JP2021138556A - 粒状肥料および粒状肥料の製造方法 - Google Patents

粒状肥料および粒状肥料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】土壌にて微量肥料成分の栄養素が欠乏することなく、かつ微量肥料成分の濃度を均一に散布することができ、散布後の溶出性が良好である粒状肥料を得ることができる。また、高い粒硬度を有することから、製造後の肥料収率が向上できる。さらに肥料保管中にも粉化が生じにくく、かつ固結が発生しにくい粒状肥料を得ることができる。【解決手段】窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)と、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)が一体化して二次粒子を形成した粒状肥料であって、粒状肥料における窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A’)はその粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子割合が粒状肥料における粒子A’中50%以上を占め、粒状肥料における粒子B’はその粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子割合が粒状肥料における硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B’)中60%以上を占め、かつ、燃焼法で測定した粒状肥料における窒素含有率が13.5〜45.0%、原子吸光法で測定した粒状肥料における銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が0.3〜5.0%であることを特徴とする、粒状肥料。【選択図】なし

Description

本発明は、主原料として窒素肥料成分と硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケル等の微量肥料成分で構成される粒状肥料およびその製造方法に関する。
作物の正常な生育のためには、肥料として窒素、リン、カリの多量元素の他に、マグネシウム等の中量元素や銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の微量元素が必要である。かかる肥料元素を土壌に適量施肥する必要がある。
中でも、土壌中の微量元素は欠乏しやすいが、単に微量元素を単独で追加し施肥するだけでは過剰となりやすく、問題を解決することができないのが実情である。
そこで、微量元素を含んだ液状の肥料を与える葉面散布が行われている。しかし、大規模化した農地での葉面散布は手間がかかるため効率が悪く、機械散布が可能となる微量元素を粒中に適量含んだ粒状肥料が求められている。
その一方で、一般的に、微量元素を粒中に適量含んだ粒状肥料は粒硬度が低くなりやすく粒状化が困難である。また、低い粒硬度である場合、保管時に粉化しやすい問題があることから、窒素肥料元素以外の物質を添加することによる粒状化が検討されている。
例えば、非特許文献1では、硫酸マンガン0.6重量%をはじめとした微量肥料成分の他に、硫酸アンモニウムと硫酸マグネシウムを含む複合肥料が提案されている。また、特許文献1では、リン酸塩の粒子をベースとし、その粒子を尿素や硫酸アンモニウム等の窒素肥料成分でコーティングし、さらにそのコーティングを覆う形で微量肥料成分をコーティングした多層構造の粒状肥料組成物が提案されている。
安全データシート onodakagaku−14
特表2013−521213号公報
微量肥料成分を粒中に適量含んだ粒状肥料は、土壌において微量肥料成分の栄養素が欠乏することなく、かつ、散布後の微量肥料成分の溶出性が良好であることが求められる。
さらに、散布の際に発塵や機械内の流路での詰まりを発生させないよう粒状肥料の硬度が高くて粉化しにくく、保管中に固結が発生しないことが求められる。さらには、散布の際に到達飛距離にばらつきが少なく、かつ水田等において着水後すぐに沈降して土壌に着地するよう、粒径が均一で、かさ密度が高いことも求められている。
しかしながら、非特許文献1に記載される粒状肥料では、肥料成分以外のその他成分が粒状肥料全重量に対して20〜25重量%含まれており、かつ製造において多量の液体バインダーを使用して肥料成分を溶解しながら造粒しているため、粒状肥料に含まれる肥料成分の重量割合が不均一となったり、土壌中で微量肥料成分の溶け残りが発生する問題があった。
また、特許文献1に記載される粒状肥料組成物では、リン酸塩とともに散布されるため作物に吸収される前に土壌中で固定化される問題があった。
そこで、本発明は、これら従来技術の課題に鑑み、土壌において微量肥料成分の栄養素が欠乏することなく、かつ微量肥料成分を均一に散布することができ、散布後の溶出性が良好である粒状肥料を提供することを課題とする。また、高い粒硬度を有することから、製造後の肥料収率が向上でき、さらに肥料保管中にも粉化が生じにくく、かつ固結が発生しにくい粒状肥料を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、主として以下の構成を有する。
窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)と、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)が一体化して二次粒子を形成した粒状肥料であって、粒状肥料における窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A’)はその粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子割合が粒状肥料における粒子A’中50%以上を占め、粒状肥料における粒子B’はその粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子割合が粒状肥料における硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B’)中60%以上を占め、かつ、燃焼法で測定した粒状肥料における窒素含有率が13.5〜45.0%、原子吸光法で測定した粒状肥料における銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が0.3〜5.0%であることを特徴とする、粒状肥料。
窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)と、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)とを一体化せしめて二次粒子を形成する粒状肥料の製造方法であって、粒子Aはその粒径が1mmを超え、2mm以下であるものが粒子A中10重量%以上90重量%以下を占め、粒子Bはその粒径が1mmを超え、2mm以下であるものが粒子B中10重量%以上40重量%以下を占めており、粒状肥料の全体重量に対して、粒子Aを85.0〜98.8重量部と、粒子Bを1.2〜15.0重量部と、水を0〜4.0重量部とを混合して混合物を得る工程、該混合物を成型して二次粒子を形成する工程を含むことを特徴とする、粒状肥料の製造方法。
本発明によれば、土壌にて微量肥料成分の栄養素が欠乏することなく、かつ微量肥料成分を均一に散布することができ、散布後の溶出性が良好である粒状肥料を得ることができる。また、高い粒硬度を有することから、製造後の肥料収率が向上できる。さらに肥料保管中にも粉化が生じにくく、かつ固結が発生しにくい粒状肥料を得ることができる。
以下、本発明について、実施形態とともに詳細に説明する。
<窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)>
粒子Aは、窒素肥料成分から実質的になる粒子である。ここで、「実質的になる」とは、粒子A中の窒素肥料成分含有率が粒子A重量に対して平均して90重量%以上であることをいう。粒子Aが窒素肥料成分を含む割合は、95重量%以上が好ましく、さらに好ましくは98重量%以上であり、100重量%であれば最も好ましい。
本発明に用いる窒素肥料成分には特に制限が無く、公知のものも含めて植物の窒素含有率の栄養素として作用するものを用いることができる。かかる窒素肥料成分の具体例としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、尿素等が挙げられる。このうち硫酸アンモニウムは、粒状肥料としたときの溶出性や粒硬度の点で優れるので特に好ましい。
この粒子Aは、例えば晶析により結晶化させて得ることができる。粒子A中の窒素肥料成分が硫酸アンモニウムである場合は、粒子Aは、例えば、コークス炉廃ガスを硫酸と接触させて得られる硫酸アンモニウム水溶液や、カプロラクタムの製造において、カプロラクタム硫酸塩にアンモニアを添加して得られるカプロラクタムと硫酸アンモニウム混液を得た後に、カプロラクタム水溶液と硫酸アンモニウム水溶液を分離して得られる硫酸アンモニウム水溶液から、晶析により硫酸アンモニウムを結晶化した細粒結晶硫安として使用できる。結晶と母液の分離については、公知の方式で行うことができる。例えば、遠心分離によって液体から分離した後、乾燥することで得られる。細粒結晶硫安は、晶析時に過飽和度が高すぎると結晶が急激に凝集して母液を取り込み、粒径が大きく、水分が高く、不純物が多くなるため、圧力10.1kPaABS以上の圧力として晶析することで、結晶配向した、結晶性の高い細粒結晶硫安を得ることができる。結晶性の高さは、二次元X線回折を行うことで測定することができ、測定結果から求められる配向度が0.995以上であることが好ましい。さらに好ましくは配向度が0.997以上であり、配向度が1.0であれば、結晶性が最も高い場合であり、最も好ましい。また、細粒結晶硫安が硫酸アンモニウムを含む割合は、好ましくは95重量%以上であり、98重量%以上であれば、結晶性の高い細粒結晶硫酸アンモニウムとなり、最も好ましい。なお、配向度とは、結晶の揃い具合を示す指標であり、二次元X線回折において、あおり角χ(°)に応じて得られた配向性ピークの半値幅(°)より下記式(1)で示される。
配向度=(180−配向性ピーク半値幅)/180 ・・・(1)
細粒結晶硫安中のアンモニア性窒素の含有率は、単位重量あたりの窒素源としての肥料効果の面から、20.5%以上が好ましく、21.0%以上がさらに好ましい。なお、細粒結晶硫安中のアンモニア性窒素の含有率は、肥料等試験法(2019)に従い燃焼法で測定した値である。
粒子A中の窒素肥料成分が尿素である場合は、粒子Aは、例えば、アンモニアと二酸化炭素を原料として、高温高圧条件で反応させて尿素含有溶液とし、該尿素含有溶液を精留、乾燥することによって得られるプリル尿素を使用することができる。プリル尿素中の窒素含有率は、単位重量あたりの窒素源としての肥料効果の面から、45%以上含むことが好ましく、46%以上含むことがさらに好ましい。なお、プリル尿素中の窒素含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、燃焼法で測定した値である。
本発明の粒状肥料の製造に用いる粒子Aは、その粒径が1mmを超え2mm以下の粒子が粒子A全体の10重量%以上90重量%以下である。好ましくはその粒径が1mmを超え2mm以下の粒子が粒子A全体の20重量%以上90重量%以下であり、より好ましくはその粒径が1mmを超え2mm以下の粒子が粒子A全体の30重量%以上90重量%以下であることである。粒径が2mmを超える場合は、混合する際に分級が生じて成分均一性の低下を招き、造粒する際に粒子同士の接触面積が小さく造粒しにくくて造粒物中に占める窒素肥料成分の割合が少なくなるため粒硬度の低下を生じる。粒径が1mm以下のものが多く含まれる場合は、粒子Aのかさ密度が低下して造粒しにくく、原料の利用効率が低下する。ここでの粒子Aの粒径および量は、篩(例えば、目開き9メッシュ=2.0mm、目開き16メッシュ=1.0mm)で分級して求めることができる。
本発明の粒状肥料の製造に用いる粒子Aのかさ密度は、好ましくは0.90g/ml以上1.1g/ml以下である。搬送時の飛散を防止したり、造粒時の造粒収率を高くするために、かさ密度は0.93g/ml以上1.1g/ml以下であることがより好ましく、0.96g/ml以上1.1g/ml以下であることがさらに好ましい。なお、粒子Aのかさ密度は、「JIS R 1628:1997 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準じて測定する。
本発明の粒状肥料の製造に用いる粒子Aの水分率は、5重量%以下であることが好ましい。より好ましくは4重量%以下であり、さらに好ましくは3重量%以下である。粒子Aが細粒結晶硫安の場合の水分率は、0.5重量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.4重量%以下であり、さらに好ましくは0.3重量%以下である。なお、窒素肥料成分の水分率は、肥料等試験法(2019)に従い乾燥減量法で測定した値である。
<微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)>
粒子Bは、微量肥料成分から実質的になる粒子である。ここで、「実質的になる」とは、粒子B中の微量肥料成分含有率が粒子B重量に対して平均して90重量%以上であることをいう。粒子Bが微量肥料成分を含む割合は、95重量%以上が好ましく、さらに好ましくは98重量%以上であり、100重量%であれば最も好ましい。かかる微量肥料成分は、粒状肥料の原料として使用する際の取り扱い性や、製造後の粒状肥料の収率や、さらには粒状肥料としたときの溶出性や粒硬度の点で優れることから、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種である。
この粒子Bは、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種を含む溶液から微量肥料成分を含む溶質を粒子化して母液と分離することで得ることができる。
粒子B中の微量肥料成分が硫酸銅である場合は、粒子Bは、例えば、自然鉱物の精製や、銅を焼成した酸化銅と希硫酸を反応させる硫酸反応法によって得られ、硫酸銅の銅含有率は、単位重量あたりの銅源としての肥料効果の面から、15%以上含むことが好ましく、20%以上含むことがより好ましく、25%以上含むことがさらに好ましい。なお、硫酸銅の銅含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、フレーム原子吸光法で測定した値である。
粒子B中の微量肥料成分が硫酸亜鉛である場合は、粒子Bは、例えば、亜鉛や酸化亜鉛等の亜鉛原料に希硫酸を添加して反応させる硫酸分解法によって得られ、硫酸亜鉛の亜鉛含有率は、単位重量あたりの亜鉛源としての肥料効果の面から、20%以上含むことが好ましく、30%以上含むことがより好ましく、35%以上含むことがさらに好ましい。なお、硫酸亜鉛の亜鉛含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、フレーム原子吸光法で測定した値である。
粒子B中の微量肥料成分が硫酸マンガンである場合は、粒子Bは、例えば、軟マンガン鉱を石灰粉またはコークスと混合し800℃程度で焙焼して得た一酸化マンガンに希硫酸を加えて反応させる焙焼還元法や菱マンガン鉱と硫酸を反応させる硫酸含侵法によって得られ、硫酸マンガンのマンガン含有率は、単位重量あたりのマンガン源としての肥料効果の面から、20%以上含むことが好ましく、25%以上含むことがより好ましく、30%以上含むことがさらに好ましい。なお、硫酸マンガンのマンガン含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、フレーム原子吸光法で測定した値である。
粒子B中の微量肥料成分が硫酸鉄である場合は、粒子Bは、例えば、イルメナイトと濃硫酸を用いて酸化チタンを製造する際に副生する硫酸鉄を回収することによって得られ、硫酸鉄の鉄含有率は、単位重量あたりの鉄源としての肥料効果の面から、15%以上含むことが好ましく、20%以上含むことがより好ましく、25%以上含むことがさらに好ましい。なお、硫酸鉄の鉄含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、フレーム原子吸光法で測定した値である。
粒子B中の微量肥料成分が硫酸ニッケルである場合は、粒子Bは、例えば、電気ニッケルを製造する際に副生する硫酸ニッケルを回収することによって得られ、硫酸ニッケルのニッケル含有率は、単位重量あたりのニッケル源としての肥料効果の面から、15%以上含むことが好ましく、20%以上含むことがより好ましく、25%以上含むことがさらに好ましい。なお、硫酸ニッケルのニッケル含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、フレーム原子吸光法で測定した値である。
なお、かかる微量肥料成分は、原料として取り扱う際の安定性や粒状肥料とした際に粉化を抑制できるという観点から、含水塩であることが好ましい。具体的には、硫酸銅水和物、硫酸亜鉛水和物、硫酸マンガン水和物、硫酸鉄水和物などがあげられる。中でも、硫酸銅5水和物、硫酸亜鉛1水和物、硫酸マンガン1水和物、硫酸第一鉄7水和物、硫酸ニッケル6水和物が好ましく用いられる。
本発明の粒状肥料の製造に用いる粒子Bは、その粒径が1mmを超え2mm以下の粒子が粒子B全体の10重量%以上40重量%以下である。好ましくはその粒径が1mmを超え2mm以下の粒子が粒子B全体の15重量%以上40重量%以下であり、さらに好ましくはその粒径が1mmを超え2mm以下の粒子が粒子B全体の20重量%以上40重量%以下である。粒径が2mmを超える場合は、混合する際に分級が生じて成分均一性の低下を招き、造粒する際に粒子同士の接触面積が小さく造粒しにくくて粒硬度の低下を生じる。粒子Bの粒径が1mm以下の場合は、粒子Bのかさ密度が低下して造粒しにくく、原料の利用効率が低下する。ここでの粒子Bの粒径および量は、篩(例えば、目開き9メッシュ=2.0mm、目開き16メッシュ=1.0mm)で分級して求めることができる。
本発明の粒状肥料の製造に用いる粒子Bのかさ密度は、0.90g/ml以上1.10g/ml以下である。搬送時の飛散を防止したり、造粒時の造粒収率を高くするために、かさ密度は0.93g/ml以上1.10g/ml以下であることがより好ましく、0.96g/ml以上1.10g/ml以下であることがさらに好ましい。なお、粒子Bのかさ密度は、「JIS R 1628:1997 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準じて測定する。
<粒状肥料>
本発明の粒状肥料は、窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)と、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)とが一体化して二次粒子を形成した粒状肥料である。このような粒状肥料を得るには、原料としての粒子Aと粒子Bとを混合するか、あるいは粒子Aと粒子Bとを水の存在下に混合し、該混合物を、成型(造粒ともいう)することで得られる。すなわち、粒子A’および粒子B’は、粒状肥料の原料である粒子Aおよび粒子Bをそれぞれ由来とし、粒状肥料の形成前後で粒径分布や形状が変化したものである。この粒状肥料中の粒子A’と粒子B’は、粒状肥料の断面を走査型電子顕微鏡観察―エネルギー分散型X線分析を用いることにより判別することができる。
原料としての粒子Aと粒子B、および粒状肥料内の粒子A’と粒子B’を好ましい粒径とするために、原料の混合前に粉砕機で粉砕してもよい。粉砕機の種類に特に制限はなく、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル等の粉砕機を使用することができるが、粉砕粒度の制御がしやすいピンミルが好ましく用いられる。
粒子Aと粒子Bを必要に応じて粉砕機で粉砕して好ましい粒径とした後、混合機で粒子Aと粒子Bとを混合するか、あるいは粒子Aと粒子Bとを水の存在下に混合し、造粒、解砕、整粒、分級を順次行うことで肥料として好ましい硬度、かさ密度、および形状を有する粒状肥料を得ることができる。
なお、本発明の要旨を逸脱せず、また、目的を阻害しない限りにおいて、粒子Aおよび粒子B以外の成分を用いることは差し支えない。たとえば、他の栄養素において肥効を持つ物質、結着剤などの保型性を改良する物質、無機フィラーや有機フィラーなどの添加剤が挙げられる。
粒子Aと粒子Bとの混合方法は、均一に混合できれば混合機の種類に特に制限はなく、水平円筒型、V型、ダブルコーン型等の容器回転型混合機や、リボン型、スクリュー型、パドル型等の容器固定型の混合機を使用することができるが、連続処理が可能であることからパドル型混合機が好ましく用いられる。混合時間は、2分以上15分以下が好ましく、さらに好ましくは5分以上10分以下である。混合時間が2分より短くなると、混合物中で粒子Aと粒子Bが均一に分散せず、粒状化した際に各粒子の偏りが生じる。混合時間が15分を超えて長くなると、肥料の連続製造においては混合機容量を大きくすることとなるため経済的に不利である。
粒子Aと粒子Bとを混合する際に、水を存在させてもよい。水の量は、粒子Aと粒子Bの重量の総和を100重量部としたとき、0〜4.0重量部とすることが好ましい。より好ましくは0〜3.0重量部であり、さらに好ましくは0〜2.0重量部である。存在せしめる水の量が4.0重量部を超えて高くなると、混合物を混合機から排出して造粒機へ搬送する際に機器への付着量が多くなって収量が低下したり、粒状肥料の保管時に固結性が悪化する場合がある。
成型方法としては、公知の方法が取り得るが、圧縮造粒が好ましく、圧縮造粒装置は、タブレット方式、板状方式、ブリケット方式の何れを用いても問題ないが、タブレット方式では生産効率が低く粒状肥料の大量生産が困難であり、また板状方式では球形でバリの少ない粒状肥料を生産することが困難であるため、ブリケット方式を用いることが好ましい。ブリケット方式の圧縮造粒装置としては、例えばブリケッタ(登録商標)BSS型(新東工業製)などを好ましく用いることができる。
粒子Aと粒子Bとが混合された混合物、あるいは水の存在下で粒子Aと粒子Bとが混合された混合物(これらを造粒原料ともいう)を圧縮造粒装置に供給する方法に特に制限はないが、例えば該混合物をホッパーに貯蔵し、ホッパーに付帯した搬送コンベアより造粒装置に直接供給、または、ホッパー搬送コンベアからベルトコンベアやバケットコンベア等を経由して造粒装置へ供給することができる。
造粒圧力とは、造粒原料に加わる総荷重を有効幅で割った値(線圧)を示し、有効幅とは、造粒原料に荷重が加わる部分における、圧縮機側の長径を示す。例えば、タブレット方式であれば有効幅はタブレット部分の長径であり、ローラーを用いたブリケット方式であれば、有効幅はローラーにて造粒原料が圧縮されている部分の長さである。造粒圧力は、6.0kN/cm以上30.0kN/cm以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは7.0kN/cm以上30.0kN/cm以下であり、さらに好ましくは8.0kN/cm以上30.0kN/cm以下である。造粒圧力が6.0kN/cm未満の場合、圧力不足のため、造粒原料の造粒自体が起こらない傾向にある。造粒圧力が30.0kN/cmを超えて高くなると、過剰な圧力により得られた造粒物に亀裂が生じたり、圧縮造粒機に必要以上の荷重がかかるため、装置寿命が著しく低下する傾向にある。
造粒ローラー回転数とは、ローラーを用いて圧縮造粒するブリケット方式および板状方式におけるローラーの回転速度であり、40rpm以上が好ましい。より好ましくは50rpm以上であり、さらに好ましくは60rpm以上である。造粒ローラー回転数が40rpm未満の場合、原料への造粒圧力が高くなって造粒物に亀裂が生じたり、生産量が低下する恐れがある。
圧縮造粒機のバリ厚みとは、造粒原料に荷重が加わる部分における造粒原料の最短径を示す。例えばタブレット方式であれば、バリ厚みはタブレット部分の短径であり、ローラーを用いたブリケット方式であれば、バリ厚みは造粒して得た造粒物の板状部分の厚みの長さである。バリ厚みは、1.0mm以上2.5mm以下の範囲内にあることが好ましく、1.2mm以上2.0mm以下の範囲内にあることがより好ましい。バリ厚みが1.2mm未満であると、粒状肥料の圧壊強度・収量ともに低下する傾向にある。バリ厚みが2.0mmを超えて厚くなると、粒状肥料の形状が肥料散布に不適となることや、造粒した粒状肥料を、例えば解砕ボールを用いた振動篩で解砕し粒径を揃える場合、篩の目詰まりの原因となるため好ましくない。
バリが少なく、圧壊強度が強く、粉塵の発生も少なく、固結が起こりにくい粒状肥料を得るために、圧縮造粒機を用いて原料を造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の造粒物を解砕し、球形整粒機を用いて造粒物を整粒し、分級機を用いて整粒の粒状肥料を分級することが好ましい。各工程における粒状肥料の輸送方法に制限はないが、自然落下・コンベア輸送・風送などを用いることが可能であり、コンベア輸送で造粒原料を造粒機に輸送した後、自然落下で解砕機・球形整粒機・分級機へ輸送する方法が好ましい。これら輸送機器を含めた機器の接粉部分については、粒状肥料に耐食性を持つ材質を用いることが好ましく、SUS316Lまたは樹脂を用いることが好ましい。
圧縮造粒機で造粒した粒状肥料は、解砕、整粒、分級を行うことで肥料として好ましい硬度、かさ密度、および形状を有する粒状肥料を得ることができる。
粒径の揃った粒状肥料を得るために、解砕機を用いて圧縮造粒後の粒状肥料を解砕することが好ましい。解砕機の種類に特に制限は無く、例えば、ジョークラッシャー・ロールクラッシャーなどの各種クラッシャーや、ローラーミル・カッティングミルなどの各種ミル、解砕メディアを添加した振動篩などが好ましく用いられる。また、これらの解砕機を組み合わせ用いることも可能である。
球形でバリの少ない粒状肥料を得るために、整粒機を用いて整粒することが好ましい。整粒機の種類に特に制限はなく、例えば高速転動方法、オシレータ式、架砕方式、遠心回転方式などが好ましく用いられ、高速転動方式の球形整粒機であるマルメライザー(登録商標:ダルトン製)を用いて粒状肥料を整粒することがより好ましい。
整粒機の処理時間は、0.2〜5.0分の範囲内にあることが好ましく、0.3〜3.0分の範囲内であることがより好ましい。整粒機の処理時間が上記を超えて低くなると、粒状肥料のバリ除去が不十分となる。整粒機の処理時間が上記を超えて高くなると、バリ以外の部分が切削される量が増加し、粒状肥料の収量が低下する。さらに整粒処理に必要な時間が多くなるため、単位時間あたりの粒状肥料収量も低下する。
整粒機の回転速度は、50〜2000回転/分の範囲内にあることが好ましく、100〜1500回転/分の範囲内にあることがより好ましい。整粒機の回転速度が上記の範囲より低くなると、粒状肥料のバリ除去が不十分となり、さらに整粒処理に必要な時間が多くなるため、単位時間あたりの粒状肥料収量も低下する。整粒機の回転速度が上記の範囲を超えて高くなると、騒音増加および機器寿命の低下といった問題が生ずる。
所定の粒径以上の粒状肥料を得るために、分級機を用いて粒状肥料を分級することが望ましい。乾式分級が可能なものであれば、分級機の種類に特に制限はないが、振動篩を用いることが好ましい。篩の目開きは、所定の粒径を得られる大きさであれば特に制限はないが、1.8〜2.2mm、および3.8〜4.2mmの目開きであることが好ましく、これら目開きを有する篩を組み合わせて粒径2.0〜4.0mmの粒状肥料を得る分級方法が好ましい。
本発明の粒状肥料は、該粒状肥料中、粒子A’は粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子が粒子A’中50%以上を占め、粒子B’は粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子が粒子B’中60%以上を占め、かつ、燃焼法で測定した窒素含有率が13.5〜45.0%、原子吸光法で測定した銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が0.3〜5.0%である。好ましくは、該粒状肥料中に燃焼法で測定した窒素含有率が16.0〜25.0%、原子吸光法で測定した銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が0.7〜4.0%であることであり、より好ましくは燃焼法で測定した窒素含有率が18.0〜20.0%、原子吸光法で測定した銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が1.0〜3.0%であることである。燃焼法で測定した窒素含有率が13.5%未満、原子吸光法で測定した銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が5.0%超である場合は、微量肥料成分の比率が多いため、散布後の土壌において局所的な濃度の高まりを招きやすくなる。また、粒硬度が低下し、粉化しやすくなる。燃焼法で測定した窒素含有率が45%超、原子吸光法で測定した銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が0.3%未満である場合は、粒状肥料中の窒素肥料成分と微量肥料成分の比率に偏りが生じ、作物の生育に支障が出る。粒状肥料内の窒素含有率、および銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率は、肥料等試験法(2019)に従い燃焼法、およびJIS K 0121に規定する原子吸光法(フレーム原子吸光法)に準拠して測定した。粒状肥料中に含まれる窒素肥料成分と微量肥料成分の量は粒子Aおよび粒子Bの配合量を調整することによって所望の範囲とすることができる。
また、本発明の粒状肥料において粒子A’の粒径は、0.1mmを超え1.0mm以下のものが粒子A’中50%以上であり、さらに好ましくは0.1mmを超え1.0mm以下のものが粒子A’中60%以上である。粒子A’の粒径が1mmを超えるものが多い場合は、製造時に原料内で自然分級が生じて粒状肥料とした後の粒ごとの成分含有率のばらつきを招いたり、粒状肥料中に占める原料の接触面積が小さいため粒硬度の低下を生じる。粒子A’の粒径が0.1mm以下のものが多い場合は、保管時に粉化して粒状肥料どうしの固結性が悪化する。粒子A’の粒径は、粒状肥料の断面を走査型電子顕微鏡観察―エネルギー分散型X線分析にて解析し、窒素肥料成分を含む粒子を識別し、画像解析ソフトを用いてランダムに100粒の粒径をそれぞれ測定し、下記式(2)により0.1mmを超え1mm以下の粒径の割合を求めることができる。
0.1mmを超え1mm以下の粒子の割合(%)=(粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子の粒数)/100粒×100 ・・・(2)
本発明の粒状肥料において粒子B’の粒径は、0.1mmを超え1mm以下のものが粒子B’中60%以上であり、好ましくは0.1mmを超え1.0mm以下のものが粒子B’中70%以上である。粒子B’の粒径が1mmを超えるものが多い場合は、製造時に原料内で自然分級が生じて粒状肥料とした後の粒ごとの成分含有率のばらつきを招いたり、粒状肥料中に占める原料の接触面積が小さいため粒硬度の低下を生じる。粒子B’の粒径が0.1mm以下のものが多い場合は、保管時に粉化して粒状肥料どうしの固結性が悪化する。粒子B’の粒径は、粒状肥料の断面を走査型電子顕微鏡観察―エネルギー分散型X線分析にて解析し、微量肥料成分を含む粒子を識別し、画像解析ソフトを用いてランダムに100粒の粒径をそれぞれ測定し、下記式(3)により0.1mmを超え1mm以下の粒径の割合を求めることができる。
0.1mmを超え1mm以下の粒子の割合(%)=(粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子の粒数)/100粒×100 ・・・(3)
粒状肥料の二次粒子形成後の粒硬度は、二次粒子形成から時間経過すると若干変動しうるが、使用時および運搬時を想定しての製品として流通される際の本発明の粒状肥料の粒硬度としては、2kgf以上であることが好ましい。粒硬度が2kgf未満であると、粒状肥料の保管中や運搬中にも粉化が発生しやすく、粉体を介しての粒状物どうしの固結の原因となる。また散布時には粒が崩壊して均一な施肥が困難となる。一方、上限としては特に制限が無いが、5kgf以下であることが好ましく、5kgfを越える場合は、土壌中での粒状肥料の溶解性が悪く、肥効が低下することがある。より好ましくは3kgf以上5kgf以下であり、さらに好ましくは3.5kgf以上4.5kgf以下である。なお、粒状肥料の粒硬度は木屋式硬度計で粒状肥料20粒の粒硬度を測定し、これら粒硬度の平均値を粒硬度とする。
粒状肥料からの微量肥料成分の溶出率は、設計どおりの肥効を作物に与える目的から大きいことが望ましく、銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属分の粒状肥料からの初期の量でもって規格化された溶出率として90%以上であることが好ましい。より好ましくは92%であり、全量が溶出したことを表す100%が最も好ましい。なお、粒状肥料からの微量肥料成分の前記溶出率は、下記の方法に従って求められる。まず、溶出試験として、100mlの植木鉢に園芸土50mlを入れ、園芸土の上に粒状肥料約10gを天秤で計量後に載せ、25℃、70%RHの恒温恒湿槽に静置し、1日1回10mlの水を霧吹きで満遍なく添加した。30日後に園芸土の上に残留した粒状肥料をピンセットで取り出して乳鉢上ですり潰しながら混合してひと検体とした。該検体から分析サンプルを取り出し、銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属分を肥料等試験法(2019)に従って原子吸光法で定量分析し、分析サンプル重量で割ることで金属分率を算出した。また、試験前の粒状肥料に含まれる銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属分も同様に、試験前の粒状肥料をピンセットで取り出して乳鉢上ですり潰しながら混合してひと検体とした後、該検体から分析サンプルを取り出し、肥料等試験法(2019)に従って原子吸光法で定量分析し、分析サンプル重量で割ることで金属分率を算出した。粒状肥料からの微量肥料成分の溶出率は、上記の測定値を用いた下記式(4)から求められる。
微量肥料成分の溶出率(%)=
(1−((試験後の粒状肥料残留物の重量)×(試験後の粒状肥料残留物に含まれる金属含有率))/((試験前の粒状肥料の重量)×(試験前の粒状肥料に含まれる金属含有率)))×100 ・・・(4)
前記粒状肥料からの微量肥料成分の溶出率の算出に用いた試験方法の場合に、窒素肥料成分、微量肥料成分、および粒状肥料の構成成分が全て土壌に溶出して溶出率が100%となるのに要する日数は10日以上30日以下が好ましく、10日以上〜25日以下がより好ましく、10日以上20日以下がさらに好ましい。溶出率が30日を超える場合は、微量肥料成分の土壌への溶出速度が遅くて作物の根からの吸収が遅くなり、欠乏症に陥る可能性がある。溶出率が10日未満となる場合は、微量肥料成分の土壌への溶出速度が速すぎて局所的に濃度が高まり、過剰症に陥る可能性がある。
圧縮造粒機を用いて原料を造粒し、解砕機を用いて圧縮造粒後の造粒物を解砕し、また球形整粒機を用いて造粒物を整粒し、分級機を用いて整粒後の粒状肥料を分級した際に得られる篩下の微粉は、原料中にリサイクルして混合し、原料として使用することができる。粒状肥料の収率は、造粒時および整粒時の粒状肥料の廃棄量をできるだけ削減するため、あるいは廃棄せずに造粒工程へリサイクルするためには50%以上であることが好ましい。より好ましくは55%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。なお、収率とは、造粒機に投入する造粒原料の重量に対する造粒および整粒して得られた粒状肥料の重量割合であって、下記式(5)で示される。
収率(%)=(粒状肥料の重量)/(造粒機に投入する造粒原料の重量)×100 ・・・(5)
粒状肥料の形状は、機械施肥をした場合に作物の葉などに付着せず土壌に落下するよう、粒状肥料の長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)が1.0以上1.4以下であることが好ましく、1.0以上1.3以下であることがより好ましく、1.0以上1.2以下であることがさらに好ましい。球形状ではない、例えば平らな形状の圧片肥料であると、葉に付着して落下せず葉やけを生じたり、土への栄養分供給が乏しくなることがある。
粒状肥料の粒径は、機械施肥において、肥料を均一に散布するため、2mm以上4mm以下のものが全肥料の90重量%以上を占めることが好ましい。より好ましくは2.5mm以上3.5mm以下のものが90重量%以上を占めることである。所定の粒径の粒状肥料は、分級機を用いて分級することで得ることができ、乾式分級が好ましく採用できる。乾式分級機の種類には特に制限はないが、振動篩を用いることが好ましい。篩の目開きは、所定の粒径を得られる大きさであれば特に制限はないが、1.8〜2.2mm、および3.8〜4.2mmの目開きであることが好ましく、これら目開きを有する篩を組み合わせて粒径2.0〜4.0mmの粒状肥料を得る分級方法が好ましい。篩(目開き5メッシュ=4.0mm、6メッシュ=3.5mm、8メッシュ=2.5mm、9メッシュ=2.0mm)で分級して求めることができる。
粒状肥料のかさ密度は、機械施肥において均一散布できかつ水田等において着水後すぐに沈降して土壌に着地するよう0.90g/ml以上1.1g/ml以下であることが好ましく、0.92g/ml以上0.98g/ml以下であることがより好ましく、0.94g/ml以上0.96g/ml以下であることがさらに好ましい。なお、粒状肥料のかさ密度は、「JIS R 1628:1997 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準じて測定する。
粒状肥料の水分率は、長期保管中の粒状肥料どうしの固結を防止する観点で5.0重量%以下であることが好ましい。より好ましくは4.0重量%以下であり、さらに好ましくは3.0重量%以下である。また、下限としては1.0重量%以上であることが好ましい。粒状肥料の水分率が5.0重量%を超える場合は、粒状肥料の保管時に、粒状肥料どうしの接触部分で肥料成分が溶出・固化して粒同士が架橋し、凝集して取扱い性が悪化することがある。水分率が1.0重量%未満となる場合は、粒状肥料中に含まれる窒素肥料成分と微量肥料成分の結合力が低下して粒状肥料の硬度の低下に繋がることがある。粒状肥料の水分率は、肥料等試験法(2019)に従い乾燥減量法で測定した値である。
固結とは、粒どうしが接触部分で架橋して塊になる現象であり、機械散布する際に塊により散布がしにくかったり、できなかったりして施肥効率が低下するだけでなく、均一に散布できなかった場合には作物の生育にも悪影響を与える。粒状肥料の固結率は、取り扱いを容易にするため20%以下であることが好ましい。固結率が20%を超えるとホッパーからの流動性が低下し、機械施肥が困難になることがある。より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、全く固結がない0%が最も好ましい。なお、固結率はポリ製小袋に充填した粒状肥料750gを上部と下部にダミーの肥料袋1袋(1袋あたり750g)ずつ置き、その上部に木製板を置いて堆積し、60kgの錘で一ヶ月荷重後の粒状肥料のうち固結部分重量(g)の割合(%)であり、下記式(6)で示される。
固結率(%)=(一ヶ月間荷重後の固結部分重量)/750×100 ・・・(6)
粒状肥料の固結強度は、1kg/cm以下であることが好ましい。1kg/cm以上であると、例えば固結部分がフレコンから流れ出にくいため、ホッパーに投入することが容易ではない、あるいは機械施肥において生育させる植物まで粒状肥料を均一に散布できないなど、取り扱い性に劣る。より好ましくは固結強度が0.5kg/cm以下であり、さらに好ましくは0.2kg/cm以下である。最も好ましく、かつ理想的には、0kg/cmである。なお、固結強度は、山中式土壌硬度計を使用して針部を肥料上面に対して垂直に圧入して測定した値である。
粒状肥料の粉化率は、保管時の固結を防ぐため1.0%以下であることが好ましい。粉化率が1.0%を越えると粉化した粉体を介して保管時に固結しやすく、さらには機械施肥において生育させる植物まで粒状肥料をまくことができないなど、取り扱い性に劣る。より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下であり、全く粉化がない0%が最も好ましい。なお、粉化率は粒状肥料750gに対して60kgの錘で一ヶ月荷重後の粒状肥料のうち、目開き2mmの篩いを使用して得た粒径が2mm以下のものの割合(%)であり、下記式(7)で示される。
粉化率(%)=(粒径2mm以下のものの重量(g))/750×100
・・・(7)
粉砕、混合、造粒、解砕、整粒、および分級して粒状肥料を製造した後、粒状肥料に、固結防止材としてタルク、クレー、カオリン、ベントナイト、ポリエチレングリコール、ステアリン酸金属塩、ラウリル硫酸金属塩、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、およびフッ化リチウムから選ばれる少なくとも一種を粒状肥料表面に被覆して粒状肥料とすることができる。被覆する方法としては、造粒原料を造粒および整粒し、分級機で分級した後に均一に被覆されていれば、分級機出口で添加してもよいし、ミキサーを用いて混合し被覆してもよいし、ベルトコンベア上で吹き付けを行って被覆してもよい。
粒状肥料に対する固結防止材の添加量は、粒状肥料100重量部に対して0.05〜3.0重量部が好ましく、装置への付着によるロスや、単位重量当たりの肥料成分含有率への影響がなく、肥料として溶解性がよい肥料を得るためには粒状肥料組成物100重量部に対して0.1〜0.3重量部がより好ましい。装置への付着ロスをより少なくするためには、粒状肥料100重量部に対して0.15〜0.25重量部がさらに好ましい。
本発明の粒状肥料を用いるにおいては、単肥、あるいは他の粒状肥料をドライブレンドして得られるバルクブレンド肥料のいずれとしても良い。この混合肥料は任意の割合でブレンドできるため、作物毎に対応したブレンドを行うことができる。
本発明の態様を更に具体的に実施例を用いて以下に説明するが、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
物性等の測定方法は以下のとおりである。また、特に断らない限り10サンプルについて測定し、算術平均として求めた。
(1)粒子Aと粒子Bの成型前での粒径の割合
粒子Aと粒子Bの成型前段階での粒径の割合は、目開き9メッシュ=2.0mm、および目開き16メッシュ=1.0mmの篩を使用して、下記式により1.0mmを超え2mm以下の粒径の割合を算出した。
1mmを超え2mm以下の粒子の割合(重量%)=(粒径1mmを超え2mm以下の粒子の重量)/(篩分け前の粒子の重量)×100
(2)粒子A’と粒子B’の粒状肥料成型後の粒径の割合
粒子A’と粒子B’の粒状肥料内での粒径は、粒状肥料の断面を走査型電子顕微鏡観察―エネルギー分散型X線分析にて解析し、窒素肥料成分を含む粒子と微量肥料成分を含む粒子を識別して、画像解析ソフトを用いてランダムに100粒の粒径をそれぞれ測定し、下記式により0.1mmを超え1mm以下の粒径の割合を算出した。
0.1mmを超え1mm以下の粒子の割合(%)=(粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子の粒数)/100粒×100
(3)粒子Aと粒子Bの成形前での水分率
粒子Aと粒子Bの成形前での水分率は、乾燥前の粒子Aまたは粒子Bを130℃で3時間乾燥後に重量測定を行った際の乾燥減量により求めた値であり、下記式で算出した。
粒子Aの水分率(重量%)=((乾燥前の粒子A重量)−(乾燥後の粒子A重量))/(乾燥前の粒子A重量)×100
粒子Bの水分率(重量%)=((乾燥前の粒子B重量)−(乾燥後の粒子B重量))/(乾燥前の粒子B重量)×100
(4)粒状肥料の二次粒子形成後の粒硬度
粒状肥料の二次粒子形成後(成型後)の粒硬度は、木屋式硬度計で造粒物20粒の粒硬度を測定し、これら粒硬度の平均を求めたものである。
粒硬度が高い値を示すほど、高い硬度を有する粒状肥料を得ることを示す。
(5)粒状肥料の収率
粒状肥料の収率は、造粒機に投入する造粒原料の重量に対する造粒および整粒して得られた粒状肥料の重量であって、下記式により算出した。
粒状肥料の収率(%)=(粒状肥料の重量)/(造粒原料の重量)×100
(6)粒状肥料の粒径
粒状肥料の粒径は、目開き9メッシュ=2.0mmおよび5メッシュ=4.0mmの篩を使用して、下記式により2mm以上4mm以下の粒径のものの割合を算出した。
粒状肥料の2mm以上4mm以下のものの割合(重量%)=(粒径2mm以上4mm以下の粒径のものの重量)/(篩分け前の粒状肥料の重量)×100
(7)粒状肥料中の窒素含有率
粒状肥料中の窒素含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、燃焼法の原理に基づいて構成された全窒素測定装置(ゲルハルトジャパン(株)製 デュマサーム)を用いて測定した。まず、検量線用標準品としてエチレンジアミン四酢酸(純度99重量%以上)を用いた試験及び空試験を実施し、全窒素測定装置の指示値と窒素量とをプロットして検量線を作成した。続いて、粒状肥料サンプルを0.5mm以下の粒径になるまで粉砕して粉砕物を得、該粉砕物から約100mgを0.1mgの桁まで測り取って分析サンプルとし、燃焼用容器に入れて燃焼法全窒素測定装置に挿入して測定を実施した。測定後の指示値を読み取り、検量線を用いて窒素の重量を算出した。算出した窒素の重量を分析サンプルの重量で割ることで粒状肥料中の窒素含有率の含有率を算出した。
(8)粒状肥料中の銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率
粒状肥料中の銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率は、肥料等試験法(2019)に従い、JIS K 0121に規定する原子吸光法(フレーム原子吸光法)に準拠して測定した。
(9)粒状肥料からの微量肥料成分の溶出率
微量肥料成分の粒状肥料からの初期の量でもって規格化された溶出率は、下記の方法に従って求められる。まず、溶出試験として、100mlの植木鉢に園芸土50mlを入れ、園芸土の上に粒状肥料約10gを天秤で計量後に載せ、25℃、70%RHの恒温恒湿槽に静置し、1日1回10mlの水を霧吹きで満遍なく添加した。30日後に園芸土の上に残留した粒状肥料をピンセットで取り出して乳鉢上ですり潰しながら混合してひと検体とした。該検体から分析サンプルを取り出し、銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属分を肥料等試験法(2019)に従って原子吸光法で定量分析し、分析サンプル重量で割ることで金属分率を算出した。また、試験前の粒状肥料に含まれる銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属分も同様に、試験前の粒状肥料をピンセットで取り出して乳鉢上ですり潰しながら混合してひと検体とした後、該検体から分析サンプルを取り出し、肥料等試験法(2019)に従って原子吸光法で定量分析し、分析サンプル重量で割ることで金属分率を算出した。粒状肥料からの微量肥料成分の溶出率は、上記の測定値を用いた下式に従って算出した。
微量肥料成分の溶出率(%)=
(1−((試験後の粒状肥料残留物の重量)×(試験後の粒状肥料残留物に含まれる金属分率))/((試験前の粒状肥料の重量)×(試験前の粒状肥料に含まれる金属分率)))×100 ・・・(4)
溶出率が高い値を示すほど、散布後の溶出性が良好である粒状肥料を得ることを示す。
(10)粒状肥料からの窒素肥料成分と微量肥料成分の溶出率100%に要する日数
粒状肥料からの窒素肥料成分と微量肥料成分の溶出率100%に要する日数は、100mlの植木鉢に園芸土50mlを入れ、園芸土の上に粒状肥料10gを載せ、25℃、70%RHの恒温恒湿槽に静置し、1日1回10mlの水を霧吹きで満遍なく添加し、園芸土の上に残留した粒状肥料が確認されなくなった時点の試験開始日からの経過日数とした。
(11)粒状肥料の長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)
粒状肥料の長軸径と短軸径の比は、粒状肥料の写真撮影画像を使用して画像解析式の粒径測定装置により長軸径と短軸径を測定し、長軸径を短軸径で割ることで算出した。
(12)粒状肥料のかさ密度
粒状肥料のかさ密度は、「JIS R 1628:1997 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準じて測定した。
(13)粒状肥料の水分率
粒状肥料の水分率は、乾燥前の粒状肥料を130℃で3時間乾燥後に重量測定を行った際の乾燥減量により求めた値であり、下記式で算出した。
粒状肥料の水分率(重量%)=((乾燥前の粒状肥料重量)−(乾燥後の粒状肥料重量))/(乾燥前の粒状肥料重量)×100
(14)粒状肥料の固結率
粒状肥料の固結率は、ポリ製小袋に充填した粒状肥料750gを上部と下部にダミーの肥料袋1袋ずつ置き、その上部に木製板を置いて堆積し、60kgの錘で一ヶ月間荷重後の粒状肥料のうち固結部分重量(g)の割合であり、下記式で算出した。
粒状肥料の固結率(%)= (一ヶ月間荷重後の固結部分重量)/750×100
固結率が低い値を示すほど、固結が発生しにくい粒状肥料を得ることを示す。
(15)粒状肥料の固結強度
粒状肥料の固結強度は、山中式土壌硬度計を使用して針部を肥料上面に対して垂直に圧入して測定した値である。
固結強度が低い値を示すほど、固結が発生しにくい粒状肥料を得ることを示す。
(16)粒状肥料の粉化率
粒状肥料の粉化率は、粒状肥料750gに対して60kgの錘で一ヶ月間荷重後の粒状肥料組成物のうち、目開き2mmの篩を使用して得た粒径が2mm以下のものの割合であり、下記式で算出した。
粒状肥料の粉化率(%)= (粒径2mm以下のものの重量(g))/750×100
粉化率が低い値を示すほど、粉化しにくい粒状肥料を得ることを示す。
実施例1〜19、比較例1〜7においては、表1〜3に示す窒素肥料成分から実質的になる粒子(表中では粒子Aと表記)と微量肥料成分から実質的になる粒子(表中では粒子Bと表記)を成形して粒状肥料を製造した。
(実施例1)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)98重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が33重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)2重量部とを、混合機としてダウ・ミキサー(株式会社新日南製)に供給して10分間混合した。次いで、該混合物を造粒機としてブリケッタ(登録商標)BSS−IV型(新東工業製)に供給し、ロール有効幅を185mm、ロール圧力を8.3kN/cm、バリ厚みを1.70mm、ポケットサイズをΦ3.9mm×0.94mm、ローラー回転数を50rpmとして造粒を行い、粗砕機にて破砕した後、目開き6.7mm、5.2mm、2.2mmの篩いを有する3段解砕篩機(興和工業所製)に投入し、解砕メディア(ナイロン硬球ボール上段200個、下段200個)で解砕した。続いて、該造粒物をマルメライザー(ダルトン製)に篩上解砕品を投入し、回転数225rpmで20秒間整粒処理を行った後に、目開き2mmの篩を有する円形振動篩機(ダルトン製)に供給して分級を行い、目開き2mmの篩上品を粒状肥料として回収した。粒状肥料の収率は55%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は65%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は87%、窒素含有率は20.7%、銅分は0.5%、水分率は0.9重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は10日であった。また、粒状肥料の粒硬度は3.4kgf、かさ密度は0.96g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例2)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が37重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)5重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は59%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は61%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は81%、窒素含有率は20.0%、銅分は1.2%、水分率は2.1重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は12日であった。また、粒状肥料の粒硬度は3.2kgf、かさ密度は0.96g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例3)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)90重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が37重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)10重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は57%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は69%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は83%、窒素含有率は19.0%、銅分は2.5%、水分率は3.2重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は19日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.6kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例4)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)86重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が37重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)14重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は54%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.5mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.11、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は73%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は89%、窒素含有率は18.2%、銅分は3.5%、水分率は4.2重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は25日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.1kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は5%であった。
(実施例5)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が37重量%の硫酸銅無水物粒子(粒子B)5重量部と水を3重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は50%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は52%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は88%、窒素含有率は19.5%、銅分は1.9%、水分率は3.4重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は11日であった。また、粒状肥料の粒硬度は1.3kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は13%であった。
(実施例6)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の尿素粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が37重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)5重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は55%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.5mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.11、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は87%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は81%、窒素含有率は44.3%、銅分は1.2%、水分率は2.3重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は20日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.2kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は2%であった。
(実施例7)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の尿素粒子(粒子A)85重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が37重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)15重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は51%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は78%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は83%、窒素含有率は39.6%、銅分は3.8%、水分率は4.9重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は28日であった。また、粒状肥料の粒硬度は1.4kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は9%、固結強度は3kg/cm、粉化率は9%であった。
(実施例8)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が24重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)8重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は51%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は69%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は85%、窒素含有率は19.4%、亜鉛分は2.9%、水分率は0.9重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は18日であった。また、粒状肥料の粒硬度は1.5kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は5%であった。
(実施例9)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)96重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が24重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)4重量部と水を2重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は59%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は66%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は86%、19.9%、亜鉛分は1.4%、水分率は2.1重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は12日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.8kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例10)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が24重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)8重量部と水を2重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は64%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は72%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は83%、窒素含有率は19.1%、亜鉛分は2.8%、水分率は2.6重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は17日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.3kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例11)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)88重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が24重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)12重量部と水を2重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率55%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は74%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は81%、窒素含有率は18.2%、亜鉛分は4.2%、水分率は3.4重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は23日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.1kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例12)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が24重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)8重量部と水を5重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は43%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は65%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は78%、窒素含有率は18.5%、亜鉛分は2.7%、水分率は5.9重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は15日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.4kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は12%、固結強度は2kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例13)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が24重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)8重量部と50重量%糖蜜水溶液を3重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は56%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.5mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.11、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は68%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は79%、窒素含有率は19.2%、亜鉛分は2.8%、水分率は2.9重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は81%であって、溶出率100%に要する日数は34日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.9kgf、かさ密度は0.96g/ml、固結率は9%、固結強度は2kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例14)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が41重量%の硫酸亜鉛無水物粒子(粒子B)8重量部と水を3重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は51%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は54%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は81%、窒素含有率は18.9%、亜鉛分は3.1%、水分率は3.1重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は18日であった。また、粒状肥料の粒硬度は1.1kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は16%であった。
(実施例15)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が21重量%の硫酸亜鉛7水和物粒子(粒子B)8重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は55%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.5mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.11、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は65%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は88%、窒素含有率は19.4%、亜鉛分は1.8%、水分率は3.2重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は17日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.4kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例16)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)93重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が35重量%の硫酸マンガン1水和物粒子(粒子B)7重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は52%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は68%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は87%、窒素含有率は19.7%、マンガン分は2.2%、水分率は0.8重量%であった。また、窒素肥料成分の溶出率は100%、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は15日であった。また、粒状肥料の粒硬度は1.3kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は7%であった。
(実施例17)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)93重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が35重量%の硫酸マンガン1水和物粒子(粒子B)7重量部と水を2重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は62%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は74%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は83%、窒素含有率は19.3%、マンガン分は2.2%、水分率は2.3重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は15日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.1kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例18)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)90重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が27重量%の硫酸第一鉄7水和物粒子(粒子B)10重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は63%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.5mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.11、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は55%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は72%、窒素含有率は19.5%、鉄分は1.9%、水分率は2.8重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は11日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.9kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(実施例19)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)97重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が23重量%の硫酸ニッケル6水和物粒子(粒子B)3重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は60%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.5mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.11、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は63%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は75%、窒素含有率は19.9%、ニッケル分は0.6%、水分率は2.2重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は13日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.4kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(比較例1)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)80重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が33重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)20重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は35%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.4mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.15、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は63%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は79%、窒素含有率は16.9%、銅分は5.1%、水分率は5.9重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は85%であって、溶出率100%に要する日数は32日であった。また、粒状肥料の粒硬度は1.8kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は15%、固結強度は3kg/cm、粉化率は4%であった。
(比較例2)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が8重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が43重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)5重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は41%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.3mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.18、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は37%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は55%、窒素含有率は20.0%、銅分は1.2%、水分率は1.6重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は63%であって、溶出率100%に要する日数は43日であった。また、粒状肥料の粒硬度は0.8kgf、かさ密度は0.94g/ml、固結率は17%、固結強度は2kg/cm、粉化率は13%であった。
(比較例3)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が13重量%の尿素粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が43重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)5重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は36%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.2mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.22、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は42%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は48%、窒素含有率は44.3%、銅分は1.2%、水分率は2.3重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は59%であって、溶出率100%に要する日数は45日であった。また、粒状肥料の粒硬度は0.6kgf、かさ密度は0.93g/ml、固結率は45%、固結強度は5kg/cm、粉化率は21%であった。
(比較例4)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が8重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)92重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が3重量%の硫酸亜鉛1水和物粒子(粒子B)8重量部と水を2重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は38%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.2mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.22、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は33%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は36%、窒素含有率は19.1%、亜鉛分は2.8%、水分率は2.6重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は100%であって、溶出率100%に要する日数は8日であった。また、粒状肥料の粒硬度は0.5kgf、かさ密度は0.92g/ml、固結率は5%、固結強度は1kg/cm、粉化率は8%であった。
(比較例5)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が27重量%の硫酸マグネシウム1水和物粒子(粒子B)5重量部と水を1重量部とした以外は実施例1と同様の方法で混合、造粒、解砕、整粒、分級して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は55%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.6mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.08、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は73%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は81%、窒素含有率は19.2%、マグネシウム分は2.1%、水分率は1.7重量%であった。また、微量肥料成分の溶出はなく、溶出率100%に要する日数は8日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.8kgf、かさ密度は0.95g/ml、固結率は0%、固結強度は0kg/cm、粉化率は0%であった。
(比較例6)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)95重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が33重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)5重量部と50重量%糖蜜水溶液を20重量部とを、混合機としてダウ・ミキサー(株式会社新日南製)に供給して10分間混合した。次いで、該混合物を造粒機としてパン型造粒機に供給して、パン直径30cm、パン回転数20rpmで5分間造粒を行った後に、目開き2mmの篩を有する円形振動篩機(ダルトン製)に供給して分級を行い、目開き2mmの篩上品を粒状肥料として回収した。得られた粒状肥料は棚段乾燥機を用いて200℃で1時間乾燥した。粒状肥料の収率は46%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.8mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.03、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は14%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は3%、窒素含有率は18.5%、銅分は1.0%、水分率は2.2重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は51%であって、溶出率100%に要する日数は59日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.2kgf、かさ密度は0.96g/ml、固結率は3%、固結強度は1kg/cm、粉化率は0%であった。
(比較例7)
粒径1mmを超え2mm以下の粒子が57重量%の硫酸アンモニウム粒子(粒子A)99重量部と粒径1mmを超え2mm以下の粒子が33重量%の硫酸銅5水和物粒子(粒子B)1重量部と50重量%糖蜜水溶液を20重量部とした以外は比較例6と同様の方法で混合、造粒、分級、乾燥して粒状肥料を製造した。粒状肥料の収率は43%、2mm以上4mm以下粒径の割合は95%で、長軸径は3.9mm、短軸径は3.8mmであって、長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)は1.03、粒状肥料中の粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子A’は21%、粒径0.1mmを超え1mm以下の粒子B’は5%、窒素含有率は19.2%、銅分は0.2%、水分率は2.4重量%であった。また、微量肥料成分の溶出率は79%であって、溶出率100%に要する日数は38日であった。また、粒状肥料の粒硬度は2.6kgf、かさ密度は0.96g/ml、固結率は5%、固結強度は2kg/cm、粉化率は0%であった。
結果を表1〜3に示す。
Figure 2021138556
Figure 2021138556
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以上に説明されるとおり、原料である窒素肥料成分から実質的なる粒子(粒子A)と微量肥料成分から実質的なる粒子(粒子B)の粒径分布と、粒子Aと粒子Bの量的割合を所定の範囲とすることで、微量肥料成分の濃度を局所的に高めることがないため過剰症を抑制でき、溶出性が良好であるため土壌内で残留することなく、窒素肥料成分とともに均一に散布でき、二次粒子形成後の粒硬度が高くて製造後の肥料収率が高く、また、球状であって肥料保管中にも粉化が生じにくく、かつ固結が発生しない粒状肥料を得ることができることが判る。
本発明による粒状肥料は、土壌にて微量肥料成分の栄養素が欠乏することなく、かつ微量肥料成分の濃度を均一に散布することができ、散布後の溶出性が良好である粒状肥料を得ることができる。また、保管時に粉化し固結して流動性が低下することがなく、小規模農場での人の手による施肥のみならず、大規模農場での機械散布を行うことができる。また、用途・目的に応じて粒状肥料を他の粒状肥料と任意の割合でドライブレンドしたバルクブレンド肥料にできるため、米、野菜、果物等の生育に使用することができる。

Claims (15)

  1. 窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)と、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)が一体化して二次粒子を形成した粒状肥料であって、粒状肥料における窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A’)はその粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子割合が粒状肥料における粒子A’中50%以上を占め、粒状肥料における粒子B’はその粒径が0.1mmを超え、1mm以下の粒子割合が粒状肥料における硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B’)中60%以上を占め、かつ、燃焼法で測定した粒状肥料における窒素含有率が13.5〜45.0%、原子吸光法で測定した粒状肥料における銅、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属含有率が0.3〜5.0%であることを特徴とする、粒状肥料。
  2. 前記粒状肥料中の水分率が1.0〜5.0重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の粒状肥料。
  3. 前記粒状肥料の二次粒子形成後の粒硬度が2kgf以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の粒状肥料。
  4. 前記粒状肥料の長軸径と短軸径の比(長軸径/短軸径)が1.0以上1.4以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の粒状肥料。
  5. 前記粒状肥料のかさ密度が0.9g/ml以上1.1g/ml以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粒状肥料。
  6. 前記窒素肥料成分が硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、尿素から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の粒状肥料。
  7. 前記微量肥料成分が含水塩であることを特徴とする、請求項1に記載の粒状肥料。
  8. 窒素肥料成分から実質的になる粒子(粒子A)と、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種の微量肥料成分から実質的になる粒子(粒子B)とを一体化せしめて二次粒子を形成する粒状肥料の製造方法であって、粒子Aはその粒径が1mmを超え、2mm以下であるものが粒子A中10重量%以上90重量%以下を占め、粒子Bはその粒径が1mmを超え、2mm以下であるものが粒子B中10重量%以上40重量%以下を占めており、粒状肥料の全体重量に対して、粒子Aを85.0〜98.8重量部と、粒子Bを1.2〜15.0重量部と、水を0〜4.0重量部とを混合して混合物を得る工程、該混合物を成型して二次粒子を形成する工程を含むことを特徴とする、粒状肥料の製造方法。
  9. 前記粒状肥料の長軸径と短軸径の比が1.0以上1.4以下となるように成型することを特徴とする、請求項8に記載の粒状肥料の製造方法。
  10. 前記粒状肥料のかさ密度が0.9g/ml以上1.1g/ml以下となるように成型することを特徴とする、請求項8または9に記載の粒状肥料の製造方法。
  11. 前記二次粒子を形成する成型の方法が圧縮造粒であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の粒状肥料の製造方法。
  12. 前記圧縮造粒は、一対のローラーを用いたブリケット方式で圧縮することを特徴とする、請求項11に記載の粒状肥料の製造方法。
  13. 前記圧縮造粒は、造粒圧力が6.0kN/cm以上30.0kN/cm以下であることを特徴とする、請求項11または12に記載の粒状肥料の製造方法。
  14. 前記成型工程として圧縮造粒を行って造粒物を得て、次いで整粒することを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載の粒状肥料の製造方法。
  15. 前記整粒は、回転式整粒方式であることを特徴とする、請求項14に記載の粒状肥料の製造方法。
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