JP2021155699A - 研磨用組成物、その製造方法、研磨方法および半導体基板の製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、その製造方法、研磨方法および半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、窒化ケイ素の研磨抑制効果を向上させうる手段を提供する。【解決手段】本発明は、カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを含む、研磨用組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物、その製造方法、研磨方法および半導体基板の製造方法に関する。
近年、半導体基板表面の多層配線化に伴い、デバイスを製造する際に、半導体基板を研磨して平坦化する、いわゆる、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)技術が利用されている。CMPは、シリカやアルミナ、セリア等の砥粒、防食剤、界面活性剤などを含む研磨用組成物(スラリー)を用いて、半導体基板等の研磨対象物(被研磨物)の表面を平坦化する方法である。この際、研磨対象物(被研磨物)は、シリコン、ポリシリコン、シリコン酸化物(酸化ケイ素)、シリコン窒化物(窒化ケイ素)や、窒化チタン、チタン、窒化タンタルまたはタンタル等を含む膜、銅やタングステンなどの金属等からなる配線、プラグなどである。
CMP技術において、窒化ケイ素はストッパー膜(エッチングマスク)として使用されており、この際、窒化ケイ素の研磨速度に対する窒化ケイ素以外の材料(以下、本明細書において、単に「他の材料」とも称する)の研磨速度の比(窒化ケイ素に対する他の材料の選択比)は大きい方が好ましい。窒化ケイ素をストッパー膜として使用した研磨対象物の研磨に関しては、特許文献1に、シリカと、アミノホスホン酸と、多糖と、テトラアルキルアンモニウム塩と、重炭酸塩と、アゾ−ル環を含む化合物と、任意成分である水酸化カリウムと、水とからなり、pH=7〜11である化学機械研磨用組成物が開示されている。そして、特許文献1には、当該化学機械研磨用組成物を用いて高い研磨圧力で研磨した際に、ストッパー膜である窒化ケイ素に対するポリシリコンの選択比および絶縁膜である酸化ケイ素に対するポリシリコンの選択比が向上することが開示されている。
特表2014−505358号公報
しかしながら、特許文献1の化学機械研磨用組成物では、窒化ケイ素の研磨抑制効果が不十分であることから、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比も不十分となるという問題がある。また、ロス分を考慮して窒化ケイ素膜の膜厚を増加させる等の対応が必要となるという問題がある。
そこで本発明は、窒化ケイ素の研磨抑制効果を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明の上記課題を解決するための一形態を以下に示す:
カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを含む、研磨用組成物。
本発明によれば、窒化ケイ素の研磨抑制効果を向上させうる手段が提供される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下の範囲)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で測定する。
<研磨用組成物>
本発明の一形態は、カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを含む、研磨用組成物に関する。
上記課題が解決されうるメカニズムを本発明者は以下のように推測している。
有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物は、アニオン性官能基である有機酸基またはその塩の基を起点として、静電的引力によって正の電荷を有する窒化ケイ素膜(窒化ケイ素面)に吸着する。この際、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物は、その嵩高い環構造によって砥粒と窒化ケイ素膜との衝突を抑制することで、窒化ケイ素膜を砥粒から強力に保護する。これにより、砥粒の窒化ケイ素膜のかきとり作用が弱まる。また、カチオン変性シリカ粒子は正の電荷を有し、窒化ケイ素膜も正の電荷を有するため、これらの間で静電的な反発が働き、砥粒の窒化ケイ素膜のかきとり作用およびかきとり頻度が弱まる。そして、カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物とが組み合わされることで、両者の機能が相乗的に向上して、砥粒の窒化ケイ素膜の研磨抑制効果が飛躍的に向上する。
なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、研磨用組成物に含まれうる各成分や、研磨対象物等について説明する。
(SiN研磨抑制剤)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、窒化ケイ素の研磨を抑制する化合物(本明細書において、「SiN研磨抑制剤」とも称する)を含む。SiN研磨抑制剤は、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物である。SiN研磨抑制剤は、前述のように、窒化ケイ素の研磨を抑制するよう作用する。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物の研磨に際しては、この窒化ケイ素の研磨抑制効果から、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比を向上させるよう作用する。
なお、SiN研磨抑制剤が窒化ケイ素膜に吸着することは、TOF−SIMS分析により確認することができる。
本明細書において、非芳香族架橋環状化合物とは、分子内に芳香環を有さず、かつ、1つの単環構造が有する2つ以上の置換基の直鎖構造部分の両端が結合した構造を有する化合物のうち、1辺を共有する構造(すなわち縮合環化合物)を除外した、架橋化合物を表す。非芳香族架橋環状化合物としては、特に制限されないが、例えば、カンファー、アダマンタン、およびこれらの分子構造中の環を形成する炭化水素基が他の原子または官能基に置換されてなる誘導体等が挙げられる。
有機酸基またはその塩の基は、特に制限されないが、好ましい例として、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、スルホ基、スルホ基の塩の基、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩の基、リン酸基、およびリン酸基の塩の基等が挙げられる。すなわち、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物は、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、スルホ基、スルホ基の塩の基、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩の基、リン酸基、およびリン酸基の塩の基からなる群より選択される少なくとも1つを有することが好ましい。また、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物は、これらの中でも、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、スルホ基、またはスルホ基の塩の基を有することがより好ましく、カルボキシ基またはスルホ基を有することがさらに好ましく、スルホ基を有することが特に好ましい。これらの基によれば、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。
有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物としては、特に制限されないが、窒化ケイ素の研磨抑制効果をより向上するとの観点、および他の材料に対する研磨速度が高いとの観点から、下記一般式1で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021155699
上記一般式1において、
は、CR’、C=OまたはOであり、
は、CR’、C=OまたはOであり、
は、CR’、C=OまたはOであり、
は、CR’、C=OまたはOであり、
、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換されたもしくは非置換の炭化水素基(例えば、置換されたもしくは非置換のアルキル基、置換されたもしくは非置換のアルケニル基または置換されたもしくは非置換のアルキニル基)、置換されたもしくは非置換のアルコキシ基、置換されたもしくは非置換のポリオキシアルキレン基、または有機酸基もしくはその塩の基であり、
、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの少なくとも1つが置換された基である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換の炭化水素基(例えば、非置換のアルキル基、非置換のアルケニル基または非置換のアルキニル基)、非置換のアルコキシ基、非置換のポリオキシアルキレン基、または有機酸基もしくはその塩の基であり、
、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、有機酸基またはその塩の基を含む。
上記一般式1において、Z、Z、ZおよびZの少なくとも1つがC=Oであることが好ましく、ZおよびZの少なくとも1つがC=Oであることがより好ましく、ZおよびZのいずれか一方がC=Oであることがさらに好ましく、ZがC=Oであることが特に好ましい。この際、Z、Z、ZおよびZのC=Oではない基は、CRR’(以下、Rは、Z〜Zに対応してそれぞれR〜Rを表し、R’はZ〜Zに対応してそれぞれR’〜R’を表すものとする)またはOであることが好ましく、CRR’であることがより好ましい。
上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおいて、ハロゲン原子は、特に制限されないが、例えば、F、Cl、BrおよびI等が挙げられる。
上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおいて、炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基が挙げられる。これらの中でも、アルキル基が好ましい。
アルキル基は、直鎖、分岐状または環状のいずれであってもよい。アルキル基としては、特に制限されないが、例えば、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜5の直鎖または分岐状のアルキル基が好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
アルケニル基は、直鎖、分岐状または環状のいずれであってもよい。アルケニル基としては、特に制限されないが、例えば、ビニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−プロペニル基等が挙げられる。
アルキニル基は、直鎖、分岐状または環状のいずれであってもよい。アルキニル基としては、特に制限されないが、例えば、2−ブチニル基、3−ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、デシニル基等が挙げられる。
上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおいて、アルコキシ基は、特に制限されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、t−ペントキシ基、2−メチルブトキシ基等が挙げられる。
上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおいて、ポリオキシアルキレン基は、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とのブロック状ポリオキシアルキレン基、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とのランダム状ポリオキシアルキレン基、ポリオキシエチレン基とポリオキシブチレン基とのブロック状ポリオキシアルキレン基、ポリオキシエチレン基とポリオキシブチレン基とのランダム状ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおいて、有機酸基またはその塩の基は、特に制限されないが、前述のように、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、またはスルホ基、スルホ基の塩の基、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩の基、リン酸基、およびリン酸基の塩の基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、スルホ基、またはスルホ基の塩の基であることがより好ましく、カルボキシ基またはスルホ基であることがさらに好ましく、スルホ基であることが特に好ましい。
上記一般式1において、R、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの少なくとも1つが置換された基である場合、置換基としてのハロゲン原子、炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基)、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、有機酸基またはその塩の基は、それぞれ、上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおけるこれらの基について説明したものと同様である。
上記一般式1において、R、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの少なくとも1つが置換された炭化水素基(例えば、置換されたアルキル基、置換されたアルケニル基、置換されたアルキニル基)である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換のアルコキシ基、非置換のポリオキシアルキレン基、または有機酸基もしくはその塩の基であることが好ましい。また、上記一般式1において、R、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの少なくとも1つが置換されたアルコキシ基、または置換されたポリオキシアルキレン基である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換のアルケニル基、非置換のアルキニル基、非置換のアルコキシ基、非置換のポリオキシアルキレン基、または有機酸基もしくはその塩の基であることが好ましい。
上記一般式1において、R、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの少なくとも1つが有機酸基もしくはその塩の基、または有機酸基もしくはその塩の基で置換されたアルキル基であることが好ましい。これらの中でも、R、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRの1つのみが有機酸基もしくはその塩の基、または有機酸基もしくはその塩の基で置換されたアルキル基であることがより好ましい。この際、有機酸基もしくはその塩の基、または有機酸基もしくはその塩の基で置換されたアルキル基としては、カルボキシ基もしくはその塩の基、スルホ基もしくはその塩の基、カルボキシ基もしくはその塩の基で置換されたメチル基、またはスルホ基もしくはその塩の基で置換されたメチル基であることがさらに好ましく、カルボキシ基であるか、またはスルホ基で置換されたメチル基であることが特に好ましく、スルホ基で置換されたメチル基であることが最も好ましい。これらの基によれば、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。
上記一般式1において、R、R’R、R’、R、R’、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素原子であることが特に好ましい。
上記一般式1において、Rは、水素原子、または置換されたもしくは非置換のアルキル基であることが好ましく、置換されたまたは非置換のアルキル基であることがより好ましく、置換されたアルキル基であることがさらに好ましく、有機酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基であることが特に好ましい。この際、有機酸基またはその塩の基で置換されたアルキル基としては、スルホ基またはその塩の基で置換されたメチル基であることが好ましく、スルホ基で置換されたメチル基であることが特に好ましい。
上記一般式1において、Rは、水素原子、または有機酸基もしくはその塩の基であることが好ましく、水素原子、またはカルボキシ基もしくはその塩の基であることがより好ましく、水素原子、またはカルボキシ基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
上記一般式1において、RおよびRは、それぞれ独立して、置換されたまたは非置換のアルキル基であることが好ましく、非置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
SiN研磨抑制剤の好ましい具体例としては、(+)−10−カンファースルホン酸、カンファン酸およびケトピニン酸等が挙げられる。これらの中でも、(+)−10−カンファースルホン酸、またはカンファン酸が好ましく、(+)−10−カンファースルホン酸がより好ましい。
なお、SiN研磨抑制剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、SiN研磨抑制剤は、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。
SiN研磨抑制剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがさらに好ましく、0.15質量%以上であることが特に好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。また、SiN研磨抑制剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。この範囲であると、SiN研磨抑制剤の効果がより高くなる。この理由は、電気伝導度が過剰に高くなることがなく、砥粒および窒化ケイ素の電気二重層が過度に圧縮されることもないため、砥粒と、窒化ケイ素との間の静電反発がより良好に維持されるからであると推定される。また、この範囲であると、スラリーのより良好な分散安定性も担保される。
または、SiN研磨抑制剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、所望の研磨用組成物のpH値となるような量を適宜選択してもよい。この際、後述する研磨用組成物の好ましいpH値となるような量を添加することが好ましい。なお、かような添加量(濃度)を採用する場合は、特に限定されないが、後述するpH調整剤を併用しない場合に採用されることが特に好ましい。
(砥粒)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、砥粒としてカチオン変性シリカ粒子を含む。砥粒は、一般的には、研磨対象物を機械的に研磨することで、研磨速度を向上させるよう作用するが、カチオン変性シリカ粒子では、前述のように、窒化ケイ素に対しての研磨は抑制される。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物の研磨に際しては、砥粒は他の材料の研磨速度を向上させ、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比を向上させるよう作用する。
カチオン変性シリカ粒子の原料となるシリカ粒子の種類としては、特に制限されず、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられるが、好ましくはコロイダルシリカである。コロイダルシリカの製造方法としては、例えば、ケイ酸ソーダ法、ゾルゲル法が挙げられる。いずれの製造方法で製造されたコロイダルシリカであっても、好適に用いられる。しかしながら、金属不純物低減の観点から、ゾルゲル法により製造されたコロイダルシリカが好ましい。ゾルゲル法によって製造されたコロイダルシリカは、半導体中で拡散する性質を有する金属不純物や塩化物イオン等の腐食性イオンの含有量が少ないからである。ゾルゲル法によるコロイダルシリカの製造は、従来公知の手法を用いて行うことができる。具体的には、加水分解可能なケイ素化合物(例えば、アルコキシシランまたはその誘導体)を原料とし、加水分解・縮合反応を行うことにより、コロイダルシリカを得ることができる。
カチオン変性シリカ粒子としては、公知のものを適宜選択して使用することができる。また、公知の製造方法から適宜選択した方法でカチオン変性シリカ粒子を製造し、当該カチオン変性シリカ粒子を使用することができる。
カチオン変性シリカ粒子としては、カチオン変性コロイダルシリカであることが好ましい。そして、カチオン性基を有するコロイダルシリカ(カチオン変性コロイダルシリカ)としては、アミノ基が表面に固定化されたコロイダルシリカが好ましく挙げられる。このようなカチオン性基を有するコロイダルシリカの製造方法としては、特開2005−162533号公報に記載されているような、アミノエチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルジメチルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤をシリカ粒子の表面に固定化する方法が挙げられる。これにより、アミノ基が表面に固定化されたコロイダルシリカ(アミノ基修飾コロイダルシリカ)を得ることができる。これらのカチオン変性コロイダルシリカによれば、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。
カチオン変性シリカ粒子の形状は、特に制限されず、球形状であってもよいし、非球形状であってもよい。非球形状の具体例としては、三角柱や四角柱等の多角柱状、円柱状、円柱の中央部が端部よりも膨らんだ俵状、円盤の中央部が貫通しているドーナツ状、板状、中央部にくびれを有するいわゆる繭型形状、複数の粒子が一体化しているいわゆる会合型球形状、表面に複数の突起を有するいわゆる金平糖形状、ラグビーボール形状等、種々の形状が挙げられ、特に制限されない。これらの中でも、他の材料として酸化ケイ素をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、酸化ケイ素研磨速度抑制の観点から、繭型形状が好ましい。
カチオン変性シリカ粒子の平均一次粒子径は、特に制限されないが、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましく、25nm以上であることが特に好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。また、カチオン変性シリカ粒子の平均一次粒子径は、特に制限されないが、120nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。なお、カチオン変性シリカ粒子の平均一次粒子径の値は、BET法で測定されるカチオン変性シリカ粒子の比表面積(BET比表面積)に基づいて、カチオン変性シリカ粒子の形状が真球であると仮定して算出することができる。より詳細には、カチオン変性シリカ粒子の平均一次粒子径は、マイクロメリティックス社製の“Flow Sorb II 2300”を用いて測定されたBET法によるカチオン変性シリカ粒子の比表面積と、カチオン変性シリカ粒子の密度とから算出することができる。
カチオン変性シリカ粒子の平均二次粒子径は、特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることがさらに好ましく、50nm以上であることが特に好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。また、カチオン変性シリカ粒子の平均二次粒子径は、特に制限されないが、250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。なお、カチオン変性シリカ粒子の平均二次粒子径の値は、例えば、日機装株式会社製 動的光散乱式粒子径・粒度分布装置 UPA−UTI151を用いて、レーザー回折散乱法に代表される動的光散乱法により算出することができる。
カチオン変性シリカ粒子の会合度は、特に制限されないが、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、カチオン変性シリカ粒子の会合度は、1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。なお、カチオン変性シリカ粒子の会合度は、カチオン変性シリカ粒子の平均二次粒子径の値を平均一次粒子径の値で除することにより得られる。
カチオン変性シリカ粒子の単位表面積あたりのシラノール基数(以下、「シラノール基密度」とも称する)は、特に制限されないが、0個/nmを超えることが好ましく、0.2個/nm以上であることがより好ましく、1個/nm以上であることがさらに好ましく、1.4個/nm以上であることが特に好ましい。この範囲であると、、砥粒の分散性が向上して、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。また、カチオン変性シリカ粒子のシラノール基密度は、10個/nm以下であることが好ましく、6個/nm以下であることがより好ましく、4個/nm以下であることがさらに好ましく、2個/nm以下であることが特に好ましい。カチオン変性シリカ粒子のシラノール基密度は、以下の測定方法または計算方法により、各パラメータを測定または算出した後、以下の方法により算出することができる。
下記式中のCは、カチオン変性シリカ粒子の合計質量を用い、下記式中のSは、カチオン変性シリカ粒子のBET比表面積である。まず、固形分として1.50gのカチオン変性シリカ粒子を200mlビーカーに採取し、100mlの純水を加えてスラリーとした後、30gの塩化ナトリウムを添加して溶解する。次に、1N 塩酸を添加してスラリーのpHを約3.0〜3.5に調整した後、スラリーが150mlになるまで純水を加える。このスラリーに対して、自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1700)使用して、25℃で0.1N 水酸化ナトリウムを用いてpHが4.0になるよう調整し、さらに、pH滴定によってpHを4.0から9.0に上げるのに要した0.1N 水酸化ナトリウム溶液の容量V[L]を測定する。シラノール基密度は、下記式により算出することができる。
Figure 2021155699
上記式中、
ρは、シラノール基密度(個/nm)を表わし;
cは、滴定に用いた水酸化ナトリウム溶液の濃度(mol/L)を表わし;
Vは、pHを4.0から9.0に上げるのに要した水酸化ナトリウム溶液の容量(L)を表わし;
は、アボガドロ定数(個/mol)を表わし;
Cは、カチオン変性シリカ粒子の合計質量(固形分)(g)を表わし;
Sは、カチオン変性シリカ粒子のBET比表面積の加重平均値(nm/g)を表わす。
なお、カチオン変性シリカ粒子のBET比表面積は、マイクロメリティックス社製の“Flow Sorb II 2300”を用いて測定することができる。
研磨用組成物中におけるカチオン変性シリカ粒子のゼータ電位は、特に制限されないが、正の値であることが好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。この理由は、カチオン変性シリカ粒子は正の電荷がより強まり、カチオン変性シリカ粒子と、窒化ケイ素膜との間で静電的な反発がより強くなり、砥粒の窒化ケイ素膜のかきとり作用およびかきとり頻度がより弱まるからであると推測している。同様の観点から、研磨用組成物中におけるカチオン変性シリカ粒子のゼータ電位は、一般的には正の値であってその値が大きくなるほど好ましいことから、例えば、10mV以上であることがより好ましく、20mV以上であることがさらに好ましく、30mV以上であることが特に好ましい。また、研磨用組成物中におけるカチオン変性シリカ粒子のゼータ電位は、例えば、60mV以下であることが好ましい。研磨用組成物中のカチオン変性シリカ粒子のゼータ電位は、研磨用組成物を大塚電子株式会社製ELS−Z2に供し、測定温度25℃でフローセルを用いてレーザードップラー法(電気泳動光散乱測定法)で測定し、得られるデータをSmoluchowskiの式で解析することにより、算出することができる。
カチオン変性シリカ粒子の大きさ(平均一次粒子径、平均二次粒子径)、会合度、シラノール基密度、研磨組成物中におけるゼータ電位は、カチオン変性シリカ粒子の製造方法の選択等により適切に制御することができる。特に、シラノール基密度については、例えば、焼成等の熱処理の条件で制御をすることが好適である。
なお、カチオン変性シリカ粒子は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
カチオン変性シリカ粒子の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素に加えて、他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。また、カチオン変性シリカ粒子の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、カチオン変性シリカ粒子に加えて、他の砥粒を含んでいてもよい。他の砥粒は、カチオン変性シリカ粒子以外の無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれであってもよい。カチオン変性シリカ粒子以外の無機粒子としては、例えば、表面未修飾のシリカ粒子、アニオン変性シリカ粒子、アルミナ粒子、セリア粒子、チタニア粒子等の金属酸化物からなる粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子が挙げられる。有機粒子の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。
ただし、本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、他の砥粒の添加量(濃度)はできる限り少ないことが好ましく、他の砥粒を実質的に含有しないことが特に好ましい。なお、本明細書において、「他の砥粒を実質的に含有しない」とは、研磨用組成物の総質量に対して、他の砥粒の添加量(濃度)が0.001質量%未満である場合をいう。
(酸化ケイ素研磨抑制剤)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、酸化ケイ素の研磨を抑制する化合物(本明細書において、「酸化ケイ素研磨抑制剤」とも称する)をさらに含むことが好ましい。酸化ケイ素研磨抑制剤は、下記一般式2で表される化合物である。
Figure 2021155699
上記一般式2において、
は、CR1111’またはC=Oであり、
は、CR1212’またはC=Oであり、
は、CR1313’またはC=Oであり、
は、CR1414’またはC=Oであり、
10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換されたもしくは非置換の炭化水素基、置換されたもしくは非置換のオキシ炭化水素基、置換されたもしくは非置換のポリオキシアルキレン基、または下記一般式3で表される基であり、
Figure 2021155699
上記一般式3において、R15は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、または置換されたもしくは非置換の炭化水素基であり、
*は、上記一般式2の環構成窒素原子(N)と結合する結合手であり、
10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14、R14’およびR15の少なくとも1つが置換された基である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換のオキシ炭化水素基、または非置換のポリオキシアルキレン基である。
酸化ケイ素研磨抑制剤は、他の材料である酸化ケイ素の研磨を抑制するよう作用する。また、酸化ケイ素に加えて、酸化ケイ素以外の他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物の研磨に際しては、酸化ケイ素に対する、酸化ケイ素以外の他の材料の選択比を向上させるよう作用する。この理由は、詳細は不明であるが、以下のように推測している。酸化ケイ素研磨抑制剤は、QCM(水晶振動子マイクロバランス)でSiOセンサーに吸着することが確認されている。このことから、酸化ケイ素研磨抑制剤は、酸化ケイ素膜(酸化ケイ素面)に吸着することで、砥粒と酸化ケイ素膜との衝突を抑制することで、酸化ケイ素膜を砥粒から保護する。なお、このメカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
本発明の好ましい一実施形態では、研磨用組成物がカチオン変性シリカ粒子、および上記のSiN研磨抑制剤に加えて、さらに酸化ケイ素研磨抑制剤を含む。SiN研磨抑制剤は窒化ケイ素に作用し、酸化ケイ素研磨抑制剤は、酸化ケイ素に作用し、それぞれの作用が良好に奏されることから、当該研磨組成物によれば、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比の向上効果と、酸化ケイ素に対する、酸化ケイ素以外の他の材料の選択比の向上効果とが両立されることとなる。
上記一般式2のR10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’ならびに上記一般式3のR15において、ハロゲン原子は、特に制限されないが、例えば、F、Cl、BrおよびI等が挙げられる。
上記一般式2のR10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’ならびに上記一般式3のR15において、炭化水素基としては、特に制限されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基等が挙げられる。アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基としては、特に制限されないが、例えば、上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおけるこれらの基の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
上記一般式2のR10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’において、オキシ炭化水素基とは、「−OR”」で表される基を表し、当該R”は、炭化水素基を表す。なお、炭化水素基は、上記一般式2のR10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’ならびに上記一般式3のR15における説明と同様である。
上記一般式2のR10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’において、ポリオキシアルキレン基としては、特に制限されないが、例えば、上記一般式1のR、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRにおけるポリオキシアルキレン基の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
上記一般式2において、R10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’の少なくとも1つが置換された基である場合、または上記一般式3において、R15が置換された基である場合、置換基としてのハロゲン原子は、特に制限されないが、例えば、F、Cl、BrおよびI等が挙げられる。また、置換基としてのオキシ炭化水素基、ポリオキシアルキレン基は、それぞれ、上記一般式2のR10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’におけるこれらの基の説明と同様である。
上記一般式2において、R10は、上記一般式3で表される基であることが好ましい。この際、R15は、置換されたまたは非置換の炭化水素基であることが好ましく、非置換の炭化水素基であることがより好ましく、非置換のアルキル基または非置換のアルケニル基であることがさらに好ましく、非置換の炭素数1〜6のアルキル基または非置換の炭素数2〜6のアルケニル基であることがよりさらに好ましく、メチル基またはビニル基であることが特に好ましい。
上記一般式2において、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’は、全て水素原子であることがさらに好ましい。
酸化ケイ素研磨抑制剤の具体例としては、特に制限されないが、例えば、4−アセチルモルホリン、3−モルホリノン、N−メチル−2−モルホリノン、4−ビニル−3−モルホリノン、4−アクリロイルモルホリン、4−メタクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらの中でも、4−アセチルモルホリン、4−アクリロイルモルホリンが好ましい。そして、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比の向上効果の観点からは、4−アセチルモルホリンがさらに好ましく、酸化ケイ素に対する他の材料の選択比の向上効果の観点からは、4−アクリロイルモルホリンがさらに好ましい。
酸化ケイ素研磨抑制剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、酸化ケイ素研磨抑制剤は、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。
酸化ケイ素研磨抑制剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましく、0.25質量%以上であることが特に好ましい。この範囲であると、酸化ケイ素の研磨抑制効果がより向上する。また、酸化ケイ素に加えて、酸化ケイ素以外の他の材料(特に窒化チタン)をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、酸化ケイ素に対する、酸化ケイ素以外の他の材料の選択比がより向上する。また、酸化ケイ素研磨抑制剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。この範囲であると、酸化ケイ素研磨抑制剤の効果がより高くなる。この理由は、電気伝導度が過剰に高くなることがなく、砥粒および酸化ケイ素の電気二重層が過度に圧縮されることもないため、砥粒と、酸化ケイ素との間の静電反発がより良好に維持されるからであると推定される。また、この範囲であると、スラリーのより良好な分散安定性も担保される。
(酸化剤)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、酸化剤をさらに含むことが好ましい。酸化剤は、窒化ケイ素膜以外の他の材料の膜表面を酸化することで、他の材料の研磨速度を向上させたり、または研磨後の研磨対象物の表面品質を向上させたりする等、研磨特性を向上させるよう作用する。
酸化剤としては、特に制限されないが、例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、オゾン水、銀(II)塩、鉄(III)塩、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、亜塩素酸、過塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、ジクロロイソシアヌル酸およびそれらの塩等が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性および安全性の観点から、過酸化水素が好ましい。なお、酸化剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
酸化剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素膜以外の他の材料の酸化反応がより十分に進行し、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。また、酸化剤の添加量(濃度)は、特に制限されないが、研磨用組成物の総質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、酸化剤の添加による砥粒濃度の低下の影響がより小さく、窒化ケイ素膜以外の他の材料の研磨速度をより良好に維持することができ、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比がより向上する。
(pH調整剤)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、pH調整剤をさらに含むことが好ましい。pH調整剤は、研磨用組成物のpHを適切な範囲へと調整することで、研磨対象となる面に対する化学的研磨効果の向上により研磨速度を向上させたり、または研磨用組成物の分散安定性を向上させたりするよう作用する。
なお、本明細書において、上記のSiN研磨抑制剤はpH調整剤には含まれないものとする。
pH調整剤は、pH調整機能を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、酸、または塩基性化合物を使用することができる。ここで塩基性化合物とは、水に溶解して水のpHを上昇させる機能を有する化合物を表し、研磨用組成物に添加されることによって研磨用組成物のpHを上昇させるよう作用する。
酸としては、無機酸または有機酸のいずれを用いてもよい。無機酸としては、特に制限されないが、例えば、硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸およびリン酸等が挙げられる。有機酸としては、特に制限されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸および乳酸などのカルボン酸等が挙げられる。
塩基性化合物としては、特に制限されないが、例えば、アルカリ金属または第2族元素の水酸化物、アンモニア等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物の具体例としては、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が挙げられる。第2族元素の水酸化物の具体例としては、水酸化カルシウム(Ca(OH))等が挙げられる。
これらの中でも、後述する最適なpH値の範囲への調整の観点から、無機酸または塩基性化合物が好ましい。また、無機酸としては、硝酸がより好ましい。塩基性化合物としては、アルカリ金属または第2族元素の水酸化物がより好ましく、アルカリ金属の水酸化物がさらに好ましい。そして、pH調整剤は、硝酸または水酸化カリウムが特に好ましく、水酸化カリウムが極めて好ましい。
なお、pH調整剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
pH調整剤の添加量(濃度)は、所望の研磨用組成物のpH値となるような量を適宜選択すればよく、後述する研磨用組成物の好ましいpH値となるような量を添加することが好ましい。
(pH)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物のpHは、特に制限されない。ただし、pHの下限値は、1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2以上であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより高まる。この理由は、以下のように推測される。この範囲であると、電気伝導度が過剰に高くなることがなく、砥粒および窒化ケイ素の電気二重層が過度に圧縮されることもない。そのため、砥粒と、窒化ケイ素との間の静電反発がより良好に維持されるからである。また、研磨装置や接触する研磨パッドなどの消耗部材を劣化させる可能性がより低下する。また、pHの上限値は、12以下であることが好ましい。この範囲であると、腐食がより生じ難くなり、多様な材料を含む研磨対象物への適用が可能となる。また、安全性がより向上し、取り扱いがより容易となる。そして、pHの上限値は、7未満であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましく、4以下であることがよりさらに好ましく、4未満であることが特に好ましく、3.5以下であることがさらに特に好ましく、3以下であることが極めて好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより高まる。この理由は、以下のように推測される。pHが上記範囲であると、窒化ケイ素の表面電位が正となり、また正の値が大きくなる。また、一般的には、砥粒のゼータ電位も正となり、また正の値も大きくなる。そのため、砥粒と、窒化ケイ素との間の静電反発がより強まり、砥粒のかき取り作用がより弱められるからである。なお、研磨用組成物のpH値は、pHメータ(株式会社堀場製作所製製品名:LAQUA(登録商標))により評価することができる。
(電気伝導度調整剤)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、電気伝導度調整剤をさらに含んでいてもよい。電気伝導度調整剤は、研磨用組成物の電気伝導度を適切な範囲へと調整することで、窒化ケイ素の研磨速度抑制効果を向上させたり、または研磨用組成物の分散安定性を向上させたりするよう作用する。
電気伝導度調整剤としては、電気伝導度調整機能を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、塩化合物を使用することができる。
塩化合物としては、例えば、酸の塩、塩基性化合物の塩等が挙げられる。酸の塩としては、有機酸塩であっても、無機酸塩であってもよい。無機酸塩としては、特に制限されないが、例えば、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等のリン酸塩、硫酸アンモニウム等の硫酸塩などが挙げられる。また、塩基性化合物の塩としては、特に制限されないが、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、クエン酸アンモニウム等が挙げられる。塩化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電気伝導度調整剤の添加量(濃度)は、所望の研磨用組成物の電気伝導度となるような量を適宜選択すればよく、後述する研磨用組成物の好ましい電気伝導度の値となるような量を添加することが好ましい。
(電気伝導度)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物の電気伝導度(EC)は、特に制限されない。ただし、電気伝導度の下限値は、30μS/cm以上であることが好ましく、0.1mS/cm以上であることがより好ましく、0.6mS/cm以上であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素の研磨抑制効果がより高まる。この理由は、低い電気伝導度では、砥粒と、窒化ケイ素との間に働く静電反発力がより高い状態で維持されるからであると推測される。また、電気伝導度の上限値は、10mS/cm未満であることが好ましい。この範囲であると、研磨用組成物の分散安定性がより向上する。さらに、電気伝導度の上限値は、2mS/cm以下であることがより好ましく、1mS/cm以下であることがさらに好ましい。この範囲であると、窒化ケイ素膜の研磨速度抑制効果がより向上する。この理由は、電気伝導度が過度に上昇し、砥粒と、窒化ケイ素膜との間の静電反発が弱まることがないからであると推測される。これらの観点から、電気伝導度の好ましい範囲の一例としては、30μS/cm以上、2mS/cm以下の範囲が挙げられる。なお、研磨用組成物の電気伝導度は、卓上型電気伝導度計(株式会社堀場製作所製、型番:DS−71)により評価することができる。
なお、電気伝導度は、例えば、酸、塩基性化合物またはこれらの塩化合物の添加量の増加によって向上させることができる。具体的には、電気伝導度調整剤以外の各成分の添加量によって制御してもよく、電気伝導度調整剤をさらに添加することで制御してもよい。
(分散媒)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、分散媒(溶媒)をさらに含む。分散媒は、水を含む。分散媒は、各成分を分散または溶解させるよう作用する。
分散媒としては、水を含むものであれば特に制限されない。分散媒中の水の含有量は、特に制限されないが、分散媒の総質量に対して50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、水のみであることがさらに好ましい。水は、洗浄対象物の汚染や他の成分の作用を阻害することを防止するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましく、遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下である水が好ましい。ここで、水の純度は、例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルタによる異物の除去、蒸留等の操作によって高めることができる。具体的には、水としては、脱イオン水(イオン交換水)、純水、超純水、蒸留水などを用いることが好ましい。
また、分散媒は、各成分の分散性または溶解性を向上させることができる場合、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。有機溶媒としては、特に制限されず、公知の有機溶媒を用いることができる。水と有機溶媒との混合溶媒とする場合は、水と混和する有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒を用いる場合は、水と有機溶媒とを混合し混合溶媒を作製した後、混合溶媒に各成分を添加し混合してもよいし、有機溶媒に各成分を分散または溶解させた後に、水と混合してもよい。なお、有機溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
(他の成分)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分は、特に制限されないが、例えば、濡れ剤、界面活性剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤、溶存ガス、還元剤等をはじめとする、公知の研磨用組成物に用いられる各種成分から適宜選択されうる。
(研磨対象物)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、特に制限されず、CMP分野で用いられる公知の研磨対象物に適用することができる。このため、研磨対象物の態様としては、特に制限されないが、平板状部材である層が好ましく、当該層を含む基板がより好ましく、半導体基板がさらに好ましい。例えば、単一層から構成される基板や、研磨対象となる層と、他の層(例えば、支持層や他の機能層)とを含む基板等が挙げられる。
研磨対象物は、本発明の効果がより顕著に奏されるとの観点から、研磨対象となる面が、窒化ケイ素を含むことが特に好ましい。すなわち、本発明の一実施形態に係る研磨用組成物は、窒化ケイ素を含む研磨対象物を研磨するために用いられることが好ましい。また、研磨対象物は、研磨対象となる面が、窒化ケイ素に加えて、他の材料を含むことが好ましい。本発明の一実施形態に係る研磨対象物は、窒化ケイ素に対して高い研磨抑制効果を有する一方で、他の材料に対しては高い研磨速度を示すため、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比が得ることができるからである。他の材料としては、特に制限されないが、例えば、窒化ケイ素以外のケイ素含有材料や、金属、金属酸化物や金属窒化物等を含む構成部分をさらに含む研磨対象物であることが好ましい。
窒化ケイ素以外のケイ素含有材料としては、特に制限されないが、例えば、ケイ素−酸素結合を有する材料(例えば、酸化ケイ素等)、ケイ素−ケイ素結合を有する材料(例えば、ポリシリコン等)、窒化ケイ素以外のケイ素−窒素結合を有する材料等が挙げられる。ここで、ケイ素−酸素結合を有する材料としては、特に制限されないが、例えば、酸化ケイ素、BD(ブラックダイヤモンド:SiOCH)、FSG(フルオロシリケートグラス)、HSQ(水素シルセスキオキサン)、CYCLOTENE、SiLK、MSQ(Methyl silsesquioxane)等が挙げられる。また、ケイ素−ケイ素結合を有する研磨対象物としては、特に制限されないが、例えば、多結晶シリコン(ポリシリコン、Poly−Si)、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金等が挙げられる。そして、窒化ケイ素以外のケイ素−窒素結合を有する材料としては、特に制限されないが、例えば、炭窒化ケイ素(SiCN)などが挙げられる。これらの中でも、本発明の一実施形態に係る研磨対象物によってより高い研磨速度で研磨され、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比をより向上させるとの観点から、ケイ素−ケイ素結合を有する材料が好ましく、ポリシリコンがより好ましい。また、これらの中でも、研磨用組成物が上記の酸化ケイ素研磨抑制剤をさらに含む場合には、ケイ素−酸素結合を有する材料が好ましく、酸化ケイ素がより好ましい。窒化ケイ素に対する他の材料の選択比の向上効果と、酸化ケイ素に対する、酸化ケイ素以外の他の材料の選択比の向上効果とが両立されるからである。なお、酸化ケイ素を含む膜としては、特に制限されないが、例えば、オルトケイ酸テトラエチルを前駆体として使用して生成されるTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)タイプ酸化ケイ素(本明細書において、「TEOS−SiO」とも称する)膜、HDP(High Density Plasma)膜、USG(Undoped Silicate Glass)膜、PSG(Phosphorus Silicate Glass)膜、BPSG(Boron−Phospho Silicate Glass)膜、RTO(Rapid Thermal Oxidation)膜等が挙げられる。そして、酸化ケイ素としては、TEOS−SiOであることが特に好ましい。よって、研磨対象物としては、窒化ケイ素に加えて、酸化ケイ素(好ましくは、TEOS−SiO)をさらに含む研磨対象物であることが特に好ましい。
また、金属としては、特に制限されないが、例えば、銅、アルミニウム、ハフニウム、コバルト、ニッケル、チタン、タングステン、およびこれらの合金等が挙げられる。金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、アルミナ等が挙げられる。金属窒化物としては、特に制限されないが、例えば、窒化チタン、窒化タンタル等が挙げられる。これらの中でも、本発明の一実施形態に係る研磨対象物によってより高い研磨速度で研磨され、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比をより向上させるとの観点から、他の材料としては、金属の窒化物であることが好ましく、窒化チタンであることがより好ましい。よって、研磨対象物としては、窒化ケイ素に加えて、窒化チタンをさらに含む研磨対象物であることが特に好ましい。
そして、これらのことから、研磨対象物としては、窒化ケイ素に加えて、酸化ケイ素(好ましくは、TEOS−SiO)および窒化チタンをさらに含む研磨対象物であることが特に好ましい。
(窒化ケイ素に対する他の材料の選択比)
本発明の一実施形態に係る研磨用組成物を用いた研磨方法において、窒化ケイ素に加えて、他の材料をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比は、特に制限されないが、より高い方が好ましい。例えば、他の材料が窒化チタンである場合、窒化ケイ素に対する窒化チタンの選択比は、特に制限されないが、40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、70以上であることがさらに好ましく、90以上であることがよりさらに好ましく、100以上であることが特に好ましく、110以上であることがさらに特に好ましく、150以上であることが極めて好ましく、180以上であることが最も好ましい。また、例えば、他の材料が酸化ケイ素である場合、酸化ケイ素に対する窒化チタンの選択比は、特に制限されないが、15超であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、25以上であることがさらに好ましい。なお、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比は、他の材料の研磨速度を、窒化ケイ素の研磨速度で除することで求めることができる。
<研磨用組成物の製造方法>
本発明の他の一形態は、カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを混合することを含む、研磨用組成物の製造方法に関する。
また、本発明の一実施形態に係る研磨用組成物の製造方法において、上記説明した酸化ケイ素研磨抑制剤や、他の成分をさらに混合してもよい。これより、本発明の好ましい一実施形態に係る製造方法としては、例えば、上記一般式2で表される化合物をさらに混合することを含むものが挙げられる。
各成分を混合する際の混合方法は特に制限されず、公知の方法を適宜用いることができる。また混合温度は特に制限されないが、一般的には10〜40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
なお、研磨用組成物の製造方法における、各成分の好ましい態様(種類、特性、構造、添加量等)は、上記研磨用組成物についての各成分の説明と同様である。また、製造される研磨用組成物の好ましい特性をはじめとする種々の特徴についても、上記研磨用組成物についての説明と同様である。
<研磨方法>
本発明の他の一形態は、上記の研磨用組成物を用いて、または、上記の製造方法によって研磨用組成物を製造し、当該製造された研磨用組成物を用いて、研磨対象物を研磨する、研磨方法に関する。
研磨方法において研磨される研磨対象物は、上記研磨用組成物についての説明と同様である。
研磨装置、研磨条件としては、特に制限されず、公知の装置、条件を適宜用いることができる。
研磨装置は、研磨対象物を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。研磨装置としては、片面研磨装置または両面研磨装置のいずれを用いてもよい。研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件は、特に制限されず、研磨用組成物および研磨対象物の特性に応じて適切な条件を適宜設定することができる。研磨荷重(研磨圧力、加工圧力)については、特に制限されないが、一般的には、単位面積当たり0.1psi以上10psi以下であることが好ましく、0.5psi以上8psi以下であることがより好ましく、1psi以上6psi以下であることがさらに好ましい。この範囲であれば、高い研磨速度を得つつ、荷重による基板の破損や、表面に傷などの欠陥が発生することをより抑制することができる。定盤回転数およびキャリア回転数は、特に制限されないが、一般的には、それぞれ、10rpm以上500rpm以下であることが好ましく、20rpm以上300rpm以下であることがより好ましく、30rpm以上200rpm以下であることがさらに好ましい。研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、ポンプ等で連続的に供給する方法(掛け流し)を採用してもよい。研磨用組成物の供給量(研磨用組成物の流量)は、研磨対象物全体が覆われる供給量であればよく、特に制限されないが、一般的には、100mL/min以上5000mL/min以下であることが好ましい。研磨時間は、目的とする研磨結果が得られるよう適宜設定すればよく特に制限されないが、一般的には、5秒間以上180秒間以下であることが好ましい。また、研磨は、In−situ ドレッシングを用いて行うことが好ましい。ここで、In−situ ドレッシングとは、研磨するとともにパッドの目立て(ドレッシング)を行う技術を表す。In−situ ドレッシングによれば、研磨時間に対する研磨速度の均一性をより向上させ、研磨の制御性をより向上させることができる。In−situ ドレッシング部材としては、ダイヤモンドドレッサー等のコンディショナーを用いることが好ましい。
研磨終了後の研磨済研磨対象物は、水による洗浄後に、スピンドライヤやエアブロー等により表面に付着した水滴を払い落とすことによって、表面を乾燥させてもよい。
本発明の一実施形態に係る研磨方法において、窒化ケイ素に加えて、他の材料をさらに含む研磨対象物を研磨する場合、窒化ケイ素に対する他の材料の選択比は、特に制限されないが、より高い方が好ましい。窒化ケイ素に対する窒化チタンの選択比の好ましい範囲は、上記研磨用組成物についての説明と同様である。また、酸化ケイ素に対する窒化チタンの選択比の好ましい範囲は、上記研磨用組成物についての説明と同様である。
<半導体基板の製造方法>
本発明の他の一形態は、研磨対象物が基板材料であり、上記の研磨方法によって、当該基板材料を研磨する工程(研磨工程)を含む、半導体基板の製造方法に関する。すなわち、当該形態は、窒化チタンを含む研磨対象物である半導体基板の形成に用いられる基板材料に対して、上記の研磨用組成物を用いて、または、上記の製造方法によって研磨用組成物を製造し、当該製造された研磨用組成物を用いて研磨することを含む、半導体基板の製造方法である。
なお、当該製造方法において、その他の工程については、公知の半導体基板の製造方法に採用されうる工程を適宜採用することができる。
本発明の実施形態を詳細に説明したが、これは説明的かつ例示的なものであって限定的ではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきであることは明らかである。
本発明は、下記態様および形態を包含するが、これらに限定されるものではない:
1.カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを含む、研磨用組成物;
2.前記有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物は、上記一般式1で表される化合物である、上記1.に記載の研磨用組成物;
3.前記一般式1において、前記Z、前記Z、前記Zおよび前記Zの少なくとも1つがC=Oである、上記2.に記載の研磨用組成物;
4.前記一般式1において、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R、前記Rおよび前記Rの少なくとも1つが有機酸基もしくはその塩の基、または有機酸基もしくはその塩の基で置換されたアルキル基である、上記2.または上記3.に記載の研磨用組成物;
5.前記有機酸基またはその塩の基は、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、スルホ基、スルホ基の塩の基、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩の基、リン酸基、およびリン酸基の塩の基からなる群より選択される、少なくとも1種である、上記1.〜上記4.のいずれかに記載の研磨用組成物;
6.前記カチオン変性シリカ粒子のゼータ電位が正の値である、上記1.〜上記5.のいずれかに記載の研磨用組成物;
7.上記一般式2で表される化合物をさらに含む、上記1.〜上記6.のいずれかに記載の研磨用組成物;
8.酸化剤をさらに含む、上記1.〜上記7.のいずれかに記載の研磨用組成物;
9.pHが7未満である、上記1.〜上記8.のいずれかに記載の研磨用組成物;
10.電気伝導度が30μS/cm以上、2mS/cm以下である、上記1.〜上記9.のいずれかに記載の研磨用組成物;
11.窒化ケイ素を含む研磨対象物を研磨するために用いられる、上記1.〜上記10.のいずれかに記載の研磨用組成物;
12.さらに窒化チタンを含む研磨対象物を研磨するために用いられる、上記11.に記載の研磨用組成物;
13.さらに酸化ケイ素を含む研磨対象物を研磨するために用いられる、上記11.または上記12.に記載の研磨用組成物;
14.カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを混合することを含む、研磨用組成物の製造方法;
15.上記一般式2で表される化合物をさらに混合することを含む、上記14.に記載の研磨用組成物の製造方法;
16.上記1.〜上記13.のいずれかに記載の研磨用組成物を用いて、または、
上記14.または上記15.に記載の製造方法で研磨用組成物を製造し、製造された研磨用組成物を用いて、
研磨対象物を研磨する、研磨方法;
17.研磨対象物が基板材料であり、上記16.に記載の研磨方法によって前記基板材料を研磨することを含む、半導体基板の製造方法。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件下で行われた。
<研磨用組成物の調製1>
(研磨用組成物1)
分散媒としての純水に、砥粒としてのアミノ基が表面に固定化されたコロイダルシリカであるコロイダルシリカA(平均一次粒子径35nm;平均二次粒子径70nm;シラノール基密度1.5個/nm;会合度2.0)と、SiN研磨抑制剤としての(+)−10−カンファースルホン酸と、酸化剤としての過酸化水素と、pH調整剤としての硝酸とを加えることで、研磨用組成物1を調製した。
ここで、砥粒としてのコロイダルシリカAの添加量は、調製される研磨用組成物に対して3質量%とした。SiN研磨抑制剤としての(+)−10−カンファースルホン酸の添加量は、調製される研磨用組成物に対して0.05質量%とした。酸化剤としての過酸化水素の添加量は、調製される研磨用組成物に対して0.12質量%とした。ここで、過酸化水素の添加は、31質量%濃度の過酸化水素水溶液を用いて、この中に含まれる過酸化水素が上記添加量となる量を添加した。pH調整剤としての硝酸の添加量は、調製される研磨用組成物のpHが3.0となる量とした。ここで、研磨用組成物1(液温:25℃)のpHはpHメータ(株式会社堀場製作所製 型番:LAQUA(登録商標))により測定した。
また、上記で調製された研磨用組成物1の電気伝導度(EC)を測定した。研磨用組成物1(液温:25℃)の電気伝導度は、卓上型電気伝導度計(株式会社堀場製作所製 型番:DS−71)により測定した。研磨用組成物1の電気伝導度(EC)は0.69mS/cmであった。
さらに、上記で調製された研磨用組成物1中における砥粒のゼータ電位を測定した。まず、研磨用組成物を大塚電子株式会社製ELS−Z2に供し、測定温度25℃でフローセルを用い、レーザードップラー法(電気泳動光散乱測定法)により測定を行った。そして、得られたデータをSmoluchowskiの式で解析することにより、研磨用組成物中の砥粒のゼータ電位(mV)を算出した。研磨用組成物1中の砥粒のゼータ電位は40mVであった。
(研磨用組成物2〜12)
各成分の種類および添加量(濃度)、ならびに研磨用組成物のpHを下記表1に示すように変更した以外は、研磨用組成物1の調製と同様に操作して、各研磨用組成物を調製した。ここで、各研磨用組成物の調製において、pH調整剤の添加量は、調製される研磨用組成物のpHが下記表1の値となる量である。なお、pH、電気伝導度および砥粒のゼータ電位についても、それぞれ研磨用組成物1と同様の方法で測定を行った。
(研磨用組成物13および14)
各成分の種類および添加量(濃度)、ならびに研磨用組成物のpHを下記表1に示すように変更した以外は、研磨用組成物1の調製と同様に操作して、各研磨用組成物を調製した。ここで、砥粒としては、スルホ基が表面に固定化されたコロイダルシリカであるコロイダルシリカB(平均一次粒子径13.8nm;平均二次粒子径33nm;シラノール基密度2.2個/nm;会合度2.39)を用いた。なお、pH、電気伝導度および砥粒のゼータ電位についても、それぞれ研磨用組成物1と同様の方法で測定を行った。
<研磨方法1>
(研磨装置および研磨条件)
上記で調製した各研磨用組成物を使用して、研磨対象物の表面を下記の装置および条件で研磨した。研磨対象物としては、基板表面に形成した厚さ2500ÅのTiN膜(窒化チタン膜)であるTiNブランケットウェハ、および基板表面に形成した厚さ2000ÅのSiN膜(窒化ケイ素膜)であるSiNブランケットウェハを使用した:
〔研磨装置および研磨条件〕
研磨装置:EJ−380IN−CH(日本エンギス株式会社製)
研磨パッド:IC1000(ニッタ・ハース株式会社(現:ニッタ・デュポン株式会社)製)
研磨圧力(加工圧力):3.43psi(なお、1psi=6894.76Paである)
研磨定盤の回転速度:60rpm(なお、60rpm=1s−1である)
研磨用組成物の供給量:100mL/min
研磨時間:60sec
コンディショナー(In−situ ドレッシング部材):ダイヤモンドドレッサー(SDT−100、株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)。
<評価1>
(研磨速度の測定)
各研磨用組成物を用いて上記の各研磨対象物を研磨して、TiN膜の研磨速度(Å/min)と、SiN膜の研磨速度(Å/min)とを測定した。TiN膜の研磨速度は、直流4探針法を原理とするシート抵抗測定器を用いて測定される研磨前後のTiNブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。SiN膜の研磨速度は、光干渉式膜厚測定装置(フィルメトリクス株式会社製:型番Filmetrics F50)を用いて測定される研磨前後のSiNブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。なお、1Å=0.1nmである。評価結果を下記表2に示す。
Figure 2021155699
Figure 2021155699
上記表1および上記表2の結果より、カチオン変性シリカ粒子と、本発明のSiN研磨抑制剤とを含む実施例に係る研磨用組成物1〜3、11および12は、SiN膜の研磨を顕著に抑制できることが確認された。また、TiN膜の高い研磨速度を維持したまま、SiN膜に対するTiN膜の選択比を顕著に高めることができることも確認された。これらの結果から、実施例に係る研磨用組成物1〜3、11および12は、窒化ケイ素に加えて、窒化チタンをさらに含む研磨対象物の研磨に特に適することが分かる。
一方、SiN研磨抑制剤を含まない比較例に係る研磨用組成物4〜6、8や、本発明のSiN研磨抑制剤とは異なる構造の比較用化合物を含む比較例に係る研磨用組成物7、9、10、カチオン変性シリカ粒子ではなくアニオン変性シリカ粒子を含む比較例に係る研磨用組成物14、およびカチオン変性シリカ粒子ではなくアニオン変性シリカ粒子を含み、かつ、SiN研磨抑制剤を含まない比較例に係る研磨用組成物13は、実施例に係る研磨用組成物1〜3、11および12と比較して、SiN膜の研磨抑制効果に劣ることが確認された。そしてその結果、SiN膜に対するTiN膜の選択比も低くなることが確認された。
<研磨用組成物の調製2>
(研磨用組成物15)
分散媒としての純水に、砥粒としてのアミノ基が表面に固定化されたコロイダルシリカであるコロイダルシリカC(平均一次粒子径23nm;平均二次粒子径50nm;シラノール基密度3.6個/nm;会合度2.2、繭型形状)と、SiN研磨抑制剤としての(+)−10−カンファースルホン酸と、酸化ケイ素研磨抑制剤としての4−アセチルモルホリンと、酸化剤としての過酸化水素とを加えることで、研磨用組成物15を調製した。
ここで、砥粒としてのコロイダルシリカCの添加量は、調製される研磨用組成物に対して1.8質量%とした。SiN研磨抑制剤としての(+)−10−カンファースルホン酸の添加量は、調製される研磨用組成物のpHが3.0となる量とした。酸化ケイ素研磨抑制剤としての4−アセチルモルホリンの添加量は、調製される研磨用組成物に対して0.13質量%とした。酸化剤としての過酸化水素の添加量は、調製される研磨用組成物に対して0.09質量%とした。ここで、過酸化水素の添加は、31質量%濃度の過酸化水素水溶液を用いて、この中に含まれる過酸化水素が上記添加量となる量を添加した。ここで、研磨用組成物15(液温:25℃)のpHはpHメータ(株式会社堀場製作所製 型番:LAQUA(登録商標))により測定した。
また、上記で調製された研磨用組成物15の電気伝導度(EC)を測定した。研磨用組成物15(液温:25℃)の電気伝導度は、卓上型電気伝導度計(株式会社堀場製作所製 型番:DS−71)により測定した。研磨用組成物15の電気伝導度(EC)は0.6mS/cmであった。
さらに、上記で調製された研磨用組成物15中における砥粒のゼータ電位を測定した。まず、研磨用組成物を大塚電子株式会社製ELS−Z2に供し、測定温度25℃でフローセルを用い、レーザードップラー法(電気泳動光散乱測定法)により測定を行った。そして、得られたデータをSmoluchowskiの式で解析することにより、研磨用組成物中の砥粒のゼータ電位(mV)を算出した。研磨用組成物15中の砥粒のゼータ電位は21mVであった。
(研磨用組成物16〜18)
各成分の種類および添加量(濃度)、ならびに研磨用組成物のpHを下記表3に示すように変更した以外は、研磨用組成物15の調製と同様に操作して、各研磨用組成物を調製した。ここで、各研磨用組成物の調製において、SiN研磨抑制剤としての(+)−10−カンファースルホン酸の添加量は、調製される研磨用組成物のpHが下記表3の値となる量となる。なお、pH、電気伝導度および砥粒のゼータ電位についても、それぞれ研磨用組成物15と同様の方法で測定を行った。
(研磨用組成物19)
SiN研磨抑制剤としての(+)−10−カンファースルホン酸を添加せず、pH調整剤としての硝酸を、調製される研磨用組成物のpHが3.0となる量で添加した以外は、研磨用組成物15の調製と同様に操作して、研磨用組成物19を調製した。なお、pH、電気伝導度および砥粒のゼータ電位についても、それぞれ研磨用組成物15と同様の方法で測定を行った。
<研磨方法2>
(研磨装置および研磨条件)
上記で調製した各研磨用組成物を使用して、研磨対象物の表面を下記の装置および条件で研磨した。研磨対象物としては、基板表面に形成した厚さ2500ÅのTiN膜(窒化チタン膜)であるTiNブランケットウェハ、基板表面に形成した厚さ2000ÅのSiN膜(窒化ケイ素膜)であるSiNブランケットウェハ、および基板表面に形成した厚さ10,000ÅのTEOS−SiO膜であるTEOS−SiOブランケットウェハを使用した。なお、これらのブランケットウェハのサイズは直径300mm(12inchiサイズ)を使用した:
〔研磨装置および研磨条件〕
研磨装置:片面研磨装置 FREX300E(株式会社荏原製作所製)
研磨パッド:IC1000(ニッタ・ハース株式会社(現:ニッタ・デュポン株式会社)製)
研磨圧力(加工圧力):4.0psi(なお、1psi=6894.76Paである)
研磨定盤の回転速度:110rpm(なお、60rpm=1s−1である)
研磨用組成物の供給量:250mL/min
研磨時間:60sec
コンディショナー(In−situ ドレッシング部材):ダイヤモンドドレッサー(SDT−100、株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)。
<評価2>
(研磨速度の測定)
各研磨用組成物を用いて上記の各研磨対象物を研磨して、TiN膜の研磨速度(Å/min)と、SiN膜の研磨速度(Å/min)と、TEOS−SiO膜の研磨速度(Å/min)とを測定した。TiN膜の研磨速度は、直流4探針法を原理とするシート抵抗測定器を用いて測定される研磨前後のTiNブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。SiN膜の研磨速度は、光干渉式膜厚測定装置(フィルメトリクス株式会社製:型番Filmetrics F50)を用いて測定される研磨前後のSiNブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。TEOS−SiO膜の研磨速度は、光干渉式膜厚測定装置(ケーエルエー・テンコール社製:ASET−f5x)用いて測定される研磨前後のTEOSブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。なお、1Å=0.1nmである。評価結果を下記表4に示す。
(研磨用組成物の安定性)
上記で調整した研磨用組成物15〜19について、調製直後(調整から10分経過後)に、砥粒の沈殿有無を目視にて確認した。また、25℃恒温保管庫に静置し、3か月後に砥粒の沈殿有無を目視にて確認した。評価結果を下記表4に示す。
Figure 2021155699
Figure 2021155699
上記表3および上記表4の結果より、カチオン変性シリカ粒子と、本発明のSiN研磨抑制剤とを含む実施例に係る研磨用組成物15〜18は、SiN膜の研磨を顕著に抑制できることが確認された。また、TiN膜の高い研磨速度を維持したまま、SiN膜に対するTiN膜の選択比を顕著に高めることができることも確認された。これらの結果から、実施例に係る研磨用組成物15〜18は、窒化ケイ素に加えて、窒化チタンをさらに含む研磨対象物の研磨に特に適することが分かる。また、これらの研磨用組成物は、優れた安定性を有することも確認された。
さらに、カチオン変性シリカ粒子と、本発明のSiN研磨抑制剤と、本発明の酸化ケイ素研磨抑制剤とを含む実施例に係る研磨用組成物15〜17は、SiN膜の研磨を顕著に抑制しつつ、酸化ケイ素膜の研磨についても顕著に抑制できることが確認された。また、TiN膜の高い研磨速度を維持したまま、SiN膜に対するTiN膜の選択比に加えて、酸化ケイ素膜に対するTiN膜の選択比も顕著に高めることができることも確認された。これらの結果から、実施例に係る研磨用組成物15〜17は、酸化ケイ素に加えて、窒化チタンをさらに含む研磨対象物の研磨に特に適することが分かる。また、実施例に係る研磨用組成物15〜17は、窒化ケイ素に加えて、酸化ケイ素および窒化チタンをさらに含む研磨対象物の研磨に特に適することが分かる。
一方、SiN研磨抑制剤を含まない比較例に係る研磨用組成物19は、実施例に係る研磨用組成物15〜18と比較して、SiN膜の研磨抑制効果に劣ることが確認された。そしてその結果、SiN膜に対するTiN膜の選択比も低くなることが確認された。

Claims (17)

  1. カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを含む、研磨用組成物。
  2. 前記有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物は、下記一般式1で表される化合物である、請求項1に記載の研磨用組成物:
    Figure 2021155699

    上記一般式1において、
    は、CR’、C=OまたはOであり、
    は、CR’、C=OまたはOであり、
    は、CR’、C=OまたはOであり、
    は、CR’、C=OまたはOであり、
    、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換されたもしくは非置換のアルキル基、置換されたもしくは非置換のアルケニル基、置換されたもしくは非置換のアルキニル基、置換されたもしくは非置換のアルコキシ基、置換されたもしくは非置換のポリオキシアルキレン基、または有機酸基もしくはその塩の基であり、
    前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R、前記Rおよび前記Rの少なくとも1つが置換された基である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換のアルキル基、非置換のアルケニル基、非置換のアルキニル基、非置換のアルコキシ基、非置換のポリオキシアルキレン基、または有機酸基もしくはその塩の基であり、
    前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R、前記Rおよび前記Rの少なくとも1つは、有機酸基またはその塩の基を含む。
  3. 前記一般式1において、前記Z、前記Z、前記Zおよび前記Zの少なくとも1つがC=Oである、請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記一般式1において、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R’、前記R、前記R、前記Rおよび前記Rの少なくとも1つが有機酸基もしくはその塩の基、または有機酸基もしくはその塩の基で置換されたアルキル基である、請求項2または請求項3に記載の研磨用組成物。
  5. 前記有機酸基またはその塩の基は、カルボキシ基、カルボキシ基の塩の基、スルホ基、スルホ基の塩の基、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩の基、リン酸基、およびリン酸基の塩の基からなる群より選択される、少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記カチオン変性シリカ粒子のゼータ電位が正の値である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. 下記一般式2で表される化合物をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨用組成物:
    Figure 2021155699

    上記一般式2において、
    は、CR1111’またはC=Oであり、
    は、CR1212’またはC=Oであり、
    は、CR1313’またはC=Oであり、
    は、CR1414’またはC=Oであり、
    10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換されたもしくは非置換の炭化水素基、置換されたもしくは非置換のオキシ炭化水素基、置換されたもしくは非置換のポリオキシアルキレン基、または下記一般式3で表される基であり、
    Figure 2021155699

    上記一般式3において、R15は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、または置換されたもしくは非置換の炭化水素基であり、
    *は、上記一般式2の環構成窒素原子(N)と結合する結合手であり、
    前記R10、前記R11、前記R11’、前記R12、前記R12’、前記R13、前記R13’、前記R14、前記R14’および前記R15の少なくとも1つが置換された基である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換のオキシ炭化水素基、または非置換のポリオキシアルキレン基である。
  8. 酸化剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  9. pHが7未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  10. 電気伝導度が30μS/cm以上、2mS/cm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  11. 窒化ケイ素を含む研磨対象物を研磨するために用いられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  12. さらに窒化チタンを含む研磨対象物を研磨するために用いられる、請求項11に記載の研磨用組成物。
  13. さらに酸化ケイ素を含む研磨対象物を研磨するために用いられる、請求項11または12に記載の研磨用組成物。
  14. カチオン変性シリカ粒子と、有機酸基またはその塩の基を有する非芳香族架橋環状化合物と、水とを混合することを含む、研磨用組成物の製造方法。
  15. 下記一般式2で表される化合物をさらに混合することを含む、請求項14に記載の研磨用組成物の製造方法:
    Figure 2021155699

    上記一般式2において、
    は、CR1111’またはC=Oであり、
    は、CR1212’またはC=Oであり、
    は、CR1313’またはC=Oであり、
    は、CR1414’またはC=Oであり、
    10、R11、R11’、R12、R12’、R13、R13’、R14およびR14’は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換されたもしくは非置換の炭化水素基、置換されたもしくは非置換のオキシ炭化水素基、置換されたもしくは非置換のポリオキシアルキレン基、または下記一般式3で表される基であり、
    Figure 2021155699

    上記一般式3において、R15は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、または置換されたもしくは非置換の炭化水素基であり、
    *は、上記一般式2の環構成窒素原子(N)と結合する結合手であり、
    前記R10、前記R11、前記R11’、前記R12、前記R12’、前記R13、前記R13’、前記R14、前記R14’および前記R15の少なくとも1つが置換された基である場合、置換基は、それぞれ独立して、重水素原子、ハロゲン原子、非置換のオキシ炭化水素基、または非置換のポリオキシアルキレン基である。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて、または、
    請求項14または15に記載の製造方法で研磨用組成物を製造し、製造された研磨用組成物を用いて、
    研磨対象物を研磨する、研磨方法。
  17. 研磨対象物が基板材料であり、請求項16に記載の研磨方法によって前記基板材料を研磨することを含む、半導体基板の製造方法。
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