることとを含んでもよい。これらの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドに相補性であるオーバーハングの二本鎖に単に付加される。この方法はさらに、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部にヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含む。シグナルの登録に続いて、この方法は、(e)可逆的ターミネータのアプローチが使用される場合、標識されたヌクレオチドの化学切断または光切断によって蛍光シグナルを除去し、その後、オリゴヌクレオチドの3’末端を脱保護し、さらなるヌクレオチド及び/またはオリゴヌクレオチドの付加を可能にすることを含んでもよい。この方法の工程(c)は、(c)平面試料と、ポリメラーゼ、ならびに(i)N、N、及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド及びNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックス、または(ii)N、N、及びNに相補性である蛍光可逆的ターミネータヌクレオチド及びNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックス、または(iii)N及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド及びNに相補性である非標識ヌクレオチドとを含み、Nに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスと、を接触させ、それによって捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖オリゴヌクレオチドに蛍光ヌクレオチドを付加することにより、捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖オリゴヌクレオチドに蛍光ヌクレオチドを付加することと、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部への蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることと、を含んでもよい。工程(c)はまた、リガーゼを用いて二本鎖に標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによっても実施することができる。そのような方法の例は以下でさらに詳細に説明されている。
図6を参照して、捕捉剤のより大きなパネル(例えば、100以上)が採用される場合、オリゴヌクレオチドのオーバーハングの読み取りの長さは結果的に増加する場合があることが予想される。これによって、オリゴヌクレオチド二本鎖の長さに沿ったプライマー伸長のエラーが蓄積するために染色の効率が低下する場合もしない場合もある。そのようなシグナル喪失の潜在的な原因を回避するために、設計の軽微な改変を実施することができる。セットの捕捉剤の数が、多重化プロトコルの顕著なシグナル喪失なしで染色をもたらす能力を超えるように、複数の捕捉剤をセットで分割することができる(例えば、30)。そのような捕捉剤の各セットは、元の型の「欠落塩基」のアプローチのように、同じ配列の「終結させる」(最後の3’塩基がジデオキシ修飾またはプロピル修飾される)上の鎖のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされることになる。下の鎖のオリゴヌクレオチドは、それらが提供されるときに複数の抗体の合計の特定のサブセットとスライドガラス上でハイブリッド形成される追加のプライマーのために接地点として機能する追加のセットに特異的な領域を組み込むことになる。このアプローチによって、特定の閾値を超えて読み取りを拡張されず、同時に試料の捕捉剤の潜在数が限定されないようになる。
可逆的ターミネータ法
本発明のこの実施態様は、可逆的ターミネータ、すなわち、組み込みの後に脱保護することができる鎖ターミネータヌクレオチドに依存し、それによってさらなるヌクレオチドがそのヌクレオチドに付加されるのを可能になる。
この方法は、図3で説明されるように、二本鎖核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に結合される複数の捕捉剤を含む組成物を用いて実施することができる。これらの実施形態では、二本鎖核酸の上の鎖は捕捉剤に結合され、各抗体に対して同一であってもよく、下の鎖の配列は捕捉剤間で変化する。図5Aにて示されるように、二本鎖核酸(オーバーハングを形成することができる)の下の鎖の5’末端は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが後に続く一般的な3’−N4n/N/N−5’のものであり、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは0、1以上である。図5Bにて示されるように、下のオリゴヌクレオチドのオーバーハングのさらに一般的な式は3’−XN/N/N−5’であり、式中、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、Xは無作為組成物の塩基Xiのヌクレオチドストレッチであり(そのため、XiはG、A、T及びCから選択される異なるヌクレオチドとなる)、長さもこの方法では適用することができる。
特定の実施形態では、この方法は、(a)捕捉剤が平面試料における相補性部位に特異的に結合する条件下で、平面試料を、オーバーハングが式5’−N/N/N4nのものであり、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上である多重化抗体組成物とインキュベートすることと、(b)平面試料に捕捉剤を架橋することと、(c)平面試料とポリメラーゼ、ならびにN、N、及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド及びNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスと、を接触させること、及び/または標識されたヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドをライゲーションすることと、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部にヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることとを含んでもよい。このサイクルは、(e)蛍光シグナルを不活化し、可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護すること、(f)平面試料をブロッキングすること、ならびに工程(c)及び(d)を反復することによって反復されてもよい。特定の実施形態では、本方法は工程(c)、(d)、(e)、及び(f)を複数回反復することを含んでもよい。ブロッキングするのに使用される試薬は、使用される化学的性質に応じて変化してもよい。特定の実施形態では、試料は、例えば、システイン、グルタチオン、またはヨードアセトアミドのようなチオール反応性化合物によってブロッキングされてもよい。
例えば、本方法は、塩基Nを含む単一ヌクレオチドの5’オーバーハングを含む第1の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第1の抗体と、塩基Nを含む単一ヌクレオチドの5’オーバーハングを含む第2の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第2の抗体と、塩基Nを含む単一ヌクレオチドの5’オーバーハングを含む第3の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第3の抗体と、オーバーハングの第1の位置が塩基Nを含み、オーバーハングの第2の位置が塩基Nを含む2つのヌクレオチドの5’オーバーハングを含む第4の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第4の抗体と、2つのヌクレオチドの5’オーバーハングを含み、オーバーハングの第1の位置が塩基Nを含み、オーバーハングの第2の位置が塩基Nを含む第5の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第5の抗体と、2つのヌクレオチドの5’オーバーハングを含み、オーバーハングの第1の位置が塩基Nを含み、オーバーハングの第2の位置が塩基Nを含む第6の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第6の抗体と、を含む組成物を用いて実施することができ、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。そのような捕捉剤の集団の例は図3にて示される。
RCAの実施形態では、抗体に連結される鎖は抗体のそれぞれに対して異なってもよく、RCA産物は、RCA産物の各反復における上述の式に一致する配列を含有する。
特定の実施態様では、組成物はまた第7の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合された第7の抗体も含有してもよく、この場合、第7の二本鎖オリゴヌクレオチドは複数ヌクレオチドの5’オーバーハングを含み、オーバーハングの第1の位置は塩基Nを含み、オーバーハングの第2の位置は塩基Nを含み、第3はN、N、及びNから選択される。同じ原理が7を超える位置(例えば、9、10、11、最大20、30、または40以上の)位置を有するオーバーハングに適用されてもよい。
本方法のこの実施態様では、図3で概略された方略に従って設計された1つのオリゴヌクレオチド二本鎖でそれぞれ標識された捕捉剤のパネルを用いて平面試料を同時に共染色することができる。二本鎖は、各抗体が5’末端を介する抗体に共有結合されるかまたはストレプトアビジンを介して結合される同じ上の鎖の配列を有するような方法で設計される。下の鎖は抗体ごとに変化する。この実施態様では、下の鎖についての一般式は上の鎖GA/T/C−5’に相補性の3’−ジデオキシdC−配列である。下の鎖の塩基の型の1つ(この例ではヌクレオチドG)は段階的な進行のために留保され、上の鎖における相補性の対は標識された形態では決して使用されない。他の3つの塩基は標識されたヌクレオチドに相補性であり、サイクル当たり3つの捕捉剤を特定するのに使用することができる。さらに一般的な場合、下の鎖についての一般式は、上の鎖X−N/N/N−5’ に相補性の3’−ジデオキシC−配列であり、式中、XのXiはこの特定のサイクルの「ウォーキング塩基」のために留保される1つを除く任意のヌクレオチドであり、Xは図5Bにて示されるような任意の塩基である。この設計では、(a)2つの抗体種が同じ二本鎖を含有しないこと、及び(b)3つの異なる捕捉剤のみが一度に検出されることを保証する。各サイクルには、(a)3つの捕捉剤が標識され、残りの二本鎖が一度に1塩基伸長される標識工程と、(b)画像化工程と、(c)脱染/脱保護工程が含まれる。サイクルからサイクルへの移行の間に、前のサイクルに由来する付加された蛍光標識は、ヌクレオチドからの蛍光色素分子の切断(標識されたヌクレオチドが切断可能なリンカーを介して蛍光色素分子に結合する場合)、過酸化物に基づく退色、光退色、化学的に支援された光退色、エキソポリメラーゼによる標識された塩基の置換等を含むが、これらに限定されない好適な方法のいずれかによって不活化される。前の反応に付加された蛍光色素分子の不活化の後、またはそれと同時に、捕捉剤の残りに付加されている非標識の「伸長」ヌクレオチドが保護基の3’末端からの切断によって活性化される。保護基の切断は、結果として次のサイクルでヌクレオチドが伸長されるのを可能にする。A、T、及びCは標識されたヌクレオチドの組み込みのために留保されるので、これらのヌクレオチドは二本鎖の各下の鎖の末端でのみ存在する。このアプローチは可逆的ターミネータの化学的性質に基づき、これは、下の鎖のポリGストレッチ上でも一度に1超のヌクレオチドに対して上の鎖が伸長するのを妨げる。任意で、標識されたヌクレオチドに続いて消光剤で標識されたヌクレオチドを組み込むことができる。マウスの脾細胞の塗抹標本におけるCD4及びCD8陽性T細胞の連続検出にて例示されるような「可逆的ターミネータ法」の性能は、図13のA〜Dで説明されている。
欠落塩基法
本方法のこの実施態様は、「欠落した」塩基の設計に依存するものであり、この場合、各サイクルでは、2つの標識されたヌクレオチド及び1つの非標識のヌクレオチドが反応に付加され、「欠落塩基」は1超のヌクレオチドによってプライマーが伸長するのを妨げる。
この方法は、図4にて説明されるように、二本鎖核酸に結合される複数の捕捉剤を含む組成物を用いて実施することができる。これらの実施形態では、二本鎖核酸の上の鎖は捕捉剤に結合され、各抗体に対して同一であってもよく、下の鎖の配列は捕捉剤間で変化する。図4に示されるように、二本鎖オリゴヌクレオチドの下の鎖の5’末端(オーバーハングを形成する)は、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチ(例えば、1〜5の残基)が任意で後に続く一般式3’−YN/N−5’のものであり、式中、Yは塩基N及びNで構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列であり、オーバーハングの開始から数えてヌクレオチドNは奇数の位置にあり、ヌクレオチドNは偶数の位置にあり、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。
また、さらに一般的な式3’−YN/N−5’(式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、Yは、N−ストレッチの整列番号が奇数となり、N−ストレッチの整列番号が偶数となるように塩基N及びNの交互に無作為な長さのストレッチから構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列である)もこの方法にて適用することができる。
特定の実施形態では、この方法は、(a)捕捉剤が平面試料における相補性部位に特異的に結合する条件下で、平面試料を、オーバーハングが前の段落で記載された式(3’−YN/N−5’)のものである多重化抗体組成物とインキュベートすることと、(b)平面試料に捕捉剤を架橋することと、(c)平面試料とポリメラーゼ、ならびにN及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド及びNに相補性である非標識ヌクレオチドを含み、Nに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスとを接触させること、及び/または標識されたヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドをライゲーションすることと、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部にヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることと、を含んでもよい。このサイクルは、(e)蛍光シグナルを不活化すること、(f)試料をブロッキングし、平面試料と、ポリメラーゼ及びNに相補性である非標識ヌクレオチドとを接触させること、ならびに/または試料と標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させること、工程(c)(d)を反復することによって反復されてもよい。特定の実施形態では、本方法は、工程(c)、(d)、(e)、及び(f)を複数回反復することを含んでもよい。
本方法は、塩基Nを含む単一ヌクレオチドの5’オーバーハングを含む第1の二本鎖オリゴヌクレオチドに連結される第1の抗体と、塩基Nを含む単一ヌクレオチドの5’オーバーハングを含む第2の二本鎖オリゴヌクレオチドに連結される第2の抗体と、第3の二本鎖オリゴヌクレオチドが2つのヌクレオチドの5’オーバーハングを含み、オーバーハングの3’位置からの第1が塩基Nを含み、第2の位置がNを含む第4の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される第3の抗体と、第4の二本鎖オリゴヌクレオチドが2つのヌクレオチドの5’オーバーハングを含み、オーバーハングの第1の位置が塩基Nを含み、第2の位置がNを含む第4の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される第4の抗体と、を含む捕捉剤組成物を用いて実施することができ、式中、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。そのような捕捉剤の集団の例は図4にて示される。
特定の実施態様では、組成物は第5の二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される第5の抗体も含んでもよく、この場合、第5の二本鎖オリゴヌクレオチドは複数のヌクレオチドの5’オーバーハングを含み、オーバーハングの第1の位置は塩基Nを含み、第2の位置はNを含み、第3の位置はNまたはNを含む。
全般的に、「可逆的ターミネータ」及び「欠落塩基」のアプローチ双方で同時検出される相補性部位、例えば、抗体の数に対する理論的な限界は存在しない。
欠落塩基のアプローチは可逆的ターミネータを使用しない。その代わりに、2つの相互交換可能な塩基(例えば、「可逆的ターミネータ」のアプローチにて相当するGの代わりに図4で示すようなT及びC)を用いることによって、かつプライマー伸長反応にて2つのdNTPのうちの1つのみを一度に付加することによって単一ヌクレオチドを確実に伸長させる。第1のヌクレオチドの組み込みの後、第2のdNTPが存在しないことにより、鎖の伸長が停止し、それによってプライマーがわずか1つのヌクレオチドによって確実に伸長する。前の方略のように、それぞれ特異的なオリゴヌクレオチド二本鎖によって標識された捕捉剤を用いて相補性部位すべてを同時に共染色することができる。
この実施態様では、各抗体が共有結合によってまたはストレプトアビジン−ビオチンの相互作用を介して結合される同じ上の鎖のオリゴヌクレオチド配列を有するように、図4で示される方略を用いて二本鎖を設計することができる。この実施態様では、下の鎖は抗体ごとに変化する。この方法では、下の鎖についての一般式は、上の鎖−YA/N−5’に相補性の3’ddC−配列であり、式中、Yは、Tが偶数位置のみで見いだされてCが奇数のみで見いだされるように塩基T及びCで構成される。または、さらに一般的な場合では、3’−YN/N−5’であり、式中、N、N、N、及びNがG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、Yが、Nストレッチの整列番号が奇数となり、かつNストレッチの整列番号が偶数となるように塩基N及びNの交互に無作為な長さのストレッチから構成される長さn(nは0、1以上である)のヌクレオチド配列である。第1の単純な実施態様では、下の鎖の2つの塩基対(図4における例示的な設計ではT及びC)は段階的な進行のために留保され、上の鎖のその相補性の対は決して標識されない。他の2つの塩基は標識されたヌクレオチドに相補性であり、サイクル当たり2つの異なる捕捉剤による染色を提供することができる。そのような設計は、(a)2つの捕捉剤が同じ二本鎖を含有しないこと、及び(b)サイクル当たり2つの異なる抗体のみが読み取られることを保証する。この実施態様では、各サイクルは、3つの工程、すなわち、2つの捕捉剤が蛍光dNTPの組み込みによって標識され、他の二本鎖のすべてが一度に1塩基伸長される標識工程、画像化工程、及び脱保護/不活化工程を有することができる。
RCAの実施形態では、抗体に連結された鎖は抗体のそれぞれに対して異なってもよく、この場合、RCA産物はRCA産物の各反復における上述の式に一致する配列を含有する。
サイクルからサイクルへの移行の間に、前のサイクルに由来する標識された捕捉剤は上述と同じ方法で退色/脱染することができる。任意で退色剤の代わりに、消光剤で標識されたヌクレオチドを標識された塩基の後に組み込むことができる。この実施形態では、標識される位置はオーバーハングにおける最後の位置であるため、オーバーハングにおけるヌクレオチドの位置はすべて充填されているため、前のサイクルに由来する標識された捕捉剤は後のサイクルで再標識することはできない。マウスの脾細胞の塗抹標本におけるCD4及びCD8陽性T細胞の連続検出にて例示されるような「可逆的ターミネータ法」の能力は図13、15、及び図16で説明されている。
実施態様II
この方法では、ニックトランスレーションによるプライマーの伸長によって、上の鎖のプライマーから下流に位置付けられるように下の鎖のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する蛍光で標識された「検出器」オリゴヌクレオチドから消光剤を除去する。この方法の原理は図7にて説明されている。この方法の多重化版は図8に示されている。
特定の実施形態では、多重化実施態様は、(a)平面試料を二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される複数の捕捉剤とインキュベートすることと、(b)捕捉剤を平面試料に架橋することと、(c)複数の捕捉剤の第1のセットのオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するプライマーを伸長し、それによって、例えば、ポリメラーゼを用いてヌクレオチドを付加することにより、またはリガーゼを用いてオリゴヌクレオチドを付加することにより、蛍光シグナルの第1のセットを生成する(例えば、プライマーから下流のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する標識されたヌクレオチドから消光剤を除去することによって)ことと、(d)蛍光顕微鏡を用いて蛍光シグナルの第1のセットを読み取ることと、(e)蛍光を不活化することと、(f)複数の捕捉剤の第2のセットのオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するプライマーを伸長し、それによって蛍光シグナルの第2のセットを生成することと(例えば、プライマーから下流のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する標識されたヌクレオチドから消光剤を除去することによって)、(g)蛍光顕微鏡を用いて蛍光シグナルの第2のセットを読み取ることと、(h)工程(d)及び(g)の画像生成物を比較することと、を含んでもよい。
この方法では、捕捉剤に結合される二本鎖オリゴヌクレオチドの構造は、「ニックトランスレーション」による捕捉剤結合のパターンの提供を効果的に可能にする特定の設計を有する。特に、上の鎖及び長い5’オーバーハングを伴った下の鎖のオリゴヌクレオチドの二本鎖はさらに、蛍光及び消光剤の双方によって標識される小さな検出器オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する。当初の上の鎖と上の鎖の検出器オリゴとの間には予め設計されたギャップが存在する。サイクル染色の間、このギャップは、単一塩基のニックに縮小するまで、「可逆的ターミネータ」または「欠落塩基」(前の節で説明されたものに類似する)のいずれかによって「ウォーキング」される。DNA pol Iのような「ニックトランスレーションする」ポリメラーゼによる上の鎖のニックを介する伸長及び進行によって、消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤が除去され、それによって捕捉剤のすべてではなく一部に対する蛍光シグナルが生成される。
一部の実施形態では、本方法は一般に、(i)平面試料を、i.独特の配列が、(i)オリゴヌクレオチドの上の鎖「プライマー」、(ii)プライマーから下流である部位にて5’消光剤を含む標識された上の鎖オリゴヌクレオチド、及び消光剤から下流の蛍光色素分子にハイブリッド形成される下の鎖のオリゴヌクレオチドを含む第1のオリゴヌクレオチド二本鎖に結合される第1の抗体、及びii.(i)オリゴヌクレオチドの上の鎖「プライマー」ならびに蛍光色素分子及び消光剤の双方で標識される上の鎖オリゴヌクレオチドであって、プライマーの3’末端と標識されたオリゴヌクレオチドの5’末端との間のギャップは第1及び第2のオリゴヌクレオチドについて異なるオリゴヌクレオチドにハイブリッド形成される下の鎖のオリゴヌクレオチドを含む第2のオリゴヌクレオチド二本鎖に結合される第2の抗体で標識することと、(ii)組織試料を第1のヌクレオチドミックス及びポリメラーゼとインキュベートし、それによって第1のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する標識されたオリゴヌクレオチドのみから消光剤を除去し、第1の蛍光シグナルを生成することと、(iii)蛍光顕微鏡を用いて第1の蛍光シグナルを読み取ることと、(iv)ポリメラーゼのニックトランスレーションをさらに進行することによって蛍光シグナルを不活化することと、(v)組織試料を第2のヌクレオチドミックス及びポリメラーゼとインキュベートし、それによって第2のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する標識されたオリゴヌクレオチドのみから消光剤を除去し、第1の蛍光シグナルを生成することと、(vi)蛍光顕微鏡を用いて平面試料から第2の蛍光シグナルを読み取ることと、を含む。
図7及び8はこの方法の例を示す。図8で示される多重化法は以下の工程を有する。
工程1:平面試料は、二本鎖の上の鎖がニックまたは単一塩基の欠失を含有し、2つの末端における蛍光色素分子及びその消光剤が接するヌクレオチドのストレッチがそれに続くように化学的にまたはストレプトアビジンを介して(図1で記載されるように)DNA二本鎖オリゴヌクレオチドにカップリングされる捕捉剤によって染色される(「分子ベーコン」または「Taqmanに基づく設計)。
工程2:染色パターンは、一文字(例えば、図5のようにA)の存在下でDnaPolIクレノウ断片のような任意の5’エキソポリメラーゼによって実施されるニックトランスレーション反応によって提供される。ニックトランスレーションは消光剤を除去するが、蛍光色素分子を伴う二本鎖の一部を除去する前に停止する。
工程3:他の染色試薬の提供するために、蛍光は、蛍光色素分子を伴うストレッチの文字の存在下でニックトランスレーションを継続することによって除去する。
工程4:多重化が所望される場合、多重化は、検出試薬に結合されるオリゴヌクレオチド二本鎖の特殊な設計によって達成することができる。特に、各抗体のセット(サイクル当たり2つまたは3つ)は、上の鎖のプライミングと検出器オリゴヌクレオチドとの間で増大する長さのギャップを有する。消光剤/蛍光色素分子の対を搬送する鎖上のこの配列ギャップは、方法1でそれがどのように達成されるかに類似して、単一塩基がサイクル当たり伸長されるような方法で最終的なニックまで満たされる(図8を参照のこと)。
実施態様III
この実施態様では、本方法は、蛍光色素分子で標識された塩基によるプライマー伸長によって抗体の染色を提供すること、またはさもなければ、プライマー伸長によってプライマーに付加された第1の蛍光ヌクレオチドとオリゴヌクレオチド図10に存在する第2のヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルを読み取ることを含む。この方法の原理は図9Aにて説明されている。多重化は、二本鎖を融解することによりまたはエキソヌクレアーゼにより伸長が刺激するオリゴヌクレオチドを除去し、かつ異なる抗体で伸長可能である別のプライマーオリゴヌクレオチドを再アニーリングすることによって達成される。この方法の多重化版は図9Bにて示される。特定の実施形態では、多重化された実施態様は、(a)平面試料を複数の捕捉剤とインキュベートすることと、(b)捕捉剤を平面試料に架橋することと、(c)複数の捕捉剤の第1のセットのオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するプライマーを伸長し(例えば、第1のプライマーの3’末端が第1の集団のオリゴヌクレオチドのみとアニーリングする)、それによって第1のセットの蛍光シグナルを生成すること(その工程は、ポリメラーゼを用いて標識されたヌクレオチドを付加すること、ならびに/または試料と標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼと、を接触させることによって実施することができる)と、(d)蛍光顕微鏡を用いて第1のセットの蛍光シグナルを読み取ることと、(e)蛍光を不活化することと、(f)複数の捕捉剤の第2のセットのオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するプライマーを伸長し(例えば、第1のプライマーの3’末端が第2の集団のオリゴヌクレオチドのみとアニーリングする)、それによって第2のセットの蛍光シグナルを生成すること(その工程は、ポリメラーゼを用いて標識されたヌクレオチドを付加すること、ならびに/または試料と標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させることによって実施することができる)と、(g)蛍光顕微鏡を用いて第2のセットの蛍光シグナルを読み取ることと、(h)工程(d)及び工程(g)の画像生成物を比較することと、を含んでもよい。
特定の実施形態では、この方法は、(a)平面試料を、(i)第1の標識されたオリゴヌクレオチドに結合される第1の抗体及び(ii)第2の標識されたオリゴヌクレオチドに結合される第2の抗体と共にインキュベートすることと、(b)捕捉剤を平面試料に架橋することと、(c)第1及び第2の標識されたオリゴヌクレオチドを、3’末端が第1の標識されたオリゴヌクレオチドのみとアニーリングする第1のプライマーにハイブリッド形成させることと、(d)蛍光ヌクレオチドを伴うプライマーを伸長すること(その工程はポリメラーゼを用いて標識されたヌクレオチドを付加すること、ならびに/または試料と標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させることによって実施することができる)と、(e)第1のオリゴヌクレオチドの標識と第1のプライマーに付加された蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルを蛍光顕微鏡によって読み取ることと、(f)第1のプライマーに付加された蛍光ヌクレオチドを不活化することと、(g)3’末端が第2の標識されたオリゴヌクレオチドのみとアニーリングする第2のプライマーと第1及び第2の標識されたオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させることと、(h)蛍光ヌクレオチドを伴う第2のプライマーを伸長することと、(i)第2のオリゴヌクレオチドの標識と第2のプライマーに付加された蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルを蛍光顕微鏡によって読み取ることと、を含む。
図9〜10はこの方法の例を示す。図8〜11に示される方法は以下の工程を有する。
工程1:平面試料は、一本鎖オリゴヌクレオチドにカップリングされる捕捉剤を用いて染色される。オリゴヌクレオチドは非標識であってもよく、または3’末端でFRETアクセプター(例えば、Cy5)蛍光色素分子によって標識されてもよい。
工程2:結合パターンは、相補性プローブのスライドガラス上でのハイブリッド形成及びその後の蛍光で標識されたヌクレオチドが伸長された鎖におけるオーバーハングを満たすプライマー伸長反応によって決定することができる。この例(図10を参照)では、伸長された塩基は、シグナル対ノイズ比を増大することができるFRETドナー(例えば、Cy3)によって標識される。捕捉剤に結合されているオリゴヌクレオチドが非標識である場合、DNA合成によって組み込まれているヌクレオチドの蛍光放射はFRETなしで直接検出することができる(図9)。
工程3:他の捕捉剤の結合パターンは、例えば、Ventのようなエキソ+DNAポリメラーゼによる下の鎖の切断によって蛍光を除去することにより決定することができる(図9)。代替として、DNA鎖の融点を超えて温度を上昇させることによって、または前に記載された脱染技法の1つによって蛍光を除去することができる。
工程4:多重化は、特異的なオリゴヌクレオチドでそれぞれ標識された捕捉剤のライブラリによって試料を染色することにより、かつコンジュゲート上述の工程1〜3のサイクルで毎回捕捉剤をコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドの1つに相補性である異なる検出オリゴヌクレオチドを用いることによって、達成することができる。プライマーが特異的にアニーリングする二本鎖のみが適正に伸長されることになる(図11)。これらの実施形態では、各プライマーは、その3’末端が捕捉剤に結合されるオリゴヌクレオチドの1つのみとハイブリッド形成するように設計される。
さらなる実施態様
図16にて模式的に説明されているように、ローリングサークル増幅を用いてシグナルが増幅されてもよい。これらの実施形態では、オリゴヌクレオチドに結合されている捕捉剤は、パドロックプローブの末端がライゲーション可能に隣接するようにオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成するパドロックプローブとハイブリッド形成される。この実施形態では、ライゲーションの後、オリゴヌクレオチドによってプライムされているローリングサークル増幅によってパドロックプローブ(ここでは環化されている)をコピーすることができる。この反応によって、捕捉剤に結合される縦一列での同じ配列のいくつかの(多くの場合、数百または数千)コピーを含有するパドロックプローブのコンカテマーが生じる。ローリングサークル増幅の産物(抗体に結合される)は、上述及び図示の方法を用いて検出することができ、検出される配列は反復されるため、シグナルが増幅される。これらの実施形態では、(i)捕捉剤は、第1の鎖(すなわち、RCA産物)及び第2の鎖(検出オリゴヌクレオチドを含む)を含む二本鎖核酸に結合される。そのような方法を用いて単一分子を検出することができる。
図19は、パドロックプローブ/RCA増幅のアプローチを用いてRNA分子をどのように検出することができるかを示している。この方法では、パドロックプローブは捕捉剤と同じmRNA(「スプリント−プライマー」)とハイブリッド形成し、それによってパドロックプローブが標的RNAの存在下でのみ確実に環化する。この実施態様では、スプリント−プライマーは標的RNAとハイブリッド形成し、パドロックプローブのスプリントとして作用し、またローリングサークル増幅のためのプライマーとしても作用し、それによって図16と同様にシグナルを増幅させることができる。
図20はプライマー伸長及び短い標識されたオリゴヌクレオチドのライゲーションに依存する代替法を示す。この実施態様では、上の鎖のオリゴヌクレオチドへの短い標識されたオリゴヌクレオチドのライゲーションは、オーバーハングが特定の点まで満たされた後にのみ生じる。ライゲーションに依存する実施形態では、標識されたオリゴヌクレオチドは伸長可能な末端の3’末端または5’末端のいずれかに付加することができる。
有用性
本明細書に記載されている方法及び組成物には、任意の平面試料の分析のための多種多様な応用で一般的な用途が見いだされる(例えば、組織切片、細胞のシート、遠心した細胞、電気泳動ゲルのブロット、ウエスタンブロット、ドットブロット、ELISA、抗体マイクロアレイ、核酸マイクロアレイ等の分析にて)。
特定の実施形態では、平面試料は患者から得られる組織生検の切片であってもよい。対象とする生検には、皮膚(黒色腫、癌腫等)、軟組織、骨、乳腺、結腸、肝臓、腎臓、副腎、消化器、膵臓、胆嚢、唾液腺、子宮頸部、卵巣、子宮、精巣、前立腺、肺、胸腺、甲状腺、副甲状腺、下垂体(腺腫等)、脳、脊髄、眼、神経、骨格筋等の腫瘍及び非腫瘍双方の生検が挙げられる。
特定の実施形態では、捕捉剤は、タンパク質様または核酸であってもよい癌の生体マーカーを含む生体マーカーに特異的に結合する。例示的な癌の生体マーカーには、癌胎児性抗原(腺癌の特定用)、サイトケラチン(癌腫の特定用であるが、一部の肉腫にも発現され得る)、CD15及びCD30(ホジキン病用)、アルファフェトタンパク質(卵黄嚢腫瘍及び肝細胞癌用)、CD117(消化管間質腫瘍用)、CD10(腎細胞癌及び急性リンパ芽球性白血病用)、前立腺特異抗原(前立腺癌用)、エストロゲン及びプロゲステロン(腫瘍の特定用)、CD20(B細胞リンパ腫の特定用)、CD3(T細胞リンパ腫の特定用)が挙げられるが、これらに限定されない。
上述の方法を用いて対象に由来する細胞を分析し、例えば、細胞が正常であるか否か、または細胞が治療に応答しているかどうかを決定することができる。一実施形態では、本方法を用いて癌細胞における異形成の程度を決定することができる。これらの実施形態では、細胞は多細胞生物に由来する試料であってもよい。生物試料は個体から、例えば、軟組織から単離されてもよい。特定の場合では、本方法を用いてFFPE試料の異なる型の癌細胞を区別してもよい。
上述の方法によって、それぞれが異なるマーカーを認識する複数の抗体を用いて平面試料を確認することにおいて特定の有用性が見いだされる。癌及びそれらの癌を特定するのに使用することができる生体マーカーの例が以下で示される。これらの実施形態では、診断を行うために以下に列挙したマーカーのすべてを確認する必要はない。
Figure 2021164471
Figure 2021164471
一部の実施形態では、本方法を用いて、DNA分子及び/またはRNA分子の位置及び任意で存在量をインサイチュで検出することができる。例示的な一実施形態では、本方法を用いて細胞内RNAを検出してもよい。これらの実施形態では、捕捉剤は核酸であってもよく、RNA分子(例えば、mRNAまたはlncRNA)の細胞内での位置及び任意で存在量はインサイチュで検出することができる。そのようなハイブリッド形成法は、既知のRNAまたはDNAのFISH法(参照によって本明細書に組み入れられる、例えば、Mahadevaiah et al(Methods Mol.Biol.2009,558:433−44),Shaffer et al(PLoS One.2013,8:e75120)及びPollex et al(Methods Mol.Biol.2013,1042:13−31)を参照のこと)から適応されてもよい。
一部の実施形態では、本方法は上述のような画像(遠隔地から転送することができる電子形態)を得ることに関与し、医師または他の医療専門家が分析することによって、患者が異常細胞(例えば、癌様細胞)を有するかどうか、または異常細胞のどの型が存在するのかを判定することができる。画像を診断として用いて対象が疾患または病態、例えば、癌を有するかどうかを判定することができる。特定の実施形態では、本方法を用いて、例えば、癌のステージを判定し、転移した細胞を特定し、または治療に対する患者の応答をモニターすることができる。
本明細書に記載されている組成物及び方法を用いて疾患のある患者を診断することができる。場合によっては、患者の試料における生体マーカーの存在または不在によって、患者が特定の疾患(例えば、癌)を有することを示すことができる。場合によっては、患者の試料と健常対照の試料と比較することによって患者に疾患があると診断することができる。この例では、対照と比較した生体マーカーのレベルを測定することができる。対照と比較する患者の試料における生体マーカーのレベルの差異は疾患を示すことができる。場合によっては、患者に疾患があることを診断するために1つまたは複数の生体マーカーが分析される。本開示の組成物及び方法は、試料における複数の生体マーカーの存在もしくは不在を特定すること、またはその発現レベルを測定することに特に適している。
場合によっては、本明細書の組成物及び方法を用いて患者のための治療計画を決定することができる。生体マーカーの存在または不在は患者が特定の治療に応答性であるまたは抵抗性であることを示すことができる。例えば、1つまたは複数の生体マーカーの存在または不在は、疾患が特定の治療法に抵抗性であり、代わりの治療法を投与してもよいことを示すことができる。場合によっては、患者は現在治療を受けており、1つまたは複数の生体マーカーの存在または不在はその治療がもはや効果的ではないことを示す場合がある。
任意の実施形態では、データを「遠隔地」に転送することができるが、この場合、「遠隔地」は画像が調査される場所以外の場所を意味する。例えば、遠隔地は同じ町の別の場所(例えば、オフィス、研究室等)、異なる町の別の場所、異なる州の別の場所、異なる国の別の場所等であってもよい。したがって、1つの項目がもう1つとは「遠隔」にあると示される場合、それが意味することは、2つの項目が、同じ部屋にあるが、離れている場合がある、または少なくとも異なる部屋または異なる建物にある場合がある、少なくとも1マイル、10マイル、もしくは少なくとも100マイル離れている場合があるということである。情報を「伝えること」は電子信号としてその情報を表すデータを好適な伝達経路(例えば、プライベートまたは公的なネットワーク)によって伝達することに言及する。項目を「転送すること」は、その項目を物理的に搬送することによって、または別の方法で(それが可能である場合)その項目を1つの場所から次の場所に移動する手段を指し、かつ少なくともデータの場合、データを搬送するまたはデータを伝達する媒体を物理的に輸送することを含む。伝達媒体の例には、無線または赤外線の伝達経路、ならびに別のコンピュータまたはネットワークデバイスへのネットワーク接続、ならびに電子メール伝達及びウェブサイト等で記録された情報を含むインターネットが挙げられる。特定の実施形態では、画像はMDまたは他の適格な医療専門家が分析することができ、画像の分析の結果に基づいた報告を試料の提供元である患者に転送することができる。
場合によっては、本方法は、疾患または病態の診断またはモニタリング(画像によって疾患または病態のマーカーが特定される)、薬剤標的の発見(画像におけるマーカーが薬剤療法のための標的とされてもよい)、薬剤スクリーニング(画像で示されるマーカーによって薬剤の効果がモニターされる)、薬剤感受性を判定すること(薬剤感受性はマーカーに関連する)及び基礎研究(試料における細胞間での差異を測定することが望ましい)を含むが、これらに限定されない種々の診断、創薬、及び研究応用にて採用されてもよい。
特定の実施形態では、上記の方法を用いて2つの異なる試料を比較してもよい。異なる試料は、「実験上の」試料、すなわち、対象とする試料、及び実験上の試料と比較することができる「対照」試料で構成されてもよい。多くの実施形態では、異なる試料は細胞の型またはその分画の対であり、一方の細胞型は対象とする細胞型、例えば、異常細胞であり、他方は対照、例えば、正常細胞である。細胞の2つの分画を比較する場合、分画は通常、2種類の細胞のそれぞれに由来する同じ分画である。しかしながら、特定の実施形態では、同じ細胞の2つの分画が比較されてもよい。例示的な細胞型の対には、例えば、組織生検から(例えば、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、皮膚癌のような疾患を有する、または病原体に感染した組織等から)単離された細胞及び通常同じ患者の同じ組織に由来する正常細胞、不死である組織培養で増殖する細胞(例えば、増殖性の変異または不死化している導入遺伝子を持つ細胞)、病原体に感染した細胞、または処理された細胞(例えば、ペプチド、ホルモン、温度変化、増殖条件、物理的ストレス、細胞の形質転換等のような環境的なまたは化学的な作用因子によって)及び正常な細胞(例えば、不死ではないこと、感染していないこと、または処理されていないこと等を除いて実験上の細胞とその他の点では同一である細胞)、癌、疾患を有する哺乳類、高齢哺乳類、または病態に曝露された哺乳類から単離された細胞及び健常であるまたは若年である同一種、好ましくは同一家族の哺乳類に由来する細胞、ならびに同一哺乳類に由来する分化した細胞及び未分化の細胞(例えば、哺乳類における他の前駆細胞である細胞1つ)が挙げられる。一実施形態では、異なる型の細胞(例えば、神経細胞及び非神経細胞)、または異なる状態の細胞(例えば、細胞の刺激の前と後)が採用されてもよい。本発明の別の実施形態では、実験物質は、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等のようなウイルスのような病原体による感染に感受性がある細胞であり、対照物質は病原体による感染に耐性がある細胞である。別の実施形態では、試料の対は未分化の細胞、例えば、幹細胞、及び分化した細胞によって表される。
本方法によって作製される画像は並べて見てもよいし、一部の実施形態では、画像を重ねてもよいし、または組み合わせてもよい。場合によっては、画像はカラーであってもよく、この場合、画像で使用される色は使用される標識に対応してもよい。
例えば、細菌、酵母、植物、ならびに例えば、魚類、鳥類、爬虫類、両生類及び哺乳類のような動物に由来する細胞及び生物が主題の方法で使用されてもよい。特定の実施形態では、哺乳類細胞、すなわち、マウス、ウサギ、霊長類、もしくはヒトに由来する細胞、または培養されたその派生物が使用されてもよい。
コンピュータシステム
本発明はまた、本開示の方法を実施するように構成されるコンピュータシステムも提供する。本システムは、本明細書に記載されている方法を実施するようにプログラムされるコンピュータサーバー(「サーバー」)を含むことができる。図21は、ユーザーが試料の画像を検出し、解析し、かつ処理するのを可能にするように適応させたシステム1600を示す。システム1600には、本明細書に記載されている例示的な方法を実施するようにプログラムされる中央コンピュータサーバー1601が含まれる。サーバー1601には、単一コアのプロセッサ、複数コアのプロセッサ、または並行処理のための複数のプロセッサであり得る中央処理ユニット(CPU、また「プロセッサ」)1605が含まれる。サーバー1601にはまた、メモリ1610(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子保存ユニット1615(例えば、ハードディスク)、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース1620(例えば、ネットワークアダプタ)、ならびにキャッシュ、他のメモリ、データ保存、及び/または電子表示アダプタを含んでもよい周辺デバイス1625が含まれる。メモリ1610、保存ユニット1615、インターフェース1620、及び周辺デバイス1625は、マザーボードのような通信バス(実線)を介してプロセッサ1605と通信する。保存ユニット1615はデータを保存するためのデータ保存ユニットであり得る。サーバー1601は通信インターフェース1620によってコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1630に操作可能に連結される。ネットワーク1630は、インターネット、イントラネット及び/もしくはエクストラネット、インターネットと通信するイントラネット及び/もしくはエクストラネット、電気通信、またはデータネットワークであることができる。ネットワーク1630は、場合によっては、サーバー1601によって、ピアツーピアのネットワークを実施することができ、それによってサーバー1601に連結されたデバイスがクライアントまたはサーバーとして挙動することができるようになる。顕微鏡は、周辺デバイス1625または遠隔コンピュータシステム1640であり得る。
保存ユニット1615は、例えば、個々の画像、タイムラプス画像、個々の細胞についてのデータ、個々の生体マーカーについてのデータ、試料への捕捉剤の結合のパターンを示す画像、または本発明に関連するデータの任意の態様のようなファイルを保存することができる。データ保存ユニット1615は仮想グリッドにおける細胞の位置に関連するデータに連結されてもよい。
サーバーはネットワーク1630を介して1つまたは複数の遠隔のコンピュータシステムと通信することができる。1つまたは複数の遠隔のコンピュータシステムは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、電話、スマートフォン、または携帯情報端末であってもよい。
一部の状況では、システム1600は単一のサーバー1601を含む。他の状況では、システムは、イントラネット、エクストラネット、及び/またはインターネットを介して互いに通信する複数のサーバーを含む。
本明細書に記載されているような方法は、サーバー1601の電子保存場所、例えば、メモリ1610または電子保存ユニット1615にて保存されるマシン(コンピュータプロセッサ)コンピュータ可読媒体(またはソフトウエア)によって実施することができる。使用の間、コードはプロセッサ1605によって実行され得る。場合によっては、コードは保存ユニット1615によって読み出され、プロセッサ1605によるアクセスを容易にするためにメモリ1610に保存され得る。一部の状況では、電子保存ユニット1615を除外することができ、マシンで実行可能な指示をメモリ1610に保存することができる。代替として、第2のコンピュータシステム1640でコードを実行することができる。
サーバー1601のような本明細書で提供されているシステム及び方法の態様はプログラミングにて具体化することができる。技術の種々の態様は、ある種のマシン可読媒体(例えば、コンピュータ可読媒体)にて実行されるか具体化される、通常マシン(またはプロセッサ)実行可能コード及び/またはそれに関連するデータの形態の「製品」または「製造物品」として考えられてもよい。マシン実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクのような電子保存ユニットに保存することができる。「保存」型の媒体には、コンピュータ、プロセッサ等、または関連するそのモジュールの有形メモリ、例えば、種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ等のいずれかまたはすべてが含まれるが、それらはソフトウエアのプログラミングのときはいつでも非一時的な保存を提供することができる。ソフトウエアのすべてまたは一部は、インターネットまたは種々のその他の電気通信ネットワークを介して通信する場合もある。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバーまたはホストコンピュータから応用サーバーのコンピュータプラットフォームへのソフトウエアの読み込みを可能にしてもよい。したがって、ソフトウエアの要素を有することができる別の型の媒体には、有線ネットワーク及び光学的な地上ネットワークならびに種々のエアリンクによるローカルデバイス間の物理的なインターフェースにわたって使用されるような光学波、電子波、及び電磁波が挙げられる。そのような波を搬送物理的な要素、例えば、有線または無線のようなもの、光学的なリンク等もソフトウエアを搬送する媒体として考慮されてもよい。本明細書で使用されるとき、非一時的な有形の「保存」媒体に制限されない限り、コンピュータまたはマシン「可読媒体」のような用語はプロセッサに実行指示を提供することに関与する媒体を指す。
したがって、マシン可読媒体、例えば、コンピュータ実行可能コードは、有形の保存媒体、搬送波媒体、または物理的伝達媒体を含むが、これらに限定されない多数の形態を取ってもよい。不揮発性保存媒体として、例えば、光学ディスクまたは磁気ディスク、例えば、コンピュータ(複数可)等における保存デバイスのいずれかを挙げることができ、そのようなものを用いてシステムを実装してもよい。有形の伝達媒体として、共軸ケーブル、銅ワイヤ、及びファイバー光学(コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む)を挙げることができる。搬送波伝達媒体は、例えば、無線周波(RF)または赤外線(IR)のデータ通信の間に生成されるもののような電気信号もしくは電磁信号、または音響波もしくは光波の形態を取ってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、DVD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを伴った任意の他の物理的保存媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは指示書を輸送する搬送波、そのような搬送波を輸送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコード及び/もしくはデータを読み取ることができる任意の他の媒体が挙げられる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、プロセッサに1つまたは複数の連続する1つまたは複数の実行指示を搬送することに関与してもよい。
試料の染色または標識の結果は、ユーザーのインターフェース、例えば、グラフィカルユーザーインターフェースによってユーザーに提示することができる。
キット
一部の態様では、本明細書の開示はキットを提供する。本キットは本開示の方法を実施するための任意の数の組成物を含むことができ、そのそれぞれは本明細書に記載されている。例えば、キットは少なくとも1つの捕捉剤を含んでもよい。捕捉剤は、抗体、アプタマー、またはオリゴヌクレオチドプローブであり得る。捕捉剤は、所望の標的に特異的に結合するように特注することができる。例えば、ユーザーは、キットに含む1つまたは複数の捕捉剤を特注してもよい。場合によっては、捕捉剤は別々に販売されている場合がある。捕捉剤は対象とする標的分子に特異的に結合することができる。追加としてまたは代替として、パネルとして捕捉剤を注文することができる(すなわち、捕捉剤を予め選択する)。パネルは特定の型の疾患(例えば、癌)または特定の亜型の疾患(例えば、結腸癌)について特異的であることができる。本開示のキットは、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含むこともできる。本明細書に記載されているように、オリゴヌクレオチドは第1の鎖及び第2の鎖を含むことができる。オリゴヌクレオチドは、一本鎖オリゴヌクレオチドとして、または二本鎖オリゴヌクレオチドとして提供され得る。後者の場合、キットは、オリゴヌクレオチドの第1の鎖及び第2の鎖をアニーリングして二本鎖オリゴヌクレオチドを作製するための試薬及び/または指示書を含むことができる。一本鎖または二本鎖のオリゴヌクレオチドを捕捉剤にコンジュゲートすることができ、または非コンジュゲートで提供することができる。後者の場合、二本鎖オリゴヌクレオチドを捕捉剤にコンジュゲートするために試薬をキットに含むことができる(例えば、クリック反応を行うための試薬)。場合によっては、キットは複数のオリゴヌクレオチドを提供してもよく、この場合、第1の鎖のそれぞれは同一であり、第2の鎖のそれぞれは異なる。キットはさらに、本明細書に開示されているヌクレオチド混合物を含むことができる。ヌクレオチド混合物は、蛍光ヌクレオチド、非標識のヌクレオチド、可逆的ターミネータヌクレオチド等の任意の組み合わせを含むことができる。一般に、キットで提供されるヌクレオチド混合物は提供されるオリゴヌクレオチドと適合することになる。キットはさらに、、プライマー伸長を行うためのポリメラーゼ、シグナル(例えば、TCEP)を不活化するための試薬、ブロッキング溶液(例えば、ヨードアセトアミド溶液)、及び本明細書の方法を実施するのに好適な任意の緩衝液または溶液を限定せずに含むことができる。キットは、固定剤(例えば、ホルムアルデヒド)のような標識用試料を調製するための任意の試薬または試料包埋用試薬(すなわち、パラフィンワックス)を含むことができる。キットはさらに、試験試料と比較するための対照試料を含むことができる。対照試料は健常な試料または疾患試料であり得る。対照試料は、検査中の組織もしくは細胞の型に、または試験される疾患と照合することができる。場合によっては、対照試料は陽性対照または陰性対照であってもよい。
実施形態
平面試料を分析する方法が提供される。特定の実施形態では、本方法は、(a)捕捉剤が平面試料における相補性部位に特異的に結合する条件下で捕捉剤と平面試料をインキュベートすることであって、(i)捕捉剤が第1の鎖及び第2の鎖を含む二本鎖オリゴヌクレオチドに結合され、(ii)捕捉剤が第1の鎖の5’末端によって二本鎖オリゴヌクレオチドに結合され、(iii)第1の鎖の3’末端が第2の鎖の5’末端に対して陥凹し、それによってオーバーハングが作製される、インキュベートすること、(b)捕捉剤を平面試料に架橋すること、(c)平面試料とポリメラーゼ及びヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって1つまたは複数のヌクレオチドをオーバーハングに付加すること、ならびに/または平面試料と、その一部が標識されてもよい、または標識されなくてもよい短いオリゴヌクレオチドの混合物及びDNAリガーゼとを接触させること、(d)蛍光顕微鏡を用いて、オーバーハングに1つまたは複数のヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取り、それによって平面試料に捕捉剤が結合するパターンを示す画像を作製することを含む。一部の実施形態では、試料が読み取られた後、この方法は、蛍光部分を除去し、付加された蛍光ヌクレオチドを脱保護し、それによって本方法を反復させることに関与してもよい。
任意の実施形態では、工程(c)は、平面試料とポリメラーゼ及び蛍光ヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させ、それによってオーバーハングに蛍光ヌクレオチドを付加すること、または平面試料と1つまたは複数の蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドとを接触させ、それによってオーバーハングに蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを付加することを含んでもよく、工程(d)は、オーバーハングに蛍光ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることを含む。この実施態様では、蛍光シグナルは、付加されたヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドから直接放射されてもよく、オーバーハングに付加されている2つの蛍光ヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよく、またはオーバーハングに付加されている第1の蛍光ヌクレオチドと第2の鎖に存在している第2の蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルであってもよい。
一部の実施形態では、第1の鎖の伸長によって、第1の鎖の下流の、第2の鎖とハイブリッド形成する消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去する。
任意の実施形態では、試料は、ホルマリンで固定され、パラフィンに包埋された(FFPE)切片であってもよい。
また、本明細書で提供されるの、二本鎖オリゴヌクレオチドに結合される捕捉剤であって、(i)二本鎖オリゴヌクレオチドが第1の鎖及び第2の鎖を含み、(ii)捕捉剤が第1の鎖の5’末端に結合され、(iii)第1の鎖の3’末端が第2の鎖の5’末端に対して陥凹し、それによってオーバーハングが作製されるか、または(iiii)5’末端が第2の鎖の3’末端に対して陥凹し、それによってオーバーハングが作製される、捕捉剤である。
また、本明細書で提供されるのは、異なる相補性部位を認識する複数の捕捉剤を含む捕捉剤組成物であって、捕捉剤のそれぞれが、第1の鎖及び第2の鎖を含む二本鎖オリゴヌクレオチドに結合され、捕捉剤が第1の鎖の5’末端によって二本鎖オリゴヌクレオチドに結合され、二本鎖オリゴヌクレオチドのそれぞれの第1の鎖の3’末端が第2の鎖の5’末端に対して陥凹し、それによってオーバーハングが作製され、オーバーハングは捕捉剤のそれぞれに対して異なる、捕捉剤組成物である。代替として、5’末端が第2の鎖の3’末端に対して陥凹し、それによって各捕捉剤に特異的であるオーバーハングが作製される。この実施態様では、第1の鎖の配列は捕捉剤のそれぞれに対して同一であってもよく、第2の鎖の配列は捕捉剤のそれぞれに対して異なってもよい。
これらの実施形態では、オーバーハングは、式3’−N4n/N/N(式中、N、N、N、及びNがG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nが1以上である)のもの、またはDNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために式3’−YN/N−5’(式中、Yが塩基N及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNがG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである)で、5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続くものであってもよい。
組織試料を分析する方法も提供される。これらの実施形態では、本方法は、(a)捕捉剤が平面試料における部位に特異的に結合する条件下で平面試料を前の実施形態の捕捉剤組成物とインキュベートすることと、(b)捕捉剤を平面試料に架橋することと、(c)平面試料と、ポリメラーゼ及び不完全なヌクレオチドミックスもしくは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックス、ならびに/またはリガーゼ及び標識されたオリゴヌクレオチドとを接触させることと、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部にヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることと、を含んでもよい。
この実施態様では、本方法は、(c)平面試料とポリメラーゼ及び(i)N、N、及びNに相補性である蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックス、または(ii)N及びNに相補性である蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である非標識のヌクレオチドを含み、Nに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖オリゴヌクレオチドに蛍光ヌクレオチドを付加することを含んでもよい。この工程はまた、ライゲーションによって、すなわち、平面試料と標識されたオリゴヌクレオチド(またはその混合物)とを接触させることによっても実施することができ、この場合、標識されたオリゴヌクレオチドの付加はオーバーハングの下部の配列によって決定される。この方法はまた、(d)蛍光顕微鏡を用いて、捕捉剤のすべてではなく一部に蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取ることも含む。これらの実施形態では、オーバーハングは、式3’−N4n/N/N(式中、N、N、N、及びNがG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nが1以上である)のものであってもよく、工程(c)は、平面試料とポリメラーゼならびにN、N、及びNに相補性である蛍光ヌクレオチド及びNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させることを含む。この工程はまた、リガーゼを用いて標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによっても実施することができる。これらの実施形態では、本方法は、(e)蛍光シグナルを不活化し、可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護し、試料をブロッキングすることと、(f)工程(c)及び(d)を反復することとを含んでもよい。場合によっては、工程(f)は工程(c)、(d)、及び(e)を複数回反復することを含んでもよい。代替として、オーバーハングは、DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために式3’−YN/N−5’で、5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続くものであってもよく、式中、Yは塩基N及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである。これらの実施形態では、本方法はさらに、(e)蛍光シグナルを不活化し、平面試料とポリメラーゼ及びNに相補性である非標識のヌクレオチドとを接触させることと、(f)工程(c)及び(d)を反復することとを含んでもよい。場合によっては、工程(f)は工程(c)、(d)、及び(e)を複数回反復することを含んでもよい。
一部の実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドはそれぞれ、第1の鎖から下流の第2の鎖とハイブリッド形成する蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを含み、この場合、蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドは消光剤を含み、第1の鎖の伸長によって消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤が除去され、それによって捕捉剤のすべてではなく一部に対して蛍光シグナルが生成される。
実施例1
材料及び方法
2%ホルムアルデヒドで固定し、透過処理し、−80℃でメタノールにて保存された脾臓細胞をメタノールから遠心分離し、緩衝液4(10mMのTris &.5,10mMのMgCl2,150mMのNaCl,0.1%のトリトンX100)に再浮遊させ、回転体で5分間洗浄した。ab−オリゴヌクレオチドの複合体の非特異的な結合をブロッキングするために、細胞をさらに遠心分離し、1mLのPBS、0.5%BSA(SM)に再浮遊させ、追加の0.5MのNaCl(0.9mLのSM+100uLの5MのNaCl)に至るまで補完した。20uLの剪断したssDNA(10mg/mL)、50uLのマウスIgG(10mg/mL)、及び20uLの0.5MのEDTAをさらに1mLの細胞に加え、その混合物を回転体上で30分間インキュベートした。染色のために、予め作製した抗体/オリゴヌクレオチド複合体(0.2ugのCD45−146複合体をチューブ当たり1uLの特異的なオリゴヌクレオチド(147等)と40Cで30分間アニーリングした)と共に細胞を30の250uLのチューブ(PCR小片チューブの選択は本事項に好都合である)に再分配し、回転させて1時間インキュベートした。細胞を2回洗浄し(PBS、0.1%トリトン、0.5Mの塩、5mMのEDTA)で2回洗浄し、ポリリジン処理したガラス製のカバースリップ上に載置し、10分間静置し/付着させ、さらに5mMのBS3を含むPBS(4mL当たり7.4mg)、0.1%トリトン、0.5MのNaCl、5mMのEDTAで1時間固定した。
染色はサイクルで提供した。奇数のサイクル(1、3、5、7、9、11、13、15)については、カバースリップをdG/dUミックス(1mL当たり150nMのdG、150nMのdUssCy5、150nMのdCssCy3、25uLのNEBエキソ−クレノウを含む緩衝液#4(10mMのTris 7.5、0.5MのNaCl、0.1%のトリトンX100、10mMのMgCl2))にて2分間インキュベートし、405(0.65MのNaClに至るまで補完された緩衝液#4)で2回洗浄し、共焦点顕微鏡によって撮像した。撮像に続いて、緩衝液405E(10mMのTris、7.5,0.5MのNaCl、0.1%のトリトン×100、5mMのEDTA)中の50mMのTCEPにおける2分間のインキュベートによって細胞から蛍光色素分子を切り離した。切断の後、細胞を405Eで洗浄し、ヨードアセトアミド溶液(新しく作製した100mMのヨードアセトアミドを含む緩衝液405E)にて1分間ブロッキングした。緩衝液#4で2回洗浄することによってブロッキング溶液を除去した。次のサイクルに進む前に、細胞を再び共焦点顕微鏡によって撮像した。偶数のサイクル(2、4、6、8、10、12、14)は、標識工程でdGをdAと置き換え、かつ切断を室温での4分までの延長したことを除いて、奇数のサイクルと同様に実施した。
予備データ
プライマー伸長によるインサイチュでの染色の可能性を検討するために、浮遊液における(図11)またはスライドガラス上に不動化した(図12)マウスの脾臓細胞にてCD4の発現を視覚化した。Tリンパ細胞を視覚化するために、脾臓細胞を従来のTcrB−Ax488抗体で共染色した。(図11A)のように、オリゴヌクレオチド二本鎖にコンジュゲートされたCD4抗体で双方の試料を染色した。TcrB陽性T細胞をサブセットに分離させない対照試料にはクレノウポリメラーゼを添加しなかった(図11B)。クレノウポリメラーゼを供給すると、CD4陽性T細胞はTcrB陽性T細胞のCy5陽性サブセットとして観察することができる(図11C及び図12)。スライドガラス上で染色された細胞の共焦点画像化によって明瞭な膜染色パターンが観察された(図12A)。総合すると、このデータは、捕捉剤の結合パターンを提供するのにスライドガラス上のプライマー伸長反応を使用できることを示している。
図11.プライマー伸長によって染色されたマウス脾臓細胞のフローサイトメトリー解析。
細胞内タンパク質の染色で実施されるように、マウス脾臓細胞をメタノールで固定し、透過処理した。(A)のように、細胞を従来のTcrB−Ax488抗体及びオリゴヌクレオチド二本鎖にコンジュゲートされたCD4抗体によって共染色した。染色の後、クレノウエキソポリメラーゼを伴わずに(B)またはそれ伴って(C)dUTP−Cy5と伸長緩衝液にて細胞をインキュベートした。(B)におけるTcrB陽性T細胞はAx−488染色によって示されることに留意されたい。クレノウの添加に応じて、TcrB陽性CD4陽性T細胞は(C)にてTcrB陽性T細胞のCy5陽性サブセットとして認識される。
図12.プライマー伸長によって染色されたマウス脾臓細胞のスライドガラス上での解析。
細胞内タンパク質の染色で実施されるように、マウス脾臓細胞をメタノールで固定し、透過処理した。ポリリジンを被覆したスライドガラス上に細胞を付着させ、図12Aのように従来のTcrB−Ax488抗体及びオリゴヌクレオチド二本鎖にコンジュゲートされたCD4抗体によって共染色した。染色の後、dUTP−Cy5クレノウエキソポリメラーゼと伸長緩衝液にて細胞をインキュベートし、共焦点顕微鏡によって視覚化した。示されるのは、CにおけるDIC画像、AにおけるCy5チャネル、BにおけるAx488チャネル、ならびにDにおけるAx488チャネル及びCy5チャネルを合わせたものである。(A)で確認されるように、(B)におけるTcrB−Ax488陽性T細胞のサブセットのみがプライマー伸長によってCy5陽性CD4陽性T細胞にされることに留意されたい。CD4の膜のパターンは、特定の予想された細胞内の局在化で生じるプライマー伸長による染色の特異性を指し示す。
プライマー伸長によるいくつかの抗原の多重化検出の可能性を証明するために、方法1、及び特に「可逆的ターミネータ」に基づいた多重化アプローチによってスライドガラス上に不動化されたマウス脾臓細胞にてCD4及びCD8の発現を同時解析した。同時に(図14、A)のように、オリゴヌクレオチド二本鎖にコンジュゲートされたCD4及びCD8抗体によって細胞を同時に染色した。CD8が第1のサイクルで視覚化され(図14、C)、CD4が第2のサイクルで視覚化される(図14、D)ように2サイクルの提供を実施した。細胞をTcrB−Ax488で対比染色し、脾臓細胞におけるTリンパ球を表した。予想通り、CD4陽性細胞は、Tリンパ球のCD8陽性サブセットを相互に排除するTcrB陽性T細胞のサブセットとして提供された(図14、A〜D)。データによって、ポリマー(DNA二本鎖)伸長による抗体の染色を提供することは、感受性の抗原の検出及び多重化を可能にするアプローチであることが示唆されている。
図13.可逆的ターミネータと共に方法1を用いたマウス脾臓におけるCD4及びCD8染色の2サイクル解析。
細胞内タンパク質の染色で実施されるように、マウス脾臓細胞をメタノールで固定し、透過処理した。ポリリジンを被覆したスライドガラス上に細胞を付着させ、従来のTcrB−Ax488抗体及び(A)にて示したようなオリゴにコンジュゲートされたCD4抗体とCD8抗体との混合物とによって共染色した。染色の第1のサイクルについては、細胞をイルミナ可逆的ターミネータ及びクレノウエキソポリメラーゼと伸長緩衝液にてインキュベートし、共焦点顕微鏡によって視覚化した(C)。第1のサイクル後の画像化に続いて、TCEPを含有するイルミナ切断緩衝液によって細胞を脱染した。脱染−ターミネータの再活性化に続いて、細胞を再びイルミナ可逆的ターミネータ及びクレノウエキソポリメラーゼと伸長緩衝液にてインキュベートし、共焦点顕微鏡によって視覚化した(D)。(B)上で4種のT細胞が高いレベルのTcrBによって特定され、4つの白い矢印によってマークされたことに留意されたい。これらの細胞のうちの2種はCD8a陽性((C)にて紫色の矢印にてマークされた)であることが染色の第1のサイクルの後に明らかになる。染色の第2のサイクルによって他の2種の細胞がCD4陽性である((D)にて緑色の矢印にてマークされた)ことが明らかになる。CD4及びCD8aの予想された相互の排他性と同様に組み込まれた標識されたヌクレオチドの膜パターンはさらに、プライマー伸長のサイクルのよる染色の特異性を支持している。
異なる細胞サブセットの多重性を含有する不均質な組織のモデルにて「欠落塩基」の多重化アプローチについて試験した(図14)。この目的で、均質化されたマウス脾臓に由来する白血球を30の試料に分割した。精製したCD45を共通する上の鎖のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートし、次いで、「欠落塩基のアプローチ」の多重化版にて順次提供され得る(サイクル当たり2)オーバーハングを作製するように設計された30の異なる下の鎖のオリゴヌクレオチドを別々にアニーリングすることによってCD45の30の異なる型を作製した。試料を30のCD45抗体コンジュゲートによって個々に染色し(バーコード化し)、未結合のCD45を洗浄し、バーコード化された試料を混合してスライドガラス上に付着させた。偽型細胞のこの混合物の染色は「欠落塩基」のアプローチによって提供された。6回の第1のサイクル(12集団、サイクル当たり2つの赤及び緑)と同様にサイクル間でTCEPによって修飾塩基から蛍光色素分子を切断することによる蛍光色素分子の不活化は図15に示される。確認され得るように、同じ2つの細胞は各サイクルにてかつサイクル間で染色されず、それによって細胞上でのプライマー伸長が特異的な抗体染色を確実に提供することが証明される。
「欠落塩基」法の性能及び多重化能について試験するために、図14及び図15で示されるように、以下のモデルアプローチを採用した。マウスのCD45抗体を「上の鎖」のオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチドid−146)に化学的にコンジュゲートさせた。コンジュゲートされた抗体をさらに分割し、(40℃で30分間一緒にインキュベートすることによって)30の異なる「下の鎖」のオリゴヌクレオチドに別々にアニーリングし、こうしてCD45抗体の30の異なる種を効果的に作製した。「欠落塩基」方略に従って、さらに異なる蛍光色素分子(Cy5及びCy3)に可逆的に(S−Sリンカーを介して)結合された2つの塩基(dUTP及びdCTP)を用いて2つの抗体がサイクルごとに提供され得るように、30の「下の鎖」のオリゴヌクレオチドを設計した。各試料における細胞の大半が特定のCD45−上/下オリゴヌクレオチドの組み合わせで標識されるように、均質化されたマウス脾臓の30の試料をこれらのCD45−オリゴヌクレオチド二本鎖の複合体によって「バーコード化」した。染色及び洗浄に続いて、試料を組み合わせて、30の異なる細胞サブセットを伴った組織を模倣させた。混合物をスライドガラス上で塗抹標本にし、染色サイクル当たり2つのサブセットが異なる撮像チャネルで同時に視覚化されるように「欠落塩基」のアプローチによるサイクル染色によって提供した。
実施例2
ローリングサークル増幅によるインサイチュの抗体のシグナルの増幅
材料及び方法
記載されたようにオリゴヌクレオチド146v2に対するラット抗マウスB220抗体のコンジュゲートを調製した。コンジュゲートは、146v2にて環状ハイブリッドを形成するように設計されたパドロックオリゴヌクレオチド(PatgctaccgttAATTATTACTGAAACATACACTAAAGATAACATTAttctgcaag、配列番号125)とハイブリッド形成させた。マウス脾臓細胞をコンジュゲートのいずれかで染色し、次いでパドロック構築物で染色されたそれらの細胞を製造元のライゲーション緩衝液にて37℃で1時間T4 RNAリガーゼ(NEB)とインキュベートし、次いでphi29ポリメラーゼ及びdNTPミックスと15分間インキュベートした。細胞をPBSで3回洗浄し、次いで10nMのRCA産物検出オリゴヌクレオチド(TGAAACATACACTAAAGA、配列番号126)と10分間インキュベートした。その後、細胞を蛍光dUTP−Cy5(Jena Biosciences)とインキュベートし、200nMのdUTP−Cy5を含む緩衝液#4及び1uLのエキソクレノウポリメラーゼ(Thermo Scientific)とインキュベートすることによってそれを細胞に組み込んだ。細胞のアリコートを取り出し、ローリングサークル増幅(RCA)工程を行わず、次いで参照として使用して染色に対するRCAの効果を評価した。
結果
抗体の染色を向上させるために抗体に結合された多重化DNAバーコードのローリングサークル増幅の効率について試験した。リンカー(146v2)オリゴヌクレオチドハイブリッドにアニーリングされた環化「パドロック」オリゴヌクレオチドを含有する抗B220抗体に基づいた特殊な抗体−DNAコンジュゲートを収集し、それでマウスの細胞を染色した。染色の後、パドロックオリゴヌクレオチドをT4リガーゼとライゲーションさせて、phi29ポリメラーゼとローリングサークルのプロトコルを用いて増幅させたところ、検出プライマーに相補性の反復配列を含有する各抗体に結合された長い反復DNAのストレッチが生じた。プライマーのアニーリングの後、dUTP−Cy5の複数の分子は、その性質が反復性であるため、増幅されたDNA分子に組み込むことができる。図16のパネルA〜Eはこの方法を模式的に説明している。図16のパネルF〜Gは、ローリングサークル増幅による細胞の染色は、それがない場合と比較してはるかに強力であることを示している。
実施例3
分散した脾臓細胞にて22の抗原を同時検出すること
材料及び方法
以下のプロトコルを用いて抗体コンジュゲートを調製した。抗体に対して、TCEP(最終濃度1mM)のPBS、pH7.4と室温で30分間インキュベートすることによってジスルフィドの部分的な還元を行った。コンジュゲート緩衝液(PBS、pH7.0)によって飽和されたBioGelP−30スピンカラムにおける緩衝液交換によって抗体をTCEPから精製した。保護されたマレイミド基を有するオリゴヌクレオチド146v2(5’マレイミド−ATAGCAGTCCAGCCGAACGGTA GCATCTTGCAGAA、配列番号127)がTrilink incから注文された。製造元からの指示に従って抗体への共有結合架橋を調製するために、オリゴヌクレオチドに存在するマレイミド基をAdler反応(トルエンにて90℃で4時間)によって脱保護/活性化した。無水エタノールにおける数回の洗浄によってオリゴヌクレオチドからトルエンを除去した。活性化されたオリゴヌクレオチドをコンジュゲート緩衝液に溶解し、50:1のモル比で還元した抗体と混合した。最終濃度が1Mとなるまで塩化ナトリウムをコンジュゲート反応に添加した。コンジュゲート反応を1時間進行させた。未結合のオリゴヌクレオチドを除去するために、分子量カットオフフィルター(Amicon 50kDa)でコンジュゲートされた抗体を4回濾過した。0.5Mの塩化ナトリウム及び0.1%のTween−20を伴ったリン酸緩衝液にて最終洗浄及び保存を行った。
DNA二本鎖タグを収集するために、100ピコモルの下の鎖のオリゴヌクレオチドを含む0.6Mの塩化ナトリウムを伴ったリン酸緩衝液と0.2ugのコンジュゲートされた抗体とを混合し、40℃で30分間インキュベートした。
Figure 2021164471
Figure 2021164471
標準の手順に従ってマウスの脾臓細胞及び骨髄細胞を調製し、室温にて10分間2%ホルムアルデヒドで固定した。固定に続いて、細胞を遠心分離し、5%DMSOを伴ったPBSにて−80で凍結保存するか、または氷冷メタノールで10分間インキュベートすることによって透過処理し、さらにメタノールにて−80℃で保存した。
染色の前に、保存した細胞をSM(0.5%BSAのPBS、5mMのEDTA)で1回洗浄し、染色緩衝液(0.6MのNaCl、0.5%BSA、50ug/mlのラットIgG、200ug/mlのssDNA、5mMのEDTA、ml当たり3ナノモルのブロッキングオリゴヌクレオチドTTTTccctctcctcttcctttCcTCt−ddCを含むリン酸緩衝液、pH7.4)にて室温で30分間ブロッキングした。凍結切片を使用した場合、組織切片を温めたカバースリップで取り、切片を乾燥させずに直ちにドライアイスに入れた。切片を伴ったカバースリップをドライアイスの温度に予め冷却したエタノールに30秒間浸し、4%のホルムアルデヒドを伴ったSMEに20分間移した。その後、固定した切片をSMで2回洗浄し、さらに染色緩衝液で30分間ブロッキングした。100ulの溶液当たり0.2ugの各抗体で使われるコンジュゲートされた抗体の混合物によって室温にて染色緩衝液中でマウスの脾臓細胞を2〜3時間染色した。染色後、細胞をSM05(0.65Mの最終濃度までNaClで補完されたSM)で2回洗浄し、次いでポリ−L−リジンを被覆したカバースリップに付着させ、さらに5mMのBS3架橋剤を含むPBSと20分間インキュベートすることによってカバースリップ表面に固定した。メタノール固定/透過処理に続いて、細胞をSM05で1回洗浄し、カバースリップ表面に付着させ、さらに5mMのBS3架橋剤を含むPBSと20分間インキュベートすることによってカバースリップ表面に固定した。凍結切片が使用された場合、染色に続いて切片をSM05によって2回洗浄し、5mMのBS3架橋剤を含むPBSと20分間インキュベートすることによって固定した。染色手順及び平面的な形態への変換(浮遊細胞の場合)に続いて、あらゆる種類の試料に対して類似のABseq提供プロトコルを行った。
細胞を伴ったカバースリップを緩衝液4(10mMのTris、pH6.5、10mMのMgCl2、150mMのNaCl,0.1%のトリトン×100)で2回洗浄した。
染色はポリメラーゼ反応ミックスとの反復インキュベートによって提供された。奇数のサイクル(1、3、5…)では、細胞をG−ミックス(ml当たり150nMのdG、150nMのdUssCy5、150nMのdCssCy3、25ul/mlのNEBエキソクレノウを含む緩衝液4)にて2分間インキュベートし、405(MgClを含まず、最終0.65MまでNaClで補完した緩衝液4)で3回洗浄し、写真撮影し、50mMのTCEPを含む緩衝液405にて2分間インキュベートし、405で2回洗浄し、写真撮影し、新しく作製した100mMのヨードアセトアミドを含む緩衝液405にて1分間インキュベートし、緩衝液4で3回洗浄した。偶数のサイクル(2、4、6…)では、細胞をA−ミックス(ml当たり150nMのdATP、150nMのdUTPssCy5、150nMのdCTPssCy3、25ul/mlのNEBエキソクレノウを含む緩衝液4)にて2分間インキュベートし、405(MgClを含まず、最終0.65MまでNaClで補完した緩衝液4)で3回洗浄し、写真撮影し、50mMのTCEPを含む緩衝液405にて4分間インキュベートし、405で2回洗浄し、写真撮影し、新しく作製した100mMのヨードアセトアミドを含む緩衝液405にて1分間インキュベートし、緩衝液#4で3回洗浄した。可逆的に標識された蛍光ヌクレオチド三リン酸はJena Bioscienceによって特別に合成された。
結果
ABseqを用いて、22−抗体パネルを使用してマウスの脾臓及び骨髄における種々の細胞サブセットについて調査した。単離した脾臓細胞及び骨髄細胞をNHS−PacBlu及びNHS−Ax−488の色素による全細胞染色によってバーコード化し、混合し、DNA二本鎖でタグ付けした22の抗体のパネルで染色し、スライドガラス上に付着させ、11のプライマー伸長におけるABseq及び画像化の繰り返しによって提供した(図17)。明白に、すべてのマーカー発現データを有する疑似着色された画像における22の色マーカーの発現データは、多色パレットにおける色の近接性の故に視覚的に解析するのは不可能であることが明白に判明した(図17、右下のパネル)。
実施例4
スペーサーによる多重パネルの設計
材料及び方法
抗体のコンジュゲート、細胞の染色、及びレンダリングはセクション4(分散させた脾臓細胞にて22の抗原を同時検出すること)と同じ実験手順に従って行った。脾臓細胞の9つのアリコートを異なるCD45抗体−DNAのコンジュゲートで別々に染色した。各パネルのコンジュゲートは以下の方法で形成された。
パネル1:146v2(5’マレイミド−ATAGCAGTCCAGCCGAACGGTAGCATCTTGCAGAA(配列番号174)にコンジュゲートされ、かつ
1.TTTTATTCTGCAAGATGCTACCGTTCGG−ジデオキシC(配列番号150)
2.TTTTAtTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGGz−ジデオキシC(配列番号151)
3.TTTTACtTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGGz−ジデオキシC(配列番号152)とDNA二本鎖を形成するCD45。
パネル2:146v2−ddC(5’マレイミド−ATAGCAGTC CAGCCGAACGGTAGCATCTTGCAGAA−ジデオキシC)(配列番号153)にコンジュゲートされ、
4.TTTTAGCGATTAAGCGTGAACTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGG−ジデオキシC(配列番号154)
5.TTTTAtGCGATTAAGCGTGAACTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGGz−ジデオキシC(配列番号155)
6.TTTTACtGCGATTAAGCGTGAACTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGGz−ジデオキシC(配列番号156)とDNA二本鎖を形成するCD45。
パネル3:146v2−ddC(5’マレイミド−ATAGCAGTCCAGCCGA ACGGTAGCATCTTGCAGAA−ジデオキシC)(配列番号157)にコンジュゲートされ、
7.TTTTACGCTAATTCGCACTTGTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGG−ジデオキシC(配列番号158)
8.TTTTAtCGCTAATTCGCACTTGTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGGz−ジデオキシC(配列番号159)
9.TTTTACtCGCTAATTCGCACTTGTTCTGCAAGATGCTACCGTTCGGz−ジデオキシC(配列番号160)
とDNA二本鎖を形成するCD45。
染色後、細胞を洗浄し、緩衝液4(10mMのTris、pH6.5,10mMのMgCl2、150mMのNaCl,0.1%のトリトンx100)で2回洗浄して、未結合の抗体−DNAコンジュゲートを除去し、次いで細胞のアリコートを一緒に混合し、リジンを被覆したカバースリップに付着させた。抗原の染色はインキュベートの以下の順で提供された:dGTP+dUTP−Cy5→dATP+dUTP−Cy5→dGTP+dUTP−Cy5→1uMのスペーサー1(GTTCACGCTTAATCGC、配列番号161)を含む緩衝液#4との20分間のインキュベート→dGTP+dUTP−Cy5→dATP+dUTP−Cy5→dGTP+dUTP−Cy5→1uMのスペーサー2(CGCTAATTCGCACTTG、配列番号162)を含む緩衝液#4との20分間のインキュベート→dGTP+dUTP−Cy5→dATP+dUTP−Cy5→dGTP+dUTP−Cy5。画像化、50mMのTCEP、pH7.0による蛍光色素分子の不活化、及びヨードアセトアミドによるバックグランドのブロッキングはレンダリングの各工程の後に実施した。
結果
ポリメラーゼの誤取り込みエラーのために、ABseqによるレンダリングのシグナル強度は、個々のヌクレオチドの順次付加を利用するディープシーケンシングプロトコルの開発に関する他の研究で認められたようにサイクル数の増加と共に低下すると予想される。それを回避し、かつ抗体に結合される過度に長いDNA断片の使用を回避するために、設計に対する以下の修正について試験した(図18、パネルA)。これらのサブパネルにおける伸長反応がddC、プロピル、または任意の他の3’末端基を持つ上の鎖のオリゴヌクレオチドの終結によって防止されるように、大きな抗体のパネルをサブパネルに分割することができる。各サブパネルの伸長が終了した後、短い「活性化」スペーサーのインサイチュのハイブリッド形成によって次のサブパネルを活性化するが、これはその3’末端で終結部分を有さないため、プライマー伸長の連続的なサイクルを開始する。この設計を3つの順次3サイクルのパネル(合計9回の伸長サイクル)で実験的に試験した(図18、パネルB)。画像の定量は、スペーサーオリゴヌクレオチドを活性化するパネルのスライドガラス上でのハイブリッド形成に関連するABseqレンダリングの効率の有意な低下が観察されないことを示し、個々のパネル間でシグナルのキャリーオーバーがないことを示した(図18、パネルC)。
実施例5
多重化された単一分子RNAの検出
材料及び方法
NALM及びJurkatの細胞株を100万個/mlの密度に増殖させ、1.6%のホルムアルデヒドで10分間固定し、次いで氷冷メタノールに移した。200K細胞のアリコートをPBSTR(PBS、0.1%のTween−20及び1:1000のRnasin)で洗浄し、ハイブリッド形成緩衝液(1×SSC、10%ホルムアミド、10%バナジル−リボヌクレオチド複合体、10%ポリビニルスルホン酸)に移した。DNAプローブ混合物を最終濃度が100nMになるまで添加し、40℃で1時間インキュベートした。細胞を室温にて5分間PBSTRで2回洗浄し、40℃で20分間、高塩緩衝液(4×SSCのPBSTR)で2回洗浄し、PBSTRでもう一度洗浄し、ライゲーション溶液(0.1ulのT4DNAリガーゼ(New England Biosciences)、5ulの10×T4リガーゼ緩衝液(New England Biosciences)、45ulのH2O)に移した。ライゲーションは37℃で1時間進行した。次いで細胞を増幅溶液(1ulのphi29ポリメラーゼ(Thermo Scientific)、5ulの10×ポリメラーゼ緩衝液(Thermo Scientific)、1ulの10mMのdNTPミックス、43ulのH2O)に移し、30℃で1時間インキュベートした。細胞をPBSTRで洗浄し、37℃で10分間1mMの「RCA検出」オリゴヌクレオチドとインキュベートし、配列決定緩衝液(10mMのTris、pH7.5,10mMのMgCl2、150mMのNaCl、0.1%のトリトン×100、1:50のクレノウポリメラーゼ(Thermo Scientific)、200mMのdUTP−Cy5(Jena Biosciences))に移した。細胞を高塩洗浄緩衝液(10mMのTris、pH7.5、10mMのMgCl2、650mMのNaCl,0.1%トリトン×100)で2回洗浄し、蛍光顕微鏡を用いて撮像した。
Figure 2021164471
結果
スライドガラス上でのプライマー伸長プロトコルを適用して、NALMプロB細胞株におけるヒトHLADR mRNAの単一分子を検出した。JurkatT細胞リンパ腫株を陰性対照として用いてバックグランドを評価した。単一分子mRNAの検出を可能にするために、近接ライゲーション及びローリングサークル増幅(RCA)に基づいて単一増幅系を設計した。各対の2つのオリゴがHLADRAmRNAの直接隣接する20ntのストレッチに相補性であり、かつ上流のオリゴヌクレオチドの3’領域が下流のパドロックオリゴヌクレオチドの環化のスプリント(図19、A)としてかつローリングサークル増幅のプライマーとして機能するように、5対のプローブを設計した。複合体の構築の後、細胞を洗浄し、T4DNAリガーゼで処理してパドロックオリゴヌクレオチドを環化し、phi29ポリメラーゼ及びdNTPミックスとインキュベートしてローリングサークル増幅を実施した(図19、B)。増幅産物を「RCA検出」オリゴヌクレオチドと共にインキュベートし(図19、C)、次いでクレノウポリメラーゼによる単一塩基伸長によって蛍光dUTP−Cy5を組み込んだ(図19、D)。細胞を洗浄し、蛍光顕微鏡によって撮像した。HLADRを発現しているNALM細胞の画像がRCA産物に相当する細胞質にて豊富な点状の染色を示し(図19、E)、HLADRに対して陰性であるJurkat細胞が非常に少ない点を示し(図19、F)、これによってHLADR mRNAの近接ライゲーションの基づく検出の特異性が高いことが証明されている。
本発明は以下の態様を含む。
(A1)平面試料の分析方法であって、
(a)前記平面試料を捕捉剤で標識して標識された試料を作製する工程であって、
(i)前記捕捉剤は第1の鎖と第2の鎖とを含む二本鎖核酸に結合され、
(ii)前記第1の鎖または前記第2の鎖のいずれかの3’末端または5’末端は他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能である、前記作製する工程、
(b)前記標識された試料を、(i)ポリメラーゼ及び複数のヌクレオチドと、および/または(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼと接触させ、それにより複数のヌクレオチドの1または複数のヌクレオチド及び/または標識されたオリゴヌクレオチドを前記二本鎖核酸の前記鎖の一方の末端に付加する工程、及び、
(c)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖または前記第2の鎖の一方に前記1または複数のヌクレオチド及び/または標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取る工程を含む、分析方法。
(A2)前記シグナルが蛍光シグナルである、(A1)に記載の方法。
(A3)読み取る工程が蛍光顕微鏡を備える、(A2)に記載の方法。
(A4)前記平面試料への前記捕捉剤の結合のパターンを示す画像を作製する工程をさらに含む、(A1)から(A3)のいずれかに記載の方法。
(A5)工程(b)が、前記標識された試料とポリメラーゼ、及び蛍光ヌクレオチドを含む複数のヌクレオチドとを接触させ、それにより前記二本鎖核酸の前記第1の鎖または前記第2の鎖の一方に前記蛍光ヌクレオチドを付加する工程を含み、かつ
工程(c)が、前記二本鎖核酸の前記第1の鎖または前記第2の鎖の一方に前記蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取る工程を含む、(A1)から(A4)のいずれかに記載の方法。
(A6)前記蛍光シグナルが、(i)前記付加されたヌクレオチドから直接放射され、(ii)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖もしくは前記第2の鎖の一方に付加されている前記複数の蛍光ヌクレオチドのうちの2つの蛍光ヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルである、または(iii)前記付加された蛍光ヌクレオチドと前記第1の鎖もしくは前記第2の鎖二本鎖核酸の一方に存在する第2の蛍光ヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルである、(A5)に記載の方法。
(A7)工程(b)が、前記標識された試料とリガーゼ及び標識されたオリゴヌクレオチドとを接触させ、それによって前記二本鎖核酸の前記第1の鎖または前記第2の鎖の一方に前記標識されたオリゴヌクレオチドを付加する工程を含み、かつ
工程(c)が、前記二本鎖核酸の前記第1の鎖または前記第2の鎖の一方に前記標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取る工程を含む、(A1)から(A4)のいずれかに記載の方法。
(A8)前記蛍光シグナルが、(i)前記付加された標識されたヌクレオチドから直接放射され、(ii)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖もしくは前記第2の鎖の一方に付加されている2つの標識されたヌクレオチド間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルである、または(iii)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖及び前記第2の鎖の一方に付加された前記標識されたヌクレオチドと他方の鎖に存在する第2の標識されたヌクレオチドとの間でのエネルギー移動によって生成されるFRETシグナルである、(A7)に記載の方法。
(A9)前記標識されたヌクレオチドが蛍光ヌクレオチドを含む、(A8)に記載の方法。
(A10)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖または前記第2の鎖の一方の伸長が、前記第1の鎖から下流の、前記他方の鎖とハイブリッド形成する消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドから消光剤を除去する、(A1)に記載の方法。
(A11)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖がローリングサークル増幅(RCA)産物であり、かつ前記二本鎖核酸の前記第2の鎖が前記RCA産物における複数の部位とハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドを含む、(A1)から(A10)のいずれかに記載の方法。
(A12)前記二本鎖核酸の前記第1の鎖が第1のオリゴヌクレオチドであり、前記二本鎖核酸の前記第2の鎖が前記第1のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する第2のオリゴヌクレオチドである(A1)から(A10)のいずれかに記載の方法。
(A13)前記平面試料がホルマリン固定され、パラフィン包埋(FFPE)された切片である、(A1)から(A12)のいずれかに記載の方法。
(A14)前記捕捉剤が、抗体、アプタマー、またはオリゴヌクレオチドプローブである、(A1)に記載の方法。
(A15)二本鎖核酸に結合される捕捉剤であって、
(i)前記二本鎖核酸が第1の鎖及び第2の鎖を含み、
(ii)前記捕捉剤が前記第1の鎖に結合され、
(iii)前記第1の鎖または前記第2の鎖のいずれかの前記5’末端または前記3’末端が、前記他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能である、捕捉剤。
(A16)それぞれ異なる相補性部位を認識する複数の捕捉剤を含む捕捉剤組成物であって、
前記複数の捕捉剤のそれぞれが第1の鎖と第2の鎖とを含む二本鎖核酸に結合され、
前記第1または第2の鎖の前記5’末端または前記3’末端が、前記他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能であり、
前記伸長可能な末端の直下流の前記鋳型が前記複数の捕捉剤のそれぞれに対して異なる、捕捉剤組成物。
(A17)前記第1の鎖の配列が前記複数の捕捉剤のそれぞれに対して同一であり、かつ、
前記第2の鎖の配列が前記複数の捕捉剤のそれぞれについて異なる、(A16)に記載の組成物。
(A18)前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、式3’−N4n/N/Nのものであり、式中、N、N、N及びNはG、A、T及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上である、(A16)に記載の組成物。
(A19)前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、前記DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために前記5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続く式3’−YN/N−5’のものであり、式中、YはN及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNは、G、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである、(A16)に記載の組成物。
(A20)平面試料の分析方法であって、
(a)前記平面試料を請求項16〜19のいずれかに記載の捕捉剤組成物によって標識する工程、
(b)前記標識された試料と(i)ポリメラーゼ、及び不完全なヌクレオチドミックスまたは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって前記複数の捕捉剤にヌクレオチドを付加する工程、及び/または(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させ、それによって前記複数の捕捉剤に標識されたオリゴヌクレオチドを付加する工程、及び、
(c)前記複数の捕捉剤のすべてではなく一部に前記ヌクレオチドまたは前記標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取る工程を含む、分析方法。
(A21)前記シグナルが蛍光シグナルを含む、(A20)に記載の方法。
(A22)前記読み取る工程が蛍光顕微鏡を備える、(A21)に記載の方法。
(A23)(b)前記平面試料とポリメラーゼ及び(i)N、N、及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを、または(ii)N及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチド、Nに相補性である非標識のヌクレオチドを含み、Nに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖核酸に蛍光ヌクレオチドを付加する工程、及び、
(c)蛍光顕微鏡を用いて、前記捕捉剤のすべてではなく一部の二本鎖核酸に前記蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取る工程を含む、(A20)に記載の方法。
(A24)前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、式3’−N4n/N/Nのものであり、式中、N、N、N、及びNは、G、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上であり、工程(b)が、前記平面試料とポリメラーゼ、ならびにN、N、及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させる工程を含む、(A23)に記載の方法。
(A25)(d)前記蛍光シグナルを不活化する工程、
(e)任意で、可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護する工程、
(f)前記試料をブロッキングする工程、及び、
(g)工程(b)及び(c)を反復する工程をさらに含む、(A23)に記載の方法。
(A26)工程(g)が工程(b)から(f)を複数回反復することを含む、(A25)に記載の方法。
(A27)前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、前記DNA二本鎖におけるポリメラーゼの存在全体を増やすために前記5’末端での無作為ヌクレオチドの短いストレッチが任意で後に続く前記式3’−YN/N−5’のものであり、式中、YはN及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである、(A23)に記載の方法。
(A28)(d)前記蛍光シグナルを不活化する工程、
(e)前記平面試料と、ポリメラーゼ、及びNに相補性である非標識のヌクレオチドとを接触させる工程、
(f)工程(b)及び(c)を反復する工程をさらに含む、(A27)に記載の方法。
(A29)工程(f)が工程(b)から(e)を複数回反復することを含む、(A28)に記載の方法。
(A30)前記二本鎖核酸がそれぞれ、前記第1の鎖から下流の前記第2の鎖とハイブリッド形成する蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを含み、前記蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドが消光剤を含み、前記第1の鎖の伸長が消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤を除去し、それによって前記複数の捕捉剤のすべてではなく一部について蛍光シグナルを生成する、(A20)に記載の方法。
(A31)前記二本鎖核酸の伸長が、前記平面試料と、標識されたオリゴヌクレオチドと非標識のオリゴヌクレオチドとの混合物及びリガーゼとを接触させることを含む、(A20)に記載の方法。
(A32)前記複数の捕捉剤が、抗体、アプタマー、及びオリゴヌクレオチドプローブからなる群から選択される、(A20)に記載の方法。
(A33)(a)平面試料において相補性部位に特異的に結合することができる1つまたは複数の捕捉剤、及び、
(b)第1の鎖及び第2の鎖を含む1つまたは複数の二本鎖核酸を含み、
前記1つまたは複数の捕捉剤のそれぞれが前記二本鎖核酸に結合され、前記第1の鎖または前記第2の鎖のいずれかの5’末端または3’末端が他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能である、キット。
(A34)ポリメラーゼをさらに含む、(A33)に記載のキット。
(A35)蛍光ヌクレオチド、非標識のヌクレオチド、及び可逆的ターミネータヌクレオチドの少なくとも1つを含むヌクレオチドミックスをさらに含む、(A34)に記載のキット。
(A36)前記1つまたは複数の捕捉剤が、抗体、アプタマー、及びオリゴヌクレオチドプローブからなる群から選択される、(A33)に記載のキット。
(A37)前記平面試料がゲルのブロットである、(A1)から(A12)のいずれかに記載の方法。

Claims (18)

  1. (i)複数の検出試薬であって、当該複数の検出試薬の各検出試薬が、第1の核酸鎖に結合した捕捉剤及び前記第1の核酸鎖にハイブリダイズした第2の核酸鎖を含み、
    前記第1または第2の核酸鎖の5’末端または3’末端が、他方の鎖を鋳型として用いて伸長可能であり、
    前記伸長可能な末端の直下流の前記鋳型が前記複数の検出試薬のそれぞれに対して異なり、かつ、
    前記複数の検出試薬のおのおのが異なる相補性部位を認識する、複数の検出試薬;
    (ii)平面試料;及び
    (iii)化学的架橋剤を含む捕捉剤組成物であって、
    前記化学的架橋剤が、前記複数の検出試薬を前記平面試料に架橋する、捕捉剤組成物。
  2. 前記第1の鎖の配列が前記複数の検出試薬のそれぞれに対して同一であり、かつ、
    前記第2の鎖の配列が前記複数の検出試薬のそれぞれについて異なる、請求項1に記載の組成物。
  3. 伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、式3’−N4n、3’−N4nまたは3’−N4nであり、式中、N、N、N及びNはG、A、T及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、任意に5’末端に1〜5の無作為ヌクレオチドストレッチが続く、式3’−YN−5’または3’−YN−5’であり、式中、YはN及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNは、G、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。
  5. 平面試料の分析方法であって、
    (a)請求項1から4のいずれかに記載の捕捉剤組成物を提供する工程、
    (b)前記複数の検出試薬を、前記化学的架橋剤を用いて前記平面試料に架橋し、それにより標識された試料を生成する工程、
    (c)前記標識された試料と、(i)ポリメラーゼ、及び不完全なヌクレオチドミックスまたは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって前記複数の検出試薬にヌクレオチドを付加する工程、及び/または(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させ、それによって前記複数の検出試薬に標識されたオリゴヌクレオチドを付加する工程、及び、
    (d)前記複数の検出試薬のすべてではなく一部に前記ヌクレオチドまたは前記標識されたオリゴヌクレオチドを付加することによって生成されるシグナルを読み取る工程を含む、分析方法。
  6. 前記シグナルが蛍光シグナルを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記読み取る工程が蛍光顕微鏡を備える、請求項6に記載の方法。
  8. 前記(c)が、前記平面試料とポリメラーゼ及び(i)N、N、及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを、または(ii)N及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチド、Nに相補性である非標識のヌクレオチドを含み、Nに相補性であるヌクレオチドを含まないヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって検出試薬のすべてではなく一部の核酸に蛍光ヌクレオチドを付加する工程を含み、
    前記(d)が、蛍光顕微鏡を用いて、前記複数の検出試薬のすべてではなく一部の核酸に前記蛍光ヌクレオチドを付加することによって生成される蛍光シグナルを読み取る工程を含む、請求項5に記載の方法。
  9. 前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、式3’−N4n、3’−N4nまたは3’−N4nであり、式中、N、N、N、及びNは、G、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドであり、nは1以上であり、工程(c)が、前記平面試料とポリメラーゼ、ならびにN、N、及びNに相補性である複数の蛍光ヌクレオチドならびにNに相補性である可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させる工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. (e)前記蛍光シグナルを不活化する工程、
    (f)任意で、可逆的ターミネータヌクレオチドを脱保護する工程、
    (g)前記試料をブロッキングする工程、及び、
    (h)工程(c)及び(d)を反復する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  11. 工程(h)が工程(c)から(g)を複数回反復することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記伸長可能な3’末端に直接隣接する前記鋳型が、任意に5’末端に1〜5の無作為ヌクレオチドストレッチが続く、式3’−YN−5’または3’−YN−5’であり、式中、YはN及びNの交互のストレッチで構成され、N、N、N、及びNはG、A、T、及びCから選択される異なるヌクレオチドである、請求項8に記載の方法。
  13. (e)前記蛍光シグナルを不活化する工程、
    (f)前記平面試料と、ポリメラーゼ、及びNに相補性である非標識のヌクレオチドとを接触させる工程、
    (g)工程(c)及び(d)を反復する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 工程(g)が工程(c)から(f)を複数回反復することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記捕捉剤組成物が、前記複数の検出試薬の各検出試薬について、前記第1の鎖から下流の前記第2の鎖とハイブリッド形成する蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドを含み、前記蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドが消光剤を含み、前記第1の鎖の伸長が消光された蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドのすべてではなく一部から消光剤を除去し、それによって前記複数の検出試薬のすべてではなく一部について蛍光シグナルを生成する、請求項5に記載の方法。
  16. 前記捕捉剤が、抗体、アプタマー、及びオリゴヌクレオチドプローブからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  17. 前記(c)が、前記標識された試料と(i)ポリメラーゼ、及び不完全なヌクレオチドミックスまたは可逆的ターミネータヌクレオチドを含むヌクレオチドミックスとを接触させ、それによって前記複数の検出試薬にヌクレオチドを付加する工程、及び(ii)標識されたオリゴヌクレオチド及びリガーゼとを接触させ、それによって前記複数の検出試薬に標識されたオリゴヌクレオチドを付加する工程を含む、請求項5に記載の方法。
  18. 前記(c)(ii)が、前記平面試料と、標識されたオリゴヌクレオチドと非標識のオリゴヌクレオチドとの混合物とを接触させることを含む、請求項5又は17に記載の方法。
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