JP2021143293A - 繊維製品用の液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用のポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤を用いても、液安定性に優れる繊維製品用の液体洗浄剤組成物。【解決手段】(A)成分:特定の式で表されるノニオン界面活性剤と、(B)成分:特定の式で表されるカチオン界面活性剤と、(C)成分:有機溶剤と、を含有し、繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(A)成分の含有量は30質量%以上であり、繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(B)成分の含有量は1〜6質量%であり、繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(C)成分の含有量は0.5質量%以上10質量%未満であることよりなる。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品用の液体洗浄剤組成物に関する。
繊維製品用の液体洗浄剤組成物等の日用品分野においては、環境負荷に対する意識が高まっている。例えば、繊維製品用の液体洗浄剤組成物を収容する容器の小型化によって、繊維製品用の液体洗浄剤組成物におけるエネルギー削減やゴミの減量が図られている。容器の小型化に伴い、繊維製品用の液体洗浄剤組成物には、高い洗浄力に加えて、洗濯1回当たりの使用量が少ないことが求められている。こうした要求に対して、界面活性剤の濃度を高めた濃縮型の繊維製品用の液体洗浄剤組成物が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の発明によれば、エチレンオキシドと炭素数3〜5のアルキレンオキシドとを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤を用いることで、洗浄力の向上、保存安定性の向上、及び水への溶解性の向上が図られている。
特開2010−229387号公報
しかしながら、界面活性剤を高濃度に配合した繊維製品用の液体洗浄剤組成物は、低温(例えば5℃以下)では、ゲル化や固化を生じやすい(即ち、液安定性に劣る)。特に、長いポリオキシエチレン基(例えば、オキシエチレン基の平均繰り返し数が10〜30)を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤を高濃度で配合する場合には、顕著に低温での液安定性が低下する。
このような事情を鑑み、繊維製品用の液体洗浄剤組成物を高濃度に濃縮化するためには、低温での液安定性を高められるノニオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系ノニオン界面活性剤や、2級アルコールのポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤、分岐型アルコールのポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤)を選択する必要がある。このため、繊維製品用の液体洗浄剤組成物の設計に制限があった。
そこで、本発明は、汎用のポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤を用いても、液安定性に優れる繊維製品用の液体洗浄剤組成物を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
<1>
(A)成分:下記(a1)式で表されるノニオン界面活性剤と、
(B)成分:下記(b1)式で表されるカチオン界面活性剤と、
(C)成分:有機溶剤と、を含有し、
繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(A)成分の含有量は30質量%以上であり、
繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(B)成分の含有量は1〜6質量%であり、
繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(C)成分の含有量は0.5質量%以上10質量%未満である、
繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
11−O−(EO)−H ・・・(a1)
((a1)式中、R11は炭素数8〜22の直鎖の第1級のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、nはEOの平均繰り返し数を示す10〜30の数である。)
Figure 2021143293
((b1)式中、RC1とRC2はそれぞれ独立に炭素数8〜22のアルキル基であり、RC3は炭素数1〜3のアルキル基であり、RC4は下記(b2)式で表される基である。Zは、陰イオン基である。
(CHCHO)H ・・・(b2)
(b2)式中、zはオキシエチレン基の平均繰り返し数を示す1〜5の数である。)
<2>
前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比は8〜23である、<1>に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
<3>
前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比は4〜10である、<1>又は<2>に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
<4>
前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比は0.2〜1である、<1>〜<3>のいずれかに記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
<5>
繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する界面活性剤の総質量は、30〜70質量%である、<1>〜<4>のいずれかに記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
<6>
前記界面活性剤の総質量に対する、前記(A)成分の質量は、30質量%以上である、<5>に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤組成物によれば、汎用のポリオキシエチレンアルキルエーテル系のノニオン界面活性剤を用いても、液安定性の向上を図れる。
(繊維製品用の液体洗浄剤組成物)
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤組成物(以下、単に液体洗浄剤組成物ということがある)は、(A)〜(C)成分を含有する。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、酸の形態と塩の形態をとりうる成分の含有量は、特に断りのない限り、酸の形態としての含有量である。
<(A)成分>
(A)成分は、下記(a1)式で表されるノニオン界面活性剤である。液体洗浄剤組成物は、(A)成分を含有することで、洗浄力を発揮する。
11−O−(EO)−H ・・・(a1)
((a1)式中、R11は炭素数8〜22の直鎖の第1級のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、nはEOの平均繰り返し数を示す10〜30の数である。)
11は、直鎖の第1級のアルキル基である。
(a1)式において、R11の炭素数は、8〜22であり、10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましく、12〜14が特に好ましい。
(a1)式において、nは10〜30が好ましく、10〜18がより好ましく、10〜15がさらに好ましい。nが上記下限値以上であれば、原料由来の臭気をより抑制できる。nが上記上限値以下であれば、皮脂汚れに対する洗浄力をより高められる。
(A)成分は、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数(即ち、オキシエチレン基の平均繰り返し数n)が15)の「AE(15EO)」、天然アルコールに15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(即ち、オキシエチレン基の平均繰り返し数nが15)が特に好ましい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、30質量%以上が好ましく、35質量%〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤組成物の濃縮化を図れる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
液体洗浄剤組成物中の界面活性剤の総質量(界面活性剤総量)に対する(A)成分の含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。界面活性剤総量に対する(A)成分の含有量が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
<(B)成分>
(B)成分は、下記(b1)式で表されるカチオン界面活性剤である。液体洗浄剤組成物は、(B)成分を含有することで、(A)成分を高濃度で含有しても、優れた液安定性を発揮する。
Figure 2021143293
((b1)式中、RC1とRC2はそれぞれ独立に炭素数8〜22のアルキル基であり、RC3は炭素数1〜3のアルキル基であり、RC4は下記(b2)式で表される基である。Zは、陰イオン基である。
(CHCHO)H ・・・(b2)
(b2)式中、zはオキシエチレン基の平均繰り返し数を示す1〜5の数である。)
(b1)式中、RC1とRC2とは、それぞれ独立に炭素数8〜22のアルキル基であり、2つが炭素数8〜16のアルキル基である化合物が好ましく、2つが炭素数8〜12である化合物がより好ましく、2つが炭素数10のアルキル基である化合物がさらに好ましい。
C3は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
C4は(b2)式で表される基(b2基)である。
b2基のzは、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1〜2が特に好ましい。zが上記範囲であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
zが1〜2である場合、zが1であるb2基を有する化合物と、zが2であるb2を有する化合物との質量比(z=1/z=2比)は、100/0〜50/50が好ましく、100/0〜70/30がより好ましく、100/0〜80/20がさらに好ましく、100/0〜90/10が特に好ましい。
は、陰イオン基であり、ハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオン、炭素数1〜3の脂肪酸イオン、プロパン酸イオン又は酢酸イオンが好ましい。Zは,プロパン酸イオンが特に好ましい。これらの陰イオンであれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1〜6質量%が好ましく、1.5〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であることで、低温における液存安定性をさらに高められる。
液体洗浄剤組成物において、(A)成分/(B)成分で表される質量比(A/B比)は、6〜24が好ましく、8〜23がより好ましく、10〜20がさらに好ましく、10〜15が特に好ましい。A/B比が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
<(C)成分>
(C)成分は、有機溶剤である。液体洗浄剤組成物は、(C)成分を含有することで、低温における液安定性をより高められる。
(C)成分としては、アルコール、グリコールエーテル、ケトン、エステル、ジオキソラン化合物等が挙げられ、中でも、アルコール、グリコールエーテルが好ましい。
アルコールとしては、下記(c1)式で表される化合物((c1)成分)、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール等が挙げられる。
Figure 2021143293
(c1)式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Rは、水素原子又はアセチル基である。
(c1)式中、R〜Rは、全てが水素原子であるか、又は1つがアルキル基であり、他の2つが水素原子であることが好ましい。即ち、R〜Rの内、2つ以上が水素原子であることが好ましい。R〜Rの内、2つ以上が水素原子であると、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
〜Rのいずれかがアルキル基である場合、アルキル基の炭素数は、1〜2が好ましく、1がより好ましい。R〜Rの炭素数が上記数値範囲内であると、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
は、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図る観点から、水素原子が好ましい。
(c1)成分としては、例えば、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−エチルブタノール、3−メトキシ−3−プロピルブタノール、3−メトキシ−2−メチルブタノール、3−メトキシ−2−エチルブタノール、3−メトキシ−2−プロピルブタノール、3−メトキシ−1−メチルブタノール、3−メトキシ−1−エチルブタノール、3−メトキシ−1−プロピルブタノール等、(c1)式中のRが水素原子であるもの;3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−2−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−1−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−プロピルブチルアセテート等、(c1)式中のRがアセチル基であるもの等が挙げられる。
炭素数2〜4の一価アルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、下記(c2)式で表される化合物((c2)成分が挙げられる。
31−(OR32OH ・・・(c2)
(c2)式中、R31は水素、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R32は炭素数2〜4のアルキレン基であり、wは、OR32の平均繰り返し数(即ち、炭素数2〜4のアルキレンオキシドの平均付加モル数)であり、1〜30000の数である。
(c2)成分としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
(c2)式において、R31が水素である化合物としては、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、(c2)式におけるwが5以上のものが好ましい。
また、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、180〜10000が好ましく、300〜5000がより好ましく、500〜3000がさらに好ましく、800〜1500が特に好ましい。これらの中でも、質量平均分子量が900〜1200のポリエチレングリコールが特に好ましい。なお、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、溶媒としてメタノールを用いてGPCにより測定した値を、ポリエチレングリコールにおける較正曲線に基づいて算出した値を示す。
これらの(C)成分の中でも、流動性に優れる点、臭気の穏やかな点、原料の入手のしやすさの点から、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールが好ましく、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メトキシ−3−メチルブタノールがより好ましい。
これらの(C)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
2種以上の(C)成分を組み合わせる場合、(c1)成分を含むことが好ましく、(c1)成分と一価アルコールとの組み合わせ及び(c1)成分と(c2)成分との組み合わせがより好ましく、(c1)成分と一価アルコールとの組み合わせがさらに好ましく、3−メトキシ−3−メチルブタノールとエタノールとの組み合わせが特に好ましい。(C)成分が上記の組み合わせであれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
(c1)成分と他の(C)成分とを組み合わせる場合、(c1)成分/[他の(C)成分]で表される質量比は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1.5〜3がさらに好ましい。上記質量比が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5%以上、10質量%未満が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
液体洗浄剤組成物中、(A)成分/(C)成分で表される質量比(A/C比)は、5〜80が好ましく、5〜30がより好ましく、5〜15がさらに好ましい。A/C比が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
液体洗浄剤組成物中、(B)成分/(C)成分で表される質量比(B/C比)は、0.3〜6が好ましく、0.4〜2がより好ましく、0.4〜1.4がさらに好ましく、0.7〜1.4が特に好ましい。B/C比が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
<任意成分>
液体洗浄剤組成物は、剤形等を勘案して、任意成分を適宜含有してもよい。
任意成分としては、高級脂肪酸又はその塩を除くアニオン界面活性剤、(A)成分を除くノニオン界面活性剤((D)成分)、(B)成分を除くカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、高級脂肪酸又はその塩((E)成分)(以上、その他の界面活性剤)、消泡剤((D)成分と、高級脂肪酸又はその塩((E)成分)とを除く)、水、pH調整剤、キレート剤、酵素、酵素安定化剤、ハイドロトロープ剤、酸化防止剤、漂白剤、蛍光増白剤、抗菌剤(但し、カチオン界面活性剤を除く)、ソイルリリース剤、分散剤、風合い向上剤、抗菌剤、防腐剤、香料、色素等が挙げられる。
液体洗浄剤組成物において、(A)〜(C)成分及び任意成分の合計が100質量%である。
≪その他の界面活性剤≫
その他の界面活性剤は、(A)成分及び(B)成分以外の界面活性剤である。その他の界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(但し、(E)成分を除く)、カチオン界面活性剤(但し、(B)成分を除く)、(A)成分以外のノニオン界面活性剤((D)成分)等が挙げられる。
・アニオン界面活性剤(高級脂肪酸又はその塩を除く)
アニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α−スルホ脂肪酸エステル又はその塩(MES)、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
アニオン界面活性剤の中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α−スルホ脂肪酸エステル又はその塩(MES)がより好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等とのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
アニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1〜60質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はそれらの塩としては、下記(a3)式で表される化合物(化合物(a3))が挙げられる。
41−O−[(EO)/(PO)]−SO−M ・・・(a3)
式(a3)中、R41は炭素数8〜20の直鎖状もしく分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはプロピレンオキシ基であり、hはEOの平均繰り返し数を表し0以上の数であり、iはPOの平均繰り返し数を表し0〜6の数であり、Mは水素原子又は対カチオンである。
41は、炭素数10〜20の直鎖のアルキル基又は炭素数10〜20の分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数12〜14の直鎖のアルキル基又は炭素数10〜20の分岐鎖のアルキル基がより好ましい。
式(a3)におけるh=0、i=0の成分の含有量は、化合物(a3)の総質量に対して35〜55質量%が好ましい。
hは、0〜5が好ましく、0.1〜3がより好ましく、0.5〜3がさらに好ましく、0.5〜2.5が特に好ましい。
iは0〜3が好ましく、0がより好ましい。
h+iは0超の数が好ましく、1〜5がより好ましい。
h及びiがそれぞれ0ではない場合、つまり化合物(a3)がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。EOとPOとをブロック状に付加する方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法が挙げられる。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
Mの対カチオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
(a3)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。
・(D)成分:(A)成分以外のノニオン界面活性剤
(D)成分としては、下記(d1)式で表されるノニオン界面活性剤((d1)成分)、下記(d2)式で表されるノニオン界面活性剤((d2)成分)、下記(d3)式で表されるノニオン界面活性剤((d3)成分)が挙げられる。
51−L1−[(EO)v1/(AO)]−(EO)−R52 ・・・・(d1)
(d1)式において、R51は炭素数8〜22の炭化水素基であり、−L1−は2価の連結基であり、R52は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。
51は、直鎖でもよいし、分岐鎖でもよい。
51は、飽和炭化水素基でもよいし、不飽和炭化水素基でもよい。
51は、第1級の炭化水素基でもよいし、第2級の炭化水素基でもよい。
EOはオキシエチレン基であり、v1はEOの平均繰り返し数を示す3〜25の数である。
AOはPO(オキシプロピレン基)又はBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。wはPO又はBOの平均繰り返し数を表す1〜20の数である。xはEOの平均繰り返し数を表す0〜20の数である。
wが1以上であり、[(EO)v1/(AO)]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基又はオキシエチレン基とオキシブチレン基との配列順に限定はなく、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
−L1−としては、例えば、−O−、−CO−等が挙げられる。
53−L2−[(EO)v2]−R54 ・・・・(d2)
(d2)式において、R53は炭素数8〜22の分岐鎖の炭化水素基であり、−L2−は2価の連結基であり、R54は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。
53は、第1級の炭化水素基でもよいし、第2級の炭化水素基でもよい。
53は、飽和炭化水素基でもよいし、不飽和炭化水素基でもよい。
EOはオキシエチレン基であり、v2はEOの平均繰り返し数を示す3〜25の数である。
−L2−としては、例えば、−O−、−CO−等が挙げられる。
55−L3−[(EO)v3]−R56 ・・・・(d3)
(d3)式において、R55は炭素数8〜22の炭化水素基であり、−L3−は2価の連結基であり、R56は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。
55は、直鎖の第2級の炭化水素基である。
55は、飽和炭化水素基でもよいし、不飽和炭化水素基でもよい。
EOはオキシエチレン基であり、v3はEOの平均繰り返し数を示す3〜25の数である。
−L3−としては、例えば、−O−、−CO−等が挙げられる。
液体洗浄剤組成物中の(D)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
・カチオン界面活性剤(但し、(B)成分を除く)
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミドアミン、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチルアンモニウム重炭酸塩/炭酸塩、塩化セチルピリジウム、塩化ココイルジメチルベンジルアンモニウム)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
・両性界面活性剤
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型等が挙げられる。
両性界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
・半極性界面活性剤
半極性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
半極性界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
・高級脂肪酸又はその塩((E)成分)
(E)成分を構成する炭化水素基の炭素数は、10〜20が好ましく、12〜18がより好ましい。高級脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
液体洗浄剤組成物が(E)成分を含む場合、(E)成分の含有量(塩の場合も高級脂肪酸としての含有量。以下同じ。)は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
液体洗浄剤組成物中の(E)成分を含む界面活性剤の総量(界面活性剤総量)は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、31〜80質量%が好ましく、35〜70質量%がより好ましい。
≪消泡剤≫
消泡剤としては、例えば、アルコールのプロピレンオキシド付加物(但し、(D)成分を除く)、脂肪酸エステル(但し、(D)成分を除く)等が挙げられる。
アルコールのプロピレンオキシド付加物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のモノアルコールにプロピレンオキシドを付加させたもの;エタンジオール等のジオール、グリセリン等のトリオール、エリスリトール等のテトラオール、ソルビトール等のヘキサオール等の多価アルコールにプロピレンオキシドを付加させたもの等が挙げられる。
脂肪酸エステルとして具体的には、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル(別称:イソオクチル酸2−エチルヘキシル、2H08)等が挙げられる。
これらの消泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
消泡剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜5質量%が好ましい。
≪水≫
水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、水道水等が挙げられる。これらの水は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤組成物が液体洗浄剤の場合、液体洗浄剤組成物の総質量に対する水の含有量は、5〜60質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
≪pH調整剤≫
pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。pH調整剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜15質量%が好ましい。
≪キレート剤≫
キレート剤としては、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラ酢酸(TTHA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)等の酸又はその塩の有機ホスホン酸類等が挙げられる。
キレート剤の塩の形態としては、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
これらのキレート剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
キレート剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.001〜10質量%が好ましい。
≪酵素≫
酵素としては、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
酵素は、一般に、酵素を含有する製剤(酵素製剤)として市販されている。液体洗浄剤組成物を調製する際、通常、酵素は酵素製剤の形態で配合される。
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。プロテアーゼを含有する製剤(プロテアーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Coronase Evity 48L、Progress Uno101L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
アミラーゼを含有する製剤(アミラーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、Amplify Prime;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl;天野エンザイム社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ;生化学工業社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼを含有する製剤(リパーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼを含有する製剤(セルラーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名ケアザイム4500L、ケアザイムプレミアム4500L、エンドラーゼ5000L、セルクリーン4500T等が挙げられる。
マンナナーゼを含有する製剤(マンナナーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L、Mannaway 200L等が挙げられる。
これらの酵素製剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼが好ましく、プロテアーゼとアミラーゼとを併用することがより好ましい。
酵素(酵素製剤)の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
酵素安定化剤としては、例えばホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩、安息香酸、乳酸又はその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類等が挙げられる。
これらの酵素安定化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましい。
≪ハイドロトロープ剤≫
ハイドロトロープ剤としては、例えばパラトルエンスルホン酸又はその塩、クメンスルホン酸又はその塩、安息香酸塩、尿素等が挙げられる。これらのハイドロトロープ剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ハイドロトロープ剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜15質量%が好ましい。
≪酸化防止剤≫
酸化防止剤としては、例えばBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜3質量%が好ましい。
≪漂白剤≫
漂白剤としては、過酸化水素等が挙げられる。
漂白剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
≪蛍光増白剤≫
蛍光増白剤としては、例えば4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム塩等のビフェニル型の蛍光増白剤;4,4’−ビス((4−アミノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−2)アミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸塩等のスチルベン型の蛍光増白剤等が挙げられる。
これらの蛍光増白剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
蛍光増白剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
≪ソイルリリース剤≫
ソイルリリース剤(SR剤)としては、例えばアルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位、並びにオキシアルキレン単位を有するポリマーが挙げられる。このようなポリマーとしては、例えば国際公開第2017/142012号に記載されているものが挙げられる。ソイルリリース剤の市販品としては、例えばクラリアント社製の商品名「TexCare SRN−170」等が挙げられる。
また、ソイルリリース剤としては、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体等の高分子が挙げられる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、例えば国際公開第2017/142012号や特表2017−514967号公報に記載されているものが挙げられる。市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
これらのソイルリリース剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ソイルリリース剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.1〜20質量%が好ましい。
≪分散剤≫
分散剤としては、例えばポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、高分子ポリカルボン酸またはそれらの塩等が挙げられる。
これらの分散剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
分散剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜5質量%が好ましい。
≪風合い向上剤≫
風合い向上剤としては、例えばジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン等が挙げられる。これらのシリコーンとしては、例えばオイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルション型、自己乳化型等が挙げられる。
これらの風合い向上剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
風合い向上剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.1〜20質量%が好ましい。
≪抗菌剤≫(但し、カチオン界面活性剤を除く)
カチオン界面活性剤((B)成分を含む)以外の抗菌剤としては、例えば、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8−オキシキノリン、ポリリジン等が挙げられる。
これらの抗菌剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
抗菌剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。
≪防腐剤≫
防腐剤としては、例えばダウ・ケミカル社製の商品名「ケーソンCG」、ソー・ジャパン社製の商品名「アクチサイドMBS」、クラリアント社製の商品名「NIPACIDEBIT 20」等が挙げられる。
これらの防腐剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.001〜1質量%が好ましい。
≪香料≫
香料としては、香料原料単体、又は、香料原料と香料用溶剤と香料安定化剤等とからなる香料組成物を含むものが挙げられ、液体洗浄剤組成物に通常用いられる香料が用いられる。また、カプセル香料として。液体洗浄剤組成物に配合されてもよい。
香料の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01〜5質量%が好ましい。
≪色素≫
色素としては、例えばキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、キノリン系色素、ピレン系色素等が挙げられる。なお、本明細書において、下記の「C.I.」は、カラーインデックスの略である。各色素の構造は「法定色素ハンドブック」(日本化粧品工業連絡会編)、染料便覧(有機合成化学協会編)に記載されている。
キノン系色素としては、例えばC.I.Solvent Blue 63(C.I.ソルベントブルー 63、青色403号)、ミリケン社製のLiquitint Blue HP、Liquitint Blue BL(以上、商品名)が挙げられる。
トリフェニルメタン系色素としては、例えば緑色3号(C.I.42053)等が挙げられる。
キノリン系色素としては、例えば黄色203号(C.I.Acid Yellow 3)が挙げられる。
色素の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.00001〜1質量%が好ましい。
なお、(A)〜(C)成分及び任意成分の合計量は、100質量%を超えない。
<物性>
本発明の液体洗浄剤組成物のpHは、5〜10が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜9がさらに好ましい。pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー社製)により測定される値である。
本発明の液体洗浄剤組成物の粘度(25℃)は、特に限定されないが、10〜1000mPa・sが好ましく、10〜500mPa・sがより好ましい。なお、液体洗浄剤組成物の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)により測定される値(測定条件:ローターNo.2、回転数30rpm、1分後の粘度)である。
(製造方法)
本発明の液体洗浄剤組成物は、従来公知の製造方法によって製造される。
液体洗浄剤組成物が液体の場合、(A)〜(C)成分、必要に応じて任意成分を水に分散できるものであればよい。
(使用方法)
液体洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば液体洗浄剤組成物を洗濯機(自動投入洗濯機も含む)の洗浄剤投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤組成物を洗濯時に被洗濯物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤組成物を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗濯物を浸漬する方法、液体洗浄剤組成物を被洗濯物に直接塗布して、例えば3分〜24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法、オートディスペンサーの液体洗浄剤の収容部分に液体洗浄剤組成物を投入した後に、必要に応じて自動で計量し、洗濯機の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法等が挙げられる。
被洗濯物としては、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が挙げられる。繊維製品の素材は、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維(化繊)等のいずれでもよいが、ポリエステルの化学繊維が特に好ましい。
液体洗浄剤組成物を水に溶解して使用する場合、例えば、液体洗浄剤組成物を5〜5000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
衣類量当たりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/衣類の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
洗浄処理において使用される洗浄剤使用量の量は、被洗濯物の合計質量(布量)/液体洗浄剤組成物の合計質量の比で、10〜500が好ましく、10〜300がさらに好ましく、10〜100がさらに好ましい。
従来、(A)成分を高濃度に含有する液体洗浄剤組成物は、液安定性に劣り、特に低温下で保管すると、ゲル化して流動性が損なわれる。
本発明の液体洗浄剤組成物によれば、(A)成分を特定量含有しているにもかかわらず、(B)成分と(C)成分とを含有するため、低温での液安定に優れる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
・A−1:天然アルコール(炭素数12及び14)に15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。(a1)式中、R11が直鎖の第1級のアルキル基であり、R11が炭素数12のアルキル基である(a1)成分と、R11が炭素数14のアルキル基である(a1)成分との混合物であり、(a1)式中のnが15である。
<(B)成分>
・B−1:ジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(ロンザジャパン社製、商品名「Bardap26」)。(b1)式中、Rc1=Rc2=炭素数10のアルキル基、Rc3=炭素数1のアルキル基、Rc4=(CHCHO)H(b2基)、z=1〜2((B−1)100質量%中、z=1の(B−1)95質量%と、z=2の(B−1)5質量%との混合物)、Zはプロピオネート基(CHCHCOO)である化合物。
<(B’)成分>(B)成分の比較品
・B’−1:ジデシルジメチルアンモニウム重炭酸塩/炭酸塩(ロンザジャパン社製、商品名「Carboquat MW50」)。(b1)式中、Rc1=Rc2=炭素数10のアルキル基、Rc3=Rc4=炭素数1のアルキル基、ZはHCO /CO 2−である化合物。
・B’−2:塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製)。
・B’−3:塩化ココイルジメチルベンジルアンモニウム(ライオンスペシャリティケミカルズ社製、商品名「リポカード CB−50」)。
<(C)成分>
・C−1:3−メトキシ−3−メチルブタノール(クラレ社製、商品名「ソルフィット」。(c1)式中、Rがメチル基、R、R及びRが水素原子である化合物。
・C−2:エタノール(日本アルコール販売社製、商品名「特定アルコール95度合成」)。
・C−3:プロピレングリコール:ADEKA社製、商品名「プロピレングリコール」。
・C−4:ポリエチレングリコール(質量平均分子量1,000)(ライオン社製、商品名「PEG#1000−L60」)。
・C−5:ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤社製)。
<任意成分>
・椰子脂肪酸(日油社製、商品名「椰子脂肪酸」)。
・PPG:3価アルコールのプロピレンオキシド付加物(ポリオキシプロピレングリセリルエーテル)(三井化学社製、商品名「アクトコールT−4000」、質量平均分子量4000)。
・MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、商品名「モノエタノールアミン」、日本触媒社製。
・PTSH:パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業社製、商品名「PTS酸」。
・クエン酸:pH調整剤、磐田化学工業社製、商品名「クエン酸(無水)」。
・乳酸ナトリウム(関東化学社製、商品名「乳酸ナトリウム」)。
・プロテアーゼ(ノボザイムズジャパン社製、商品名「ProgressUno」)。
・マンナナーゼ(ノボザイムズジャパン社製、商品名「Mannaway 4L」)。
・アミラーゼ(ノボザイムズジャパン社製、商品名「Amplify Prime」)。
・香料:着香剤、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
・色素:着色剤、商品名「緑色3号」、癸巳化成社製。
・色素:ミリケン社製、商品名「LIQUITINT Blue HP」。
・水:精製水。
(評価方法)
<液安定性>
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に、各例の液体洗浄剤100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃又は0℃の恒温槽内に7日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、液体洗浄剤の液体安定性を評価し「◎」及び「○」を合格とした。
≪評価基準≫
◎:ガラス瓶内の液体洗浄剤が透明で沈殿物質等が認められず、液の流動性がある。
○:ガラス瓶内の液体洗浄剤に濁りが認められるが、液の流動性がある。
×:ガラス瓶内の液体洗浄剤に濁りが認められ、液の流動性がない。
(実施例1〜18、比較例1〜7)
表1〜3に示す組成に従い、(A)〜(C)成分及び任意成分を水に加え、混合して各例の液体洗浄剤組成物を調製した。
表中の水の含有量「バランス」は、液体洗浄剤組成物に含まれる全成分の合計が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
なお、表中の配合量は純分換算値である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
各例の液体洗浄剤組成物について、液安定性を評価し、その結果を表中に示す。
Figure 2021143293
Figure 2021143293
Figure 2021143293
表1〜3に示すように、実施例1〜18は、5℃及び0℃における液安定性に優れていた。
(B)成分の含有量が7質量%である比較例1は、液安定性が「×」であった。
(B)成分を欠くか、(B)成分に代えて(B’)成分を含有する比較例2〜5は、液安定性が「×」であった。
(C)の含有量が10質量%である比較例6は、液安定性が「×」であった。
(C)成分を欠く比較例7は、液安定性が「×」であった。
これらの結果から、本願発明を適用することで、液安定性を高められることを確認できた。

Claims (2)

  1. (A)成分:下記(a1)式で表されるノニオン界面活性剤と、
    (B)成分:下記(b1)式で表されるカチオン界面活性剤と、
    (C)成分:有機溶剤と、を含有し、
    繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(A)成分の含有量は30質量%以上であり、
    繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(B)成分の含有量は1〜6質量%であり、
    繊維製品用の液体洗浄剤組成物の総質量に対する前記(C)成分の含有量は0.5質量%以上10質量%未満である、
    繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
    11−O−(EO)−H ・・・(a1)
    ((a1)式中、R11は炭素数8〜22の直鎖の第1級のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、nはEOの平均繰り返し数を示す10〜30の数である。)
    Figure 2021143293
    ((b1)式中、RC1とRC2はそれぞれ独立に炭素数8〜22のアルキル基であり、RC3は炭素数1〜3のアルキル基であり、RC4は下記(b2)式で表される基である。Zは、陰イオン基である。
    (CHCHO)H ・・・(b2)
    (b2)式中、zはオキシエチレン基の平均繰り返し数を示す1〜5の数である。)
  2. 前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比は8〜23である、請求項1に記載の繊維製品用の液体洗浄剤組成物。
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