JP2021033018A - 露光方法及び露光方法を備える蒸着マスク製造方法並びに露光装置 - Google Patents

露光方法及び露光方法を備える蒸着マスク製造方法並びに露光装置 Download PDF

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恒芳 清水
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Hiroki Oka
宏樹 岡
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Hiromitsu Ochiai
洋光 落合
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Abstract

【課題】レジスト層の一部がマスクに付着することを抑制する。【解決手段】露光方法は、基材64と、基材の第1面上にある第1レジスト層65aと、を少なくとも含む積層体63を準備する積層体準備工程と、第1方向を有する第1フィルム114aを介して第1マスク111を積層体の第1レジスト層に押し付ける工程と、第1マスク及び第1フィルムを介して第1レジスト層に光を照射する工程と、第1フィルムを第1レジスト層から分離させる工程と、を備える。【選択図】図18

Description

本開示の実施形態は、露光装置及び露光方法に関する。また、本開示の実施形態は、当該露光方法を備える蒸着マスク製造方法に関する。
基材や基材上の層をパターニングする方法として、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング法が利用されている。フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング法においては、まず、基材にレジスト層を設け、続いて、露光マスクを用いてレジスト層を露光する。続いて、露光されたレジスト層を現像する。続いて、基材又は基材上の層のうちレジスト層によって覆われていない領域をエッチングして、基材又は基材上の層をパターニングする。
特許第5382259号公報
露光マスクをレジスト層に接触させた状態でレジスト層を露光する場合、露光マスクをレジスト層から分離させた後にもレジスト層の一部が露光マスクに付着していることがある。レジスト層の一部が付着した状態の露光マスクを用いてその後の露光工程を実施すると、露光の精度が低下することが考えられる。
本開示の一実施形態による露光方法は、基材と、基材の第1面上にある第1レジスト層と、を少なくとも含む積層体を準備する積層体準備工程と、第1方向を有する第1フィルムを介して第1マスクを積層体の第1レジスト層に押し付ける工程と、第1マスク及び第1フィルムを介して第1レジスト層に光を照射する工程と、第1フィルムを第1レジスト層から分離させる工程と、を備える。
本開示の実施形態によれば、レジスト層の一部がマスクに付着することを抑制することができる。
本開示の一実施形態によるマスク装置を備えた蒸着装置を示す図である。 図1に示す蒸着マスク装置を用いて製造した有機EL表示装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態による蒸着マスク装置を示す平面図である。 図3に示された蒸着マスクの有効領域を示す部分平面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 蒸着マスクの製造方法の一例を全体的に説明するための模式図である。 金属板上にレジスト層を設ける工程を示す図である。 レジスト層を露光する工程を示す図である。 露光されたレジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程を示す図である。 第1面エッチング工程を示す図である。 第2面エッチング工程を示す図である。 露光装置の一例を示す図である。 図12Aに示す第1マスク、第1フィルム及び積層体を、基材の面方向の法線方向に沿って見た場合の一例を示す図である。 図12Aの露光装置を用いて積層体に光を照射する様子を示す図。 図13に示す工程の後、第1フィルム及び第2フィルムを搬送する様子を示す図。 露光装置の一実施形態を示す図である。 図15Aに示す第1マスク、第1フィルム及び積層体を、基材の面方向の法線方向に沿って見た場合の一例を示す図である。 図15Aの露光装置を用いて積層体に光を照射する様子を示す図。 図16に示す工程の後、第1フィルム、第2フィルム及び積層体を搬送する様子を示す図。 露光装置の一実施形態を示す図である。 図18の露光装置を用いて積層体に光を照射する様子を示す図。 図19に示す工程の後、第1フィルムを搬送する様子を示す図。 露光装置の一実施形態を示す図である。 図21の露光装置を用いて積層体に光を照射する様子を示す図。 図22に示す工程の後、第1フィルム及び積層体を搬送する様子を示す図。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、本明細書の一実施形態は、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態と組み合わせられ得る。また、その他の実施形態同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「〜」という記号によって表現される数値範囲は、「〜」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34〜38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
本実施形態においては、後述する露光方法及び露光装置を用いる製造工程によって製造されるマスクが、蒸着材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクである例について説明する。蒸着マスクは、例えば、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる。ただし、本開示の露光方法及び露光装置を用いる製造工程によって製造されるマスクの用途が特に限定されることはなく、本開示のマスクを種々の用途において用いることができる。例えば、本開示のマスクを、金属メッシュフィルタやスクリーン印刷版として用いてもよい。
本開示の第1の態様は、露光方法であって、
第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面上にある第1レジスト層と、を含む積層体を準備する積層体準備工程と、
第1方向を有する第1フィルムを介して第1マスクを前記積層体の前記第1レジスト層に押し付ける押し付け工程と、
前記第1マスク及び前記第1フィルムを介して前記第1レジスト層に光を照射する第1露光工程と、
前記第1フィルムを前記第1レジスト層から分離させる分離工程と、を備える、露光方法である。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による露光方法において、前記積層体準備工程は、レジストの材料を含む溶液を前記基材の前記第1面側に塗布する工程を備えていてもよい。
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様による露光方法において、前記分離工程の後、前記第1方向において前記第1フィルムを搬送する工程を備えていてもよい。
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる露光方法において、前記押し付け工程は、前記第1方向において前記第1フィルムに張力を加えた状態で実施されてもよい。
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによる露光方法において、前記押し付け工程は、前記第1フィルムを前記第1マスクに接触させる第1マスク接触工程と、前記第1マスクに接触している前記第1フィルムを介して第1露光マスクを前記第1レジスト層に押し付ける第1レジスト層接触工程と、を含んでいてもよい。
本開示の第6の態様は、上述した第5の態様による露光方法において、前記第1マスク接触工程は、前記第1フィルムと前記第1マスクとの間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含んでいてもよい。
本開示の第7の態様は、上述した第5の態様又は上述した第6の態様による露光方法において、前記第1レジスト層接触工程は、前記第1フィルムと前記第1レジスト層との間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含んでいてもよい。
本開示の第8の態様は、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによる露光方法において、前記積層体は、前記基材の前記第2面上の第2レジスト層を含み、
前記露光方法は、
前記第1方向を有する第2フィルムを介して第2マスクを前記積層体の前記第2レジスト層に押し付ける工程と、
前記第2マスク及び前記第2フィルムを介して前記第2レジスト層に光を照射する第2露光工程と、を備えていてもよい。
本開示の第9の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによる露光方法において、前記積層体の端は、前記第1方向において、前記第1マスクの端よりも内側に位置していてもよい。
本開示の第10の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによる露光方法において、前記積層体準備工程は、前記第1方向において前記積層体に張力を加えながら前記第1方向において前記積層体を搬送する工程を含んでいてもよい。
本開示の第11の態様は、上述した第1の態様から上述した第10の態様のそれぞれによる露光方法において、前記第1レジスト層は、ポジ型の感光材を含んでいてもよい。
本開示の第12の態様は、上述した第1の態様から上述した第10の態様のそれぞれによる露光方法において、前記第1レジスト層は、ネガ型の感光材を含んでいてもよい。
本開示の第13の態様は、複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造する方法であって、
金属板からなる基材であって、前記基材の第1面に第1レジスト層がある前記基材を準備する工程と、
上述した第1の態様から上述した第12の態様のそれぞれによる露光方法で前記第1レジスト層を露光する露光工程と、
露光された前記第1レジスト層を現像する工程と、
前記基材のうち前記第1レジスト層によって覆われていない領域をエッチングする工程と、を備える、蒸着マスクの製造方法である。
本開示の第14の態様は、積層体に光を照射する露光装置であって、
前記積層体は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面上にある第1レジスト層と、を少なくとも含み、
前記露光装置は、
前記積層体の前記第1レジスト層の少なくとも一部と重なる第1マスクと、
第1フィルムを第1方向において搬送し、前記第1フィルムを前記積層体の前記第1レジスト層と前記第1マスクとの間に供給する第1フィルム供給機構と、
前記第1フィルムを介して前記第1マスクが前記積層体の前記第1レジスト層に押し付けられ、その後、前記第1フィルムが前記第1レジスト層から分離するよう、前記積層体に対して前記第1マスクを相対的に移動させる移動機構と、
前記第1マスク及び前記第1フィルムを介して前記第1レジスト層に光を照射する第1照射機構と、を備える、露光装置である。
本開示の第15の態様は、上述した第14の態様による露光装置において、前記移動機構は、前記第1フィルム供給機構が前記第1方向において前記第1フィルムに張力を加えた状態で前記第1フィルムを介して前記第1マスクを前記積層体の前記第1レジスト層に押し付けてもよい。
本開示の第16態様は、上述した第14の態様又は上述した第15の態様による露光装置において、前記移動機構は、前記第1フィルムを前記第1マスクに接触させた状態で、前記第1マスクに接触している前記第1フィルムを介して第1露光マスクを前記第1レジスト層に押し付けてもよい。
本開示の第17の態様は、上述した第14の態様から上述した第16の態様のそれぞれによる露光装置において、前記第1フィルムと前記第1マスクとの間の空間の圧力を大気圧以下にする第1マスク減圧機構を含んでいてもよい。
本開示の第18の態様は、上述した第14の態様から上述した第17の態様のそれぞれによる露光装置において、前記第1フィルムと前記第1レジスト層との間の空間の圧力を大気圧以下にする積層体減圧機構を含んでいてもよい。
本開示の第19の態様は、上述した第14の態様から上述した第18の態様のそれぞれによる露光装置において、前記積層体は、前記基材の前記第2面にある第2レジスト層を含み、
前記露光装置は、
前記積層体の前記第2レジスト層の少なくとも一部と重なる第2マスクと、
第2フィルムを前記第1方向において搬送し、前記第2フィルムを前記積層体の前記第2レジスト層と前記第2マスクとの間に供給する第2フィルム供給機構と、
前記第2マスク及び前記第2フィルムを介して前記第2レジスト層に光を照射する第2照射機構と、を有し、
前記移動機構は、前記第2フィルムを介して前記第2マスクが前記積層体の前記第2レジスト層に押し付けられ、その後、前記第2フィルムが前記第2レジスト層から分離するよう、前記積層体に対して前記第2マスクを相対的に移動させてもよい。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
まず、対象物に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する蒸着装置90について、図1を参照して説明する。図1に示すように、蒸着装置90は、その内部に、蒸着源(例えばるつぼ94)、ヒータ96、及び蒸着マスク装置10を備えていてもよい。また、蒸着装置90は、蒸着装置90の内部を真空雰囲気にするための排気手段を更に備える。るつぼ94は、有機発光材料などの蒸着材料98を収容する。ヒータ96は、るつぼ94を加熱して、真空雰囲気の下で蒸着材料98を蒸発させる。蒸着マスク装置10は、るつぼ94と対向するよう配置されていてもよい。
以下、蒸着マスク装置10について説明する。図1に示すように、蒸着マスク装置10は、蒸着マスク20と、蒸着マスク20を支持するフレーム15と、を備えていてもよい。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように、蒸着マスク20をその面方向に引っ張った状態で支持していてもよい。蒸着マスク装置10は、図1に示すように、蒸着マスク20が、蒸着材料98を付着させる対象物である基板、例えば有機EL基板92に対面するよう、蒸着装置90内に配置される。以下の説明において、蒸着マスク20の面のうち、有機EL基板92側の面を第1面20aと称し、第1面20aの反対側に位置する面を第2面20bと称する。
蒸着マスク装置10は、図1に示すように、有機EL基板92の、蒸着マスク20と反対の側の面に配置された磁石93を備えていてもよい。磁石93を設けることにより、磁力によって蒸着マスク20を磁石93側に引き寄せて、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させることができる。また、静電気力(クーロン力)を利用する静電チャックを用いて蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させてもよい。
図3は、蒸着マスク装置10を蒸着マスク20の第1面20a側から見た場合を示す平面図である。図3に示すように、蒸着マスク装置10は、複数の蒸着マスク20を備えていてもよい。各蒸着マスク20は、一対の第1の辺26及び第1の辺26に交差する方向を有する一対の第2の辺27を含んでいてもよく、例えば矩形状の形状を有していてもよい。第2の辺27は、第1の辺26よりも短くてもよい。各蒸着マスク20は、一対の第2の辺27又はその近傍の部分において、例えば溶接によってフレーム15に固定されていてもよい。
蒸着マスク20は、蒸着マスク20を貫通する複数の貫通孔25が形成された金属板を含む。るつぼ94から蒸発して蒸着マスク装置10に到達した蒸着材料98は、蒸着マスク20の貫通孔25を通って有機EL基板92に付着する。これによって、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98を有機EL基板92の表面に成層することができる。
図2は、図1の蒸着装置90を用いて製造した有機EL表示装置100を示す断面図である。有機EL表示装置100は、被蒸着基板(有機EL基板)92と、パターン状に設けられた蒸着材料98を含む蒸着層と、を備えていてもよい。なお、図3の有機EL表示装置100においては、蒸着材料98を含む画素に電圧を印加する電極等が省略されている。また、有機EL基板92上に蒸着材料98をパターン状に設ける蒸着工程の後、図2の有機EL表示装置100には、有機EL表示装置のその他の構成要素が更に設けられ得る。従って、図2の有機EL表示装置100は、有機EL表示装置の中間体と呼ぶこともできる。
なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク20が搭載された蒸着装置90をそれぞれ準備し、有機EL基板92を各蒸着装置90に順に投入する。これによって、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に有機EL基板92に蒸着させることができる。
ところで、蒸着処理は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部で実施される場合がある。この場合、蒸着処理の間、蒸着装置90の内部に保持される蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92も加熱される。この際、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92は、各々の熱膨張係数に基づいた寸法変化の挙動を示すことになる。この場合、蒸着マスク20やフレーム15と有機EL基板92の熱膨張係数が大きく異なっていると、それらの寸法変化の差異に起因した位置ずれが生じ、この結果、有機EL基板92上に付着する蒸着材料の寸法精度や位置精度が低下してしまう。
このような課題を解決するため、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数が、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値であることが好ましい。例えば、有機EL基板92としてガラス基板が用いられる場合、蒸着マスク20およびフレーム15の主要な材料として、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、蒸着マスク20を構成する金属板の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で30質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルを含む低熱膨張Fe−Ni系めっき合金などを挙げることができる。
なお蒸着処理の際に、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92の温度が高温には達しない場合は、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数を、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値にする必要は特にない。この場合、蒸着マスク20を構成する材料として、上述の鉄合金以外の材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金など、上述のニッケルを含む鉄合金以外の鉄合金を用いてもよい。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。また、ニッケルやニッケル−コバルト合金など、鉄合金以外の合金を用いてもよい。
次に、蒸着マスク20について詳細に説明する。図3に示すように、蒸着マスク20は、蒸着マスク20の一対の第2の辺27を含む一対の耳部(第1耳部17a及び第2耳部17b)と、一対の耳部17a,17bの間に位置する中間部18と、を備えている。
耳部17a,17bは、蒸着マスク20のうちフレーム15に固定される部分である。中間部18は、第1面20aから第2面20bに至る貫通孔25が形成された、少なくとも1つの有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含む。有効領域22は、蒸着マスク20のうち、有機EL基板92の表示領域に対面する領域である。
図3に示す例において、中間部18は、蒸着マスク20の第1の辺26に沿って所定の間隔を空けて配列された複数の有効領域22を含む。一つの有効領域22は、一つの有機EL表示装置100の表示領域に対応する。このため、図1に示す蒸着マスク装置10によれば、有機EL表示装置100の多面付蒸着が可能である。なお、一つの有効領域22が複数の表示領域に対応する場合もある。図示はしないが、第2の辺27が延びる方向においても、所定の間隔を空けて複数の有効領域22が配列されていてもよい。
図3に示すように、有効領域22の輪郭は、例えば、平面視において略四角形、さらに正確には平面視において略矩形を有する。なお図示はしないが、各有効領域22は、有機EL基板92の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各有効領域22の輪郭は、円形を有していてもよい。
以下、有効領域22について詳細に説明する。図4は、蒸着マスク20の第2面20b側から有効領域22を拡大して示す平面図である。図4に示すように、図示された例において、各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されている。
図5は、図4の有効領域22のV−V方向に沿った断面図である。図5に示すように、複数の貫通孔25は、蒸着マスク20の法線方向Nに沿った一方の側となる第1面20aから、蒸着マスク20の法線方向Nに沿った他方の側となる第2面20bへ貫通している。図示された例では、後に詳述するように、蒸着マスク20の法線方向Nにおける一方の側となる基材64の第1面64aに第1凹部30がエッチングによって形成され、蒸着マスク20の法線方向Nにおける他方の側となる基材64の第2面64bに第2凹部35が形成される。第1凹部30は、第2凹部35に接続され、これによって第2凹部35と第1凹部30とが互いに通じ合うように形成される。貫通孔25は、第2凹部35と、第2凹部35に接続された第1凹部30とによって構成されている。図4及び図5に示すように、第1凹部30の壁面31と、第2凹部35の壁面36とは、周状の接続部41を介して接続されている。接続部41は、蒸着マスク20の平面視において貫通孔25の開口面積が最小になる貫通部42を画成する。
図5に示すように、蒸着マスク20の第1面20a側において、隣り合う二つの貫通孔25は、基材64の第1面64aに沿って互いから分離している。蒸着マスク20の第2面20b側においても、隣り合う二つの第2凹部35が、基材64の第2面64bに沿って互いから分離していてもよい。すなわち、隣り合う二つの第2凹部35の間に基材64の第2面64bが残存していてもよい。以下の説明において、基材64の第2面64bの有効領域22のうちエッチングされずに残っている部分のことを、トップ部43とも称する。このようなトップ部43が残るように蒸着マスク20を作製することにより、蒸着マスク20に十分な強度を持たせることができる。このことにより、例えば搬送中などに蒸着マスク20が破損してしまうことを抑制することができる。なおトップ部43の幅βが大きすぎると、蒸着工程においてシャドーが発生し、これによって蒸着材料98の利用効率が低下することがある。従って、トップ部43の幅βが過剰に大きくならないように蒸着マスク20が作製されることが好ましい。
図1に示すようにして蒸着マスク装置10が蒸着装置90に収容された場合、図5に二点鎖線で示すように、蒸着マスク20の第1面20aが、有機EL基板92に対面し、蒸着マスク20の第2面20bが、蒸着材料98を保持したるつぼ94側に位置する。したがって、蒸着材料98は、次第に開口面積が小さくなっていく第2凹部35を通過して有機EL基板92に付着する。図5において第2面20b側から第1面20aへ向かう矢印で示すように、蒸着材料98は、るつぼ94から有機EL基板92に向けて有機EL基板92の法線方向Nに沿って移動するだけでなく、有機EL基板92の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動することもある。このとき、蒸着マスク20の厚みが大きいと、斜めに移動する蒸着材料98が、トップ部43、第2凹部35の壁面36や第1凹部30の壁面31に引っ掛かり易くなり、この結果、貫通孔25を通過できない蒸着材料98の比率が多くなる。従って、蒸着材料98の利用効率を高めるためには、蒸着マスク20の厚みtを小さくし、これによって、第2凹部35の壁面36や第1凹部30の壁面31の高さを小さくすることが好ましいと考えられる。すなわち、蒸着マスク20を構成するための基材64として、蒸着マスク20の強度を確保できる範囲内で可能な限り厚みtの小さな基材64を用いることが好ましいと言える。この点を考慮し、本実施の形態において、蒸着マスク20の厚みtの上限は、100μm、50μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μmからなる第2グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの上限は、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、35μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、25μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。一方、蒸着マスク20の厚みtが小さくなり過ぎると、蒸着マスク20の強度が低下し、蒸着マスク20に損傷や変形が生じやすくなる。この点を考慮し、蒸着マスク20の厚みtの下限は、5μm、8μm、10μm、12μm、13μm、15μmからなる第1グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの下限は、5μm以上であってもよく、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、12μm以上であってもよく、13μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。蒸着マスク20の厚みtの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、5μm以上100μm以下であってもよく、8μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、12μm以上35μm以下であってもよく、13μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよい。また、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、20μm以上100μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、25μm以上100μm以下であってもよい。また、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、5μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、5μm以上13μm以下であってもよい。なお厚みtは、周囲領域23の厚み、すなわち蒸着マスク20のうち第1凹部30および第2凹部35が形成されていない部分の厚みである。従って厚みtは、基材64の厚みであると言うこともできる。
基材64及び蒸着マスク20の厚みを測定する方法としては、接触式の測定方法を採用する。接触式の測定方法としては、ボールブッシュガイド式のプランジャーを備える、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIM-METROの「MT1271」を用いる。
図5において、貫通孔25の最小開口面積を持つ部分となる接続部41と、第2凹部35の壁面36の他の任意の位置と、を通過する直線M1が、蒸着マスク20の法線方向Nに対してなす最小角度が、符号θ1で表されている。斜めに移動する蒸着材料98を、壁面36に到達させることなく可能な限り有機EL基板92に到達させるためには、角度θ1を大きくすることが有利となる。角度θ1を大きくする上では、蒸着マスク20の厚みtを小さくすることの他にも、上述のトップ部43の幅βを小さくすることも有効である。
図5において、符号αは、基材64の第1面64aの有効領域22のうちエッチングされずに残っている部分(以下、リブ部とも称する)の幅を表している。リブ部の幅αおよび貫通部42の寸法rは、有機EL表示装置の寸法および表示画素数に応じて適宜定められる。例えば、リブ部の幅αは5μm以上且つ40μm以下であり、貫通部42の寸法rは10μm以上且つ60μm以下である。
なお、図4及び図5においては、隣り合う二つの第2凹部35の間に基材64の第2面64bが残存している例を示したが、これに限られることはない。図示はしないが、隣り合う二つの第2凹部35が接続されるようにエッチングが実施されてもよい。すなわち、隣り合う二つの第2凹部35の間に、基材64の第2面64bが残存していない場所が存在していてもよい。
次に、蒸着マスク20を製造する方法について説明する。図6は、基材64を用いて蒸着マスク20を製造する製造装置70を示す図である。製造装置70は、レジスト層形成装置71、露光装置72、現像装置73及びエッチング装置74を少なくとも備える。
まず、金属からなる基材64を準備する。基材64は、例えば、30質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含む鉄合金を有する。基材64は、後述する露光装置、現像装置などが1回の処理で処理可能な寸法以下の寸法を有する1枚の金属板であってもよい。また、基材64は、露光装置、現像装置などが1回の処理で処理可能な寸法を少なくとも1つの方向において有する金属板であってもよい。この場合、基材64は、露光装置、現像装置などにおける処理が完了するごとに間欠的に搬送される。
レジスト層形成装置71は、図7に示すように、基材64の表面にレジスト層を設ける。レジスト層は、例えば、基材64の第1面64aに位置する第1レジスト層65aと、基材64の第2面64bに位置する第2レジスト層65bと、を有する。
第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bは、レジストの材料を含む溶液を基材64の表面に塗布し、固化させることにより形成される層であってもよい。若しくは、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bは、ドライフィルムなどのフィルムを基材64の表面に貼り付けることにより形成される層であってもよい。なお、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みを小さくする上では、レジストの材料を含む溶液を塗布し、固化させるタイプ、いわゆる塗布型のレジスト層を採用することが好ましい。
塗布型のレジスト層は、感光材を含む溶液を基材64の表面に塗布し、固化させることにより形成される。この際、レジスト層を焼成するレジスト層焼成工程を実施してもよい。感光材は、光溶解型、いわゆるポジ型であってもよく、若しくは、光硬化型、いわゆるネガ型であってもよい。
ポジ型の感光材の例としては、SC500などのノボラック系ポジレジストなどを挙げることができる。ネガ型の感光材の例としては、カゼインレジストなどを挙げることができる。
感光材としてノボラック系ポジレジストを用いる場合、レジスト層焼成温度の範囲は、40℃、50℃、60℃及び70℃からなる第1グループ、及び/又は、150℃、160℃、170℃及び180℃からなる第2グループによって定められてもよい。レジスト層焼成温度の範囲の下限は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、レジスト層焼成温度の範囲の下限は、40℃以上であってもよく、50℃以上であってもよく、60℃以上であってもよく、70℃以上であってもよい。また、レジスト層焼成温度の範囲の上限は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、レジスト層焼成温度の範囲の上限は、150℃以下であってもよく、160℃以下であってもよく、170℃以下であってもよく、180℃以下であってもよい。
感光材としてノボラック系ポジレジストを用いる場合、レジスト層焼成温度の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよく、例えば、40℃以上180℃以下であってもよく、50℃以上170℃以下であってもよく、60℃以上160℃以下であってもよく、70℃以上150℃以下であってもよい。また、レジスト層焼成温度の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、40℃以上70℃以下であってもよく、40℃以上60℃以下であってもよく、50℃以上70℃以下であってもよく、50℃以上60℃以下であってもよい。また、レジスト層焼成温度の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、150℃以上180℃以下であってもよく、150℃以上170℃以下であってもよく、160℃以上180℃以下であってもよく、160℃以上170℃以下であってもよい。
また、感光材としてカゼインレジストを用いる場合、レジスト層焼成温度の範囲は、80℃、90℃、100℃及び120℃からなる第1グループ、及び/又は、200℃、210℃、230℃及び250℃からなる第2グループによって定められてもよい。レジスト層焼成温度の範囲の下限は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、レジスト層焼成温度の範囲の下限は、80℃以上であってもよく、90℃以上であってもよく、100℃以上であってもよく、120℃以上であってもよい。また、レジスト層焼成温度の範囲の上限は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、レジスト層焼成温度の範囲の上限は、200℃以下であってもよく、210℃以下であってもよく、230℃以下であってもよく、250℃以下であってもよい。
感光材としてカゼインレジストを用いる場合、レジスト層焼成温度の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよく、例えば、80℃以上250℃以下であってもよく、90℃以上230℃以下であってもよく、100℃以上210℃以下であってもよく、120℃以上200℃以下であってもよい。また、レジスト層焼成温度の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、80℃以上120℃以下であってもよく、80℃以上100℃以下であってもよく、90℃以上120℃以下であってもよく、90℃以上100℃以下であってもよい。また、レジスト層焼成温度の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、200℃以上250℃以下であってもよく、200℃以上230℃以下であってもよく、210℃以上250℃以下であってもよく、210℃以上230℃以下であってもよい。
第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲は、1.0μm、1.2μm、1.5μm及び1.8μmからなる第1グループ、及び/又は、2.0μm、3.0μm、4.0μm及び5.0μmからなる第2グループによって定められてもよい。第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲の下限は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲の下限は、1.0μm以上であってもよく、1.2μm以上であってもよく、1.5μm以上であってもよく、1.8μm以上であってもよい。また、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲の上限は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲の上限は、2.0μm以下であってもよく、3.0μm以下であってもよく、4.0μm以下であってもよく、5.0μm以下であってもよい。第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みを5.0μm以下にすることにより、貫通孔25の貫通部42の寸法rがばらつくことを抑制することができる。
第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよく、例えば、1.0μm以上5.0μm以下であってもよく、1.2μm以上4.0μm以下であってもよく、1.5μm以上3.0μm以下であってもよく、1.8μm以上2.0μm以下であってもよい。また、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、1.0μm以上1.8μm以下であってもよく、1.0μm以上1.5μm以下であってもよく、1.2μm以上1.8μm以下であってもよく、1.2μm以上1.5μm以下であってもよい。また、第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、2.0μm以上5.0μm以下であってもよく、2.0μm以上4.0μm以下であってもよく、3.0μm以上5.0μm以下であってもよく、3.0μm以上4.0μm以下であってもよい。
続いて、図8に示すように、露光装置72が、露光マスクを用いてレジスト層を所定のパターンで露光する露光工程を実施する。露光マスクは、例えば、第1レジスト層65aを所定のパターンで露光するための第1マスク111と、第2レジスト層65bを所定のパターンで露光するための第2マスク121と、を有する。
露光工程においては、露光マスクとレジスト層との間に隙間が存在しないことが好ましい。隙間とは、固体又は液体が存在しない空間のことである。露光マスクとレジスト層との間に隙間が存在しないことにより、レジスト層に対する露光マスクの位置を安定に定めることができる。これにより、露光の位置精度を高めることができる。
露光マスクとレジスト層との間に隙間を存在させない方法の一例として、露光マスクをレジスト層に接触させることが考えられる。例えば、第1マスク111を第1レジスト層65aに接触させ、第2マスク121を第2レジスト層65bに接触させることが考えられる。一方、露光マスクをレジスト層に接触させる場合、露光工程の後に露光マスクをレジスト層から分離させた後にも、レジスト層の一部が露光マスクに付着しているという現象が生じ得る。このような現象は、露光マスクとレジスト層との間の密着性が高い場合に生じ易い。例えば、塗布型のレジスト層が用いられる場合は、ドライフィルムが用いられる場合に比べて、露光マスクとレジスト層との間の密着性が高い。このため、露光マスクをレジスト層から分離させる際、レジスト層の一部がレジスト層の基材64側の本体部から引き剥がされ、露光マスクに付着し易い。以下の説明において、露光マスクをレジスト層から分離させた後に露光マスクに残っているレジスト層の一部のことを、残留レジストとも称する。
露光マスクは、複数回の露光工程において繰り返し用いられる。このため、ある1回の露光工程においてレジスト層の一部が露光マスクに付着すると、その後の露光工程においては、残留レジストが付着した状態の露光マスクが、その後の露光工程における露光の対象のレジスト層に接触することになる。この場合、露光の精度が低下してしまうことが考えられる。例えば、露光の対象のレジスト層に対する光の照射が、残留レジストによって阻害されることが考えられる。
このような課題を考慮し、本実施の形態においては、露光マスクと露光の対象のレジスト層との間にフィルムを介在させることを提案する。例えば図8に示すように、第1マスク111と第1レジスト層65aとの間に第1フィルム114aを介在させることを提案する。これにより、露光マスクをレジスト層から分離させる際にレジスト層の一部が残留レジストとして露光マスクに付着することを抑制することができる。図示はしないが、第2マスク121と第2レジスト層65bとの間にも第2フィルム124aを介在させてもよい。
また、フィルムのうち、ある1回の露光工程において露光マスクと露光の対象のレジスト層との間に介在されていた領域(以下、介在領域とも称する)を、その後の露光工程が始まる前に、少なくとも介在領域の寸法以上の距離以上にわたって搬送することを提案する。これにより、その後の露光工程において、残留レジストが付着した状態のフィルムが露光マスクと露光の対象のレジスト層との間に介在されることを抑制することができる。
図8に示す例においては、第1マスク111と第1レジスト層65aとの間に第1フィルム114aを介在させた状態で、第1マスク111及び第1フィルム114aを介して光L1を第1レジスト層65aに照射する。同様に、第2マスク121と第2レジスト層65bとの間に第2フィルム124aを介在させた状態で、第2マスク121及び第2フィルム124aを介して光L2を第2レジスト層65bに照射する。
第1フィルム114aとしては、光L1を透過させることができるフィルムを用いることができる。第1フィルム114aは、例えば、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、PA(ポリアミド)、PI(ポリイミド)、フッ素化PI(フッ素化ポリイミド)又はETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)などのフッ素樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC(ポリカーボネート)などの樹脂を含む樹脂フィルムである。第1フィルム114aは、これらの樹脂のいずれかを含むとともに互いに積層された2つ以上の樹脂フィルムを備えていてもよい。また、第1フィルム114aは、これらの樹脂のいずれかを含む樹脂フィルムと、樹脂フィルムに積層され、無機材料を含む層とを備えていてもよい。また、第1フィルム114aを構成する樹脂フィルムの表面はコーティングされていてもよい。
第2フィルム124aは、第1フィルム114aで例示した上述の樹脂を含む樹脂フィルムであってもよい。第2フィルム124aは、第1フィルム114aで例示した上述の樹脂のいずれかを含むとともに互いに積層された2つ以上の樹脂フィルムを備えていてもよい。また、第2フィルム124aは、第1フィルム114aで例示した上述の樹脂のいずれかを含む樹脂フィルムと、樹脂フィルムに積層され、無機材料を含む層とを備えていてもよい。また、第2フィルム124aを構成する樹脂フィルムの表面はコーティングされていてもよい。
第1フィルム114aの厚みの範囲は、5μm、10μm、15μm及び20μmからなる第1グループ、及び/又は、25μm、30μm、35μm及び40μmからなる第2グループによって定められてもよい。第1フィルム114aの厚みの範囲の下限は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、第1フィルム114aの厚みの範囲の下限は、5μmであってもよく、10μmであってもよく、15μmであってもよく、20μmであってもよい。また、第1フィルム114aの厚みの範囲の上限は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つによって定められてもよい。例えば、第1フィルム114aの厚みの範囲の上限は、25μmであってもよく、30μmであってもよく、35μmであってもよく、40μmであってもよい。第1フィルム114aの厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよく、例えば、5μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上35μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよい。また、第1フィルム114aの厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、5μm以上20μm以下であってもよく、5μm以上15μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよい。また、第1フィルム114aの厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよく、例えば、25μm以上40μm以下であってもよく、25μm以上35μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、30μm以上35μm以下であってもよい。
好ましくは、露光工程において、第1マスク111のうち基材64の第1面64aに対向する側の周囲の雰囲気を真空雰囲気に制御する。これにより、第1マスク111と第1フィルム114aとの間、及び第1フィルム114aと第1レジスト層65aとの間に隙間が形成されることを抑制することができる。このことにより、基材64の第1面64aに形成される第1レジストパターン65cの寸法精度及び位置精度を高めることができる。同様に、好ましくは、露光工程において、第2マスク121のうち基材64の第2面64bに対向する側の周囲の雰囲気を真空雰囲気に制御する。真空雰囲気の圧力は、大気圧よりも低く、例えば大気圧の1/10以下である。
露光マスクとレジスト層との間にフィルムを介在させる露光方法を実施するための露光装置の例については、後に詳細に説明する。
続いて、図9に示すように、現像装置73が、露光された第1レジスト層65aを現像して第1レジストパターン65cを形成し、露光された第2レジスト層65bを現像して第2レジストパターン65dを形成する現像工程を実施する。図9において、符号γは、基材64の第2面64bのうち蒸着マスク20の上述のトップ部43となる部分を覆う第2レジストパターン65dの幅を表す。幅γは、例えば40μm以下である。幅γは、5μm以上であってもよい。
続いて、エッチング装置74が、レジストパターン65c,65dをマスクとして基材64をエッチングするエッチング工程を実施する。なお、本実施の形態においては、複数枚の蒸着マスク20に対応する多数の貫通孔25を基材64に形成する。言い換えると、基材64に複数枚の蒸着マスク20を割り付ける。例えば、基材64の幅方向D2に複数の有効領域22が並び、且つ、基材64の搬送方向D1に複数の蒸着マスク20用の有効領域22が並ぶよう、基材64に多数の貫通孔25を形成する。
エッチング工程においては、まず、図10に示すように、基材64の第1面64aのうち第1レジストパターン65cによって覆われていない領域を、第1エッチング液を用いてエッチングする。例えば、第1エッチング液を、搬送される基材64の第1面64aに対面する側に配置されたノズルから、第1レジストパターン65c越しに基材64の第1面64aに向けて噴射する。この結果、図10に示すように、基材64のうちの第1レジストパターン65cによって覆われていない領域で、第1エッチング液による浸食が進む。これによって、基材64の第1面64aに多数の第1凹部30が形成される。第1エッチング液としては、例えば塩化第2鉄溶液及び塩酸を含むものを用いる。
次に、図11に示すように、基材64の第2面64bのうち第2レジストパターン65dによって覆われていない領域をエッチングし、第2面64bに第2凹部35を形成する。第2面64bのエッチングは、第1凹部30と第2凹部35とが互いに通じ合い、これによって貫通孔25が形成されるようになるまで実施される。第2エッチング液としては、上述の第1エッチング液と同様に、例えば塩化第2鉄溶液及び塩酸を含むものを用いる。なお、第2面64bのエッチングの際、図11に示すように、第2エッチング液に対する耐性を有した樹脂69によって第1凹部30が被覆されていてもよい。
その後、基材64から樹脂69を除去する。樹脂69は、例えばアルカリ系剥離液を用いることによって、除去することができる。アルカリ系剥離液が用いられる場合、樹脂69と同時にレジストパターン65c,65dも除去される。なお、樹脂69を除去した後、樹脂69を剥離させるための剥離液とは異なる剥離液を用いて、樹脂69とは別途にレジストパターン65c,65dを除去してもよい。
このようにして、基材64に形成された複数の貫通孔25を有する蒸着マスク20を作製することができる。なお、基材64に複数の蒸着マスク20が割り付けられる場合、基材64を分離して複数の蒸着マスク20を1つ1つ取り出す分離工程を実施してもよい。例えば、基材64のうち1枚分の蒸着マスク20に対応する複数の貫通孔25が形成された部分を基材64のその他の部分から分離する。
次に、上述の露光工程を実施するための露光装置72の一例について、図12Aを参照して説明する。ここでは、基材64の両面にレジスト層があり、露光装置72が、基材64の両面のレジスト層を露光する例について説明する。また、両面にレジスト層が形成されている基材が、露光装置72が1回の処理で処理可能な寸法以下の寸法を有する1枚の金属板である例について説明する。
以下の説明において、基材64及びレジスト層を含む構造体のことを積層体63とも称する。図12Aに示す例において、積層体63は、基材64と、基材64の第1面64aにレジスト塗工液を塗布することによって形成された第1レジスト層65aと、基材64の第2面64bにレジスト塗工液を塗布することによって形成された第2レジスト層65bと、を含む。
露光装置72は、第1マスク111、第1フィルム供給機構114、第1照射機構115、第2マスク121、第2フィルム供給機構124、第2照射機構125及び移動機構132を少なくとも備える。
第1マスク111は、基材64の面方向の法線方向において積層体63の第1レジスト層65aと重なっている。第1フィルム供給機構114は、図12Aに示す第1方向D1において第1フィルム114aを搬送して、第1フィルム114aを積層体63の第1レジスト層65aと第1マスク111との間に供給する。第1フィルム供給機構114は、第1フィルム114aを送り出す送出ロール114bと、送出ロール114bから送り出された第1フィルム114aを巻き取る巻取ロール114cと、を含んでいてもよい。
第2マスク121は、基材64の面方向の法線方向において積層体63の第2レジスト層65bと重なっている。第2フィルム供給機構124は、図12Aに示す第1方向D1において第2フィルム124aを搬送して、第2フィルム124aを積層体63の第2レジスト層65bと第2マスク121との間に供給する。第2フィルム供給機構124は、第2フィルム124aを送り出す送出ロール124bと、送出ロール124bから送り出された第2フィルム124aを巻き取る巻取ロール124cと、を含んでいてもよい。
図12Bは、図12Aに示す第1マスク111、第1フィルム114a及び積層体63を、基材64の面方向の法線方向に沿って見た場合の一例を示す図である。第1方向D1において、積層体63の端63aは、第1マスク111の端111aよりも内側に位置していてもよい。すなわち、第1方向D1において、積層体63の一対の端63aは、第1マスク111の一対の端111aの間に位置していてもよい。また、第1方向D1において、積層体63の一対の端63aは、第2マスク121の一対の端の間に位置していてもよい。
図12Aに示すように、第2フィルム供給機構124は、積層体63を第2フィルム124aの上に載せた状態で第2フィルム124aを搬送してもよい。第2フィルム供給機構124は、第2フィルム124aの搬送経路に沿って位置するガイドロール124d、第2フィルム124aに加える張力を調整する張力調整ロール124eなどを有していてもよい。
図示はしないが、第1フィルム供給機構114も、第1フィルム114aの搬送経路に沿って位置するガイドロール、第1フィルム114aに加える張力を調整する張力調整ロールなどを有していてもよい。
移動機構132は、積層体63に対して第1マスク111又は第2マスク121の少なくともいずれかを相対的に移動させる。図12Aに示す例において、移動機構132は、少なくとも、積層体63に対して第1マスク111を相対的に移送させて、第1フィルム114aを介して第1マスク111を積層体63の第1レジスト層65aに押し付けるよう、構成されている。移動機構132は、アクチュエータ、エアシリンダーなどの機械要素を含んでいてもよい。
露光装置72は、第1フィルム114aと積層体63の第1レジスト層65aとの間の空間の圧力を大気圧以下にする第1マスク減圧機構113備えていてもよい。第1マスク減圧機構113は、例えば、第1マスク111に接する第1枠113a、第1枠113aに形成されている貫通孔を介して第1フィルム114aと第1レジスト層65aとの間の気体を排出するポンプ113b、第1フィルム114aと第1レジスト層65aとの間で貫通孔を囲う封止材113cなどを含む。
また、露光装置72は、第2フィルム124aと積層体63の第2レジスト層65bとの間の空間の圧力を大気圧以下にする第2マスク減圧機構123を備えていてもよい。第2マスク減圧機構123は、例えば、第2マスク121に接する第2枠123a、第2枠123aに形成されている貫通孔を介して第2フィルム124aと第2レジスト層65bとの間の気体を排出するポンプ、第2フィルム124aと第2レジスト層65bとの間で貫通孔を囲う封止材123cなどを含む。
また、露光装置72は、第1フィルム114aと積層体63の第1レジスト層65aとの間の空間、又は第2フィルム124aと積層体63の第2レジスト層65bとの間の空間の圧力の少なくともいずれかを大気圧以下にする積層体減圧機構133を備えていてもよい。積層体減圧機構133は、例えば、第1マスク111を囲う第3枠133a、第2マスク121を囲う第4枠133b、ポンプ133c、第3枠133aと第4枠133bの間に位置する封止材133dなどを含む。ポンプ133cは、第1フィルム114aと積層体63の第1レジスト層65aとの間の気体、又は第2フィルム124aと積層体63の第2レジスト層65bとの間の気体の少なくともいずれかを排出する。図12Aに示すように、ポンプ133cは、第2枠123a及び第4枠133bを支持する支持台131に形成されている貫通孔を介して気体を排出してもよい。
続いて、露光装置72を用いて積層体63の第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bを露光する露光方法の一例を詳細に説明する。
積層体63を準備する積層体準備工程を実施する。また、積層体63の第1レジスト層65aと基材64の第1面64aの法線方向において重なる第1マスク111を準備する第1マスク準備工程を実施する。また、積層体63の第2レジスト層65bと基材64の第2面64bの法線方向において重なる第2マスク121を準備する第2マスク準備工程を実施する。図12Aに示す例においては、まず、互いに向かい合う第1マスク111及び第2マスク121を準備する。また、第2フィルム供給機構124が、第1方向D1において第2フィルム124aに張力を加えることにより、積層体63が載せられた状態の第2フィルム124aを第1マスク111と第2マスク121との間に供給する。また、第1フィルム供給機構114が、第1方向D1において第1フィルム114aに張力を加えることにより、第1フィルム114aを第1マスク111と積層体63との間に供給する。
続いて、図13に示すように、フィルムを介して露光マスクを積層体63のレジスト層に押し付ける押し付け工程を実施する。具体的には、第1方向D1を有する第1フィルム114aのうち積層体63の第1レジスト層65aと第1マスク111との間に位置する第1介在領域114xを介して第1マスク111を第1レジスト層65aに押し付ける。第1介在領域114xは、基材64の第1面64aの法線方向に沿って見た場合に第1マスク111に重なっている。また、第1方向D1を有する第2フィルム124aのうち積層体63の第2レジスト層65bと第2マスク121との間に位置する第2介在領域124xを介して第2マスク121を第2レジスト層65bに押し付ける。第2介在領域124xは、基材64の第2面64bの法線方向に沿って見た場合に第2マスク121に重なっている。
押し付け工程は、例えば、移動機構132が、第1マスク111を支持する第1枠113a及び第1フィルム114aを支持する第3枠133aを、積層体63及び第2マスク121に向けて相対的に移動させることにより実現される。この際、第1マスク111又は第2マスク121に形成されているアライメントマークを利用して、第2マスク121に対する第1マスク111の相対的な位置の調整を実施してもよい。
押し付け工程は、第1方向D1において第1フィルム114aに張力を加えた状態で第1フィルム114aを第1マスク111に接触させる第1マスク接触工程を含んでいてもよい。第1マスク接触工程は、第1マスク減圧機構113を用いて第1フィルム114aと第1マスク111との間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含んでいてもよい。また、押し付け工程は、第1マスク111に接触している第1フィルム114aの第1介在領域114xを介して第1マスク111を第1レジスト層65aに押し付ける第1レジスト層接触工程を含んでいてもよい。第1レジスト層接触工程は、積層体減圧機構133を用いて第1フィルム114aと第1レジスト層65aとの間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含んでいてもよい。
また、押し付け工程は、第1方向D1において第2フィルム124aに張力を加えた状態で第2フィルム124aを第2マスク121に接触させる第2マスク接触工程を含んでいてもよい。第2マスク接触工程は、第2マスク減圧機構123を用いて第2フィルム124aと第2マスク121との間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含んでいてもよい。また、押し付け工程は、第2マスク121に接触している第2フィルム124aの第2介在領域124xを介して第2マスク121を第2レジスト層65bに押し付ける第2レジスト層接触工程を含んでいてもよい。第2レジスト層接触工程は、積層体減圧機構133を用いて第2フィルム124aと第2レジスト層65bとの間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含んでいてもよい。
続いて、図13に示すように、第1マスク111及び第1フィルム114aの第1介在領域114xを介して第1レジスト層65aに光L1を照射する第1露光工程を実施する。また、第2マスク121及び第2フィルム124aの第2介在領域124xを介して第2レジスト層65bに光L2を照射する第2露光工程を実施する。第1露光工程及び第2露光工程は、同時に実施されてもよく、別々に実施されてもよい。
続いて、図14に示すように、移動機構132を用いて、第1フィルム114aの第1介在領域114xを第1レジスト層65aから分離させる分離工程を実施する。また、第1方向D1において第1フィルム114aを、少なくとも第1方向D1における第1介在領域114xの寸法以上の距離にわたって搬送する第1搬送工程を実施する。これによって、第1フィルム114aのうち第1マスク111と重なる領域に、第1レジスト層65aの残留レジストが付着している可能性がある第1介在領域114xが存在しないようになる。また、第1方向D1において第2フィルム124aを、少なくとも第1方向D1における第2介在領域124xの寸法以上の距離にわたって搬送する第2搬送工程を実施する。これによって、第2フィルム124aのうち第2マスク121と重なる領域に、第2レジスト層65bの残留レジストが付着している可能性がある第2介在領域124xが存在しないようになる。
その後、上述の押し付け工程、第1露光工程、第2露光工程、分離工程、第1搬送工程、第2搬送工程を繰り返し実施する。これによって、複数の積層体63の第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bを順次露光することができる。
本実施の形態においては、露光処理の際、第1マスク111が第1フィルム114aを介して積層体63の第1レジスト層65aに押し付けられ、また、第2マスク121が第2フィルム124aを介して積層体63の第2レジスト層65bに押し付けられる。このため、露光の際、第1レジスト層65aに対する第1マスク111の位置、及び第2レジスト層65bに対する第2マスク121の位置を安定に定めることができる。これにより、露光の位置精度を高めることができる。
また、本実施の形態においては、第1マスク111と第1レジスト層65aとの間に第1フィルム114aを介在させることにより、第1レジスト層65aの一部が残留レジストとして第1マスク111に付着することを抑制することができる。これにより、その後の第1露光工程が残留レジストによって阻害されてしまうことを抑制することができる。同様に、第2マスク121と第2レジスト層65bとの間に第2フィルム124aを介在させることにより、その後の第2露光工程が残留レジストによって阻害されてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、他の実施形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が他の実施形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図15A乃至図17を参照して、露光装置72及び露光方法の一実施形態について説明する。図15Aは、露光装置72の一実施形態を示す図である。図16は、図15Aの露光装置72を用いて積層体63に光を照射する様子を示す図である。図17は、図16に示す工程の後、第1フィルム114a、第2フィルム124a及び積層体63を搬送する様子を示す図である。
上述の実施の形態においては、露光工程の際に積層体63の端が、第1方向D1において第1マスク111の端よりも内側に位置している例を示した。言い換えると、第1方向D1における積層体63の寸法が、露光装置72が1回の処理で処理可能な寸法以下の寸法を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図15Aに示すように、積層体63は、第1方向D1において、露光装置72が1回の処理で処理可能な寸法を超える寸法を有していてもよい。この場合、積層体準備工程は、第1方向D1において積層体63に張力を加えながら第1方向D1において積層体63をガイドロール135cに沿って搬送して積層体63を第1マスク111と第2マスク121との間に供給する工程を含む。
図15Bは、図15Aに示す第1マスク111、第1フィルム114a及び積層体63を、基材64の面方向の法線方向に沿って見た場合の一例を示す図である。第1方向D1において、積層体63は、第1マスク111の一対の端111aよりも外側にまで延びていてもよい。
図15Aに示す露光装置72を用いる場合も、上述の実施の形態の場合と同様に、第1フィルム供給機構114は、第1方向D1において第1フィルム114aに張力を加えることにより、第1フィルム114aを第1マスク111と積層体63の第1レジスト層65aとの間に供給する。また、第2フィルム供給機構124は、第1方向D1において第2フィルム124aに張力を加えることにより、第2フィルム124aを第2マスク121と積層体63の第2レジスト層65bとの間に供給する。
続いて、図16に示すように、フィルムを介して露光マスクを積層体63のレジスト層に押し付ける押し付け工程を実施する。具体的には、上述の実施の形態の場合と同様に、第1方向D1を有する第1フィルム114aのうち積層体63の第1レジスト層65aと第1マスク111との間に位置する第1介在領域114xを介して第1マスク111を第1レジスト層65aに押し付ける。また、第1方向D1を有する第2フィルム124aのうち積層体63の第2レジスト層65bと第2マスク121との間に位置する第2介在領域124xを介して第2マスク121を第2レジスト層65bに押し付ける。例えば、移動機構132が、第1マスク111を支持する第1枠113a及び第1フィルム114aを支持する第3枠133aを、積層体63及び第2マスク121に向けて相対的に移動させることにより、押し付け工程が実現される。押し付け工程は、上述の実施の形態の場合と同様に、第1マスク接触工程、第1レジスト層接触工程、第2マスク接触工程、第2レジスト層接触工程などを含んでいてもよい。
続いて、図16に示すように、第1マスク111及び第1フィルム114aの第1介在領域114xを介して第1レジスト層65aに光L1を照射する第1露光工程を実施する。また、第2マスク121及び第2フィルム124aの第2介在領域124xを介して第2レジスト層65bに光L2を照射する第2露光工程を実施する。
続いて、図17に示すように、移動機構132を用いて、第1フィルム114aを第1レジスト層65aから分離させる分離工程を実施する。これにより、図17に示すように、第2フィルム124aも第2レジスト層65bから分離する。また、第1方向D1において第1フィルム114aを、少なくとも第1方向D1における第1介在領域114xの寸法以上の距離にわたって搬送する第1搬送工程を実施する。また、第1方向D1において第2フィルム124aを、少なくとも第1方向D1における第2介在領域124xの寸法以上の距離にわたって搬送する第2搬送工程を実施する。また、第1方向D1において積層体63に張力を加えて、積層体63のうち1回の露光処理によって露光された領域を、第1マスク111と第2マスク121の間の位置よりも外側へ搬送する積層体搬送工程を実施する。
その後、上述の押し付け工程、第1露光工程、第2露光工程、分離工程、第1搬送工程、第2搬送工程、積層体搬送工程を繰り返し実施する。これによって、第1方向D1に沿って延びる積層体63の第1レジスト層65a及び第2レジスト層65bの各領域を第1方向D1に沿って順次露光することができる。
本実施形態においても、上述の実施の形態の場合と同様に、露光処理の際、第1マスク111が第1フィルム114aを介して積層体63の第1レジスト層65aに押し付けられ、また、第2マスク121が第2フィルム124aを介して積層体63の第2レジスト層65bに押し付けられる。このため、露光の際、第1レジスト層65aに対する第1マスク111の位置、及び第2レジスト層65bに対する第2マスク121の位置を安定に定めることができる。これにより、露光の位置精度を高めることができる。
また、本実施形態においても、第1マスク111と第1レジスト層65aとの間に第1フィルム114aを介在させることにより、第1レジスト層65aの一部が残留レジストとして第1マスク111に付着することを抑制することができる。これにより、その後の第1露光工程が残留レジストによって阻害されてしまうことを抑制することができる。同様に、第2マスク121と第2レジスト層65bとの間に第2フィルム124aを介在させることにより、その後の第2露光工程が残留レジストによって阻害されてしまうことを抑制することができる。
次に、図18乃至図20を参照して、露光装置72及び露光方法のその他の実施形態について説明する。図18は、露光装置72の一実施形態を示す図である。図19は、図18の露光装置72を用いて積層体63に光を照射する様子を示す図である。図20は、図19に示す工程の後、第1フィルム114aを搬送する様子を示す図である。
本実施形態においては、図18に示すように、基材64の第1面64aには第1レジスト層65aが設けられているが、基材64の第2面64bにはレジスト層が設けられていない。また、基材64及び第1レジスト層65aを含む積層体63は、1回の処理で処理可能な寸法以下の寸法を有している。
本実施形態においても、上述の実施の形態の場合と同様に、第1フィルム供給機構114は、第1方向D1において第1フィルム114aに張力を加えることにより、第1フィルム114aを第1マスク111と積層体63の第1レジスト層65aとの間に供給する。続いて、図19に示すように、第1方向D1を有する第1フィルム114aのうち積層体63の第1レジスト層65aと第1マスク111との間に位置する第1介在領域114xを介して、第1マスク111を第1レジスト層65aに押し付ける押し付け工程を実施する。例えば、移動機構132が、積層体63を支持する支持台131を第1フィルム114a及び第1マスク111に向けて相対的に移動させることにより、押し付け工程が実現される。押し付け工程は、上述の実施の形態の場合における第1マスク接触工程、第1レジスト層接触工程などを含んでいてもよい。
続いて、図19に示すように、第1マスク111及び第1フィルム114aの第1介在領域114xを介して第1レジスト層65aに光L1を照射する第1露光工程を実施する。
続いて、図20に示すように、移動機構132を用いて、第1フィルム114aを第1レジスト層65aから分離させる分離工程を実施する。また、第1方向D1において第1フィルム114aを、少なくとも第1方向D1における第1介在領域114xの寸法以上の距離にわたって搬送する第1搬送工程を実施する。
その後、上述の押し付け工程、第1露光工程、分離工程、第1搬送工程を繰り返し実施する。これによって、複数の積層体63の第1レジスト層65aを順次露光することができる。
本実施形態においても、上述の実施の形態の場合と同様に、露光処理の際、第1マスク111が第1フィルム114aを介して積層体63の第1レジスト層65aに押し付けられる。また、積層体63の基材64の第2面64b側は、支持台131によって支持されている。このため、露光の際、第1レジスト層65aに対する第1マスク111の位置を安定に定めることができる。これにより、露光の位置精度を高めることができる。
また、本実施形態においても、第1マスク111と第1レジスト層65aとの間に第1フィルム114aを介在させることにより、第1レジスト層65aの一部が残留レジストとして第1マスク111に付着することを抑制することができる。これにより、その後の第1露光工程が残留レジストによって阻害されてしまうことを抑制することができる。
次に、図21乃至図23を参照して、露光装置72及び露光方法のその他の実施形態について説明する。図21は、露光装置72の一実施形態を示す図である。図22は、図21の露光装置72を用いて積層体63に光を照射する様子を示す図である。図23は、図22に示す工程の後、第1フィルム114a及び積層体63を搬送する様子を示す図である。
本実施形態においては、図21に示すように、基材64の第1面64aには第1レジスト層65aが設けられているが、基材64の第2面64bにはレジスト層が設けられていない。また、基材64及び第1レジスト層65aを含む積層体63は、第1方向D1において、露光装置72が1回の処理で処理可能な寸法を超える寸法を有している。この場合、積層体準備工程は、第1方向D1において積層体63に張力を加えながら第1方向D1において積層体63をガイドロール135cに沿って搬送して積層体63を第1マスク111とダイアフラム134との間に供給する工程を含む。
本実施形態においても、上述の実施の形態の場合と同様に、第1フィルム供給機構114は、第1方向D1において第1フィルム114aに張力を加えることにより、第1フィルム114aを第1マスク111と積層体63の第1レジスト層65aとの間に供給する。続いて、図22に示すように、第1方向D1を有する第1フィルム114aのうち積層体63の第1レジスト層65aと第1マスク111との間に位置する第1介在領域114xを介して、第1マスク111を第1レジスト層65aに押し付ける押し付け工程を実施する。例えば、移動機構132が、ダイアフラム134及び積層体63を支持するガイドロール135cを第1フィルム114a及び第1マスク111に向けて相対的に移動させることにより、押し付け工程が実現される。押し付け工程は、上述の実施の形態の場合における第1マスク接触工程、第1レジスト層接触工程などを含んでいてもよい。
続いて、図22に示すように、第1マスク111及び第1フィルム114aの第1介在領域114xを介して第1レジスト層65aに光L1を照射する第1露光工程を実施する。
続いて、図23に示すように、移動機構132を用いて、第1フィルム114aを第1レジスト層65aから分離させる分離工程を実施する。また、第1方向D1において第1フィルム114aを、少なくとも第1方向D1における第1介在領域114xの寸法以上の距離にわたって搬送する第1搬送工程を実施する。また、第1方向D1において積層体63に張力を加えて、積層体63のうち1回の露光処理によって露光された領域を、第1マスク111とダイアフラム134の間の位置よりも外側へ搬送する積層体搬送工程を実施する。
その後、上述の押し付け工程、第1露光工程、分離工程、第1搬送工程、積層体搬送工程を繰り返し実施する。これによって、第1方向D1に沿って延びる積層体63の第1レジスト層65aの各領域を第1方向D1に沿って順次露光することができる。
本実施形態においても、上述の実施の形態の場合と同様に、露光処理の際、第1マスク111が第1フィルム114aを介して積層体63の第1レジスト層65aに押し付けられる。また、積層体63の基材64の第2面64b側は、ダイアフラム134によって支持されている。このため、露光の際、第1レジスト層65aに対する第1マスク111の位置を安定に定めることができる。これにより、露光の位置精度を高めることができる。
また、本実施形態においても、第1マスク111と第1レジスト層65aとの間に第1フィルム114aを介在させることにより、第1レジスト層65aの一部が残留レジストとして第1マスク111に付着することを抑制することができる。これにより、その後の第1露光工程が残留レジストによって阻害されてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した一実施形態に対するいくつかの他の実施形態を説明してきたが、当然に、複数の実施形態を適宜組み合わせて適用することも可能である。

Claims (19)

  1. 露光方法であって、
    第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面上にある第1レジスト層と、を含む積層体を準備する積層体準備工程と、
    第1方向を有する第1フィルムを介して第1マスクを前記積層体の前記第1レジスト層に押し付ける押し付け工程と、
    前記第1マスク及び前記第1フィルムを介して前記第1レジスト層に光を照射する第1露光工程と、
    前記第1フィルムを前記第1レジスト層から分離させる分離工程と、を備える、露光方法。
  2. 前記積層体準備工程は、レジストの材料を含む溶液を前記基材の前記第1面側に塗布する工程を備える、請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記分離工程の後、前記第1方向において前記第1フィルムを搬送する工程を備える、請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記押し付け工程は、前記第1方向において前記第1フィルムに張力を加えた状態で実施される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記押し付け工程は、前記第1フィルムを前記第1マスクに接触させる第1マスク接触工程と、前記第1マスクに接触している前記第1フィルムを介して第1露光マスクを前記第1レジスト層に押し付ける第1レジスト層接触工程と、を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 前記第1マスク接触工程は、前記第1フィルムと前記第1マスクとの間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含む、請求項5に記載の露光方法。
  7. 前記第1レジスト層接触工程は、前記第1フィルムと前記第1レジスト層との間の空間の圧力を大気圧以下にする工程を含む、請求項5又は6に記載の露光方法。
  8. 前記積層体は、前記基材の前記第2面上の第2レジスト層を含み、
    前記露光方法は、
    前記第1方向を有する第2フィルムを介して第2マスクを前記積層体の前記第2レジスト層に押し付ける工程と、
    前記第2マスク及び前記第2フィルムを介して前記第2レジスト層に光を照射する第2露光工程と、を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記積層体の端は、前記第1方向において、前記第1マスクの端よりも内側に位置する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記積層体準備工程は、前記第1方向において前記積層体に張力を加えながら前記第1方向において前記積層体を搬送する工程を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の露光方法。
  11. 前記第1レジスト層は、ポジ型の感光材を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の露光方法。
  12. 前記第1レジスト層は、ネガ型の感光材を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の露光方法。
  13. 複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造する方法であって、
    金属板からなる基材であって、前記基材の第1面に第1レジスト層がある前記基材を準備する工程と、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の露光方法で前記第1レジスト層を露光する露光工程と、
    露光された前記第1レジスト層を現像する工程と、
    前記基材のうち前記第1レジスト層によって覆われていない領域をエッチングする工程と、を備える、蒸着マスクの製造方法。
  14. 積層体に光を照射する露光装置であって、
    前記積層体は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、前記基材の前記第1面上にある第1レジスト層と、を少なくとも含み、
    前記露光装置は、
    前記積層体の前記第1レジスト層の少なくとも一部と重なる第1マスクと、
    第1フィルムを第1方向において搬送し、前記第1フィルムを前記積層体の前記第1レジスト層と前記第1マスクとの間に供給する第1フィルム供給機構と、
    前記第1フィルムを介して前記第1マスクが前記積層体の前記第1レジスト層に押し付けられ、その後、前記第1フィルムが前記第1レジスト層から分離するよう、前記積層体に対して前記第1マスクを相対的に移動させる移動機構と、
    前記第1マスク及び前記第1フィルムを介して前記第1レジスト層に光を照射する第1照射機構と、を備える、露光装置。
  15. 前記移動機構は、前記第1フィルム供給機構が前記第1方向において前記第1フィルムに張力を加えた状態で前記第1フィルムを介して前記第1マスクを前記積層体の前記第1レジスト層に押し付ける、請求項14に記載の露光装置。
  16. 前記移動機構は、前記第1フィルムを前記第1マスクに接触させた状態で、前記第1マスクに接触している前記第1フィルムを介して第1露光マスクを前記第1レジスト層に押し付ける、請求項14又は15に記載の露光装置。
  17. 前記第1フィルムと前記第1マスクとの間の空間の圧力を大気圧以下にする第1マスク減圧機構を含む、請求項14乃至16のいずれか一項に記載の露光装置。
  18. 前記第1フィルムと前記第1レジスト層との間の空間の圧力を大気圧以下にする積層体減圧機構を含む、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の露光装置。
  19. 前記積層体は、前記基材の前記第2面にある第2レジスト層を含み、
    前記露光装置は、
    前記積層体の前記第2レジスト層の少なくとも一部と重なる第2マスクと、
    第2フィルムを前記第1方向において搬送し、前記第2フィルムを前記積層体の前記第2レジスト層と前記第2マスクとの間に供給する第2フィルム供給機構と、
    前記第2マスク及び前記第2フィルムを介して前記第2レジスト層に光を照射する第2照射機構と、を有し、
    前記移動機構は、前記第2フィルムを介して前記第2マスクが前記積層体の前記第2レジスト層に押し付けられ、その後、前記第2フィルムが前記第2レジスト層から分離するよう、前記積層体に対して前記第2マスクを相対的に移動させる、請求項14乃至18のいずれか一項に記載の露光装置。
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