JP2021138858A - ゴム用添加剤、ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法、タイヤ及びゴムベルト - Google Patents

ゴム用添加剤、ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法、タイヤ及びゴムベルト Download PDF

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Abstract

【課題】加硫促進能力が高く、ゴム組成物の物性を向上させることができる、ゴム用添加剤を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物を含むゴム用添加剤。(式中、Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。A1及びA2は、6員環芳香環基又は少なくとも窒素原子1個を環の構成元素に含む6員環芳香族複素環基を示す。R1及びR2は、A1及びA2の炭素原子と結合しており、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和又は不飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を複素環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を複素環の構成成分として更に含んでもよい。m及びnは、各々独立に0〜4の整数で、m+n≧1を満たす数値である。)【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム用添加剤、ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法、タイヤ及びゴムベルトに関する。
ゴムを含有する組成物(ゴム組成物)はタイヤ、工業用ベルト、シール材や免震防振材など様々な分野で利用されている。
ゴムの特性を有効に生かし、より好ましい性能を得るためにゴムには様々な添加剤が使用されている。代表的な添加剤は硫黄であり、硫黄を加えてゴム分子同士を架橋することにより、ゴム弾性体としての特性を顕著に表すようになる。また、効率的に架橋反応を進行させるために加硫時に加硫助剤が用いられる。一般的な加硫助剤としてはチアゾール系、スルフェンアミド系及びグアニジン系等が知られている(非特許文献1)。
ゴム工業便覧<第四版>、pp.412〜413、1994年、日本ゴム協会発行
しかし、従来の加硫助剤は加硫促進能力が十分でなかった。加硫速度が遅いと、ゴム組成物を加硫して製品に成型する際にエネルギーがより多く必要となり、製造コストがかかるという問題があった。さらに、従来の加硫助剤は、ゴム組成物の物性を向上させる能力も十分でなかった。
本発明は、一般的な加硫剤と併用することで、加硫促進能力が高く、ゴム組成物の物性を向上させることができる、ゴム用添加剤を提供することを目的とする。また、物性の優れたゴム組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。本発明は、以下に関する。
[1]下記の一般式(1)で表される化合物を含む、ゴム用添加剤。
Figure 2021138858
(Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。
及びAは、6員環芳香環基又は少なくとも窒素原子1個を環の構成元素に含む6員環芳香族複素環基を示す。
及びRは、A及びAの炭素原子と結合しており、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を複素環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を複素環の構成成分として更に含んでもよい。
m及びnは、各々独立に0〜4の整数で、m+n≧1を満たす数値である。)
[2]前記一般式(1)のm及びnは、m=1及びn=1、又はm=0及びn=1である、[1]のゴム用添加剤。
[3]前記一般式(1)のR及びR中の複素環の窒素原子は、A及びAの炭素原子と結合している、[1]又は[2]のゴム用添加剤。
[4]前記一般式(1)のR及びRは、A及びAのパラ位の炭素原子と結合している、[1]〜[3]のゴム用添加剤。
[5]前記一般式(1)のR及びRは、各々独立に、窒素原子1個又は2個を環の構成成分に含む飽和の5〜6員環複素環基、窒素原子1個と酸素原子1個を環の構成成分に含む飽和の5〜6員環複素環基及び窒素原子1個と硫黄原子1個を環の構成成分に含む飽和の5〜6員環複素環基からなる群より選ばれる複素環基である、[1]〜[4]のゴム用添加剤。
[6]前記一般式(1)のR及びRは、各々独立に、無置換又は置換基を有し、置換基は各々独立に、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されたアミノ基、窒素原子を1個以上含む3〜12員環複素環基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される置換基である、[1]〜[5]のゴム用添加剤。
[7]共役ジエン系重合体と、[1]〜[6]のゴム用添加剤とを含む、ゴム組成物。
[8]共役ジエン系重合体は、天然ゴム、変性天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群より選択される1種以上含む、[7]のゴム組成物。
[9]ゴム補強剤を更に含む、[7]又は[8]のゴム組成物。
[10]共役ジエン系重合体100重量部に対して、ゴム用添加剤の添加量は、0.1〜5重量部である、[7]〜[9]のゴム組成物。
[11]共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤と、加硫剤と、[1]〜[6]のゴム用添加剤とを混練する混練工程と、前記混練物を加硫する加硫工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
[12]前記混練工程は、共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤とを混練する第1混練工程と、第1混練工程で得られた混練物と、加硫剤と、前記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤とを混練する第2混練工程とを含む、[11]のゴム組成物の製造方法。
[13]前記加硫剤と、前記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤との配合割合は、1/10〜10/1である、[11]又は[12]のゴム組成物の製造方法。
[14][7]〜[10]のゴム組成物を用いたタイヤ。
[15][7]〜[10]のゴム組成物を用いたゴムベルト。
[16][7]〜[10]のゴム組成物を用いたゴルフボール。
[17][7]〜[10]のゴム組成物を用いた靴底。
本発明によれば、加硫促進能力が高く、ゴム組成物の物性を向上させることができる、ゴム用添加剤を提供することができる。また、本発明によれば、物性に優れたゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、加硫時間が短く、物性に優れたゴム組成物の製造方法を提供することができる。
≪ゴム用添加剤≫
ゴム用添加剤とは、ゴムと混合又はゴムに添加する化合物をいう。また、ゴムとは室温にてゴム弾性を有する高分子物質であり、特に制限されないが、共役ジエン系重合体であることが好ましい。
本発明のゴム用添加剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2021138858
(Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。
及びAは、6員環芳香族複素環基を示し、窒素原子を環の構成元素に含んでもよい。
及びRは、6員環芳香族複素環基の炭素原子と結合しており、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を複素環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を複素環の構成成分として更に含んでもよい。
m及びnは、各々独立に0〜4の整数で、m+n≧1を満たす数値である。)
前記一般式(1)のm及びnは、加硫促進効果及びゴム組成物の物性向上の観点から、m=0及びn=1、m=0及びn=2、m=0及びn=3、m=0及びn=4、m=1及びn=1、m=1及びn=2、m=1及びn=3又はm=2及びn=2であることが好ましく、m=1及びn=1、m=0及びn=1であることがより好ましい。
前記一般式(1)のR及びR中の窒素原子は、芳香環の炭素原子と結合していることが好ましい。
前記一般式(1)のR及びRは、芳香環のパラ位の炭素原子と結合していることが好ましい。
前記化合物は、A及びAが、6員環芳香環基の場合は、加硫促進効果及びゴム組成物の物性向上の観点から、下記一般式(2)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2021138858
(Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。
及びRは、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和又は不飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を環の構成成分として更に含んでもよい。
及びR中の窒素原子は、芳香環の炭素原子と結合している)
前記化合物は、A及びAが、少なくとも窒素原子1個を環の構成元素に含む6員環芳香族複素環基の場合は、加硫促進効果及びゴム組成物の物性向上の観点から、6員環芳香族複素基の構成元素として窒素原子1個を含むことが好ましく、下記一般式(3)及び下記一般式(4)からなる群から選ばれる化合物であることがより好ましい。
Figure 2021138858
(Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。
及びRは、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和又は不飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を環の構成成分として更に含んでもよい。
及びR中の窒素原子は、6員環芳香族複素環基の炭素原子と結合している。)
前記一般式(1)のR及びRの置換基は、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されたアミノ基、窒素原子を1個以上含む3〜12員環複素環基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される置換基であることが好ましく、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されたアミノ基、窒素原子を1個又は2個含む5〜12員環複素環基及び炭素数1〜3のアルコキシ基からなる群より選択される置換基であることがより好ましい。
及びR上の置換基は、異なる置換基であっても同じ構造の置換基であってもよいが、同じ構造の置換基であることが好ましい。
また、R及びRは、複数の置換基を有していてもよく、複数の置換基は同一炭素上に存在してもよい。同一炭素上に2個のアルコキシ基を有する場合は、2個のアルコキシ基は環状構造を形成してもよい。
及びRは、具体的には、例えば、ピぺリジル基、1−メチルピペラジル基、3−(ジエチルアミノ)ピロリジル基、4−(1−ピロリジニル)ピペリジル基、4−トリフルオロメチルピペリジル基、ピロリジル基、チオモルホリル基、モルホリル基等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物として、具体的には、ビス(4−(ピぺリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−チオモルホリノフェニル)メタノン、ビス(4−モルホリノフェニル)メタノン、ビス(4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デカン−8−イル)フェニル)メタノン、フェニル(4−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノン、フェニル(4−(4−ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンが挙げられるが、加硫促進効果及びゴム組成物の物性向上の観点から、ビス(4−(ピぺリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)メタノン、ビス(6−(3−ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリジン-3-イル)メタノン、ビス(6−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン-1-イル)ピリジン−3イル)メタノンが好ましく、ビス(4−(3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(4−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(6−(3−ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリジン-3-イル)メタノン、フェニル(4−(4−ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノン、ビス(6−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン-1-イル)ピリジン−3イル)メタノンがより好ましい。
≪ゴム用添加剤の製造方法≫
本発明のゴム用添加剤は、原料(A)ハロゲン化ベンゾフェノン化合物又はジハロゲン化ピリジン化合物、原料(B)飽和の3〜12員環複素環化合物、原料(C)周期律表第1族から選ばれる元素の有機金属化合物、触媒成分(D)周期律表第10族、11族から選ばれる元素の有機金属化合物及び配位性化合物により製造されることが好ましい。
原料(A)としては、例えば、2,2’−ジフルオロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジブロモベンゾフェノン、2,2’−ジヨードベンゾフェノン、3,3’−ジフルオロベンゾフェノン、3,3’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジブロモベンゾフェノン、3,3’−ジヨードベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、4−クロロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジブロモベンゾフェノン、4,4’−ジヨードベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラブロモベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラブロモベンゾフェノンなどが挙げられる。
原料(A)のジハロゲン化ピリジン化合物としては、3−ブロモ−5−ヨードピリジン、3−フルオロ−5−クロロピリジン、3−フルオロ−5−ブロモピリジン、3−フルオロ−5−ヨードピリジン、6−ブロモニコチンアルデヒド、2−ブロモ−5−シアノピリジン、6−フルオロニコチンアルデヒド、2−フルオロ−5−シアノピリジン等が挙げられる。
原料(B)の飽和の3〜12員環複素環化合物としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、チオモルホリン、モルホリン等が挙げられるが、ピぺリジン、1−メチルピペラジン、3−(ジエチルアミノ)ピロリジン、4−(1−ピロリジニル)ピペリジン、4−トリフルオロメチルピペリジン、ピロリジン、チオモルホリン、モルホリンが好ましい。
原料(B)の不飽和の3〜12員環複素環化合物としては、例えば、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピロール、インドール等が挙げられるが、チアゾール、イミダゾール基、1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、ピラゾール、1−メチルピラゾール、ピロール、インドールが好ましい。
原料(C)としては、例えば、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。
触媒成分(D)としては、例えば、酢酸銅、2−チオフェンカルボン酸銅、塩化ニッケル、ビス(1,5−シクロテオクタジエン)ニッケル、酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビピリジン、1,10−フェナントロリン、トリフェニルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル等が挙げられる。
本発明のゴム用添加剤の合成反応は、溶媒の存在下で行っても良く、使用される溶媒としては反応を阻害し難い溶媒ならば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の非極性プロトン溶媒類;ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくは非極性プロトン溶媒類が使用される。これら溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
反応温度は−100℃〜100℃で、好ましくは−80〜30℃の範囲で行われる。
本発明のゴム用添加剤は、例えば、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって分離・精製することができる。
≪ゴム組成物≫
ゴム組成物は、共役ジエン系重合体と、下記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤とを含む。
Figure 2021138858
(Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。A及びAは、6員環芳香族複素環基を示し、窒素原子を環の構成元素に含んでもよい。
及びRは、6員環芳香族複素環基の炭素原子と結合しており、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を複素環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を複素環の構成成分として更に含んでもよい。
m及びnは、各々独立に0〜4の整数で、m+n≧1を満たす数値である。)
前記一般式(1)で示される化合物の実施形態については、≪ゴム用添加剤≫の欄で説明した実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム組成物の物性向上の観点から、ゴム補強剤を含むことが好ましい。また、ゴム組成物は、加硫剤を含むことが好ましく、更に加硫助剤を含むことがより好ましい。加硫剤を含むゴム組成物を加硫することでゴム弾性に優れたゴム組成物を得ることができる。また、加硫助剤を含むことで、加硫時の加硫促進効果を高める、ゴム組成物の物性を向上させることができる。
(共役ジエン系重合体)
共役ジエン系重合体とは、共役ジエン系モノマーを重合させて得られた重合物をいう。共役ジエン系重合体は、加硫可能なゴムが好ましく、単独でも、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。共役ジエン系重合体としては、具体的には、天然ゴム(NR)、変性天然ゴム(エポキシ化天然ゴム、脱蛋白天然ゴム等)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群から選択される一種以上を含むことがより好ましい。これらの中でも、加硫促進効果及びゴム組成物の物性向上の観点から、ポリブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びポリイソプレン(IR)からなる群から選択される一種以上を含むことがさらに好ましい。
天然ゴムとしては、RSS#1、RSS#3、TSR20、SIR20等のグレードの天然ゴムを挙げることができる。エポキシ化天然ゴムとしては、エポキシ化度10〜60モル%のものが好ましく、例えばクンプーラン ガスリー社製ENR25及びENR50が挙げられる。脱蛋白天然ゴムとしては、総窒素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムが好ましい。変性天然ゴムとしては、天然ゴムにあらかじめ4−ビニルピリジン、N,N,−ジアルキルアミノエチルアクリレート(例えばN,N,−ジエチルアミノエチルアクリレート)、2−ヒドロキシアクリレート等を反応させた極性基を含有する変性天然ゴムが挙げられる。
(ゴム補強剤)
ゴム補強剤とは、ゴムの機械的特性を向上させることを目的としてゴム組成物に配合する化合物等をいう。本発明で用いることができるゴム補強剤としては、各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤が挙げられる。これらの中でも、通常、カーボンブラック及びシリカが好ましい。これらのゴム補強剤は単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
また、補強剤としてシリカを使用する場合には、シランカップリング剤を添加剤として使用することができる。ゴムとシリカの親和性を高め、補強効果を向上させることができる。シランカップリング剤は、一般式R SiR 4−nで表わされる有機珪素化合物で、Rは、ビニル基、アシル基、アリル基、アリルオキシ基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルキル基、フェニル基、水素、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基などから選ばれる反応基を有する炭素数1〜20の有機基であり、Rは、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基などから選ばれる加水分解基であり、nは、1〜3の整数を示す。
カーボンブラックとシリカを併用する等、数種の補強剤を組み合わせることも有効であり、タイヤトレッド用ゴム組成物においては、カーボンブラック単独又はカーボンブラックとシリカの併用が好ましい。
(その他の成分)
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常、ゴム組成物に用いられる配合剤を含んでもよいが、加硫剤及び加硫助剤を含むことが好ましい。
(加硫剤)
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などを用いることができる。中でも硫黄を用いることが好ましい。
硫黄は、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び高分散性硫黄からなる群より選ばれる少なくとも一種である。硫黄成分は、好ましくは粉末硫黄である。ベルト用部材等の硫黄含量が多いタイヤ部材に用いる場合には、不溶性硫黄が好ましい。
(加硫助剤)
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。
加硫助剤としては、具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及びリン系などが挙げられる。
(プロセスオイル)
プロセスオイルとしては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系などが挙げられる。
(各成分の割合)
ゴム用添加剤の含有量は、共役ジエン系重合体100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、0.2〜3重量部であることがより好ましい。前記範囲とすることで、加硫促進効果およびゴム組成物の物性を向上させることができる。
加硫剤の含有量は、共役ジエン系重合体100重量部に対して0.3〜5重量部であることが好ましく、0.5〜3重量部であることがより好ましい。また、加硫助剤の含有量は、共役ジエン系重合体100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましい。前記範囲とすることで、加硫促進効果およびゴム組成物の物性を向上させることができる。
ゴム用添加物と加硫剤の割合は、重量比で10/1〜1/10が好ましく、3/1〜1/3がより好ましく、2/1〜1/2がさらに好ましい。前記範囲とすることで、ゴム組成物の物性を向上させることができる。
ゴム補強剤の含有量は、共役ジエン系重合体100重量部に対して5〜120重量部の範囲が好ましい。カーボンブラックとシリカを併用する場合、共役ジエン系重合体100重量部に対してカーボンブラックを5〜50重量部、シリカは0.5〜70重量部を配合することが好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100重量部に対して0.2〜20重量部が好ましく、3〜15重量部がより好ましく、5〜15重量部がさらに好ましい。0.2重量部以上とすることで、スコーチを低減することができる。また、20重量部以下とすることで、ゴム組成物の物性を向上させることができる。
≪ゴム組成物の製造方法≫
本発明のゴム組成物の製造方法は、共役ジエン系重合体と、補強剤と、加硫剤と、下記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤とを混練する混練工程と、前記混練物を加硫する加硫工程を含む。
Figure 2021138858
(Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。A及びAは、6員環芳香族複素環基を示し、窒素原子を環の構成元素に含んでもよい。
及びRは、6員環芳香族複素環基の炭素原子と結合しており、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を複素環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を複素環の構成成分として更に含んでもよい。
m及びnは、各々独立に0〜4の整数で、m+n≧1を満たす数値である。)
前記一般式(1)で示される化合物の実施形態については、≪ゴム用添加剤≫の欄で説明した実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
前記混練工程は、共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤とを混練する第1混練工程と、前記第1混練工程で得られた混練物と、加硫剤と、前記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤とを混練する第2混練工程とを有することが好ましい。
(混練工程)
混練工程では、共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤と、加硫剤と、前記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤とを混練する。混練工程は、下記の第1混練工程と第2混練工程を含むことが好ましい。
(第1混練工程)
第1混練工程では、共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤とを混合して混練することが好ましい。必要に応じて、老化防止剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸などを混合して混練してもよい。
第1混練工程において、バンバリーミキサー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いることができるが、操作性や運転効率の観点からバンバリーミキサーを用いることが好ましい。
混練する際の材料を投入する順番やタイミングは特に限定されないが、先に共役ジエン系重合体をバンバリーミキサーに投入しておいて、後からゴム補強材等をバンバリーミキサーに投入することが好ましい。
混練時間は、1〜30分が好ましく、さらに2〜10分が好ましい。この範囲であれば、ゴム組成物にしたときのゴム物性に優れる。
第1混練工程の混練開始時の混練温度は、50〜120℃が好ましい。この範囲であれば、ゴム組成物にしたときのゴム物性が優れる。混練温度を50℃以上とすることで共役ジエン系重合体にせん断が加わりすぎることによる分子量低下を抑制し、混練温度を120℃以下とすることで熱による共役ジエン系重合体の劣化を抑制することができる。
(第2混練工程)
第2混練工程では、前記第1混練工程で得られた混練物と、加硫剤と本発明のゴム用添加剤とを混練することが好ましい。必要に応じて、加硫助剤を加えて混練してもよい。
第2混練工程において、バンバリーミキサー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いることができるが、ゴム物性に優れるゴム組成物を得る上でオープンロールを用いることが好ましい。
混練する際の材料を投入する順番やタイミングは特に限定されないが、混練物を投入しておいて、後から加硫剤やゴム用添加剤、加硫助剤を投入したほうが好ましい。
混練時間は、1〜30分が好ましく、さらに2〜10分が好ましい。この範囲であれば、ゴム組成物にしたときのゴム物性に優れる。
混練開始時の温度は、20〜80℃が好ましい。この範囲であれば、ゴム組成物にしたときのゴム物性が優れる。温度を20℃以上にすることで、オープンロールへのゴム組成物の巻き付けをし易くすることができるため、適切なロール操作が可能である。また、温度を80℃以下とすることで混練中の加硫反応の進行を抑制することができる。
(加硫工程)
加硫工程では、第2混練工程で得られた混練物を金型に嵌め、混練物を挟んだ金型に圧力をかけて加熱する装置を用いて、加硫成形されたゴム組成物を作製する。
加硫温度は120〜200℃が好ましく、さらに140〜180℃が好ましい。この温度範囲であれば、効率よく、かつゴム物性に優れるゴム組成物を作製することができる。
加硫時間は、一般的な加硫試験によって求められる。例えば、一般的なゴム用レオメーターを用いて加硫曲線を測定する。加硫曲線からT90(最大トルクに対して90%トルクになるときの時間)を算出する。加硫時間は、T90の1〜5倍が好ましく、さらに1.5〜4倍が好ましい。この範囲であれば、ゴム組成物を十分均一に加硫することができ、ゴム物性に優れるゴム組成物を作製することができる。
上記の加硫装置は特に限定されないが、十分な圧力をかけることができ、温度を一定に制御することができるプレス装置が好ましい。また、金型は特に限定されないが、熱伝導率が良く、均一な厚みのゴム組成物を作製できる金型が好ましい。
≪ゴム組成物の用途≫
本発明に係るゴム組成物は、タイヤ、防振ゴム、ゴムベルト、ホース、免震ゴム、ゴルフボール、ゴムローラー及び履物部材(例えば、靴底)に用いることができる。
(タイヤ用ゴム組成物、ゴムベルト用ゴム組成物)
タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物は、共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤との混合割合をそれぞれ調整することにより、タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物として好適に用いることができる。
タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合される共役ジエン系重合体としては、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びイソプレンゴム(IR)のうち少なくとも一種以上を含むことが好ましい。
タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合されるゴム補強剤としては、各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム、タルク、マイカ等が挙げられるが、カーボンブラック及びシリカのうち少なくとも一種以上を含むことが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。
(ゴム用添加剤の合成例)
以下に本発明のゴム用添加剤の合成例について具体的に記載する。
(合成例1(ゴム用添加剤A):ビス(4−(3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1
−イル)フェニル)メタノンの合成)
ガラス製反応容器に、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン2.6g(12.0mmol)、ジメチルスルホキシド48mL、3−(ジエチルアミノ)ピロリジン9.4mL(60.0mmol)を入れ、100℃で19時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ沈殿物を濾取し真空乾燥後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ノルマルヘキサン:クロロホルム=60:40)で精製した固体をノルマルヘキサンから再結晶することにより、黄色粉末としてビス(4−(3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノンを得た。
得られたビス(4−(4−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル)メタノンの物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));1.01−1.05(t、12H)、1.89−1.95(m、2H)、2.19−2.21(m、2H)、2.61−2.71(m、8H)、3.14−3.19(m、2H)、3.33−3.40(m、4H)、3.48−3.58(m、4H)、6.53−6.55(m、4H)、7.66−7.69(m、4H)
FD−MS;462(M)
(合成例2(ゴム用添加剤B):ビス(4−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンの合成)
ガラス製反応容器に、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン2.2g(10.0mmol)、ジメチルスルホキシド40mL、4−(1−ピロリジニル)ピペリジン7.7g(50.0mmol)を入れ、100℃で17時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ沈殿物を濾取し真空乾燥した固体をクロロベンゼンから再結晶することにより、薄黄色鱗状固体としてビス(4−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンを得た。
得られたビス(4−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンの物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));1.61−1.68(m、4H)、1.70−1.86(m、8H)、1.99−2.02(m、4H)、2.18−2.25(m、2H)、2.58−2.62(m、8H)、2.88−2.95(m、4H)、3.84−3.89(m、4H)、6.88−6.92(m、4H)、7.70−7.74(m、4H)
FD−MS;486(M)
(合成例3(ゴム用添加剤C):ビス(6−(3−ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリジン-3-イル)メタノンの合成)
ガラス製反応容器に、ビス(6−ブロモピリジン−3−イル)メタノン3.8g(11.0mmol)、テトラヒドロフラン44mLを入れ0℃まで冷却した後、3−(ジエチルアミノ)ピロリジン8.7mL(55.0mmol)を入れ、室温で21時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧留去後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ノルマルヘキサン=3:2)で精製した固体をジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、薄黄色固体としてビス(ビス(6−(3−ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリジン-3-イル)メタノンを得た。
得られたビス(6−(3−ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリジン-3-イル)メタノンの物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));1.01−1.04(t、12H)、1.88−1.94(m、2H)、2.20−2.24(m、2H)、2.62−2.71(m、8H)、3.21−3.82(m、6H)、5.32(br、3H)、6.38−6.41(m、2H)、7.88−7.91(m、2H)、8.53−8.54(m、2H)
FD−MS;464(M)
(合成例4(ゴム用添加剤D):フェニル(4−(4−ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンの合成)
ガラス製反応容器に、4−フルオロベンゾフェノン2.0g(10.0mmol)、ジメチルスルホキシド40mL、4−(1−ピロリジニル)ピペリジン3.9g(25.0mmol)を入れ、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ沈殿物を濾取し真空乾燥後、得られた固体をジイソプロピルエーテルから再結晶することにより、薄黄色固体としてフェニル(4−(4−ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンを得た。
得られたフェニル(4−(4−ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)メタノンの物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));1.73−1.74(m、2H)、1.75−1.76(m、4H)、1.95−1.96(m、2H)、2.21−2.22(m、1H)、2.54−2.57(m、4H)、2.93−3.00(m、2H)、3.82−3.86(m、2H)、6.89−6.91(m、2H)、7.52−7.54(m、3H)、7.68−7.74(m、4H)
EI−MS;334(M)
(合成例5(ゴム用添加剤E):ビス(6−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン-1-イル)ピリジン−3イル)メタノンの合成)
ガラス製反応容器に、ビス(6−ブロモピリジン−3−イル)メタノン3.8g(11.0mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド110mLを入れ0℃まで冷却した後、4−(1−ピロリジニル)ピペリジン8.5g(55.0mmol)を入れ、50℃で17時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ沈殿物を濾取し真空乾燥後、得られた固体をクロロベンゼンから再結晶することにより、薄黄色固体としてビスビス(6−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン-1-イル)ピリジン−3イル)メタノンを得た。
得られたビス(6−(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン-1-イル)ピリジン−3イル)メタノンの物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;CDCl;δ(ppm));1.53−1.63(m、4H)、1.77−1.84(m、8H)、1.99−2.03(m、4H)、2.28−2.34(m、2H)、2.62(br、8H)、3.01−3.08(m、4H)、4.40−4.43(m、4H)、6.66−6.68(m、2H)、7.93−7.95(m、2H)、8.595−8.60(m、2H)
FD−MS;488(M)
(ゴム組成物の製造例)
以下に本発明のゴム用添加物を含むゴム組成物の製造例及びゴム組成物の物性等の測定方法について具体的に記載する。
(加硫速度)
ロータレスレオメータRLR−4(東洋精機製作所製)を用いて、加硫曲線を測定した。条件は温度160℃、振動角1.0deg.振動数100cpmを用いた。加硫曲線より、T10(最大トルクに対して10%トルクになるときの時間)およびT90(最大トルクに対して90%トルクになるときの時間)を求めて、加硫速度を式(5)より算出した。この値が小さいほど、加硫し始めてから終了までの時間が短く、加硫ムラもできにくく、良好であることを示す。
加硫速度(分)=T90(分)−T10(分) ・・・式(5)
(低燃費性(tanδ(50℃)))
粘弾性測定装置(上島製作所製、DMA VR−7130)を用い、温度範囲−60℃〜80℃、周波数16Hz、動歪み0.5%で測定した。50℃におけるtanδを低燃費性の指標として用いた。各比較例を100として指数表示した。低燃費性(tanδ)は数値が小さいほど特性が優れているが、表2〜4では、指数が大きいほど特性(低燃費性)が優れていることを示すように換算した。
(破断伸び(EB))
JIS−K6251に準拠して引張試験を行い、EBを測定した。各表の比較例を100として指数表示した。指数が大きいほど、特性(破断伸び)が優れていることを示す。
(ゴム組成物の製造例1)
バンバリーミキサー(東洋精機製250ccラボプラストミル)を用いて、混練時間5分、混練開始時の温度90℃の条件で、共役ジエン系重合体としてBR(宇部興産製UBEPOL BR150L)50重量部、及びNR(RSS#1)50重量部を先に投入した後、ISAFカーボンブラック(旭カーボン製、商品名「旭#80」)50重量部、オイル(H&R社Viva Tec 400)3重量部、ステアリン酸2重量部、酸化亜鉛3重量部、老化防止剤(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6PPD):住友化学製、商品名「アンチゲン(登録商標)6C」)1重量部を加えて混練し、混練物(1次配合物)を得た。次いでロール設定温度55℃のオープンロール機で、1次配合物を巻き付けた後、加硫剤として硫黄1.5重量部と加硫助剤(大内新興化学工業製ノクセラーNS)1重量部とゴム用添加剤Aを0.5重量部と、を混練配合し、ゴム組成物(未加硫のゴム組成物)を得た。次いで、この配合ゴムの加硫試験を実施した。T90の2倍の時間かけて160℃にてプレス加硫して加硫シート(加硫したゴム組成物)を作製し、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造例2)
ゴム用添加剤Aを0.5重量部から1重量部に変更した以外は製造例1と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造例3)
ゴム用添加剤Aをゴム用添加剤Bに変更した以外は製造例1と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造例4)
ゴム用添加剤Bを0.5重量部から1重量部に変更した以外は製造例3と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造例5)
ゴム用添加剤Aをゴム用添加剤Cに変更した以外は製造例2と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造例6)
ゴム用添加剤Aをゴム用添加剤Dに変更した以外は製造例2と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造比較例1)
ゴム用添加剤Aを使用しなかった以外は製造例1と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
製造例1〜6及び製造比較例1の結果を表1に示した。
Figure 2021138858
(ゴム組成物の製造例7)
共役ジエン系重合体であるNRをSBR(JSR製E−SBR SBR−1500)に変更し、ゴム用添加剤B0.5重量部をゴム用添加剤B0.83重量部に変更した以外は、製造例3と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造比較例2)
ゴム用添加剤Bを使用しなかったこと以外は製造例7と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
製造例7及び製造比較例2の結果を表2に示した。
Figure 2021138858
(ゴム組成物の製造例8)
共役ジエン系重合体であるNRをIR(JSR製IR IR−2200)に変更し、ゴム用添加剤A0.5重量部をゴム用添加剤B0.83重量部に変更した以外は、製造例1と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造比較例3)
ゴム用添加剤Bを添加しなかったこと以外は、製造例8と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
製造例8及び製造比較例3の結果を表3に示した。
Figure 2021138858
(ゴム組成物の製造例9)
共役ジエン系重合体であるBRをSBR(JSR製E−SBR SBR−1500)に変更し、ゴム用添加剤A0.5重量部をゴム用添加剤B0.67重量部に変更した以外は、製造例1と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
(ゴム組成物の製造比較例4)
ゴム用添加剤Bを添加しなかったこと以外は、製造例9と同様にしてゴム組成物を作製し、加硫試験及びプレス加硫後に、物性測定を行った。
製造例9及び製造比較例4の結果を表4に示した。
Figure 2021138858
表1の製造例1〜6と比較例1の比較より、共役ジエン系重合体としてBR及びNRを含むゴム組成物において、本発明のゴム用添加物を含むゴム組成物は、加硫速度を示す指標であるT90−T10が小さくなっており、加硫促進効果があることが分かる。また、物性(破断伸び)も向上しており、加硫促進効果に加えて、ゴム組成物の物性を向上させる効果もあることが分かる。
また、表2の製造例7と比較例2との比較、表3の製造例8と比較例3の比較及び表4の合成例9と比較例4との比較より、共役ジエン系重合体の種類や組み合わせを変えた場合においても、本発明のゴム用添加剤を含むゴム組成物は、加硫促進効果があり、ゴム組成物の物性(低燃費性及び破断伸び)が向上していることが分かる。
本発明のゴム用添加剤は、ゴム組成物の加硫促進効果が高く、ゴム組成物の物性が向上することから、各種ゴム組成物に配合することで、タイヤをはじめ、防振ゴム、ゴムベルト、ホース、免震ゴム、ゴルフボール、ゴムローラー及び履物部材等に用いることができる。

Claims (17)

  1. 下記の一般式(1)で表される化合物を含む、ゴム用添加剤。
    Figure 2021138858
    (Zは酸素原子又は硫黄原子を示す。
    及びAは、6員環芳香環基又は少なくとも窒素原子1個を環の構成元素に含む6員環芳香族複素環基を示す。
    及びRは、A及びAの炭素原子と結合しており、各々独立に、無置換又は置換基を有する飽和の3〜12員環複素環基であり、窒素原子1個を複素環の構成元素に含み、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1個のヘテロ原子を複素環の構成成分として更に含んでもよい。
    m及びnは、各々独立に0〜4の整数で、m+n≧1を満たす数値である。)
  2. 前記一般式(1)のm及びnは、m=1及びn=1、又はm=0及びn=1である、請求項1に記載のゴム用添加剤。
  3. 前記一般式(1)のR及びR中の複素環の窒素原子は、A及びAの炭素原子と結合している、請求項1又は2に記載のゴム用添加剤。
  4. 前記一般式(1)のR及びRは、A及びAのパラ位の炭素原子と結合している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム用添加剤。
  5. 前記一般式(1)のR及びRは、各々独立に、窒素原子1個又は2個を環の構成成分に含む飽和の5〜6員環複素環基、窒素原子1個と酸素原子1個を環の構成成分に含む飽和の5〜6員環複素環基及び窒素原子1個と硫黄原子1個を環の構成成分に含む飽和の5〜6員環複素環基からなる群より選ばれる複素環基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム用添加剤。
  6. 前記一般式(1)のR及びRは、各々独立に、無置換又は置換基を有し、置換基は各々独立に、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基で置換されたアミノ基、窒素原子を1個以上含む3〜12員環複素環基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される置換基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム用添加剤。
  7. 共役ジエン系重合体と、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム用添加剤とを含む、ゴム組成物。
  8. 共役ジエン系重合体は、天然ゴム、変性天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群より選択される1種以上含む、請求項7に記載のゴム組成物。
  9. ゴム補強剤を更に含む、請求項7又は8に記載のゴム組成物。
  10. 共役ジエン系重合体100重量部に対して、ゴム用添加剤の添加量は、0.1〜5重量部である、請求項7〜9のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  11. 共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤と、加硫剤と、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム用添加剤とを混練する混練工程と、前記混練物を加硫する加硫工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
  12. 前記混練工程は、共役ジエン系重合体と、ゴム補強剤とを混練する第1混練工程と、第1混練工程で得られた混練物と、加硫剤と、前記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤とを混練する第2混練工程とを含む、請求項11に記載のゴム組成物の製造方法。
  13. 前記加硫剤と、前記一般式(1)で示される化合物を含むゴム用添加剤との配合割合は、1/10〜10/1である、請求項11又は12に記載のゴム組成物の製造方法。
  14. 請求項7〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  15. 請求項7〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたゴムベルト。
  16. 請求項7〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたゴルフボール。
  17. 請求項7〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いた靴底。
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