JP2011063705A - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、タイヤ用ゴム組成物は、乾燥路面での走行性の向上、低発熱性や軽量化が要求されている。そのため、硬度やモジュラスを高めることを目的として、タイヤ用ゴム組成物におけるフィラーや硫黄の増量がしばしば行なわれているが、この場合は比重が高くなったり破断伸びや破断強度が低下するという問題点が生じる。本発明の課題は、公知技術よりも乾燥路面での走行性を向上させ、低発熱性およびさらなる軽量化も達成可能なタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することである。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物と、該タイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
【選択図】図1
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物と、該タイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、乾燥路面での走行性が向上し、低発熱性が得られ、かつ、さらなる軽量化も達成可能なタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、タイヤ用ゴム組成物は、乾燥路面での走行性の向上、低発熱性や軽量化が要求されている。そのため、硬度やモジュラスを高めることを目的として、タイヤ用ゴム組成物におけるフィラーや硫黄の増量がしばしば行なわれているが、この場合は比重が高くなったり破断伸びや破断強度が低下するという問題点が生じる。
下記特許文献1には、ジエン系ゴム100重量部に対して、表面に空孔を有し、平均粒子径が2〜50μmおよび吸油量が50〜500ml/100gである球状多孔質架橋体粒子を2〜100重量部含有するタイヤ用ゴム組成物であって、該球状多孔質架橋体粒子が重合性モノマーおよび架橋剤から重合して得られることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物が開示されている。しかしながら特許文献1に開示された技術では、当業界で要求されている乾燥路面での走行性、低発熱性および軽量化を十分に満足することができない。
下記特許文献2には、ジエン系ゴムに、粒子径が10〜200μmのポリアクリロニトリルを主成分とした樹脂粉末を配合したタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。しかしながら特許文献2に開示された技術の目的は氷上摩擦力の向上であって、乾燥路面での走行性、低発熱性および軽量化を達成するものではない。
下記特許文献3には、トルエン不溶分が50質量%以上であり、数平均粒子径が3〜1000nmである架橋ゴム粒子成分と、トルエン不溶分が20質量%未満の非架橋ゴム成分とを有するゴム組成物であって、上記架橋ゴム粒子成分が、例えば繰り返し単位として、共役ジエン単位と、α,β−不飽和ニトリル単位と、少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位とを備える重合体であるゴム組成物が開示されている。しかしながら特許文献3に開示された技術でも、当業界で要求されている乾燥路面での走行性、低発熱性および軽量化を十分に満足することができない。
下記特許文献2には、ジエン系ゴムに、粒子径が10〜200μmのポリアクリロニトリルを主成分とした樹脂粉末を配合したタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。しかしながら特許文献2に開示された技術の目的は氷上摩擦力の向上であって、乾燥路面での走行性、低発熱性および軽量化を達成するものではない。
下記特許文献3には、トルエン不溶分が50質量%以上であり、数平均粒子径が3〜1000nmである架橋ゴム粒子成分と、トルエン不溶分が20質量%未満の非架橋ゴム成分とを有するゴム組成物であって、上記架橋ゴム粒子成分が、例えば繰り返し単位として、共役ジエン単位と、α,β−不飽和ニトリル単位と、少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位とを備える重合体であるゴム組成物が開示されている。しかしながら特許文献3に開示された技術でも、当業界で要求されている乾燥路面での走行性、低発熱性および軽量化を十分に満足することができない。
したがって本発明の目的は、公知技術よりも乾燥路面での走行性を向上させ、低発熱性およびさらなる軽量化も達成可能なタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに特定粒径を有する架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.ジエン系ゴム100質量部に対し、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合し、さらにシリカおよび/またはカーボンブラックを1〜100質量部配合してなることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.ジエン系ゴム100質量部に対し、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合し、さらにシリカおよび/またはカーボンブラックを1〜100質量部配合してなることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに特定粒径を有する架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を特定量配合することにより、公知技術よりも乾燥路面での走行性が向上し、低発熱性が得られ、かつ、さらなる軽量化も達成されたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、乗用車用の空気入りタイヤの一例の部分断面図である。
図1において、空気入りタイヤは左右一対のビード部1およびサイドウォール2と、両サイドウォール2に連なるトレッド3からなり、ビード部1、1間に繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。また、トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
以下に説明する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記のようなタイヤ用の各種部材に有用であり、とくにトレッド3に有用である。
図1において、空気入りタイヤは左右一対のビード部1およびサイドウォール2と、両サイドウォール2に連なるトレッド3からなり、ビード部1、1間に繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。また、トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
以下に説明する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記のようなタイヤ用の各種部材に有用であり、とくにトレッド3に有用である。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴム成分は、タイヤ用ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBR、NRが好ましい。
本発明で使用されるジエン系ゴム成分は、タイヤ用ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBR、NRが好ましい。
(架橋アクリロニトリルポリマー微粒子)
本発明で使用される架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはこれらの誘導体と、少なくとも2個の重合性不飽和基を分子内に有する単量体(架橋性モノマー)とを共重合することにより調製することができる。
本発明では効果の点からアクリロニトリルを用いるのが好ましい。
また、架橋性モノマーとしては、とくに制限されないが、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等が挙げられる。これらの単量体2種以上を併用してもよい。架橋性モノマーの使用量は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子中、例えば0.01〜10質量%であり、ポリマー中の架橋度が例えば60〜80%の範囲になるように使用するのが好ましい。
架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、例えば公知の乳化重合法、懸濁重合法等を適宜採用して調製することができる。
本発明で使用される架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはこれらの誘導体と、少なくとも2個の重合性不飽和基を分子内に有する単量体(架橋性モノマー)とを共重合することにより調製することができる。
本発明では効果の点からアクリロニトリルを用いるのが好ましい。
また、架橋性モノマーとしては、とくに制限されないが、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等が挙げられる。これらの単量体2種以上を併用してもよい。架橋性モノマーの使用量は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子中、例えば0.01〜10質量%であり、ポリマー中の架橋度が例えば60〜80%の範囲になるように使用するのが好ましい。
架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、例えば公知の乳化重合法、懸濁重合法等を適宜採用して調製することができる。
本発明で使用される架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の平均粒径は、200nm以下であることが必要である。平均粒径が200nmを超えると乾燥路面での走行性、低発熱性および軽量化が共に悪化する。本発明において、好ましい上記平均粒径は10nm〜200nmであり、さらに好ましくは50nm〜200nm、とくに好ましくは100nm〜180nmである。なお、本発明でいう平均粒径とは、粒度分布測定したときの最頻粒子径を意味する。
本発明で使用される架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、市販されているものも利用することができ、例えば積水化学工業(株)製、商品名アドバンセルNSが挙げられる。
本発明で使用される架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、市販されているものも利用することができ、例えば積水化学工業(株)製、商品名アドバンセルNSが挙げられる。
なお、本発明で使用される架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、理由は定かではないが、繰り返し単位中に共役ジエン単位を有すると、本発明で所望の効果を奏することができない。したがって、本発明における架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、繰り返し単位中に共役ジエン単位を含まないものとする。
(充填剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。中でもカーボンブラック、シリカが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)(JIS K6217−2に準拠して測定)は、好ましくは25〜150m2/g、更に好ましくは50〜150m2/gである。シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は、好ましくは100〜250m2/g、更に好ましくは120〜220m2/gである。
充填剤としてカーボンブラックおよび/またはシリカを使用する場合、これらの配合割合は例えばジエン系ゴム100質量部に対し、1〜100質量部であるのが好ましく、20〜80質量部がさらに好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。中でもカーボンブラック、シリカが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)(JIS K6217−2に準拠して測定)は、好ましくは25〜150m2/g、更に好ましくは50〜150m2/gである。シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は、好ましくは100〜250m2/g、更に好ましくは120〜220m2/gである。
充填剤としてカーボンブラックおよび/またはシリカを使用する場合、これらの配合割合は例えばジエン系ゴム100質量部に対し、1〜100質量部であるのが好ましく、20〜80質量部がさらに好ましい。
(タイヤ用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなる。
架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の配合割合が1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を達成することができない。逆に80質量部を超えると、破断強度が低下するため好ましくない。
さらに好ましい架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し5〜30質量部である。
また、充填剤としてカーボンブラックおよび/またはシリカを上記割合で使用する場合も、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、ジエン系ゴム100質量部に対し1〜80質量部配合するのが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなる。
架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の配合割合が1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を達成することができない。逆に80質量部を超えると、破断強度が低下するため好ましくない。
さらに好ましい架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し5〜30質量部である。
また、充填剤としてカーボンブラックおよび/またはシリカを上記割合で使用する場合も、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子は、ジエン系ゴム100質量部に対し1〜80質量部配合するのが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、加硫助剤、加工助剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のタイヤ用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜4および比較例1〜7
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫系を加えてロールミルで混練し、タイヤ用ゴム組成物を得た。次に得られたタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴム試験片について以下に示す試験法で物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫系を加えてロールミルで混練し、タイヤ用ゴム組成物を得た。次に得られたタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴム試験片について以下に示す試験法で物性を測定した。
比重:JIS K 6268に準拠して測定した。この値が小さいほどタイヤ軽量化の観点から好ましい。
硬度:JIS K 6253に準拠して0℃、20℃および60℃でタイプAデュロメータ硬度(HS)を測定した。
破断伸び:JIS K6251に準拠して、3号ダンベルにより室温環境下で測定した。比較例1の値を100として、指数表示した。指数が大きいほど破断伸びに優れることを示す。
破断強度: JIS K6251に準拠して、3号ダンベルを用いて、破断時引張強さ(TB)を測定した。比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど破断強度が大きいことを示す。
発熱性:JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。比較例1を100として、指数が大きいほど低発熱性に優れることを示す。
結果を表1に併せて示す。
硬度:JIS K 6253に準拠して0℃、20℃および60℃でタイプAデュロメータ硬度(HS)を測定した。
破断伸び:JIS K6251に準拠して、3号ダンベルにより室温環境下で測定した。比較例1の値を100として、指数表示した。指数が大きいほど破断伸びに優れることを示す。
破断強度: JIS K6251に準拠して、3号ダンベルを用いて、破断時引張強さ(TB)を測定した。比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど破断強度が大きいことを示す。
発熱性:JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。比較例1を100として、指数が大きいほど低発熱性に優れることを示す。
結果を表1に併せて示す。
*1:SBR(日本ゼオン(株)製、Nipol 1502)
*2:NR(RSS#3)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH)
*4:シリカ(UNITED SILICA INDUSTRIAL製、ULTRASIL VN-3G)
*5:微粒子1(積水化学工業(株)製、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子、商品名アドバンセルNS、平均粒径150nm、架橋度約70%)
*6:亜鉛華(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製、ビーズステアリン酸NY)
*8:老化防止剤(フレキシス製、サントフレックス6PPD)
*9:シランカップリング剤(エボニックデグッサジャパン製、Si69)
*10:オイル(昭和シェル石油(株)製、エキストラクト4号)
*11:硫黄(細井化学工業(株)製、油処理硫黄)
*12:加硫促進剤(CZ)(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーCZ)
*13:加硫促進剤(DPG)(住友化学(株)製、ソクシノールDG)
*14:微粒子2(平均粒径300μmの架橋アクリロニトリルポリマー微粒子。架橋度約70%)
*15:微粒子3(平均粒径180nmの架橋アクリロニトリルポリマー微粒子。但し共役ジエンモノマーとしてブタジエンを20質量%共重合させている。架橋度約60%)
*2:NR(RSS#3)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH)
*4:シリカ(UNITED SILICA INDUSTRIAL製、ULTRASIL VN-3G)
*5:微粒子1(積水化学工業(株)製、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子、商品名アドバンセルNS、平均粒径150nm、架橋度約70%)
*6:亜鉛華(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製、ビーズステアリン酸NY)
*8:老化防止剤(フレキシス製、サントフレックス6PPD)
*9:シランカップリング剤(エボニックデグッサジャパン製、Si69)
*10:オイル(昭和シェル石油(株)製、エキストラクト4号)
*11:硫黄(細井化学工業(株)製、油処理硫黄)
*12:加硫促進剤(CZ)(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーCZ)
*13:加硫促進剤(DPG)(住友化学(株)製、ソクシノールDG)
*14:微粒子2(平均粒径300μmの架橋アクリロニトリルポリマー微粒子。架橋度約70%)
*15:微粒子3(平均粒径180nmの架橋アクリロニトリルポリマー微粒子。但し共役ジエンモノマーとしてブタジエンを20質量%共重合させている。架橋度約60%)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜4で調製されたタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムに特定粒径を有する架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を特定量配合しているので、比較例に対し、比重が低く、破断伸びおよび破断強度に優れ、しかも低発熱性を示している。また硬度も同等である。
これに対し、比較例1〜3は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を配合していないので、比重が高くなり、破断伸び、破断強度が低く、低発熱性も達成されない。
比較例4は、NRを使用した系であるが、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を配合していないので、破断伸び、破断強度が低く、低発熱性も達成されない。
比較例5は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の平均粒径が300μmと大きいので、破断伸び、破断強度が低く、低発熱性も達成されない。
比較例6は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断強度が悪化した。
比較例7は、共役ジエンモノマーを共重合した架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を使用しているので、硬度が悪化した。
これに対し、比較例1〜3は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を配合していないので、比重が高くなり、破断伸び、破断強度が低く、低発熱性も達成されない。
比較例4は、NRを使用した系であるが、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を配合していないので、破断伸び、破断強度が低く、低発熱性も達成されない。
比較例5は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の平均粒径が300μmと大きいので、破断伸び、破断強度が低く、低発熱性も達成されない。
比較例6は、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断強度が悪化した。
比較例7は、共役ジエンモノマーを共重合した架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を使用しているので、硬度が悪化した。
1 ビード部
2 サイドウォール
3 トレッド
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
2 サイドウォール
3 トレッド
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
Claims (3)
- ジエン系ゴム100質量部に対し、平均粒径が200nm以下の架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
- ジエン系ゴム100質量部に対し、架橋アクリロニトリルポリマー微粒子を1〜80質量部配合し、さらにシリカおよび/またはカーボンブラックを1〜100質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018188588A (ja) * | 2017-05-10 | 2018-11-29 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2020143199A (ja) * | 2019-03-05 | 2020-09-10 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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2009
- 2009-09-17 JP JP2009215190A patent/JP2011063705A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018188588A (ja) * | 2017-05-10 | 2018-11-29 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
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JP7222273B2 (ja) | 2019-03-05 | 2023-02-15 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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