JP2021147121A - 保管棚 - Google Patents

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【課題】長尺物の搬入・搬出が容易で大型化を抑制し得る保管棚を提供する。【解決手段】支持台12に対して長手方向の一端部が上下方向の軸回りに回転可能に支持される支持アーム28と、該支持アーム28の他端部に上下方向の軸回りに回転可能に支持された受け部材30と、を備えた棚部材14が、支持台12の上下方向および長尺物10の長手方向に離間して複数配設される。同じ高さの棚部材14で構成される棚手段13の受け部材30に長尺物10を掛け渡すように載置した状態で、支持アーム28を支持台12に対して回転することで受け部材30を、保管位置N1と、該保管位置N1に位置する他の高さの受け部材30より外方の搬入出位置N2とに移動し得るよう構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材などの長尺物の保管棚に関するものである。
鋼材などの長尺物を保管する場合は、支柱に対して水平方向に延在する複数の水平アームを上下方向に多段で備えた支持台を、長尺物の長手方向に離間して複数配置した保管棚が用いられている。この保管棚では、複数の支持台における同一高さの水平アームに、長尺物が掛け渡して載置される。支柱に対して水平アームが固定されている構成では、最上段を除く下段側の水平アームに対して長尺物を搬入したり搬出したりする場合は、上段側の水平アームや長尺物が邪魔となるため、クレーンで吊った長尺物を直接搬入したり搬出することができない。そのため、フォークリフトを用いて長尺物を搬入したり搬出しなければならず、保管棚の周囲にフォークリフトによる作業空間を確保する必要があった。
そこで、特許文献1には、水平アームに対して、長尺物を載置するガイドアームを前後に伸縮するよう構成した保管棚が提案されている。この保管棚では、最上段を除く下段側のガイドアームに対する長尺物の搬入・搬出に際し、上段側の水平アームや長尺物が邪魔とならない位置まで下段側のガイドアームを前側に伸ばすことで、該ガイドアームに対する長尺物の搬入・搬出を上段側の水平アームや長尺物に妨げられることなく行うことができる。
特開平5−105213号公報
特許文献1に開示の保管棚では、水平アームに対してガイドアームは前後方向に直線的に伸縮するよう構成されているため、水平アームに対してガイドアームを縮めた状態と伸ばした状態とでは、水平アームが配設される支柱と、ガイドアームに載置された長尺物の重量が作用する作用点との離間距離が変化する。従って、特許文献1の保管棚では、水平アームに対してガイドアームを伸ばすことで支柱に対して作用点が最も離間する状態で、長尺物の重量を支えることができる剛性や強度に設定する必要があり、棚が大型化する問題がある。また、水平アームに対してガイドアームを伸ばした状態では、水平アームでガイドアームを支持する部分の長さが短かくなるため、長尺物の重量によってガイドアームが撓んでしまい、水平アームに対するガイドアームの伸縮移動をスムーズに行い得なくなる問題も指摘される。
すなわち本発明は、前述した従来技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、長尺物の搬入・搬出が容易で大型化を抑制し得る保管棚を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る保管棚は、
長尺物(10)を保管する保管棚であって、
支持台(12)に、前記長尺物(10)が載置される棚手段(13)が上下方向に離間して複数段で設けられ、
棚手段(13)は、前記支持台(12)に対して一端部が上下方向の軸回りに回転可能に支持される支持アーム(28)と、該支持アーム(28)の他端部に上下方向の軸回りに回転可能に支持されて前記長尺物(10)が載置される受け部材(30)とを備え、
前記支持アーム(28)を支持台(12)に対して回転することで受け部材(30)を、保管位置(N1)と、上段の棚手段(13)より外方の搬入出位置(N2)とに移動し得るよう構成したことを要旨とする。
請求項1の発明では、支持台に回転可能に支持した支持アームを回転して受け部材を保管位置と搬入出位置とに移動するよう構成したので、保管位置および搬入出位置において受け部材に載置された長尺物の重量が作用する作用点と、支持台に対する支持アームの支持位置との距離は変化しないので、保管棚の剛性や強度を、長尺物を保管する状態で必要な値で設定することができ、保管棚の大型化を抑制することができる。
請求項2の発明は、前記支持アーム(28)は、前記一端部に配設されて上下方向に離間する複数の軸受部(36)を備え、
前記支持アーム(28)は、前記支持台(12)に配設されて上下方向に延在する支軸(34)に、前記複数の軸受部(36)によって回転可能に支持されることを要旨とする。
請求項2の発明では、支持台の支軸に対して上下方向に離間する複数の軸受部で支持アームを回転可能に支持するよう構成したので、片持式であっても支軸に対して支持アームを傾くことなく安定して支持して、該支持アームをスムーズに回転することができる。
請求項3の発明は、前記保管位置(N1)と搬入出位置(N2)とに移動する前記受け部材(30)を、前記長尺物(10)を載置可能な向きに維持する向き維持手段(42)を備えたことを要旨とする。
請求項3の発明では、受け部材の向きを、向き維持手段によって一定に維持し得るよう構成したので、保管位置および搬入出位置に受け部材を移動した際に、該受け部材の向きを手動で修正する必要はなく、受け部材に対する長尺物の搬入作業および搬出作業が容易となる。
本発明に係る保管棚によれば、大型化することなく長尺物の搬入・搬出を容易に行うことができる。
実施例に係る保管棚を、受け部材を保管位置に位置付けた状態で示す概略側面図である。 実施例に係る保管棚を、受け部材を保管位置に位置付けた状態で示す概略平面図である。 実施例に係る保管棚を、受け部材を搬入出位置に位置付けた状態で示す概略正面図である。 実施例に係る保管棚を、2段目の受け部材を搬入出位置に移動した状態で示す概略側面図である。 実施例に係る保管棚を、2段目の受け部材を搬入出位置に移動した状態で示す概略平面図である。
次に、本発明に係る保管棚につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
図1〜図3は、実施例に係る保管棚を示すものであって、保管棚は、棒鋼、型鋼、鋼管などの鋼材からなる長尺物10を保管するものであって、支持台12と、該支持台12に対して上下方向に離間して配設された複数段(実施例では3段)の棚手段13とを備える。支持台12は、上下方向に延在する支柱16の下端に、長尺物10の長手方向と交差する前後方向に延在する脚部18が配設された複数(実施例では4つ)の基台20を、長尺物10の長手方向に離間して連結材22によって相互に連結して構成される。連結材22は、基台20の上端部および下端部に配設されると共に、各連結材22と基台20とは、斜めに延在する補強材24によって連結されて剛性が高められている。なお、長尺物10の長手方向について、以後、左右方向と指称する場合もある。
前記棚手段13は、前記支持台12における左右方向に離間する各支柱16に配設した複数の棚部材14で構成される。この棚部材14は、図1、図2に示す如く、前記支持台12の各支柱16に対し、長手方向の一端部が軸支手段26を介して上下方向に延在する軸回りに回転可能に支持された支持アーム28と、該支持アーム28の長手方向の他端部に上下方向に延在する軸回りに回転可能に支持されて前記長尺物10が載置される受け部材30とを備える。棚部材14は、各支柱16に対して上下方向に離間して複数(実施例では3つ)配設されており、支持台12には、上下方向に3つ(3段)で、左右方向に4つの、合計12個の棚部材14が配設されている。実施例では、各支柱16に配設された同じ高さの4つの棚部材14によって、各段の棚手段13が構成される。また実施例では、同じ高さの棚部材14における受け部材30に長尺物10を掛け渡すように載置した状態で、支持アーム28を支柱16に対して回転することで受け部材30を、支柱16に近接する保管位置N1(図1,図2参照)と、支柱16から離間する搬入出位置N2(図4,図5参照)とに移動するよう構成される。実施例では、保管位置N1に位置付けられた受け部材30は、保管位置N1に位置付けた他の段の受け部材30に対して上下方向に重なり、搬入出位置N2に位置付けられた受け部材30は、保管位置N1に位置付けた他の段の受け部材30(上段の棚手段13)に対して上下方向に重ならない外方に位置するよう構成される。なお、搬入出位置N2に位置付けた受け部材30について、該受け部材30に対する長尺物10の搬入および搬出が、保管位置N1に位置付けた上段の受け部材30や該受け部材30に載置されている長尺物10と干渉することなく行い得るようになっていれば、搬入出位置N2の受け部材30と保管位置N1の受け部材30とが上下方向で部分的に重なっていてもよい。また、支柱16に対して上下方向に配設される棚部材14(棚手段13)の上下方向の離間間隔は、受け部材30に複数の長尺物10を段積みした状態で、該長尺物10が上段の棚部材14(棚手段13)に干渉しない間隔に設定される。
前記軸支手段26は、図1に示す如く、前記支柱16に配設されて上下方向に離間する複数(実施例では一対)の支持部32,32と、該一対の支持部32,32に配設されて上下方向に延在する支軸34と、前記支持アーム28の一端部に配設されて上下方向に離間する一対の軸受部36,36とを備え、該一対の軸受部36,36が支軸34に回転可能に支持されている。また、支持アーム28は、角筒状の部材であって、前記受け部材30の配設側に対して支柱16に対する支持側の外形が大きく設定されて、支柱16に対する支持アーム28の支持側での剛性や強度を高めている。更に、支持アーム28の一端部には、該支持アーム28の長手方向と交差する短手方向の両側に、補強板38が支持アーム28の長手方向に所定長さで設けられて、該補強板38,38によって支柱16に対する支持アーム28の支持側での剛性や強度を高めている。
前記受け部材30は、図1、図2に示す如く、前記長尺物10が載置される底壁30aと、該底壁30aの前後方向(長手方向)の両端縁から立ち上がる立壁30b,30bとから上方および左右方向に開放するコ字状の部材であって、前記底壁30aにおける前後方向の中央が、前記支持アーム28の他端部において上下方向に延在するように配設した受け軸40に回転可能に支持されている。また、棚手段13を構成する同じ高さに位置する4つの受け部材30は、図2、図5に示す如く、向き維持手段42によって、各受け部材30の向きが一定に維持される。向き維持手段42は、受け部材30における支柱16に近接する後端に配設された保持部44と、同じ高さに位置する4つの保持部44に連結された連結杆46とを備え、該連結杆46で連結された4つの受け部材30の夫々は、前記底壁30aに設けた立壁30b,30bが前後方向に対向する載置向きに維持される。そして、同じ高さに位置する4つの支持アーム28を回転する際に、連結杆46で連結されている各受け部材30が対応する支持アーム28に対して回転することで、4つの受け部材30は載置向きを維持したまま前記保管位置N1と搬入出位置N2との間を移動するよう構成される。また、各受け部材30には、支柱16から離間する前端に、操作用の把手48が設けられている。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例の保管棚の作用につき、全ての段の棚手段13における受け部材30に長尺物10が載置されている状態で、例えば上から2段目の棚手段13における受け部材30の長尺物10を搬出すると共に、該2段目の棚手段13における受け部材30に新たに長尺物10を搬入する場合で説明する。
図1、図2に示す如く、保管棚における全ての段の棚手段13における受け部材30が保管位置N1に位置付けられている状態で、上から2段目の棚手段13における受け部材30の長尺物10を搬出する場合は、作業者は当該2段目の受け部材30の前記把手48を持って手前側に引くことで、前記支持アーム28が前記支柱16に対して支軸34を支点として回転し、保管位置N1の受け部材30が搬入出位置N2に向けて移動する。この場合に、2段目の4つの受け部材30は、前記連結杆46によって連結されているので、長尺物10が載置されている載置向きを維持しつつ対応する支持アーム28に対して受け部材30が回転し、搬入出位置N2において4つの受け部材30は、何れも載置向きを維持して、長尺物10が荷崩れすることなく載置状態を維持する。
図4、図5に示す如く、前記搬入出位置N2まで移動した受け部材30の上方には、上段の棚手段13における受け部材30および該受け部材30に載置されている長尺物10は存在しないので、図示しないクレーンの吊り具によって長尺物10を直接吊って搬出することができる。また、新たな長尺物10を搬入出位置N2まで移動した2段目の受け部材30に搬入(載置)する場合においても、上段の受け部材30および該受け部材30に載置されている長尺物10が邪魔となることなく、クレーンの吊り具によって吊った長尺物10を直接搬入することができる。そして、長尺物10が載置された2段目の受け部材30の前記把手48を持って後側に押すことで、前記支持アーム28が前記支柱16に対して支軸34を支点として回転し、搬入出位置N2の受け部材30は、載置向きを維持しつつ保管位置N1まで移動する。
実施例の保管棚は、前記支持台12に回転可能に支持した支持アーム28を回転して、受け部材30を保管位置N1と搬入出位置N2とに移動するよう構成したので、保管位置N1および搬入出位置N2において受け部材30に載置された長尺物10の重量が作用する作用点と、支持台12に対する支持アーム28の支持位置との距離は変化しない。すなわち、保管棚の剛性や強度を、長尺物10を保管する状態で必要な値で設定することができ、保管棚の大型化を抑制することができる。
また、前記支持台12の支軸34に対して支持アーム28は、上下方向に離間する複数の軸受部36,36で回転可能に支持するよう構成したので、片持式であっても支持台12に対して支持アーム28を安定かつ強固に支持することができる。すなわち、支持アーム28の他端部に配設した受け部材30に載置された長尺物10の重量によって、支軸34に対して支持アーム28が傾くのを防ぐことができ、支持アーム28をスムーズに回転することができる。
また、同じ高さの受け部材30を連結杆46で連結して向きを一定に維持し得るよう構成したので、保管位置N1および搬入出位置N2に受け部材30を移動した際に、該受け部材30の向きを、長尺物10が載置可能な向きとなるように手動で変更する必要はなく、受け部材30に対する長尺物10の搬入作業および搬出作業が容易となる。実施例の棚手段13の受け部材30は、長尺物10の長手方向に離間しているので、該長尺物10の長手方向に離間する受け部材30,30の間において長尺物10の下方は空所となっており、該空所によって長尺物10に対してクレーンの吊り具の巻き掛けや取り外しを容易に行うことができる。
〔変更例〕
本願は、前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1. 支持台に配設される棚手段の段数は、2段または4段以上であってもよい。
2. 棚手段を構成する棚部材の配設数は、実施例の数に限られるものでなく、長尺物の大きさや長さなどに応じて任意に設定することができる。
3. 実施例では、支持台に対して上下方向に離間する全ての段の棚手段を、支持台に対して回転可能に支持するよう構成したが、最上段の棚手段については、支持台に受け部材を固定配置し、上から2段目以降の棚手段を実施例のように構成することができる。すなわち、少なくとも上から2段目以降の棚手段が、支持台に対して回転可能に構成されていればよい。
4. 実施例では、向き維持手段として、同じ高さの受け部材を連結杆で連結する構成を用いたが、カム溝などのカム部にカムフォワロを係合したリンク機構や、平行リンク機構などの各種公知の機構を、向き維持手段として採用することができる。
5. 実施例では、棚手段を、支持アームおよび受け部材からなる複数の棚部材から構成したが、棚手段は、複数の支持アームと、該複数の支持アームに回転可能に支持した一つの受け部材とからなる構成を採用することができる。すなわち、受け部材は、長尺物を安定して載置可能な長さに設定されていれば、長尺物の長手方向に離分されていなくてもよく、このように1つの受け部材を複数の支持アームで支持する構成では、複数の支持アームおよび受け部材によって平行リンク機構が構成されて、受け部材の向きを一定に維持することができる。
6. 実施例では、支持アームを、支柱に対して一対の軸受部によって回転可能に支持するよう構成したが、軸受部は3つ以上であってもよい。
7. 実施例では、支持台に対して片側にのみ棚手段を配設したが、支持台の両側に棚手段を夫々配設する構成を採用することができる。
8. 実施例では、作業者の手動によって支持アームを回転するよう構成したが、流体圧シリンダや駆動モータ等の駆動手段を用いて、支持アームを自動で回転する構成を採用することができる。
10 長尺物,12 支持台,13 棚手段,28 支持アーム,30 受け部材
34 支軸,36 軸受部,42 向き維持手段,N1 保管位置,N2 搬入出位置


Claims (3)

  1. 長尺物を保管する保管棚であって、
    支持台に、前記長尺物が載置される棚手段が上下方向に離間して複数段で設けられ、
    棚手段は、前記支持台に対して一端部が上下方向の軸回りに回転可能に支持される支持アームと、該支持アームの他端部に上下方向の軸回りに回転可能に支持されて前記長尺物が載置される受け部材とを備え、
    前記支持アームを支持台に対して回転することで受け部材を、保管位置と、上段の棚手段より外方の搬入出位置とに移動し得るよう構成した
    ことを特徴とする保管棚。
  2. 前記支持アームは、前記一端部に配設されて上下方向に離間する複数の軸受部を備え、
    前記支持アームは、前記支持台に配設されて上下方向に延在する支軸に、前記複数の軸受部によって回転可能に支持される請求項1記載の保管棚。
  3. 前記保管位置と搬入出位置とに移動する前記受け部材を、前記長尺物を載置可能な向きに維持する向き維持手段を備えた請求項1または2記載の保管棚。


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