JP2021153486A - 異風味を低減させた蛋白質飲料の製造方法 - Google Patents

異風味を低減させた蛋白質飲料の製造方法 Download PDF

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優一 湯澤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、蛋白質特有の異風味の発生を抑制した蛋白質飲料を提供することである。【解決手段】蛋白質飲料製造時において、中鎖脂肪酸がトリアシルグリセロールを構成する状態で、中鎖脂肪酸として蛋白質飲料に対して0.1〜5重量%に相当する量を混合し、加熱殺菌することにより、異風味の発生を低減させた良好な風味の蛋白質飲料を得る事が可能となる。【選択図】なし

Description

本発明は、異風味を低減させた蛋白質飲料の製造方法に関する。
近年、健康に対する人々の意識が益々高くなり健康食品市場は大きくその市場を伸ばしている。中でも蛋白質は、栄養成分,生理効果の面から特に注目を浴びている。
その中でも大豆を供給源とする大豆たん白は蛋白補給源,抗コレステロール効果,脂肪燃焼効果等が期待されている。分離大豆蛋白質等の大豆蛋白質素材は、これらの効果を謳った粉末飲料や焼き菓子等をはじめとする健康食品開発の素材原料としては、一部利用されるようになってきた。また、他にもエンドウ豆を供給源とするたん白、乳を供給源とする乳たん白、ホエーたん白なども用いられている。
これら蛋白質素材、特に大豆由来のものは、栄養健康市場や高栄養液体食品市場においては高配合される場面が多い。しかし、高配合されることによって、大豆に元々存在したり、加工工程で発生する、アルデヒド類,ケトン類,アルコール類などの不快臭成分から成るいわゆる大豆臭が発生し、また後味として、渋味,収斂味が強く感じられるなどの問題があり、風味に関してより一層の改良を望む声が強くなっている。そして、エンドウ豆や乳たん白であっても、分離した蛋白特有の異風味による市場からの改善要望は存在する。
その中で、特許文献1のように大豆臭を低減させる手法についても考案されているが、更なる風味向上が求められている。
加えて、大豆蛋白質は室温で長期保存する中で風味の劣化が起こり易く、多くの市場から改善を求められているが、未だ十分ではない。
また、特許文献2では、異臭が減少したダイズたんぱく質製品として、超臨界二酸化炭素を利用する方法が提案されているが、いずれも特定の乳酸菌の培養物や超臨界二酸化炭素といった特殊な物質を利用するものである。
一方、MCT(中鎖脂肪酸油脂)を蛋白と組み合わせた発明は、風味改善効果を期待したもの以外にはあった。
例えば、油脂を10〜40質量%、糖質を0〜5質量%、及び、たんぱく質を1〜10質量%含み、かつ、中鎖脂肪酸の含有量が7〜23質量%である、ゲル状乳化食品という発明がある(特許文献3)。しかしこの発明は中鎖脂肪酸を高含量含み低糖質である、高カロリー及び低糖質のゲル状乳化食品の食後の不快感の抑制が課題であり、本発明の課題とするところが異なる為、MCTの添加量が極端に多く、風味の改善を課題とする本発明とは根本的に異なるものである。MCTを併用したタンパク質素材の発明は特許文献4など他にもあるが、基本栄養機能を期待したものであり、そして生理的に得意な機能を持つMCTの添加量が必然的に多く、本発明のような風味改善に、しかも工程上に特定なタイミングでの添加をすることで課題が解決される点への示唆があったものは全くなかった。
特開2007−319046号公報 特表2008−543343号公報 特開2016−021889号公報 特開2012−197293号公報
本発明は、蛋白質特有の異風味の発生を抑制した蛋白質飲料を比較的簡便な方法で提供することである。
本発明者は上記課題に対して鋭意研究を行った結果、蛋白質飲料に対して0.1〜5重量%に相当する中鎖脂肪酸を、トリアシルグリセロールを構成する状態にて混合し、加熱殺菌することにより、異風味の発生を低減させ、良好な風味のものが得られるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1) 蛋白質を含む、蛋白質飲料の製造方法において、蛋白質飲料に対して0.1〜5重量%に相当する中鎖脂肪酸を混合し、加熱殺菌することを特徴とする、蛋白質飲料の製造方法。ただし中鎖脂肪酸はトリアシルグリセロールを構成する状態で用いる。
(2) 蛋白質飲料に対して0.05〜1.5重量%のエタノールを混合し加熱殺菌することを特徴とする、(1)記載の蛋白質飲料の製造方法。
(3) エタノールが蒸留酒である(1ないし(2記載の蛋白質飲料の製造方法。
(4) 植物性由来の蛋白質を1〜12重量%含有する(1)ないし(3)のいずれか1項記載の蛋白質飲料の製造方法。
(5) 80℃〜160℃、2秒〜60分間加熱殺菌する(1)ないし(4)のいずれか1項記載の蛋白質飲料の製造方法。
(6) 加熱処理が直接加熱工程と脱気工程よりなる(1)ないし(5)のいずれか1項記載の蛋白質飲料の製造方法、である。
本発明によって、異風味の発現が抑えられた蛋白質飲料を比較的簡便な方法で提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(蛋白質飲料)
蛋白質飲料は蛋白質素材を蛋白質溶液であり、主に水相に蛋白質を溶解あるいは分散させたものである。
なお、ここで飲料と称しており、用途としては飲料用途であることが主ではあるが、蛋白質溶液であれば用途は限定されず、そのあと、何らかの蛋白質含有食品の原料として用いても構わない。
本発明において、蛋白質素材とは蛋白質を主成分とし、各種飲食品その他の加工製品の製造において使用される原料素材である。この蛋白質素材は、蛋白質を含む原料(蛋白質原料)からさらに加工して調製される。
(蛋白質原料)
蛋白質原料の由来は蛋白質を含むものであれば特に限定はされないが大まかには植物性蛋白質素材と動物性蛋白質素材に分けられる。
本明細書において、植物性蛋白質素材とは、植物性蛋白質を主成分とするものであり、また動物性蛋白質素材は動物性蛋白質を主成分とするもので、双方とも各種加工食品や飲料に原料として使用されている食品素材である。
該植物性蛋白質素材の由来の例として、大豆、エンドウ、緑豆、ルピン豆、ヒヨコ豆、インゲン豆、ヒラ豆、ササゲ等の豆類、ゴマ、キャノーラ種子、ココナッツ種子、アーモンド種子等の種子類、とうもろこし、そば、麦、米などの穀物類、野菜類、果物類などが挙げられる。一例として大豆由来の蛋白質素材の場合、脱脂大豆や丸大豆等の大豆原料からさらに蛋白質を濃縮加工して調製されるものであり、一般には分離大豆蛋白質、濃縮大豆蛋白質や粉末豆乳、あるいはそれらを種々加工したものなどが概念的に包含される。
該動物性蛋白質素材の由来の例として、乳蛋白やゼラチンなどが、乳蛋白素材としては、ホエー蛋白、カゼイン又はその塩、全脂粉乳、脱脂粉乳、TMP、MPC等が挙げられる。
より望ましくは、昨今の環境負荷が懸念される動物由来の動物性蛋白素材より、植物性蛋白素材由来のものが望ましい。また、動物由来のものより、植物由来のものの方が人間の味覚においては異風味を感じやすく、本願の異風味低減技術を用いる事で、活用されにくかった植物性蛋白素材においてもより好適に用いる事が出来る。また、その資源的な量とコスト、それに元々持つ異風味の強さなどから大豆由来の蛋白素材に対してもっとも好適である。
(蛋白質飲料中の蛋白質含有量)
本発明では、蛋白質飲料中の蛋白質含有量としては、好ましくは12重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらにより好ましくは8重量%以下である。また、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。
(蛋白質飲料中の中鎖脂肪酸含有量)
本発明において中鎖脂肪酸とは、一般的には炭素数6〜12の飽和脂肪酸をいうが、本願における中鎖脂肪酸は炭素数は8〜10のものとする。
一般に食用油脂はトリアシルグリセロールより構成されており、グリセリンに3分子の脂肪酸がエステル結合したものである。
油脂はトリアシルグリセロールからなるが、本願においては、中鎖脂肪酸がトリアシルグリセロールを構成する状態を「中鎖脂肪酸を含有する油脂」とする。
中鎖脂肪酸は蛋白質飲料に対して0.1〜5重量%に相当する量含まれている必要があり、それは中鎖脂肪酸を含有する油脂として配合されている。中鎖脂肪酸単独では風味に悪影響が出かねないので、中鎖脂肪酸はトリアシルグリセロールを構成する脂肪酸として存在している必要がある。
トリアシルグリセロールには脂肪酸が3分子結合するが、中鎖脂肪酸がその3分子すべてでも一部であっても、中鎖脂肪酸が蛋白質飲料に対して、上記0.1〜5重量%の規定を満たせばかまわない。
ただし、天然の油脂には中鎖脂肪酸成分はヤシなどには含まれるものの微量である為、加水分解して脂肪酸とした物を再度、グリセリンにエステル結合をして、中鎖脂肪酸を高純度に含む油脂とする中鎖脂肪酸油脂(以降、MCTと称し、構成する脂肪酸のほぼ全部が中鎖脂肪酸)とすることが多い。本発明においては油脂全体量に対するMCTの含有量にて規定しても構わないものとする。
中鎖脂肪酸含有量、またはMCTの含有量は前述のとおり、蛋白質飲料全量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
配合量が0.1重量%未満の場合は蛋白質の異風味を抑制しにくくなる。また、油脂の乳化が出来る限りは特に物性的な上限はないのではあるが、5重量%を越えると油性感が強くなり、また、比較的高価であるMCTが蛋白質飲料自体のコストを押し上げかねない。
また、配合上の条件は以上の通りだが、この中鎖脂肪酸を含有する油脂は蛋白質飲料が加熱殺菌される前に配合されている必要がある。加熱殺菌の後では蛋白質の異風味を低減する効果が乏しい。
(蛋白質飲料中のエタノール配合量)
本発明において蛋白質飲料はエタノールを配合することが望ましい。本発明におけるエタノールとしては、純エタノールに限定されずエタノールを含有するものなら好適に用いる事ができるが、特に蒸留酒であることが望ましい。蒸留酒とはとは、甲類焼酎、乙類焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラや、リキュール、スピリッツ等々の、蒸留工程を経た酒のことである。すなわち、醸造工程を経た不揮発成分が蒸留で除かれ、これらが殆ど混入していないものである。一般的にエタノール濃度が高く、添加量が小量でもエタノールとしての添加量が大きい点、また蒸留後のエタノール濃度が高い状態で施された状態のものを、樽などで熟成した際に樽の風味が移ることでより、蛋白質の異風味を低減させることができる。中でもブランデーは入手しやすさと、蛋白質の異風味に対する相性から望ましい。
なお以下の規定におけるエタノールは純エタノールとして算出する。すなわちエタノール純度が100重量%でない蒸留酒は添加した蒸留酒量にアルコール度数を乗じたものである。
また、本発明の製造方法は、上記エタノールを植蛋白質飲料全量に対して0.05〜1.5重量混合することを特徴とし、より好ましくは0.07〜1.2重量%、さらに好ましくは0.1〜0.8重量%混合することにより、本発明の風味改良効果がより一層発揮される。
エタノールの混合量が植物性たんぱく質に対して0.05重量%を下回ると、好ましくない風味を低減する効果を得ることが困難である。
また、エタノールの混合量が植物性たんぱく質に対して1.5重量%を超えると、好ましくない風味が低減するのみならず、原料由来の良好な風味をも低減させ、さらに加熱殺菌後もアルコールの風味が残存する恐れがある。
また、配合上の条件は以上の通りだが、このエタノールは配合される場合は、蛋白質飲料が加熱殺菌される前になされている必要がある。加熱殺菌の後では蛋白質の異風味を低減する効果が乏しい。
(蛋白質飲料の製造態様)
本発明の蛋白質飲料は、任意の水相成分、一例としては水に、上記の蛋白素材を配合して、混合し溶解する。さらに中鎖脂肪酸を含有する油脂と、望ましくはエタノールを添加して均質化する。水相成分、油脂、エタノールなどの添加の手順は効果に関与しない。
均質化の装置に制限はないが、高圧ホモゲナイザー、ホモミキサー、クリアミックス、ナノマイザー等が例示できる。
(加熱殺菌)
均質化後、蛋白質飲料は加熱殺菌を行う必要がある。加熱殺菌方法は常用の殺菌法をすべて実施することができるが、望ましくは直接加熱が、さらに望ましくは、蒸気吹き込み工程と、脱気工程を持つものであ
ここで、加熱工程には大別して、直接加熱と間接加熱があるが、直接加熱のなかでも、蒸気を加熱対象の中に直接吹き込む方法が望ましく、一例としては、VTIS、インフュージョン、インジェクションといったものがあげられる。また脱気工程とは、減圧状態にして蒸気や揮発成分を取り除く工程であり、特に限定はされないが、本来のVTISなどに付随している減圧装置を用いても構わない。
脱気工程は、蒸気吹き込み工程と同時、またはその後に行う方が好ましい。
本発明の製造方法で得られた蛋白質飲料は、異風味が低減されており、加熱殺菌後、そのまま液体として利用し、飲料用途、あるいは液状の蛋白質素材として用いることができる。
以下、本発明について実施例を示し、より詳細に説明する。なお、例中の数字は評価の点数を除き、重量基準を意味する。
<MCTの有無、アルコールの有無の系>
(実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例2)
水にたん白原料(不二製油株式会社 商品名:ニューフジプロ1900、大豆由来の分離大豆蛋白)、MCT(不二製油株式会社製 商品名:MCT−64)、アルコール(95重量%の含水エタノール)を添加混合、溶解し、60℃で、20分間予備乳化タンクで高速攪拌し予備乳化を行った。その後、加熱をしないものに関しては、ホモゲナイザーによって均質化し未殺菌の蛋白飲料を得た(加熱前、比較例1)。加熱をするものに関しては、予備乳化の後、VTIS殺菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、140〜150℃、3〜12秒秒加熱殺菌し 、均質化を行い、殺菌済みの蛋白飲料を得た。
得られた蛋白質飲料は風味の評価方法に従い表1に合わせて記載した。
<風味評価方法>
嗜好パネラー10名により、調整した蛋白飲料を試飲してもらい、飲料に不適な豆臭さや青臭さなどの異風味を感じるかを評価対象として5点満点の評点法で評価をしてもらい、その平均点を算出して考察した。なお評点基準は、異風味が最も少ないとパネラーが考えるものを5点とし、異風味が最も多いとパネラーが考えるものを1点とし、その程度差に応じて1〜5点を付けた。そして平均点が3.5点以上を合格点とした。
また別途、蛋白量の検討では蛋白量の増加に伴い、液に粘度がでてくるため、評価項目として飲用可能かどうかについても評価した。
Figure 2021153486
従来品である単にたんぱく質を水和させたタンパク飲料である比較例1、また流通においては殺菌加熱が必要である為、比較例1に加熱殺菌の工程が加わった比較例2は異風味が改善することはなく、大豆独特の「青臭い」臭気が感じられた。しかしMCTを配合した上で殺菌工程に供された実施例1は、異風味に明らかに改善効果があった。MCTは乳風味的な香気が感じられ、かつ微量であっても異風味をマスキングする効果が強く、また大豆と加熱前に事前に混和させることで、加熱時の異風味発生を抑える効果があるものと見られる。
また、アルコールをMCTと共にいれて加熱殺菌したものは、MCTのマスキング効果とは別に大豆たん白独特の青臭さ自体を減退させる効果があり、より効果的に異風味を抑制できた。
<アルコール量の系>
(実施例2〜実施例6)
実施例2〜実施例4としてアルコールの量を表2に示したとおり変更する以外は実施例1と同配合、同工程にて蛋白質飲料を作製した。
また、実施例6を、アルコールをブランデー(「サントリーブランデーベースリキュールVO製菓用」サントリースピリッツ株式会社製、アルコール度数39%)に置換する以外は実施例2と同配合、同工程にて蛋白質飲料を作製した。
得られた蛋白質飲料は評価を行い表2に合わせて示した。
比較の為、実施例1も表2に記載した。
Figure 2021153486
アルコール量が0. 05重量%である実施例3は弱いながらも無添加の実施例1より、異風味抑制効果が確認された。実施例2、4では抑制効果が適当であった。
また、アルコールとしてブランデーを用いた実施例6は、アルコール量としては実施例2と同程度であったが、異風味抑制効果が特に大きかった。
<MCT量検討の系>
(実施例7・実施例8)
実施例7・実施例8としてMCTの量を表3に示したとおり変更する以外は実施例6と同配合、同工程にて蛋白質飲料を作製した。
得られた蛋白質飲料は評価を行い表3に合わせて示した。
比較の為、実施例6も表3に記載した。
Figure 2021153486
実施例6、実施例7、実施例8はそれぞれ異風味の抑制効果は極めて高いものの、MCT量が1重量%と実施例6より少ない実施例7ではあったがブランデーの風味によるマスキング効果とあいまって異風味抑制効果は実施例6とそん色ないものであった。実施例8も抑制効果が適当ではあったが、MCTの量が多い割に実施例6より更に強いというほどではなく、また、MCTが増えた分油性感やコストが上昇した。
<蛋白質量検討の系>
(実施例9〜実施例11・比較例3)
実施例9〜実施例11・比較例3としてたんぱく質の量を表4に示したとおり変更する以外は実施例6と同配合、同工程にて蛋白質飲料を作製した。なお、アルコールとMCTはたんぱく質の量に対して実施例6と同じ比率になるよう調節した。
得られた蛋白質飲料は評価を行い表4に合わせて示した。
比較の為、実施例6も表4に記載した。
Figure 2021153486
実施例6、実施例9、実施例10、そして実施例11は、それぞれ異風味の抑制効果は極めて高いものであったが、実施例9は商品として高たんぱくを目標とする場合は最終製品の目標品質を達成できなくなる場合がある。また、たんぱく質自体が少ない為、異風味自体も少なく、本発明の効果を発揮しても評価として現れにくい。
実施例10と実施例11も飲料としてたんぱく質自体の濃度が高いが、異風味は大きく抑制されており飲用可能なレベルであった。しかし、比較例3は粘度が上昇し、作業が困難であった。
<蛋白質由来検討の系>
(実施例12・実施例13)
実施例12・実施例13として、たんぱく質の由来を表4に示したとおり変更する以外は実施例6と同配合、同工程にて蛋白質飲料を作製した。得られた蛋白質飲料は評価を行い表5に合わせて示した。
比較の為、実施例6も表5に記載した。
なお、エンドウたん白は(商品名「PP-CS」オルガノフードテック(株)社製、蛋白質含有量80%)、乳たんぱく質は(商品名「WPC80」Warrnambool Cheese & Butter Pty Ltd.社製、蛋白質含有量76.5%)を用いた。
Figure 2021153486
実施例6、実施例12、実施例13はそれぞれ異風味の抑制効果は極めて高いものであった、実施例12のエンドウたんぱく質は実施例6の大豆たん白とは異なる傾向の異風味(渋みは少なめだがやや青臭い)であったが、大豆たん白と同程度に異風味を抑制できることが確認できた。
また乳蛋白自体は大豆たん白やエンドウたん白ほど異風味が強くないものの、保存条件や産地によってはメイラード臭や、けもの臭が少なからずあるが、MCTによって付与されたマスキング効果は十分に効果を発揮しているものであった。
本発明者の製造方法を用いる事で、新しい工程を大きく付加する事なく、異風味の発生を低減させた良好な風味の蛋白質飲料を提供することが可能となった。

Claims (6)

  1. 蛋白質を含む、蛋白質飲料の製造方法において、蛋白質飲料に対して0.1〜5重量%に相当する中鎖脂肪酸を混合し、加熱殺菌することを特徴とする、蛋白質飲料の製造方法。ただし中鎖脂肪酸はトリアシルグリセロールを構成する状態で用いる。
  2. 蛋白質飲料に対して0.05〜1.5重量%のエタノールを混合し加熱殺菌することを特徴とする、請求項1記載の蛋白質飲料の製造方法。
  3. エタノールが蒸留酒である請求項1ないし請求項2記載の蛋白質飲料の製造方法。
  4. 植物性由来の蛋白質を1〜12重量%含有する請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の蛋白質飲料の製造方法。
  5. 80℃〜160℃、2秒〜60分間加熱殺菌する請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の蛋白質飲料の製造方法。
  6. 加熱処理が直接加熱工程と脱気工程よりなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の蛋白質飲料の製造方法。
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