JP2021142614A - ウエーハの加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工効率を落とさず切削ブレードの切り刃の厚みよりも広い幅で面取り部を除去したり、切削ブレードの切り刃の厚みよりも広い幅の溝を形成することができること。【解決手段】ウエーハの加工方法は、回転軸を有する保持テーブルにウエーハを保持する保持ステップ1001と、第一の切削ブレードを第一の切削ブレードと回転軸を挟んで対向する第二の切削ブレードよりウエーハの中心側に位置づける位置づけステップ1002と、位置づけステップ1002の実施後に、第一の切削ブレードおよび第二の切削ブレードを回転させつつウエーハに所定深さまで切り込ませる切り込みステップ1003と、切り込みステップ1003を実施した後、保持テーブルを少なくとも360度回転させることでウエーハに円形の切削加工を施す円形加工ステップ1004とを具備する。【選択図】図5
Description
本発明は、ウエーハの加工方法及び加工装置に関する。
半導体ウエーハなどのウエーハの外周縁の面取り部を除去したり、円形の溝を形成するために、加工装置が用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示された加工装置は、切削ブレードの刃厚以上の幅の面取り部を除去したり、円形の溝を形成したい場合、円形加工を二回行う必要があり、加工時間が長くなるという問題があった。
また、幅が広い切削ブレードを作ることも考えられるが、切り刃が厚い分、砥石が偏って摩耗する可能性や幅が広い切削ブレードで安定して加工するために加工装置の改良が必要となる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工効率を落とさず切削ブレードの切り刃の厚みよりも広い幅で面取り部を除去したり、切削ブレードの切り刃の厚みよりも広い幅の溝を形成することができるウエーハの加工方法及び加工装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のウエーハの加工方法は、ウエーハに切削ブレードを切り込ませ該ウエーハを回転させることで、ウエーハに円形の切削加工を施すウエーハの加工方法であって、回転軸を有する保持テーブルにウエーハを保持する保持ステップと、第一の切削ブレードを該第一の切削ブレードと該回転軸を挟んで対向する第二の切削ブレードよりウエーハの中心側に位置づける位置づけステップと、該位置づけステップの実施後に、該第一の切削ブレードおよび該第二の切削ブレードを回転させつつウエーハに所定深さまで切り込ませる切り込みステップと、該切り込みステップを実施した後、該保持テーブルを少なくとも360度回転させることでウエーハに円形の切削加工を施す円形加工ステップと、を具備したことを特徴とする。
前記ウエーハの加工方法では、該第一の切削ブレードが切削する円形領域の外側と、該第二の切削ブレードが切削する円形領域の内側とが重なっても良い。
本発明の加工装置は、加工装置であって、回転軸を有しウエーハを保持する保持テーブルと、該保持テーブルを加工送り方向に移動させる保持テーブル移動ユニットと、該回転軸を挟んで対向する第一の切削ブレードと第二の切削ブレードと、該第一の切削ブレードと、該第二の切削ブレードと、を回転可能に保持するスピンドルと、該スピンドルを上下方向に移動させる上下方向移動ユニットと、該スピンドルを該加工送り方向と平面において直交する割り出し送り方向に移動させる割り出し方向移動ユニットと、を備え、該第一の切削ブレードは、該第二の切削ブレードより割り出し送り方向においてウエーハの中心側に位置づけられ、該第一の切削ブレードおよび該第二の切削ブレードが回転しつつウエーハの所定深さまで切り込んだ状態で該保持テーブルを少なくとも360度回転させることでウエーハに円形の切削加工を施すことを特徴とする。
本発明は、加工効率を落とさず切削ブレードの切り刃の厚みよりも広い幅で面取り部を除去したり、切削ブレードの切り刃の厚みよりも広い幅の溝を形成することができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工装置を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された加工装置の加工対象のウエーハの斜視図である。図3は、図2中のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1に示された加工装置の第一の切削ユニットと第二の切削ユニット等を模式的に示す正面図である。
本発明の実施形態1に係る加工装置を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された加工装置の加工対象のウエーハの斜視図である。図3は、図2中のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1に示された加工装置の第一の切削ユニットと第二の切削ユニット等を模式的に示す正面図である。
(加工装置)
実施形態1に係る図1に示す加工装置1は、図2に示すウエーハ200を切削(加工に相当)する切削装置である。実施形態1では、ウエーハ200は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。ウエーハ200は、表面201の複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
実施形態1に係る図1に示す加工装置1は、図2に示すウエーハ200を切削(加工に相当)する切削装置である。実施形態1では、ウエーハ200は、シリコン、サファイア、ガリウムなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。ウエーハ200は、表面201の複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
また、ウエーハ200は、図3に示すように、外周に面取り部204を有している。面取り部204は、表面201から裏面205に亘って形成され、厚み方向の中央が最も外周側に位置するように断面円弧状に形成されている。実施形態1では、ウエーハ200は、裏面205側に円形の剛性基板206が貼着されて、加工装置1により切削加工される。剛性基板206は、ウエーハ200の外径と同径の円板状に形成され、硬質な材料で構成されている。なお、実施形態1では、ウエーハ200は、裏面205側に剛性基板206が貼着されるが、本発明では、裏面205が外周縁に環状フレームが装着された粘着テープに貼着されて、環状フレームに支持されても良い。
図1に示された加工装置1は、ウエーハ200を保持テーブル10で保持し面取り部204を全周に亘って切削し、ウエーハ200から図3に破線で示す面取り部204を表面201側から所定深さ210まで除去する切削装置である。加工装置1は、図1に示すように、ウエーハ200を保持面11で吸引保持する平面形状が円形の保持テーブル10と、保持テーブル10が保持するウエーハ200を切削する第一の切削ユニット21と、保持テーブル10が保持するウエーハ200を切削する第二の切削ユニット22と、保持テーブル10に保持されたウエーハ200を撮像する撮像手段である撮像ユニット30と、制御ユニット100とを備える。
また、加工装置1は、図1に示すように、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的に移動させる移動ユニット40を備える。移動ユニット40は、保持テーブル10を水平方向と平行な加工送り方向であるX軸方向に移動させる保持テーブル移動ユニットであるX軸移動ユニット41と、各切削ユニット21,22のスピンドル27をX軸方向と水平方向と平行な平面内において直交する割り出し送り方向であるY軸方向に移動させる割り出し方向移動ユニットであるY軸移動ユニット42と、各切削ユニット21,22のスピンドルをX軸方向とY軸方向との双方と直交する上下方向であるZ軸方向に移動させる上下方向移動ユニットであるZ軸移動ユニット43と、保持テーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット44とを備える。加工装置1は、図1に示すように、第一の切削ユニット21と第二の切削ユニット22とを備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置である。
X軸移動ユニット41は、保持テーブル10をX軸方向に移動することで、保持テーブル10と切削ユニット20とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするX軸移動手段である。Y軸移動ユニット42は、各切削ユニット21,22のスピンドル27をY軸方向に移動することで、保持テーブル10と各切削ユニット21,22のスピンドル27とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするY軸移動手段である。Z軸移動ユニット43は、各切削ユニット21,22のスピンドル27を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動することで、保持テーブル10と各切削ユニット21,22のスピンドル27とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするZ軸移動手段である。
X軸移動ユニット41、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及び保持テーブル10又は切削ユニット21,22をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。
保持テーブル10は、円盤形状であり、ウエーハ200を保持する保持面11がポーラスセラミック等から形成されている。また、保持テーブル10は、X軸移動ユニット41により切削ユニット20の下方の加工領域と、切削ユニット20の下方から離間してウエーハ200が搬入出される搬入出領域とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニット56によりZ軸方向と平行な回転軸12回りに回転自在に設けられている。このために、保持テーブル10は、回転軸12を有している。保持テーブル10は、図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面11に載置されたウエーハ200を吸引、保持する。実施形態1では、保持テーブル10は、剛性基板206を介してウエーハ200の裏面205側を吸引、保持する。
図4に示すように、第一の切削ユニット21は、保持テーブル10に保持されたウエーハ200を切削する第一の切削ブレード23を着脱自在に装着した切削手段であり、第二の切削ユニット22は、保持テーブル10に保持されたウエーハ200を切削する第二の切削ブレード24を着脱自在に装着した切削手段である。各切削ユニット21,22は、保持テーブル10に保持されたウエーハ200に対して、Y軸移動ユニット42によりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニット43によりZ軸方向に移動自在に設けられている。
各切削ユニット21,22は、Y軸移動ユニット42、Z軸移動ユニット43などを介して、装置本体2から立設した門型の支持フレーム3に設けられている。各切削ユニット21,22は、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43により、保持テーブル10の保持面11の任意の位置に切削ブレード23,24を位置付け可能となっている。
第一の切削ユニット21の第一の切削ブレード23と、第二の切削ユニット22の第二の切削ブレード24とは、図4に示すように、保持テーブル10の回転軸12を挟んでY軸方向に対向する。このために、加工装置1は、回転軸12を挟んでY軸方向に対向する第一の切削ブレード23と第二の切削ブレード24とを備える。
切削ブレード23,24は、略リング形状の切り刃25を有する極薄の切削砥石である。切り刃25は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなる。実施形態1では、第一の切削ブレード23の切り刃25の厚み231と第二の切削ブレード24の切り刃25の厚み241とは、互いに等しいとともに、ウエーハ200から除去する面取り部204の幅207(図3に示す)よりも小さい。
また、各切削ユニット21,22は、図4に示すように、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43によりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング26と、スピンドルハウジング26に軸心回りに回転自在に設けられかつ先端に切削ブレード23,24が装着されるとともにモータにより軸心回りに回転するスピンドル27とを備える。スピンドル27は、第一の切削ブレード23と第二の切削ブレード24とを回転可能に保持する。
なお、切削ユニット21,22の切削ブレード23,24及びスピンドル27の軸心は、Y軸方向と平行である。
撮像ユニット30は、第一の切削ユニット21に配設されている。実施形態1では、撮像ユニット30は、第一の切削ユニット21と一体的に移動するように、第一の切削ユニット21のスピンドルハウジング26に固定されている。撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持された切削前のウエーハ200の分割すべき領域を撮像する撮像素子を複数備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット30は、保持テーブル10に保持されたウエーハ200を撮像して、ウエーハ200と切削ブレード23との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を取得し、取得した画像を制御ユニット100に出力する。
また、加工装置1は、保持テーブル10のX軸方向の位置を検出するためのX軸方向位置検出ユニットと、各切削ユニット21,22のY軸方向の位置を検出するためのY軸方向位置検出ユニットと、各切削ユニット21,22のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットとを備える。
X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニットは、Z軸移動ユニットのモータのパルスで切削ユニット21,22のZ軸方向の位置を検出する。X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、保持テーブル10のX軸方向、切削ユニット21,22のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット100に出力する。なお、実施形態1では、加工装置1の各構成要素のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置を基準とした位置で定められる。
制御ユニット100は、加工装置1の各構成要素をそれぞれ制御して、ウエーハ200に対する加工動作を加工装置1に実施させるものでもある。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各構成要素に出力する。
制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
次に、実施形態1に係るウエーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図5は、実施形態1に係るウエーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。実施形態1に係るウエーハの加工方法は、前述した加工装置1の加工動作でもある。前述した構成の加工装置1は、オペレータ等が登録した加工内容情報を制御ユニット100が受け付け、ウエーハ200の裏面205側が保持テーブル10の保持面11に載置され、オペレータ等からの加工動作の開始指示を制御ユニット100が受け付けると、加工動作、即ち実施形態1に係るウエーハの加工方法を開始し、加工装置1は、各切削ユニット21,22の切削ブレード23,24を互いに逆方向に回転する。
なお、実施形態1では、ウエーハ200は、保持面11と同軸となる位置に載置される。ウエーハの加工方法は、図5に示すように、保持ステップ1001と、位置づけステップ1002と、切り込みステップ1003と、円形加工ステップ1004とを具備する。
(保持ステップ)
図6は、図5に示されたウエーハの加工方法の保持ステップを一部断面で示す側面図である。保持ステップ1001は、回転軸12を有する保持テーブル10にウエーハ200を保持するステップである。実施形態1において、保持ステップ1001では、加工装置1は、真空吸引源を動作させて、剛性基板206を介して保持面11にウエーハ200を吸引保持して、位置づけステップ1002に進む。
図6は、図5に示されたウエーハの加工方法の保持ステップを一部断面で示す側面図である。保持ステップ1001は、回転軸12を有する保持テーブル10にウエーハ200を保持するステップである。実施形態1において、保持ステップ1001では、加工装置1は、真空吸引源を動作させて、剛性基板206を介して保持面11にウエーハ200を吸引保持して、位置づけステップ1002に進む。
(位置づけステップ)
図7は、図5に示されたウエーハの加工方法の位置づけステップを一部断面で示す側面図である。図8は、図5に示されたウエーハの加工方法の位置付けステップを示す平面図である。なお、図8は、デバイス203を省略している。位置づけステップ1002は、第一の切削ブレード23を第一の切削ブレード23と回転軸12を挟んで対向する第二の切削ブレード24よりウエーハ200の中心側である回転軸12側に位置づけるステップである。
図7は、図5に示されたウエーハの加工方法の位置づけステップを一部断面で示す側面図である。図8は、図5に示されたウエーハの加工方法の位置付けステップを示す平面図である。なお、図8は、デバイス203を省略している。位置づけステップ1002は、第一の切削ブレード23を第一の切削ブレード23と回転軸12を挟んで対向する第二の切削ブレード24よりウエーハ200の中心側である回転軸12側に位置づけるステップである。
実施形態1において、位置づけステップ1002では、加工装置1は、移動ユニット50により搬入出領域から加工領域に向けて保持テーブル10を撮像ユニット30の下方まで移動し、撮像ユニット30により保持テーブル10が吸引保持したウエーハ200を撮像して、アライメントを遂行する。実施形態1において、位置づけステップ1002では、加工装置1は、第一の切削ユニット21の第一の切削ブレード23を保持テーブル10に保持されたウエーハ200のY軸方向の一端部上に位置付け、第二の切削ユニット22の第二の切削ブレード24を保持テーブル10に保持されたウエーハ200のY軸方向の他端部上に位置付ける。
また、実施形態1において、位置づけステップ1002では、加工装置1は、第一の切削ユニット21の第一の切削ブレード23の第一の切削ユニット21のスピンドルハウジング26寄りの表面251−1を、第二の切削ブレード24の第二の切削ユニット22のスピンドルハウジング26寄りの表面251−2よりもウエーハ200の内周寄りの上方に位置付ける。このとき第一の切削ブレード23と第二の切削ブレード24とのY軸方向の切削幅が重なるように位置づけることで、第一の切削ブレード23による円形の切削領域301(第一の切削ブレード23が切削する円形領域であって、図8中の点線間の領域)の外側と、第二の切削ブレード24による円形の切削領域302(第二の切削ブレード24が切削する円形領域であって、図8中の二点鎖線とウエーハ200の外縁との間の領域)の内側とが重なり、切削ブレード23,24の位置ずれがおきても、第一の切削ブレード23により切削された領域と第二の切削ブレード24により切削された領域との間に円形の未加工領域が形成される事を防ぐ。
また、実施形態1において、位置づけステップ1002では、加工装置1は、各切削ユニット21,22の各切削ブレード23,24が下降して、ウエーハ200に切り込み、保持テーブル10が回転軸12回りに回転して各切削ブレード23,24がウエーハ200を切削する際に、第一の切削ブレード23がウエーハ200を切削する領域と第二の切削ブレード24がウエーハ200を切削する領域とが一部重なる位置に、各切削ブレード23,24を位置付ける。こうして、位置づけステップ1002では、加工装置1は、図7及び図8に示すように、第一の切削ブレード23を第一の切削ブレード23と回転軸12を挟んで対向する第二の切削ブレード24よりウエーハ200の中心側である回転軸12側に位置づけ、切り込みステップ1003に進む。
(切り込みステップ)
図9は、図5に示されたウエーハの加工方法の切り込みステップを一部断面で示す側面図である。切り込みステップ1003は、位置づけステップ1002の実施後に、第一の切削ブレード23および第二の切削ブレード24を回転させつつウエーハ200に所定深さ210まで切り込ませるステップである。
図9は、図5に示されたウエーハの加工方法の切り込みステップを一部断面で示す側面図である。切り込みステップ1003は、位置づけステップ1002の実施後に、第一の切削ブレード23および第二の切削ブレード24を回転させつつウエーハ200に所定深さ210まで切り込ませるステップである。
実施形態1において、切り込みステップ1003では、加工装置1は、各切削ユニット21,22の切削ブレード23,24を回転させたままZ軸移動ユニット43により各切削ユニット21,22を下降させて、図9に示すように、切削ブレード23,24をウエーハ200に所定深さ210まで切り込ませて、円形加工ステップ1004に進む。
(円形加工ステップ)
図10は、図5に示されたウエーハの加工方法の円形加工ステップを一部断面で示す側面図である。円形加工ステップ1004は、切り込みステップ1003を実施した後に、保持テーブル10を回転軸12回りに少なくとも360度回転させることで、ウエーハ200に円形の切削加工を施すステップである。
図10は、図5に示されたウエーハの加工方法の円形加工ステップを一部断面で示す側面図である。円形加工ステップ1004は、切り込みステップ1003を実施した後に、保持テーブル10を回転軸12回りに少なくとも360度回転させることで、ウエーハ200に円形の切削加工を施すステップである。
実施形態1において、円形加工ステップ1004では、加工装置1は、回転軸12回りに保持テーブル10を360度回転し、保持テーブル10の回転に伴って各切削ユニット21,22の切削ブレード23,24をウエーハ200の面取り部204に表面201側から切り込ませる。実施形態1おいて、円形加工ステップ1004は、各切削ブレード23,24がウエーハ200に切り込む加工点において切り刃25が下方に向かうダウンカットとなる向きに保持テーブル10を回転軸12回りに回転する。円形加工ステップ1004では、図10に示すように、保持テーブル10を360度回転すると、ウエーハ200の外縁から幅207の間の面取り部204を表面201側から所定深さ210まで除去する。
加工装置1は、円形加工ステップ1004において、保持テーブル10を360度回転した後、各切削ユニット21,22をZ軸移動ユニット43により上昇させ、保持テーブル10を加工領域から搬入出領域に向けて移動して、保持テーブル10のウエーハ200の吸引保持を停止して、ウエーハの加工方法、即ち加工動作を終了する。こうして、ウエーハの加工方法において、加工装置1は、第一の切削ブレード23が第二の切削ブレード24よりY軸方向においてウエーハ200の中心側に位置づけられ、第一の切削ブレード23および第二の切削ブレード24が回転しつつウエーハ200の所定深さ210まで切り込んだ状態で保持テーブル10を少なくとも360度回転させることでウエーハ200に円形の切削加工を施す。
以上説明したように、実施形態1に係るウエーハの加工方法及び加工装置1は、第一の切削ブレード23を第二の切削ブレード24よりもY軸方向のウエーハ200の中心側に位置付けて、各切削ブレード23,24を下降させてウエーハ200に切り込ませて、保持テーブル10を360度回転する。このために、ウエーハの加工方法及び加工装置1は、単体の切削ブレード23,24の切り刃25の厚み231,241よりも広い幅207で面取り部204を除去することができる。その結果、ウエーハの加工方法及び加工装置1は、円形加工を二回行うことなく、短時間で切削ブレード23,24の切り刃25の厚み231,241以上の幅207の面取り部204を除去できる。また従来のように厚い切り刃を有する切削ブレードを用いたために、切削ブレード23,24が偏って摩耗し、ドレスを頻繁に行うという必要がなく、加工効率を落とさず切削ブレード23,24の切り刃25の厚み231,241よりも広い幅207で面取り部204を除去することができるという効果を奏する。
〔変形例〕
本発明の実施形態1の変形例に係るウエーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図11は、実施形態1の変形例に係るウエーハの加工方法により外縁部に円形の溝が形成されるウエーハの要部の断面図である。なお、図11は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態1の変形例に係るウエーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図11は、実施形態1の変形例に係るウエーハの加工方法により外縁部に円形の溝が形成されるウエーハの要部の断面図である。なお、図11は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
変形例に係るウエーハの加工方法は、位置づけステップ1002において、第二の切削ユニット22の第二の切削ブレード24の第二の切削ユニット22のスピンドルハウジング26寄りの表面251−2をウエーハ200のY軸方向の他端部の外縁より内周寄りの上方に位置付けて、図11に示すように、ウエーハ200の外縁部に全周に亘って表面201側から所定深さ210でかつ切削ブレード23,24の切り刃25の厚み231,241よりも幅209が広い溝208を形成する事以外、実施形態1と同じである。
変形例に係るウエーハの加工方法及び加工装置1は、第一の切削ブレード23を第二の切削ブレード24よりもY軸方向のウエーハ200の中心側に位置付けて、各切削ブレード23,24を下降させてウエーハ200に切り込ませて、保持テーブル10を360度回転する。その結果、ウエーハの加工方法及び加工装置1は、単体の切削ブレード23,24の切り刃25の厚み231,241よりも広い幅209の溝208を形成することができ、加工効率を落とさず切削ブレード23,24の切り刃25の厚み231,241よりも広い幅209の溝208を形成することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 加工装置
10 保持テーブル
12 回転軸(中心)
23 第一の切削ブレード(切削ブレード)
24 第二の切削ブレード(切削ブレード)
27 スピンドル
41 X軸移動ユニット(保持テーブル移動ユニット)
42 Y軸移動ユニット(割り出し方向移動ユニット)
43 Z軸移動ユニット(上下方向移動ユニット)
200 ウエーハ
210 所定深さ
301,302 切削領域(円形領域)
1001 保持ステップ
1002 位置づけステップ
1003 切り込みステップ
1004 円形加工ステップ
X 加工送り方向
Y 割り出し送り方向
Z 上下方向
10 保持テーブル
12 回転軸(中心)
23 第一の切削ブレード(切削ブレード)
24 第二の切削ブレード(切削ブレード)
27 スピンドル
41 X軸移動ユニット(保持テーブル移動ユニット)
42 Y軸移動ユニット(割り出し方向移動ユニット)
43 Z軸移動ユニット(上下方向移動ユニット)
200 ウエーハ
210 所定深さ
301,302 切削領域(円形領域)
1001 保持ステップ
1002 位置づけステップ
1003 切り込みステップ
1004 円形加工ステップ
X 加工送り方向
Y 割り出し送り方向
Z 上下方向
Claims (3)
- ウエーハに切削ブレードを切り込ませ該ウエーハを回転させることで、ウエーハに円形の切削加工を施すウエーハの加工方法であって、
回転軸を有する保持テーブルにウエーハを保持する保持ステップと、
第一の切削ブレードを該第一の切削ブレードと該回転軸を挟んで対向する第二の切削ブレードよりウエーハの中心側に位置づける位置づけステップと、
該位置づけステップの実施後に、該第一の切削ブレードおよび該第二の切削ブレードを回転させつつウエーハに所定深さまで切り込ませる切り込みステップと、
該切り込みステップを実施した後、該保持テーブルを少なくとも360度回転させることでウエーハに円形の切削加工を施す円形加工ステップと、
を具備したことを特徴とするウエーハの加工方法。 - 該第一の切削ブレードが切削する円形領域の外側と、該第二の切削ブレードが切削する円形領域の内側とが重なることを特徴とする請求項1に記載のウエーハの加工方法。
- 加工装置であって、
回転軸を有しウエーハを保持する保持テーブルと、
該保持テーブルを加工送り方向に移動させる保持テーブル移動ユニットと、
該回転軸を挟んで対向する第一の切削ブレードと第二の切削ブレードと、
該第一の切削ブレードと、該第二の切削ブレードと、を回転可能に保持するスピンドルと、
該スピンドルを上下方向に移動させる上下方向移動ユニットと、
該スピンドルを該加工送り方向と平面において直交する割り出し送り方向に移動させる割り出し方向移動ユニットと、
を備え、
該第一の切削ブレードは、該第二の切削ブレードより割り出し送り方向においてウエーハの中心側に位置づけられ、
該第一の切削ブレードおよび該第二の切削ブレードが回転しつつウエーハの所定深さまで切り込んだ状態で該保持テーブルを少なくとも360度回転させることでウエーハに円形の切削加工を施すことを特徴とする加工装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010245254A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Disco Abrasive Syst Ltd | ウエーハの加工方法 |
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2020
- 2020-03-12 JP JP2020043390A patent/JP2021142614A/ja active Pending
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