JP2021146522A - 木目調化粧材、および建装材 - Google Patents

木目調化粧材、および建装材 Download PDF

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真次 岩田
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Abstract

【課題】導管溝部分を含む木目模様を有する化粧材において、より天然の木材板に近い外観および触感を有する木目調化粧材、および該木目調化粧材を被着体に貼り付けてなる建装材を提供する。【解決手段】基材1、絵柄模様層3、導管状凸条部2を有する木目調化粧材10であって、木目調化粧材はその表面上の少なくとも一部に導管状凸条部を含み、絵柄模様層は導管溝部分を含む木目模様を有し、導管状凸条部は木目模様の導管溝部分に対応している。【選択図】図1

Description

本発明は、木目調化粧材、および建装材に関するものである。
従来、様々な物品の表面には、意匠性を付与するために被着体に対し化粧材が積層されている。例えば、建築物の壁面に用いられる壁装材や、床面に用いられる床用化粧材、家具等の表面には、被着体に対しシート状の化粧材が積層されて用いられている。
この様な化粧材において付与される意匠として、天然の木材を模した木目模様がよく用いられている。化粧材における木目模様においては、外観(見た目)的にも、触感(手触り)的にも、一般的には天然の木材板に近い程好ましいとされている。そのため木目模様を有する化粧材においては、それが有する絵柄模様や凹凸形状などについて、外観的にも触感的にもなるべく天然の木材板に近づける様に様々な工夫がなされている。
天然の木材板における年輪や導管溝などは木材に特有なものであるため、木目模様を有する化粧材においてそれらを忠実に再現することは、より天然の木材板に近い化粧材を得るために重要と考えられている。例えば、天然の木材板において凹部となっている導管溝は、木目模様を有する化粧材においても凹部として形成されるような工夫がなされている(例えば特許文献1)。
特許文献1においては、木目模様をグラビア印刷し、その導管溝以外の部分に位置同調する様に第2の表面保護層形成用の樹脂層をグラビア印刷することで、木目模様の導管溝部分に相対的な凹部を形成している。この形態は実際の天然の木材板をある程度忠実に模しているため、比較的良好な、外観および木肌感すなわち触感を獲得している。
特開2008−087269号公報
ところが近年の化粧材の意匠に対する要求性能の高まりにより、導管溝を有する木目模様においては、以前はあまり問題とされなかった以下の点が問題とされるようになってきた。
まず、凹凸触感が弱い点が挙げられる。導管溝の凹形状に起因した凹凸触感に関し、天然の木材板の凹凸触感に比べ、木目模様を有する化粧材における凹凸触感が低く(弱く)感じられるという問題がある。
次に、外観(見た目)において導管溝部分のシャープさが劣る点が挙げられる。導管溝部分の外観において、天然の木材板のシャープさと比較して、木目模様を有する化粧材においては、導管溝部分に形成される凹部の輪郭部における緩やかな傾斜部分における反射のためにその部分が白っぽく見えてしまうことにより、導管溝部分がぼやけたようなシャープさに欠く外観となってしまうという問題がある。
さらに、易掃性に劣る点が挙げられる。天然の木材板における幅の狭い導管溝部分は、木目模様を有する化粧材においても幅の狭い凹部として再現されるため、その凹部内に入り込んだ汚れを除去することが困難であるという問題がある。この問題は天然の木材板においても生じ得る問題と考えられるが、化粧材である以上、清掃が容易である方が好ましいのである。
上記に鑑み本発明の目的は、導管溝部分を含む木目模様を有する化粧材において、より天然の木材板に近い外観および触感を有する木目調化粧材、および該木目調化粧材を被着体に貼り付けてなる建装材を提供することである。
本発明は、基材、絵柄模様層、導管状凸条部を有する木目調化粧材であって、木目調化粧材はその表面上の少なくとも一部に導管状凸条部を含み、絵柄模様層は導管溝部分を含む木目模様を有し、導管状凸条部は木目模様の導管溝部分に対応している木目調化粧材である。
上記木目調化粧材において、導管状凸条部は、その延在方向に垂直な断面視における導管状凸条部の幅をWとすると、Wは基材から離れるに従って単調減少していてもよい。
上記木目調化粧材において、導管状凸条部の高さHは、10μm≦H≦50μmであってもよい。
上記木目調化粧材において、導管状凸条部の表面が、木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分の表面より粗面であってもよい。
上記木目調化粧材において、木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分の表面が、導管状凸条部の表面より粗面であってもよい。
上記木目調化粧材において、導管状凸条部は、木目模様の導管溝部分と絵柄同調していなくてもよい。
上記木目調化粧材において、導管状凸条部は、木目模様の導管溝部分と絵柄同調していてもよい。
上記木目調化粧材において、導管状凸条部は、エンボス加工されていてもよい。
本発明は、上記木目調化粧材を被着体に貼り付けてなる建装材である。
本発明によれば、導管溝部分を含む木目模様を有する化粧材において、より天然の木材板に近い外観および触感を有する木目調化粧材、および該木目調化粧材を被着体に貼り付けてなる建装材を提供することができる。
本発明の実施形態に係る木目調化粧材の概略を表す断面斜視図 本発明に係る木目調化粧材について、図2(a)導管状凸条部の幅および高さを説明する概略断面図、図2(b)単調減少を説明する図 本発明に係る木目調化粧材の層構成の例を説明する概略断面図 本発明の実施形態に係る木目調化粧材の製造方法を説明する概略断面図 本発明に係る建装材の概略を表す断面斜視図
〔木目調化粧材〕
以下、本発明に係る木目調化粧材について、各図を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、厚さ、隙間、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これら
は、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は適宜置き換えても、本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
また本発明に係る木目調化粧材は、上記の通り、建築物の壁面や、床面や、家具等の表面に用いられ意匠性を発揮するものである。そのため本発明に係る木目調化粧材の観察面は通常片面のみである。本発明に係る木目調化粧材においてはその表裏両面のうち、通常の観察面側を表面、その反対の面側を裏面と呼ぶこととする。また図示における断面を含む各図においては、表面側を上側、裏面側を下側として図示している。
(実施形態)
図1に本発明の実施形態に係る木目調化粧材10の概略を表す断面斜視図を示す。
実施形態に係る木目調化粧材10は、基材1、絵柄模様層3、および木目調化粧材10の表面上の少なくとも一部に導管状凸条部2を有するものである。そして絵柄模様層3は導管溝部分を含む木目模様を有し、導管状凸条部2は木目模様の該導管溝部分に対応している。
木目調化粧材10は、上記以外の任意の層を含んでいても良い。図1に示す実施形態に係る木目調化粧材10は、更に透明性樹脂層4を含み、図1に示す実施形態では下から、基材1、絵柄模様層3、透明性樹脂層4の順に積層されている。図1に示す実施形態において、最表層である透明性樹脂層4は、視覚的および触感的に導管溝柄と知覚されるための凹凸形状を有する様にその表面が凹凸形状に変形している。その凹凸形状うちの凸部が導管状凸条部2に相当し、該凸部ではない部分(相対的な凹部)が、木目調化粧材の表面のうち導管状凸条部が存在しない部分2sに相当する。
導管状凸条部2は、図1に示す実施形態においては透明性樹脂層4により変形形成されているがこれに限らない。変形形態(図3)において後述する通り、本発明に係る木目調化粧材10は様々な層構成の形態とすることができるが、各形態においても導管状凸条部2は、木目調化粧材10の表面に視覚的および触感的に導管溝柄と知覚されるための凹凸形状である。そのため、基材1が最表層となる場合においては、基材1の表面が凹凸形状に変形していることにより導管状凸条部2が形成されている(図3(d)、図3(e))。その他の層が最表層となる場合についても同様である。
なお最表層が絵柄模様層3や表面保護層の様に厚さの薄い層である場合には、該厚さの薄い層(絵柄模様層3や表面保護層)のみについてその表面を凹凸形状に変形させ導管状凸条部2とすることはできない。そのような場合には、該厚さの薄い層の下層(図3(d)においては基材1)についてその表面を凹凸形状に変形形成させ、その上層である該厚さの薄い層を該下層(基材1)の凹凸形状に追従させることで、該下層(基材1)と該厚さの薄い層とが一体として導管状凸条部2を形成することとなる(図3(d))。
ここで導管溝とは、植物の木部において水分の通り道である導管がその長手方向に切断された場合に、切断面において導管がその長手方向に溝状に窪んで観察されるが、その溝状の窪みのことをいう。
また、導管状凸条部2が木目模様の導管溝部分に対応しているとは、本発明に係る木目調化粧材10の観察者が、視覚的および触感的に導管状凸条部2を木目模様における導管溝であると知覚することである。この場合には、導管溝部分を含む木目模様を有する木目調化粧材10の観察者にとって、天然の木材板と比較して違和感を覚える可能性は非常に低いと考えられる。後で詳細に説明するが、導管状凸条部2が木目模様の導管溝部分と平面視上位置同調している場合のみに限定されるものではない。
この様な木目調化粧材10においては、上記の通り、より天然の木材板に近い外観および触感を有する木目調化粧材とすることができる。
<基材>
基材1の材料は特に限定されず、繊維質シート、プラスチック基材、金属基材、木質系基材等を用いることができる。
繊維質シートとしては、薄紙、紙間強化紙、含浸紙、チタン紙、コート紙、段ボール紙、リンター紙、クラフト紙、上質紙等の公知の繊維質シートなどが利用できる。具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。なお、繊維質シートには、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
プラスチック基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ塩化ビニル等の各種のプラスチックシート、フィルム等が使用できる。プラスチック基材は、着色されていてもよく、着色されていなくてもよい。金属基材としては、鋼板、アルミニウム、ステンレス等の上に、着色剤のアンダーコートを行ったものを基材として製品化する事ができる。木質系基材としては、合板、パーティクルボード、中密度ファイバーボード等が挙げられる。
基材1の坪量は限定的ではないが、20〜300g/m2程度が好ましく、50〜300g/m2程度がより好ましく、50〜130g/m2程度が更に好ましい。
<絵柄模様層>
絵柄模様層3は、導管状凸条部2とともに木目調化粧材10に意匠性を付与する。本発明の木目調化粧材10における絵柄模様層3に係る絵柄模様は、導管溝部分を含む木目模様を有するものである。木目模様については導管溝部分を含むものであれば特に制限はなく、需要などに応じて選定すればよい。本発明においては、木目模様に導管溝部分を含むことにより各効果を奏するものである。
絵柄模様層3は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては特に限定されず、公知の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜100質量部程度が好ましく、15〜50質量部程度がより好ましい。
結着材樹脂は、基材1の種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層3の厚さは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜20μm程度とすることが好ましい。
<透明性樹脂層>
実施形態に係る木目調化粧材10においては、絵柄模様層3の上面側に透明性樹脂層4が形成されている。透明性樹脂層4は適切に形成、あるいは変形することにより導管状凸条部2を形成するものである。本発明においては、透明性樹脂層4は必須の構成要素ではなく存在しなくとも良い。透明性樹脂層4が存在しない場合には、導管状凸条部2は基材1が変形することにより形成される。
透明性樹脂層4は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。透明性樹脂層4を構成する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合体、珪素樹脂、ポリシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。また、電離放射線硬化型樹脂を用いてもよい。これら樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
透明性樹脂層4には、その表面の粗さを調整するために、シリカ、アルミナ、カオリン等の微粒子、ウレタンビーズ、アクリルビーズ等のビーズを添加してもよい。
なお、透明性樹脂層4は、透明性を有する限り着色されていても良いが、特に着色剤を配合しない方が望ましい。
木目調化粧材10表面のうち導管状凸条部が存在しない部分2sにおける透明性樹脂層4の厚さは、通常は5〜30μm程度であるが、木目調化粧材10の用途等に応じて上記範囲を超えてもよい。
<導管状凸条部>
導管状凸条部2は前述した様に、典型的には透明性樹脂層4、基材1、あるいはその他の層の表面が凸形状に変形形成されることで、木目調化粧材10の表面において相対的な凸部となる部分である。木目調化粧材10表面のうち導管状凸条部2ではない部分を導管状凸条部が存在しない部分2sと呼ぶこととする。導管状凸条部2は、好ましくはエンボス加工などの機械加工により形成された木目調化粧材10表面における凸部である。導管状凸条部2は、好ましくはエンボス加工されており、触感においても外観においても、人が導管溝を知覚する上で重要な役割を果たすものである。
導管状凸条部2は、その延在方向に垂直な断面視における導管状凸条部2の幅をWとすると、Wは基材1から離れるに従って単調減少する様に形成されている。
図2(a)は、導管状凸条部2をその延在方向に垂直な面で切断した場合の概略断面図である。図2(a)において、導管状凸条部2の延在方向に垂直な断面視における導管状凸条部2の幅Wは、基材1から離れるに従って、すなわち図示のhが大きくなる(図において上方向に移動する)に従って単調減少している。単調減少とは図2(b)に示す通り、hの増加につれてWが常に減少するような関係をいう。
また、導管状凸条部2の高さHは、好ましくは10μm≦H≦50μmの範囲である。ここで導管状凸条部2の高さHとは、導管状凸条部2の延在方向に垂直な断面視における、導管状凸条部が存在しない部分2sから導管状凸条部2の断面における先端までの高さであり、図2(a)においてHで図示される高さである。本発明の木目調化粧材10に係る導管状凸条部2は、盛り上げ印刷の様に新たな層を積層するのではなく、エンボス加工などの機械加工により形成されるものであるため、容易に10μm≦H≦50μmとすることができる。
上記の通り導管状凸条部2は、上記幅Wは基材1から離れるに従って単調減少する様に形成されており、上記高さHは、好ましくは10μm≦H≦50μmの範囲となっている。このような形状および寸法を有する導管状凸条部2は、機械加工、好ましくはエンボス加工により容易に形成することができる。また、本発明の木目調化粧材10は、このような形状および寸法を持つ導管状凸条部2を有するため、導管溝部分が相対的な凹部として形成される従来の化粧材と比べ、その外観および触感をより天然の木材板に近いものとすることができ、より違和感の少ない化粧材とすることができる。
このような導管状凸条部2の形状は、天然の木材における導管溝の凹形状を凹凸反転させた様な形状であるが、寸法については天然の木材における導管溝に即している必要はない。むしろ天然の木材板に近い外観および触感が得られるように、積極的に寸法を調整するべきである。上記の通り、導管状凸条部2の幅Wは基材1から離れるに従って(高さに従って)単調減少し、また導管状凸条部2の延在方向については、両端に近い程細く中間部が太い形状として設計されている。以下で導管状凸条部2の幅Wの実寸を例示するが、ここでは導管状凸条部2の幅Wとして、導管状凸条部2の延在方向についてはその中間部、延在方向に垂直な断面視における高さ方向hについて、Hの1/3の高さにおける幅Wとし、図2(a)においてWで図示される部分の寸法である。このようなWは、通常70μm≦W≦400μmの範囲であり、好ましくは100μm≦W≦300μmの範囲である。このようなHおよびWを有する導管状凸条部2が形成された木目調化粧材10は、その外観および触感をより天然の木材板に近いものとすることができ、より違和感の少ない化粧材とすることができる。
ちなみに天然の木材における導管溝の凹形状について、上記と(凹凸を反転した)同様の定義による凹形状の幅Wnは、通常100μm≦Wn≦300μm程度であり、その深さDnは100μm≦Dn≦300μm程度である。
本発明の木目調化粧材10の導管状凸条部2の凸形状と、天然の木材における導管溝の凹形状とを比較するならば、幅(W、Wn)については両者はおよそ似たような寸法であるのに対し、高さ(H)あるいは深さ(Dn)については、3≦Dn/H≦60、大まかにはDn/Hは10程度と、両者に10倍程度の差異が見られる。
両者の幅(W、Wn)については、主に外観に影響を及ぼすと考えられるため両者の幅をおよそ同じとすることが好ましいと考えられる。その一方、主に触感に影響を及ぼすと考えられる両者の高さ(H)あるいは深さ(Dn)については10倍程度の差異が見られるが、これについては以下の通り推察される。天然の木材における導管溝の凹形状の深さ(Dn)については、凹形状の幅(Wn)と深さ(Dn)の比率および両寸法を考えると、凹形状の底部にまで肌が到達することは困難と考えられ、触感において実際の深さ(Dn)が十分に反映されないと考えられる。一方、導管状凸条部2の凸形状の高さ(H)は、肌が乗り越えるべき凸形状として、その高さ(H)の全てを感じることができると考えられ、この両者の触感における差異が、類似した触感を得るための高さ(H)と深さ(Dn)の比率Dn/Hが10倍程度異なっている理由と推察される。
<絵柄模様層の絵柄模様と導管状凸条部の平面視上の位置関係>
天然の木材板において導管溝は凹形状をなしている。そして従来の化粧材においても、導管溝を有する木目模様の導管溝部分は相対的な凹部となるように形成されている。それらに対し本発明の木目調化粧材10においては、上述の通り導管溝部分を導管状凸条部2すなわち凸形状で表現している点が大きく異なる。天然の木材板において凹形状により得られる外観および触感について、本発明の木目調化粧材においては凸形状により、天然の木材板により近い外観および触感を得ることを可能としている。そして本発明の木目調化粧材において得られる外観および触感は、導管溝部分が相対的な凹部として形成される従来の化粧材と比べ、より天然の木材板に近いものとなっている。
本発明の木目調化粧材10においては、導管状凸条部2は木目模様の導管溝部分に対応している。すなわち、本発明に係る木目調化粧材10の観察者は、視覚的および触感的に導管状凸条部2を木目模様における導管溝であると知覚することができる。しかし、これは必ずしも絵柄模様層3における導管溝部分を表現した(通常は相対的な暗部として表現される)部分と導管状凸条部2とが、両者の平面視上の位置関係が、平面視において、同位置に存在している(重なっている)こと、すなわち絵柄同調していることのみを意味するものではない。
本発明の木目調化粧材10においては、導管状凸条部2は、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と絵柄同調している形態も包含するが、導管状凸条部2が絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と絵柄同調していない形態も包含はする。絵柄同調の典型例としては、平面視において、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と、導管状凸条部2とが同位置に重なる、あるいは絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と、隣接する導管状凸条部2間に生じる相対的な凹部とが重なる様な形態である。
ところで、絵柄模様層3を形成する工程(典型的には印刷工程)と、導管状凸条部2を形成する工程(典型的にはエンボス加工工程)とは別工程であるため、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と、導管状凸条部2との相対位置、すなわち見当を合わせることは一般的に困難である。特に、基材1が熱可塑性樹脂の帯状シートからなる場合は、導管状凸条部2を形成するエンボス加工工程において、基材1を加熱し軟化せしめると共に、基材をその長手方向に張力をかけて搬送しつつ導管状凸条部2を賦形(エンボス加工)する。そのため、基材1に伸縮を生じ、例え印刷版上とエンボス版上とで導管状凸条部2を木目模様における導管溝との位置関係が完全に同位置に絵柄同調するように設計したとしても、かかる基材伸縮により、両者の位置同調は難度が高くなり易い。
そこで、木目模様の導管溝部分と導管状凸条部との平面視での位置が注意深く観察すれば目視で判別可能な程度ずれていても、それでもなおかつ、観察者が視覚的および触感的に両者の平面視上の位置ずれを、それに伴う不自然さや違和感をもって知覚しない程度であれば見当がずれていないもの、すなわち絵柄同調しているものとする。観察者の見当ずれに対する知覚の程度は、木目模様の種類に大きく依存するため一概に定量化することは困難であるが、ここでは3mm以内の見当ずれであれば、絵柄同調し、導管状凸条部2は木目模様の導管溝部分に対応しているものとする。
上記の通り、本発明の木目調化粧材10においては、導管状凸条部2は、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と絵柄同調していなくてもよい。これは絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と、導管状凸条部2との見当ずれが3mmを超えている場合のみに限るものではない。極端かつ好ましい例においては、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄とが別々の絵柄であっても良い。しかし上記両導管溝柄が大きく異なると外観および触感において違和感が大きくなるため、上記両導管溝柄はある程度は近しいことが好ましい。
具体的には、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄との差異に関し、導管溝柄の延在方向の差異については±20°以内、導管密度の差異については一方は他方の50%以上200%以下であることの両方を満たすことが好ましい。両方を満たす場合には、本発明に係る木目調化粧材10の観察者は、視覚的および触感的に導管状凸条部2を導管溝であると違和感なく知覚でき、導管状凸条部2は木目模様の導管溝部分に対応することができる。
ここで導管密度とは、木目調化粧材10の延在平面において、導管溝柄の延在方向と直交する方向における単位長さの線分が横切る導管溝柄の数とすることができる。本発明においては、導管密度相互の比率のみを問題とするため、上記単位長さを所定長さと置き換えてもよい。測定位置によるばらつきの影響を軽減するために、上記所定長さを十分長くとる、あるいは複数の箇所を測定した平均値を採用するなどすることが好ましい。
また、導管状凸条部2および絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分の両者について、平面視パターンが「柾目」パターンか「板目」パターンかの別を同じに揃える形態とすることにより、導管状凸条部2および絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分の両者の見当ずれが3mmを超える場合でも外観および触感において違和感が少なく知覚でき、導管状凸条部2は木目模様の導管溝部分に対応することができる。
すなわち、導管状凸条部2が「柾目」パターンの場合は。絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分も「柾目」パターンとする。
また、導管状凸条部2が「板目」パターンの場合は、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分も「板目」パターンとする。
ここで、「柾目」および「板目」とは、木材業界で通常使われる定義に従う概念である。
「柾目」とは、木材の板の平面視において、木目模様を構成する年輪の秋材部ないし春材部、導管溝、あるいはその他木目模様の特徴的パターンが、概ね平行直線群ないしこれに近い線群配列をなす形態を言う。
また、「板目」とは、木材の板の平面視において、木目模様を構成する年輪の秋材部ないし春材部、導管溝、あるいはその他木目模様の特徴的パターンが、半円、半楕円、双曲線、放物線、三角形等に類する(近似する)様な頂点ないし極大点を一方向に1つ以上を有する線から構成される平行直線群ないしこれに近い線群配列をなす形態を言う。
本発明の木目調化粧材10においては、導管状凸条部2は、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と絵柄同調していなくても、木目調化粧材10の観察者は、視覚的および触感的に導管状凸条部2を導管溝であると違和感なく知覚することができる。
視覚面においては、絵柄模様層3による導管溝柄と導管状凸条部2とは特に切り分けられることなく混然一体のものとして、視覚的に導管溝柄としてその延在方向および導管密度が漠然と知覚されると考えられる。触感面においては、導管状凸条部2のみについて、その延在方向および導管密度が同様に漠然と知覚されると考えられる。このように漠然と知覚された導管溝柄の延在方向および導管密度について、視覚面と触感面とで差異を感じなければ、木目調化粧材10として違和感を覚えないものと考えられる。
人の知覚として、導管溝柄の延在方向および導管密度を漠然と認識しているに過ぎないと考えるならば、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄との見当ずれについて、人の知覚はかなり緩いことが理解される。そのため、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄とで、凹凸の関係が逆であっても(すなわち絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄部分に導管状凸条部2(すなわち凸部)が形成されていても)違和感を覚え難いと考えられる。また絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄とが別々の絵柄であっても、導管溝柄の延在方向および導管密度について上記条件を満たすならば、やはり違和感を覚え難いと考えられる。
上記の通り、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分と、導管状凸条部2との見当を合わせることは困難であるが、本発明の木目調化粧材10であれば、両者の見当を合わせる必要性は低く、また両者の導管溝柄が異なる場合においてはそもそも見当合わせは不要である。そのため木目調化粧材10の製造工程において、見当ずれによるロスや、見当を合わせるまでのロスを減らすことができる。そのため、生産性が向上し、製造原価を低減させることができる。
また上記の通り、本発明の木目調化粧材10によれば、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄とが別々の絵柄であっても構わない。そのため、絵柄模様層3に係る印刷版については製品ごとに作成する必要があるにしても、導管状凸条部2を形成するためのエンボス版については製品ごとに作成することは要さず、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄の導管密度と近い導管密度のエンボス版を選択して適用することができる。このためエンボス版作成に係る工数、および費用を削減することができるため、エンボス加工工程における大幅なコスト低減をもたらし、やはり製造原価を低減させることができる。
さらに、上記絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄とが別々の絵柄であっても構わないことから、品目すなわち絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄に対して、上記違和感の生じない条件を満たす範囲において、導管状凸条部2により表現される導管溝柄を自由に設計することができる。そのため、特許文献1の様な天然の木材板をある程度忠実に模倣した従来の木目模様の化粧材における上述した課題、すなわち天然の木材板と比較して、凹凸触感が低い問題、および外観において導管溝部分のシャープさが劣る問題に対し、これらの問題を低減できるように導管状凸条部2の形状を設計することができる。
具体的には、天然の木材板においては凹形状である導管溝について、木目調化粧材10においては導管状凸条部2として凸形状とし、好ましくは、その延在方向に垂直な断面視における導管状凸条部2の幅Wを基材1から離れるに従って単調減少する様に、また導管状凸条部2の高さHを10μm≦H≦50μmの範囲に設計することができる。
この様な本発明に係る木目調化粧材10においては、天然の木材板により近い高い凹凸触感、およびシャープな導管溝外観を得ることができる。すなわち、従来の木目模様の化粧材における上述した課題を解決することができる。
さらに上記の通り、天然の木材板および従来の化粧材においては凹形状である導管溝について、木目調化粧材10においては導管状凸条部2として凸形状としたことにより、従来の化粧材においては導管溝部分を再現した幅の狭い凹部内に入り込んだ汚れを除去することが困難であるという問題を、木目調化粧材10においては解決している。すなわち木目調化粧材10においては、導管溝部分を模した幅の狭い凹形状は存在しないため、凹部内の汚れの除去が困難であるという問題が発生せず、すなわち易掃性を有する。木目調化粧材10においては、導管溝部分に係る凹凸触感は凸形状を有する導管状凸条部2により担保されている。
本発明の木目調化粧材10の好ましい形態として、導管状凸条部2と、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分とが絵柄同調していない例を示し、それに基づく各効果についても説明した。しかしながら、本発明の木目調化粧材10としては絵柄同調している形態を排除するものではなく、すなわち導管状凸条部2と、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分とが絵柄同調している形態であっても良い。上述の通り、両者の見当ずれが3mm以内であれば絵柄同調しているものとする。なおここでの見当ずれ量は、導管状凸条部2の幅方向における中心線分と絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分の幅方向における中心線分との間隔とし、両中心線分が平面視において平行でない場合には両中心線分の各中点の間隔とする。好ましい形態においては、導管状凸条部2の幅と絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分の幅とは異なるため、該各幅に係る輪郭を見当ずれの基準とすることは適当ではない。
絵柄同調している形態においては、上記絵柄同調していない形態と比較するならば、観察者が木目調化粧材10を注意深く観察した場合であっても、主に視覚面に関し違和感を覚え難いという効果を奏する。そして絵柄同調している形態においても、絵柄同調していない形態と同様に、従来の木目模様の化粧材における上記各課題を上記説明と同様に解決することができる。さらに、絵柄同調していない形態に係る上記各効果のうち、見当ずれに係るロス低減効果、およびエンボス版作成を削減できる効果、すなわち生産性が向上し、製造原価を低減させることができる効果を除く各効果について、絵柄同調している形態においても絵柄同調していない形態と同様に上記各効果を得ることができる。
<木目調化粧材の表面粗さ>
本発明に係る木目調化粧材10は、より天然の木材板に近い外観および触感を有する木目調化粧材を提供することであり、その方法について上記各説明してきた。ところで外観については更に、木目調化粧材10の表面の粗さについて以下の様な形態とすることで、より一層天然の木材板に近づけることができる。
木目調化粧材10において、導管状凸条部2の表面が、木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの表面より粗面であることが好ましい。ここでAの表面がBの表面より粗面であるとは、JIS B 0601:2013に規定する算術平均粗さRaについて、Aの算術平均粗さRaがBの算術平均粗さRaよりも大きいことをいう。すなわち導管状凸条部2の算術平均粗さRaが木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの算術平均粗さRaよりも大きいことが好ましい。導管状凸条部2の算術平均粗さRaを算出さる際には、導管状凸条部2の頂部(高さの最も高い部分)について導管状凸条部2の延在方向に沿う様に測定すればよい。
導管状凸条部2の算術平均粗さRaを木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの算術平均粗さRaよりも大きいものとするためには、導管状凸条部2を形成するためのエンボス加工工程におけるエンボス版の導管状凸条部2に対応する部分の表面に、算術平均粗さRaが大きくなる様な微細な凹凸を設ければよい。もちろんその他の方法により、導管状凸条部2の算術平均粗さRaを木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの算術平均粗さRaよりも大きいものとなるようにしてもよい。
上記算術平均粗さRaの関係を満たすことにより、導管状凸条部2を相対的なマット部、導管状凸条部が存在しない部分2sを相対的なグロス部とすることができる。これにより通常の観察光、すなわち反射光において、導管状凸条部2を相対的な暗部、導管状凸条部が存在しない部分2sを相対的な明部とすることがでる。天然の木材板においては、外観において導管溝部分は凹形状の溝であるため暗部と認識され、導管溝ではない部分は相対的な凸部となるため明部と認識される。すなわち、木目調化粧材10において上記算術平均粗さRaの関係を満たすことにより、天然の木材板における導管溝の有無による上記明暗の関係と同様に、意匠上導管溝に相当する部分を暗部それ以外の部分を明部とすることができ、すなわち、より自然な外観を得ることができる。
しかしながら、上記算術平均粗さRaの関係とは反対に、木目調化粧材10において、木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの表面が、導管状凸条部2の表面より粗面であっても良い。
木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの算術平均粗さRaを導管状凸条部2の算術平均粗さRaよりも大きいものとするためには、導管状凸条部2を形成するためのエンボス加工工程におけるエンボス版の導管状凸条部が存在しない部分2sに対応する部分の表面に、算術平均粗さRaが大きくなる様な微細な凹凸を設ければよい。もちろんその他の方法により、木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの算術平均粗さRaを導管状凸条部2の算術平均粗さRaよりも大きいものとなるようにしてもよい。
上記算術平均粗さRaの関係を満たすことにより、導管状凸条部が存在しない部分2sを相対的なマット部(暗部)、導管状凸条部2を相対的なグロス部(明部)とすることができる。これは天然の木材板における導管溝の有無による上記明暗の関係とは逆の関係となる。しかしながら上述の通り、絵柄模様層3における木目模様の導管溝部分により表現される導管溝柄と、導管状凸条部2により表現される導管溝柄との見当ずれについて、人の知覚はかなり緩いことを鑑みるならば、不自然でない適度な凹凸触感と、その凹凸による外観上の適度な明暗があれば、明部が相対的な凸部であるか凹部であるかは厳密に認識されることはなく、すなわち違和感はない。
本形態では、平面視において多くの割合を占める導管状凸条部が存在しない部分2sが暗部であり、平面視において少ない割合である導管状凸条部2が明部となっている。これは平面視において、多くの割合を占める暗部の中に、少ない割合の明部が存在することになるため、明部の存在感を際立たせる効果がある。この様に導管状凸条部2に起因する明部の存在感が際立つことにより、天然の木材板における導管溝の有無による明暗の関係とは逆の関係であるものの、人の視覚的には導管溝部分がシャープなものとして認識され、従来の化粧材における視覚的に導管溝部分のシャープさに劣るという問題点をより一層改善することができる。
上述の通り、木目調化粧材10において、木目調化粧材の表面における導管状凸条部が存在しない部分2sの表面、および導管状凸条部2の表面について、いずれの表面が相対的な粗面である場合においても、各形態に依存した各効果を得ることができる。いすれの表面を粗面とするか、また両者の算術平均粗さRaの差異をどの程度とするかは、主に木目模様の導管溝柄に依存するが、その他の条件も考慮して総合的に判断すればよい。
(変形形態)
以上、本発明に係る木目調化粧材10について、その形態およびそれから生じる効果などについて説明してきた。本発明に係る木目調化粧材10において、上記外観および触感を実現する形態として、上記説明した実施形態の係る層構成以外にも様々な層構成の変形形態が考えられる。以下、本発明に係る木目調化粧材10の層構成の変形形態例について、図3の概略断面図を参照して説明する。
以下の変形形態の各例示において、例示する層構成以外に更に別の層を含んでいても良い。例えば層間の密着性を向上させるために層間に形成するプライマー層など含んでいても良い。また下記各変形形態の層構成に係る各層の少なくともいずれかが、複数の層からなるものであってもよい。例えば基材1が複数の層からなるものであっても良く、透明性樹脂層4が複数の層からなるものであっても良く、絵柄模様層3が複数の層からなるものであっても良い。また絵柄模様層3は木目調化粧材10の平面視において、全面に形成されていなくてもよい。
まず確認のため、上記説明した実施形態に係る木目調化粧材10の層構成を図3(a)に示す。図3(a)においては、裏面側(図示における下)から、基材1、絵柄模様層3、透明性樹脂層4の順に積層されており、透明性樹脂層4にはエンボス加工により導管状凸条部2が形成されている。すなわち木目調化粧材10はその表面に、導管状凸条部2、および導管状凸条部が存在しない部分2sを有している。そして透明性樹脂層4は透明であるため、木目調化粧材10の表面側から透明性樹脂層4を透過して絵柄模様層3を視認することができる。すなわち木目調化粧材10はその表面において、外観的および触感的な意匠を有するものである。
以下、木目調化粧材10の層構成の変形形態について図3(b)〜図3(h)を参照して説明する。
図3(b)は、図3(a)において、導管状凸条部が存在しない部分2sにおける透明性樹脂層4の表面にさらに別の絵柄模様層3を積層した形態である。該別の絵柄模様層3が積層された部分における層構成は、裏面側から、基材1、絵柄模様層3、透明性樹脂層4、絵柄模様層3の順に積層されている。このような形態における上側の絵柄模様層3は、例えば透明性樹脂層4の表面全面に絵柄模様層3を積層した後、導管状凸条部2上に形成された該絵柄模様層3をワイピングなどの手法で除去するなどして形成することができる。図3(b)に係る形態においても図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
図3(c)は、図3(b)において、基材1と透明性樹脂層4との間の絵柄模様層3が存在せず、絵柄模様層3は図3(b)の形態と同様に透明性樹脂層4の表面の一部にのみ形成された形態である。層構成は、裏面側から、基材1、透明性樹脂層4、絵柄模様層3の順に積層されている。図3(c)に係る形態においても図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
本発明に係る木目調化粧材10において透明性樹脂層4は必須の構成ではない。例えば図3(d)に示す通り、基材1の表面側に絵柄模様層3が形成されその後エンボス加工される形態であっても良い。この形態においては、導管状凸条部2上にも絵柄模様層3が形成されていることとなる。図3(d)に係る形態においても図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
また別の例として、図3(e)に示す通り、基材1に対しエンボス加工がされた後で図3(b)や図3(c)と同様に、導管状凸条部が存在しない部分2sのみに絵柄模様層3が積層された形態としてもよい。図3(e)に係る形態においても図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
本発明に係る木目調化粧材10において透明性樹脂層4が基材1を兼ねていても良い。すなわちこのような形態においては、基材1は透明性樹脂からなっている。この形態においては、透明性樹脂層4が基材1であると考えることができ、透明性樹脂層4を基材1と、あるいは基材1を透明性樹脂層4と読み替えることができる。
例えば図3(f)に示す通り、基材1を兼ねた透明性樹脂層4に導管状凸条部2が形成され、その透明性樹脂層4の裏面側に絵柄模様層3が積層形成された形態であっても良い。この形態においても木目調化粧材10の表面側から透明性樹脂層4を透過して絵柄模様層3を視認することができる。この形態においては木目調化粧材10の機械的強度は専ら透明性樹脂層4が負うこととなる。図3(f)に係る形態においても、シンプルな層構成であるにも関わらず図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
また図3(g)の様に、図3(f)において、導管状凸条部が存在しない部分2sにおける透明性樹脂層4の表面にさらに別の絵柄模様層3を積層した形態としても良い。
また図3(h)の様に、図3(g)において、基材1を兼ねた透明性樹脂層4の裏面側に積層された絵柄模様層3が存在しない形態であってもよい。
図3(g)、図3(h)のいずれの形態であっても図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
上記図3(a)〜図3(e)の各積層形態例において、裏面側に更に絵柄模様層が積層されていても良い。これらの場合であっても図3(a)に係る形態の木目調化粧材10と同様な作用効果を得ることができる。
〔木目調化粧材の製造方法〕
次に本発明に係る木目調化粧材10の製造方法について、図4の概略断面図を参照して説明する。上記の通り本発明に係る木目調化粧材10の積層形態は様々であるため、一例として実施形態に係る木目調化粧材10、すなわち図3(a)の概略断面図に係る層構成を有する木目調化粧材10の製造方法について説明する。
まず基材1を準備する(図4(a))。本発明においては、以降の工程の生産効率やハンドリングの観点から、準備される基材1は通常ウェブ上のシートが巻き取られたものである場合が多い。
次に基材1の表面側に絵柄模様層3を形成する(図4(b))。絵柄模様層3は通常は印刷により、好ましくはグラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷により、より好ましくはグラビア印刷により形成される。もちろん他の形成方法であっても構わない。
次に基材1の表面側に形成された絵柄模様層3の上に透明性樹脂層4を形成する(図4(c))。透明性樹脂層4の積層方法の一例としては、絵柄模様層3が積層された基材1の絵柄模様層3面側に別途準備した透明性樹脂シートをラミネートする方法である。別の方法としては、絵柄模様層3が積層された基材1の絵柄模様層3の表面に透明性樹脂を塗布形成、あるいは印刷形成する方法である。
次に基材1、絵柄模様層3、透明性樹脂層4がこの順に積層されたシート材料に対しエンボス加工を行い透明性樹脂層4に導管状凸条部2を変形形成する(図4(d))。図4(d)においては、エンボス加工に係るエンボス版をEMで示している。これにより本発明に係る木目調化粧材10を得ることができる(図4(e))。
なお、実施形態に係る概略断面図を示す図3(a)、図4(e)においては木目調化粧材10を構成する各層のうち透明性樹脂層4のみが変形して導管状凸条部2が形成されているが、透明性樹脂層4に加え絵柄模様層3、さらには基材1も変形していても構わない。
上記の通り本発明に係る木目調化粧材10の積層形態は図3(a)〜図3(h)に例示した通り様々であり、各積層形態に応じて工程順序をはじめ製造方法は異なってくる。しかしながら、本発明に係る木目調化粧材10の各形態に係る各製造方法においては、いずれも導管状凸条部2はエンボス加工により形成されている。すなわち、本発明に係る各形態の木目調化粧材10において、導管状凸条部2はエンボス加工されている。
導管状凸条部2はエンボス加工されている。エンボス加工であれば、導管状凸条部2について、その幅Wを基材1から離れるに従って単調減少する様な形状としたり、その高さHを10μm≦H≦50μmの範囲となる形状としたりすることが容易である。また導管状凸条部2は印刷等により積層形成されたものではないため、印刷後の重ね合わせ時において発生し得るいわゆるブロッキングが発生することもない。
〔建装材〕
次に、本発明に係る建装材20について説明する。図5の断面斜視図に概略を示す通り、本発明に係る建装材20は、本発明に係る木目調化粧材10を被着体5に貼り付けてなるものである。換言すれば建装材20は、被着体5に本発明に係る木目調化粧材10が貼り付けられてなるものである。
ここで被着体5としては、本発明に係る木目調化粧材10の貼付け対象であり、例えば以下のものが挙げられる。
(1)住宅、事務所、商店等の建築物の壁材、天井材、床材等。
(2)自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の内装材等。
もちろん上記壁材、天井材、内装材等と木目調化粧材10との間に機能性ボード、機能性シート、裏打材、下貼り材、目止めないし下塗り塗膜等の別の層が存在していてもよい。このような場合には、木目調化粧材10の貼付け対象となる上記機能性ボード、機能性シート等まで含めて被着体5と考えるものとする。
このような建装材20においても、上記木目調化粧材10に係る各効果と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明に係る木目調化粧材、その製造方法、および建装材について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係る木目調化粧材は、導管溝部分を含む木目模様を有する従来の化粧材における下記3つの問題点、すなわち凹凸触感が弱い点、外観における導管溝部分のシャープさが劣る点、および易掃性に劣る点、の全てを解決するものである。そのため本発明に係る導管溝部分を含む木目模様を有する化粧材(木目調化粧材)は、より天然の木材板に近い外観および触感、すなわち優れた意匠性を有するものである。このような木目調化粧材は、ビルや住宅などの建築物の壁面に用いられる壁装材や、床面に用いられる床用化粧材、あるいは家具等の表面を装飾する化粧材として、特にそれらの高級品種として好適に使用することができる。
また、本発明に係る建装材についても同様に、建築物の壁面や床面として好適に使用することができる。
1 基材
2 導管状凸条部
2s 木目調化粧材の表面のうち導管状凸条部が存在しない部分
3 絵柄模様層
4 透明性樹脂層
5 被着体
10 木目調化粧材
20 建装材
H 導管状凸条部の高さ
W 導管状凸条部の幅

Claims (9)

  1. 基材、絵柄模様層、導管状凸条部を有する木目調化粧材であって、
    前記木目調化粧材は、その表面上の少なくとも一部に前記導管状凸条部を含み、
    前記絵柄模様層は、導管溝部分を含む木目模様を有し、
    前記導管状凸条部は、前記木目模様の前記導管溝部分に対応している、木目調化粧材。
  2. 前記導管状凸条部は、その延在方向に垂直な断面視における前記導管状凸条部の幅をWとすると、前記Wは前記基材から離れるに従って単調減少する、請求項1に記載の木目調化粧材。
  3. 前記導管状凸条部の高さHは、10μm≦H≦50μmである、請求項1または2に記載の木目調化粧材。
  4. 前記導管状凸条部の表面が、前記木目調化粧材の表面における前記導管状凸条部が存在しない部分の表面より粗面である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の木目調化粧材。
  5. 前記木目調化粧材の表面における前記導管状凸条部が存在しない部分の表面が、前記導管状凸条部の表面より粗面である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の木目調化粧材。
  6. 前記導管状凸条部は、前記木目模様の前記導管溝部分と絵柄同調していない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の木目調化粧材。
  7. 前記導管状凸条部は、前記木目模様の前記導管溝部分と絵柄同調している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の木目調化粧材。
  8. 前記導管状凸条部は、エンボス加工されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の木目調化粧材。
  9. 前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の木目調化粧材を被着体に貼り付けてなる建装材。
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