JP2021124231A - 灰押出装置及び灰押出装置の改造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、このような課題に鑑み案出されたものであって、清掃を頻繁に行う必要がなく、簡易な構造で、且つ、戻り灰の堆積を抑制できる灰押出装置、及び、一般の灰押出装置を本発明の灰押出装置に安価に改造できる方法を提供することを目的する。
図1に示すように、本実施形態の灰押出装置1は焼却炉(例えばストーカ炉)に設けられ、焼却炉で生成された焼却灰を冷却槽2で冷却したのち搬送装置19(例えばコンベヤ)へと排出する。灰押出装置1は、焼却灰を冷却する貯留水が貯留された冷却槽2と、冷却槽2内に配置されたスクレーパ3及び駆動装置4とを有する。冷却槽2には、焼却灰が導入される導入口21及び冷却された焼却灰を排出する排出口22が設けられる。
スクレーパ3が往復動作すると貯留水に水流が生じ、貯留水に浸かっている焼却灰が貯留水とともに隙間Gから第二空間26に入り込んで第二空間26に堆積する戻り灰となりうる。灰押出装置1は、焼却灰が第二空間26に入り込むことを防止したり、第二傾斜面23b上に堆積した戻り灰を清掃したりする方法ではなく、第二空間26内に入り込んだ戻り灰が堆積することを抑制し、隙間Gを通じて消火加湿空間24に戻るように構成した点に特徴がある。
従って、隙間Gの焼却灰による閉塞が抑制されるため、スクレーパ3の往復動作に伴って、戻り灰を含む貯留水を第二空間26から消火加湿空間24へ効果的に排出することができる。
ここで、一般的な灰押出装置を、上述した灰押出装置1に改造するための方法について説明する。本改造方法は、三つの工程を有する。第一の工程は、上述した冷却槽2とスクレーパ3と駆動装置4と有する一般的な灰押出装置に対し、開孔を形成する工程である。この工程では、壁面20のうち、第二傾斜面23bの上方且つ所定水位よりも下方となる壁面の下端部20bに開孔を形成する。
(1)本実施形態の灰押出装置1によれば、第一配管5を通じて貯留水内で噴出されたガスが泡となりながら水流を生じさせ、上記はね返りにより泡を伴った水流が隙間G近傍に流れ込む。これにより、焼却灰による隙間Gの閉塞が抑制できるため、スクレーパ3の往復動作に伴う隙間Gを介した貯留水の行き来を確保できる。言い換えると、スクレーパ3の往復動作により生じる水流に乗せて、戻り灰を貯留水とともに隙間Gから消火加湿空間24へ排出することができる。したがって、簡易な構造で、戻り灰の堆積を抑制することができる。また、戻り灰の堆積を抑制することができるので、清掃を頻繁に行う必要もない。
また、冷却槽2の貯留水の液量は、スクレーパ3を動作させない場合における所定水位まで貯留される液量に制限され、それ以上の液量については、排水管12から排出される。このため、ガスではなく液体を使用する場合は、プラントの運転コストを上昇させることになりうる。これに対し、第一噴出口50からガスを噴出する構成であれば、貯留水の液量に影響しないため、プラントの運転コストを安価にすることができる。
上述した灰押出装置1は一例であり、上述した構成に限られない。以下、二種類の変形例について説明する。これら二つの変形例は組み合わせることも可能である。以下の説明では、上述した実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示す第一変形例の灰押出装置1′は、実施形態の灰押出装置1に対し、二つの注水管7、9及び注水ノズル71を追加し、さらに各々に対応した電磁バルブ72、82、92を追加して、制御装置10がこれら電磁バルブ72、82、92の開閉を制御する点が主に異なる。
注水管7〜9からの貯留水の供給量は、後述するとおり、上記の制御装置10によって実水位(水位計11で検出された水位)に基づき制御される。
なお、このとき、制御装置10は、電磁バルブ82または電磁バルブ92を開弁して第二注水管8または第三注水管9から水を注水してもよい。
また、多量の焼却灰が灰シュートから落下して、所定水位よりも上方に堆積した場合でも、注水ノズル71の水噴射によってこの堆積した焼却灰を崩すとともに素早く加湿できる。そのうえ、注水ノズル71の水噴射は、基本的に水面を直撃するため、導入口21の下方の水面の浮遊灰が水面で固化するアーチングをさらに効果的に防止できる。
または、制御装置10は、所定水位から実水位を減じた高低差が所定値以上の場合、少なくとも電磁バルブ72を開弁して注水ノズル71から上記既定量の液体の噴射を開始し、その後、当該高低差が所定値未満となったら、電磁バルブ82を開弁して第二注水管8のみから液体を注水して、実水位から所定水位に向けて貯留水を増水するよう制御してもよい。
水位計11は第二空間26に配置されるため、第二空間26に配置された第二注水管8から主に注水することで、水位の調整を適切に行うことができる。
図3に示す第二変形例の灰押出装置1″は、実施形態の灰押出装置1に対し、第二配管6及びそれに対応した第二電磁バルブ62を追加し、第二配管6からガスを噴出する点が主に異なる。第二配管6は、第二傾斜面23bの上方であって、往復動作するスクレーパ3及びアーム41に接触しない位置に一端6aから他端6bまで配置される。第二配管6の一端6aは、所定水位よりも下方に配置され、他端6bは所定水位よりも上方に配置される。
図3に拡大して示すように、本変形例の第二配管6の一端6aの形状は、実質的に水平方向に屈曲形成された角部を備えたL字形状である。この角部が第二傾斜面23bに接触して配置される。これにより、第二噴出口60からガスを噴出した際に、ガスの圧力で一端6aが後進方向Dr側に押し戻されても、第二配管6の変形または変位が防止される。
また、第二傾斜面23bにおいてスクレーパ3の後進によりかき上げられた戻り灰の物理的な圧力によって第二配管6が変形または変位することも防止される。さらに、第二噴出口60からガスを噴出するので、スクレーパ3の後進によりかき上げられた戻り灰による第二噴出口60の閉塞も防止できる。
従って、第二空間26内の戻り灰の堆積が抑制される。
2 冷却槽
3 スクレーパ
3a 上面
3b 押出面
3c 先端
4 駆動装置
5 第一配管
5a 一端
5b 他端
6 第二配管
6a 一端
6b 他端
7 第一注水管
8 第二注水管,注水管
9 第三注水管
10 制御装置
11 水位計
12 排水管
19 搬送装置
20 壁面
20b 下端部
20F 前壁
20R 後壁
21 導入口
22 排出口
23 底面
23a 第一傾斜面
23b 第二傾斜面
23c 最下面
23d 開口端
24 消火加湿空間
25 第一空間
26 第二空間
40 駆動軸
41 アーム
50 第一噴出口
51 第一コンプレッサ
52 第一電磁バルブ
60 第二噴出口
61 第二コンプレッサ
62 第二電磁バルブ
71 注水ノズル
72、82、92 電磁バルブ
Df 前進方向
Dr 後進方向
G 隙間
Claims (6)
- 焼却灰が導入される筒状の壁面からなる導入口及び貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、
前記冷却槽内に配置され、先端が前記冷却槽の底面の全幅に亘って接するとともに前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、
前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置され、前記スクレーパを駆動する駆動装置と、
前記冷却槽内の前記貯留水を増水する注水管と、
前記冷却槽内の前記貯留水が、前記壁面の下端よりも上方且つ前記排出口よりも下方である所定水位を超えた場合に前記貯留水を排水するための排水管とを有し、
前記冷却槽の前記底面は、前記導入口の直下から前記排出口が形成された開口端に向かって上り傾斜となる第一傾斜面と、前記第一傾斜面と同一幅であって前記導入口の直下から前記第一傾斜面の逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面とを備え、
前記駆動装置は、前記第二傾斜面の上方に配置された駆動軸を備え、前記駆動軸が回動することで前記駆動軸と前記スクレーパとに接続されたアームによって前記スクレーパを前記底面に沿って前進及び後進の往復動作させる灰押出装置であって、
前記第二傾斜面の上方であって、前記往復動作する前記スクレーパ及び前記アームに接触しない位置に一端から他端まで配置された第一配管を有し、
前記第一配管は、前記一端が前記所定水位よりも下方に配置されるとともに、前記一端に、前記他端から導入されたガスを噴出する第一噴出口を備え、
前記第一噴出口は、前記壁面のうち前記第二傾斜面の上方に位置する壁面の下端部に形成された開孔に接続され、
前記第一噴出口から噴出された前記ガスにより生じる前記貯留水の水流と前記ガスによる泡とによって、前記壁面の前記下端部と前記スクレーパの上面との隙間に前記貯留水を流通させること
を特徴とする灰押出装置。 - 前記ガスは、圧縮空気または前記焼却灰を生成する焼却炉の排ガスであること
を特徴とする請求項1に記載の灰押出装置。 - 前記壁面に配置された注水ノズルをさらに有し、
前記注水ノズルは、前記隙間に向けて液体を噴射すること
を特徴とする請求項2に記載の灰押出装置。 - 前記第二傾斜面の上方に配置され、前記貯留水の水位を検出する水位計と、
前記水位計で検出された実際の水位である実水位に基づいて、前記注水管からの前記貯留水の供給量を制御する制御装置とをさらに有し、
前記注水管は、前記注水ノズルに接続された第一注水管と、前記第一注水管とは異なる注水管であって前記第二傾斜面の上方に配置された第二注水管とを備え、
前記制御装置は、前記実水位が前記所定水位未満である場合、前記第二注水管から前記液体を注水するとともに、前記第一注水管を通じて前記注水ノズルから所定量の前記液体を注水して、前記実水位が前記所定水位に向けて増水するよう制御すること
を特徴とする請求項3に記載の灰押出装置。 - 前記第二傾斜面の上方であって、前記往復動作する前記スクレーパ及び前記アームに接触しない位置に一端から他端まで配置された第二配管を有し、
前記第二配管は、前記一端が前記所定水位よりも下方に配置されるとともに、前記一端に、前記他端から導入されたガスを前記第二傾斜面と前記スクレーパとの間に向けて噴出する第二噴出口を備え、
前記第二噴出口から噴出された前記ガスにより生じる前記貯留水の水流と前記ガスによる泡とによって、前記第二傾斜面側に堆積しようとする戻り灰を攪拌すること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の灰押出装置。 - 焼却灰が導入される筒状の壁面からなる導入口及び貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、
前記冷却槽内に配置され、先端が前記冷却槽の底面の全幅に亘って接するとともに前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、
前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置され、前記スクレーパを駆動する駆動装置とを有し、
前記冷却槽の前記底面は、前記導入口の直下から前記排出口が形成された開口端に向かって上り傾斜となる第一傾斜面と、前記第一傾斜面と同一幅であって前記導入口の直下から前記第一傾斜面の逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面とを備え、
前記貯留水は、前記冷却槽内に、前記壁面の下端よりも上方且つ前記排出口よりも下方である所定水位で貯えられ、
前記駆動装置は、前記第二傾斜面の上方に配置された駆動軸を備え、前記駆動軸が回動することで前記駆動軸と前記スクレーパとに接続されたアームによって前記スクレーパを前記底面に沿って前進及び後進の往復動作させる灰押出装置の改造方法であって、
前記壁面のうち、前記第二傾斜面の上方且つ前記所定水位よりも下方となる壁面の下端部に開孔を形成する工程と、
前記第二傾斜面の上方、且つ、往復運動する前記スクレーパ及び前記アームに接触しない位置に配管を配置する工程と、
ガスの噴出口である前記配管の一端を前記開孔に接続する工程と
を有する灰押出装置の改造方法。
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