JP2021139185A - 建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法 - Google Patents

建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021139185A
JP2021139185A JP2020038533A JP2020038533A JP2021139185A JP 2021139185 A JP2021139185 A JP 2021139185A JP 2020038533 A JP2020038533 A JP 2020038533A JP 2020038533 A JP2020038533 A JP 2020038533A JP 2021139185 A JP2021139185 A JP 2021139185A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
building unit
temporary
ceiling
beams
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020038533A
Other languages
English (en)
Inventor
昌紀 堀田
Masanori Hotta
昌紀 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2020038533A priority Critical patent/JP2021139185A/ja
Publication of JP2021139185A publication Critical patent/JP2021139185A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】主に、1つの建物ユニットにてコーナー柱などのないピロティ空間を形成し得るようにする。【解決手段】天井フレーム2と床フレーム3とを、上下に隔てて柱4で連結した建物ユニット1に関する。床フレーム3は、矩形を構成する4つのコーナー部6のうちの1つが引込んだ引込部7を有する凸型の平面形状とされている。柱4は、床フレーム3の引込部7以外の3つのコーナー部6の位置に対して設けられる。引込部7は、柱4のない柱未設置部8とされている。【選択図】図1

Description

この発明は、建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法に関するものである。
戸建住宅や集合住宅などのような建物には、建物ユニットによって構築されたもの(ユニット建物)が存在している(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−159581号公報
例えば、ユニット建物の一部にピロティ空間を設ける場合、1つの建物ユニットだけでピロティ空間を形成するのが難しかった。そこで、特許文献1では、建物ユニットを複数の小型の建物ユニットに分けて、複数の小型の建物ユニットによってピロティ空間を構成するようにしていた。そのため、建物ユニットとしての構成が複雑なものになっていた。また、ピロティ空間の位置に設置される小型の建物ユニットは、床梁を取外せるように構成されていたが、コーナー柱については取外すことができなかったので、コーナー柱が露出状態で残されるなどしていた。
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
上記課題に対して、本発明は、
天井フレームと床フレームとを、上下に隔てて柱で連結した建物ユニットであって、
前記床フレームは、矩形を構成する4つのコーナー部のうちの1つが引込んだ引込部を有する凸型の平面形状とされており、
前記柱は、前記床フレームの前記引込部以外の3つの前記コーナー部の位置に対して設けられると共に、
前記引込部は、前記柱のない柱未設置部とされていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、1つの建物ユニットにてコーナー柱のないピロティ空間を形成することなどができる。
実施例1にかかる建物ユニットの全体斜視図である。 図1の建物ユニットの引込部側の概略側面図である。このうち、(a)は桁側の側面、(b)は妻側の側面である。 図1の建物ユニットの概略横断面図である。 図3の中柱の部分の拡大横断面図である。 建物ユニット(のユニットフレーム)の製造方法を示す工程図である。このうち、(a)は桁屋根梁サブ組、(b)は天井パネル組立、(c)は桁床大梁サブ組、(d)は床パネル組立、(e)は妻フレーム組立、(f)は総組である。 建物ユニットの総組時の状態を示す全体斜視図である。 建物ユニットに対する引込部の奥側部分取付け時の状態を示す全体斜視図である。 建物ユニットに対する外壁取付時の状態を示す全体斜視図である。 建物ユニットに対する引込部の内側の壁取付時の状態を示す全体斜視図である。 建物ユニットに対する束部材の取付時の状態を示す全体斜視図である。 建物ユニットの搬出時の状態を示す全体斜視図である。 引込部を有する建物ユニットの基礎の上への設置状態を示す図である。 引込部を有する建物ユニットを用いた建物を示す図である。このうち、(a)は付庇を取付けたもの、(b)は寄棟屋根を取付けたもの、(c)は2階建てまたは多階建てにしたもの、(d)はキャンチバルコニーを取付けたもの、(e)はテラスバルコニーを取付けたもの、(f)は引込部を有する建物ユニットを上階に用いたものである。 比較例にかかる引込部にコーナー柱を有する建物ユニットの全体斜視図である。 図9Aの建物ユニットの概略横断面図である。 比較例にかかるJ字断面とした中柱の部分の横断面図である。 比較例にかかる引込部の内側の下部壁と、外壁の下部との構造の違いを示した縦断面図である。 実施例2にかかる建物ユニットの全体斜視図である。 図12の建物ユニットの製造方法を示す工程図である。このうち、(a)は桁屋根梁サブ組、(b)は天井パネル組立、(c)は桁床大梁サブ組、(d)は床パネル組立、(e)は妻フレーム組立、(f)は総組である。 図13Aに続く工程図である。このうち、(a)は端天取付、(b)は玄関ドア下仮梁取付、(c)は中柱取付、(d)はフレーム取り外し準備、(e)はフレーム外しである。 図13Bに続く工程図である。このうち、(a)は外壁取付、(b)は玄関ドア取付、(c)は内装設備、(d)はユニットカバー、搬出、(e)は吊り上げである。 変形例にかかる建物ユニットの製造方法を示す工程図である。このうち、(a)は桁屋根梁サブ組、(b)は天井パネル組立、(c)は桁床大梁サブ組、(d)は床パネル組立、(e)は妻フレーム組立、(f)は総組である。 図14Aに続く工程図である。このうち、(a)は端天取付、(b)は中柱取付、(c)はフレーム取り外し準備、(d)はフレーム外し、(e)はフレーム仮梁外しである。 図14Bに続く工程図である。このうち、(a)は:桁フレーム、(b)は外壁取付、(c)は玄関ドア取付、(d)は内装設備、(e)はユニットカバー、搬出、(f)は吊り上げである。 別の変形例にかかる建物ユニットの製造方法を示す工程図である。 図15Aに続く工程図である。 図15Bに続く工程図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図15Cは、この実施の形態を説明するためのものである。
このうち、図1〜図11は実施例1およびその比較例、図12〜図15Cは実施例2およびその変形例である。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
戸建住宅や集合住宅などのような建物を、建物ユニットによって構築する(ユニット建物)。このようなユニット建物は、工場で予め製造した建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組立てることによって、短期間のうちに構築できるようにした建物である。通常の建物ユニットは、概略直方体状のものとされている。建物ユニットには、鉄骨系のものと、木質系のものとが存在しているが、この実施例では、鉄骨系の建物ユニットとされている。
「建物ユニットについて」
以下、建物ユニットについて説明する。
図1に示すように、(鉄骨系の)建物ユニット1は、天井フレーム2と床フレーム3とを、上下に隔てて柱4で連結した構造のものとされている。
ここで、天井フレーム2は、建物ユニット1の天井部分を構成する金属製の枠体(天井枠)のことである。また、床フレーム3は、建物ユニット1の床部分を構成する金属製の枠体(床枠)のことである。
柱4は、天井フレーム2と床フレーム3とを連結する縦部材(ユニット柱)である。柱4には、建物ユニット1を支えるのに必要な所要の支持強度が得られるように、角筒状をした金属製の強度部材などが使用される。天井フレーム2と床フレーム3とを柱4で連結することにより、建物ユニット1の骨格となるボックスラーメン構造のユニットフレーム5が形成される。
上記のような基本的な構成に対し、この実施例の建物ユニット1では、以下のような構成を備えることができる。
(1)床フレーム3は、矩形を構成する4つのコーナー部6のうちの1つが引込んだ引込部7を有する凸型の平面形状とされる。
柱4は、床フレーム3の引込部7以外の3つのコーナー部6の位置に対して設けられる。
引込部7は、柱4のない柱未設置部8とされる。
ここで、床フレーム3は、通常の場合、4つのコーナー部6を有する平面視矩形状のものとされているのに対し、この実施例の建物ユニット1では、床フレーム3を、3つのコーナー部6と1つの引込部7とを有する特殊形状(平面視凸型)のものとしている。
引込部7は、床フレーム3の1つのコーナー部6を、コーナー部6を構成する2辺と直交する方向(2方向)に引込めた形状とされる。これにより、引込部7を設けた1つのコーナー部6は、実際には存在しない仮想のコーナー部6となる。
凸型の平面形状は、矩形状の1つのコーナー部6を引込ませることによって、6つの辺と、6つのコーナー部6とを有する多角形状などとなる。柱未設置部8は、引込部7を設けた1つのコーナー部6に対して、柱4をなくした構造のことである。
(2)床フレーム3は、平行な二対の床梁11〜14で構成されている。
引込部7を形成する2本の床梁12,14は、それぞれ対を成す他の2本の床梁11,13よりも短くなっている。
図2に示すように、短い2本の床梁12,14の引込部7の側の端部(またはその近傍)には、中柱15,16が設置されても良い。
ここで、床フレーム3は、通常の建物ユニット1では、基本形状が長方形となっており、長方形の長辺の方向が建物ユニット1の桁方向17とされ、長方形の短辺の方向が建物ユニット1の妻方向18とされている。そして、柱4の延びる方向が上下方向19とされる。
この実施例の場合、床フレーム3は、互いに長さの異なる平行な一対の桁方向17の床梁11,12(桁床梁11,12)と、互いに長さの異なる平行な一対の妻方向18の床梁13,14(妻床梁13,14)とで構成されている。平行な一対の桁床梁11,12と、平行な一対の妻床梁13,14とは、水平面内で直交する向きに配置される。床梁11〜14には、例えば、C字断面の形鋼などの強度部材が使用される。
短い2本の床梁12,14(桁床梁12および妻床梁14)は、それぞれ引込部7の大きさの分だけ建物ユニット1の通常の長さの床梁11,13(桁床梁11および妻床梁13)よりも桁方向17の寸法および妻方向18の寸法を短くしたものとされる。
この実施例では、引込部7は、建物ユニット1の桁方向17に大きく引込み、妻方向18に小さく引込んだ形状とされている。短い桁床梁12は、建物ユニット1の通常の長さの桁床梁11の3/4程度以上の長さとするのが好ましい。短い妻床梁14は、建物ユニット1の通常の長さの妻床梁13の1/2程度以上の長さとするのが好ましい。
引込部7は、床フレーム3を構成する4本の床梁11〜14を、矩形状の1つのコーナー部6の位置が開いた開ループ状となるように連結することで、そのコーナー部6に形成される。この際、通常の長さよりも短い2本の床梁12,14(桁床梁12および妻床梁14)を用いて床フレーム3を形成することによって、短い2本の床梁12,14の間の、連結できずに離される部分(未連結部分または離間部分)に引込部7が形成される。
中柱15,16は、一般には、建物ユニット1の隣接する柱4と柱4との間(建物ユニット1の側面の中間部など)に設置される縦部材のことであるが、この実施例では、中柱15,16は、柱未設置部8と隣接する柱4との間に、柱未設置部8に設置されるはずの柱4の代わりに設置される強度部材とされる。
なお、短い2本の床梁12,14の引込部7側の端部に対して、中柱15,16を設けない構成とすることも構造的には可能である。その場合には、例えば、短い2本の床梁12,14と天井フレーム2との間の適宜の位置に、耐力壁20などを設けて、柱未設置部8を含む側面や建物ユニット1全体に対する剛性確保や、地震などの外力に対する耐力の向上などを耐力壁20によって図るようにするのが好ましい。また、中柱15,16と上記した耐力壁20とを併用して設けることなども、構造的には可能である。但し、この実施例のように、短い2本の床梁12,14の引込部7側の端部に対して中柱15,16のみを設ける構造にすることで、建物ユニット1の柱未設置部8に面した側面に対して、大きな開口部を設けることが可能になるため、設計自由度が高くなるという利点が得られる。
(3)図3、図4に示すように、中柱15,16は、C字断面のチャンネル材21と、L字断面のアングル材22とに分けて構成しても良い。
ここで、中柱15,16は、一方または両方をチャンネル材21とアングル材22とに分けて構成することができる。この実施例では、少なくとも、桁方向17に延びる短い床梁12(桁床梁12)の引込部7側の端部の位置に設けられる中柱15をチャンネル材21とアングル材22とで構成するようにしている。なお、妻方向18に延びる短い床梁14(妻床梁14)の引込部7側の端部の位置に設けられる中柱16については、中柱15と同様に、チャンネル材21とアングル材22とで構成しても良いし、チャンネル材21のみで構成しても良いし、チャンネル材21と別の断面の部材との組み合わせなどとして構成しても良い。
C字断面のチャンネル材21は、主に、引込部7の出隅部分にコーナー外壁23を取付けるために用いられる。C字断面のチャンネル材21には、建物ユニット1の側面に通常設置されている間柱25と同じもの(Cチャンネル材)を使うことができる。このようにチャンネル材21を間柱25と同じ部材を用いて揃えることにより、中柱15,16の部分へのコーナー外壁23の取付けを、建物ユニット1の外周部分に対する間柱25を用いた外壁パネル24の取付けと同じ工程で行うことが可能になる。
L字断面のアングル材22は、主に、引込部7の内側の壁26を取付けるために用いられる。C字断面のチャンネル材21とL字断面のアングル材22は、同時に取付けても良いし、異なる時期に別々に取付けても良い。C字断面のチャンネル材21とL字断面のアングル材22は、平面視ほぼJ字状となるように組合わされる。C字断面のチャンネル材21とL字断面のアングル材22は、最終的に一体的に固定しても良いし、固定せずに独立状態のままの配置としても良い。
(4)図1に示すように、天井フレーム2は、互いに長さの等しい平行な二対の天井梁31〜34によって、平面視矩形状に構成されても良い。
ここで、天井フレーム2は、床フレーム3における通常の長さの2本の床梁11,13(通常の長さの桁床梁11および通常の長さの妻床梁13)と同じ通常の長さを有する二対の天井梁31〜34によって形成される。一対の桁天井梁31,32と、一対の妻天井梁33,34とは、水平面内で直交する向きに配置される。これにより、天井フレーム2は、4つのコーナー部35を有する矩形状となり、床フレーム3の引込部7の位置が閉じた閉ループ形状を呈する。そして、柱未設置部8に対応するコーナー部35が引込部7の上へ張出すことにより、天井フレーム2と床フレーム3とは、異なる形状になる。天井梁31〜34には、例えば、C字断面の形鋼などの強度部材が使用される。
そして、天井フレーム2は、床フレーム3の上方に、長辺どうしおよび短辺どうしを同じ向きに揃えて配置されると共に、天井フレーム2と床フレーム3の(対応する3つの)コーナー部6,35間が、柱4で連結される。そして、床フレーム3の短い2本の床梁12,14の引込部7側の端部と、その真上に位置する天井フレーム2の2本の天井梁32,34の中間部との間に、中柱15,16が上下方向19に接続または連結される。なお、建物ユニット1の具体的な製造方法については、図5を用いて後述する。
(5)図5(f)、または、図6A(〜図6F)に示すように、引込部7の柱未設置部8の位置には、着脱可能な仮柱41が設置されても良い。
仮柱41の下端部には、短い2本の床梁12,14の端部へ向けて、端部に達しない長さに延びる仮床梁42,43が設置されても良い。
ここで、仮柱41は、建物ユニット1の製造時に、引込部7の柱未設置部8の位置に、一時的に設置される仮の柱のことであり、遅くとも建築現場における建物44(図7)の構築後には、柱未設置部8の位置から撤去される。仮柱41には、建物ユニット1の他の柱4と同じ強度部材を使うことができる。
仮床梁42,43(仮桁床梁42、仮妻床梁43)は、仮柱41と共に、建物ユニット1の製造時に、引込部7の位置に設置される仮の梁のことであり、遅くとも建築現場における建物44の構築後には、柱未設置部8の位置から撤去される。仮床梁42,43には、床梁12,14と同じ強度部材を使うことができる。仮床梁42,43は、仮柱41と一体に形成されて仮フレームを構成するようにしても良いし、仮柱41とは別体に形成され、仮柱41に一体的に取付けられることで仮フレームを構成するようにしても良い。仮フレームは、一時的にユニットフレーム5の一部として取付けられる部分的なフレーム構成体のことである。仮フレームは、最終的にユニットフレーム5から取外される。取外された仮フレームは、必要に応じて、そのユニットフレーム5の別の箇所に使用したり、別のユニットフレーム5を構築する際などに使用したりすることができる。
仮床梁42,43と、短い2本の床梁12,14の端部との間には、それぞれ隙間45(図6C)が設けられる。この隙間45は、少なくとも、建物ユニット1に仮床梁42,43を取付けた状態のままで、引込部7の内側の壁26を取付けるのに必要な間隔に設定される。即ち、隙間45は、引込部7の内側の壁26の厚みよりも大きいものとされる。隙間45には、つなぎ部材46,47を着脱自在に設置して、建物ユニット1の製造初期(引込部7の出隅部分のコーナー外壁23や内側の壁26を取付けるまでの間)などに、短い2本の床梁12,14の端部と、仮床梁42,43との間を連結させておくようにする。
(6)図6Eに示すように、仮床梁42,43と天井フレーム2との間には、運搬用の束部材48が着脱可能に設置されても良い。
ここで、束部材48は、仮床梁42,43の少なくとも一方と、仮床梁42,43の真上の天井梁32,34の中間部との間に一時的に取付けられて、仮床梁42,43を主に上下方向19に補強するための縦材である。束部材48は、建物ユニット1の製造後期や製造後に、例えば、建物ユニット1を、フォークリフトなどの運搬装置49(のフォークなど)で工場から建築現場へ運搬する際などに、必要に応じて設置される。束部材48は、例えば、仮床梁42,43の下側へ運搬装置49(フォークリフトのフォークなど)を差込んで建物ユニット1を持ち上げるのに必要な強度を得られる部材が用いられる。束部材48には、仮柱41や中柱15,16などとほぼ同様の縦部材や、異なる縦部材などを使用できる。この実施例では、束部材48は、少なくとも、桁側の仮床梁42における、短い床梁12側の端部または端部近傍の位置に取付けられている。なお、運搬装置49は、クレーンなどとすることができ、この場合にも、束部材48は、仮床梁42,43を有効に補強する。
「建物ユニット1の製造方法について」
以下、建物ユニット1の製造方法について説明する。
建物ユニット1の製造方法は、例えば、天井フレーム2と床フレーム3をそれぞれ製造して、柱4で上下に連結するようにもできるが、この実施例では、以下のようにしている。
即ち、図5(a)〜(f)に順に示すように、
(1.桁屋根梁サブ組)平行な一対の天井梁31,32を用意する(図5(a))、
(2.天井パネル組立)天井梁31,32を用いて天井パネル51を構成する(図5(b))、
(3.桁床大梁サブ組)平行な一対の床梁11,12を用意する(図5(c))、
(4.床パネル組立)床梁11,12を用いて床パネル52を構成する(図5(d))、
(5.妻フレーム組立)別の床梁13,14と別の天井梁33,34とを柱4などで上下に連結することで一対の妻フレーム53,54を構成する(図5(e))、
(6.総組)床パネル52と天井パネル51とを上下に隔てて、一対の妻フレーム53,54で連結する(図5(f))
ことで建物ユニット1を構築することができる。
ここで、天井パネル51は、建物ユニット1の天井部分を構成する横向きのパネルのことである。天井パネル51は、一対の天井梁31,32(桁天井梁31,32)の間に、天井梁31,32に沿い間隔を有して妻方向18へ延びる複数本の天井根太55を水平に取付けることなどによって構成される。天井根太55は、木製または金属製の部材などとすることができる。天井パネル51は、一対の天井梁33,34(妻天井梁33,34)が取付けられていない、天井フレーム2としては未完成の状態に形成される。
床パネル52は、建物ユニット1の床部分を構成する横向きのパネルのことである。床パネル52は、一対の床梁11,12(桁床梁11,12)の間に、床梁11,12に沿い間隔を有して妻方向18へ延びる複数本の床小梁56(図1)を水平に取付けることや、床小梁56の上に床板57を取付けることなどによって構成される。床小梁56は、金属製または木製の部材などとすることができる。床パネル52は、一対の床梁13,14(妻床梁13,14)が取付けられていない、床フレーム3としては未完成の状態に形成される。
妻フレーム53,54は、建物ユニット1の対向する一対の側面部分(妻面)を構成する縦向きのフレーム(縦フレーム)のことである。妻フレーム53,54は、別の床梁13,14(妻床梁13,14)と別の天井梁33,34(妻天井梁33,34)との両端部間を、それぞれ2本の柱4で連結することによって構成される。
そして、天井パネル51と床パネル52との桁方向17の両端部間を一対の妻フレーム53,54で連結して、天井フレーム2と、床フレーム3と、対向する別の一対の側面部分(桁面)とを形成することにより、建物ユニット1が総組みされる。
上記のような基本的な構成に対し、この実施例の建物ユニット1では、以下のような構成を備えることができる。
(7)建物ユニット1の1つのコーナー部6を仮柱41で構成する。
仮柱41の下端部に接続される床梁12,14は、一部に仮床梁42,43を有するものとする。
仮柱41と仮床梁42,43とを妻フレーム54および床パネル52に予め組込んでおく。
そして、建物ユニット1の構築後に、建物ユニット1から仮柱41および仮床梁42,43を取外すことで、床部分の1つのコーナー部6に引込部7を形成させるようにしても良い。
ここで、天井パネル51は、引込部7のない通常の建物ユニットのものと同じ長さの天井梁31,32(桁天井梁31,32)を2本用いて形成する。
床パネル52は、通常の建物ユニット1と同じ長さの床梁11(桁床梁11)を1本と、短い床梁12(短い桁床梁12)に、つなぎ部材46を介して仮床梁42を接続して、長さを床梁11と揃えたもの1本とを使用して形成する。
この際、図6Aに示すように、引込部7の位置では、短い桁床梁12の引込部7側の端部と、通常の長さの桁床梁11の中間部との間を、床小梁56aによって妻方向18に連結した状態にしておく。
また、引込部7の奥側の位置となる、床小梁56aの中間部と、この中間部に対向する短い妻床梁14の引込部7側の端部とに、玄関ドア27を設置するための短い横部材61,62を、間隔を有してそれぞれ設置する。
そして、図6Bに示すように、この短い横部材61,62の間を、桁方向17へ延びる玄関ドア下梁63で架設・連結する。玄関ドア下梁63は、玄関ドア27の厚み分程度またはそれ以上に建物ユニット1の内側へ引込んだ平面視ほぼC字状などのものとされる。これにより、開ループ状の床フレーム3は、引込部7の部分が、床小梁56aや玄関ドア下梁63によって閉じた形状になる。
更に、短い横部材61,62からは、上下方向19へ延びる縦部材64,65(スタッド)をそれぞれ立設して、縦部材64,65(スタッド)の上端部間を、桁方向17へほぼ水平に延びる補助梁66で架設・連結することで、玄関ドア27を取付けるためのドア用開口部などを形成する。補助梁66は、天井根太55の下側に設置される。縦部材64,65は、中柱15,16と同様の機能を有するものとされる。また、短い横部材62の側の縦部材65については、状況によっては、中柱16を設けたことによって省略したり、中柱16と一体化したりすることなども可能である。
なお、天井フレーム2または天井パネル51には、一対の天井梁31,32(桁天井梁31,32)の間に、妻方向18へ延びる金属製の天井小梁67を架設・連結するようにしても良い。この天井小梁67は、中柱15や縦部材64が設けられる床小梁56aのほぼ真上の位置などに設けられる。そして、中柱15や縦部材64の上端部や、横部材62の天井小梁67側の端部は、天井小梁67に対して、直接または間接的に接続されるようにしても良い。
また、図5(e)に戻って、建物ユニット1の一方の妻フレーム53は、通常の建物ユニット1と同じ長さの2本の柱4の上下端に、通常の建物ユニット1と同じ長さの天井梁33(妻天井梁33)および床梁13(妻床梁13)の両端部を接続して矩形状に形成される。
これに対し、引込部7側の妻フレーム54は、通常の建物ユニット1と同じ長さの1本の柱4、および、1本の仮柱41の上下端に、通常の建物ユニット1と同じ長さの天井梁34(妻天井梁34)、および、短い床梁14(短い妻床梁14)に、つなぎ部材47を介して仮床梁43を接続したものの両端部を接続して矩形状に形成される。
そして、天井パネル51と床パネル52と妻フレーム53,54とを組立ててユニットフレーム5を形成する。これにより、ユニットフレーム5は、仮柱41と、仮柱41の下端部に取付けられた仮床梁42,43とからなる仮フレームを備えた状態になる。
建物ユニット1の構築後とは、ユニットフレーム5の形成後のことである。ユニットフレーム5を形成した後であれば、仮柱41および仮床梁42,43を備えた仮フレームは、ユニットフレーム5から随時取外すことが可能となる。
例えば、図6Aのようなユニットフレーム5の形成後の工程は以下のようなものになる。
図6Bに示すように、引込部7の奥部に、玄関ドア下梁63や縦部材64,65や補助梁66などを設置する。
図6Cに示すように、ユニットフレーム5の側面に間柱25を設置して、建物ユニット1の外周部分に外壁パネル24を取付ける。この際、間柱25と同時に中柱15,16の一部を構成するチャンネル材21を設置して、中柱15,16のチャンネル材21にコーナー外壁23を同時に取付けるようにする。コーナー外壁23を取付ける際には、短い床梁12,14と仮床梁42,43との間からつなぎ部材46,47を取外して、隙間45を形成することで、短い床梁12,14の下側の位置に達するようにコーナー外壁23を設置させるようにする。
図6Dに示すように、引込部7の内側に壁26を取付けるようにする。この際、中柱15,16の一部を構成するアングル材22などを設置する。引込部7の内側の壁26も、床小梁56aの下側の位置に達するように設置する。
図6Eに示すように、仮床梁42,43の端部に束部材48を取付ける。この実施例では、少なくとも、桁側の仮床梁42における、短い床梁12側の端部または端部近傍の位置に束部材48を取付けている。
図6Fに示すように、運搬装置49を用いて工場から建築現場へ建物ユニット1を搬出する。この実施例では、フォークリフト(運搬装置49)のフォークで、建物ユニット1の仮床梁42の部分を下から持ち上げるようにしている。
そして、図示しないが、工場からの建物ユニット1の搬出後には、建物ユニット1は建築現場に設置される。建物ユニット1の引込部7からは、建物44が完成されるまでに、仮柱41や仮床梁42,43や束部材48などが撤去される。
「建物44について」
このような、引込部7および柱未設置部8を有する建物ユニット1を用いた建物44は、図7に示すように、引込部7と対応する凹形状部分71を有する基礎72の上に設置されるようにしても良い。基礎72の凹形状部分71は、床フレーム3の引込部7の真下の位置に設けられた、基礎72の立上部分を引込部7とほぼ同じ形状に引込めた部分とされている。このように、建物ユニット1を引込部7と対応する凹形状部分71を有する基礎72の上に、引込部7を凹形状部分71に合わせて設置することで、基礎72の面積を削減することができる。
以下は、この実施例の建物ユニット1によって構築された建物44(ユニット建物)の適用例である。
建物44は、図8(a)に示すように、下階に設置した建物ユニット1における、引込部7の上部となる天井フレーム2の部分に、建物ユニット1の外方へ張出す付庇73を取付けて、ピロティ空間を広げるようにしても良い。
建物44は、図8(b)に示すように、建物ユニット1の上部に寄棟屋根74を取付けて平屋などに構成しても良い。
建物44は、図8(c)に示すように、建物ユニット1の上部に、建物ユニット1の天井部分と同じ大きさの別の建物ユニット75を(向きを揃えた状態で)取付けて建物44を2階建てまたは多階建てにしても良い。なお、建物ユニット1の引込部7の上部には、必要に応じて、付庇73を取付けても良い。
建物44は、図8(d)に示すように、上階の別の建物ユニット75に、建物ユニット1の外方へ張出すキャンチバルコニー76を取付けても良い。
建物44は、図8(e)に示すように、上階の別の建物ユニット75を建物ユニット1の天井部分よりも(妻方向18に)小さくして、建物ユニット1の上部の空いた部分にテラスバルコニー77を取付けても良い。
あるいは、建物44は、図8(f)に示すように、引込部7を有する建物ユニット1を、2階建てまたは多階建ての建物44の上階部分に使用しても良い。この場合、下階に設置される建物ユニット78は、引込部7を有する上階の建物ユニット1の天井部分と同じ大きさで、建物ユニット1と向きを揃えた状態に設置される。引込部7には、上階の建物ユニット1の天井部分に沿って手すりなどを設けても良い。これにより、引込部7をインナーバルコニーとして使うことができる。
なお、図8(a)〜(f)のいずれの場合においても、建物ユニット1の横方向に対しても図示しない別の建物ユニットを隣接させて設けることができる。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
ユニット建物は、工場で予め製造した建物ユニット1を建築現場へ搬送して、建築現場で組立てることによって、短期間のうちに構築できるようにした建物44である。建物ユニット1は、大きさや形状が規格化されており、基本形状が概略直方体状となっているため、これまで1つの建物ユニット1だけでピロティ空間を形成するのが難しかった。
(作用効果 1)そこで、この実施例の建物ユニット1では、床フレーム3を、矩形状の1つのコーナー部6に引込部7を有する凸型の平面形状にした。これにより、建物ユニット1の基本形状を大きく変更することなく、部分的に引込部7を設けることができ、引込部7の位置に、ピロティ空間などを形成することができるようになる。そして、1つの建物ユニット1によってピロティ空間を形成することが可能になる。または、ピロティ空間を有する1つの建物ユニット1を得ることが可能になる。
そして、引込部7を、図3のように、柱4のない柱未設置部8にすることで、例えば、図9A、図9Bの比較例に示すような、引込部7にコーナー柱81があるものに対して、コーナー柱81や、引込部7の一側面の袖壁82などをなくすことができるようになる。よって、引込部7にコーナー柱81や袖壁82などのない、開放的なピロティ空間を得ることができる。
また、袖壁82をなくすことで、袖壁82の内外面の外壁もなくなるので、その分、袖壁82の内外面に対する外壁の取付工数の削減や、内外面の外壁の面段差調整などをなくすことができる。また、袖壁82がなくなることによって、引込部7の開放性が高まるので、引込部7に対するアクセス方向の制限をなくして、引込部7の周辺に対する作業性を向上することができる。
(作用効果 2)短い2本の床梁12,14の引込部7の側の端部(またはその近傍)に対し、中柱15,16を設置しても良い。これによって、引込部7の周辺に作用される荷重を、中柱15,16によって支持することができる。この際、図2に示すように、中柱15,16と、引込部7に隣接するコーナー部6に設置されて中柱15,16と対を成す柱4とによって、建物ユニット1の側面の一部に閉断面の部分が形成されるため、コーナー部6の1つに引込部7を設けて柱未設置部8としたことによる剛性低下の影響を緩和できる。これにより、建物ユニット1は、上下方向19の荷重や水平方向の外力に耐えられる構造耐力を得ることも可能になる。また、建物ユニット1の引込部7の上側における、天井梁32,34や、上階の別の建物ユニット75の床梁などのたわみなども中柱15,16によって抑制することができる。
(作用効果 3)中柱15,16を、C字断面のチャンネル材21と、L字断面のアングル材22とに分けて構成しても良い。これによって、C字断面のチャンネル材21に、建物ユニット1の側面に設置されている間柱25と同じ部材(Cチャンネル材)を使うことができるようになるので、建物ユニット1の外周部分に外壁パネル24を取付けるのと同じ工程で、引込部7の出隅部分に中柱15,16のチャンネル材21を用いてコーナー外壁23を取付けることが可能になる。
また、中柱15,16の一部にL字断面のアングル材22を設けることで、チャンネル材21では足りない部分をアングル材22によって補うことができる。そして、L字断面のアングル材22を用いることで、引込部7の内側の壁26を、中柱15,16に取付けることが可能になる。
これに対し、例えば、中柱15,16を一部材で構成する場合には、中柱15,16は、図10の比較例に示すような、J字断面のスタッド材86などとなるが、このようにした場合には、J字状のスタッド材86が間柱25と不揃いの形状になると共に、J字状のスタッド材86の片側の出張った部分87が、作業の邪魔になるなどによって、建物ユニット1の外周部分に外壁パネル24を取付けるのと同じ工程で、中柱15,16の部分にコーナー外壁23を取付けることなどが困難になる。
(作用効果 4)天井フレーム2は、互いに長さの等しい平行な二対の天井梁31〜34によって、平面視矩形状に構成されても良い。これによって、平面視矩形状の天井フレーム2と、凸型の平面形状の床フレーム3とを上下に備えて、床フレーム3に引込部7を有する、これまでにはない形の建物ユニット1を構成することができる。しかも、この建物ユニット1は、通常の建物ユニットと同じ範囲内に収まるので、通常の建物ユニット1とほぼ同様に使用することができる。
(作用効果 5)引込部7の柱未設置部8の位置に着脱可能な仮柱41を設置しても良い。これにより、引込部7の周辺を仮柱41で一時的に上下方向19に支えることができる。仮柱41の下端部に短い2本の床梁12,14の端部へ向けて、端部に達しない長さに延びる仮床梁42,43を設置しても良い。これにより、短い2本の床梁12,14の端部と仮床梁42,43との間につなぎ部材46,47を設けるだけで、引込部7の周辺を仮床梁42,43で一時的に水平方向に支えることができるようになる。よって、仮柱41と仮床梁42,43とによって、建物ユニット1の引込部7周辺の剛性を一時的に確保・向上することができる。
また、床梁12,14の端部と仮床梁42,43との間からつなぎ部材46,47を取り外すことで、床梁12,14の端部と仮床梁42,43との間に隙間45が形成されるので、この隙間45を通して、引込部7のコーナー外壁23や内側の壁26を、床梁12,14の下側の位置まで延びるように設けることができる。そのため、引込部7のコーナー外壁23や内側の壁26の下部を、建物ユニット1の外周部分に取付けられる外壁パネル24と同じ構造や、同じ防水仕様にすることができるようになり、その分、現地工数を削減することができる。
なお、外壁パネル24の部分の防水仕様は、図11の比較例に示すように、床梁11〜14と基礎72との間に防水材89を圧縮状態で介在させた単純な構造のものとなる。よって、この実施例では、特に図示しないが、引込部7のコーナー外壁23や内側の壁26の防水仕様も同じく、床小梁56aと基礎72との間に防水材89を圧縮状態で介在させたものにできる。
これに対し、仮床梁42,43を、床梁12,14の端部に直接接続される長さにした場合には、仮床梁42,43の上側の位置までしか、引込部7のコーナー外壁23や内側の壁26を設けることができないため、例えば、図11の比較例に示すように、引込部7のコーナー外壁23や内側の壁26の下側の空いた部分に、後工程で、コンクリートブロック88aやタイル88bなどを用いて下部壁88を施工する必要が生じ、下部壁88の防水仕様も外壁パネル24のものとは異なるものになるため、手間とコストがかかってしまう。
(作用効果 6)仮床梁42,43と天井フレーム2との間には、着脱可能な運搬用の束部材48が設置されても良い。これにより、床梁12,14の端部と仮床梁42,43との間に隙間45を設けるようにした場合であっても、片持状態となる仮床梁42,43と天井フレーム2との間に運搬用の束部材48を取付けることで、仮床梁42,43の片持状態が解消され、仮床梁42,43の剛性を上げることができるので、仮床梁42,43を損傷することなく、引込部7を有する建物ユニット1を(引込部7の内側の壁26が取付けられた状態で)、運搬装置49によって支障なく運搬することができるようになる。
(作用効果 7)建物ユニット1の製造方法によれば、仮柱41と仮床梁42,43とを妻フレーム53,54および床パネル52に予め組込んで建物ユニット1を構築し、建物ユニット1の構築後に、建物ユニット1から仮柱41および仮床梁42,43を取外すことで、建物ユニット1に対して、床部分の1つのコーナー部6に引込部7を形成させるようにしても良い。これにより、引込部7を有する建物ユニット1を、通常の建物ユニットとほぼ同様の工程で製造できるようになる。また、仮柱41や仮床梁42,43を用いることによって、仮柱41や仮床梁42,43を取外すまでの間、引込部7を有する建物ユニット1の剛性を容易に確保することができる。
図12〜図15Cは、実施例2およびその変形例を示すものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
上記実施例では、建物ユニット1は、天井フレーム2が平面視矩形状とされていたのに対し、この実施例では、建物ユニット1の天井フレーム2Aを、矩形を構成する4つのコーナー部35のうちの1つが引込んだ引込部37を有する凸型の平面形状としている。
天井フレーム2Aは、平行な二対の天井梁31,32A,33,34Aで構成されている。
引込部37を形成する2本の天井梁32A,34Aは、それぞれ対を成す他の2本の天井梁31,33よりも短くなっている。
天井フレーム2Aは、通常の建物ユニット1では、基本形状が長方形となっているのに対し、この実施例の場合、天井フレーム2Aは、互いに長さの異なる平行な一対の桁方向17の天井梁31,32A(桁天井梁31,32A)と、互いに長さの異なる平行な一対の妻方向18の天井梁33,34A(妻天井梁33,34A)とで構成されている。平行な一対の桁天井梁31,32Aと、平行な一対の妻天井梁33,34Aとは、水平面内で互いに直交する向きに配置されている。
短い2本の天井梁32A,34A(桁天井梁32Aおよび妻天井梁34A)は、それぞれ引込部37の大きさの分だけ建物ユニット1の通常の長さの天井梁31,33(桁天井梁31および妻天井梁33)よりも桁方向17の寸法および妻方向18の寸法を短くしたものとされる。この実施例では、引込部37は、桁方向17に大きく引込み、妻方向18に小さく引込んだ形状とされて、床フレーム3の引込部37とほぼ同じ大きさおよび形となっている。
引込部37は、天井フレーム2Aを構成する4本の天井梁31,32A,33,34Aを、矩形状の1つのコーナー部35の位置が開いた開ループ状となるように連結することで、そのコーナー部35に形成される。この際、通常の長さよりも短い2本の天井梁32A,34A(桁天井梁32Aおよび妻天井梁34A)を用いて天井フレーム2Aを形成することによって、短い2本の天井梁32A,34Aの間の、連結できずに離される部分(未連結部分または離間部分)に引込部37が形成される。そして、これにより、天井フレーム2Aは、床フレーム3とほぼ同じ凸形状になる。
このような、天井フレーム2Aと床フレーム3とが、ほぼ同じ凸型の平面形状をした上下2つの引込部7,37を同じコーナー部6,35の位置に有する建物ユニット1の製造方法は、以下のようにすることができる。
図13A(f)に示すように、
建物ユニット1の1つのコーナー部6,35を仮柱41で構成する。
仮柱41の下端部に接続される床梁12,14は一部に仮床梁42,43を有するものとする。
仮柱41の上端部に接続される天井梁32A,34Aは一部に仮天井梁32B,34Bを有するものとする。
また、仮柱41と仮天井梁32B,34Bと仮床梁42,43とを、妻フレーム54A、天井パネル51Aおよび床パネル52、に予め組込んでおく。
そして、建物ユニット1の構築後に、建物ユニット1から仮柱41と仮天井梁32B,34Bと仮床梁42,43とを取外すことで、床部分および天井部分の1つのコーナー部6,35に上下の引込部7,37を形成させるようにしても良い。
具体的には、図13A(a)〜(f)に順に示すように、
(1.桁屋根梁サブ組)平行な一対の天井梁31,32Aを用意する(図13A(a))、
(2.天井パネル組立)天井梁31,32Aを用いて天井パネル51Aを構成する(図13A(b))、
(3.桁床大梁サブ組)平行な一対の床梁11,12を用意する(図13A(c))、
(4.床パネル組立)床梁11,12を用いて床パネル52を構成する(図13A(d))、
(5.妻フレーム組立)別の床梁13,14と別の天井梁33,34とを柱4でなど上下に連結することで一対の妻フレーム53,54Aを構成する(図13A(e))、
(6.総組)床パネル52と天井パネル51Aとを上下に隔てて、一対の妻フレーム53,54Aで連結する(図13A(f))
ことで建物ユニット1を構築することができる。
この際、天井パネル51Aでは、短い天井梁32Aの引込部37側の端部と、対を成す天井梁31の中間部との間を、妻方向18へ延びる金属製の天井小梁67で架設・連結している。また、天井小梁67の中間部の位置に、引込部37の奥部となる位置に沿って桁方向17へ延びる金属製の横梁部材68を設置している。横梁部材68と対向する天井梁31の中間部との間には桁方向に所要の間隔を有して複数本の短い天井根太69を取付けている。また、横梁部材68の自由端近傍の位置と仮天井梁32B,34Bとの間には、妻方向18へ延びる補強用の仮梁70を架設・連結している。
そして、引込部37側の妻フレーム54Aでは、通常の建物ユニット1と同じ長さの1本の柱4、および、1本の仮柱41の上下端に、短い天井梁34A(短い天井床梁)に、仮天井梁34Bを接続したもの、および、短い床梁14(短い妻床梁14)に、つなぎ部材47を介して仮床梁43を接続したものの両端部を接続して矩形状に形成している。仮天井梁32B,34Bには、天井梁32A,34Aなどと同じ強度部材を使うことができる。
なお、上記以外については、実施例1とほぼ同じである。
その後は、図13B(a)〜(e)に順に示すように、
(7.端天取付)天井パネル51Aの桁方向17の両端部に端天材55a,69aを取付ける(図13B(a))
(8.玄関ドア下仮梁取付)床パネル52に玄関ドア下梁63を取付ける(図13B(b))
(9.中柱取付)上下の引込部7,37間に、中柱15,16などを取付ける(図13B(c))
(10.フレーム取り外し準備)そして、仮柱41や、仮天井梁32B,34Bなどにクレーンのフックやワイヤーなどを取付ける(図13B(d))
(11.フレーム外し)仮柱41や、仮天井梁32B,34Bや、仮床梁42,43を吊り上げて建物ユニット1から撤去する(図13B(e))
という工程を行う。
天井フレーム2Aと床フレーム3とを、同じ凸型の平面形状にした建物ユニット1は、天井フレーム2Aの引込部37を、金属製の天井小梁67の一部と横梁部材68とで塞いで閉ループ状にし、また、引込部7,37の隅角部に沿って中柱15,16や縦部材64などで上下に連結することで、実施例1のものよりもより高い強度が得られるため、実施例1の場合よりも早い段階で仮柱41などを取り外すことができる。
そして、図13C(a)〜(e)に順に示すように、
(14.外壁取付)建物ユニット1の外周に外壁パネル24や、引込部7,37の内側の壁26などを取付ける(図13C(a))
(15.玄関ドア取付)引込部7,37の内側の壁26に玄関ドア27を取付ける(図13C(b))
(16.内装設備)建物ユニット1の内部に内装設備を設置する(図13C(c))
(17.ユニットカバー、搬出)建物ユニット1の外側にユニットカバー28を取付けて、工場から建築現場へ搬出する(図13C(d))
(18.吊り上げ)建築現場で吊り上げて基礎72の上などに設置する(図13C(e))
という工程を行う。
あるいは、図14A〜図14Cの変形例に示すように、取外した仮柱41や仮天井梁32B,34Bや仮床梁42,43などの仮フレームは、少なくとも一部を、引込部7,37の奥側の位置に取付ける(移設する)ことによって、建物ユニット1で再使用させるようにしても良い。
この例の場合には、仮柱41を、引込部7,37の妻側の短い天井梁34Aと短い床梁14との間の位置に中柱16として再使用している。また、仮天井梁32Bを横梁部材68として再使用している。仮床梁42を、玄関ドア下梁63として再使用している。この際(建物ユニット1の外形を作る際に)、中柱16や横梁部材68や玄関ドア下梁63などは、取付けない状態にしておくか、仮のものを取付けておき仮フレームの再使用の際に撤去するようにしたり、または、仮フレームと重ねて使用したりすることができる。
それ以外は、図13A〜図13Cとほぼ同じであるが、図14A〜図14Cの場合には、上記した仮フレームの再使用によって、図13Bの(8.玄関ドア下仮梁取付)の工程がなくなると共に、(12.フレーム仮梁外し)および(13.桁フレーム取付)の工程が加えられる。
または、図15A〜図15Cの他の変形例に示すように、引込部7,37の奥側に設けられる中柱16や縦部材64,65を、仮天井梁32B,34Bや仮床梁43と組み合わせた仮フレームを構成するようにしても良い。このような仮フレームは、取外後に、建物ユニット1の中柱16や縦部材64,65として、ほぼそのままの形で建物ユニット1に取付けて再使用することが可能となる。
なお、上記以外の構成については、実施例1と同様である。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
この実施例の建物ユニット1では、天井フレーム2Aは、矩形状の4つのコーナー部35のうちの1つが引込んだ引込部37を有する凸型の平面形状としても良い。これによって、上下に引込部7,37を備えた、凸型の平面形状の天井フレーム2Aと、床フレーム3とを有する建物ユニット1を得ることができる。
また、この実施例の建物ユニット1の製造方法によれば、仮柱41と仮天井梁32B,34Bと仮床梁42,43とを、妻フレーム53,54と天井パネル51Aと床パネル52に予め組込んで建物ユニット1を構築し、構築後に、建物ユニット1から仮柱41や仮天井梁32B,34Bや仮床梁42,43を取外して、天井部分および床部分の1つのコーナー部6,35に引込部7,37を形成するようにしても良い。これにより、1つのコーナー部6,35に引込部7,37を有する建物ユニット1を、容易に製造できる。また、引込部7,37を有する建物ユニット1の剛性を仮柱41や仮床梁42,43によって容易に確保することができる。
あるいは、取外した仮柱41や仮天井梁32B,34Bや仮床梁42,43の少なくとも一部を、引込部7,37の別の位置(例えば、引込部7,37の奥部など)に取付けて再使用させるようにしても良い。これにより、仮柱41や仮天井梁32B,34Bや仮床梁42,43を、建物ユニット1からの取外後に、無駄なく建物ユニット1の一部として利用することができる。
なお、上記以外の作用効果については、実施例1と同様である。
1 建物ユニット
2 天井フレーム
3 床フレーム
4 柱
6 コーナー部
7 引込部
8 柱未設置部
11 床梁
12 床梁
13 床梁
14 床梁
15 中柱
16 中柱
21 チャンネル材
22 アングル材
31 天井梁
32 天井梁
33 天井梁
34 天井梁
41 仮柱
42 仮床梁
43 仮床梁
48 束部材
51 天井パネル
52 床パネル
53 妻フレーム
54 妻フレーム

Claims (7)

  1. 天井フレームと床フレームとを、上下に隔てて柱で連結した建物ユニットであって、
    前記床フレームは、矩形を構成する4つのコーナー部のうちの1つが引込んだ引込部を有する凸型の平面形状とされており、
    前記柱は、前記床フレームの前記引込部以外の3つの前記コーナー部の位置に対して設けられると共に、
    前記引込部は、前記柱のない柱未設置部とされていることを特徴とする建物ユニット。
  2. 請求項1に記載の建物ユニットであって、
    前記床フレームは、平行な二対の床梁で構成されており、
    前記引込部を形成する2本の前記床梁は、それぞれ対を成す他の2本の前記床梁よりも短くなっており、
    短い2本の前記床梁の前記引込部の側の端部には、中柱が設置されていることを特徴とする建物ユニット。
  3. 請求項2に記載の建物ユニットであって、
    前記中柱は、C字断面のチャンネル材と、L字断面のアングル材とに分けて構成されていることを特徴とする建物ユニット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の建物ユニットであって、
    前記天井フレームは、互いに長さの等しい平行な二対の天井梁によって、平面視矩形状に構成されていることを特徴とする建物ユニット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の建物ユニットであって、
    前記引込部の前記柱未設置部の位置には、着脱可能な仮柱が設置され、
    該仮柱の下端部には、短い2本の前記床梁の端部へ向けて、該端部に達しない長さに延びる仮床梁が設置されていることを特徴とする建物ユニット。
  6. 請求項5に記載の建物ユニットであって、
    前記仮床梁と前記天井フレームとの間には、運搬用の束部材が着脱可能に設置されることを特徴とする建物ユニット。
  7. 平行な一対の天井梁を用いて天井パネルを構成し、
    平行な一対の床梁を用いて床パネルを構成し、
    別の床梁と別の天井梁とを柱で上下に連結することで一対の妻フレームを構成して、
    前記床パネルと前記天井パネルとを上下に隔てて、一対の前記妻フレームで連結することで建物ユニットを構築する建物ユニットの製造方法であって、
    前記建物ユニットの1つのコーナー部を仮柱とし、
    該仮柱の下端部に接続される床梁が一部に仮床梁を有するものとして、
    前記仮柱と前記仮床梁とを前記妻フレームおよび前記床パネルに予め組込んでおき、
    前記建物ユニットの構築後に、前記建物ユニットから前記仮柱および前記仮床梁を取外すことで、床部分の1つのコーナー部に引込部を形成させることを特徴とする建物ユニットの製造方法。
JP2020038533A 2020-03-06 2020-03-06 建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法 Pending JP2021139185A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038533A JP2021139185A (ja) 2020-03-06 2020-03-06 建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020038533A JP2021139185A (ja) 2020-03-06 2020-03-06 建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021139185A true JP2021139185A (ja) 2021-09-16

Family

ID=77668031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020038533A Pending JP2021139185A (ja) 2020-03-06 2020-03-06 建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021139185A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102197689B1 (ko) 수평으로 조립 설치되는 수직코아구조물 및 그 시공방법
JP2021139185A (ja) 建物ユニットおよび建物ユニットの製造方法
JP5756000B2 (ja) 螺旋階段の取付構造
JP4609283B2 (ja) 建物ユニット及びこれを用いたユニット建物
JP3123656U (ja) 集合住宅用後付けエレベータのかご室昇降路の隔壁構造物
JP6715480B2 (ja) 建物ユニット及び建物ユニットの製造方法
JP3820310B2 (ja) バルコニ付き建物
JP5312163B2 (ja) ユニット式建物
JP6773502B2 (ja) エレベーターピット、エレベーターピットの施工方法及び建物
JP2618140B2 (ja) 中高層建築物の構造
JP5308168B2 (ja) ユニット式建物
JP6473293B2 (ja) ユニット式建物
JP4676610B2 (ja) ユニット式建物
JP6770829B2 (ja) 建物ユニット及び壁パネルの接合構造並びに接合方法
JP4898346B2 (ja) ユニット式建物
JP4989280B2 (ja) ユニット式建物
JP4783703B2 (ja) ユニット式建物
JP7421890B2 (ja) 建物
JP5380586B2 (ja) 車庫用建物ユニット
JP4898314B2 (ja) ユニット式建物
JP6715514B2 (ja) 建物ユニット
JP3429629B2 (ja) ユニット建物とその構築方法
JP2007238315A (ja) 集合住宅用後付けエレベータのかご室昇降路の隔壁構造物
JP5030680B2 (ja) リフォームスキップフロア構造
JP2000017735A (ja) ユニット式建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240402