JP2021143419A - 防錆剤、防錆剤組成物、被膜形成材、被膜、及び金属部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有し、長期間にわたって錆や腐食を防ぐことができる防錆剤、防錆剤組成物、被膜形成材、被膜を有する金属部品を提供する。【解決手段】下記化学式(1)で表される化合物を含有する防錆剤。(式中、R1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数は1以上34以下であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2である。)【選択図】なし
Description
本発明は、防錆剤、前記防錆剤を含有する防錆剤組成物、被膜形成材、また、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得られる被膜、及び前記被膜を有する金属部品に関する。
金属部材(例えば、鋼、及び鋳鉄などの鉄部材;銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれら金属の合金などの非鉄金属部材)は、大気中の湿気、酸素、及び二酸化炭素等により、その表面に酸化物、水酸化物、又は炭酸塩等の塩類のような錆が生成され易く、さらに表面から内部に向かって腐食が進行して化学的に劣化しやすいものである。
このような錆の生成を防止するために、防錆剤が用いられている。防錆剤としては、例えば、有機アミン塩、カルボン酸系化合物、カルボン酸塩系化合物、スルホン酸塩系化合物、及び複素環化合物などの有機系防錆剤;リン酸塩、及びリン酸エステルなどのリン系防錆剤が知られている。
例えば、特許文献1では、特定のポリオキシエチレン構造を有するカルボン酸と、芳香族カルボン酸とを配合してなる水系防錆剤組成物が開示されている。
また、特許文献2では、アルカリ剤、キレート剤、界面活性剤、特定のアミン化合物、及び水(成分E)を含有する鋼板用洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献3では、気化性防錆剤と、リン脂質と、溶剤とを含有する防錆剤組成物が開示されている。
近年、軽量化等の目的で、鉄部材と非鉄金属部材とを複合化した金属部品が多く使用されており、当該複合化した金属部品に対しても防錆・防食性能が高く、長期間にわたって錆や腐食を防ぐことができる実用的な防錆剤が求められている。
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有し、長期間にわたって錆や腐食を防ぐことができる防錆剤、前記防錆剤を含有する防錆剤組成物、被膜形成材、前記防錆剤、また、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得られる被膜、及び前記被膜を有する金属部品を提供する。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、以下の防錆剤などにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する防錆剤、に関する。
(式中、R1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数は1以上34以下であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2である。)
本発明によると、防錆剤、前記防錆剤を含有する防錆剤組成物、被膜形成材、また、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得られる被膜、及び前記被膜を有する金属部品が提供される。
本発明の防錆剤は、優れた防錆・防食性能を有し、長期間にわたって錆や腐食を防ぐことができる。また、本発明の防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有するため、鉄部材と非鉄金属部材とを複合化した金属部品に対しても長期間にわたって錆や腐食を防ぐことができる。
従来の防錆剤は、金属部品表面から脱離しやすく、防錆剤が脱離した金属部品表面に結露が吸着して錆や腐食が生じると考えられる。一方、本発明の防錆剤は、グリセリルエーテル基及び水酸基を有しているため金属部品表面に強固に結合して金属部品表面から脱離しにくい被膜を形成すると考えられる。また、本発明の防錆剤は、分子末端に脂肪族炭化水素基を有しているため水分子の排除効果に優れており、金属部品表面に結露が付着することを抑制できると考えられる。その結果、本発明の防錆剤は、優れた防錆・防食性能を有し、長期間にわたって錆や腐食を防ぐことができると考えられる。なお、本発明の効果が得られる前記機序は推定であり、前記機序に限定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
<防錆剤>
本発明の防錆剤は、下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。また、本発明の防錆剤は、下記化学式(1)で表される化合物からなるものであってよい。また、本発明の防錆剤は、下記化学式(1)で表される化合物の1種以上からなるものであってよい。
(式中、R1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数は1以上34以下であり、Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2である。)
本発明の防錆剤は、下記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。また、本発明の防錆剤は、下記化学式(1)で表される化合物からなるものであってよい。また、本発明の防錆剤は、下記化学式(1)で表される化合物の1種以上からなるものであってよい。
R1は水素原子又は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、及び防錆剤組成物中に配合したときの安定性の観点から、好ましくは炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基である。R2は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基である。前記R1及びR2の脂肪族炭化水素基は、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基(分岐鎖アルキル基ともいう)であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。R1及びR2は、同じ脂肪族炭化水素基であってもよく、異なる脂肪族炭化水素基であってもよい。
R1とR2の合計炭素数は1以上34以下であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上、より更に好ましくは18以上であり、溶媒に対する溶解性等の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
Xは単結合又は炭素数1以上5以下の脂肪族炭化水素基であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基、より好ましくは単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基、更に好ましくは単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基、より更に好ましくは単結合である。
R1とR2とXの合計炭素数は1以上39以下であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上、より更に好ましくは18以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは26以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは24以下、より更に好ましくは22以下、より更に好ましくは20以下である。
Xが前記脂肪族炭化水素基である場合、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。
Xは、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、好ましくは、
*−(CH2)n−* (nは0以上5以下、*は結合部位を示す。)
であり、nは好ましくは0以上であり、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0、すなわち単結合である。
*−(CH2)n−* (nは0以上5以下、*は結合部位を示す。)
であり、nは好ましくは0以上であり、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0、すなわち単結合である。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合又は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことがより好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合又は炭素数1以上2以下の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことがより好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが更に好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合又は炭素数1の脂肪族炭化水素基であり、R1とR2とXの合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことが更に好ましい。
前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含むことがより更に好ましい。
前記防錆剤が、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、R1とR2の合計炭素数が、12である化合物、14である化合物、及び16である化合物から選択される2種以上の化合物の合計含有量は、好ましくは75質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
前記防錆剤が、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が異なる2種以上の化合物を含有する場合、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、R1とR2の合計炭素数が、14である化合物、及び16である化合物の合計含有量は、好ましくは75質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは99質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
前記防錆剤が、化学式(1)で表される化合物において、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる2種以上の化合物を含む場合、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、並びに製造効率及び製造容易性の観点から、R1の炭素数が5以上かつR2の炭素数が5以上の化合物の含有割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
前記化学式(1)で表される化合物の製造方法は特に制限されず、例えば、内部又は末端オレフィンの二重結合を過酸化水素、過ギ酸、過酢酸等の過酸化物により酸化して内部又は末端エポキシドを合成し、得られた内部又は末端エポキシドにグリセリンを反応させることにより製造することができる。なお、内部又は末端オレフィンの総炭素数が一定で、異なる位置に二重結合を有する混合物の場合、前記製造方法により得られる前記化学式(1)で表される化合物は、Xが単結合であり、R1とR2の合計炭素数が同じであり、かつR1とR2のそれぞれの炭素数が異なる複数の化合物の混合物である。また、前記製造方法により得られる前記化学式(1)で表される化合物は、通常、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OHである化合物1(以下、エーテルアルコール1ともいう)と、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH(−CH2−OH)2である化合物2(以下、エーテルアルコール2ともいう)の混合物である。
前記化学式(1)で表される化合物の製造に用いられる内部オレフィンは、末端オレフィンを含有していてもよい。その場合、オレフィン中に含まれる末端オレフィンの含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.2質量%以上、また、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下などである。
前記防錆剤が、前記エーテルアルコール1と前記エーテルアルコール2を含有する場合、前記エーテルアルコール1の含有量は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、前記エーテルアルコール1と前記エーテルアルコール2の合計に対し、好ましくは1質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。また、同様の観点から、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは30〜99質量%、更に好ましくは40〜90質量%、より更に好ましくは50〜80質量%である。
前記防錆剤は、前記化学式(1)で表される化合物1種、或いは、前記化学式(1)で表される化合物2種以上の混合物、或いはこれらと原料オレフィンに含まれるオレフィン以外の微量成分及びその誘導体との混合物として得ることができる。
前記防錆剤は、例えば、切削油、防錆油、又は洗浄剤の原料として用いられる。また、前記防錆剤は、各種金属部品の表面を被覆する被膜の形成材として用いられる。前記防錆剤は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有するため、鉄部材と非鉄金属部材とを複合化した金属部品の表面を被覆する被膜の形成材として好ましく用いられる。
<防錆剤組成物>
本発明の防錆剤組成物は、少なくとも前記防錆剤を含有する。
本発明の防錆剤組成物は、少なくとも前記防錆剤を含有する。
前記防錆剤組成物中の前記防錆剤の含有量は特に制限されないが、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、可溶化剤などの添加量を減らす観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明の防錆剤組成物は、水を含有することができる。前記防錆剤組成物中の水の含有量は、塗布などのし易さの観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上であり、防錆・防食性能の観点から、好ましくは99.9999%以下、より好ましくは99.999%以下、更に好ましくは99.99%以下である。また、防錆剤組成物中の水の含有量は、防錆剤及びその他(防錆剤及び水以外)の成分の含有量を除いた残部であってよい。水としてはイオン交換水、蒸留水、RO水、水道水などが挙げられる。
前記防錆剤組成物は、前記防錆剤を溶解させる可溶化剤を含有してもよい。可溶化剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、及びソルビトール等が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記防錆剤組成物中の前記可溶化剤の含有量は特に制限されないが、前記防錆剤を溶解させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
また、前記防錆剤組成物は、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、及び前記防錆剤を溶解させる観点から、酸成分及び/又はアルカリ成分を含有してもよい。酸成分とアルカリ成分は、前記防錆剤組成物中において一部が塩を形成して存在してもよく、すべてが塩を形成してもよい。
酸成分は特に限定されず、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、及びマレイン酸などの脂肪族カルボン酸;安息香酸、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、キシリル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ケイ皮酸、トルイル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、及びトリヒドロキシ安息香酸などの芳香族カルボン酸などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。酸成分は、好ましくは脂肪族カルボン酸、より好ましくは炭素数4〜12の脂肪族カルボン酸、更に好ましくは炭素数6〜10の脂肪族カルボン酸である。
前記防錆剤組成物中の前記酸成分の含有量は特に制限されないが、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、及び前記防錆剤を溶解させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
アルカリ成分は特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニア等の無機アルカリ;水酸化テトラメチルアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、及びトリイソパノールアミン等の有機アルカリが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ成分は、好ましくは有機アルカリである。
前記防錆剤組成物中の前記アルカリ成分の含有量は特に制限されないが、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、及び前記防錆剤を溶解させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
前記防錆剤組成物のpHは特に制限されないが、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下である。
前記防錆剤組成物は、前記防錆剤の他に、鉱油、及び合成油等の基油;油脂類、及びエステル類等の油性剤:界面活性剤、極圧剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、カップリング剤、及びpH調整剤などの添加剤を含有してもよい。
前記防錆剤組成物は、例えば、切削油、防錆油、及び洗浄剤として用いられ、用途に応じて前記各成分を含有する。すなわち、前記防錆剤組成物は、切削油、防錆油、又は洗浄剤であって、前記化学式(1)で表される化合物を含有するものであってよい。
前記防錆剤組成物を洗浄剤として用いる場合、前記防錆剤組成物の温度は、洗浄性及び取扱性の観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、好ましくは90℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
また、前記防錆剤組成物は、各種金属部品の表面に被膜を形成するための被膜形成材として用いることができる。
前記防錆剤組成物を前記被膜形成材として用いる場合、前記防錆剤組成物は、水を含有することが好ましい。前記防錆剤組成物中の水の含有量は特に制限されないが、鉄部材だけでなく非鉄金属部材に対しても優れた防錆・防食性能を有する観点、及び均一な被膜を形成する観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは98質量%以下である。
<被膜形成材>
本発明の被膜形成材は、前記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。また、本発明の被膜形成材は、前記化学式(1)で表される化合物からなるものであってよい。また、本発明の被膜形成材は、前記化学式(1)で表される化合物の1種以上からなるものであってよい。前記化学式(1)で表される化合物に関する説明は、前記の通りである。本発明の被膜形成材は、前記防錆剤として有用である。また、本発明の被膜形成材の用途としては、例えば、切削油、塗料、防曇剤、防汚剤、及び雪氷付着防止剤などが挙げられる。
本発明の被膜形成材は、前記化学式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。また、本発明の被膜形成材は、前記化学式(1)で表される化合物からなるものであってよい。また、本発明の被膜形成材は、前記化学式(1)で表される化合物の1種以上からなるものであってよい。前記化学式(1)で表される化合物に関する説明は、前記の通りである。本発明の被膜形成材は、前記防錆剤として有用である。また、本発明の被膜形成材の用途としては、例えば、切削油、塗料、防曇剤、防汚剤、及び雪氷付着防止剤などが挙げられる。
<被膜>
本発明の被膜は、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得ることができる。被膜の形成方法としては、前記防錆剤又は前記被膜形成材を金属部材等に直接塗布する方法、前記防錆剤組成物又は前記被膜形成材を含有する液に金属部材等を浸漬する方法などが挙げられる。
本発明の被膜は、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得ることができる。被膜の形成方法としては、前記防錆剤又は前記被膜形成材を金属部材等に直接塗布する方法、前記防錆剤組成物又は前記被膜形成材を含有する液に金属部材等を浸漬する方法などが挙げられる。
本発明の被膜の厚さは、防錆・防食性能を有する観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上である。
本発明の被膜の用途としては、例えば、防錆膜、防曇膜、防汚膜、及び雪氷付着防止膜などの金属部品等の保護膜、塗膜などが挙げられる。
<被膜を有する金属部品>
本発明の被膜は、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得られる。前記被膜を有する金属部品は、例えば、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材を金属部品の表面にスプレー、滴下、又は塗布し、あるいは金属部品を前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材中に浸漬し、必要により乾燥することにより製造することができる。
本発明の被膜は、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材から得られる。前記被膜を有する金属部品は、例えば、前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材を金属部品の表面にスプレー、滴下、又は塗布し、あるいは金属部品を前記防錆剤、前記防錆剤組成物、又は前記被膜形成材中に浸漬し、必要により乾燥することにより製造することができる。
前記金属部品は特に制限されず、例えば、鋼、及び鋳鉄などの鉄部材からなる金属部品;銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれら金属の合金などの非鉄金属部材からなる金属部品;前記鉄部材と前記非鉄金属部材とを複合化した金属部品などが挙げられる。
前記被膜を有する金属部品は、例えば、自動車工業、機械工業、金属工業、電気・電子工業、及び化学プラント等で用いられる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。また、各種測定方法は以下のとおりである。
<オレフィンの二重結合分布の測定方法>
オレフィンの二重結合分布は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積よりオレフィンの二重結合分布を求めた。なお、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。
GC装置:商品名HP6890(HEWLETT PACKARD社製)
カラム:商品名Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム30m×250μm×0.15μm(フロンティア・ラボ株式会社製)
検出器:水素炎イオン検出器(FID)
インジェクション温度:300℃
ディテクター温度:350℃
オーブン:60℃(0min.)→2℃/min.→225℃→20℃/min.→350℃→350℃(5.2min.)
オレフィンの二重結合分布は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積よりオレフィンの二重結合分布を求めた。なお、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。
GC装置:商品名HP6890(HEWLETT PACKARD社製)
カラム:商品名Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム30m×250μm×0.15μm(フロンティア・ラボ株式会社製)
検出器:水素炎イオン検出器(FID)
インジェクション温度:300℃
ディテクター温度:350℃
オーブン:60℃(0min.)→2℃/min.→225℃→20℃/min.→350℃→350℃(5.2min.)
<構造異性体の含有量比の測定方法>
アルキルグリセリルエーテル0.05g、トリフルオロ酢酸無水物0.2g、重クロロホルム1gを混合し、1H−NMRにて測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
核磁気共鳴装置:Agilent 400−MR DD2、アジレント・テクノロジー株式会社製
観測範囲:6410.3Hz
データポイント:65536
測定モード:Presat
パルス幅:45°
パルス遅延時間:10sec
積算回数:128回
アルキルグリセリルエーテル0.05g、トリフルオロ酢酸無水物0.2g、重クロロホルム1gを混合し、1H−NMRにて測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
核磁気共鳴装置:Agilent 400−MR DD2、アジレント・テクノロジー株式会社製
観測範囲:6410.3Hz
データポイント:65536
測定モード:Presat
パルス幅:45°
パルス遅延時間:10sec
積算回数:128回
<内部オレフィンの製造>
製造例A1
(炭素数16の内部オレフィン(内部オレフィン1)の製造)
撹拌装置付きフラスコに1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREMChemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10wt%)を仕込み、撹拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/分)を流通させながら32時間反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C16オレフィン純度は99.6%であった。得られた粗C16内部オレフィンを蒸留器に移し、136〜160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の内部オレフィン1を得た。得られた内部オレフィン1の二重結合分布はC1位0.2%、C2位15.8%、C3位14.5%、C4位15.7%、C5位17.3%、C6位16.5%、C7位、8位の合計が20.0%であった。
製造例A1
(炭素数16の内部オレフィン(内部オレフィン1)の製造)
撹拌装置付きフラスコに1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREMChemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10wt%)を仕込み、撹拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/分)を流通させながら32時間反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C16オレフィン純度は99.6%であった。得られた粗C16内部オレフィンを蒸留器に移し、136〜160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の内部オレフィン1を得た。得られた内部オレフィン1の二重結合分布はC1位0.2%、C2位15.8%、C3位14.5%、C4位15.7%、C5位17.3%、C6位16.5%、C7位、8位の合計が20.0%であった。
製造例A2
(炭素数18の内部オレフィン(内部オレフィン2)の製造)
撹拌装置付き反応器に1−オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)800kg(3.0キロモル)、固体酸触媒として活性アルミナGP−20(水澤化学工業株式会社)80kg(原料アルコールに対して10wt%)を仕込み、撹拌下、280℃にて系内に窒素(15L/分)を流通させながら16時間反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C18オレフィン純度は98.7%であった。得られた粗C18内部オレフィンを蒸留器に移し、163〜190℃/4.6mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の内部オレフィン2を得た。得られた内部オレフィン2の二重結合分布はC1位0.3%、C2位13.3%、C3位12.6%、C4位13.9%、C5位14.8%、C6位13.7%、C7位12.6、C8位、9位の合計が18.8%であった。
(炭素数18の内部オレフィン(内部オレフィン2)の製造)
撹拌装置付き反応器に1−オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)800kg(3.0キロモル)、固体酸触媒として活性アルミナGP−20(水澤化学工業株式会社)80kg(原料アルコールに対して10wt%)を仕込み、撹拌下、280℃にて系内に窒素(15L/分)を流通させながら16時間反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C18オレフィン純度は98.7%であった。得られた粗C18内部オレフィンを蒸留器に移し、163〜190℃/4.6mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の内部オレフィン2を得た。得られた内部オレフィン2の二重結合分布はC1位0.3%、C2位13.3%、C3位12.6%、C4位13.9%、C5位14.8%、C6位13.7%、C7位12.6、C8位、9位の合計が18.8%であった。
製造例A3
(炭素数14の内部オレフィン(内部オレフィン3)の製造)
製造例A1の1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)28.9モルに代えて、1−テトラデカノール(製品名:カルコール4098、花王株式会社製)28.9モルを用いた以外は、製造例A1と同様の製造方法で、内部オレフィン3を得た。得られた内部オレフィン3の二重結合分布はC1位1.3%、C2位31.8%、C3位23.8%、C4位21.0%、C5位8.5%、C6位、7位の合計が13.6%であった。
(炭素数14の内部オレフィン(内部オレフィン3)の製造)
製造例A1の1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)28.9モルに代えて、1−テトラデカノール(製品名:カルコール4098、花王株式会社製)28.9モルを用いた以外は、製造例A1と同様の製造方法で、内部オレフィン3を得た。得られた内部オレフィン3の二重結合分布はC1位1.3%、C2位31.8%、C3位23.8%、C4位21.0%、C5位8.5%、C6位、7位の合計が13.6%であった。
<内部エポキシドの製造>
製造例B1
(炭素数16の内部エポキシド(内部エポキシド1)の製造)
撹拌装置付きフラスコに製造例A1で得た内部オレフィン1(800g、3.56モル)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)107g(1.78モル)、硫酸(和光純薬工業株式会社製)15.6g(0.15モル)、35%過酸化水素(和光純薬工業株式会社製)415.7g(4.28モル)、硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)25.3g(0.18モル)を仕込み、50℃で4時間反応した。その後、70℃に昇温し更に2時間反応を行った。反応後、分層して水層を抜出し、油層をイオン交換水、飽和炭酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、1%食塩水(和光純薬工業株式会社製)にて洗浄を行いエバポレーターにて濃縮し、内部エポキシド1を820g得た。
製造例B1
(炭素数16の内部エポキシド(内部エポキシド1)の製造)
撹拌装置付きフラスコに製造例A1で得た内部オレフィン1(800g、3.56モル)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)107g(1.78モル)、硫酸(和光純薬工業株式会社製)15.6g(0.15モル)、35%過酸化水素(和光純薬工業株式会社製)415.7g(4.28モル)、硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)25.3g(0.18モル)を仕込み、50℃で4時間反応した。その後、70℃に昇温し更に2時間反応を行った。反応後、分層して水層を抜出し、油層をイオン交換水、飽和炭酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、1%食塩水(和光純薬工業株式会社製)にて洗浄を行いエバポレーターにて濃縮し、内部エポキシド1を820g得た。
製造例B2
(炭素数18の内部エポキシド(内部エポキシド2)の製造)
撹拌装置付きフラスコに製造例A2で得た内部オレフィン2(595g、2.38モル)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)71.7g(1.20モル)、硫酸(和光純薬工業株式会社製)9.8g(0.10モル)、35%過酸化水素(和光純薬工業株式会社製)324g(4.00モル)を仕込み、50℃で4時間反応した。その後、80℃に昇温し更に5時間反応を行った。反応後、分層して水層を抜出し、油層をイオン交換水、飽和炭酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、イオン交換水にて洗浄を行いエバポレーターにて濃縮し、内部エポキシド2を629g得た。
(炭素数18の内部エポキシド(内部エポキシド2)の製造)
撹拌装置付きフラスコに製造例A2で得た内部オレフィン2(595g、2.38モル)、酢酸(和光純薬工業株式会社製)71.7g(1.20モル)、硫酸(和光純薬工業株式会社製)9.8g(0.10モル)、35%過酸化水素(和光純薬工業株式会社製)324g(4.00モル)を仕込み、50℃で4時間反応した。その後、80℃に昇温し更に5時間反応を行った。反応後、分層して水層を抜出し、油層をイオン交換水、飽和炭酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)、イオン交換水にて洗浄を行いエバポレーターにて濃縮し、内部エポキシド2を629g得た。
製造例B3
(炭素数14の内部エポキシド(内部エポキシド3)の製造)
製造例A1で得た内部オレフィン1(3.56モル)に代えて、製造例A3で得た内部オレフィン3(3.56モル)を用いた以外は製造例B1と同様にして、内部エポキシド3を得た。
(炭素数14の内部エポキシド(内部エポキシド3)の製造)
製造例A1で得た内部オレフィン1(3.56モル)に代えて、製造例A3で得た内部オレフィン3(3.56モル)を用いた以外は製造例B1と同様にして、内部エポキシド3を得た。
<エポキシドとグリセリンの反応物(アルキルグリセリルエーテル、AGE)の製造>
以下、アルキルグリセリルエーテルをAGEと記載する。また、AGE1、AGE2、AGE3、などは、それぞれ、アルキルグリセリルエーテル1、アルキルグリセリルエーテル2、アルキルグリセリルエーテル3、などを表す。
以下、アルキルグリセリルエーテルをAGEと記載する。また、AGE1、AGE2、AGE3、などは、それぞれ、アルキルグリセリルエーテル1、アルキルグリセリルエーテル2、アルキルグリセリルエーテル3、などを表す。
製造例C1
(内部エポキシド1とグリセリンの反応物(AGE1)の製造)
撹拌装置付きフラスコにグリセリン(和光純薬工業株式会社製)2298g(25.0モル)、98%硫酸(和光純薬工業株式会社製)0.122g(1.25ミリモル)を仕込み130℃に昇温した。その後、製造例B1で得た内部エポキシド1(300g、1.25モル)を1時間かけ滴下した後、130℃/8時間反応を行った。この反応により得られた液にヘキサンを加えイオン交換水にて水洗を行った後、エバポレーターにて減圧濃縮を行い、AGE1を400g得た。得られたAGE1は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜13のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が14であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、A1又はA2が−O−CH2−CH(OH)−CH2OHであるエーテルアルコール1(グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGE)を73%、A1又はA2が−O−CH(−CH2−OH)2であるエーテルアルコール2(グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGE)を27%含んでいた。
(内部エポキシド1とグリセリンの反応物(AGE1)の製造)
撹拌装置付きフラスコにグリセリン(和光純薬工業株式会社製)2298g(25.0モル)、98%硫酸(和光純薬工業株式会社製)0.122g(1.25ミリモル)を仕込み130℃に昇温した。その後、製造例B1で得た内部エポキシド1(300g、1.25モル)を1時間かけ滴下した後、130℃/8時間反応を行った。この反応により得られた液にヘキサンを加えイオン交換水にて水洗を行った後、エバポレーターにて減圧濃縮を行い、AGE1を400g得た。得られたAGE1は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜13のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が14であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、A1又はA2が−O−CH2−CH(OH)−CH2OHであるエーテルアルコール1(グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGE)を73%、A1又はA2が−O−CH(−CH2−OH)2であるエーテルアルコール2(グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGE)を27%含んでいた。
製造例C2
(内部エポキシド2とグリセリンの反応物(AGE2)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、製造例B2で得た内部エポキシド2(1.25モル)を用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE2を得た。得られたAGE2は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜15のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が16であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを72%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを28%含んでいた。
(内部エポキシド2とグリセリンの反応物(AGE2)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、製造例B2で得た内部エポキシド2(1.25モル)を用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE2を得た。得られたAGE2は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜15のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が16であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを72%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを28%含んでいた。
製造例C3
(内部エポキシド3とグリセリンの反応物(AGE3)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、製造例B3で得た内部エポキシド3(1.25モル)を用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE3を得た。得られたAGE3は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜11のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が12であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを74%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを26%含んでいた。
(内部エポキシド3とグリセリンの反応物(AGE3)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、製造例B3で得た内部エポキシド3(1.25モル)を用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE3を得た。得られたAGE3は、前記化学式(1)において、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜11のアルキル基を含み、R1とR2の合計炭素数が12であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを74%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを26%含んでいた。
製造例C4
(C16末端エポキシドとグリセリンの反応物(AGE4)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、C16末端エポキシド(東京化成工業株式会社製)1.25モルを用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE4を得た。得られたAGE4は、前記化学式(1)において、R1は水素原子、R2は炭素数が14の脂肪族炭化水素基であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを50%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを50%含んでいた。
(C16末端エポキシドとグリセリンの反応物(AGE4)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、C16末端エポキシド(東京化成工業株式会社製)1.25モルを用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE4を得た。得られたAGE4は、前記化学式(1)において、R1は水素原子、R2は炭素数が14の脂肪族炭化水素基であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを50%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを50%含んでいた。
製造例C5
(C18末端エポキシドとグリセリンの反応物(AGE5)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、C18末端エポキシド(東京化成工業株式会社製)1.25モルを用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE5を得た。得られたAGE5は、前記化学式(1)において、R1は水素原子、R2は炭素数が16の脂肪族炭化水素基であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを51%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを49%含んでいた。
(C18末端エポキシドとグリセリンの反応物(AGE5)の製造)
製造例B1で得た内部エポキシド1(1.25モル)に代えて、C18末端エポキシド(東京化成工業株式会社製)1.25モルを用いた以外は、製造例C1と同様の製造方法で、AGE5を得た。得られたAGE5は、前記化学式(1)において、R1は水素原子、R2は炭素数が16の脂肪族炭化水素基であり、Xは単結合であり、A1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OH又は−O−CH(−CH2−OH)2であり、グリセリンの1位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを51%、グリセリンの2位の水酸基とエポキシ基が反応して得られるAGEを49%含んでいた。
実施例1−1〜1−15、比較例1−1〜1−5
表1に記載の各成分を表1に記載の配合割合で混合して防錆剤組成物を調製した。調製した各防錆剤組成物を用いて、下記の方法で耐水試験を行った。結果を表1に示す。なお、表1中のAGEはアルキルグリセリルエーテル、BDGはジエチレングリコールモノブチルエーテル(可溶化剤)、TEAはトリエタノールアミン(アルカリ成分)、DEAはジエタノールアミン(アルカリ成分)である。
表1に記載の各成分を表1に記載の配合割合で混合して防錆剤組成物を調製した。調製した各防錆剤組成物を用いて、下記の方法で耐水試験を行った。結果を表1に示す。なお、表1中のAGEはアルキルグリセリルエーテル、BDGはジエチレングリコールモノブチルエーテル(可溶化剤)、TEAはトリエタノールアミン(アルカリ成分)、DEAはジエタノールアミン(アルカリ成分)である。
<耐水試験(アルミニウム)>
100mLガラスビーカーに防錆剤組成物100gを加え、50℃に加温し、アセトンで脱脂洗浄を施したアルミニウム合金板(ADC12、50mm×20mm×1.6mm)を防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、アルミニウム合金板を取り出し、エアブローして乾燥した。次に、アルミニウム合金板を50℃に加温した水50gに1時間浸漬した。その後、水中に溶出したアルミニウムイオン量をICP発光分光分析装置(Agilent社製、Agilent 5110 ICP−OES)を用いて測定し、測定結果とアルミニウム合金板の表面積から単位面積当たりのアルミニウム溶出量(g/m2)を算出した。また、試験後のアルミニウム合金板表面を目視観察し、下記基準で評価した。
1:腐食無し
2:部分腐食のみ有り
3:全面腐食あり
100mLガラスビーカーに防錆剤組成物100gを加え、50℃に加温し、アセトンで脱脂洗浄を施したアルミニウム合金板(ADC12、50mm×20mm×1.6mm)を防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、アルミニウム合金板を取り出し、エアブローして乾燥した。次に、アルミニウム合金板を50℃に加温した水50gに1時間浸漬した。その後、水中に溶出したアルミニウムイオン量をICP発光分光分析装置(Agilent社製、Agilent 5110 ICP−OES)を用いて測定し、測定結果とアルミニウム合金板の表面積から単位面積当たりのアルミニウム溶出量(g/m2)を算出した。また、試験後のアルミニウム合金板表面を目視観察し、下記基準で評価した。
1:腐食無し
2:部分腐食のみ有り
3:全面腐食あり
<耐水試験(鉄)>
100mLガラスビーカーに防錆剤組成物100gを加え、60℃に加温し、アセトンで脱脂洗浄を施した鋼板(SPCC、50mm×20mm×0.8mm)を防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、鋼板を取り出し、エアブローして乾燥した。次に、鋼板を50℃に加温した水50gに1時間浸漬した。その後、水中に溶出した鉄イオン量をICP発光分光分析装置(Agilent社製、Agilent 5110 ICP−OES)を用いて測定し、測定結果と鋼板の表面積から単位面積当たりの鉄溶出量(g/m2)を算出した。また、試験後の鋼板表面を目視観察し、下記基準で評価した。
1:錆無し
2:点錆のみ有り
3:全面錆有り
100mLガラスビーカーに防錆剤組成物100gを加え、60℃に加温し、アセトンで脱脂洗浄を施した鋼板(SPCC、50mm×20mm×0.8mm)を防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、鋼板を取り出し、エアブローして乾燥した。次に、鋼板を50℃に加温した水50gに1時間浸漬した。その後、水中に溶出した鉄イオン量をICP発光分光分析装置(Agilent社製、Agilent 5110 ICP−OES)を用いて測定し、測定結果と鋼板の表面積から単位面積当たりの鉄溶出量(g/m2)を算出した。また、試験後の鋼板表面を目視観察し、下記基準で評価した。
1:錆無し
2:点錆のみ有り
3:全面錆有り
実施例2
表2に防錆剤組成物の配合例を示す。なお、表2中のAGEはアルキルグリセリルエーテル、BDGはジエチレングリコールモノブチルエーテル(可溶化剤)、TEAはトリエタノールアミン(アルカリ成分)である。
表2に防錆剤組成物の配合例を示す。なお、表2中のAGEはアルキルグリセリルエーテル、BDGはジエチレングリコールモノブチルエーテル(可溶化剤)、TEAはトリエタノールアミン(アルカリ成分)である。
実施例3
鋼板(Fe基板)の防錆剤処理
防錆剤処理前のFe基板として、アセトンで脱脂洗浄を施した鋼板(SPCC、50mm×20mm×0.8mm、以下、Fe基板という)を用いた。100mLガラスビーカーに実施例1−2で調製した防錆剤組成物100gを加え、60℃に加温し、前記防錆剤処理前のFe基板をこの防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、Fe基板を取り出し、エアブローして乾燥し、防錆剤処理後のFe基板とした。
鋼板(Fe基板)の防錆剤処理
防錆剤処理前のFe基板として、アセトンで脱脂洗浄を施した鋼板(SPCC、50mm×20mm×0.8mm、以下、Fe基板という)を用いた。100mLガラスビーカーに実施例1−2で調製した防錆剤組成物100gを加え、60℃に加温し、前記防錆剤処理前のFe基板をこの防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、Fe基板を取り出し、エアブローして乾燥し、防錆剤処理後のFe基板とした。
アルミニウム合金板(Al基板)の防錆剤処理
防錆剤処理前のAl基板として、アセトンで脱脂洗浄を施したアルミニウム合金板(ADC12、50mm×20mm×1.6mm、以下、Al基板という)を用いた。100mLガラスビーカーに実施例1−2で調製した防錆剤組成物100gを加え、50℃に加温し、前記防錆剤処理前のAl基板をこの防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、Al基板を取り出し、エアブローして乾燥し、防錆剤処理後のAl基板とした。
防錆剤処理前のAl基板として、アセトンで脱脂洗浄を施したアルミニウム合金板(ADC12、50mm×20mm×1.6mm、以下、Al基板という)を用いた。100mLガラスビーカーに実施例1−2で調製した防錆剤組成物100gを加え、50℃に加温し、前記防錆剤処理前のAl基板をこの防錆剤組成物中に30秒間浸漬した。その後、Al基板を取り出し、エアブローして乾燥し、防錆剤処理後のAl基板とした。
前記防錆剤処理前及び処理後のFe基板及びAl基板について、下記の方法で元素マッピングを行った。Fe基板については、FeとCの元素マッピングを、Al基板については、AlとCの元素マッピングを行った。結果を図1に示す。なお、それぞれ、元素が存在する場合に白で、存在しない場合黒くなるように表示した。
<元素マッピング>
卓上顕微鏡Miniscope(登録商標) TM3000(日立ハイテクノロジーズ社製)、エネルギー分散型X線分析装置SwiftED3000(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、基板表面の元素マッピングを行った。測定条件は、加速電圧:5.0kV、解像度:128×104ピクセル、表示解像度:100%、プロセスタイム:5、である。
<元素マッピング>
卓上顕微鏡Miniscope(登録商標) TM3000(日立ハイテクノロジーズ社製)、エネルギー分散型X線分析装置SwiftED3000(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、基板表面の元素マッピングを行った。測定条件は、加速電圧:5.0kV、解像度:128×104ピクセル、表示解像度:100%、プロセスタイム:5、である。
図1から、Fe基板表面及びAl基板表面に、化学式(1)で表される化合物の被膜が均一に形成されていることがわかる。
本発明の防錆剤、防錆剤組成物、及び被膜形成材は、各種金属部品の表面を被覆する防錆被膜の形成材として有用である。また、本発明の防錆剤組成物は、切削油、防錆油、又は洗浄剤として有用である。
Claims (10)
- 前記化学式(1)で表される化合物において、Xは単結合である、請求項1に記載の防錆剤。
- 前記化学式(1)で表される化合物において、R1は炭素数1以上33以下の脂肪族炭化水素基である、請求項1又は2に記載の防錆剤。
- 前記化学式(1)においてA1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH2−CH(OH)−CH2OHである化合物1、及び前記化学式(1)においてA1及びA2のいずれか一方は−OHであり、他方は−O−CH(−CH2−OH)2である化合物2を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の防錆剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の防錆剤を含有する防錆剤組成物。
- さらに、可溶化剤を含有する、請求項5に記載の防錆剤組成物。
- 前記防錆剤組成物は、切削油、防錆油、又は洗浄剤であって、前記化学式(1)で表される化合物を含有するものである、請求項5又は6に記載の防錆剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の防錆剤、請求項5〜7のいずれかに記載の防錆剤組成物、又は請求項8に記載の被膜形成材から得られる被膜。
- 請求項9に記載の被膜を有する金属部品。
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JP2020042161 | 2020-03-11 | ||
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JP2021022654A Pending JP2021143419A (ja) | 2020-03-11 | 2021-02-16 | 防錆剤、防錆剤組成物、被膜形成材、被膜、及び金属部品 |
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2021
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