本発明は、少なくとも2つの垂直軸に沿って動くことができる試験質量と、少なくとも1つの測定構造とを含むMEMS加速度計を提供する。試験質量は、測定構造のセンス軸に沿って測定構造に機械的に結合され、それにより、センス軸に沿った試験質量の動きが、測定構造の可動部分を動かす。しかしながら、試験質量は、測定構造のセンス軸に垂直な1つまたは複数の軸に沿って測定構造から分離され、それにより、測定構造のセンス軸に垂直な試験質量の動きは、測定構造の可動部分を動かさない。したがって、センス軸に垂直な可動測定構造の寄生運動によって引き起こされる軸交差誤差が低減される。多軸加速度計では、これにより、軸交差誤差を導入することなく両方の軸に大型の試験質量を使用することがさらに可能になり、これによって加速度計の熱雑音性能が改善される。
本発明の第1の態様によれば、MEMS加速度計が提供される。加速度計は、
・基板平面を規定する基板と、
・少なくとも第1の軸および第2の軸に沿って基板に対して動くように構成された少なくとも1つの面内試験質量であって、第1の軸および第2の軸が基板平面に平行であり、互いに垂直である、少なくとも1つの面内試験質量と、
・第1の軸に平行な第1の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第1の測定構造であって、基板に対して可動な第1の可動測定構造を備える、第1の測定構造と
を備える。
加速度計は、少なくとも1つの面内試験質量が、第1の軸に沿った試験質量および第1の可動測定構造の動きを機械的に結合し、第2の軸に沿った試験質量および第1の可動測定構造の動きを機械的に分離する少なくとも1つのばねによって第1の可動測定構造に接続されるように構成される。
第1の可動測定構造は、第2の軸に沿った第1の可動測定構造および第1の固定支持構造の動きを機械的に結合し、第1の軸に沿った第1の可動測定構造および第1の固定支持構造の動きを機械的に分離する少なくとも1つのばねによって、第1の固定支持構造に接続することができる。
第1の測定構造はまた、基板に対して固定された第1の固定測定構造を備えることもできる。
第1の可動測定構造は、少なくとも1つの第1の可動電極を備えることができ、第1の固定測定構造は、少なくとも1つの第1の固定電極を備える。
第1の測定構造は、第1の軸に平行な少なくとも1つの面内試験質量の動きによって引き起こされる第1の固定コーム電極と第1の可動コーム電極との間の静電容量の変化を測定するように構成することができる。
少なくとも1つの第1の可動電極および少なくとも1つの第1の固定電極は、コーム電極であってもよく、コーム電極はコームキャパシタを形成する。
加速度計は、第2の軸に平行な第2の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第2の測定構造をさらに備えることができ、第2の測定構造は、基板に対して可動な第2の可動測定構造を備える。少なくとも1つの面内試験質量は、第2の軸に沿った試験質量および第2の可動測定構造の動きを機械的に結合し、第1の軸に沿った試験質量および第2の可動測定構造の動きを機械的に分離する少なくとも1つのばねによって第2の可動測定構造に接続される。
第2の測定構造はまた、基板に対して固定された第2の固定測定構造を備えることもできる。
第2の可動測定構造は、少なくとも1つの第2の可動電極を備えることができ、第2の固定測定構造は、少なくとも1つの第2の固定電極を備える。
第2の測定構造は、第2の軸に平行な少なくとも1つの面内試験質量の動きによって引き起こされる第2の固定コーム電極と第2の可動コーム電極との間の静電容量の変化を測定するように構成することができる。
少なくとも1つの第2の可動電極および少なくとも1つの第2の固定電極は、コーム電極であってもよく、コーム電極はコームキャパシタを形成する。
ばねは、各々がその長手方向軸に沿った圧縮に抵抗し、基板平面に平行な横軸に沿ったばねの屈曲を可能にするビームばねであってもよい。
各ビームばねはまた、基板平面に垂直な横軸に沿ったばねの屈曲に抵抗することができる。
MEMS加速度計は、基板またはキャップウェハに固定することができ、測定構造の測定軸に垂直な少なくとも1つの方向における可動測定構造の動きを制限する1つまたは複数のストッパをさらに備えることができる。
MEMS加速度計は、第1の軸に平行な第1の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第3の測定構造をさらに備えることができ、第3の測定構造は、基板に対して可動な第3の可動測定構造と、基板に対して固定された第3の固定測定構造とを備え、第3の測定構造は、MEMS加速度計の第1の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第3の可動測定構造および第3の固定測定構造の配置構成は、第2の軸に平行であり、可動測定構造と固定測定構造との間に位置する反転中心軸を中心とした第1の可動測定構造および第1の固定測定構造の配置構成の反転である。
第1の可動測定構造および第3の可動測定構造は、中央ビームによって接続されて、一体型可動測定構造を形成することができる。
第1の可動測定構造および第3の可動測定構造の各々は、長手方向ビームであってもよく、中央ビームは、各長手方向ビームの中心から延在する横方向ビームであってもよく、長手方向ビームは第1の軸に平行に配置され、横方向ビームは第2の軸に平行に配置される。
第1の固定測定構造は、2つの第1の固定測定構造を備えてもよく、第3の固定測定構造は、2つの第3の固定測定構造を備え、第1の固定測定構造および第3の固定測定構造は、長手方向ビームの間に配置され、結果、第1の固定測定構造のうちの1つおよび第1の第3の固定測定構造のうちの1つは、中央ビームの各側に配置される。
一体型可動測定構造は、4つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続することができ、4つのばねの各々は、長手方向ビームの端部のうちの1つに配置される。
一体型可動測定構造は、4つのばねによって固定支持構造に接続することができ、4つのばねの各々は、長手方向ビームの端部のうちの1つに配置される。
第1の可動測定構造および第3の可動測定構造の各々は、長手方向ビームであってもよく、第1の固定測定構造および第3の固定測定構造は、第1の可動測定構造と第3の可動測定構造との間に位置してもよい。
第1の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続することができ、2つのばねの各々は、第1の可動測定構造の中心において、または第1の可動測定構造の中央25%内で第1の可動測定構造に接続され、第3の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、2つのばねの各々は、第3の可動測定構造の中心において、または第3の可動測定構造の中央25%内で第3の可動測定構造に接続される。
第1の可動測定構造は、2つのばねによって第1の固定支持構造に接続することができ、2つのばねの各々は、第1の可動測定構造の端部の1つに配置され、第3の可動測定構造は、2つのばねによって第3の固定支持構造に接続され、2つのばねの各々は、第3の可動測定構造の端部の1つに配置される。
第1の固定支持構造および第3の固定支持構造は、加速度計の中心にある共通のアンカー点に接続することができる。
第1の固定測定構造および第3の固定測定構造は、加速度計の中心にある共通のアンカー点に接続することができる。
MEMS加速度計は、第2の軸に平行な第2の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第4の測定構造をさらに備えることができ、第4の測定構造は、基板に対して可動な第4の可動測定構造と、基板に対して固定された第4の固定測定構造とを備え、第4の測定構造は、MEMS加速度計の第2の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第4の可動測定構造および第4の固定測定構造の配置構成は、第1の軸に平行であり、可動測定構造と固定測定構造との間に位置する反転中心軸を中心とした第2の可動測定構造および第2の固定測定構造の配置構成の反転である。
第2の可動測定構造および第4の可動測定構造の各々は、長手方向ビームであってもよく、第2の固定測定構造および第4の固定測定構造は、第2の可動測定構造と第4の可動測定構造との間に位置してもよい。
第2の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続することができ、2つのばねの各々は、第1の可動測定構造の中心において、または第1の可動測定構造の中央25%内で第1の可動測定構造に接続され、第4の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、2つのばねの各々は、第3の可動測定構造の中心において、または第3の可動測定構造の中央25%内で第3の可動測定構造に接続される。
第2の可動測定構造は、2つのばねによって第1の固定支持構造に接続することができ、2つのばねの各々は、第2の可動測定構造の端部の1つに配置され、第4の可動測定構造は、2つのばねによって第3の固定支持構造に接続され、2つのばねの各々は、第4の可動測定構造の端部の1つに配置される。
第2の測定構造および第4の測定構造は、加速度計の対向する両側に配置することができ、結果、第1の測定構造および第3の測定構造は第2の測定構造と第4の測定構造との間に配置される。
少なくとも1つの面内試験質量は、ほぼ長方形の外周および中空中心を有することができ、測定構造、固定支持構造、およびばねは、少なくとも1つの面内試験質量の中空中心内に配置される。
加速度計は、少なくとも2つの面外試験質量をさらに備えることができ、面外試験質量は、基板平面に対して非平行に回転するように構成され、少なくとも2つの試験質量の結合重心は、加速度計の中心にある。
加速度計は、基板平面に対して非平行な少なくとも2つの面外試験質量の回転を検知するように構成された面外センス回路をさらに備えることができる。
面外センス回路は、各面外試験質量上に配置された1つまたは複数の可動電極と、基板に対して固定位置にある固定電極とを備えることができ、可動電極と固定電極はキャパシタを形成し、当該キャパシタの静電容量は、面外試験質量が回転軸を中心に回転するときに変化する。
各面外試験質量の重心は、その回転軸からオフセットすることができ、結果、
・面外軸の外部加速度が各試験質量の非対称質量に作用して、回転軸を中心とした試験質量の回転を引き起こし、
・基板平面に平行な第1の軸における外部加速度が、両方の試験質量の非対称質量および対称質量に作用して、基板平面に平行な試験質量の運動を引き起こす。
少なくとも2つの面外試験質量は、少なくとも1つの面内試験質量に回転可能に接続することができ、結果、基板平面に平行な少なくとも2つの面外試験質量の運動が、基板平面に平行な少なくとも1つの面内試験質量の運動を引き起こす。
少なくとも2つの面外試験質量が、ねじりばねを介して少なくとも1つの面内試験質量に接続することができ、ねじりばねは、基板平面に非平行な少なくとも2つの面外試験質量の回転を可能にし、少なくとも1つの面内試験質量に対する基板平面に平行な少なくとも2つの試験質量の動きに抵抗する。
少なくとも2つの面外試験質量は、少なくとも1つの面内試験質量に対してMEMS加速度計の外側に向かって配置することができる。
面外面試験質量は、少なくとも1つの面内質量の外部にわたって延伸する2つのC字形シーソー試験質量を含むことができ、結果、2つのC字形面外試験質量は鏡像として配置され、試験質量は、面外軸の外部加速度に応答して反対方向に回転するように構成される。
2つのC字形面外試験質量は、少なくとも2つのばねによって結合することができ、少なくとも1つのばねがC字形の各端部に配置され、結果、ばねは、2つのC字形面外試験質量の反対方向の回転を可能にし、ただし、同じ方向における2つのC字形面外試験質量の回転に抵抗する。
第2のセンス回路は、シーソー試験質量上に配置された8つの電極と、シーソー試験質量の上方または下方に配置された8つの電極とを含むことができ、8つの間隙検出キャパシタが形成され、各キャパシタはシーソー試験質量電極の1つ、および、シーソー試験質量の上方または下方に配置された電極の1つから形成され、
・各試験質量上には4つの電極が位置し、
・各試験質量上で、第1の電極対がシーソー試験質量のC字形の第1の端部に位置し、第2の電極対がシーソー試験質量のC字形の第2の端部に位置し、
・各電極対内で、第1の電極はシーソー試験質量の回転軸からシーソー試験質量のC字形の中央に向かって配置され、第2の電極はシーソー試験質量の回転軸からシーソー試験質量のC字形の端部に向かって配置される。
Z方向の加速度計の加速度は、二重微分測定を使用して、間隙検出キャパシタの静電容量の変化から測定することができる。
第1の可動測定構造は、2つのコーム電極を備えることができ、各コーム電極は、第1の可動測定構造から外方に反対方向に延在し、結果、コーム電極のフィンガが第2の軸に平行に延在する。
第1の可動測定構造は、第2の軸に平行に延在する横方向ビームと、第1の軸に平行に横方向ビームから外方に延在するように接合された2つの長手方向ビームとを備えることができ、結果、第1の軸に沿って延在する2つの長手方向ビーム間の間隙が存在する。
少なくとも1つの面内試験質量を第1の可動測定構造に接続するばねは、可動測定構造の横方向ビームに接続することができ、長手方向ビーム間の間隙内に配置される。
コーム電極のうちの1つは、各長手方向ビームに接続され、各長手方向ビームから外方に延在することができる。
加速度計は、2つの第1の固定測定構造をさらに備えることができ、固定測定構造は、その長手方向軸が互いに垂直かつ基板平面に平行に、加速度計の中心から外方に延在するビームを備える。
各第1の固定測定構造は、第1の軸に対して45度の角度で加速度計の中心から外方に延在することができる。
第1の可動測定構造は、第1の固定測定構造の間に少なくとも部分的に配置することができる。
固定測定構造は、固定測定構造から第1の可動測定構造に向かって延在して2つのコームキャパシタを形成するコーム電極をさらに備えることができる。
第2の可動測定構造は、2つのコーム電極を備えることができ、各コーム電極は、第2の可動測定構造から外方に反対方向に延在し、結果、コーム電極のフィンガが第1の軸に平行に延在する。
第2の可動測定構造は、第1の軸に平行に延在する横方向ビームと、第2の軸に平行に横方向ビームから外方に延在するように接合された2つの長手方向ビームとを備えることができ、結果、第2の軸に沿って延在する2つの長手方向ビーム間の間隙が存在する。
少なくとも1つの面内試験質量を第2の可動測定構造に接続するばねは、可動測定構造の横方向ビームに接続することができ、長手方向ビーム間の間隙内に配置される。
コーム電極のうちの1つは、各長手方向ビームに接続することができ、各長手方向ビームから外方に延在することができる。
加速度計は、2つの第2の固定測定構造をさらに備えることができ、第2の固定測定構造は、その長手方向軸が互いに垂直かつ基板平面に平行に、加速度計の中心から外方に延在するビームを備える。
各第2の固定測定構造は、第2の軸に対して45度の角度で加速度計の中心から外方に延在することができる。
第2の可動測定構造は、第2の固定測定構造の間に少なくとも部分的に配置することができる。
第2の固定測定構造は、第2の固定測定構造から第1の可動測定構造に向かって延在して2つのコームキャパシタを形成するコーム電極をさらに備えることができる。
MEMS加速度計は、第1の軸に平行な第1の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第3の測定構造をさらに備えることができ、第3の測定構造は、基板に対して可動な第3の可動測定構造と、基板に対して固定された2つの第3の固定測定構造とを備え、第3の測定構造は、MEMS加速度計の第1の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第3の可動測定構造および第3の固定測定構造の配置構成は、MEMS加速度計の中心軸を中心とした第1の可動測定構造および第1の固定測定構造の配置構成の反転である。
MEMS加速度計は、第2の軸に平行な第2の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第4の測定構造をさらに備えることができ、第4の測定構造は、基板に対して可動な第4の可動測定構造と、基板に対して固定された2つの第4の固定測定構造とを備え、第4の測定構造は、MEMS加速度計の第2の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第4の可動測定構造および第4の固定測定構造の配置構成は、MEMS加速度計の中心軸を中心とした第2の可動測定構造および第2の固定測定構造の配置構成の反転である。
第1の可動測定構造、第2の可動測定構造、第3の可動測定構造、および第4の可動測定構造の横方向ビームは、横方向ビームの外縁が正方形の周縁の一部を形成するように配置することができる。
少なくとも1つの面内試験質量は、加速度計が静止しているときに加速度計の中心に位置することができる。
第1の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第1の固定支持構造に接続することができ、少なくとも1つのばねによって第2の固定支持構造に接続することができる。
第2の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第1の固定支持構造に接続することができ、少なくとも1つのばねによって第3の固定支持構造に接続することができる。
第3の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第3の固定支持構造に接続することができ、少なくとも1つのばねによって第4の固定支持構造に接続することができる。
第4の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第4の固定支持構造に接続することができ、少なくとも1つのばねによって第2の固定支持構造に接続することができる。
第1の固定支持構造、第2の固定支持構造、第3の固定支持構造、および第4の固定支持構造は、それぞれ第1のアンカー点、第2のアンカー点、第3のアンカー点、および第4のアンカー点において基板に固定することができ、固定支持構造は、第1の軸に対して45度の角度および第2の軸に対して45度の角度で、アンカー点から加速度計の外部に向かって外方に延在することができる。
第1の固定支持構造は、第1の固定測定構造のうちの1つと第2の固定測定構造のうちの1つとの間に配置することができ、隣接する第1の固定測定構造および第2の固定測定構造に平行に延在することができる。
第2の固定支持構造は、第1の固定測定構造のうちの1つと第4の固定測定構造のうちの1つとの間に配置することができ、隣接する第1の固定測定構造および第4の固定測定構造に平行に延在することができる。
第3の固定支持構造は、第2の固定測定構造のうちの1つと第3の固定測定構造のうちの1つとの間に配置することができ、隣接する第2の固定測定構造および第3の固定測定構造に平行に延在することができる。
第4の固定支持構造は、第3の固定測定構造のうちの1つと第4の固定測定構造のうちの1つとの間に配置することができ、隣接する第3の固定測定構造および第4の固定測定構造に平行に延在することができる。
第1のばねが、各固定支持構造から固定支持構造の長手方向軸に沿って加速度計の角まで延在することができ、そこで、第1のばねに対して45度の角度かつ互いに対して90度の角度で第1のばねから外方に延在する第2のばねおよび第3のばねに接続され、第2のばねおよび第3のばねは隣接する可動測定構造に接続される。
図1は、本発明による2軸MEMS加速度計の第1の実施形態を示す。図1は、加速度計が上に形成される基板が紙面の平面、すなわちX−Y平面と平行になるような、加速度計の上面図を示す。基板は、シリコン、または加速度計のMEMS構造を形成するようにパターニングすることができる任意の他の適切な材料であってもよい。基板の上面は、ほぼ平坦であり、図1の紙面の平面に平行であり得る基板平面を画定する。基板平面は、以下でより詳細に説明するMEMS構造と交差してもよく、またはMEMS構造の上方もしくは下方に位置してもよい。基板平面の正確な垂直位置は重要ではなく、その向きのみが重要である。基板平面は、X−Y平面に平行であり、その中に後述するX軸およびY軸が存在する。X軸およびY軸は、第1の軸および第2の軸として参照される場合もある。
加速度計は、加速度計構成要素の外側の周りに延在する試験質量101を含み、すなわち、試験質量101は、基板平面に平行な残りの加速度計構成要素を囲む。基板平面に平行な試験質量101のプロファイルは、加速度計構成要素を中に配置することができる中空中心を有する規則的な対称形状である。図1の具体的な例では、試験質量101は長方形である。試験質量は、基板平面に垂直な、すなわちZ軸内の厚さを有する。試験質量101の厚さおよび垂直位置は、Z軸における試験質量101の重心が、試験質量101が基板に対して動くことを可能にするばね構造(以下により詳細に説明する)に対して中心付けられるようなものである。したがって、基板平面内でのMEMS加速度計の動きは、試験質量101を基板平面との平行から外れて回転させない。
上述したように、試験質量101は、複数のばねおよび介在構造によって基板に対して動くことができ、それによって試験質量は基板の上方に懸架される。図1に示す加速度計の右半分(すなわち、紙面の右半分)において、試験質量101は、ばね116aおよび116bによって可動Y軸測定構造112に接続されている。可動Y軸測定構造112は浮動している、すなわち、基板に直接固定されておらず、したがって、可動Y軸測定構造と1つまたは複数の基板アンカー点との間の介在構造によって許容されるように基板に対して動くことができる。ばね116aおよび116bは、Y軸に沿った試験質量101の動きが可動Y軸測定構造112に強く機械的に結合され、一方で、X軸に沿った試験質量101の動きが可動Y軸測定構造112に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。ばね116aおよび116bの正確な形状および形態は、下記により詳細に説明される。結果、ばね116aおよび116bは、試験質量101が可動Y軸測定構造112に対してX軸に沿って動くことを可能にする一方で、試験質量101が可動Y軸測定構造112に対してY軸に沿って動くことに抵抗する。したがって、試験質量101および可動Y軸測定構造112は、Y軸において機械的に結合され、X軸において機械的に分離されると考えられる。
可動Y軸測定構造112は、次に、ばね117aおよび117bによって固定支持構造115に接続される。ばね117aおよび117bは、X軸に沿った可動Y軸測定112構造の動きが固定支持構造115に強く機械的に結合され、一方で、Y軸に沿った可動Y軸測定構造112の動きが固定支持構造115に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。やはり、ばね117aおよび117bの正確な形状および形態は、下記により詳細に説明される。結果、ばね117aおよび117bは、可動Y軸測定構造112が固定支持構造115に対してY軸に沿って動くことを可能にする一方で、可動Y軸測定構造112が固定支持構造115に対してX軸に沿って動くのに抵抗する。したがって、可動Y軸測定構造112および固定支持構造115は、X軸において機械的に結合され、Y軸において機械的に分離されると考えられる。
固定支持構造115は、アンカー点(複数可)120を介して基板に接続される。したがって、固定支持構造は、基板に対して固定される。さらに、アンカー点から外方に延在する固定支持構造の本体およびアームは、固定支持構造の本体およびアームも固定されていると考えることができるように基板に対してわずかな量だけ動くように十分に剛性である。結果、試験質量は、ばね116a、116b、可動Y軸測定構造112、およびばね117a、117bを介して固定支持構造115および基板に接続される。ばね116aおよび116bは、X軸において試験質量101および可動Y軸測定構造112の動きが分離されることを可能にし、ばね117aおよび117bは、Y軸において可動Y軸測定構造112および固定測定構造115(したがって、基板も)の動きが分離されることを可能にするため、試験質量101は、ばね116a、116b、可動Y軸測定構造112およびばね117a、117bによって、X軸およびY軸の両方において固定測定構造115(および基板)から分離される。
図1の加速度計の右半分に関して上述したのと同じ構造が、加速度計の左側で繰り返され、加速度計の中心垂直軸を中心として反転される。したがって、加速度計は、2つの可動Y軸測定構造112と、2セットのばね116a、116b、117aおよび117bとを含む。加速度計は、左側のばね117aおよび117bが接続される別個の固定支持構造115を含むことができ、固定支持構造は、加速度計の両側にわたって対称に延在する一体型要素であってもよい。
図1に示す加速度計の上半分(すなわち、紙面の上半分)において、試験質量101は、ばね126aおよび126bによって可動X軸測定構造122に接続されている。可動X軸測定構造122は浮動している、すなわち、基板に直接固定されておらず、したがって、可動X軸測定構造と1つまたは複数の基板アンカー点との間の介在構造によって許容されるように基板に対して動くことができる。ばね126aおよび126bは、X軸に沿った試験質量101の動きが可動X軸測定構造122に強く機械的に結合され、一方で、Y軸に沿った試験質量101の動きが可動X軸測定構造122に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。ばね126aおよび126bの正確な形状および形態は、下記により詳細に説明される。結果、ばね126aおよび126bは、試験質量101が可動X軸測定構造122に対してY軸に沿って動くことを可能にする一方で、試験質量101が可動X軸測定構造122に対してX軸に沿って動くことに抵抗する。したがって、試験質量101および可動X軸測定構造122は、X軸において機械的に結合され、Y軸において機械的に分離されると考えられる。
可動X軸測定構造122は、次に、ばね127aおよび127bによって固定支持構造115に接続される。ばね127aおよび127bは、Y軸に沿った可動X軸測定122構造の動きが固定支持構造115に強く機械的に結合され、一方で、X軸に沿った可動X軸測定構造122の動きが固定支持構造115に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。やはり、ばね127aおよび127bの正確な形状および形態は、下記により詳細に説明される。結果、ばね127aおよび127bは、可動X軸測定構造122が固定支持構造115に対してX軸に沿って動くことを可能にする一方で、可動X軸測定構造122が固定支持構造115に対してY軸に沿って動くのに抵抗する。したがって、可動X軸測定構造122および固定支持構造115は、Y軸において機械的に結合され、X軸において機械的に分離されると考えられる。
上記で説明したように、固定支持構造115は、アンカー点(複数可)120を介して基板に接続される。したがって、固定支持構造は、基板に対して固定される。結果、試験質量は、ばね126a、126b、可動X軸測定構造122、およびばね127a、127bを介して固定支持構造115および基板に接続される。ばね126aおよび126bは、Y軸において試験質量101および可動X軸測定構造122の動きが分離されることを可能にし、ばね127aおよび127bは、X軸において可動X軸測定構造122および固定測定構造115(したがって、基板も)の動きが分離されることを可能にするため、試験質量101は、ばね126a、126b、可動X軸測定構造122およびばね127a、127bによって、X軸およびY軸の両方において固定測定構造115(および基板)から分離される。
図1の加速度計の上半分に関して上述したのと同じ構造が、加速度計の下半分で繰り返され、加速度計の中心水平軸を中心として反転される。したがって、加速度計は、2つの可動X軸測定構造122と、2セットのばね126a、126b、127aおよび127bとを含む。加速度計は、下半分のばね127aおよび127bが接続される別個の固定支持構造115を含むことができ、固定支持構造は、加速度計の上半分と下半分の両方にわたって(および左側と右側の両方にわたって)対称に延在する一体型要素であってもよい。
ばね116a、116b、117a、117b、126a、126b、127aおよび127bはまた、Z軸におけるばねの撓みを最小にするように、すなわち、可動X軸測定構造122および試験質量101のZ軸における動きを防止するように成形される。好ましくは、ばね116a、116b、117a、117b、126a、126b、127aおよび127bは、(Z軸における)高さよりも(X軸またはY軸における)小さい幅を有する(ビームの長手方向軸に垂直な)矩形断面を有するビーム形状である。
代替形態として、直列のばねの数と同じ割合でばねを柔軟にする折り畳みばねが使用されてもよい。ばねアレイの幅は、軸交差方向の柔軟性を決定する。
さらなる代替形態として、ボックスばねが使用されてもよい。ボックスストリングは、折り畳みばねよりも軸交差方向に剛性であるが、測定軸においてもより剛性である。
ばねの長さは、アンカーから質量を分離する列内の他のすべてのばねと組み合わせて、ばね定数を制御するように、すなわち加速度計の加速度に対する機械的感度を制御するように設定される。
長手方向軸がX方向に延在するばね117a、117b、126aおよび126bの場合、ビーム形状のばねがY方向に容易に変形するように、Y方向のビームの幅はより狭く、一方、Z方向のビームの高さは、ばねのZ方向の変形に抵抗する。さらに、ばねはビーム形状であり、すなわちX方向にほぼ直線を形成するため、ばね117a、117b、126aおよび126はX方向の変形に抵抗する。
長手方向軸がY方向に延在するばね116a、116b、127aおよび127bの場合、ビーム形状のばねがX方向に容易に変形するように、X方向のビームの幅はより狭く、一方、Z方向のビームの高さは、ばねのZ方向の変形に抵抗する。さらに、ばねはビーム形状であり、すなわちY方向にほぼ直線を形成するため、ばね116a、116b、127aおよび127bはY方向の変形に抵抗する。
ばねの形状はビーム形状として説明されているが、ばねがX方向またはY方向のうちの一方およびZ方向における剛性の特性を、X方向またはY方向のうちの他方における相対的な緩みとともに示す限り、任意の適切な形状を使用することができる。
加速度計はまた、固定Y軸測定構造111および固定X軸測定構造121を含む。固定X軸測定構造121は、好ましくは、固定支持構造115とともにアンカー点(複数可)120において基板に固定される。共通の中央アンカー点が、基板の熱的(または他の)変形が固定支持構造および固定X軸測定構造121の相対位置を変化させることを防止する。
固定Y軸測定構造111は、アンカー点(複数可)110を介して基板に固定され、アンカー点(複数可)110は、X軸に沿ってアンカー点(複数可)120から分離されるが、依然として加速度計の中心X軸上に位置する。
コーム電極が、固定Y軸測定構造111および可動Y軸測定構造から延在する。同様に、コーム電極は、固定X軸測定構造121および可動X軸測定構造122から延在する。コーム電極は、固定測定構造および可動測定構造から外方に延在する複数のフィンガを画定し、結果、固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造から外方に延在するコーム電極のフィンガがそれぞれ可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造に向かって延在する。同様に、可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造から外方に延在するコーム電極のフィンガは、それぞれ固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造に向かって延在する。対向するコーム電極のフィンガは散在しており、直接電気的に接触していない。コーム電極はコームセンスキャパシタを形成し、コームセンスキャパシタは、固定X軸測定構造121に対する可動X軸測定構造122の動きを測定し、固定Y軸測定構造に対する可動Y軸測定構造112の動きを測定するために使用される。具体的には、固定Y軸測定構造および可動Y軸測定構造から延在するコームフィンガは、2つのコームセンスキャパシタ113および114を画定する。キャパシタ113は、図1に示すように、加速度計の上半分の固定Y軸測定構造および可動Y軸測定構造から延在するコームフィンガから形成される。キャパシタ114は、図1に示すように、加速度計の下半分の固定Y軸測定構造および可動Y軸測定構造から延在するコームフィンガから形成される。キャパシタ113におけるコームフィンガの配置構成は、キャパシタ114におけるコームフィンガの配置構成とは反対である。このように、加速度計がY方向に加速度を受けるときに、キャパシタ113のコームフィンガが互いに近づく場合、キャパシタ114のコーム歯は外方に動き、逆もまた同様である。
X軸コームセンスキャパシタ123および124についても同じ配置構成が提供される。キャパシタ123は、図1に示すように、加速度計の左半分の固定X軸測定構造および可動X軸測定構造から延在するコームフィンガから形成される。キャパシタ124は、図1に示すように、加速度計の右半分の固定X軸測定構造および可動X軸測定構造から延在するコームフィンガから形成される。キャパシタ123におけるコームフィンガの配置構成は、キャパシタ124におけるコームフィンガの配置構成とは反対である。このように、加速度計がX方向に加速度を受けるときに、キャパシタ123のコームフィンガが互いに近づく場合、キャパシタ124のコーム歯は外方に動き、逆もまた同様である。
MEMS加速度計に加えられる外部加速度に起因して試験質量101が基板に対して動くと、可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造も基板に対して、および固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造に対して動き、それによって、その動きに応答してセンスコームキャパシタの静電容量が変化する。
各コームセンスキャパシタのセンス軸は、キャパシタのコームフィンガの長手方向軸に対して垂直である。しかしながら、コームセンスキャパシタの静電容量は、センス軸に沿ったコームフィンガの相対運動と、センス軸に垂直なコームフィンガの相対運動の両方によって変化する。従来技術の加速度計では、複数のセンス軸に対して単一の試験質量を使用して軸交差誤差が導入されており、試験質量および可動測定構造が所与のセンスキャパシタのセンス軸から外方に動くと、センス軸コームがセンス軸に垂直に互いから外方に動くことによって引き起こされる静電容量の寄生変化に起因する誤差が生じる。
図1の加速度計は、以下の2つの方法で、すなわち、センス軸に垂直な試験質量101の動きから運動測定構造を機械的に分離ことによって、および、Xセンス軸とYセンス軸の両方を中心として反転される各センス軸に対して4つのセンスコームキャパシタを使用することによって、この問題を解決する。
より具体的には、試験質量101が基板に対して動くと、試験質量101のX方向の任意の動きが、ばね126aおよび126bによって可動X軸測定構造122に強く機械的に結合され、一方、試験質量101のY方向の動きは、可動X軸測定構造122に弱く結合されるかまたは分離される。すなわち、試験質量101のX方向の動きは、可動X軸測定構造122の対応する動きを引き起こし、一方、試験質量のY方向の動きは、可動X軸測定構造122のY方向の動きをまったくまたはほとんど引き起こさず、したがって、Y方向の加速度によるX軸センスキャパシタ内の静電容量の変化をまったくまたはほとんど引き起こさない。
同様に、試験質量101のY方向の任意の動きが、ばね116aおよび116bによって可動Y軸測定構造112に強く機械的に結合され、一方、試験質量101のX方向の動きは、可動Y軸測定構造112に弱く結合されるかまたは分離される。すなわち、試験質量101のY方向の動きは、可動Y軸測定構造112の対応する動きを引き起こし、一方、試験質量のX方向の動きは、可動Y軸測定構造122のY方向の動きをまったくまたはほとんど引き起こさず、したがって、X方向の加速度によるY軸センスキャパシタ内の静電容量の変化をまったくまたはほとんど引き起こさない。
さらに、上半分のX軸センスキャパシタのコームフィンガが互いに近づくにつれて、下半分のX軸センスキャパシタのコームフィンガが等量だけ離れ、逆もまた同様であるため、Y方向における可動X軸測定構造122の任意の残りの動きは相殺される。
同様に、右側のY軸センスキャパシタのコームフィンガが互いに近づくにつれて、左側のY軸センスキャパシタのコームフィンガが等量だけ離れ、逆もまた同様であるため、X方向における可動Y軸測定構造112の任意の残りの動きは相殺される。
さらに、コームセンスキャパシタ113、114および123、124におけるコームフィンガのこの配置構成は、二重微分容量測定を使用して、デバイスの製造中に欠陥によって生じる誤差を相殺することを可能にする。二重微分測定の使用は、下記で図4に関してより詳細に説明されるが、図1の実施形態にも等しく適用可能である。
さらなる改善として、図1の加速度計はまた、任意選択的に、基板に固定され得るストッパ130a〜dを含む。ストッパ130a〜dは、可動X軸測定構造122および可動Y軸測定構造112に隣接して位置付けられる。ストッパ130a〜dは、基板平面に平行なセンス軸に垂直な少なくとも1つの方向における可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造の動きを制限する。ストッパ130a〜dは、可動X軸測定構造122および可動Y軸測定構造112と試験質量101との間に位置するように示されている。したがって、ストッパ130a〜dは、センス軸に垂直な方向における、および、加速度計の外部に向かう可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造の動きを制限する。例えば、可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造と固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造または固定支持構造(複数可)115との間で、可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造に隣接して配置された、センス軸に垂直な方向、および、加速度計の内部に向かう可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造の動きを制限する追加のストッパも含まれてもよい。
代替的または付加的に、デバイスは、試験質量/構造および隣接する構造の相対運動を防止するために、試験質量または他の構造から延在する相対ストッパを含むことができる。
代替的に、ストッパは、試験質量101の外側に位置付けられ、基板に固定されてもよい。
さらに、ストッパは、基板に取り付けられることに加えて、またはその代わりに、デバイスのキャップウェハに取り付けられてもよい。
図2は、本発明による2軸MEMS加速度計の第2の実施形態を示す。図1の加速度計と同様に、図2の加速度計は、加速度計構成要素の外側の周りに延在する試験質量201を含み、すなわち、試験質量201は、基板平面に平行な残りの加速度計構成要素を囲む。基板平面に平行な試験質量201のプロファイルは、加速度計構成要素を中に配置することができる中空中心を有する規則的な対称形状である。図2の具体的な例では、試験質量201は長方形である。試験質量は、基板平面に垂直な、すなわちZ軸内の厚さを有する。試験質量201の厚さおよび垂直位置は、Z軸における試験質量201の重心が、試験質量201が基板に対して動くことを可能にするばね構造(以下により詳細に説明する)に対して中心付けられるようなものである。したがって、基板平面内でのMEMS加速度計の動きは、試験質量201を基板平面との平行から外れて回転させない。
試験質量201は、複数のばねおよび介在構造によって基板に対して動くことができ、それによって試験質量は基板の上方に懸架される。図2に示す加速度計の右半分(すなわち、紙面の右半分)において、試験質量201は、ばね216aおよび216bによって可動Y軸測定構造212に接続されている。可動Y軸測定構造212は浮動している、すなわち、基板に直接固定されておらず、したがって、可動Y軸測定構造212と1つまたは複数の基板アンカー点との間の介在構造によって許容されるように基板に対して動くことができる。ばね216aおよび216bは、Y軸に沿った試験質量201の動きが可動Y軸測定構造212に強く機械的に結合され、一方で、X軸に沿った試験質量201の動きが可動Y軸測定構造212に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。ばね216aおよび216bの正確な形状および形態は、図1のばね116a、116b、117a、117b、126a、1276b、127aおよび127bに関して上述したのと同じである。
結果、ばね216aおよび216bは、試験質量201が可動Y軸測定構造212に対してX軸に沿って動くことを可能にする一方で、試験質量201が可動Y軸測定構造212に対してY軸に沿って動くことに抵抗する。したがって、試験質量201および可動Y軸測定構造212は、Y軸において機械的に結合され、X軸において機械的に分離されると考えられる。
可動Y軸測定構造212は、次に、ばね217aおよび217bによって固定支持構造215に接続される。ばね217aおよび217bは、X軸に沿った可動Y軸測定212構造の動きが固定支持構造215に強く機械的に結合され、一方で、Y軸に沿った可動Y軸測定構造212の動きが固定支持構造215に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。ここでも、ばね217aおよび217bの正確な形状および形態は、図1のばね116a、116b、117a、117b、126a、1276b、127aおよび127bに関して上述したのと同じである。
結果、ばね217aおよび217bは、可動Y軸測定構造212が固定支持構造215に対してY軸に沿って動くことを可能にする一方で、可動Y軸測定構造212が固定支持構造215に対してX軸に沿って動くのに抵抗する。したがって、可動Y軸測定構造212および固定支持構造215は、X軸において機械的に結合され、Y軸において機械的に分離されると考えられる。
固定支持構造215は、アンカー点(複数可)220を介して基板に接続される。したがって、固定支持構造は、基板に対して固定される。さらに、アンカー点220から外方に延在する固定支持構造215の本体およびアームは、固定支持構造の本体およびアームも固定されていると考えることができるように基板に対してわずかな量だけ動くように十分に剛性である。結果、試験質量は、ばね216a、216b、可動Y軸測定構造212、およびばね217a、217bを介して固定支持構造215および基板に接続される。ばね216aおよび216bは、X軸において試験質量201および可動Y軸測定構造212の動きが分離されることを可能にし、ばね217aおよび217bは、Y軸において可動Y軸測定構造212および固定測定構造215(したがって、基板も)の動きが分離されることを可能にするため、試験質量201は、ばね216a、216b、可動Y軸測定構造212およびばね217a、217bによって、X軸およびY軸の両方において固定測定構造215(および基板)から分離される。
図2の加速度計の右半分に関して上述したのと同じ構造が、加速度計の左側で繰り返され、加速度計の中心垂直軸を中心として反転される。したがって、加速度計は、2つの可動Y軸測定構造212と、2セットのばね216a、216b、217aおよび217bとを含む。図2の加速度計は、左側ばね217aおよび217bが接続された別個の固定支持構造215を含み、加速度計の中心には、2つの固定支持構造215が固定された2セットのアンカー点220の間に間隙がある。
図1の加速度計とは対照的に、図2の加速度計は、90度回転した文字「H」のような形状の単一の一体型可動X軸測定構造222を含む。H字形の可動X軸測定構造222の中心バーは、加速度計の中心のアンカー点220間の間隙を通って延在し、結果、H字形の可動X軸測定構造222の側部バーの各々は、アンカー点220の対向する両側にあり、すなわち、一方は紙面に見られるようにアンカー点220の「上方」にあり、一方は紙面に見られるようにアンカー点220の「下方」にある。
図2に示す加速度計およびH字形の可動X軸測定構造222の上半分(すなわち、紙面の上半分)において、試験質量201は、ばね226aおよび226bによって可動X軸測定構造222に接続されている。可動X軸測定構造222は浮動している、すなわち、基板に直接固定されておらず、したがって、可動X軸測定構造222と1つまたは複数の基板アンカー点との間の介在構造によって許容されるように基板に対して動くことができる。ばね226aおよび226bは、X軸に沿った試験質量201の動きが可動X軸測定構造222に強く機械的に結合され、一方で、Y軸に沿った試験質量201の動きが可動X軸測定構造222に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。ばね226aおよび226bの正確な形状および形態は、図1のばねならびにばね216a、216b、217aおよび217bについて上述したものと同じである。結果、ばね226aおよび226bは、試験質量201が可動X軸測定構造222に対してY軸に沿って動くことを可能にする一方で、試験質量201が可動X軸測定構造222に対してX軸に沿って動くことに抵抗する。したがって、試験質量201および可動X軸測定構造222は、X軸において機械的に結合され、Y軸において機械的に分離されると考えられる。
可動X軸測定構造222は、次に、ばね227aおよび227bによって固定支持構造215に接続される。図2に示すように、ばね227aは可動X軸測定構造222を左手側の固定支持構造に接続し、一方、ばね227bは可動X軸測定構造222を右手側の固定支持構造215に接続した。ばね227aおよび227bは、Y軸に沿った可動X軸測定222構造の動きが固定支持構造215に強く機械的に結合され、一方で、X軸に沿った可動X軸測定構造222の動きが固定支持構造2115に弱く機械的に結合されるかまたは分離されるように成形される。ここでも、ばね227aおよび227bの正確な形状および形態は、図1のばねおよび図2の他のばねについて上述したものと同じである。結果、ばね227aおよび227bは、可動X軸測定構造222が固定支持構造215に対してX軸に沿って動くことを可能にする一方で、可動X軸測定構造222が固定支持構造215に対してY軸に沿って動くのに抵抗する。したがって、可動X軸測定構造222および固定支持構造215は、Y軸において機械的に結合され、X軸において機械的に分離されると考えられる。
上記で説明したように、固定支持構造215は、アンカー点220を介して基板に接続される。したがって、固定支持構造は、基板に対して固定される。結果、試験質量201は、ばね226a、226b、可動X軸測定構造222、およびばね227a、227bを介して固定支持構造215および基板に接続される。ばね226aおよび226bは、Y軸において試験質量201および可動X軸測定構造222の動きが分離されることを可能にし、ばね227aおよび227bは、X軸において可動X軸測定構造222および固定測定構造215(したがって、基板も)の動きが分離されることを可能にするため、試験質量201は、ばね226a、226b、可動X軸測定構造222およびばね227a、227bによって、X軸およびY軸の両方において固定測定構造215(および基板)から分離される。
図1の加速度計の上半分に関して上述したのと同じ構造が、加速度計の下半分で繰り返され、加速度計の中心水平軸を中心として反転される。したがって、加速度計は、H字形の可動X軸測定構造222および固定支持構造215に接続された第2のセットのばね226a、226b、227aおよび227bを含む。
長手方向軸がX方向に延在するばね217a、217b、226aおよび226b、ビーム形状のばねがY方向に容易に変形するように、Y方向のビームの幅はより狭く、一方、Z方向のビームの高さは、ばねのZ方向の変形に抵抗する。さらに、ばねはビーム形状であり、すなわちX方向にほぼ直線を形成するため、ばね217a、217b、226aおよび226はX方向の変形に抵抗する。
長手方向軸がY方向に延在するばね216a、216b、227aおよび227bの場合、ビーム形状のばねがX方向に容易に変形するように、X方向のビームの幅はより狭く、一方、Z方向のビームの高さは、ばねのZ方向の変形に抵抗する。さらに、ばねはビーム形状であり、すなわちY方向にほぼ直線を形成するため、ばね216a、216b、227aおよび227bはY方向の変形に抵抗する。
ばねの形状はビーム形状として説明されているが、ばねがX方向またはY方向のうちの一方およびZ方向における剛性の特性を、X方向またはY方向のうちの他方における相対的な緩みとともに示す限り、任意の適切な形状を使用することができる。
図2の加速度計はまた、固定Y軸測定構造211および固定X軸測定構造221を含む。固定X軸測定構造221は、好ましくは、固定支持構造215とともにアンカー点220において基板に固定される。図2の加速度計は、4つの固定X軸測定構造221を含む。4つの固定X軸測定構造221は、H字形の可動X軸測定構造の中央バーの対向する両側に各対が位置する2つの対に分割することができる。固定X軸測定構造221の各対内で、固定X軸測定構造221は、固定支持構造215の対向する両側に位置する。
固定Y軸測定構造211は、アンカー点210を介して基板に固定され、アンカー点210は、X軸に沿ってアンカー点220から分離されるが、依然として加速度計の中心X軸上に位置する。
コーム電極が、固定Y軸測定構造211および可動Y軸測定構造212から延在する。同様に、コーム電極は、固定X軸測定構造221および可動X軸測定構造222から延在する。
コーム電極は、図1に関してセンスキャパシタ113、114、123および124について上述したのと同じ方法で、コームセンスキャパシタ213、214、223および224を形成する。
MEMS加速度計に加えられる外部加速度に起因して試験質量201が基板に対して動くと、可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造も基板に対して、および固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造に対して動き、それによって、その動きに応答してセンスコームキャパシタの静電容量が変化する。
本発明は、以下の3つの方法において、すなわち、センス軸に垂直な試験質量201の動きから運動測定構造を機械的に分離すること、センス軸を中心として反転される、センス軸ごとに2つのセンスコームキャパシタを使用すること、ならびに、Z軸を中心とした構造の回転の固有周波数と比較してXおよびY方向における構造(すなわち、試験質量201および可動測定構造212、222)の振動の異なる固有周波数を生成することによって、寄生容量に起因する誤差、すなわち、図1に関して上述した軸交差誤差、ならびに、試験質量および測定構造の回転によって引き起こされる寄生容量に起因する誤差を低減する問題を解決する。
より具体的には、試験質量201が基板に対して動くと、試験質量201のX方向の任意の動きが、4つのばね226a、226bによって可動X軸測定構造222に強く機械的に結合され、試験質量201のY方向の動きは、可動X軸測定構222に弱く結合されるかまたは分離される。すなわち、試験質量101のX方向の動きは、可動X軸測定構造222の対応する動きを引き起こし、一方、試験質量201のY方向の動きは、可動X軸測定構造222のY方向の動きをまったくまたはほとんど引き起こさず、したがって、Y方向の加速度によるX軸センスキャパシタ内の静電容量の変化をまったくまたはほとんど引き起こさない。
同様に、試験質量201のY方向の任意の動きが、ばね116aおよび116bによって可動Y軸測定構造212に強く機械的に結合され、一方、試験質量201のX方向の動きは、可動Y軸測定構造212に弱く結合されるかまたは分離される。すなわち、試験質量201のY方向の動きは、可動Y軸測定構造212の対応する動きを引き起こし、一方、試験質量のX方向の動きは、可動Y軸測定構造222のY方向の動きをまったくまたはほとんど引き起こさず、したがって、X方向の加速度によるY軸センスキャパシタ内の静電容量の変化をまったくまたはほとんど引き起こさない。
さらに、上半分のX軸センスキャパシタのコームフィンガが互いに近づくにつれて、下半分のX軸センスキャパシタのコームフィンガが等量だけ離れ、逆もまた同様であるため、Y方向における可動X軸測定構造222の任意の残りの動きは相殺される。
同様に、右側のY軸センスキャパシタのコームフィンガが互いに近づくにつれて、左側のY軸センスキャパシタのコームフィンガが等量だけ離れ、逆もまた同様であるため、X方向における可動Y軸測定構造212の任意の残りの動きは相殺される。
さらに、図1に関して上述したように、センスキャパシタ213、214、223および224の配置構成は、二重微分測定の使用を可能にし、これは、製造上の欠陥および位置ずれに起因する誤差原因を相殺する。
最後に、図1のデバイスと比較した試験質量の構造および可動測定構造へのその接続の変化に起因して、構造(すなわち、試験質量201および可動測定構造212、222)の回転の固有振動数は、X軸およびY軸における試験質量201および可動測定構造212、222の振動の固有振動数よりも著しく高い。したがって、回転の結果としてキャパシタによって生成される寄生信号をフィルタリング除去することがより容易になり、X軸およびY軸加速度測定の正確度が向上する。
図1の加速度計と同様に、図2の加速度計もまた、基板に固定されたストッパ230a〜dを含むことができる。ストッパ230a〜dは、可動X軸測定構造222および可動Y軸測定構造212に隣接して位置付けられる。ストッパ230bおよび230dは、可動X軸測定構造222のY軸に沿った両方向の動きを制限する。ストッパ230aおよび230cは、各可動Y軸測定構造のY軸に沿って垂直な少なくとも1つの方向の動きを制限する。ストッパ230a〜dは、可動X軸測定構造222および可動Y軸測定構造212と試験質量201との間に位置するように示されている。例えば、可動Y軸測定構造212と固定Y軸測定構造211または固定支持構造215との間で、可動Y軸測定構造212に隣接して配置された、センス軸に垂直な方向、および、加速度計の内部に向かう可動Y軸測定構造212の動きを制限する追加のストッパも含まれてもよい。
図3は、本発明による2軸MEMS加速度計の第3の実施形態を示す。図3は、加速度計が上に形成される基板が紙面の平面、すなわちX−Y平面と平行になるような、加速度計の上面図を示す。基板は、シリコン、または加速度計のMEMS構造を形成するようにパターニングすることができる任意の他の適切な材料であってもよい。基板の上面は、ほぼ平坦であり、図3の紙面の平面に平行であり得る基板平面を画定する。基板平面は、以下でより詳細に説明するMEMS構造と交差してもよく、またはMEMS構造の上方もしくは下方に位置してもよい。基板平面の正確な垂直位置は重要ではなく、その向きのみが重要である。
加速度計は、加速度計内の中央に配置された試験質量301を含む。試験質量は、図3では十字形として示されているが、試験質量が他の構成要素と衝突することなくデバイスの中心内の必要な範囲内で動くことを可能にする任意の形状を使用することができる。
試験質量301は、複数のばねおよび介在構造によって加速度計内で基板に対して動くことができ、それによって試験質量は基板の上方に懸架される。試験質量301は、ばね316aによって可動X軸測定構造312aに接続され、ばね316bによって可動Y軸測定構造312bに接続されている。ばね316aおよび316bは、試験質量から外方に互いに対して90度の角度で延在し、同じ長さを有する。可動X軸測定構造312aおよび可動Y軸測定構造312bは同じ形状を有するが、可動Y軸測定構造312bは、可動X軸測定構造312aを90度反時計回りに回転したものである。
可動X軸測定構造312aから、ばね317aが、ばね316aからデバイスの角に向かって90度の角度で延在する。可動Y軸測定構造312bから、ばね317bが、ばね316bからデバイスの、ばね317aと同じ角に向かって90度の角度で延在する。ばね317aおよび317bは、デバイスの角で合流して接合される。したがって、ばね316a、316b、317aおよび317bは、四辺形の辺上に位置する。
ばね317aおよび317bが合流するデバイスの角から、別のばね318がデバイスの中心に向かって延在し、そこで固定支持構造315に接合され、固定支持構造はアンカー点320において基板に固定される。固定構造315は、アンカー点320から、ばね317aおよび317bが合流するデバイスの角に向かって延在する。
この同じ構造が、加速度計デバイスの中心の周りで4回対称に繰り返される。しかしながら、反復構造の縁部を形成するばね316aおよび316bならびに可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造は、必ずしも複製されない。代わりに、1つの角のバネ316aが、隣接する角のバネ316bの機能も果たし、以下同様である。したがって、試験質量301から上述のように2つの可動X軸測定構造312aおよび2つの可動Y軸測定構造312bへと延在する合計4つのばねがある。
このようにして、試験質量は、ばね318、317aおよび317b、可動X軸測定構造312aおよび可動Y軸測定構造312、ならびにばね316aおよび316bを介してアンカー点320から懸架される。ばねは、図1および図2に関して上述したように、ばねがそれらの長手方向軸に垂直かつX−Y平面に平行に容易に変形し、一方、Z方向の変形に抵抗し、それらの長手方向軸に沿った変形に抵抗するように、ビームとして成形される。
結果として、試験質量は、ばねの容易な横方向変形によって設定される境界内で、X−Y平面に平行に自由に動く。しかしながら、可動X軸測定構造は、ばね316aによって試験質量301のX軸運動にのみ機械的に結合される。X軸に沿った試験質量301の動きは、X方向に延在するそれらの長手方向軸に沿ったばね316aの変形に対する抵抗に起因して、可動X軸測定構造312aに機械的に結合される。しかしながら、Y軸に沿った試験質量301の動きは、Y方向におけるばね316aの容易な変形に起因して、可動X軸測定構造312aに弱く結合されるか、または機械的に分離される。
同様に、可動Y軸測定構造は、ばね316bによって試験質量301のY軸運動にのみ機械的に結合される。Y軸に沿った試験質量301の動きは、Y方向に延在するそれらの長手方向軸に沿ったばね316bの変形に対する抵抗に起因して、可動Y軸測定構造312bに機械的に結合される。しかしながら、x軸に沿った試験質量301の動きは、X方向におけるばね316bの容易な変形に起因して、可動Y軸測定構造312bに弱く結合されるか、または機械的に分離される。
加速度計はまた、固定X軸測定構造311aおよび固定Y軸測定構造311bを含む。固定X軸測定構造311aは、好ましくは、アンカー点321aにおいて基板に固定される。固定X軸測定構造311aは、アンカー点からデバイスの外部に向かって、固定支持構造315に平行に斜めに延在する。固定Y軸測定構造311bは、好ましくは、アンカー点321bにおいて基板に固定される。固定Y軸測定構造311bは、アンカー点からデバイスの外部に向かって、固定支持構造315および固定X軸測定構造311aに平行に斜めに延在する。
コーム電極313aが、固定X軸測定構造311aからY方向に(すなわち、固定X軸測定構造311aに対して45度の角度で)延在し、コーム電極314aが可動X軸測定構造312aからY方向に(可動Y軸測定構造から90度の角度で)延在する。同様に、コーム電極313bが固定Y軸測定構造311bからX方向に(固定Y軸測定構造311bから45度の角度で)延在し、コーム電極114bが可動Y軸測定構造312bからX方向に(可動Y軸測定構造312bから90度の角度で)延在する。コーム電極113a、113b、114aおよび114bは、固定測定構造および可動測定構造から外方に延在する複数のフィンガを画定し、結果、コーム電極113aおよび113bのフィンガが固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造から外方に、それぞれ可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造に向かって延在する。同様に、コーム電極114aおよび114bのフィンガが、可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造から外方に、それぞれ固定X軸測定構造および固定Y軸測定構造に向かって延在する。対向するコーム電極のフィンガは散在しており、直接電気的に接触していない。
コーム電極はコームセンスキャパシタを形成し、コームセンスキャパシタは、固定X軸測定構造311aに対する可動X軸測定構造312aの動きを測定し、固定Y軸測定構造に対する可動Y軸測定構造312bの動きを測定するために使用される。
各コームセンスキャパシタのセンス軸は、キャパシタのコームフィンガの長手方向軸に対して垂直である。しかしながら、コームセンスキャパシタの静電容量は、センス軸に沿ったコームフィンガの相対運動と、センス軸に垂直なコームフィンガの相対運動の両方によって変化する。従来技術の加速度計では、複数のセンス軸に対して単一の試験質量を使用して軸交差誤差が導入されており、試験質量および可動測定構造が所与のセンスキャパシタのセンス軸から外方に動くと、センス軸コームがセンス軸に垂直に互いから外方に動くことによって引き起こされる静電容量の寄生変化に起因する誤差が生じる。
図3の加速度計は、以下の2つの方法で、すなわち、センス軸に垂直な試験質量301の動きから測定構造の動きを機械的に分離ことによって、および、センス軸を中心として反転される各センス軸に対して2つのセンスコームキャパシタを使用することによって、この問題を解決する。
より具体的には、試験質量301が基板に対して動くと、試験質量301のX方向の任意の動きが、ばね316aによって可動X軸測定構造312aに強く機械的に結合され、一方、試験質量301のY方向の動きは、可動X軸測定構造312aに弱く結合されるかまたは分離される。すなわち、試験質量301のX方向の動きは、可動X軸測定構造312aの対応する動きを引き起こし、一方、試験質量のY方向の動きは、可動X軸測定構造312aのY方向の動きをまったくまたはほとんど引き起こさず、したがって、Y方向の加速度によるX軸センスキャパシタ内の静電容量の変化をまったくまたはほとんど引き起こさない。
同様に、試験質量301のY方向の任意の動きが、ばね316bによって可動Y軸測定構造312bに強く機械的に結合され、一方、試験質量301のX方向の動きは、可動Y軸測定構造312bに弱く結合されるかまたは分離される。すなわち、試験質量301のY方向の動きは、可動Y軸測定構造312bの対応する動きを引き起こし、一方、試験質量のX方向の動きは、可動Y軸測定構造312bのY方向の動きをまったくまたはほとんど引き起こさず、したがって、X方向の加速度によるY軸センスキャパシタ内の静電容量の変化をまったくまたはほとんど引き起こさない。
さらに、上半分のX軸センスキャパシタのコームフィンガが互いに近づくにつれて、下半分のX軸センスキャパシタのコームフィンガが等量だけ離れ、逆もまた同様であるため、Y方向における可動X軸測定構造312aの任意の残りの動きは相殺される。
同様に、右側のY軸センスキャパシタのコームフィンガが互いに近づくにつれて、左側のY軸センスキャパシタのコームフィンガが等量だけ離れ、逆もまた同様であるため、X方向における可動Y軸測定構造312bの任意の残りの動きは相殺される。
さらなる改善として、図1の加速度計はまた、任意選択的に、基板に固定されるストッパ330a〜dを含む。ストッパ330a〜dは、可動X軸測定構造312aおよび可動Y軸測定構造312bに隣接して位置付けられる。ストッパ330a〜dは、センス軸に垂直な可動X軸測定構造および可動Y軸測定構造の動きを制限する。ストッパ330a〜dの対は、各可動X軸測定構造312aおよび可動Y軸測定構造312bに隣接して配置され、測定構造の各側に1つのストッパがある。したがって、ストッパ330a〜dは、センスキャパシタのセンス軸に垂直な方向における可動X軸測定構造312aおよび可動Y軸測定構造312bの動きを制限する。
図4は、本発明による3軸MEMS加速度計を示す。図4は、2つのZ軸試験質量410aおよび410bによって囲まれた図2の2軸加速度計401を示す。代替的に、加速度計401は、図1の加速度計であってもよい。2軸加速度計構造401および質量410a、410b(静止時)は、一般に、基板平面に平行な同じ平面内にある。試験質量410a、410bはシーソー試験質量であり、シーソー試験質量410aおよび410bが回転軸RAaおよびRAbを中心にして基板平面の平行外に回転することができるように、2軸加速度計401の試験質量に回転可能に結合される。
シーソー試験質量410aおよび410bは2軸加速度計の試験質量401に接続されているため、試験質量410aおよび410bも基板に対して基板平面に平行に自由に動くことができる。したがって、両方のシーソー試験質量410a、410bの全質量が、2軸加速度計の試験質量としても機能する。結果として、2軸加速度計の試験質量401は、図1および図2の実施形態と比較してサイズを縮小することができる。さらに、シーソー試験質量410a、410bと試験質量401との組み合わせ試験質量が、基板平面に平行な、すなわちXおよびY方向の加速度の測定に使用されるため、XおよびY加速度測定値は、例えば熱雑音など、試験質量の望ましくない振動によって引き起こされるノイズの影響をはるかに受けにくい。
シーソー試験質量410a、410bは、ねじりばね411a〜dを介して2軸加速度計試験質量401に接続されており、当該接続により、回転軸RAa、RAbを中心としてシーソー試験質量410a、410bを基板平面から外方に回転させることが可能である。シーソー試験質量410a、410bは、おおよそC字形またはU字形であり、シーソー試験質量410bがシーソー試験質量410aの鏡像になり、試験質量410a、410bがともに2軸加速度計401の外側まわりに延伸し、2軸加速度計401を囲むように配置される。
シーソー試験質量410a、410bは等しいサイズであり、ねじりばね(ならびに、したがって、回転軸RAaおよびRAb)は、2軸加速度計401の中心Y軸に関して対称に配置される。ねじりばね411a〜dは、2軸加速度計401の重心と同じ基板平面上の高さで、基板平面に平行に位置付けられる。静止時に、シーソー試験質量410aおよび410bの重心もまた、ねじりばね411a〜dおよび2軸加速度計401の重心と同じ基板平面上の高さに位置する。しかしながら、基板平面に平行に、シーソー試験質量410aの重心は、その回転軸RAaからオフセットされ、シーソー試験質量410bの重心は、試験質量410aの回転軸RAaからのオフセットとは反対方向に、基板平面に平行にその回転軸RAbから等しくオフセットされる。したがって、Z軸加速度の下で、シーソー試験質量410a、410bは基板平面の平行外に回転し、この運動は、Z軸加速度を決定するための測定値とすることができる。
シーソー試験質量410a、410bは、各々が非対称質量および対称質量を規定すると考えることができる。対称質量は、質量がシーソー試験質量410a、410bの小さい側の2倍である(すなわち、小さい側の質量に、小さい側と平衡する大きい側からの等しい質量を加えた質量)。非対称質量は、シーソー試験質量410a、410bの残りの質量、すなわち、シーソー試験質量410a、410bの回転軸RAa、RAbを中心とした回転を引き起こす、Z方向の外部加速度(すなわち、測定対象の加速度計パッケージに加えられる加速度)によって作用される試験質量の部分である。試験質量の回転によって引き起こされる試験質量410aの重心の位置の変化は、その回転によって引き起こされる質量410bの中心の位置の等しい反対の変化によってオフセットされるため、両方のシーソー試験質量410a、410bの結合重心は、シーソー試験質量が基板平面の平行外で回転する場合であっても、面内構造401の重心とともに加速度計の中心に位置する。
シーソー試験質量410a、410bは、シーソー試験質量410a、410bの隣接する端部に位置するばね412aおよび412bによってともに結合される。ばね412aおよび412bは、シーソー試験質量410aおよび410bの端部が基板平面に対して平行に互いから外方に相対的に動くことを可能にするが、シーソー試験質量410a、410bの端部が基板平面に垂直に、すなわちZ方向に互いから外方に相対的に動くことには抵抗する。このようにして、シーソー試験質量410a、410bは、一般に、回転軸RAaおよびRAbを中心として反対方向に自由に回転する。すなわち、シーソー試験質量410aは時計回りに回転し、シーソー試験質量410bは反時計回りに回転し、または逆もまた同様である。なぜなら、当該回転により、シーソー試験質量410a、410bの端部が、基板平面に平行に互いから外方に、または互いに向かって動くためである。しかしながら、シーソー試験質量410a、410bの同じ方向(すなわち、両方とも時計回り、または両方とも反時計回り)における回転は、当該回転がシーソー試験質量410a、410bの端部の、基板平面に垂直な相対運動を引き起こすため、ばね412a、412bによって抵抗される。当該結合により、シーソー試験質量410a、410bが外部角加速度に応じて動くことが防止され、当該事例において、シーソー試験質量410a、410bは同じ方向に回転するが、シーソー試験質量410a、410bが、基板平面に垂直な線形加速度に応答して運動することは依然として可能であり、結果、シーソー試験質量410a、410bは反対方向に回転する。
シーソー試験質量410a、410bの運動は容量的に測定される。シーソー試験質量410a、410bの回転は好ましくは、シーソー試験質量410a、410bの上方または下方に位置する平行板電極を有する間隙検出キャパシタによって測定され、または、シーソー試験質量410a、410b上に位置する可動電極および2軸加速度計試験質量401上に位置する静止電極を有するコームキャパシタによって測定することができる。
間隙検出キャパシタが使用される場合、電極430a〜dがシーソー試験質量410a、410b上に形成され、対応する電極が、シーソー試験質量410a、410bの上方または下方で基板および/またはキャップウェハ(図示せず)上に形成される。電極430aおよび430bは、シーソー試験質量410aのC字形の端部に位置している。同様に、電極430cおよび430dは、シーソー試験質量410bのC字形の端部に位置している。シーソー試験質量410a、410bが基板平面の平面外で回転すると、電極430a〜dと、基板および/またはキャップウェハ上の対応する電極との間の間隙は、回転の程度に応じて増加または減少し、それによって間隙検出キャパシタの測定静電容量が変化し、これを使用してデバイスのZ軸加速度を導出することができる。
任意選択的に、シーソー試験質量410aおよび410bは、さらなる電極431a〜dを備えてもよい。電極431aは、回転軸RAaおよびねじりばね411aの電極430aとは反対の側で、試験質量410aのC字形状の電極430aと同じ側に配置されている。同様に、電極431bは、回転軸RAaおよびねじりばね411bの電極430bとは反対の側で、試験質量410aのC字形状の電極430bと同じ側に配置されている。
電極431cは、回転軸RAbおよびねじりばね411cの電極430cとは反対の側で、試験質量410bのC字形状の電極430cと同じ側に配置されている。同様に、電極431dは、回転軸RAbおよびねじりばね411dの電極430dとは反対の側で、試験質量410bのC字形状の電極430dと同じ側に配置されている。
電極430a〜dと同様に、電極431a〜dに対する対応電極が、シーソー試験質量410a、410bの上方または下方の基板および/またはキャップウェハ(図示せず)上に形成される。
シーソー試験質量410a、410bは2軸加速度計の試験質量401に接続されているため、試験質量410a、410bは、試験質量401と同様に、基板に対して基板平面に平行に自由に動くことができる。理想的な条件では、電極430a〜dおよび431a〜dから形成されたキャパシタが使用されて、シーソー試験質量410a、410bの、基板平面の平行外の(すなわち、Z方向の)動きが測定されるとき、基板平面に平行なシーソー試験質量410a、410bの運動は、電極430a〜dおよび431a〜dと、シーソー試験質量410a、410bの上方/下方の対応する電極との間の重なり合う面積が変化しない限り、すなわち、電極430a〜d、431a〜dまたはシーソー試験質量410a、410bの上方および/または下方にあるプレート電極が十分に広い面積をカバーする場合、面外静電容量測定に影響を与えない。
実際には、電極430a〜d、431a〜dおよびシーソー試験質量410a、410bの上方/下方の対応する電極の位置整合は、例えば、製造中のキャップウェハの不完全な位置整合、または動作中のデバイスへの応力に起因して、完全に平行でない場合がある。そのような条件下で、基板平面に平行な試験質量410a、410bの運動は、電極430a〜430bおよび181〜184から形成された個々のキャパシタの各々によって測定される個々の静電容量の変化を引き起こし得る。ただし、静電容量の変化の単一および二重の微分測定は、任意の当該変化を相殺する。
例えば、対応する電極がキャップウェハ上にあり、キャップウェハが位置整合されておらず、結果、左側のキャップウェハ電極が、シーソー試験質量電極431c、431dに対するよりもシーソー試験質量電極431a、431bに対してより近い場合、シーソー試験質量のX方向における運動は、不整合に起因して、電極がともに近くにまたはさらに離れて動かされるときに静電容量の変化をもたらす。同様に、対応する電極がキャップウェハ上にあり、キャップウェハが位置整合されておらず、結果、下側のキャップウェハ電極が、シーソー試験質量電極430a、431a、430c、431cに対するよりもシーソー試験質量電極430b、431b、430d、431dに対してより近い場合、シーソー試験質量のY方向における運動は、不整合に起因して、電極がともに近くにまたはさらに離れて動かされるときに静電容量の変化をもたらす。上記効果は、Z方向の偽りの加速を示す望ましくない信号を生成することになる。
ただし、静電容量は以下の式に従って測定することができる。
(C431a−C430a)+(C431b−C430b)+(C431c−C430c)+(C431d−C430d)
ここで、C431aは、電極431aおよびシーソー試験質量410aの上方/下方の当該電極の対応する電極などから形成されるキャパシタの静電容量の変化を示す。各単一の微分、例えばC431a〜C430a内で、電極171から形成されたキャパシタの静電容量は、電極172から形成されたキャパシタと等しくY方向の動きによって影響を受けるため、シーソー試験質量410a、410bのY方向における運動に起因する静電容量の任意の変化は相殺される。
シーソー試験質量410a、410bのX方向の動きは、電極430aおよび431aの各々によって形成されるキャパシタ間の静電容量の変化、ならびに電極430cおよび431cの各々によって形成されるキャパシタ間の静電容量の変化に等しい差を引き起こす。ただし、各二重微分、すなわち、(C431a−C430a)+(C431c−C430c)は(C431a−C430a)−(C430c−C431c)に書き換えることができ、したがって、X方向の運動による誤差も相殺される。
したがって、各シーソー試験質量410a、410bの反対の回転方向と結合された、回転軸RAaおよびRAaのいずれかの側における電極430a〜dおよび431a〜dの配置は、Z軸検知に使用されるキャパシタの静電容量の任意の望ましくない変化が自動的かつ効率的に相殺されることを可能にする。
図5は、回転軸RAa、RAb、ならびに面内XおよびY軸に沿ったシーソー試験質量510a、510bの動きを示す、図4に示す3軸加速度計の斜視図を示す。
以下は、添付文書において特許請求され得るまたはされ得ない本発明の実施形態のリストである。
1.MEMS加速度計であって、
基板平面を規定する基板と、
少なくとも第1の軸および第2の軸に沿って基板に対して動くように構成された少なくとも1つの面内試験質量であって、第1の軸および第2の軸が基板平面に平行であり、互いに垂直である、少なくとも1つの面内試験質量と、
第1の軸に平行な第1の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第1の測定構造であって、基板に対して可動な第1の可動測定構造を備える、第1の測定構造と
を備え、
少なくとも1つの面内試験質量が、第1の軸に沿った少なくとも1つの面内試験質量および第1の可動測定構造の動きを機械的に結合し、第2の軸に沿った少なくとも1つの面内試験質量および第1の可動測定構造の動きを機械的に分離する少なくとも1つのばねによって第1の可動測定構造に接続されることを特徴とする、MEMS加速度計。
2.第1の可動測定構造は、第2の軸に沿った第1の可動測定構造および第1の固定支持構造の動きを機械的に結合し、第1の軸に沿った第1の可動測定構造および第1の固定支持構造の動きを機械的に分離する少なくとも1つのばねによって、第1の固定支持構造に接続される、請求項1に記載のMEMS加速度計。
3.第1の測定構造はまた、基板に対して固定された第1の固定測定構造も備える、実施形態1または2に記載のMEMS加速度計。
4.第1の可動測定構造は、少なくとも1つの第1の可動電極を備え、第1の固定測定構造は、少なくとも1つの第1の固定電極を備える、実施形態3に記載のMEMS加速度計。
5.第1の測定構造は、第1の軸に平行な少なくとも1つの面内試験質量の動きによって引き起こされる少なくとも1つの第1の固定電極と少なくとも1つの第1の可動電極との間の静電容量の変化を測定するように構成されている、実施形態4に記載のMEMS加速度計。
6.少なくとも1つの第1の可動電極および少なくとも1つの第1の固定電極は、コーム電極であり、コーム電極はコームキャパシタを形成する、実施形態4または5に記載のMEMS加速度計。
7.加速度計は、
第2の軸に平行な第2の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第2の測定構造をさらに備え、第2の測定構造は、基板に対して可動な第2の可動測定構造を備え、
少なくとも1つの面内試験質量が、第2の軸に沿った少なくとも1つの面内試験質量および第2の可動測定構造の動きを機械的に結合し、第1の軸に沿った少なくとも1つの面内試験質量および第2の可動測定構造の動きを機械的に分離する少なくとも1つのばねによって第2の可動測定構造に接続されることを特徴とする、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
8.第2の測定構造はまた、基板に対して固定された第2の固定測定構造も備える、実施形態7に記載のMEMS加速度計。
9.第2の可動測定構造は、少なくとも1つの第2の可動電極を備え、第2の固定測定構造は、少なくとも1つの第2の固定電極を備える、実施形態8に記載のMEMS加速度計。
10.第2の測定構造は、第2の軸に平行な少なくとも1つの面内試験質量の動きによって引き起こされる第2の固定コーム電極と第2の可動コーム電極との間の静電容量の変化を測定するように構成されている、実施形態9に記載のMEMS加速度計。
11.少なくとも1つの第2の可動電極および少なくとも1つの第2の固定電極は、コーム電極であり、コーム電極はコームキャパシタを形成する、実施形態9または10に記載のMEMS加速度計。
12.ばねは、各々がその長手方向軸に沿った圧縮に抵抗し、基板平面に平行な横軸に沿ったばねの屈曲を可能にするビームばねである、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
13.各ビームばねはまた、基板平面に垂直な横軸に沿ったばねの屈曲に抵抗する、実施形態12に記載のMEMS加速度計。
14.MEMS加速度計は、基板またはキャップウェハに固定することができ、測定構造の測定軸に垂直な少なくとも1つの方向における可動測定構造の動きを制限する1つまたは複数のストッパをさらに備える、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
15.MEMS加速度計は、第1の軸に平行な第1の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第3の測定構造をさらに備え、第3の測定構造は、基板に対して可動な第3の可動測定構造と、基板に対して固定された第3の固定測定構造とを備え、第3の測定構造は、MEMS加速度計の第1の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第3の可動測定構造および第3の固定測定構造の配置構成は、第2の軸に平行であり、可動測定構造と固定測定構造との間に位置する反転中心軸を中心とした第1の可動測定構造および第1の固定測定構造の配置構成の反転である、実施形態3〜14のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
16.第1の可動測定構造および第3の可動測定構造は、中央ビームによって接続されて、一体型可動測定構造を形成する、実施形態15に記載のMEMS加速度計。
17.第1の可動測定構造および第3の可動測定構造の各々は、長手方向ビームであり、中央ビームは、各長手方向ビームの中心から延在する横方向ビームであり、長手方向ビームは第1の軸に平行に配置され、横方向ビームは第2の軸に平行に配置される、実施形態16に記載のMEMS加速度計。
18.第1の固定測定構造は、2つの第1の固定測定構造を備え、第3の固定測定構造は、2つの第3の固定測定構造を備え、第1の固定測定構造および第3の固定測定構造は、長手方向ビームの間に配置され、結果、第1の固定測定構造のうちの1つおよび第1の第3の固定測定構造のうちの1つは、中央ビームの各側に配置される、実施形態17に記載のMEMS加速度計。
19.一体型可動測定構造は、4つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、4つのばねの各々は、長手方向ビームの端部のうちの1つに配置される、実施形態17または18に記載のMEMS加速度計。
20.一体型可動測定構造は、4つのばねによって固定支持構造に接続され、4つのばねの各々は、長手方向ビームの端部のうちの1つに配置される、実施形態17〜19のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
21.第1の可動測定構造および第3の可動測定構造の各々は、長手方向ビームであり、第1の固定測定構造および第3の固定測定構造は、第1の可動測定構造と第3の可動測定構造との間に位置する、実施形態15に記載のMEMS加速度計。
22.第1の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、2つのばねの各々は、第1の可動測定構造の中心において、または第1の可動測定構造の中央25%内で第1の可動測定構造に接続され、第3の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、2つのばねの各々は、第3の可動測定構造の中心において、または第3の可動測定構造の中央25%内で第3の可動測定構造に接続される、実施形態21に記載のMEMS加速度計。
23.第1の可動測定構造は、2つのばねによって第1の固定支持構造に接続され、2つのばねの各々は、第1の可動測定構造の端部の1つに配置され、第3の可動測定構造は、2つのばねによって第3の固定支持構造に接続され、2つのばねの各々は、第3の可動測定構造の端部の1つに配置される、実施形態20〜22のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
24.第1の固定支持構造および第3の固定支持構造は、加速度計の中心にある共通のアンカー点に接続される、実施形態23に記載のMEMS加速度計。
25.第1の固定測定構造および第3の固定測定構造は、加速度計の中心にある共通のアンカー点に接続される、実施形態24に記載のMEMS加速度計。
26.MEMS加速度計は、第2の軸に平行な第2の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第4の測定構造をさらに備え、第4の測定構造は、基板に対して可動な第4の可動測定構造と、基板に対して固定された第4の固定測定構造とを備え、第4の測定構造は、MEMS加速度計の第2の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第4の可動測定構造および第4の固定測定構造の配置構成は、第1の軸に平行であり、可動測定構造と固定測定構造との間に位置する反転中心軸を中心とした第2の可動測定構造および第2の固定測定構造の配置構成の反転である、実施形態7〜25のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
27.第2の可動測定構造および第4の可動測定構造の各々は、長手方向ビームであり、第2の固定測定構造および第4の固定測定構造は、第2の可動測定構造と第4の可動測定構造との間に位置する、実施形態26に記載のMEMS加速度計。
28.第2の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、2つのばねの各々は、第1の可動測定構造の中心において、または第1の可動測定構造の中央25%内で第1の可動測定構造に接続され、第4の可動測定構造は、2つのばねによって少なくとも1つの面内試験質量に接続され、2つのばねの各々は、第3の可動測定構造の中心において、または第3の可動測定構造の中央25%内で第3の可動測定構造に接続される、実施形態27に記載のMEMS加速度計。
29.第2の可動測定構造は、2つのばねによって第1の固定支持構造に接続され、2つのばねの各々は、第2の可動測定構造の端部の1つに配置され、第4の可動測定構造は、2つのばねによって第3の固定支持構造に接続され、2つのばねの各々は、第4の可動測定構造の端部の1つに配置される、実施形態26〜28のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
30.第2の測定構造および第4の測定構造は、加速度計の対向する両側に配置され、第1の測定構造および第3の測定構造は第2の測定構造と第4の測定構造との間に配置される、実施形態26〜29のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
31.少なくとも1つの面内試験質量は、ほぼ長方形の外周および中空中心を有し、測定構造、固定支持構造、およびばねは、少なくとも1つの面内試験質量の中空中心内に配置される、実施形態1〜30のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
32.少なくとも2つの面外試験質量をさらに備え、面外試験質量は、基板平面に対して非平行に回転するように構成され、少なくとも2つの試験質量の結合重心は、加速度計の中心にある、実施形態1〜31のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
33.加速度計は、基板平面に対して非平行な少なくとも2つの面外試験質量の回転を検知するように構成された面外センス回路をさらに備える、実施形態32に記載のMEMS加速度計。
34.面外センス回路は、各面外試験質量上に配置された1つまたは複数の可動電極と、基板に対して固定位置にある固定電極とを備え、可動電極と固定電極はキャパシタを形成し、当該キャパシタの静電容量は、面外試験質量が回転軸を中心に回転するときに変化する、実施形態33に記載のMEMS加速度計。
35.各面外試験質量の重心は、その回転軸からオフセットされ、結果、
面外軸の外部加速度が各試験質量の非対称質量に作用して、回転軸を中心とした試験質量の回転を引き起こし、
基板平面に平行な第1の軸における外部加速度が、両方の試験質量の非対称質量および対称質量に作用して、基板平面に平行な試験質量の運動を引き起こす、実施形態32〜34のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
36.少なくとも2つの面外試験質量は、少なくとも1つの面内試験質量に回転可能に接続され、結果、基板平面に平行な少なくとも2つの面外試験質量の運動が、基板平面に平行な少なくとも1つの面内試験質量の運動を引き起こす、実施形態31〜35のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
37.少なくとも2つの面外試験質量が、ねじりばねを介して少なくとも1つの面内試験質量に接続され、ねじりばねは、基板平面に対して非平行な少なくとも2つの面外試験質量の回転を可能にし、少なくとも1つの面内試験質量に対する基板平面に平行な少なくとも2つの試験質量の動きに抵抗する、実施形態36に記載のMEMS加速度計。
38.少なくとも2つの面外試験質量は、少なくとも1つの面内試験質量に対してMEMS加速度計の外側に向かって配置される、実施形態32〜37のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
39.面外面試験質量は、少なくとも1つの面内質量の外部にわたって延伸する2つのC字形シーソー試験質量を含み、結果、2つのC字形面外試験質量は鏡像として配置され、試験質量は、面外軸の外部加速度に応答して反対方向に回転するように構成される、実施形態38に記載のMEMS加速度計。
40.2つのC字形面外試験質量は、少なくとも2つのばねによって結合され、少なくとも1つのばねがC字形の各端部に配置され、結果、ばねは、2つのC字形面外試験質量の反対方向の回転を可能にし、ただし、同じ方向における2つのC字形面外試験質量の回転に抵抗する、実施形態39に記載のMEMS加速度計。
41.第2のセンス回路は、シーソー試験質量上に配置された8つの電極と、シーソー試験質量の上方または下方に配置された8つの電極とを含み、8つの間隙検出キャパシタが形成され、各キャパシタはシーソー試験質量電極の1つ、および、シーソー試験質量の上方または下方に配置された電極の1つから形成され、
各試験質量上には4つの電極が位置し、
各試験質量上で、第1の電極対がシーソー試験質量のC字形の第1の端部に位置し、第2の電極対がシーソー試験質量のC字形の第2の端部に位置し、
各電極対内で、第1の電極はシーソー試験質量の回転軸からシーソー試験質量のC字形の中央に向かって配置され、第2の電極はシーソー試験質量の回転軸からシーソー試験質量のC字形の端部に向かって配置される、実施形態33〜40のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
42.Z方向の加速度計の加速度は、二重微分測定を使用して、間隙検出キャパシタの静電容量の変化から測定される、実施形態41に記載のMEMS加速度計。
43.第1の可動測定構造は、2つのコーム電極を備え、各コーム電極は、第1の可動測定構造から外方に反対方向に延在し、結果、コーム電極のフィンガが第2の軸に平行に延在する、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
44.第1の可動測定構造は、第2の軸に平行に延在する横方向ビームと、第1の軸に平行に横方向ビームから外方に延在するように接合された2つの長手方向ビームとを備え、結果、第1の軸に沿って延在する2つの長手方向ビーム間の間隙が存在する、実施形態43に記載のMEMS加速度計。
45.少なくとも1つの面内試験質量を第1の可動測定構造に接続するばねは、可動測定構造の横方向ビームに接続され、長手方向ビーム間の間隙内に配置される、実施形態44に記載のMEMS加速度計。
46.コーム電極の1つが、各長手方向ビームに接続され、各長手方向ビームから外方に延在する、実施形態45に記載のMEMS加速度計。
47.2つの第1の固定測定構造をさらに備え、固定測定構造は、その長手方向軸が互いに垂直かつ基板平面に平行に、加速度計の中心から外方に延在するビームを備える、実施形態43〜46のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
48.各第1の固定測定構造は、第1の軸に対して45度の角度で加速度計の中心から外方に延在する、実施形態47に記載のMEMS加速度計。
49.第1の可動測定構造は、第1の固定測定構造の間に少なくとも部分的に配置される、実施形態48に記載のMEMS加速度計。
50.固定測定構造は、固定測定構造から第1の可動測定構造に向かって延在して2つのコームキャパシタを形成するコーム電極をさらに備える、実施形態49に記載のMEMS加速度計。
51.第2の可動測定構造は、2つのコーム電極を備え、各コーム電極は、第2の可動測定構造から外方に反対方向に延在し、結果、コーム電極のフィンガが第1の軸に平行に延在する、実施形態7〜14のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
52.第2の可動測定構造は、第1の軸に平行に延在する横方向ビームと、第2の軸に平行に横方向ビームから外方に延在するように接合された2つの長手方向ビームとを備え、結果、第2の軸に沿って延在する2つの長手方向ビーム間の間隙が存在する、実施形態51に記載のMEMS加速度計。
53.少なくとも1つの面内試験質量を第2の可動測定構造に接続するばねは、可動測定構造の横方向ビームに接続され、長手方向ビーム間の間隙内に配置される、実施形態52に記載のMEMS加速度計。
54.コーム電極の1つが、各長手方向ビームに接続され、各長手方向ビームから外方に延在する、実施形態53に記載のMEMS加速度計。
55.加速度計は、2つの第2の固定測定構造をさらに備え、第2の固定測定構造は、その長手方向軸が互いに垂直かつ基板平面に平行に、加速度計の中心から外方に延在するビームを備える、実施形態51〜54のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
56.各第2の固定測定構造は、第2の軸に対して45度の角度で加速度計の中心から外方に延在する、実施形態55に記載のMEMS加速度計。
57.第2の可動測定構造は、第2の固定測定構造の間に少なくとも部分的に配置される、実施形態56に記載のMEMS加速度計。
58.第2の固定測定構造は、第2の固定測定構造から第1の可動測定構造に向かって延在して2つのコームキャパシタを形成するコーム電極をさらに備える、実施形態57に記載のMEMS加速度計。
59.MEMS加速度計は、第1の軸に平行な第1の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第3の測定構造をさらに備え、第3の測定構造は、基板に対して可動な第3の可動測定構造と、基板に対して固定された2つの第3の固定測定構造とを備え、第3の測定構造は、MEMS加速度計の第1の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第3の可動測定構造および第3の固定測定構造の配置構成は、MEMS加速度計の中心軸を中心とした第1の可動測定構造および第1の固定測定構造の配置構成の反転である、実施形態43〜58のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
60.MEMS加速度計は、第2の軸に平行な第2の測定軸に沿った試験質量の動きを測定するための第4の測定構造をさらに備え、第4の測定構造は、基板に対して可動な第4の可動測定構造と、基板に対して固定された2つの第4の固定測定構造とを備え、第4の測定構造は、MEMS加速度計の第2の測定構造とは反対の側に位置付けられ、第4の可動測定構造および第4の固定測定構造の配置構成は、MEMS加速度計の中心軸を中心とした第2の可動測定構造および第2の固定測定構造の配置構成の反転である、実施形態51〜59のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
61.第1の可動測定構造、第2の可動測定構造、第3の可動測定構造、および第4の可動測定構造の横方向ビームは、横方向ビームの外縁が正方形の周縁の一部を形成するように配置される、実施形態60に記載のMEMS加速度計。
62.少なくとも1つの面内試験質量は、加速度計が静止しているときに加速度計の中心に位置する、実施形態43〜61のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
63.第1の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第1の固定支持構造に接続され、少なくとも1つのばねによって第2の固定支持構造に接続される、実施形態43〜62のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。
64.第2の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第1の固定支持構造に接続され、少なくとも1つのばねによって第3の固定支持構造に接続される、実施形態63に記載のMEMS加速度計。
65.第3の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第3の固定支持構造に接続され、少なくとも1つのばねによって第4の固定支持構造に接続される、実施形態64に記載のMEMS加速度計。
66.第4の可動測定構造は、少なくとも1つのばねによって第4の固定支持構造に接続され、少なくとも1つのばねによって第2の固定支持構造に接続される、実施形態65に記載のMEMS加速度計。
67.第1の固定支持構造、第2の固定支持構造、第3の固定支持構造、および第4の固定支持構造は、それぞれ第1のアンカー点、第2のアンカー点、第3のアンカー点、および第4のアンカー点において基板に固定され、固定支持構造は、第1の軸に対して45度の角度および第2の軸に対して45度の角度で、アンカー点から加速度計の外部に向かって外方に延在する、実施形態66に記載のMEMS加速度計。
68.第1の固定支持構造は、第1の固定測定構造のうちの1つと第2の固定測定構造のうちの1つとの間に配置され、隣接する第1の固定測定構造および第2の固定測定構造に平行に延在し、
第2の固定支持構造は、第1の固定測定構造のうちの1つと第4の固定測定構造のうちの1つとの間に配置され、隣接する第1の固定測定構造および第4の固定測定構造に平行に延在し、
第3の固定支持構造は、第2の固定測定構造のうちの1つと第3の固定測定構造のうちの1つとの間に配置され、隣接する第2の固定測定構造および第3の固定測定構造に平行に延在し、
第4の固定支持構造は、第3の固定測定構造のうちの1つと第4の固定測定構造のうちの1つとの間に配置され、隣接する第3の固定測定構造および第4の固定測定構造に平行に延在する、実施形態67に記載のMEMS加速度計。
69.第1のばねが、各固定支持構造から固定支持構造の長手方向軸に沿って加速度計の角まで延在し、そこで、第1のばねに対して45度の角度かつ互いに対して90度の角度で第1のばねから外方に延在する第2のばねおよび第3のばねに接続され、第2のばねおよび第3のばねは隣接する可動測定構造に接続される、実施形態63〜68のいずれか1つに記載のMEMS加速度計。