JP2005323571A - レトルト臭除去剤及び飲食物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レトルト臭を除去し、食品本来の味や香りなどの風味と色調を活かし保持できるレトルト臭除去剤等の提供。
【解決手段】 タコノキ科タコノキ属植物の抽出物を含有するレトルト臭除去剤である。該タコノキ科タコノキ属植物が、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)及びパンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)のいずれかである態様が好ましい。該レトルト臭除去剤を添加してなる飲食物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、缶詰やレトルトパウチ食品などの密閉系で加圧加熱殺菌処理した食品のレトルト臭を低減又は除去でき、しかも、食品本来の味や香りなどの風味と色調を活かして保持することのできるレトルト臭除去剤及び該レトルト臭除去剤を添加してなる飲食物に関する。
近年、調理の簡便化への需要に応えてさまざまな缶詰やレトルトパウチ食品が市場に出回っている。調理済みの食品を常温流通させる場合、微生物の増殖を制御する方法としてレトルト装置で加圧加熱殺菌処理(レトルト殺菌処理)をすることは必須である。
前記レトルト殺菌法は、食品を耐熱性容器に充填密封し、レトルト層の温度を蒸気又は熱水などにより120℃程度にまで上昇させて殺菌処理する方法である。
このようなレトルト殺菌処理を施すと、食品の保存性を良好なものとすることができるが、独特なレトルト臭が発生してしまうという問題がある。
そこで、前記レトルト臭の発生を抑制するため、種々の方法が提案されている。例えば、緑茶抽出液中にサイクロデキストリンを添加する方法(特許文献1参照)、食品にサイクロデキストリンと、植物蛋白加水分解物(HVP)、又は動物蛋白加水分解物(HAP)を添加する方法(特許文献2参照)、食品に濃口生醤油及び薄口生醤油の少なくともいずれかを添加する方法(特許文献3参照)、食品に風味油を添加する方法(特許文献4参照)、等が提案されている。
しかしながら、これら添加物を食品に添加すると、食品本来の味や香りなどの風味、色調に悪影響を及ぼしてしまい、また、使用できる食品が限られてしまうという問題がある。
特開平1−174328号公報 特開平2−265445号公報 特開昭61−339364号公報 特開平6−339364号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、缶詰やレトルトパウチ食品などの密閉系でレトルト殺菌処理した食品におけるレトルト臭を簡便に低減又は除去することができ、食品本来の味や香り、風味、色調等を保持することができるレトルト臭除去剤及び該レトルト臭除去剤を添加した飲食物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、食品にタコノキ科タコノキ属植物の抽出物を添加することによって、意外にも、レトルト殺菌処理により発生する不快なレトルト臭を低減又は除去することができ、食品本来の風味、色調などを保持できるという知見である。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> タコノキ科タコノキ属植物の抽出物を含有してなることを特徴とするレトルト臭除去剤である。
<2> タコノキ科タコノキ属植物が、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)、パンダヌス・アンダマネンジウム(Pandanus andamanensium kurz.)、パンダヌス・ボニネンシス(Pandanus boninensis Weber)、パンダヌス・コノイデア(Pandanus conoidea Lamck)、パンダヌス・エデュリス(Pandanus edulis Thouars.)、パンダヌス・カフー(Pandanus kafu Mart.)、パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)及びパンダヌス・アティリス(Pandanus utilis Bory.)から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のレトルト臭除去剤である。
<3> タコノキ科タコノキ属植物が、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)及びパンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)のいずれかである前記<2>に記載のレトルト臭除去剤である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のレトルト臭除去剤を飲食物に添加してなることを特徴とする飲食物である。
なお、タコノキ科タコノキ属植物の抽出物は、皮膚に対して美白及び美肌作用を有することは知られている(特開2002−121110号公報)が、食品のレトルト臭を除去し、食品本来の自然な風味を活かせるという作用を有することについては全く知られておらず、このことは本発明者らの新知見である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、缶詰やレトルトパウチ食品などの密閉系でレトルト殺菌処理した際に生じるレトルト臭を簡便かつ効率よく除去又は低減することができ、食品本来の味や香り、風味、色調等を保持することができるレトルト臭除去剤及び該レトルト臭除去剤を添加してなる飲食物を提供できる。
(レトルト臭除去剤)
本発明のレトルト臭除去剤は、タコノキ科タコノキ属植物の抽出物を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記タコノキ科タコノキ属植物は、別名バイトーイとも呼ばれ、幹の途中から出てくるたくさんの気根(幹の途中から下に向かって伸び地面に潜って幹をしっかりと支える根を意味する)が、タコの足のように見えることから名付けられている。世界中で650種ほどが分布しており、原産地では防風林や防潮樹として利用されている。タコノキ属植物の葉は、細長くて縁や葉の裏に鋭いとげが上向きに生える品種が多く、葉の色は白や黄色の斑の入るものもあり、品種によって大きさはまちまちであるが、一般に育てられる限界は3mくらいである。
前記タコノキ科タコノキ属植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)、パンダヌス・アンダマネンジウム(Pandanus andamanensium kurz.)、パンダヌス・ボニネンシス(Pandanus boninensis Weber)、パンダヌス・コノイデア(Pandanus conoidea Lamck)、パンダヌス・エデュリス(Pandanus edulis Thouars.)、パンダヌス・カフー(Pandanus kafu Mart.)、パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)及びパンダヌス・アティリス(Pandanus utilis Bory.)から選択される少なくとも1種が挙げられ、これらの中でも、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)、パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記タコノキ科タコノキ属植物の抽出原料としては、全草、葉、茎、根、種子などの植物体の適宜な部分が用いられ、これらの中でも、葉が好適である。
前記タコノキ科タコノキ属植物の抽出物は、上記タコノキ科タコノキ属植物の抽出原料を用いて、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法により得ることができる。例えば、タコノキ科タコノキ属植物の葉を生のまま又は乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。抽出に用いる溶媒としては、水、親水性有機溶媒、及びこれらの混合溶媒のいずれかを室温乃至は溶媒の沸点程度の温度で用いることが好ましい。
前記タコノキ属植物の抽出処理としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を室温乃至は溶媒の沸点以下の温度で抽出することが好ましい。
前記水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合には、前記低級アルコールの場合には、水10質量部に対して低級アルコール1〜90質量部が好ましい。前記低級脂肪族ケトンの場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部が好ましい。前記多価アルコールの場合には、水10質量部に対して多価アルコール1〜90質量部が好ましい。
本発明において、抽出原料であるタコノキ属植物から有効成分を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に前記タコノキ属植物の抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃にて1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃にて30分〜4時間程度である。
得られたタコノキ属植物の抽出液は、特有の臭い、色調などを抑制する目的で、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。前記精製処理としては、例えば、薬品賦活炭、水蒸気賦活炭などの粉末活性炭を抽出液100質量部に対し10〜30質量部添加して行うことができる。
得られたタコノキ属植物の抽出液はそのままでもレトルト臭除去剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。
前記レトルト臭除去剤には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、界面活性剤、水溶性溶剤、色素、アルカリ剤、キレート剤、防腐剤、香料、などの任意の成分を配合することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン活性剤、ノニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤などが挙げられる。前記水溶性溶剤としては、例えば、エタノール、ポリエチレングリコール、アルキレングリコールなどが挙げられる。前記色素としては、例えば、カラーインデックスに記載の染料及び顔料などが挙げられる。前記アルカリ剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。前記キレート剤としては、例えば、EDTA、クエン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はその塩、などが挙げられる。
また、本発明のタコノキ属植物の抽出物は、粉末、顆粒、キューブ、ペースト、液体などいずれの形態でも良く、製剤化に際しては、必要に応じて更に分散剤、賦形剤等の任意の助剤を配合することができる。
前記任意の助剤としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸;セルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム末等の多糖類;大豆油、菜種油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などが挙げられる。
本発明のレトルト臭除去剤は、缶詰やレトルトパウチ食品などの密閉系で加圧加熱殺菌処理した食品のレトルト臭を低減又は除去でき、しかも、食品本来の味や香りなどの風味と色調を活かして保持することのでき、以下の飲食物に好適に添加することができる。
(飲食物)
本発明の飲食物は、前記本発明のレトルト臭除去剤を飲食物に添加してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
なお、前記本発明のレトルト臭除去剤は飲食物の製造工程の任意の段階で、過度の旨味を付与しない範囲で添加される。
前記添加対象である飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;缶詰;ソース、たれ等の調味料;種々の形態の健康・栄養補助食品;その他スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。これらの中でも、缶詰やレトルトパウチ食品等のレトルト殺菌処理が施されるものが特に好ましい。
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当たって、通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
本発明のタコノキ科タコノキ属植物の抽出物の飲食物に対する添加量は、添加する飲食物の種類に応じて異なり一概に規定することはできないが、タコノキ属植物の抽出物として飲食物全体の0.01〜10質量%が好ましい。前記タコノキ属植物の抽出物を上記範囲で添加することによって、マスキング剤の役目を果たし、食品本来の味や香り等の風味を全く損なうことなく、レトルト臭を効果的に除去することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1−1)
パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)の乾燥地上部20gを1リットルの30質量%エタノールに浸漬し、2時間還流下に加熱した。次いで、濾過して残渣を再び1リットルの30質量%エタノールで同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、6gのパンダヌス・オードラスの30質量%エタノール抽出物を得た(収率30%)。
(製造例1−2)
パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)の乾燥地上部20gを1リットルの50質量%エタノールに浸漬し、2時間還流下に加熱した。次いで、濾過して残渣を再び1リットルの50質量%エタノールで同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、4.5gのパンダヌス・オードラスの50質量%エタノール抽出物を得た(収率22.5%)。
(製造例1−3)
パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)の乾燥地上部20gを1リットルの80質量%エタノールに浸漬し、2時間還流下に加熱した。次いで、濾過して残渣を再び1リットルの80質量%エタノールで同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、4gのパンダヌス・オードラスの80質量%エタノール抽出物を得た(収率20%)。
(製造例1−4)
パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)の乾燥地上部20gを1リットルの99質量%エタノールに浸漬し、2時間還流下に加熱した。次いで、濾過して残渣を再び1リットルの99質量%エタノールで同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、3.5gのパンダヌス・オードラスの99質量%エタノール抽出物を得た(収率17.5%)。
(製造例2)
パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)の乾燥地上部20gを1リットルの熱水に浸漬し、2時間還流下に加熱した。次いで、濾過して残渣を再び1リットルの熱水で同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、6gのパンダヌス・アマリリフォリウスの熱水抽出物を得た(収率30%)。
(製造例3)
パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)の乾燥地上部20gを水蒸気蒸留し、得られた抽出液を減圧下に濃縮して、パンダヌス・アマリリフォリウスの水蒸気蒸留抽出物を得た。
(実施例1)
−お粥の調製−
米15gに対して水150mlを入れ、これに製造例1−3のパンダヌス・オードラスの80質量%エタノール抽出物0.05mlを添加して、本発明品1を調製した。
対照品として、パンダヌス・オードラスの抽出物を無添加のものを用意した。
次に、本発明品1、及び対照品をレトルトパウチに充填して密封し、120℃にて15分間、0.2MPaの加圧条件にてレトルト殺菌処理した後、冷却した。
<評価>
得られた本発明品1及び対照品について、以下のようにして、官能評価を行った。結果を表1に示す。
〔レトルト臭についての評価基準〕
0:レトルト臭がしない。
+1:レトルト臭が若干する。
+2:強くレトルト臭がする。
〔風味についての評価基準〕
−2:異風味が強く感じられる。
−1:異風味が感じられる。
0:異風味が感じられない。
+1:本来の風味が弱いが感じられる。
+2:本来の風味が感じられ、好ましい。
Figure 2005323571
表1の結果から、製造例1−3のパンダヌス・オードラスの抽出物を添加した本発明品1は、対照品と比べて、レトルト臭の発生がなく、炊きたてのお粥のような自然な風味を有していることが認められる。
(実施例2)
−ポタージュスープの調製−
無菌充填された調理済みポタージュスープ200gに対し、製造例3のパンダヌス・アマリリフォリウスの水蒸気抽出物を0.6ml添加し、混ぜ合わせて、本発明品2を調製した。
対照品として、パンダヌス・アマリリフォリウスの抽出物を無添加のものを用意した。
次に、本発明品2、及び対照品を缶に充填し、120℃にて30分間、0.2MPaの加圧条件にてレトルト殺菌処理した後、冷却した。
<評価>
得られた本発明品2及び対照品について、上記実施例1と同様にして、官能評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005323571
表2の結果から、製造例3のタコノキ属植物の抽出物を添加した本発明品2は、レトルト臭の発生が抑えられ、ポタージュ風味が引き立てられ、色調にも影響は見られなかった。
(実施例3)
−豆乳配合ココアの調製−
下記表3に示す配合処方にて、常法により豆乳を配合したココアを作製した。即ち、下記表3の配合処方をそれぞれ混ぜ合わせた後、60℃まで加温溶解し、ホモゲナイズを行い、缶に充填した。121℃にて20分間、加圧条件0.2MPaにてレトルト殺菌処理を行って、本発明品3、及び対照品のココアを調製した。
Figure 2005323571
次に、得られた本発明品3及び対照品について、上記実施例1と同様にして、官能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2005323571
表4の結果から、製造例1−1のタコノキ属植物の抽出物を添加した本発明品3は、対照品に比べて、明らかにレトルト臭を少なくすることができ、ココア風味を増すことができることが認められた。
(実施例4)
−ご飯の調製及び評価−
米2合に対し、水を450ml加え、製造例2の熱水抽出物を1ml添加し、炊飯器で米を炊いた。炊き上がり後のごはんを180gずつラップで個包装し、冷凍保管を行った。1週間後、電子レンジにて3分30秒加熱した(本発明品4)。コントロールとして、無添加のものを用いて、上記と同様に調理した(対照品)。
得られた本発明品4及び対照品について、上記実施例1と同様にして官能評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2005323571
表5の結果から、製造例2のタコノキ属植物の抽出物を添加した本発明品4は、対照品に比べて炊きたてのご飯に近い風味を有することが認められる。
(実施例5)
−クッキーの調製−
下記表6に示す配合処方で常法によりクッキーを作製した。即ち、180℃のオーブンで15分間焼いて、室温に保管した後、翌日、上記実施例1と同様にして、官能評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 2005323571
Figure 2005323571
表7の結果から、製造例1−4のタコノキ属植物の抽出物を添加した本発明品5は、対照品に比べて焼きたてのクッキーの風味を有していることが認められた。
(実施例6)
−プリンの調製−
下記表8に示す配合処方で、常法によりプリンを作製した。即ち、それぞれのポーションカップに充填し、80℃にて35分間殺菌を行い、上記実施例1と同様にして、官能評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 2005323571
Figure 2005323571
表9の結果から、製造例1−2のタコノキ属植物の抽出物を添加した本発明品6は、対照品に比べてプリンのコクが引き立てられていることが認められた。
本発明のタコノキ科タコノキ属植物の抽出物を飲食物に添加することによって、レトルト臭を効果的に除去でき、食品に過度の旨味を付与することなく、食品本来の味や香りや色調を保持した各種飲食物を提供できる。

Claims (4)

  1. タコノキ科タコノキ属植物の抽出物を含有してなることを特徴とするレトルト臭除去剤。
  2. タコノキ科タコノキ属植物が、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)、パンダヌス・アンダマネンジウム(Pandanus andamanensium kurz.)、パンダヌス・ボニネンシス(Pandanus boninensis Weber)、パンダヌス・コノイデア(Pandanus conoidea Lamck)、パンダヌス・エデュリス(Pandanus edulis Thouars.)、パンダヌス・カフー(Pandanus kafu Mart.)、パンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)及びパンダヌス・アティリス(Pandanus utilis Bory.)から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のレトルト臭除去剤。
  3. タコノキ科タコノキ属植物が、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)及びパンダヌス・オードラス(Pandanus odorus Rldl.)のいずれかである請求項2に記載のレトルト臭除去剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のレトルト臭除去剤を飲食物に添加してなることを特徴とする飲食物。
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