JP2021120286A - ロール製品用コンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成かつ軽量化された構成で高重量のロール製品を安定して固定することができるロール製品用コンテナを提供する。【解決手段】ロール製品用コンテナ1は、ロール製品100の支管端部101が載置される支管端部支持部73と、ロール製品100の軸線に対して略垂直方向にスライド可能なスライド部83とを有する。スライド部83は、支管端部支持部73に載置された支管端部101の上部外周面をスライド部83の端部が側方から押圧して支管端部101を固定する位置と、支管端部支持部73に載置された支管端部101の上部外周面からスライド部83の端部が離隔して支管端部支持部73に載置された支管端部101の固定を解除する位置との間を進退可能なように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、パレットと、パレットの側辺に沿って対向して立設される一対の基枠とにより、支管を有するロール製品を収容するための物品収容空間が形成されるロール製品用コンテナに関する。
従来、ロール製品を物品収容空間内に保持するロール製品用コンテナまたはロール製品用ラックとして、ロール製品の支管端部を支持するように構成されているものが知られている。
特許文献1には、複数のロールを収納することが可能なロール製品用コンテナが開示されている。特許文献1に開示されているロール製品用コンテナは、収納物(ロール製品)を固定するための仕切り板を有しており、半円状切り欠きを上下に対向させた支持孔でロール製品から突き出した支管端部を挟持して支持するように構成されている。
特許文献2には、支管の径の異なるロール製品でも共通して使用することのできるロール製品用ラックが開示されている。特許文献2に開示されているロール製品用ラックは、ロール製品の支管端部が載置される断面が略V字形状の支管載置部と、支管端部の上部に当接して支管の移動を抑える支管押さえ部材を有している。
特許文献3には、ロール製品への埃等の付着を抑え、複数幅のロールを収納できるロール製品用コンテナが開示されている。特許文献3に開示されているロール製品用コンテナは、ロール製品の支管端部を受ける受け台と、支管端部を上部から押さえて固定する押さえ部材とを有している。
特許文献4には、複数のロール幅および支管直径に対応できる組み立て式コンテナが開示されている。特許文献4に開示されている組み立て式コンテナは、ロール端部に突き出した支管端部が載置可能な支管受け台と、支管端部を上部から押さえて固定する支管押さえベルトを有している。
特許第6375727号公報 実用新案登録第3184000号公報 特許第4840424号公報 実用新案登録第3197245号公報
特許文献1〜3に開示されている技術では、ロール製品の支管端部を上方から押さえ付ける治具を用いてロール製品を固定できるようになっている。しかしながら、これらの構造はいずれも複数の部材を用いる必要があるとともに、支管端部を上方から押さえ付けるための荷重を発生させるために部材の重量を重くする必要があるという問題があった。
例えば、特許文献1に開示されている仕切り板、特許文献2に開示されている支管押さえ部材、特許文献3に開示されている押さえ部材はいずれも、支管端部を押さえ付けるための荷重を発生させるために所定の重量が必要とされ、例えば、特許文献1に開示されている仕切り板は1枚当たり2kg、特許文献2に開示されている支管押さえ部材は3kg程度、特許文献3に開示されている支管押さえ部材は2kg程度の重量となる。このため、コンテナ自体の重量が重くなってしまうという問題があり、より軽量化されたロール製品コンテナの開発が求められている。
一方、特許文献4に開示されている技術では、極めて軽量な支管押さえベルト(重量が100g程度)を用いてロール製品を固定することができ、軽量化されたロール製品コンテナを実現している一方、面ファスナーを用いているため高重量のロール製品を固定することが困難であるという問題があった。
上記の問題に鑑みて、本発明は、簡易な構成かつ軽量化された構成で高重量のロール製品を安定して固定することができるロール製品用コンテナを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るロール製品用コンテナは、パレットと前記パレットの側辺に沿って対向して立設される一対の基枠とにより、支管を有するロール製品を収容するための物品収容空間が形成されるロール製品用コンテナであって、
前記一対の基枠の各々には、前記ロール製品の支管端部が載置される、上方に開口する開口部を備えた支管端部支持部と、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部を固定する支管端部固定治具とが設けられており、
前記支管端部固定治具は、前記基枠に固定されたスライド基部と、前記スライド基部に対して相対的にスライド可能であって、前記ロール製品の軸線に対して略垂直方向にスライド可能なスライド部とを有し、
前記スライド部は、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の上部外周面を前記スライド部の端部が側方から押圧して前記支管端部を固定する位置と、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の上部外周面から前記スライド部の端部が離隔して前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の固定を解除する位置との間を進退可能なように構成されていることを特徴とする。
この構成により、簡易な構成かつ軽量化された構成で、高重量のロール製品を固定するために十分な荷重を発生させることができ、ロール製品を安定してかつ確実に固定することができる。特に、従来の構成と比較した場合、高重量のロール製品を固定するために用いられる部材の重量を飛躍的に軽減させることができ、その結果、ロール製品用コンテナの軽量化を実現することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナは、上記の構成に加えて、前記支管端部の上部外周面に当接する前記スライド部の端部には、前記スライド部の端部が前記支管端部の上部外周面に当接する位置における前記上部外周面の接平面と略平行な当接面が形成されていてもよい。
この構成により、スライド部の端部に形成されている当接面によって、支管端部を傷つけることなく支管端部の上部外周面を効率良く押さえ付けることができ、ロール製品用コンテナ内に収容されるロール製品を安定してかつ確実に固定することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナは、上記の構成に加えて、前記支管端部固定治具が、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の上部外周面を前記スライド部の端部が側方から押圧して前記支管端部を固定する位置に前記スライド部を固定する固定機構を有してもよい。
この構成により、スライド部の端部によって支管端部の上部外周面を押さえ付けてロール製品を固定した状態を、固定機構により維持することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナは、上記の構成に加えて、前記固定機構が、前記スライド基部に対して前記スライド部を押圧または押圧解除して、前記スライド基部に対して前記スライド部の固定または固定解除を行うためのクランプレバーであってもよい。
この構成により、クランプレバーを操作することで、スライド基部に対してスライド部を固定または固定解除できるようになり、簡単な操作によってロール製品を固定できるようになる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナは、上記の構成に加えて、前記一対の基枠の各々に設けられている前記支管端部固定治具は、前記支管端部支持部に前記支管端部が載置された前記ロール製品の軸線を挟んで対角の位置に設けられていてもよい。
この構成により、一対の基枠の各々に設けられている支管端部固定治具によって、軸線を挟んで両側からロール製品の支管端部の側方を押さえ付ける力を作用させることができ、ロール製品用コンテナ内に収容されるロール製品を安定してかつ確実に固定することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナは、上記の構成に加えて、前記一対の基枠が前記パレットに対して略垂直となるように立設された立設形態と、前記一対の基枠が前記パレットと略平行となるように前記パレット上に折り畳まれた折り畳み形態とに変形できるように構成されていてもよい。
この構成により、ロール製品を収容する使用時には立設形態となるように組み立てることができ、不使用時には折り畳み形態として効率的に保管および搬送することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナは、上記の構成に加えて、前記一対の基枠の各々の側辺を構成する支柱部材に、当該ロール製品用コンテナの側板の側辺を嵌挿するための溝を形成する溝形成部材が前記支柱部材の長手方向に沿って設けられていてもよい。
この構成により、物品収容空間内にロール製品の収容容積を効率良く確保しながら、ロール製品をコンテナ外部から保護することができる。
本発明によれば、簡易な構成かつ軽量化された構成で高重量のロール製品を安定して固定することができるロール製品用コンテナを提供することができる。
本発明の一実施形態におけるロール製品用コンテナの一例を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態におけるロール製品用コンテナの一例であって、3枚の側板を立設した状態を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態におけるロール製品用コンテナの一例であって、全ての側板を立設して上蓋を被せた状態を示す分解斜視図である。 図3のA−A断面図である。 図3のB−B断面図である。 図1の領域C(支管固定部近傍)の部分拡大図である。 本発明の一実施形態において、支管端部支持部に載置されたロール製品の支管端部を固定していない状態を示す支管固定部近傍の部分拡大図である。 本発明の一実施形態において、支管端部支持部に載置されたロール製品の支管端部を支管端部固定治具を用いて固定した状態を示す支管固定部近傍の部分拡大図である。 本発明の一実施形態における折り畳み形態のロール製品用コンテナを示す斜視図である。 本発明の一実施形態における折り畳み形態のロール製品用コンテナを示す正面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態におけるロール製品用コンテナは、ロール製品を収容して搬送および保管等を行うためのコンテナであり、支管端部固定治具のスライド部が、支管端部支持部で支持したロール製品の支管端部の上部外周面を側方から押圧することで支管端部を固定し、これにより、軽量かつ簡単な構成でロール製品を安定して、かつ、確実に固定できるように構成されている。
なお、本実施形態におけるロール製品用コンテナに収容されるロール製品とは、例えばフィルムシート、金属箔、織物等が支管の周りに巻回されたものである。
本実施形態におけるロール製品用コンテナの構成について、図1〜図10を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるロール製品用コンテナの一例を示す分解斜視図である。図2は、本発明の一実施形態におけるロール製品用コンテナの一例であって、3枚の側板を立設した状態を示す分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態におけるロール製品用コンテナの一例であって、全ての側板を立設して上蓋を被せた状態を示す分解斜視図である。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、図3のB−B断面図である。図6は、図31の領域C(支管固定部近傍)の部分拡大図である。図7は、本発明の一実施形態において、支管端部支持部に載置されたロール製品の支管端部を固定していない状態を示す支管固定部近傍の部分拡大図である。図8は、本発明の一実施形態において、支管端部支持部に載置されたロール製品の支管端部を支管端部固定治具を用いて固定した状態を示す支管固定部近傍の部分拡大図である。図9は、本発明の一実施形態における折り畳み形態のロール製品用コンテナを示す斜視図である。図10は、本発明の一実施形態における折り畳み形態のロール製品用コンテナを示す正面図である。
図1〜図10に示すように、本実施形態におけるロール製品用コンテナ(以下、単にコンテナと記載)1は、パレット11、コーナー金具21、底板31、基枠41、側板51、上蓋61により概略構成されている。以下、上記の構成要素およびその他の詳細な構成要素について説明する。
パレット11の構成について説明する。
パレット11は、コンテナ1の基台であって、フォークリフト等による荷役作業が可能な運搬台である。パレット11の素材は特に限定されるものではないが、例えば樹脂やスチール等を用いることができ、特にコンテナ1内に高重量の製品を収容することが想定される場合には、強度の高いスチールを用いることが好ましい。本実施形態では、パレット11は、パレット11の外枠を画定する4つの側辺部材12と、側辺部材12の内側に溶接等により連結された複数の補強部材13とにより構成されているが、この構成に限定されるものはない。また、本実施形態におけるコンテナ1は、軸方向に長尺のロール製品を収容するように構成されており、4つの側辺部材12により画定されるパレット11の外枠は、収容されるロール製品の軸線方向に長尺の長方形形状を有している。
パレット11の台部や脚部の構造は任意であるが、本実施形態では、パレット11は所定の高さを有し、その四方側面に、フォークリフトの爪部(フォーク)が差し込まれるリフト用開口14が形成されている。
コーナー金具21の構成について説明する。
パレット11の四隅の各々には、コーナー金具21が設置されている。コーナー金具21は、例えばスチール製の平板部材を断面L字形状に折り曲げて形成されており、パレット11の四隅の側面に沿って溶接等により固定されている。
コーナー金具21の断面L字形状を形成する2つの面は、パレット11の上面よりも上方に突出しており、パレット11の隣接する隅部に設けられたコーナー金具21の面同士が対向するように配置されている。本実施形態では、パレット11の幅方向(短手方向)の側辺に沿って基枠41が立設され、パレット11の幅方向の両端部に配置されているコーナー金具21の上方に突出した断面L字形状を形成する2つの面の内側が、基枠41の支柱部材42に当接して、立設した基枠41を支持できるようになっている。なお、パレット11の幅方向に展延するコーナー金具21の面は、基枠41の支柱部材42が略鉛直に立設した状態よりも外側に移動しないように規制する役割を有しており、これにより、基枠41が外側に倒れないようになっている。
また、コーナー金具21および基枠41には、パレット11の幅方向を回転軸方向として、コーナー金具21に対して基枠41を回転可能とする回転機構が設けられている。具体的には、本実施形態では、パレット11の長手方向に展延するコーナー金具21の面には、例えば回転ピン用縦孔22が形成されており、一方、後述するように、基枠41を構成する支柱部材42には、回転ピン用縦孔22に対応する位置に回転ピン45が設けられている。回転ピン用縦孔22に挿通した回転ピン45を回転軸として、パレット11に対して基枠41を回転させることで、コンテナ1の形状を、基枠41を立設した立設形態、または、基枠41を折り畳んで収容した折り畳み形態にすることができる。なお、折り畳み形態では、図10に示すように基枠31がパレット11の上面に重なるように収容され、さらに、取り外された側板51もパレット11の上面に収容できるようになっている。
さらに、コーナー金具21および基枠41には、コーナー金具21に対して基枠41を固定可能とする固定機構が設けられている。具体的には、本実施形態では、コーナー金具21の上辺に切り欠き部(不図示)が設けられており、一方、後述するように、支柱部材42の外側面には、基枠41の立設時に、支柱部材42をコーナー金具21に固定するためのストッパピン46が設けられている。コーナー金具21の切り欠き部にストッパピン46が嵌合することで、基枠41の支柱部材42がコーナー金具21に固定され、基枠41を立設した立設形態を維持できるようになっている。
また、パレット11の長手方向の側辺には、連結部材23が設けられている。連結部材23は、長手方向に延びる棒状部材であり、その両端部がコーナー金具21に接合されている。
コンテナ1を組み立てて側板51を設置する際、連結部材23は、その上面が側板51の下辺部に当接して側板51を支持できるようになっている。なお、側板51の下辺部が当接する連結部材23の上面は、基枠41の立設時における回転ピン45の位置よりも高い位置となるように設定されている。これにより、側板51の設置時に、側板51の下辺部を連結部材23の上面で受け止めて側板51が回転ピン45に当たることを防ぎ、側板51および回転ピン45の双方にダメージが生じることを防ぐことができる。
また、パレット11の幅方向中央部の外側には、コンテナ1の側面に平行な面を有する平板部材24がパレット11の上面よりも突出するように配設されている。平板部材24は、例えばパレット11の側面に溶接等により固定されている。
平板部材24の外側の面には、ゴムバンド掛止金具25が設けられている。ゴムバンド掛止金具25は、コンテナ1を折り畳み形態とした際に、上蓋61のゴムバンド掛止金具66を掛止して上蓋61を固定する役割を有している。また、平板部材24は、コンテナ1を組み立てて側板51を設置する際に、側板51の面方向への移動を補助的に規制できるようになっている。
底板31の構成について説明する。
底板31は、パレット11の上面の外枠内部に載置され、基枠41を立設した状態で形成される物品収容空間の下面を規定する板状部材である。底板31には、例えばポリプロピレン樹脂等が用いられるが、その素材は特に限定されるものではない。
基枠41の構成について説明する。
本実施形態におけるコンテナ1では、一対の基枠41がパレット11の側辺に沿って対向して立設可能なように構成されている。基枠41は、パレット11の幅方向の各側辺上部に立設される。基枠41は、左右一対の支柱部材42と、上下一対の支柱連結部材43a、43bと、枠組み強度を補強する連結部材44とにより概略構成されており、これらの部材が組み合わされて、全体として板状の枠組みが形成されている。これらの各部材は溶接によって一体に連結されている。これらの各部材には、例えばスチール等が用いられるが、その素材は特に限定されるものではない。
一対の支柱部材42は、基枠41の両側辺を構成する棒状部材であり、例えば、角筒形状の棒状部材を用いることができる。支柱部材42は、基枠41を立設した状態において、パレット11の上面に対して略垂直に立設される。このとき、コーナー金具21の上方に突出した2つの面の内側が基枠41の支柱部材42に当接して、立設した基枠41を支持できるようになっている。
各支柱部材42には2つの溝形成部材47が設けられている。溝形成部材47は、支柱部材42の長手方向に延在しており、パレット11の側辺方向に開口する凹形状(コの字形状)の溝を形成している。基枠41を立設した状態では、溝形成部材47により形成された溝が対向するように配置されており、この溝に側板51の側辺を上方から嵌挿させることで、コンテナ1の各側面に側板51を設置することができるようになっている。なお、基枠41を構成する各部材は、溝形成部材47により形成された溝に沿って設置される側板51よりもコンテナ1内側に配置されており、他の部材に妨げられることなくスムーズに側板51を溝に嵌挿させることができるようになっている。
支柱部材42の長手方向の寸法は、物品収容空間の高さ(側板51の側辺の寸法)と同一またはそれよりも短く、基枠41を立設して上蓋61を被せた際に、側板51の上辺により画定される上面に上蓋61が当接するようになっている。
支柱連結部材43a、43bは、左右一対の支柱部材42を連結する部材である。支柱連結部材43a、43bの長手方向側端部は、一対の支柱部材42の各々と略垂直に接合されており、一対の支柱部材42は、支柱連結部材43a、43bによる接合を介して一体化されている。支柱連結部材43a、43bの寸法によって規定される基枠41の幅方向の寸法は、一対の支柱部材42の各々が略L字形状のコーナー金具21の2つの面に当接する寸法となっている。すなわち、基枠41は、パレット11の幅方向の側辺上部に立設された際に、その両端部に配置されている支柱部材42の側面がコーナー金具21の内側の面に当接した状態で立設できるようになっている。
連結部材44は、上下2つの支柱連結部材43a、43bと幅方向中央部で略垂直に接合されており、基枠41の枠組みを補強する役割を有している。
また、コーナー金具21および基枠41には、パレット11の幅方向を回転軸方向として、コーナー金具21に対して基枠41を回転可能とする回転機構が設けられている。具体的には、基枠41を構成する支柱部材42には回転ピン45が設けられており、一方、前述したように、パレット11の長手方向に展延するコーナー金具21の面には、回転ピン45に対応する位置に回転ピン用縦孔22が形成されている。
回転ピン45は、支柱部材42の外側面からパレット11の幅方向に突出するように設けられている。回転ピン45は、コーナー金具21の回転ピン用縦孔22に挿通するように嵌め込まれている。回転ピン45は、回転ピン用縦孔22に嵌め込まれた状態で、回転ピン用縦孔22内を上下方向に移動でき、かつ、回転できるようになっている。
さらに、コーナー金具21および基枠41には、コーナー金具21に対して基枠41を固定可能とする固定機構が設けられている。具体的には、本実施形態では、支柱部材42の外側面には、基枠41の立設時に、支柱部材42をコーナー金具21に固定するためのストッパピン46が設けられており、一方、前述したように、コーナー金具21の上辺には切り欠き部(不図示)が設けられている。
ストッパピン46は、例えば支柱部材42の所定位置に設けられており、上方で支柱部材42に連結され、下方が解放されて隙間が形成されている略L字形状の部材である。立設した支柱部材42を下方に移動させると、コーナー金具21の上辺の切り欠き部にストッパピン46が嵌合して支柱部材42とコーナー金具21とが固定されるようになっている。これにより、基枠41を立設した立設形態が維持される。
一方、ストッパピン46の開口がコーナー金具21の上辺の切り欠き部に嵌合した状態から支柱部材42を上方に移動させると、コーナー金具21の上辺の切り欠き部とストッパピン46の開口との嵌合が外れ、支柱部材62とコーナー金具21との固定が解除されて、基枠41は回転ピン45を回転軸として回転できるようになっている。これにより、基枠41をパレット11の上面と重なるような方向に回転させて基枠41全体をパレット11の上面に配置することで、基枠41がパレット11と略平行となるように折り畳んでパレット11に収容した折り畳み形態とすることができる。
支管固定部71の構成について説明する。
上側の支柱連結部材43aの上部には、支管固定部71が設けられている。ロール製品100は、長手方向両端部から支管端部101が突出した構成を有している。本実施形態におけるコンテナ1では、一対の支管固定部71でロール製品100の一端部および他端部の各々から突出した支管端部101を支持および固定することで、コンテナ1内の物品収容空間にロール製品100を収容できるようになっている。
支管固定部71は、一対の側方部材72、支管端部支持部73、緩衝材74、支管端面ストッパ75、支管端部固定治具81により概略構成されている。
一対の側方部材72は、支柱連結部材43aの上部に、支柱連結部材43aの長手方向に離隔して設けられている。一対の側方部材72の離隔距離は、支管端部支持部73の幅と同等に設定されており、一対の側方部材72の間に支管端部支持部73が配置されるようになっている。
側方部材72の高さ(側方部材72の下面から上面までの寸法)は、支管端部101の半径よりも大きく、かつ、支管端部101の直径よりも小さく設定されている。なお、一対の側方部材72は、上側の支柱連結部材43aに溶接等により接合されていてもよく、あるいは、上側の支柱連結部材43aが一対の側方部材72を有するように成形されてもよい。
支管端部支持部73は、上側の支柱連結部材43aの上部であって、離隔して設けられている一対の側方部材72の間に配置されている。支管端部支持部73は、支管端部101の外周(断面略円形状)に合わせて上部が開口した半円形状の底面を有しており、支管端部101を支持できるようになっている。
支管端部支持部73が支管端部101と当接する支管端部支持部73の内面には、支管受け用の緩衝材74が設けられている。この緩衝材74によって、支管端部101への衝撃を吸収して支管端部101およびロール製品100へのダメージを防ぐことができ、さらに、緩衝材74と支管端部101との当接面に発生する摩擦力により、支管端部101の軸方向(ロール製品100の軸線の方向)へのずれを防ぐことができる。
さらに、支管端部101の軸方向へのずれを規制するために、支管端面ストッパ75が設けられている。本実施形態では、支管端面ストッパ75は、上側の支柱連結部材43aの外面側にネジ止めされた平板部材であり、支管端面ストッパ75の一部が半円形状の支管端部支持部73の外側を覆うように配置されている。この構成により、支管端部101が軸方向にずれて移動した場合であっても、支管端部101の端面が支管端面ストッパ75に当接して、支管端部101の軸方向への移動を規制できるようになっている。
また、一方の側方部材72の上面には、支管端部固定治具81が配置されている。支管端部固定治具81は、スライド基部82、スライド部83、クランプレバー84により構成されている。
スライド基部82は、一方の側方部材72の上部に固定されており、すなわち、基枠41に固定されている。本実施形態では、スライド基部82は、支管端部101の軸方向に長尺な金属製の板状部材である。図5に示すように、スライド基部82には、先端が上方に突出するようにガイドボルト82aが固定されており、クランプレバー84の下部のネジ84bが螺合する螺合孔82bが設けられている。ガイドボルト82aおよび螺合孔82bは、支管端部101の軸方向に対して略垂直方向に配列されている。
スライド部83は、スライド基部82の上部に配置され、スライド基部82に対して相対的にスライド可能なように構成されている。本実施形態では、スライド部83は、支管端部101の軸方向に長尺な金属製の板状部材であり、スライド基部82の上面に重なるように配置されている。
また、スライド部83は、支管端部101の軸方向に対して略垂直方向にスライド可能なように構成されている。本実施形態では、スライド部83には、長手方向に長尺のガイド用貫通孔83aが設けられている。ガイド用貫通孔83aには、ガイドボルト82aの先端が挿通される。さらに、ガイド用貫通孔83aには、クランプレバー84の下部のネジ84bがスライド部83の上方から挿通され、ネジ84bは螺合孔82bに螺合する。この構成により、スライド部83は、ガイドボルト82aおよび螺合孔82bに螺合したネジ84bの2点を結ぶ直線方向(図6の矢印2方向)にのみスライドするように位置決めされる。
スライド部83は、スライド基部82に対して相対的にスライドすることで、その端部が支管端部支持部73の上方に(すなわち、支管端部支持部73の開口を閉じる方向に)移動できるようになっている。支管端部支持部73に支管端部101が載置されている場合には、スライド部83の端部が支管端部101の外周面に当接するが、側方部材72の高さが支管端部101の半径よりも大きく、かつ、支管端部101の直径よりも小さく設定されていることから、スライド部83の端部は、支管端部101の上部外周面に当接するようになっている。
支管端部101の上部外周面に当接するスライド部83の端部には、支管端部101の上部外周面に当接する位置における上部外周面の接平面と略平行な当接面83bが形成されている。これにより、スライド部83の端部に形成されている当接面83bによって、支管端部101を傷つけずに、支管端部101の上部外周面を効率良く押さえ付けることができるようになる。
クランプレバー84は、上部のレバーヘッド84aと、下部のネジ84bとにより構成されている。
クランプレバー84の下部のネジ84bは、前述したように、スライド基部82の所定位置に設けられた螺合孔82bに螺合される。レバーヘッド84aを一方向に回転させることで、クランプレバー84の下部のネジが螺合孔82b内で螺進して、例えばバネ(不図示)の付勢力によってスライド部83を上方から締め付け、スライド基部82に対してスライド部83を固定できるようになっている。
また、レバーヘッド84aを逆方向に回転させることで、クランプレバー84の下部のネジ84bが螺合孔82b内で螺退して、スライド部83のスライド基部82に対する締め付けが緩み、スライド部83をスライドできるようになっている。
図7には、支管端部支持部73に載置されたロール製品100の支管端部101を固定していない状態が示されている。この状態では、スライド部83の端部は、支管端部支持部73に載置された支管端部101の上部外周面から離隔した位置に配置されている。一方、図8には、支管端部支持部73に載置されたロール製品100の支管端部101を固定した状態が示されている。この状態では、スライド部83の端部は、支管端部支持部73に載置された支管端部101の上部外周面を側方から押圧する位置に配置されており、さらに、クランプレバー84によってスライド部83の位置を固定することで、スライド部83による支管端部101の固定が実現されている。スライド部83は、この2つの位置の間を進退可能にスライドするように構成されており、支管端部101の固定および固定解除を簡単な操作で行えるようになっている。
なお、本実施形態では、各基枠41に支管端部固定治具81が1つずつ設けられており、各基枠41に設けられている支管端部固定治具81は、コンテナ1内に収容されるロール製品100の軸線を挟んで対角の位置に設けられている。この構成により、ロール製品100の長手方向両端部の支管端部101をそれぞれ1つの支管端部固定治具81で支持および固定しながら、さらに、軸線を挟んで両側からロール製品100の支管端部101の側方を押さえ付ける力を作用させることができ、コンテナ1内に収容されるロール製品100を安定してかつ確実に固定することができる。ただし、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、1箇所の支管端部101を軸線方向を挟んで2つの支管端部固定治具81で押さえ付けるようにしてもよい。
側板51の構成について説明する。
側板51は、枠材52と、枠材52によって取り囲まれた内側に展延する平板状の側面材53とを含んで構成されている。例えば、枠材52にはスチール等が用いられ、側面材53にはプラダン等が用いられるが、これらの素材は特に限定されるものではない。
側板51は、基枠41を立設した状態で、4つの支柱部材42に設けられている溝形成部材47に上方から嵌挿されることで、側板51が立設されてコンテナ1の側面を構成する。このとき、各側板51の上部が略同一の高さとなるようにすることで、上蓋61が安定して配置できるようになる。
上蓋61の構成について説明する。
上蓋61は、基枠41を立設した状態において、底板31及び側板51に取り囲まれて形成される物品収容空間の上端開口部分を上方から閉塞する平板部材である。上蓋61は、枠材62と、枠材62内部に延在する平板状の天板材63とが一体となって構成される。例えば、枠材62にはスチール等が用いられ、天板材63にはプラダン等が用いられるが、これらの素材は特に限定されるものではない。
上蓋61の四隅上面には、積重用台座64が設置されている。この積重用台座64は、コンテナ1を積重(段積み)する際に上段のコンテナ1の脚部を安定して支持できるようにするために用いられる。
上蓋61の枠材62の外面中央部には、ゴムバンド掛止金具66を備えたゴムバンド65が設けられている。ゴムバンド65は、上蓋61を固定するための固定機構の一例である。ゴムバンド掛止金具66は、折り畳み形態においては、平板部材24に設けられたゴムバンド掛止金具25に掛止され、立設形態においては、側板51に設けられたゴムバンド受け金具54に掛止される。これにより、コンテナ1の折り畳み形態および立設形態のいずれにおいても、上蓋61を容易に外れないように固定することができる。なお、上蓋61を固定するための固定機構は、この構成に限定されるものではなく、他の公知の構成であってもよい。
次に、作用について説明する。
本発明に係るロール製品用コンテナ1は、ロール製品100の支管端部101が載置される支管端部支持部73と、ロール製品100の軸線に対して略垂直方向にスライド可能なスライド部83とを有している。スライド部83は、支管端部支持部73に載置された支管端部101の上部外周面をスライド部83の端部が側方から押圧して支管端部101を固定する位置と、支管端部支持部73に載置された支管端部101の上部外周面からスライド部83の端部が離隔して支管端部支持部73に載置された支管端部101の固定を解除する位置との間を進退可能なように構成されている。
この構成により、簡易な構成かつ軽量化された構成で、高重量のロール製品100を固定するために十分な荷重を発生させることができ、ロール製品100を安定してかつ確実に固定することができる。特に、従来の構成と比較した場合、高重量のロール製品100を固定するために用いられる部材の重量を飛躍的に軽減させることができ、その結果、ロール製品用コンテナ1の軽量化を実現することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナ1では、支管端部101の上部外周面に当接するスライド部83の端部に、スライド部83の端部が当接する位置における上部外周面の接平面と略平行な当接面83bを形成することができる。
この構成により、スライド部83の端部に形成されている当接面83bによって、支管端部101を傷つけることなく支管端部101の上部外周面を効率良く押さえ付けることができ、ロール製品用コンテナ1内に収容されるロール製品100を安定してかつ確実に固定することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナ1は、支管端部固定治具81が、支管端部101の上部外周面をスライド部83の端部が側方から押圧して支管端部101を固定する位置にスライド部83を固定する固定機構を有することができる。
この構成により、スライド部83の端部によって支管端部101の上部外周面を押さえ付けてロール製品100を固定した状態を、固定機構により維持することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナ1では、固定機構が、スライド基部82に対してスライド部83を押圧または押圧解除して、スライド基部82に対してスライド部83の固定または固定解除を行うためのクランプレバー84であり得る。
この構成により、クランプレバー84を操作することで、スライド基部82に対してスライド部83を固定または固定解除できるようになり、簡単な操作によってロール製品100を固定できるようになる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナ1では、一対の基枠41の各々に設けられている支管端部固定治具81は、ロール製品100の軸線を挟んで対角の位置に設けることができる。
この構成により、一対の基枠41の各々に設けられている支管端部固定治具81によって、軸線を挟んで両側からロール製品100の支管端部101の側方を押さえ付ける力を作用させることができ、ロール製品用コンテナ1内に収容されるロール製品100を安定してかつ確実に固定することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナ1では、一対の基枠41がパレット11に対して略垂直となるように立設された立設形態と、一対の基枠41がパレット11と略平行となるようにパレット11上に折り畳まれた折り畳み形態とに変形できるようにする。
この構成により、ロール製品100を収容する使用時には立設形態となるように組み立てることができ、不使用時には折り畳み形態として効率的に保管および搬送することができる。
また、本発明に係るロール製品用コンテナ1では、一対の基枠41の各々の側辺を構成する支柱部材42に、当該ロール製品用コンテナ1の側板51の側辺を嵌挿するための溝を形成する溝形成部材47が支柱部材42の長手方向に沿って設けられるようにすることができる。
この構成により、物品収容空間内にロール製品100の収容容積を効率良く確保しながら、ロール製品100をコンテナ1外部から保護することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。上述した実施形態に開示された各構成要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物を包含する。
1 ロール製品用コンテナ(コンテナ)
11 パレット
12 側辺部材
13 補強部材
14 リフト用開口
21 コーナー金具
22 回転ピン用縦孔
23、44 連結部材
24 平板部材
25、66 ゴムバンド掛止金具
31 底板
41 基枠
42 支柱部材
43a、43b 支柱連結部材
45 回転ピン
46 ストッパピン
47 溝形成部材
51 側板
52 枠材
53 側面材
61 上蓋
62 支柱部材
63 天板材
64 積重台
65 ゴムバンド
71 支管固定部
72 側方部材
73 支管端部支持部
74 緩衝材
75 支管端面ストッパ
81 支管端部固定治具
82 スライド基部
82a ガイドボルト
82b 螺合孔
83 スライド部
83a ガイド用貫通孔
83b 当接面
84 クランプレバー
84a レバーヘッド
84b ネジ
100 ロール製品
101 支管端部

Claims (7)

  1. パレットと前記パレットの側辺に沿って対向して立設される一対の基枠とにより、支管を有するロール製品を収容するための物品収容空間が形成されるロール製品用コンテナであって、
    前記一対の基枠の各々には、前記ロール製品の支管端部が載置される、上方に開口する開口部を備えた支管端部支持部と、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部を固定する支管端部固定治具とが設けられており、
    前記支管端部固定治具は、前記基枠に固定されたスライド基部と、前記スライド基部に対して相対的にスライド可能であって、前記ロール製品の軸線に対して略垂直方向にスライド可能なスライド部とを有し、
    前記スライド部は、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の上部外周面を前記スライド部の端部が側方から押圧して前記支管端部を固定する位置と、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の上部外周面から前記スライド部の端部が離隔して前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の固定を解除する位置との間を進退可能なように構成されていることを特徴とするロール製品用コンテナ。
  2. 前記支管端部の上部外周面に当接する前記スライド部の端部には、前記スライド部の端部が前記支管端部の上部外周面に当接する位置における前記上部外周面の接平面と略平行な当接面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロール製品用コンテナ。
  3. 前記支管端部固定治具が、前記支管端部支持部に載置された前記支管端部の上部外周面を前記スライド部の端部が側方から押圧して前記支管端部を固定する位置に前記スライド部を固定する固定機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載のロール製品用コンテナ。
  4. 前記固定機構が、前記スライド基部に対して前記スライド部を押圧または押圧解除して、前記スライド基部に対して前記スライド部の固定または固定解除を行うためのクランプレバーであることを特徴とする請求項3に記載のロール製品用コンテナ。
  5. 前記一対の基枠の各々に設けられている前記支管端部固定治具は、前記支管端部支持部に前記支管端部が載置された前記ロール製品の軸線を挟んで対角の位置に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のロール製品用コンテナ。
  6. 前記一対の基枠が前記パレットに対して略垂直となるように立設された立設形態と、前記一対の基枠が前記パレットと略平行となるように前記パレット上に折り畳まれた折り畳み形態とに変形できるように構成されている請求項1から5のいずれか一項にロール製品用コンテナ。
  7. 前記一対の基枠の各々の側辺を構成する支柱部材に、当該ロール製品用コンテナの側板の側辺を嵌挿するための溝を形成する溝形成部材が前記支柱部材の長手方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロール製品用コンテナ。
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