JP2021147608A - シリコーンコーティング剤組成物及び物品 - Google Patents

シリコーンコーティング剤組成物及び物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2021147608A
JP2021147608A JP2021024731A JP2021024731A JP2021147608A JP 2021147608 A JP2021147608 A JP 2021147608A JP 2021024731 A JP2021024731 A JP 2021024731A JP 2021024731 A JP2021024731 A JP 2021024731A JP 2021147608 A JP2021147608 A JP 2021147608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silicone coating
coating agent
substituted
agent composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021024731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7468399B2 (ja
Inventor
寛保 原
Hiroyasu Hara
寛保 原
晃嗣 藤原
Akitsugu Fujiwara
晃嗣 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to TW110107446A priority Critical patent/TW202140702A/zh
Priority to KR1020210033230A priority patent/KR20210116331A/ko
Priority to CN202110280617.3A priority patent/CN113402911B/zh
Publication of JP2021147608A publication Critical patent/JP2021147608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7468399B2 publication Critical patent/JP7468399B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D4/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; Coating compositions, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09D183/00 - C09D183/16
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives

Abstract

【課題】有機溶剤を含有せず、保存安定性に優れ、基材に塗工した後は常温で速やかに硬化して、透明性、密着性等に優れ、基材の屈曲に対する追従性に優れた硬化被膜を与えることができ、かつ基材の腐食防止性、特に硫黄性ガスである硫化水素による硫化を低減することが可能であるシリコーンコーティング剤組成物を提供する。【解決手段】(A)下式(1)で表される加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物: 100質量部、(R1、R3は炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基、R2は非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基、Xは非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基及びケトオキシム基から選ばれる加水分解性基、aは0又は1。)(B)硬化触媒: 0.01〜10質量部を含有するシリコーンコーティング剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、室温(23℃±15℃)において大気中の湿気(水分)で加水分解・縮合反応により架橋・硬化する湿気硬化型の室温硬化性シリコーンコーティング剤組成物等に関し、特には、電気・電子部品、構造材部品等に使用されるシリコーンコーティング剤組成物等に関する。本発明のシリコーンコーティング剤組成物は、保存安定性に優れ、各種の基材に塗工した後は室温で速やかに硬化して、透明性、可撓性(基材の屈曲に対する追従性)、密着性(基材との接着性)、低ガス透過性等に優れる硬化被膜を得ることができることから、各種基材に対する表面保護、撥水性、防錆性、耐水性、耐候性、耐薬品性、耐汚染性等の各種の機能性付与が可能なシリコーンコーティング剤組成物とすることができる。
シリコーン樹脂(オルガノポリシロキサン樹脂)は、炭化水素系の他の有機樹脂とは異なり、耐熱性、耐候性、耐水性、難燃性等に優れ、高硬度の表面を有する硬化被膜を形成し得ることから、分子内にケイ素原子に結合したアルコキシ基やシラノール基などの架橋性基を有する硬化性シリコーンゴム組成物(シリコーンエラストマー組成物)や、シリコーンレジン系樹脂(三次元網状構造を有するポリオルガノシルセルキオキサン樹脂等)が、各種基材の表面保護材、耐熱塗料、耐候性塗料、撥水剤、各種バインダー等の用途、分野に広く使用されている。中でも、シリコーン樹脂の耐熱性、電気絶縁性が良好であることから家電製品、電子部品などの電子基板のコンフォーマルコートに使用される。また、樹脂組成物の工夫により、希釈有機溶媒を必要としないコーティング組成物も可能となり、VOC(揮発性有機化合物)問題/安全性に優れたコーティング剤が上市されている。ところが、一般的なシリコーンゴム系やシリコーンレジン系のコーティング剤組成物は、硫化水素などの腐食性ガスに対して電極金属(特に銀電極)の保護効果が低く、解決が望まれていた。
従来、硫化水素などの腐食性ガスによる金属腐食を低減させるためには、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系のコーティング剤を使用せざるを得なかったが、このような有機樹脂コーティング材料は一般的には有機溶媒で希釈された状態で使用され、VOC、安全性の問題を抱えていた。また、耐熱性、電気特性の問題からアクリル系、ウレタン系のコーティング剤には使用範囲に限界がある。
以上のようなことから、耐熱性、電気特性に加え、硫化水素等の腐食性ガスによる金属腐食を防ぐ能力に優れた無溶剤型シリコーン系コーティング剤が望まれていた。
本発明は、シリコーン系コーティング剤の中でも、硬化後に硬質被膜を形成するタイプの材料であるが、このようなシリコーンコーティング剤組成物としては、従来より末端シラノール基を有する平均分子量が約3,000〜2,000,000の硬化性シリコーン樹脂を、トルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解させた、いわゆるシリコーンワニス溶液が多用されてきた。このものを使用すれば、表面硬度、密着性、耐熱性、耐候性、耐水性等に優れた被膜を得ることができるが、有機溶剤を必須成分とすることや、シラノール基同士の脱水縮合架橋反応を利用するため、一般的に被膜形成には150℃以上で長時間の加熱硬化が必要とされる。
これに対し、有機溶剤を含有せず、常温硬化が可能で、保存安定性に優れる一液タイプの無溶剤常温硬化型シリコーンコーティング剤組成物が求められており、オルガノアルコキシシランを部分(共)加水分解縮合した比較的低分子量のシリコーンアルコキシオリゴマーの利用が検討され、同時にこのシリコーンアルコキシオリゴマーの湿気による加水分解反応と脱アルコール縮合反応を効果的に促進して、シロキサン結合による架橋被膜を形成させる硬化触媒の研究も盛んに行われ、引用の技術が提案されている(特許文献1、2:特開昭60−233164号公報、特許第4110402号公報)。
ただし、いずれの技術も、得られる硬化被膜は剛直で可撓性に劣るため基材の屈曲に対する追従性に劣ったものであり、また、硫化水素による金属腐食を防ぐことはできなかった。
一方、無溶剤シリコーン組成物において、硫黄性腐食性ガスによる基材金属の腐食防止を目的とした技術の例として、銀や銅等の金属粉を組成物中に添加し、金属粉の犠牲的腐食により基材金属の腐食を低減する技術(特許文献3、4:特許第4114037号公報、特許第4530137号公報)や、有機添加物によって基材金属の腐食を低減する技術(特許文献5:特許第6418115号公報)が挙げられる。いずれも優れた技術であるが、シリコーン被膜中に侵入する腐食性ガス種を被膜内部の反応によって無害化する手段であり、腐食性ガスの種類によっては効果が不十分であった。
特開昭60−233164号公報 特許第4110402号公報 特許第4114037号公報 特許第4530137号公報 特許第6418115号公報
本発明は、上記欠点を解決するためになされたもので、有機溶剤を含有せず、硬化性有機ケイ素化合物本来の特性を損なうことなく、コーティング剤組成物としての保存安定性に優れ、基材に塗工した後は常温で速やかに硬化して、透明性、密着性等に優れ、基材の屈曲に対する追従性(可撓性)に優れた硬化被膜を与えることができ、かつ低ガス透過性であるため基材の腐食防止性、特に硫黄性ガスである硫化水素による硫化を低減することが可能であるシリコーンコーティング剤組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で表される分子中に非置換又は置換のフェニル基を少なくとも1個有し、かつ分子中に少なくとも4個、好ましくは4〜6個の加水分解性基を含有する特定分子構造のオルガノトリシロキサン化合物を主剤とし、硬化触媒を含有した縮合反応硬化性のシリコーンコーティング剤組成物を用いることによって、密閉化での優れた保存性を示し、かつ開放雰囲気下では気中水分による加水分解縮合反応により速やかに硬化し、透明性、密着性等に優れ、基材の屈曲に対する追従性(可撓性)に優れた硬化被膜を与えることができ、かつ低ガス透過性であるため硬化被膜が硫化水素による硫化を低減することが可能であることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記のシリコーンコーティング剤組成物及び該組成物の硬化物で封止、コーティング、固定又は接着された物品を与えるものである。
[1]
(A)下記一般式(1)で表される加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物:
100質量部、
Figure 2021147608
(式中、R1、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、R2は非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基であり、Xはそれぞれ独立に非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基及びケトオキシム基から選ばれる少なくとも1種の加水分解性基であり、aは結合するケイ素原子毎に独立に0又は1である。)
(B)硬化触媒: 0.01〜10質量部
を含有するシリコーンコーティング剤組成物。
[2]
上記一般式(1)において、R3が非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基である[1]に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
[3]
上記一般式(1)において、Xがメトキシ基、エトキシ基、イソプロペニルオキシ基又はケトオキシム基である[1]又は[2]に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
[4]
(A)成分100質量部に対して、更に、(A)成分以外の下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を0.1〜100質量部含有する[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコーンコーティング剤組成物。
(R1aSi(X)(4-a) (2)
(式中、R1、X、aは、それぞれ上記と同じ。)
[5]
有機溶剤を含まないものである[1]〜[4]のいずれかに記載のシリコーンコーティング剤組成物。
[6]
(A)成分が、下記一般式(2)
(R1aSi(X)(4-a) (2)
(式中、R1、X、aは、それぞれ上記と同じ。)
で示される加水分解性オルガノシラン化合物と、下記一般式(3)
Figure 2021147608
(式中、R2、R3は、それぞれ上記と同じ。)
で示されるジオルガノシランジオールとの加水分解・縮合反応物である[1]〜[5]のいずれかに記載のシリコーンコーティング剤組成物。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載のシリコーンコーティング剤組成物の硬化物で封止、コーティング、固定又は接着された物品。
本発明によれば、保存安定性に優れ、有機溶剤を含有しなくても基材に塗工可能であり、塗工後に常温で速やかに硬化被膜を形成し、該硬化被膜は透明性、密着性等に優れ、基材の屈曲に対する追従性(可撓性)に優れた硬化被膜を与えることができ、かつ低ガス透過性であるため基材の腐食防止性、特に硫黄性ガスである硫化水素による硫化を低減することが可能であるシリコーンコーティング剤組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、本発明のシリコーンコーティング剤組成物の主剤となるものであり、下記一般式(1)で表される、分子中に非置換又は置換のフェニル基を少なくとも1個有し、かつ分子中に少なくとも4個、好ましくは4〜6個の加水分解性基を含有する特定分子構造のオルガノトリシロキサン化合物である。
(A)成分の加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物は、後述する(B)成分の硬化触媒の存在下に、室温(23℃±15℃、以下同じ)において大気中の湿気(水分)で加水分解・縮合反応により速やかに架橋・硬化して、透明性、密着性等に優れ、基材の屈曲に対する追従性(可撓性)に優れると共に、ガス透過性が抑制された硬化被膜を与えることができる。
Figure 2021147608
(式中、R1、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、R2は非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基であり、Xはそれぞれ独立に非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基及びケトオキシム基から選ばれる少なくとも1種の加水分解性基であり、aは結合するケイ素原子毎に独立に0又は1である。)
上記式(1)において、R1、R3はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等の、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の、炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基、メシチル基等の炭素数7〜10のアルキルアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部がハロゲン原子等で置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、2,3,3−トリフルオロ−2−クロロシクロブチル基、3,4−ジブロモ−1−クロロヘキシル基、ジフルオロモノクロロビニル基、2−ヨードシクロヘキセニル基、クロロフェニル基、パークロロフェニル基、フルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、2,2,2−トリフルオロトリル基、2,4−ジブロモベンジル基等のハロゲン置換一価炭化水素基が挙げられる。
これらのうち、R1としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基が好ましく、また、後述するR2の項でも説明するように、得られる硬化被膜の低ガス透過性が重要となる場合には非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基であることが好ましいが、本発明の組成物の加水分解・縮合反応による硬化速度の設計上の理由で、その他の各種の一価有機基を選択することができる。
3としては、得られる硬化被膜のガス透過性低減の観点から、フェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル基、パークロロフェニル基、フルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、2,2,2−トリフルオロトリル基等の非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基であることが好ましい。
また、R3としては、上記した非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基以外の一価炭化水素基とすることによって、硬化被膜のTgをコントロールすることができ、目的の低ガス透過性とTgに合わせてR3を種々設計することができる。これらの中でも、得られる硬化被膜の離型性、撥水性が良好なことから、アルキル基、アリル基、フルオロアルキル基が好ましい。
上記式(1)において、R2は、非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基であり、(A)成分の式(1)で示されるオルガノトリシロキサン化合物は1分子中に少なくとも1個の非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基(例えば、上記で例示したフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル基、パークロロフェニル基、フルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、2,2,2−トリフルオロトリル基等)を有する必要がある。低ガス透過性を重視する場合、好ましくは分子中に2個(即ち、R2とR3の両方)の非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基を有することが望ましい。
この非置換又は置換のフェニル基によって硬化被膜のガス透過性が低減されるものであり、分子中に非置換又は置換のフェニル基を有さないオルガノトリシロキサン化合物では、硬化被膜はガス透過性が高くなり、基材金属の腐食性ガスによる腐食を低減できなくなる。
上記式(1)において、Xはそれぞれ独立に非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基及びケトオキシム基から選ばれる少なくとも1種の加水分解性基である。Xとして、具体的には、好ましくは炭素数1〜7の、非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基及びケトオキシム基から選ばれる少なくとも1種の加水分解性基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、メトキシ置換メトキシ基、メトキシ置換エトキシ基、エトキシ置換メトキシ基、エトキシ置換エトキシ基等の炭素数2〜4のアルコキシ置換のアルコキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等の炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニルオキシ基等の炭素数6〜10のアリールオキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基等の炭素数2〜4のアシルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等の炭素数3〜6のケトオキシム基等が挙げられる。好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロペニルオキシ基、メチルエチルケトオキシム基等である。
aは結合するケイ素原子毎に独立に0又は1であり、好ましくは1である。
(A)成分の加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物は、上記式(1)において、加水分解性基Xを1分子中に少なくとも4個、好ましくは4〜6個、より好ましくは4個有するものであり、所望の硬化速度、保存性特性を達成するために適した脱離基を選択することができる。
式(1)で表される加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物として、具体的には、下記に示す化合物が例示できる。
Figure 2021147608
Figure 2021147608
なお、(A)成分の上記一般式(1)で示される加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物は、下記一般式(2)で示されるケイ素原子に結合した1価炭化水素基として上記したR1と加水分解性基Xとを有する加水分解性オルガノシラン化合物と、下記一般式(3)で示されるケイ素原子に結合した1価炭化水素基として上記したR2とR3とを1個ずつ有する分子中に非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基を少なくとも1個、好ましくは2個有するジオルガノシランジオール(ジオルガノジヒドロキシシラン)とを縮合反応触媒の存在下に従来公知の条件で加水分解・縮合反応させることによって、容易に製造することができる。
(R1aSi(X)(4-a) (2)
Figure 2021147608
(各式中、R1、R2、R3、X、aは、それぞれ上記と同じ。)
上記式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物として、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン等が例示できる。
上記式(3)で示されるジオルガノシランジオールとして、具体的には、ジフェニルシランジオール、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール等が例示できる。
式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物と式(3)で示されるジオルガノシランジオールの反応割合は、式(3)で示されるジオルガノシランジオール中のシラノール基1モルに対して式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物が1モル以上であることが好ましいが、反応生成物中の残存シラノール基を低減させるために該シラノール基1モルに対して該加水分解性オルガノシラン化合物が2モル以上であることがより好ましい。式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物の反応モル比の上限は5モル程度以下でよい。反応生成物中に残存シラノール基が多い場合には、その後の組成物の硬化反応速度を低下させることがある。
上記反応に用いる縮合反応触媒としては、チタンキレート化合物、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等のグアニジル基含有シラン化合物、アルミニウムキレート化合物、有機ジルコニウム化合物等が例示できる。
縮合反応触媒の添加量は、上記式(3)で示されるジオルガノシランジオールと上記式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物が室温下〜加熱下での縮合反応が進行するのに十分な量であればよく、通常、上記ジオルガノシランジオールと加水分解性オルガノシラン化合物との合計100質量部に対して0.01〜10質量部、特には0.1〜5質量部程度が好ましい。
反応条件としては、0〜150℃、特には25〜100℃程度の温度で、5〜120分、特には10〜60分程度の条件で、好ましくは、縮合反応により副生するアルコール等を除去しながら反応させることで反応生成物((A)成分)を得ることができる。
本発明のシリコーンコーティング剤組成物において、(A)成分の加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物は、1種単独で又は2種以上を併用して使用できる。
[(B)成分]
(B)成分の硬化触媒は、上記一般式(1)で示される(A)成分の加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物が硬化工程中において、大気中の湿気(水分)と加水分解・縮合反応して本発明の組成物が速やかに硬化被膜にいたるのに必要な縮合反応触媒であり、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機塩基化合物から選択されるものであり、(A)成分の上記一般式(1)において選択された加水分解性基Xの反応性に合わせて、適した触媒が選択される。
このような縮合反応触媒としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、あるいは塩基性金属塩類が例示され、具体的には、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸マグネシウムなどの塩基性金属塩を例示することができる。
また、その他の縮合反応触媒として、アルミニウムキレート化合物、有機チタン化合物、有機錫化合物、アミノアルキルアルコキシシラン、アンモニウム塩なども使用できる。アルミニウムキレート化合物としては、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトネート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートなどが例示される。有機チタン化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタンなどが例示される。有機錫化合物としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、オクトエ酸第一錫、ナフテン酸第一錫、オレイン酸第一錫、イソ酪酸第一錫、リノール酸第一錫、ステアリン酸第一錫、ベンゾール酸第一錫、ナフトエ酸第一錫、ラウリン酸第一錫、o−チム酸第一錫、β−ベンゾイルプロピオン酸第一錫、クロトン酸第一錫、トロパ酸第一錫、p−ブロモ安息香酸第一錫、パルミトオレイン酸第一錫、桂皮酸第一錫、及びフェニル酢酸第一錫のようなカルボン酸の錫塩などが例示される。アミノアルキルアルコキシシランとしては、γ−アミノプロピルトリメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランなどが例示される。アンモニウム塩としては、酸とアミンの塩が例示され、酸としては酢酸、ギ酸などが、またアミンとしてはアリルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、tert−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミンなどが例示される。
(B)成分の硬化触媒の配合量は、反応が良好に進行し、また得られるシリコーンコーティング剤組成物の硬化性が良好なものとなることから、(A)成分の加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、特に0.02〜5質量部が好ましい。
[(C)成分]
本発明のシリコーンコーティング剤組成物は、上記(A)成分、(B)成分の他に、上記(A)成分の製造に用いたのと同様の、上記式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物(C)を更に含有するものであってもよい。該(C)成分を配合すると、組成物の保存性を向上させることができ、また組成物の硬化時間(可使時間)を制御できるという効果が得られる。
なお、上記式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物と上記式(3)で示されるジオルガノシランジオールを反応させて(A)成分を得る際に、式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物を過剰量にて反応させ、反応後の余剰の式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物をそのまま用いてもよい。
この上記式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して100質量部以下(0〜100質量部)であればよく、好ましくは0.1〜50質量部程度であればよい。
[その他の成分]
本発明のシリコーンコーティング剤組成物には、更に必要に応じて、少量の各種添加剤、例えば可塑剤、剥離剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤や二酸化チタン、カーボンブラック又は酸化鉄などの顔料や染料を本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。また同様に煙霧質シリカ、シリカエアロゲル、シリカゲル、及びこれらを有機シラン類、有機シロキサン類あるいは有機シラザン類で処理した補強性シリカ充填剤、更にアスベスト、粉砕溶融石英、酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、雲母、炭酸カルシウム、クレー、ジルコニア、ガラス、砂、黒鉛、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、アルミニウム粉末、おがくず、コルク、フルオロカーボンの重合体粉末、シリコーンゴム粉末、シリコーン樹脂粉末などの充填剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
更に必要に応じて有機溶剤を配合することも構わないが、VOC、安全上への配慮から、組成物が工程上使用可能な粘度であるかぎり、有機溶剤は含まないか、少ない方が好ましい。
本発明のシリコーンコーティング剤組成物を製造するにあたっては、前記した(A)、(B)成分の所定量を単純に混合すればよく、この場合、混合時の温度は限定されないが、特に加熱等の操作を行う必要はなく、室温下で10分間以上、好ましくは10〜60分間の撹拌混合を行うのみで容易に得ることができる。なお、この混合の際には、水分の混入によってアルコキシ基等の加水分解性基が加水分解してしまうのを防ぐ目的で、窒素雰囲気下にて行うことが好ましい。
このようにして、本発明のシリコーンコーティング剤組成物は、該組成物の硬化物で封止、コーティング、固定又は接着した物品を提供することができる。
本発明のシリコーンコーティング剤組成物は、各種の金属基材、木材、石材、モルタル板、スレート板、瓦、コンクリート、ガラス、セラミックス類、プラスチック製品、有機樹脂塗膜製品等に対し、従来公知の方法によって塗布硬化させてコーティング被膜とすることができる。この場合、塗布方法としては、具体的には刷毛塗り、スプレー塗布、浸漬、フローコーター、ナイフコーター、スピンコーター等の方法を挙げることができ、更に現場塗装を行うことも可能である。また、塗布量としては、基材の種類や塗工を行う目的によって異なるが、一般的には硬化後の被膜厚さが0.1〜200μmの範囲となるようにすればよく、好ましくは1〜100μmの範囲である。
本発明のシリコーンコーティング剤組成物の硬化条件としては、特に限定されないが、空気中の湿分によって硬化して被膜を形成するものであるため、室温〜80℃の温度範囲で1分間〜2時間程度放置することにより乾燥し(タックフリー状態)、更に数時間〜数日間の放置によって硬化反応を完結させることができる。
このようにして、本発明のシリコーンコーティング剤組成物は、該組成物の硬化物で封止、コーティング、固定又は接着した物品を提供することができる。
以下、調製例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各例において、室温は25℃を示し、粘度は25℃における回転粘度計による測定値を示す。
[調製例]
(A)成分
(A−1)
100mlフラスコに、ジフェニルシランジオール(16.2g)、ビニルトリメトキシシラン(25g)、チタンキレート触媒(0.2g、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC−401)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するメタノールと余剰ビニルトリメトキシシランを窒素ガスフローにて除去することで、下記式で示されるオルガノトリシロキサン化合物(A−1)を得た。
Figure 2021147608
(A−2)
100mlフラスコに、ジフェニルシランジオール(16.2g)、フェニルトリメトキシシラン(25g)、チタンキレート触媒(0.2g、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC−401)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するメタノールを窒素ガスフローにて除去、その後、余剰フェニルトリメトキシシランを減圧下加熱で除去することで、下記式で示されるオルガノトリシロキサン化合物(A−2)を得た。
Figure 2021147608
(A−3)
100mlフラスコに、ジフェニルシランジオール(16.2g)、メチルトリメトキシシラン(25g)、チタンキレート触媒(0.2g、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC−401)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するメタノールと余剰メチルトリメトキシシランを窒素ガスフローにて除去することで、下記式で示されるオルガノトリシロキサン化合物(A−3)を得た。
Figure 2021147608
(A−4)
100mlフラスコに、ジフェニルシランジオール(16.2g)、ビニルトリイソプロペノキシシラン(25g)、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン(0.2g)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するアセトンを窒素ガスフローにて除去、その後、余剰ビニルトリイソプロペノキシシランを減圧下加熱で除去することで、下記式で示されるオルガノトリシロキサン化合物(A−4)を得た。
Figure 2021147608
(A−5)
100mlフラスコに、メチルフェニルシランジオール(16.2g、一部は二量化している)、ビニルトリメトキシシラン(25g)、チタンキレート触媒(0.2g、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC−401)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するメタノールと余剰ビニルトリメトキシシランを窒素ガスフローにて除去することで、下記式で示されるオルガノトリシロキサン化合物(A−5)を得た。
Figure 2021147608
(A)成分(比較用)
(a−1)
100mlフラスコに、ジメチルシランジオール(12.3g、一部は二量化している)、メチルトリメトキシシラン(20g)、チタンキレート触媒(0.2g、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC−401)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するメタノールと余剰メチルトリメトキシシランを窒素ガスフローにて除去することで、下記式で示されるオルガノトリシロキサン化合物(a−1)を得た。

Figure 2021147608
(a−2)
100mlフラスコに、末端水酸基型ジメチルシリコーンポリマー(700mPa.s、300g)、メチルトリメトキシシラン(25g)、チタンキレート触媒(0.2g、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC−401)を添加し、100℃下で60分間反応させた後、発生するメタノールを窒素ガスフローにて除去、その後、余剰メチルトリメトキシシランを減圧下加熱で除去することで、下記式で示されるオルガノポリシロキサン化合物(a−2)を得た。
Figure 2021147608
(式中、nは250である。)
[実施例1〜5、比較例1〜3]
10mlガラスカップ内に、表1、2に示す各成分を各配合量にて配合し、手混合にて、室温下、10分間撹拌し、シリコーンコーティング剤組成物を得た。なお、(A−1)〜(A−5)、(a−1)、(a−2)は溶剤成分無しである。得られたシリコーンコーティング剤組成物の外観及び性状を目視にて確認し、表1、2に併記した。
また、上記で得られたシリコーンコーティング剤組成物を、23℃/50%Rh×7日の硬化条件で硬化させた。得られた硬化物の外観及び性状を目視にて確認し、表1、2に併記した。
上記調製例で得られた(A)成分以外に使用した原料を以下に示す。
(B)成分
(B−1)
錫触媒:U−830(日東化成(株)製、ジオクチル錫)
(B−2)
アミン触媒:テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン
(C)成分
(C−1)
ビニルトリメトキシシラン
(A)成分(比較用)
(a−3)
アクリル樹脂成分を主体とする、溶剤型コーティング剤:Humiseal(登録商標)−1B66NSを準備した。固形分35質量%(溶媒成分65質量%)であるが、薄膜塗布とするため、追加溶媒(希釈材 Humiseal(登録商標)シンナー901)で倍希釈とした。
Figure 2021147608
Figure 2021147608
次に、上記実施例及び比較例のシリコーンコーティング剤組成物、及び上記(a−3)成分を用いた比較例3を用いて、硬化物外観、タックフリータイム、腐食防止性試験、及び可撓性を評価した。これらの結果を表3に示す。
(硬化物外観)
下記タックフリータイムの評価で作製したアルミシャーレ上で硬化した被膜を、目視により、透明性、着色程度の評価を行った。
(タックフリータイム)
アルミシャーレ上に各組成物(液体)を0.20g採取し、2cm×2cm(4cm2)の正方形状に塗り広げ、指触により各組成物表面の粘着性がなくなるまでの時間を硬化時間(タックフリータイム)として評価した。
(腐食防止性試験)
各材料(シリコーンコーティング剤組成物)を、銀メッキアルミニウム板の表面に硬化被膜が約200μmとなるように、0.08gの各組成物(液体)を2cm×2cm(4cm2)の正方形状に塗り広げ、23℃/50%Rh×7日の硬化条件で硬化させ、硫化水素ガス腐食試験機を使用して、銀メッキ面腐食状態を経時(初期、1日後、3日後、7日後、14日後)で観察した。腐食条件は以下の通り。
硫化水素濃度 :2ppm
温度 :23℃
湿度 :50%Rh
腐食試験前後の銀メッキ面を観察し、初期の銀光沢から変化(黒色化、灰色化)した時点で腐食したと判断した。
(可撓性)
上記腐食防止性試験終了後のコート済み(シリコーンコーティング剤組成物の硬化被膜を有する)銀メッキアルミニウム板を折り曲げた際に、コート層が割れずに基材に追従できるかを評価した。
Figure 2021147608
(結果)
以上の結果から、本発明のシリコーンコーティング剤組成物は、常温における硬化性、透明性に優れ、かつ腐食性ガスから金属基材の腐食を防ぐ効果と、基材追従性(可撓性)に優れることが確認された。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)で表される加水分解性基含有オルガノトリシロキサン化合物: 100質量部、
    Figure 2021147608
    (式中、R1、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、R2は非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基であり、Xはそれぞれ独立に非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基及びケトオキシム基から選ばれる少なくとも1種の加水分解性基であり、aは結合するケイ素原子毎に独立に0又は1である。)
    (B)硬化触媒: 0.01〜10質量部
    を含有するシリコーンコーティング剤組成物。
  2. 上記一般式(1)において、R3が非置換、ハロゲン置換又はアルキル置換のフェニル基である請求項1に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
  3. 上記一般式(1)において、Xがメトキシ基、エトキシ基、イソプロペニルオキシ基又はケトオキシム基である請求項1又は2に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
  4. (A)成分100質量部に対して、更に、(A)成分以外の下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(C)を0.1〜100質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
    (R1aSi(X)(4-a) (2)
    (式中、R1、X、aは、それぞれ上記と同じ。)
  5. 有機溶剤を含まないものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
  6. (A)成分が、下記一般式(2)
    (R1aSi(X)(4-a) (2)
    (式中、R1、X、aは、それぞれ上記と同じ。)
    で示される加水分解性オルガノシラン化合物と、下記一般式(3)
    Figure 2021147608
    (式中、R2、R3は、それぞれ上記と同じ。)
    で示されるジオルガノシランジオールとの加水分解・縮合反応物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーンコーティング剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコーンコーティング剤組成物の硬化物で封止、コーティング、固定又は接着された物品。
JP2021024731A 2020-03-17 2021-02-19 シリコーンコーティング剤組成物及び物品 Active JP7468399B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW110107446A TW202140702A (zh) 2020-03-17 2021-03-03 聚矽氧塗佈劑組成物及物品
KR1020210033230A KR20210116331A (ko) 2020-03-17 2021-03-15 실리콘 코팅제 조성물 및 물품
CN202110280617.3A CN113402911B (zh) 2020-03-17 2021-03-16 有机硅涂布剂组合物和物品

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020045945 2020-03-17
JP2020045945 2020-03-17

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021147608A true JP2021147608A (ja) 2021-09-27
JP7468399B2 JP7468399B2 (ja) 2024-04-16

Family

ID=77847917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021024731A Active JP7468399B2 (ja) 2020-03-17 2021-02-19 シリコーンコーティング剤組成物及び物品

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7468399B2 (ja)
KR (1) KR20210116331A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022181369A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 信越化学工業株式会社 シリコーンコーティング剤組成物及び物品

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60233164A (ja) 1984-05-07 1985-11-19 Shin Etsu Chem Co Ltd 被覆用オルガノポリシロキサン組成物
JPS6139018U (ja) 1984-08-16 1986-03-12 釜屋化学工業株式会社 化粧料等の携帯用収納容器
JP3816354B2 (ja) 2001-06-07 2006-08-30 中央理化工業株式会社 封孔剤
JP4114037B2 (ja) 2001-09-25 2008-07-09 信越化学工業株式会社 電気・電子部品の硫化防止又は遅延用シリコーンゴム封止・シール材及び硫化防止又は遅延方法
JP3996409B2 (ja) 2002-03-01 2007-10-24 中央理化工業株式会社 浸透型無機防錆塗料組成物、及びこれを用いた金属構造物の補修塗装方法
JP4110402B2 (ja) 2003-06-19 2008-07-02 信越化学工業株式会社 シリコーン系コーティング剤組成物
JP4530137B2 (ja) 2003-09-17 2010-08-25 信越化学工業株式会社 精密電子部品封止・シール用オルガノポリシロキサン組成物、精密電子部品の腐蝕防止又は遅延方法、並びに銀含有精密電子部品
JP5006600B2 (ja) 2006-08-25 2012-08-22 株式会社ナード研究所 シロキサン系表面被覆剤の製法
JP5633087B2 (ja) 2009-05-25 2014-12-03 株式会社ディ・アンド・ディ 一液常温硬化型被覆材
KR101787129B1 (ko) 2010-01-18 2017-10-18 닛뽄 지코우 가부시키 가이샤 실리콘 레진 조성물 및 실리콘 레진 조성물을 이용한 보호 피복 공법
JP6418115B2 (ja) 2015-09-14 2018-11-07 信越化学工業株式会社 金属基材の硫化防止方法、硫化防止性評価方法、及び実装回路基板
FI127462B (en) 2016-07-14 2018-06-29 Inkron Oy Siloxane monomers, their polymerization and uses
JP7157998B2 (ja) 2017-04-24 2022-10-21 国立研究開発法人産業技術総合研究所 シロキサン化合物の製造方法、新規なシロキサン化合物、およびそれらの用途
US20210189070A1 (en) 2018-08-17 2021-06-24 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Composition including organopolysiloxane compound, production method therefor, coating material, and coated article

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022181369A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 信越化学工業株式会社 シリコーンコーティング剤組成物及び物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP7468399B2 (ja) 2024-04-16
KR20210116331A (ko) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100363126B1 (ko) 에폭시관능 오르가노폴리실록산 수지 및 에폭시 관능 오르가노폴리실록산 코팅조성물
KR102326223B1 (ko) 실온 경화성 오르가노폴리실록산 조성물 및 해당 실온 경화성 오르가노폴리실록산 조성물의 경화물인 성형물
US9475969B2 (en) Organopolysiloxane compound having ethynyl groups, method for preparing linear organopolysiloxane compound having ethynyl groups at both terminals of molecular chain, method for preparing organopolysiloxane polymer having alkoxysilyl-ethylene group at terminal, room temperature curable composition and molded product which is cured product thereof
EP2937352A1 (en) Novel alkoxysilyl-ethylene-group-terminated silicon-containing compound, room-temperature-curable organopolysiloxane composition, and molded article obtained by curing said composition
JP6567693B2 (ja) 縮合反応型シリコーン組成物及び硬化物
TWI424027B (zh) Room temperature hardening organopolysiloxane composition
JP6627862B2 (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物である成形物
JPH0812761A (ja) シリコーン樹脂組成物
JPWO2017187762A1 (ja) 末端シラノール基含有ポリオキシアルキレン系化合物及びその製造方法、室温硬化性組成物、シーリング材並びに物品
CN115551957A (zh) 组合物
JPWO2019069706A1 (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品
JPS6325024B2 (ja)
JP7468399B2 (ja) シリコーンコーティング剤組成物及び物品
JPH04214764A (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP6402690B2 (ja) オルガノポリシルメチレンシロキサン組成物
JP6319168B2 (ja) 縮合反応生成物の製造方法、該縮合反応生成物を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法
CN113402911B (zh) 有机硅涂布剂组合物和物品
TWI389979B (zh) Room temperature hardened organopolysiloxane composition
CN116917427A (zh) 有机硅涂布剂组合物和物品
JP3162301B2 (ja) シリコーン樹脂組成物および汚れを防止する塗装方法
CN110591557B (zh) 一种有机硅披覆胶及其制备方法
JP2669191B2 (ja) 室温硬化性シリコーンゴム組成物及びその硬化物
TWI791562B (zh) 硬化觸媒、濕氣硬化型室溫硬化性有機聚矽氧烷組成物及成形體
JPH093360A (ja) プライマー組成物
JP7377765B2 (ja) オルガノポリシロキサン、およびそれを含有する組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7468399

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150