JP2021161522A - 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、有機el表示装置の製造方法及び蒸着方法 - Google Patents

蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、有機el表示装置の製造方法及び蒸着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細な蒸着パターンの形成を可能とする技術、例えば樹脂層にしわが発生することを抑えることが可能な蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、有機EL表示装置の製造方法及び蒸着方法の提供。【解決手段】基板を準備する工程と、基板上に樹脂層を形成する工程と、樹脂層から基板を除去する工程と、樹脂層を支持体40に固定する工程と、樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部31を形成する工程と、を備え、支持体40は、樹脂マスク30の一方の面(Z方向マイナス側の面)に設けられ、支持体40は、接着層35によって樹脂マスク30に接合され、支持体40の内側に位置する樹脂マスク30が金属層等に支持されず自立したメンブレン(自立薄膜)として存在する蒸着マスクの製造方法及び蒸着マスクを用いた有機EL表示装置の製造方法及び蒸着方法。【選択図】図2

Description

本実施の形態は、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、有機EL表示装置の製造方法及び蒸着方法に関する。
有機EL素子を用いた製品の大型化あるいは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつある。そして、金属から構成される蒸着マスクの製造に用いられる金属板も大型化している。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板に貫通孔を精度よく形成することは困難であり、貫通孔の高精細化への対応はできない。
このような状況下、特許文献1には、複数の開口パターンを設けたフィルム層と、少なくとも一つの上記開口パターンを内包する複数の貫通孔を設けた金属層とを積層したマスクシートが提案されている。
特開2017−179591号公報
近年、蒸着マスクの貫通開口をさらに微細に形成することが求められている。貫通開口をより微細に形成する場合、貫通開口が形成される樹脂層をより薄くする必要が生じる。しかしながら、樹脂層と金属層が積層したマスクシートにおいてポリイミド等の樹脂層を薄くした場合、とりわけ樹脂層と金属層との境界部で、樹脂層にしわが発生しやすくなるという課題がある。
本開示は、微細な蒸着パターンの形成を可能とする技術を提供し、例えば樹脂層にしわが発生することを抑えることが可能な蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、有機EL表示装置の製造方法及び蒸着方法を提供する。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法は、基板を準備する工程と、前記基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層から前記基板を除去する工程と、前記樹脂層を支持体に固定する工程と、前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部を形成する工程と、を備えている。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記樹脂層のうち、前記支持体よりも外周に位置する部分を除去する工程を更に備えてもよい。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記樹脂層上に補強フィルムを貼り付ける工程、を更に備え、前記基板を除去する工程では、前記補強フィルムが貼り付けられた前記樹脂層から前記基板を除去してもよい。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記補強フィルムは、前記樹脂層を前記支持体に固定する際に把持される領域にある外周部分を含んでもよい。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記補強フィルムは、前記外周部分よりも内側に位置する中央部分を含み、前記中央部分と前記外周部分とが互いに離間していてもよい。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記外周部分のうち内側を向く部分は、平面視で櫛歯状に形成されてもよい。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記樹脂層の厚みは、1μm以上5μm以下であってもよい。
本実施の形態による蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部が設けられた樹脂マスクと、前記樹脂マスクに接合された支持体と、を備えている。
本実施の形態による蒸着マスクにおいて、前記支持体は、前記樹脂マスクに金属材料を介在させることなく接合されていてもよい。
本実施の形態による蒸着マスクにおいて、前記樹脂マスクは、複数の前記開口部が規則的な配列で配置された有効領域と、前記有効領域を取り囲む周囲領域とを有し、前記有効領域内には前記樹脂マスクのみが存在してもよい。
本実施の形態による蒸着マスクにおいて、前記支持体は枠状であり、平面視において前記樹脂マスクの複数の前記開口部が前記支持体の内側に位置し、前記支持体の内側の前記樹脂マスクは自立薄膜であってもよい。
本実施の形態による有機EL表示装置の製造方法は、有機EL表示装置の製造方法であって、本実施の形態による蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えている。
本実施の形態による蒸着方法は、本実施の形態による蒸着マスクを準備する工程と、蒸着対象物を準備する工程と、前記蒸着対象物を前記蒸着マスク上に設置する工程と、前記蒸着マスク上に設置された前記蒸着対象物に蒸着材料を蒸着させる工程と、を備えている。
本実施の形態による有機EL表示装置の製造方法は、本実施の形態による蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えている。
本実施の形態による蒸着方法は、本実施の形態による蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを準備する工程と、蒸着対象物を準備する工程と、前記蒸着対象物を前記蒸着マスク上に設置する工程と、前記蒸着マスク上に設置された前記蒸着対象物に蒸着材料を蒸着させる工程と、を備えている。
本実施の形態による有機半導体素子の製造方法は、本実施の形態による蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えている。
本実施の形態による有機半導体素子の製造方法は、本実施の形態による蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えている。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法は、補強フィルムが配置された樹脂層を準備する工程と、前記補強フィルムが配置された前記樹脂層を支持体に固定する工程と、前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部を形成することにより、樹脂マスクを作製する工程と、を備えている。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記樹脂マスクは、複数の前記開口部が規則的な配列で配置された有効領域と、前記有効領域を取り囲む周囲領域とを有し、前記有効領域内には前記樹脂マスクのみが存在してもよい。
本実施の形態による蒸着マスクの製造方法において、前記支持体は枠状であり、平面視において前記樹脂マスクの複数の前記開口部が前記支持体の内側に位置し、前記支持体の内側の前記樹脂マスクは自立薄膜であってもよい。
本実施の形態によれば、樹脂層にしわが発生することを抑えることができる。
図1は、一実施の形態による蒸着マスクを示す平面図である。 図2は、一実施の形態による蒸着マスクを示す断面図(図1のII−II線断面図)である。 図3(a)、(b)は、一実施の形態による蒸着マスクの製造方法の一部を示す断面図である。 図4(a)、(b)は、一実施の形態による蒸着マスクの製造方法の一部を示す断面図及び平面図である。 図5(a)、(b)は、補強フィルムの変形例を示す平面図である。 図6(a)、(b)は、一実施の形態による蒸着マスクの製造方法の一部を示す断面図である。 図7(a)、(b)は、一実施の形態による蒸着マスクの製造方法の一部を示す断面図及び平面図である。 図8(a)、(b)は、一実施の形態による蒸着マスクの製造方法の一部を示す断面図である。 図9(a)−(c)は、樹脂層と接着層との位置関係を示す断面図である。 図10(a)、(b)は、一実施の形態による蒸着マスクの製造方法の一部を示す断面図及び平面図である。 図11(a)、(b)は、複数の開口部を形成する順番を示す平面図である。 図12は、蒸着装置を示す概略図である。 図13は、蒸着マスクを用いて作製された有機EL表示装置を示す概略図である。 図14(a)−(c)は、蒸着マスクを用いた有機EL表示装置の製造方法を示す概略図である。 図15(a)、(b)は、補強フィルムの変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら各実施の形態について説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
本明細書中、X方向、Y方向とは、蒸着マスク10の各辺に平行な二方向であり、X方向とY方向とは互いに直交している。また、Z方向は、X方向及びY方向の両方に対して垂直な方向である。また、「内」、「内側」とは、蒸着マスク10の中心方向を向く側をいい、「外」、「外側」とは、蒸着マスク10の中心から離れる側をいう。
まず、図1乃至図14により、一実施の形態について説明する。図1乃至図14は本実施の形態を示す図である。
(蒸着マスクの構成)
本実施の形態による蒸着マスクの構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による蒸着マスク10は、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部31が設けられた樹脂マスク30と、樹脂マスク30に接合された支持体40とを備えている。
この蒸着マスク10は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するために用いられるものであり、1つの蒸着マスク10で、複数の製品に対応する蒸着パターンを同時に形成することができる。ここで「開口部」とは、蒸着マスク10を用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機ELディスプレイにおける有機層の形成に用いる場合には、開口部31の形状は当該有機層の形状となる。また、「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部31の集合体からなり、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部31の集合体が「1画面」となる。なお、1画面となる領域のことを「有効部」ともいう。そして、蒸着マスク10は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成すべく、樹脂マスク30には、上記「1画面」が、所定の間隔を空けて複数画面分配置されている。すなわち、樹脂マスク30には、複数画面を構成するために必要な開口部31が設けられている。
樹脂マスク30は、支持体40の一方の面(Z方向プラス側の面)に設けられている。樹脂マスク30は、その各辺がX方向及びY方向にそれぞれ延びる長方形形状を有している。樹脂マスク30は、第1面30aと、第1面30aの反対側に位置する第2面30bとを有している。第1面30aは、支持体40の反対側(Z方向プラス側)を向く面であり、第2面30bは、支持体40側(Z方向マイナス側)を向く面である。
樹脂マスク30には、複数画面を構成するために用いられる開口部31が設けられている。各開口部31の形状は、四角形形状であり、具体的には、その各辺がX方向及びY方向に延びる長方形形状を有している。なお、開口部31を構成する四角形の角部が丸みを帯びていても良い。
樹脂マスク30は、規則的な配列で開口部31が形成された有効領域32と、有効領域32を取り囲む周囲領域33とを含んでいる。周囲領域33は、有効領域32を支持するための領域であり、被蒸着基板91へ蒸着されることを意図された蒸着材料92(図12参照)が通過する領域ではない。一方、有効領域32は、有機発光材料の蒸着に用いられる蒸着マスク10においては、有機発光材料が蒸着して画素を形成するようになる被蒸着基板91の表示領域となる区域に対面する、蒸着マスク10内の領域となる。ただし、種々の目的から、周囲領域33に貫通孔や凹部が形成されていてもよい。有効領域32内には樹脂マスク30のみが存在する。すなわち、有効領域32内には樹脂マスク30を支持するような金属層が存在しない。図1に示された例において、各有効領域32は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有していてもよい。なお、図示はしないが、各有効領域32は、被蒸着基板91の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各有効領域32は、円形状の輪郭を有していてもよい。
図1に示すように、蒸着マスク10の複数の有効領域32は、互いに直交する二方向に沿って所定の間隔を空けて配列されている。図示された例では、一つの有効領域32が一つの有機EL表示装置に対応するようになっている。すなわち、本実施の形態による蒸着マスク10によれば、多面付蒸着が可能となっている。また、各有効領域32に形成された複数の開口部31は、当該有効領域32において、互いに直交するX方向及びY方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されていてもよい。
複数の開口部31は、X方向及びY方向に整列されており、互いに同一の形状を有していても良い。各開口部31の一辺の長さ(X方向及びY方向の長さ)L1は、例えば5μm以上120μm以下としても良い。具体的には、長さL1は、低解像度(200ppi)の場合、例えば100μm以上120μm以下としても良く、高解像度(1000ppi以上3000ppi以下)の場合、例えば5μm以上20μm以下としても良い。また、各開口部31のピッチ(X方向及びY方向における開口部31の中心間距離)P1は、例えば6μm以上400μm以下としても良い。具体的には、ピッチP1は、低解像度(200ppi)の場合、例えば110μm以上400μm以下としても良く、高解像度(1000ppi以上3000ppi以下)の場合、例えば6μm以上100μm以下としても良い。
平面視において、支持体40と開口部31の最小間隔は、1mm以上としてもよい。これにより、蒸着マスク10の製造工程にマージンを残しつつ、蒸着パターンの形成領域を広く取ることができる。
図2に示すように、各開口部31の周縁は、テーパー状に形成されていても良い。この場合、各開口部31は、第1面30a側(Z方向プラス側)から第2面30b側(Z方向マイナス側)に向けて徐々に開口面積が拡大する形状を有している。各開口部31の周縁は、断面視で樹脂マスク30の法線方向(Z方向)に対して傾斜している。各開口部31の周縁は、断面視で直線状に傾斜していても良く、湾曲した曲線状に傾斜していても良い。なお、上述した各開口部31の一辺の長さL1、及び各開口部31のピッチP1は、各開口部31の面積が狭い側(第2面30b側)において測定された長さをいう。
樹脂マスク30は、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いることができ、その材料について特に限定されない。樹脂マスク30は、レーザー加工等によって高精細な開口部31の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。この樹脂材料を用いた樹脂マスクとすることで、開口部31の寸法精度を向上させることができ、かつ熱や経時での寸法変化率や吸湿率を小さくすることができる。また、支持体40を構成する材料の熱膨張係数との差が15ppm/℃以下である樹脂材料を用いることが好ましく、さらにその差が10ppm/℃以下であってもよい。これにより、支持体40との熱膨張率の差に起因して樹脂マスク30にしわが発生することを抑えることができる。なお、樹脂マスク30には樹脂材料以外に充填剤が含まれていてもよい。充填剤として顔料や無機材料の粒子等が含まれていてもよい。
樹脂マスク30の厚みT1についても特に限定はないが、1μm以上25μm以下であっても良く、1μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがさらに好ましい。樹脂マスク30の厚みT1をこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥や変形等のリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に防止することができる。特に、樹脂マスク30の厚みT1を、1μm以上5μm以下とすることで、1000ppiを超える高精細パターンを形成することができる。
樹脂マスク30は、表面におけるしわの発生が抑えられている。とりわけ平面視で見たときの樹脂マスク30と支持体40との境界部分におけるしわの発生が低減されている。すなわち、樹脂マスク30の第1面30aは面内(とりわけ有効領域32内)で平坦化されている。樹脂マスク30の平坦度は、1μm以上5μm以下であっても良い。また図2に示すように、樹脂マスク30の第2面30b側において、開口部31同士の間の領域(開口間領域)31aは、略同一平面上に位置している。本実施の形態の説明における「しわ」には、樹脂層の表面にできる細い筋を示しているモードや、樹脂層自体が撓んでいるモード等を含めて表現している場合がある。
支持体40は、樹脂マスク30の一方の面(Z方向マイナス側の面)に設けられている。本実施の形態において、支持体40は、接着層35によって樹脂マスク30に接合されている。接着層35は、平面視において、支持体40と樹脂マスク30とが重なる領域内に存在する。別の見方をすれば、支持体40の内側に位置する樹脂マスク30が金属層等に支持されず自立したメンブレン(自立薄膜)として存在する。また、図示の例においては、支持体40は、樹脂マスク30を支持するような金属層を介在することなく、樹脂マスク30に接合されている。接着層35としては、例えば熱硬化性や光硬化性、熱可塑性等の接着剤を用いることができる。支持体40と樹脂マスク30との接合する方法は、上述した接着層35を用いた接着法のほか、例えば、溶接法、溶着法、粘着法、熱圧着法、熱可塑性樹脂を用いた接合法、ポリイミドの前駆体を接着剤の代わりに用いる方法等を挙げることができる。これにより、樹脂マスク30を例えば1μm以上5μm以下程度まで薄くした場合であっても、樹脂マスク30自体を自立したメンブレンとして構成することにより、樹脂マスクを支持する金属層がある場合に生じていた樹脂マスク30のしわの発生を抑えることができる。なお、本明細書において、支持体40と樹脂マスク30とが接合されているとは、支持体40と樹脂マスク30との間に何らの部材も介在させることなく直接的に接合する場合のほか、接着剤等、専ら支持体40と樹脂マスク30とを接合するための部材(金属材料を含む部材であってもよいし、金属材料を含まない部材であってもよい)のみを介在させて支持体40と樹脂マスク30とを接合することも含む。
支持体40は、樹脂マスク30を支持するフレームであっても良い。支持体40は、樹脂マスク30が撓んでしまうことがないように、樹脂マスク30をその面方向に引っ張った状態で支持する。この支持体40は、略長方形形状の枠部材であり、樹脂マスク30に設けられた開口部31を蒸着源側に露出させるための貫通孔41を有する。すなわち複数の開口部31は、平面視で貫通孔41の内側に位置している。また支持体40の外周は、樹脂マスク30の外周よりも大きくなっている。しかしながら、これに限らず、支持体40の外周は樹脂マスク30の外周よりも小さい形状を有していても良く、樹脂マスク30の外周と支持体40の外周とが同一の形状を有していても良い。支持体40の材料について特に限定はないが、剛性が大きい金属材料、例えば、SUS、インバー材、セラミック材料や、樹脂材料、シリコン等の半導体材料などを用いることができる。
支持体40の厚みT2についても特に限定はないが、剛性等の点から10mm以上30mm以下程度であることが好ましい。支持体40の貫通孔41の外周端面と、支持体40の外周端面間の幅W1は、当該支持体40と樹脂マスク30とを固定することができる幅であれば特に限定はなく、例えば、10mm以上250mm以下程度の幅を例示することができる。
なお、支持体40が設けられているか否かは任意であり、必ずしも支持体40が設けられていなくても良い。本実施の形態において、蒸着マスク10は、支持体40を含むもの(蒸着マスク装置とも呼ばれる)であっても良く、支持体40を含まないものであっても良い。
(蒸着マスクの製造方法)
次に、本実施の形態による蒸着マスクの製造方法について、図3乃至図10を用いて説明する。図3乃至図10は、本実施の形態による蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図である。
まず、図3(a)に示すように、基板51を準備する。基板51は、上述した後述する樹脂層30Aを支持するためのものである。基板51の表面、特に後述する樹脂層30Aを形成する面は、表面粗さが小さいことが好ましい。例えば、基板51の表面の粗さを算術平均高さSaが1μm以下となるようにしても良い。「算術平均高さ(Sa)」とは、線の算術平均高さ(Ra)を面に拡張したパラメータであり、測定対象となる表面の平均面に対して、各点の高さの絶対値の平均により算出される値である。当該算術平均高さ(Sa)を算出するにあっては、例えば、形状解析レーザー顕微鏡を用いて、基板51の表面を測定し、ISO 25178に準じた方法で算出できる。基板51の材料としては、例えばガラス、樹脂、シリコン、SUS等の金属等を挙げることができる。とりわけ、表面の平坦性や後述するレーザーリフトオフ法による剥離を考慮すると、透明なガラスを用いることが望ましい。例えば、透明なガラスとして、波長308nmの光の透過率が80%以上のものであってもよい。基板51の厚みは、例えば0.1mm以上10mm以下としても良い。
次に、図3(b)に示すように、基板51の一方の面に樹脂層30Aを形成する。この樹脂層30Aは、上述した蒸着マスク10の樹脂マスク30を作製するためのものである。具体的には、基板51の表面の略全域に例えばポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液等の樹脂溶液を塗布し、これを熱処理することにより、樹脂層30Aが得られる。あるいは、例えばポリイミドワニス等の樹脂溶液を塗布し、これを加熱して乾燥することにより、樹脂層30Aを得ても良い。樹脂溶液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法等を挙げることができる。樹脂溶液を塗布する厚みは、例えば1μm以上25μm以下であっても良く、1μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがさらに好ましい。また、樹脂層30Aの材料はポリイミドに限らず、熱膨張係数の小さい材料を好適に用いることができる。フィルム状の材料を基板51の表面に貼り合わせて樹脂層30Aを形成してもよい。なお、樹脂層30Aは、単層構造であってもよく、複数の層が積層された多層構造であってもよい。
続いて、図4(a)(b)に示すように、樹脂層30A上に補強フィルム60を貼り付ける。補強フィルム60は、薄い樹脂層30Aを補強する。樹脂層30A上に補強フィルム60を設けることにより、蒸着マスク10の製造工程において、樹脂層30Aのハンドリング性を良好にすることができる。補強フィルム60としては、例えば、再剥離フィルム、微粘着フィルム、熱剥離フィルム等を用いることができる。補強フィルム60の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂を用いることができる。補強フィルム60は、樹脂層30Aよりも厚いものが用いられることが好ましい。具体的には、補強フィルム60の厚みは、50μm以上500μm以下としても良い。樹脂層30A上で感光性樹脂等をパターニングすることによって、補強フィルム60を形成してもよい。
補強フィルム60は、1つの部分のみから構成されていても良い。例えば補強フィルム60は、後述する中央部分62を有することなく、外周部分61のみを有していても良い(図5(a)参照)。外周部分61は、後述するように樹脂層30Aを支持体40に固定する際に、グリップ55によって把持される領域に設けられる。この場合、補強フィルム60は、1つの枠状(四角い環状)の外周部分61から構成されていても良い。
また補強フィルム60は、複数の部分から構成されていても良い。具体的には、補強フィルム60は、外周部分61と、外周部分よりも内側に位置する中央部分62とを有していても良い(図5(b)参照)。この場合、補強フィルム60は中央部分62と1つの外周部分61とを有し、外周部分61は枠状(四角い環状)に形成されていても良い。
図4(b)に示すように、補強フィルム60は、複数の(この場合は4つの)外周部分61と、外周部分よりも内側に位置する(この場合は1つの)中央部分62とを有している。各外周部分61は、それぞれ平面視で帯状に延びている。各外周部分61は、それぞれ樹脂層30Aを構成する長方形の4辺に沿って配置されている。外周部分61の幅(外周部分61の長手方向に垂直な方向の長さ)は、グリップ55によって把持される領域よりも大きいことが好ましく、例えば10mm以上50mm以下としても良い。樹脂層30Aの面積全体に対して、外周部分61の占める面積を10%以上50%以下としてもよく、さらに10%以上30%以下としてもよい 。これにより、補強フィルム60に必要な強度を確保しながら、有効領域32を広く設けることができる。
また中央部分62は、平面視で長方形状であり、4つの外周部分61に取り囲まれるように配置されている。この中央部分62は、開口部31が形成される領域及び支持体40が接合される領域に設けられ、これらの領域を保護する役割を果たす。具体的には、中央部分62によって、蒸着マスクの製造工程において樹脂層30Aに傷や汚れが付くことを抑制することができる。中央部分62と各外周部分61とは互いに離間しており、中央部分62と各外周部分61との間に隙間が形成されている。このように、それぞれ機能の異なる外周部分61と中央部分62とを互いに離間して配置することにより、それぞれ異なるタイミングで樹脂層30Aから剥離除去できる。隙間の大きさに制限はないが、例えば1mm以上250mm以下としてもよく、さらに10mm以上50mm以下してもよい。後述する支持体40との接合において、中央部分62を残した状態で樹脂層30Aと支持体40とを接合する場合には支持体40が当該隙間を通じて樹脂層30Aに接するようにしてもよい。また、各外周部分61同士も互いに離間しており、各外周部分61同士の間に隙間が形成されている。隙間の大きさに制限はないが、例えば1mm以上20mm以下としてもよい。これにより、互いに離間した外周部分61同士の重なりを防ぎながら、補強フィルム60の貼り付け工程における貼り付け位置のマージンを確保することができる。
補強フィルム60の外周部分61と中央部分62とは同一の材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。例えば、外周部分61を中央部分62よりも厚みを大きくし物理的強度を高めてもよい。例えば、外周部分61を中央部分62よりも接着力の高い補強フィルムを用いることにより、樹脂層30Aとの接着強度を高めてもよい。例えば、中央部分62を外周部分61よりも接着力の低い補強フィルムを用いることで、剥離除去する際に樹脂層30Aに与える負担を軽減してもよい。なお、補強フィルム60は、中央部分62を有することなく、複数の外周部分61のみから構成されていても良い。
次いで、図6(a)に示すように、補強フィルム60が貼り付けられた樹脂層30Aから基板51を除去する。これにより、樹脂層30Aと、樹脂層30A上の補強フィルム60とを有する中間体(蒸着マスク準備体とも呼ばれる)が得られる。樹脂層30Aから基板51を除去する方法としては、レーザーリフトオフ法、ピーリング法、水浸漬法等を用いることができる。ピーリング法を用いる場合には、樹脂層30Aを基板51よりも大きく形成して剥離のきっかけとなる部分を設けたり、基板51の端部に物理的な切り欠けを設けたりすることにより、剥離のきっかけとなる部分を設けても良い。また、樹脂層30Aのハンドリング性を向上するために、基板51を除去した後の樹脂層30Aの面に、図示しない補強用の再剥離フィルムを貼り付けても良い。また樹脂層30Aから除去しやすいように、予め基板51に離型剤を塗布しておいても良い。
基板51を除去した後の樹脂層30Aに、樹脂層30Aの、基板51に面していた側の、前記中央部分62が存在していた領域に、さらに別の補強フィルム67(仮想線)を設けてもよい。この場合、補強フィルム67によって有効領域32を保護することができる。
次に、図6(b)に示すように、樹脂層30Aから補強フィルム60の中央部分62を剥離除去する。このとき、樹脂層30Aには、補強フィルム60の外周部分61が残存する。このように、樹脂層30Aから補強フィルム60の中央部分62を予め除去することにより、後述するようにグリップ55によって樹脂層30Aを引っ張った際、樹脂層30Aの中央部分がグリップ55が引っ張る方向に沿って伸びることができる。これにより、樹脂層30Aの中央部分のしわが延ばされて平坦化される。
樹脂層30Aに補強フィルム67が設けられていた場合には、補強フィルム67も、補強フィルム62と同様に除去する。
次に、図7(a)(b)に示すように、支持体40を準備するとともに、樹脂層30Aを支持体40に固定する。具体的には、樹脂層30Aは、架張された状態で、接着層35によって樹脂マスク30に接合されても良い。このとき樹脂層30Aは、外周部分61を介して複数のグリップ55によって周囲を把持され、面方向に引っ張られた状態となる。この状態で樹脂層30Aは、接着層35によって支持体40に接合される。このとき、樹脂層30Aに対して支持体40の反対側の位置に押し当て部材56を配置し、支持体40を押し当て部材56に押し当てるようにしても良い。これにより、樹脂層30Aを支持体40に接合しやすくすることができる。また、グリップ55と樹脂層30Aとの間には、補強フィルム60の外周部分61が介在されている。このため、薄い樹脂層30Aを単独で引っ張る場合と異なり、外周部分61によって薄い樹脂層30Aの強度を補いつつ、樹脂層30Aが架張される。このため、グリップ55によって引っ張られることによって樹脂層30Aにしわが発生することが抑えられる。これに対して仮に薄い樹脂層30Aを単体で引っ張った場合、膜の強度が足りずに破れるおそれがある。本実施の形態においては、樹脂層30Aが外周部分61によって補強されているので、このような破れの可能性を低くすることができる。なお、樹脂層30Aと支持体40とは、これらが接触する面全体で固定されていても良く、接触する面の一部で固定されていても良い。また、樹脂層30Aを引っ張ることなく支持体40に固定してもよい。
支持体40と樹脂層30Aとを接合する方法は、上述した接着層35を用いた接着法のほか、例えば、樹脂層30Aを熱で溶融する溶接法、熱溶着フィルムを用いる溶着法、粘着剤を用いた粘着法、支持体40と樹脂層30Aと温度と熱によって熱圧着する熱圧着法、熱可塑性樹脂を用いた接合法、ポリイミドの前駆体を接着剤の代わりに用いる方法等を挙げることができる。
また、本実施の形態において、支持体40は、樹脂層30Aのうち補強フィルム60が設けられている側の面(第2面30b)に固定される。樹脂層30Aのうち補強フィルム60が設けられていない側の面(第1面30a)は、基板51と接していた面であり、第2面30bと比べて平坦性が高い。このため、支持体40を樹脂層30Aの第2面30b側に固定することにより、平坦性が高い面(第1面30a)を被蒸着基板91側に対向させることができる。なお、これに限らず、支持体40は、樹脂層30Aの第1面30aに固定されても良い。
また、支持体40と樹脂層30Aとの接着強度を高めるために、支持体40及び樹脂層30Aのうちの少なくとも一方に、表面処理又は表面活性化処理を行っても良い。表面処理としては、粗化処理等、支持体40又は樹脂層30Aの表面に凹凸を形成する処理を挙げることができる。具体的には、支持体40又は樹脂層30Aの表面の粗さを算術平均高さSaが0.001μm以上1μm以下となるようにしても良い。また表面活性化処理としては、支持体40又は樹脂層30Aの表面を疎水化又は親水化する処理を挙げることができる。
このようにして、図8(a)に示すように、樹脂層30Aと、樹脂層30A上に形成された補強フィルム60の外周部分61と、樹脂層30Aに固定された支持体40とを有する中間体(蒸着マスク装置準備体とも呼ばれる)が得られる。このとき、支持体40は、外周部分61よりも内側に位置する。
続いて、図8(b)に示すように、樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分30cを除去する。このとき、補強フィルム60の外周部分61も当該部分30cとともに除去される。この場合、例えば刃物又はレーザー光によって樹脂層30Aを切断しても良い。樹脂層30Aの切断位置は、支持体40の外周40bよりも内側かつ支持体40の内周40aよりも外側に対応する位置となっている。しかしながら、これに限らず、樹脂層30Aの切断位置は、支持体40の外周40bに対応する位置又は支持体40の外周40bよりも外側に対応する位置としても良い。
なお、図9(a)に示すように、樹脂層30Aの切断後の外周30dと、接着層35の外周35aとが平面視で重なる位置にあっても良い。また図9(b)に示すように、接着層35の外周35aが、樹脂層30Aの切断後の外周30dよりも内側に位置していても良く、さらに接着層35の外周35aが樹脂層30Aの切断後の外周30dよりもリセスする量δが0.1mm以下となるようにしてもよい。また図9(c)に示すように、樹脂層30Aと接着層35の境界部分において窪みがなく、実質的に平面又は曲面で両者がつながるようにしてもよい。すなわち接着層35の外周35aが、樹脂層30Aの切断後の外周30dから支持体40の外周40bに向けてなだらかに湾曲するように延びていても良い。これにより、蒸着マスク10の洗浄時に洗浄液の残留を抑制することができる。
次に、図10(a)(b)に示すように、樹脂層30Aに対して支持体40側からレーザー光(図10(a)の矢印参照)を照射し、樹脂層30Aに、蒸着作製するパターンに対応した開口部31を形成する。このレーザーとしては、例えば波長248nmのKrFのエキシマレーザーや波長355nmのYAGレーザーを使用することができる。このとき、樹脂層30Aのうち支持体40の反対側の面に保護フィルム57を貼着し、この状態で、支持体40側からレーザー光を照射して開口部31を形成しても良い。この場合、蒸着作製するパターンに対応した図示しないレーザー用マスクを用い、このレーザー用マスクと樹脂層30Aとの間に集光レンズを設置して、いわゆる縮小投影光学系を用いたレーザー加工法によって開口部31を形成してもよい。以上のように本実施の形態における蒸着マスク10は、樹脂マスク30の有効領域32が金属層に支持されずに自立したメンブレンとして構成される。これにより、樹脂マスク30にグリップ55による張力が伝わりやすくなるため、樹脂マスク30にしわが発生することが抑制される。
なお、複数の有効領域32のそれぞれについて複数の開口部31を形成する場合、図11(a)の矢印に示すように、隣接する有効領域32に対して順次複数の開口部31を形成していっても良い。すなわち、1つの有効領域32内の複数の開口部31を形成した後、当該有効領域32に対してX方向又はY方向に隣接する有効領域32内の複数の開口部31を形成し、これを繰り返すことにより、全ての有効領域32に複数の開口部31を形成しても良い。あるいは、図11(b)の矢印に示すように、隣接しない有効領域32に対して順次複数の開口部31を形成していっても良い。すなわち、1つの有効領域32内の複数の開口部31を形成した後、当該有効領域32に対してX方向又はY方向に隣接しない有効領域32内の複数の開口部31を形成し、これを繰り返すことにより、全ての有効領域32に複数の開口部31を形成しても良い。或る有効領域32内の複数の開口部31を形成した後、樹脂層30Aの状態を観察しながら、次に加工する有効領域32を選択するとよい。例えば、図11(a)では右列上段の有効領域32を加工した後、樹脂層30Aを観察してしわ等が発生していないかを確認し、右列中段の有効領域32を加工する。以降、同様の処理を逐次行う。例えば、図11(b)では右列上段の有効領域32を加工した後、樹脂層30Aを観察してしわ等が発生しているかを確認し、面内のバランスの調整を行うために左列下段の有効領域32(対角の位置に相当する有効領域)を加工する。以降、同様の処理を逐次行う。
このようにして、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部31が設けられた樹脂マスク30と、樹脂マスク30に接合された支持体40とを備えた蒸着マスク10(図1及び図2参照)が得られる。
本実施の形態による製造方法では、基板51上に樹脂層30Aを形成する工程を含んでいるが、これに限らない。例えば、補強フィルム60が予め配置された樹脂層30Aを準備し、この樹脂層30Aを支持体40に接合してもよい。
(蒸着装置の構成)
次に、上述した蒸着マスク10を用いて蒸着対象物に蒸着材料を蒸着させる蒸着装置について、図12を参照して説明する。
図12に示すように、蒸着装置80は、その内部に配置された、蒸着源(例えばるつぼ81)、ヒータ82、及び蒸着マスク10を有している。また、蒸着装置80は、蒸着装置80の内部を真空雰囲気にするための排気手段(図示せず)を更に有する。るつぼ81は、有機発光材料などの蒸着材料92を収容する。ヒータ82は、るつぼ81を加熱して、真空雰囲気の下で蒸着材料92を蒸発させる。蒸着マスク10は、るつぼ81と対向するよう配置されている。すなわち蒸着マスク10は、樹脂マスク30が蒸着材料92を付着させる蒸着対象物である被蒸着基板(例えば有機EL基板)91に対面するよう、蒸着装置80内に配置される。
図13は、図12に示す蒸着装置80を用いて製造された有機EL表示装置90を示す断面図である。図13に示すように、有機EL表示装置90は、被蒸着基板(例えば有機EL基板)91と、被蒸着基板91上にパターン状に設けられた蒸着材料92を含む画素と、を備えている。
なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク10が搭載された蒸着装置80をそれぞれ準備し、被蒸着基板91を各蒸着装置80に順に投入する。これによって、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料及び青色用の有機発光材料を順に被蒸着基板91に蒸着させることができる。
(有機EL表示装置の製造方法)
次に、本実施の形態による有機EL表示装置の製造方法について、図14(a)−(c)を参照して説明する。本実施の形態による有機EL表示装置の製造方法は、上述した蒸着マスク10を用いた蒸着方法により蒸着対象物である被蒸着基板91に蒸着材料92を蒸着し、蒸着パターンを形成するものである。
まず、図14(a)に示すように、図1及び図2に示す蒸着マスク10と、蒸着材料92が収容されたるつぼ81及びヒータ82とを備えた蒸着装置80を準備する。
次に、図14(b)に示すように、被蒸着基板91を蒸着マスク10の樹脂マスク30上に設置する。この際、例えば被蒸着基板91の図示しないアライメントマークと、蒸着マスク10の図示しないアライメントマークとを直接観察し、当該アライメントマーク同士が重なるように被蒸着基板91の位置決めを行いながら、被蒸着基板91を蒸着マスク10に設置しても良い。
次いで、蒸着マスク10の樹脂マスク30上に設置された被蒸着基板91に蒸着材料92を蒸着させる。この際、例えば、図14(c)に示すように、被蒸着基板91の、蒸着マスク10と反対の側の面を樹脂マスク30に密着させる。次に、ヒータ82が、るつぼ81を加熱して蒸着材料92を蒸発させる。そして、るつぼ81から蒸発して蒸着マスク10に到達した蒸着材料92は、樹脂マスク30の開口部31を通って被蒸着基板91に付着する。
このようにして、樹脂マスク30の開口部31の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料92が被蒸着基板91に蒸着される。すなわち蒸着材料92は、樹脂マスク30の複数の開口部31に対応する形状に形成される。このようにして、被蒸着基板(例えば有機EL基板)91と、パターン状に設けられた蒸着材料92を含む画素と、を備えた有機EL表示装置90が得られる(図13参照)。
(有機半導体素子の製造方法)
次に、本実施の形態による有機半導体素子の製造方法について説明する。本実施の形態による有機半導体素子の製造方法は、上述した蒸着マスク10を用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程、あるいは上述した蒸着マスク10の製造方法によって製造された蒸着マスク10を用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を有する。蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程についていかなる限定もされることはなく、例えば、反応性スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition)、熱CVD、プラズマCVD、光CVD法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)等を挙げることができる。
蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を有する一実施の形態による有機半導体素子の製造方法は、基板上に電極を形成する電極形成工程、有機層形成工程、対向電極形成工程、封止層形成工程等を有し、各任意の工程において蒸着マスク10を用いた蒸着法により基板上に蒸着パターンが形成されても良い。例えば、有機ELデバイスのR,G,B各色の発光層形成工程に、蒸着マスク10を用いた蒸着法をそれぞれ適用する場合には、基板上に各色発光層の蒸着パターンが形成される。なお、本実施の形態による有機半導体素子の製造方法は、これらの工程に限定されるものではなく、蒸着法を用いる従来公知の有機半導体素子の任意の工程に適用可能である。
蒸着マスク10については、上述した本実施の形態による蒸着マスク10をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。上述した本実施の形態による蒸着マスク10によれば、高精細なパターンを有する有機半導体素子を形成することができる。本実施の形態による製造方法で製造される有機半導体素子としては、例えば、有機EL素子の有機層、発光層や、カソード電極等を挙げることができる。特に、本実施の形態による有機半導体素子の製造方法は、高精細なパターン精度が要求される有機EL素子のR、G、B発光層の製造に好適に用いることができる。
このように本実施の形態によれば、蒸着マスク10を製造する際、樹脂層30A上に補強フィルム60を貼り付ける工程が設けられている。これにより、蒸着マスク10の製造工程において、樹脂層30Aのハンドリング性を良好にすることができる。また、樹脂層30A上に補強フィルム60を貼り付けることにより、蒸着マスク10にしわが生じることを抑制することができる。
また本実施の形態によれば、樹脂層30A上に補強フィルム60を貼り付ける工程が設けられている。これにより、樹脂層30Aを支持体40に固定する工程において(図7(a)(b))、樹脂層30Aが引っ張られた際に、樹脂層30Aの外周(例えばグリップ55の近傍位置)にしわが生じたり、又は樹脂層30Aが破断したりすることを抑制することができる。この結果、蒸着マスク10の樹脂マスク30を平坦化し、蒸着時に樹脂マスク30と被蒸着基板91との距離を均一にすることができる。これにより、有機EL表示装置90の画素を高品質に形成することができる。
また本実施の形態によれば、樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分を除去する工程が設けられている。(図8(b))。これにより、支持体40の周囲に位置する不要な樹脂層30Aの部分30cを除去することができる。また、樹脂層30Aの部分30cとともに、補強フィルム60の外周部分61も除去されるので、外周部分61を除去する工程を別途設ける必要がない。
また本実施の形態によれば、補強フィルム60は、樹脂層30Aを支持体40に固定する際に把持される領域にある外周部分61を含む。これにより、樹脂層30Aを支持体40に固定する工程において(図7(a)(b))、外周部分61によって樹脂層30Aの平坦性を維持しつつ、樹脂層30Aを引っ張ることができる。このため、グリップ55によって引っ張られることによって樹脂層30Aにしわが発生することを抑えることができる。
また本実施の形態によれば、補強フィルム60は、外周部分61よりも中央に位置する中央部分62を含み、中央部分62と外周部分61とが互いに離間している。この中央部分62により、開口部31が形成される領域及び支持体40が接合される領域を保護することができる。また、中央部分62と外周部分61とが一体化していないので、中央部分62を外周部分61よりも先に除去することができる。このため、樹脂層30Aを支持体40に固定する工程において(図7(a)(b))、樹脂層30Aのうち中央部分62が設けられていた領域が引っ張られ、この領域にしわが発生することを抑えることができる。また、樹脂層30Aのうち中央部分62が設けられていた領域に支持体40を接合することができる。
また本実施の形態によれば、蒸着マスク10は、樹脂マスク30と、樹脂マスク30に接合された支持体40と、を備えている。樹脂マスク30自体を自立したメンブレンとして構成することにより、樹脂マスク30を支持する金属層がある場合に生じていた樹脂マスク30のしわの発生を抑えることができる。
(変形例)
次に、本実施の形態の各種変形例について説明する。
(補強フィルムの変形例)
図15(a)(b)は、本変形例による補強フィルム60Aを樹脂層30A上に貼り付けた状態を示す平面図である。図15(a)(b)に示すように、本変形例による補強フィルム60Aは、枠状の外周部分61Aを有している。この外周部分61Aは、樹脂層30Aを構成する長方形の4辺の内側に沿って配置されている。外周部分61Aのうち内側を向く部分には、平面視で切り欠け部65(図15(a))又はスリット66(図15(b))が形成され、具体的には切り欠け部65又はスリット66が櫛歯状に形成されている。すなわち外周部分61Aは、周縁部63と、周縁部63から平面方向内側に突出する複数の突出部64とを有している。複数の突出部64は、互いに間隔を空けて配置されているか(図15(a))、又は実質的に幅を持たない隙間を介して配置されている(図15(b))。
このように、外周部分61Aの内側を向く部分が平面視で櫛歯状に形成されていることにより、樹脂層30Aを支持体40に固定する工程において(図7(a)(b))、樹脂層30Aにしわが発生することを抑制することができる。すなわち、外周部分61Aが櫛歯状になっていることにより、樹脂層30Aが引っ張られた際、樹脂層30Aの面内の特定の箇所に力が集中しにくくなり、樹脂層30Aにしわが発生しにくくすることができる。補強フィルム60Aが長辺(図15(a)(b)の上下方向に延びる辺)と短辺(図15(a)(b)の左右方向に延びる辺)を有する場合、長辺に存在する突出部64の数が短辺に存在する突出部64の数よりも多くなるようにしてもよい。複数の突出部64同士の間隔は一定であってもよいし、局所的に間隔が大きくなってもよいし、小さくなってもよい。
なお、本変形例においても、補強フィルム60Aは、複数の外周部分61Aを有していても良い。例えば、図4(b)に示す形態と同様に、外周部分61Aは平面視で帯状に延び、かつ櫛歯状に形成されていていても良い。また、本変形例においても、外周部分61Aの内側に中央部分62が設けられていても良い。
(蒸着マスクの製造方法の変形例)
次に、蒸着マスクの製造方法の各変形例について説明する。
上記実施の形態において、(i)樹脂層30Aから基板51を除去する工程(図6(a))と、(ii)樹脂層30Aを支持体40に固定する工程(図7(a)(b))と、(iii)樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分を除去する工程(図8(b))と、(iv)樹脂層30Aに複数の開口部31を形成する工程(図10(a)(b))とがこの順番に行われる場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。
例えば、(iv)樹脂層30Aに複数の開口部31を形成する工程と、(i)樹脂層30Aから基板51を除去する工程と、(ii)樹脂層30Aを支持体40に固定する工程と、(iii)樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分を除去する工程とがこの順番に行われても良い。これにより、樹脂層30Aが支持体40に固定された状態で開口部31を形成できるので、樹脂層30Aのうねりが支持体40により抑制され、開口部31の形成工程を安定して実施することができる。なお、この場合、樹脂層30Aに補強フィルム60を貼り付ける工程が、開口部31を形成する工程と、樹脂層30Aから基板を除去する工程との間に行われても良い。
また、(iv)樹脂層30Aに複数の開口部31を形成する工程と、(ii)樹脂層30Aを支持体40に固定する工程と、(i)樹脂層30Aから基板51を除去する工程と、(iii)樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分を除去する工程とがこの順番に行われても良い。これにより、蒸着マスク10の製造工程の終始にわたり、樹脂層30Aの平坦面(基板51に接している面)を基板51により保護することができる。この場合、樹脂層30Aに補強フィルム60を貼り付ける工程を設けなくても良い。
また、(ii)樹脂層30Aを支持体40に固定する工程と、(i)樹脂層30Aから基板51を除去する工程と、(iii)樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分を除去する工程と、(iv)樹脂層30Aに複数の開口部31を形成する工程とがこの順番に行われても良い。これにより、樹脂層30Aを支持体40に固定する工程において、樹脂層30Aのうねりが抑制されるため、固定作業を容易に行うことができる。この場合、樹脂層30Aに補強フィルム60を貼り付ける工程を設けなくても良い。
また、(ii)樹脂層30Aを支持体40に固定する工程と、(iv)樹脂層30Aに複数の開口部31を形成する工程と、(i)樹脂層30Aから基板51を除去する工程と、(iii)樹脂層30Aのうち、支持体40よりも外周に位置する部分を除去する工程と、がこの順番に行われても良い。これにより、樹脂層30Aを支持体40に固定する工程の実施が容易になり、かつ、開口部31を形成する工程を安定して実施することができるこの場合、樹脂層30Aに補強フィルム60を貼り付ける工程を設けなくても良い。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 蒸着マスク
30 樹脂マスク
30A 樹脂層
31 開口部
32 有効領域
33 周囲領域
35 接着層
40 支持体
51 基板
60 補強フィルム
61 外周部分
62 中央部分

Claims (20)

  1. 基板を準備する工程と、
    前記基板上に樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層から前記基板を除去する工程と、
    前記樹脂層を支持体に固定する工程と、
    前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部を形成する工程と、を備えた、蒸着マスクの製造方法。
  2. 前記樹脂層のうち、前記支持体よりも外周に位置する部分を除去する工程を更に備えた、請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
  3. 前記樹脂層上に補強フィルムを貼り付ける工程、を更に備え、
    前記基板を除去する工程では、前記補強フィルムが貼り付けられた前記樹脂層から前記基板を除去する、請求項1又は2に記載の蒸着マスクの製造方法。
  4. 前記補強フィルムは、前記樹脂層を前記支持体に固定する際に把持される領域にある外周部分を含む、請求項3に記載の蒸着マスクの製造方法。
  5. 前記補強フィルムは、前記外周部分よりも内側に位置する中央部分を含み、前記中央部分と前記外周部分とが互いに離間している、請求項4に記載の蒸着マスクの製造方法。
  6. 前記外周部分のうち内側を向く部分は、平面視で櫛歯状に形成される、請求項4又は5に記載の蒸着マスクの製造方法。
  7. 前記樹脂層の厚みは、1μm以上5μm以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  8. 蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部が設けられた樹脂マスクと、
    前記樹脂マスクに接合された支持体と、を備えた、蒸着マスク。
  9. 前記支持体は、前記樹脂マスクに金属材料を介在させることなく接合されている、請求項8に記載の蒸着マスク。
  10. 前記樹脂マスクは、複数の前記開口部が規則的な配列で配置された有効領域と、前記有効領域を取り囲む周囲領域とを有し、
    前記有効領域内には前記樹脂マスクのみが存在する、請求項8又は9に記載の蒸着マスク。
  11. 前記支持体は枠状であり、
    平面視において前記樹脂マスクの複数の前記開口部が前記支持体の内側に位置し、
    前記支持体の内側の前記樹脂マスクは自立薄膜である、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  12. 有機EL表示装置の製造方法であって、
    請求項8乃至11のいずれか一項に記載の蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えた、有機EL表示装置の製造方法。
  13. 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の蒸着マスクを準備する工程と、
    蒸着対象物を準備する工程と、
    前記蒸着対象物を前記蒸着マスク上に設置する工程と、
    前記蒸着マスク上に設置された前記蒸着対象物に蒸着材料を蒸着させる工程と、を備えた、蒸着方法。
  14. 有機EL表示装置の製造方法であって、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えた、有機EL表示装置の製造方法。
  15. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを準備する工程と、
    蒸着対象物を準備する工程と、
    前記蒸着対象物を前記蒸着マスク上に設置する工程と、
    前記蒸着マスク上に設置された前記蒸着対象物に蒸着材料を蒸着させる工程と、を備えた、蒸着方法。
  16. 有機半導体素子の製造方法であって、
    請求項8乃至11のいずれか一項に記載の蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えた、有機半導体素子の製造方法。
  17. 有機半導体素子の製造方法であって、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を備えた、有機半導体素子の製造方法。
  18. 補強フィルムが配置された樹脂層を準備する工程と、
    前記補強フィルムが配置された前記樹脂層を支持体に固定する工程と、
    前記樹脂層に、蒸着作製するパターンに対応した複数の開口部を形成することにより、樹脂マスクを作製する工程と、を備えた、蒸着マスクの製造方法。
  19. 前記樹脂マスクは、複数の前記開口部が規則的な配列で配置された有効領域と、前記有効領域を取り囲む周囲領域とを有し、
    前記有効領域内には前記樹脂マスクのみが存在する、請求項18に記載の蒸着マスクの製造方法。
  20. 前記支持体は枠状であり、
    平面視において前記樹脂マスクの複数の前記開口部が前記支持体の内側に位置し、
    前記支持体の内側の前記樹脂マスクは自立薄膜である、請求項18又は19に記載の蒸着マスクの製造方法。
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