JP2021161305A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2021161305A
JP2021161305A JP2020065705A JP2020065705A JP2021161305A JP 2021161305 A JP2021161305 A JP 2021161305A JP 2020065705 A JP2020065705 A JP 2020065705A JP 2020065705 A JP2020065705 A JP 2020065705A JP 2021161305 A JP2021161305 A JP 2021161305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rubber
rubber composition
resin
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020065705A
Other languages
English (en)
Inventor
涼平 進藤
Ryohei SHINDO
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2020065705A priority Critical patent/JP2021161305A/ja
Publication of JP2021161305A publication Critical patent/JP2021161305A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】引張特性を良好に維持しながら、氷上性能を向上することを可能にしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤30質量部〜100質量部、樹脂からなり粗面化された表面を有する粗面粒子0.1質量部〜20質量部を配合する。【選択図】なし

Description

本発明は、主として冬用タイヤのトレッド部に使用されることを意図したタイヤ用ゴム組成物に関する。
氷雪路面を走行することが想定される冬用タイヤ(例えばスタッドレスタイヤ等)のトレッド部に使用されるゴム組成物においては、優れた氷上性能や雪上性能を得るために、様々な材料を配合することが検討されている。例えば、特許文献1は、良好な氷上性能を得るために、トレッド部を構成するゴム組成物に熱膨張性マイクロカプセルを配合することを提案している。このようなタイヤでは、熱膨張性マイクロカプセルによってゴム中に多数の気泡が形成されており、トレッドが氷面に踏み込むときにこれら気泡が氷表面の水膜を吸収除去するため、優れた氷上性能を得ることができる。但し、このように氷上性能の向上を目的として様々な材料を配合すると、他のタイヤ性能に影響を及ぼすことも懸念される。従って、氷上性能の向上を目的として追加で配合する材料においては、氷上性能以外の要求性能を考慮して適切な材料(氷上性能以外の要求性能への影響が少ない材料)を選択できるように、使用可能な材料の選択肢が多くなることが望ましい。そのため、従来用いられていない各種材料によって氷上性能を向上することも検討されている。
特開2019‐156951号公報
本発明の目的は、引張特性を良好に維持しながら、氷上性能を向上することを可能にしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤30質量部〜100質量部、樹脂からなり粗面化された表面を有する粗面粒子0.1質量部〜20質量部が配合されたことを特徴とする。
本発明の発明者は、タイヤ用ゴム組成物に優れた氷上性能を付与するための配合剤について鋭意研究した結果、樹脂からなり粗面化された表面を有する粗面粒子が、ロータス効果による疎水性(撥水性)を有することに着目し、この粗面粒子をタイヤ用ゴム組成物にすることで優れた氷上性能が得られることを知見した。本発明は、この知見に基づいて、タイヤ用ゴム組成物は上述の配合で構成し、特に上述の量の粗面粒子を配合しているので、他のタイヤ性能(引張特性)を損なうことなく、優れた氷上性能を発揮することができる。尚、「粗面化された」とは、電子顕微鏡を用いて5000倍の倍率で粒子表面を観察したときに、粗面である(平滑でなく凹凸が存在する)と確認できる状態を指す。
本発明においては、ジエン系ゴムが天然ゴムおよびポリブタジエンゴムを含み、ジエン系ゴム中に占めるポリブタジエンゴムの割合が30質量%以上であることが好ましい。このようなジエン系ゴムを用いることで、ゴム物性が良好になり、氷上性能を向上するには有利になる。
本発明においては、粗面粒子の粒子径が20μm以下であることが好ましい。このように微細な粒子を用いることで、他のタイヤ性能に影響を及ぼすことなく、上述の疎水性(撥水性)に基づく氷上性能を効果的に発揮することが可能になる。
本発明においては、粗面粒子が、樹脂成分と非重合性のシリコーン化合物とを含む樹脂ビーズであることが好ましい。このような樹脂ビーズは、樹脂成分と非重合性のシリコーン化合物との水親和力の違いから、樹脂粉体界面に不均化が生じて粒子表面が粗面化されやすい傾向があるので、上述の粗面粒子として好適に用いることができ、上述の疎水性(撥水性)に基づく氷上性能を向上するには有利になる。
上述の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤのトレッド部に好適に用いることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いたタイヤは、上述の優れた物性によって、氷上性能を向上することができる。尚、本発明のタイヤ用ゴム組成物を適用するタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましいが、非空気式タイヤであってもよい。空気入りタイヤの場合は、その内部に空気、窒素等の不活性ガスまたはその他の気体を充填することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムである。ジエン系ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物(特に、冬用のタイヤ用ゴム組成物)に一般的に用いられるゴムを使用することができる。本発明では、特に、ジエン系ゴムとして、天然ゴムおよびポリブタジエンゴムを含むことが好ましい。ジエン系ゴムが天然ゴムおよびポリブタジエンゴムを含む場合、ポリブタジエンゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量%中に好ましくは30質量%以上、より好ましくは30質量%〜70質量%である。また、天然ゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量%中に好ましくは30質量%以上、より好ましくは30質量%〜70質量%である。ポリブタジエンゴムの配合量が30質量%未満であると、低温時の柔軟性に悪影響を及ぼす虞がある。尚、本発明のゴム組成物として、天然ゴムおよびポリブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することもできる。他のジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられるゴムを使用することができる。これら他のジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30質量部〜100質量部、好ましくは35質量部〜90質量部配合する。このように適度な量のカーボンブラックや白色充填剤を配合することで、ゴム組成物のしなやかさを確保して氷上性能を良好にすることができる。カーボンブラックおよび/または白色充填剤の配合量が30質量部未満であると、ゴム組成物の機械的特性を十分に確保できず、基本的なタイヤ性能(例えば、硬度や耐摩耗性)が低下する虞がある。カーボンブラックおよび/または白色充填剤の配合量が100質量部を超えると、ゴム組成物のしなやかさが低下して良好な氷上性能を確保することが難しくなる。尚、カーボンブラックおよび白色充填剤を併用する場合、上述の配合量はこれら2種の合計量である。
カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、HMF、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAは、特に制限されるものではないが、好ましくは40m2 /g〜200m2 /g、より好ましくは50m2 /g〜150m2 /gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積を40m2 /g以上にすることにより、ゴム組成物の機械的特性および耐摩耗性を確保することができる。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積を200m2 /g以下にすることにより、氷上性能を良好にすることができる。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAは、JIS K6217‐2に準拠して測定するものとする。
白色充填剤として、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムを挙げることができる。これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。なかでもシリカが好ましく氷上性能をより優れたものにすることができる。
シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。シリカのCTAB吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくは80m2 /g〜260m2 /g、より好ましくは140m2 /g〜200m2 /gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積を80m2 /g以上にすることにより、ゴム組成物の耐摩耗性を確保することができる。またシリカのCTAB吸着比表面積を200m2 /g以下にすることにより、ウェット性能および低転がり抵抗性を良好にすることができる。本明細書において、シリカのCTAB比表面積は、ISO 5794により測定された値とする。
本発明においては、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を向上し、耐摩耗性および氷上性能のバランスをより高くすることができる。シランカップリング剤の種類は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカの重量に対し、好ましくは3質量%〜15質量%にすると良く、より好ましくは5質量%〜10質量%にすると良い。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の3質量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の15質量%を超えるとシランカップリング剤同士が縮合し、ゴム組成物における所望の硬度や強度を得ることができない。
本発明のゴム組成物には、ジエン系ゴム100質量部に対し、樹脂からなり粗面化された表面を有する粗面粒子が0.1質量部〜20質量部、好ましくは3質量部〜15質量部配合される。本発明の発明者は、タイヤ用ゴム組成物に優れた氷上性能を付与するための配合剤について鋭意研究した結果、このような粗面粒子が、ロータス効果による疎水性(撥水性)を有することに着目し、この粗面粒子をタイヤ用ゴム組成物にすることで、優れた氷上性能が得られることを知見した。本発明は、この知見に基づいており、上記のように粗面粒子を配合しているので、他のタイヤ性能(引張特性)を損なうことなく、優れた氷上性能を発揮することができる。粗面粒子の配合量が0.1質量部未満であると、粗面粒子が実質的に配合されないのと同等であるため、氷上性能を向上する効果が得られない。粗面粒子の配合量が20質量部を超えると、他のタイヤ性能(引張特性)が悪化する虞がある。
尚、粗面粒子とは、電子顕微鏡を用いて5000倍の倍率で粒子表面を観察したときに、粗面である(平滑でなく凹凸が存在する)と確認できるような粒子である。樹脂からなる粒子であっても、電子顕微鏡を用いて5000倍の倍率で粒子表面を観察したときに、凹凸が確認できない(即ち、表面が平滑である)ような粒子(以下、平滑粒子という)では、上述のロータス効果が得られないため、氷上性能を向上する効果は得られない。
粗面粒子は、タイヤ用ゴム組成物に配合したときに他のタイヤ性能に影響を及ぼさない微細な粒子であることが好ましく、体積平均粒子径は好ましくは20μm以下、より好ましくは3μm〜20μmである。このように微細な粒子を用いることで、他のタイヤ性能に影響を及ぼすことなく、上述の疎水性(撥水性)に基づく氷上性能を効果的に発揮することが可能になる。粗面粒子の体積平均粒子径が20μmを超えると、粒子が大きすぎるため所望の粗面粒子の製造が困難になる。尚、粗面粒子の体積平均粒子径は、コールターカウンター(ベックマン・コールター社製)で測定することができる。
粗面粒子としては、例えば、樹脂成分と非重合性のシリコーン化合物とを含む樹脂ビーズを用いることができる。このような樹脂ビーズは、樹脂成分と非重合性のシリコーン化合物との水親和力の違いから、樹脂粉体界面に不均化が生じて粒子表面が粗面化されやすい傾向があるので、上述の粗面粒子として好適に用いることができ、上述の疎水性(撥水性)に基づく氷上性能を向上するには有利になる。このような樹脂ビーズのなかでも、特に、共重合可能な官能基を有する単量体を複数含む単量体混合物に、少なくとも、非重合性のシリコーン化合物(但し、単量体を吸収するラジカル重合性不飽和結合を有さないオルガノポリシロキサン粒子を除く)を含む重合性溶液を、分散安定化剤を溶解した水相で懸濁重合してなり、且つ、上述のシリコーン化合物が内部に含有されてなるものが好ましい。このような樹脂ビーズは、共重合可能な官能基を有する単量体を複数含む単量体混合物を、非重合性のシリコーン化合物が存在している状態で懸濁重合してなるため、その内部に非重合性のシリコーン化合物が固定化されており、このことによる撥水性も見込めるため、氷上性能を向上するには有利になる。
上述の非重合性のシリコーン化合物としては、シリコーン重合体を好適に用いることができる。例えば、ポリエーテル変性系シリコーン、ポリエステル変性系シリコーン、アクリル変性系シリコーン、ポリエーテルエステル変性系シリコーン、ポリエーテルアルキル変性系シリコーン、ポリエーテルアクリル変性系シリコーン、ポリエステルアクリル変性系シリコーン、ポリグリセリン変性系シリコーン、ポリグリセリンアルキル変性系シリコーン、フェニル変性系シリコーン、アミノ変性系シリコーン、カルビノール変性系シリコーン、ポリアルコキシ変性系シリコーン、アミノポリエーテル変性系シリコーン、アミドアルキル変性系シリコーン、アミノグリコール変性系シリコーン、アミノフェニル変性系シリコーン、ポリエーテルシリコーンアルキル共変性系シリコーン、ポリグリセリンシリコーンアルキル共変性系シリコーン、アルキルシリコン共変性系シリコーンなどの、各種の有機基による変性シリコーンや、シリコーンアクリル共重合体、シリコーンエラストマー、トリメチルシロキシケイ酸系シリコーン(架橋構造を有するシリコーン油)、熱変性シリコーン、高分子系シリコーン等の重合体が挙げられる。これらの構造は直鎖でも分岐でも環状構造でもよく、また、高重合や架橋構造やグラフト重合されていてもよい。これらの非重合性のシリコーン化合物は、単独でまたは2種類以上使用してもよい。
上述の樹脂成分は特に限定されず、適応する公知の樹脂であればいずれも使用することができる。例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂や、紫外線硬化樹脂、天然物由来高分子、熱変性シリコーン高分子、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
また、上述の樹脂成分としては、上記に挙げた樹脂を形成するための共重合可能な官能基を有する単量体を複数選択し、これらを組み合わせて重合させたものも使用することができる。このような共重合可能な官能基を有する単量体(モノマー)として好適なものとしては、共重合可能な官能基を複数有する多官能性モノマーや架橋作用性モノマーが挙げられる。具体的には、公知のアクリル系またはメタクリル系のモノマー、なかでもメタクリル系のモノマーがより好適に使用できる。なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートまたはアクリレートを意味する。例えば、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸エステル類を好適に用いることができる。
上述の樹脂ビーズを構成する樹脂の形成成分としては、共重合可能な官能基を複数有する単量体を、使用する全単量体中に、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上含むように構成するとよい。このように樹脂ビーズを構成することで、懸濁重合によって形成した樹脂ビーズは、非重合性のシリコーン化合物を内部に固定化し、樹脂内での移動を妨げる適性がより向上したものとなるので、より均一で良好な撥水効果が得られ、且つ、この撥水効果をより安定に維持できる。
上述の共重合可能な官能基を複数有する単量体としては、下記に挙げるような、共重合可能な多官能性モノマーや架橋作用性モノマーが挙げられる。共重合可能な多官能性モノマーまたは架橋作用性モノマーは、共重合の能力がある二重結合を含む一般的な共重合性モノマーが用いられる。このような架橋に適したモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、などの(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族系の2官能(メタ)アクリレートや、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレートなどの脂環或いは芳香族系の2官能(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族系の2官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、更に、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレートなどの脂肪族系の2官能メタクリレートを用いることがより好ましい。
また、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能(メタ)アクリレート、及びこれらの誘導体等の(メタ)アクリレート類、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3[[(3−エチルオキセタン−3イル)メトキシ]メチル]オキセタン等のオキセタン類、この他、ウレタンジ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート変性類などが例示できる。
上述の単量体を重合してなる樹脂成分を有する樹脂ビーズは、非重合性のシリコーン化合物が、樹脂の形成成分である単量体混合物100質量部に対して好ましくは1.0質量部〜30質量部、より好ましくは1.0質量部〜25質量部、更に好ましくは1.0質量部〜20質量部配合されているとよい。シリコーン化合物の配合量が1.0質量部未満であると撥水効果または粗面化効果の発現が少なくなる虞がある。一方、シリコーン化合物の配合量が30質量部を超えても、使用量の増加に見合った顕著な効果が期待できない。
本発明に使用する粗面粒子としては、上述の条件を満たすものであれば、市販品を用いることもできる。また、上述の条件を満たすように調製した粗面粒子を使用することもできる。例えば、粗面粒子として上記のような樹脂ビーズを用いる場合、この樹脂ビーズは、共重合可能な官能基を有する単量体を複数含む単量体混合物、非重合性のシリコーン化合物、および重合開始剤を含む重合性溶液を、分散安定化剤を溶解した水相で懸濁重合させることで製造することができる。このように構成することで、樹脂からなり、粗面化した表面を有し、撥水性を示すという条件を満たす上述の粗面粒子(樹脂ビーズ)を安定して製造することができる。尚、本発明における「単量体混合物」とは、反応時に2以上の単量体が併存していることを意味しており、後述するように、必ずしも複数の単量体を予め混合した状態にすることを意味しない。本発明では、水相で懸濁重合させるための油相の重合性溶液を、例えば、下記のようにして調製し、これを用いて樹脂ビーズを得ることが好ましい。まず、予め、単量体混合物と、非重合性のシリコーン化合物と、重合開始剤と、必要に応じて有機溶剤を添加して混合して、油相となる重合性溶液を調製する。そして、このようにして調製した重合性溶液を、分散安定化剤を溶解した水相で懸濁重合させることで、非重合性のシリコーン化合物を内部に固定化して含有してなる本発明の樹脂ビーズを安定して容易に得ることができる。
上記において使用する重合開始剤としては、本発明の目的を達成し得るものであれば、公知のいずれのものを使用してもよい。例えば、過酸化物系では、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサエイト)などが挙げられ、アゾ化合物では、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソラク酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
上記において使用する有機溶剤としては、本発明の目的を達成し得るものであれば、公知のいずれのものを使用してもよい。例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤や、n−ブタノール等のアルコール類や、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤や、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤や、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶剤などが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の主旨を損なわない範囲で、樹脂ビーズを内部に空孔を有する多孔質構造にすることもできる。この際に用いる多孔質の樹脂ビーズの製造方法は、公知のいずれのものを使用してもよい。製造方法として有機溶剤を用いる場合において、公知のものを使用することもできる。この場合に好適な有機溶剤としては、上述の有機溶剤に加えて、例えば、n−ヘキサン、n−オクタン、n−ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素類を用いることもできる。これらは単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
上述の懸濁重合は、例えば、脱イオン水に、分散安定化剤(保護コロイド)を溶解した水媒体(水相)を調製し、このように調製した水媒体中に、上記した構成の重合性溶液を撹拌しながら混合して行うことができる。この際、必要に応じてホモジナイザー等の乳化装置を用いて重合性溶液の懸濁液滴径を調整するとよい。ホモジナイザー等は、その回転数を変えてせん断力を調整することにより、容易に重合性溶液の懸濁液滴径を調整でき、その結果、懸濁重合して得られる樹脂粒子の粒子径を適宜に調整することができる。
ホモジナイザー等の乳化装置により作成された懸濁液滴は、液滴調整中や重合装置への移送中や重合過程中に液滴の破壊や合一など不具合が発生しないように、分散安定化剤の種類、濃度を設定することが好ましい。本発明において好適に使用される分散安定化剤としては、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ハイドロキシアパタイト、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの無機塩類が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
上記のようにして得られた懸濁液は、例えば、温度60℃〜80℃の条件で、3時間〜10時間加熱して懸濁重合を行うことにより、上述の樹脂ビーズが得ることができる。更に、洗浄工程にて分散安定剤などを除去した後、脱イオン水等に解膠して分散し、再度洗浄工程にて溶解物を除去し、必要があれば洗浄を繰り返した後に乾燥し、凝集した状態で得られた粒子を解砕することで、粉状の樹脂ビーズを得ることもできる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫または架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。またこれら添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫または架橋するのに使用することができる。これら添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
上述の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤ(特に氷雪路面での走行が想定されるスタッドレスタイヤ等の冬用タイヤ)のトレッド部に好適に用いることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いた空気入りタイヤは、その優れた物性によって、氷上性能を従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に記載の組成からなる10種類のタイヤ用ゴム組成物(標準例1、比較例1〜4、実施例1〜5)を調製するにあたり、硫黄および加硫促進剤を除く成分を1.7Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、145℃に達したとき放出しマスターバッチとした。得られたマスターバッチに、硫黄および加硫促進剤を加えて70℃のオープンロールで混練することにより、10種類のタイヤ用ゴム組成物を得た。
得られたタイヤ用ゴム組成物について、下記に示す方法により、破断伸びと氷上性能の評価を行った。
破断伸び(EB)
得られたタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型(内寸:長さ150mm、幅150mm、厚さ2mm)を用いて170℃、10分間加硫し、加硫ゴム試験片を作成した。その加硫ゴム試験片を使用し、JIS K6251に準拠してダンベルJIS3号形試験片を作製し、室温(20℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、破断したときの引張り破断伸びを測定した。得られた結果は、標準例1の値を100とする指数として、表1の「破断伸び(EB)」の欄に示した。この指数値が大きいほど引張破断伸びが大きい(引張特性が良好である)ことを意味する。尚、指数値が「90」以上であれば、標準例1と同程度の良好な引張特性を維持している。
氷上性能
得られたタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型(内寸:長さ150mm、幅150mm、厚さ2mm)を用いて170℃、10分間加硫し、加硫ゴム試験片を作成した。その加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて、測定温度−3.0℃、荷重5.5kg/cm2 、ドラム回転速度25km/hの条件で氷上摩擦係数を測定した。得られた結果は、標準例1の値を100とする指数として、表1の「氷上性能」の欄に示した。この指数が大きいほど氷上摩擦力が大きく氷上性能に優れることを意味する。
Figure 2021161305
表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・CB:カーボンブラック、東海カーボン社製シーストKHA(窒素吸着比表面積N2 SA:75m2 /g)
・白色充填剤:シリカ、ローディア社製Zeosil 1165MP(CTAB比表面積:159m2 /g)
・シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・ステアリン酸:日油社製ステアリン酸YR
・老化防止剤:Solusia Europe社製サントフレックス6PPD
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ‐G
・樹脂粒子1:平滑粒子、大日精化工業社製230(SMD)クリアー(体積平均粒子径:2〜3μm)
・樹脂粒子2:平滑粒子、大日精化工業社製230(MD)クリアー(体積平均粒子径:8μm)
・樹脂粒子3:粗面粒子、大日精化工業社製KL501(2M)‐CL(体積平均粒子径:2μm)
・樹脂粒子4:粗面粒子、大日精化工業社製KL501‐CL(体積平均粒子径:8μm)
表1から明らかなように、実施例1〜5のタイヤ用ゴム組成物は、従来例1に対して、破断伸びEBを良好に維持しながら、氷上性能を向上した。一方、比較例1〜3は、表面が粗面化されていない平滑粒子(樹脂粒子1または樹脂粒子2)が配合されているため、氷上性能が悪化した。比較例4は、粗面粒子の配合量が多すぎるため、破断伸びを良好に維持することができなかった。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラックおよび/または白色充填剤30質量部〜100質量部、樹脂からなり粗面化された表面を有する粗面粒子0.1質量部〜20質量部が配合されたことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴムが天然ゴムおよびポリブタジエンゴムを含み、前記ジエン系ゴム中に占める前記ポリブタジエンゴムの割合が30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記粗面粒子の体積平均粒子径が20μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記粗面粒子が、樹脂成分と非重合性のシリコーン化合物とを含む樹脂ビーズであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とするタイヤ。
JP2020065705A 2020-04-01 2020-04-01 タイヤ用ゴム組成物 Pending JP2021161305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020065705A JP2021161305A (ja) 2020-04-01 2020-04-01 タイヤ用ゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020065705A JP2021161305A (ja) 2020-04-01 2020-04-01 タイヤ用ゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021161305A true JP2021161305A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78002614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020065705A Pending JP2021161305A (ja) 2020-04-01 2020-04-01 タイヤ用ゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021161305A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6189976B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
US8534333B2 (en) Pneumatic tire
US6114432A (en) Diene rubber composition
JP5434118B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造法
JP4746989B2 (ja) シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物及び成形体
JP6036052B2 (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ
JP2012158710A (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2006274051A (ja) ゴム組成物及びそれを用いたスタッドレスタイヤ
JP2012102288A (ja) スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物
JP4609321B2 (ja) シリカ含有ゴム組成物及びその製造方法
JP4425653B2 (ja) シリカ充填ゴム組成物および成形体
JP5259049B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いたスタッドレスタイヤ
JP5092344B2 (ja) シリカ含有ゴム組成物、その製造方法、及びその架橋成形体
JP6785679B2 (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物
JP2006527781A (ja) 強化充填剤を含むエラストマー組成物用のカップリング剤
JP2005097576A (ja) シリカ含有ゴム組成物の製造方法
JP7227753B2 (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP5499728B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5825506B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6768541B2 (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物
JP2021161305A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2015183104A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6180948B2 (ja) タイヤ用加硫ゴム組成物
JP2022080380A (ja) スタッドレスタイヤ用ゴム組成物
JP2011063705A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240409