JP2021116261A - シラノール類の製造方法および新規なシラノール類 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性化学品として有用なシラノール類を効率的に製造する方法および新規なシラノール類の提供。【解決手段】Si−OR結合(Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。)を有するアルコキシシラン類に、水または重水を、触媒存在下で反応させる反応工程を含むシラノール類の製造方法であって、前記触媒が、規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒であることを特徴とする、Si−OR’結合(R’は水素原子または重水素原子を示す。)を有するシラノール類の製造方法、および、それにより得られる新規なシラノール類。【選択図】なし

Description

本発明は、シラノール類の効率的な製造方法およびそれにより得られる新規なシラノール類に関する。
シラノール類は、医薬、農薬、電子材料等の精密合成用試薬または合成中間体;表面修飾剤;ゾルゲル材料、ナノ材料、有機無機ハイブリッド材料用の原料;等として利用される機能性化学品である。
シラノール類の中で、反応性が高いシランジオール、シラントリオール等の製造も可能な方法としては、たとえば、クロロシランを当量以上の塩基の存在下で加水分解する方法(方法A、非特許文献1、2)、メトキシシランまたはエトキシシランを酸触媒の存在下で加水分解する方法(方法B、特許文献1、2)、ベンジルオキシシランをパラジウムおよび白金を含む固定化触媒存在下で水素化分解する方法(方法C、特許文献3)等が知られている。この中のメトキシシランまたはエトキシシランを加水分解する方法では、固体触媒である、活性化白土(特許文献1)を用いる方法、マクロポーラス型陽イオン交換樹脂(特許文献2)を用いる方法等が検討されている。
特公昭64−5604号公報 特開平7−233179号公報 国際公開第2015/115664号
J. Am. Chem. Soc., 1959, 81, 2359-2361 J. Organomet. Chem., 1994, 480, 23-26
しかし、前記の方法Aでは、加水分解しやすく腐食性の塩化水素を発生しやすいクロロシランを用いる必要がある、塩化水素と塩基の塩が大量に生成する、等の問題がある。また、前記の方法Bでも、生成するシラノール類が、シランジオールのように、反応性が高く安定性が低い種類の場合には、それらの自己縮合反応による副生物(例えば、2量体以上のオリゴマー)が生じやすい、等の問題点がある。さらに、前記の方法Cでは、ベンジルオキシシランの入手が容易でない、高価な貴金属触媒を使用する必要がある、可燃性ガスの水素を使用するため、反応操作に注意が必要である、等の問題がある。
これらのことから、従来技術の問題点を解決できる、工業的により有利な方法が求められている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、シランジオール類、シラントリオール類、シランテトラオール等の反応性が高い化合物も含めて、シラノール類をより効率的に製造する方法、および、新規なシラノール類を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(1)規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒を用いることにより、アルコキシシラン類の加水分解反応がスム
ーズに進行するとともに、シランジオール類、シラントリオール類、あるいは、シランテトラオールのように反応性が高く安定性が低いシラノール類の場合でも、シラノール類同士の自己縮合等の副反応を抑えて、効率よくシラノール類を製造できること、(2)溶媒として、スルホキシドまたはアミドを用いることによりシラノール類をより高収率で得られること、および、(3)その方法により新規なシラノール類を製造できることなどを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
<1>
Si−OR結合(Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。)を有するアルコキシシラン類に、水または重水を、触媒存在下で反応させる反応工程を含むシラノール類の製造方法であって、前記触媒が、規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒であることを特徴とする、Si−OR’結合(R’は水素原子または重水素原子を示す。)を有するシラノール類の製造方法。
<2>
前記アルコキシシラン類および前記シラノール類が、それぞれ、下記一般式(IA)で表されるアルコキシシラン類および下記一般式(IIA)で表されるシラノール類、または、下記一般式(IB)で表されるアルコキシシラン類および下記一般式(IIB)で表されるシラノール類である、<1>に記載のシラノール類の製造方法。
Si(OR4−(a+b+c) (IA)
(式中、a、b、およびcは、それぞれ独立に0以上3以下の整数であり;a+b+cは、0以上3以下の整数であり;R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜26の炭化水素基または水素原子であり;Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり;R、R、およびRが、炭化水素基である場合、炭化水素基の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
Si(OR4−(a+b+c+d)(OR5d (IIA)
(式中、a、b、c、R、R、R、およびRは、それぞれ、前記と同義であり;Rは、水素原子または重水素原子であり;dは、1以上4−(a+b+c)以下の整数である。)
Si(OR(OR4−e (IB)
(式中、eは、1以上3以下の整数であり;Rは、炭素数3〜26の炭化水素基であり;Rは、炭素数1〜3のアルキル基であり;Rの水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
Si(OR(OR4−(f+g)(OR (IIB)
(式中、RおよびRは、それぞれ、前記と同義であり;Rは、水素原子または重水素原子であり;fは、0以上3以下の整数であり;gは、1以上4以下の整数であり;4−(f+g)は、0以上3以下の整数である。)
<3>
前記の規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒が、ゼオライトである、<1>または<2>に記載のシラノール類の製造方法。
<4>
前記ゼオライトが、USY型、Y型、モルデナイト型、ベータ型、ZSM−5型、およびフェリエライト型からなる群より選ばれる少なくとも1種である、<3>に記載のシラノール類の製造方法。
<5>
前記反応工程において、スルホキシドまたはアミドを溶媒として用いる、<1>〜<4>の何れかに記載のシラノール類の製造方法。
<6>
下記一般式(III)で表されるシラノール類。
Si(OR(OR104−(h+i)(OR11 (III)
(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数7〜20のアリール基であり;R10は、メチル基またはエチル基であり;R11は、水素原子または重水素原子であり;hおよびiは、それぞれ独立に1以上3以下の整数であり、4−(h+i)は、0以上2以下の整数である。)
本発明の製造方法を用いることにより、シラノール類を従来の方法に比べて、より効率的に製造できるとともに、新規なシラノール類を提供できるという効果を有する。
詳細には、本発明の製造方法は、次のような特徴を有する。
(1)原料及び触媒が入手し易く、取り扱いが容易で安全性も高い。
(2)固体触媒を使用しているため、触媒の分離、回収等も容易である。
(3)原料の種類または反応条件を制御することにより、複数のアルコキシ基の一部を優先的にヒドロキシ基に変換することが可能である。
(4)アルコキシ基とヒドロキシ基を有する新規なシラノール類を提供できる。
本発明の製造方法は、製造プロセスの低コスト化、高効率化等を可能にするもので、従来技術に比べて経済性、環境負荷等の面で大きな利点を有すると考える。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一実施形態である製造方法は、Si−OR結合(Rは炭素数1〜6の炭化水素基等を示す。)を有するアルコキシシラン類に、水または重水(以下、「反応剤」と称することがある。)を、触媒存在下で反応させる反応工程を含むシラノール類の製造方法であって、前記触媒が、規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒であることを特徴とする、Si−OR’結合(R’は水素原子または重水素原子を示す。)を有するシラノール類の製造方法である。
前記反応工程のアルコキシシラン類およびシラノール類は、たとえば、下記一般式(IA)で表されるアルコキシシラン類および下記一般式(IIA)で表されるシラノール類である。
Si(OR4−(a+b+c) (IA)
Si(OR4−(a+b+c+d)(OR5d (IIA)
一般式(IA)および(IIA)において、a、b、およびcは、それぞれ独立に0以上3以下の整数であり;a+b+cは、0以上3以下の整数であり;R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜26の炭化水素基または水素原子であり;Rは、炭素数1〜6のアルキル基である。R、R、およびRが、炭化水素基である場合、炭化水素基の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
また、一般式(IIA)において、Rは、水素原子または重水素原子であり;dは、1以上4−(a+b+c)以下の整数である。
一般式(IA)および(IIA)において、R、R、およびRの炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられる。
炭化水素基がアルキル基の場合、炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18であり、炭素上の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。なお、アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状の何れであってもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、炭素数が1〜8のアルコキシ基、炭素数が1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられ、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルア
ミノ基、ハロゲン原子をより具体的に示せば、メトキシ基、エトキシ基、ヘキソキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;を挙げることができる。
それらの反応に関与しない基を有していてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−クロロプロピル基等が挙げられる。
また、炭化水素基がアリール基の場合、炭化水素環系または複素環系の1価の芳香族有機基を使用できる。アリール基が炭化水素環系の場合、炭素数が好ましくは6〜22、より好ましくは6〜14であり、それらアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。また、アリール基が複素環系の場合、複素環中のヘテロ原子は硫黄、酸素原子等であり、炭素数が好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8であり、それらアリール基の具体例としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基等が挙げられる。
アリール基の水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合に示したもの、炭素数が1〜6のアルキル基等を挙げることができる。また、その他の反応に関与しない基として、環上の2つの炭素原子を結合させる2価の基であるオキシエチレン基、オキシエチレンオキシ基等が挙げられる。
それらの反応に関与しない基を有するアリール基の具体例としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、オクトキシフェニル基、メチル(メトキシ)フェニル基、フルオロ(メチル)フェニル基、クロロ(メトキシ)フェニル基、ブロモ(メトキシ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラニル基、1,4−ベンゾジオキサニル基等が挙げられる。
さらに、炭化水素基がアラルキル基の場合には、炭素数が好ましくは7〜23、より好ましくは7〜16であり、炭素上の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合について示したもの等を挙げることができる。
それらの反応に関与しない基を有していてもよいアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、2−ナフチルメチル基、9−アントリルメチル基、(4−クロロフェニル)メチル基、1−(4−メトキシフェニル)エチル基等が挙げられる。
また、炭化水素基がアルケニル基の場合には、炭素数が好ましくは2〜23、より好ましくは2〜20であり、炭素上の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合について示したもの等の他、上記に示したアリール基等を挙げることができる。
それらの反応に関与しない基を有していてもよいアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、9−デセニル基、2−フェニルエテニル基、2−(メトキシフェニル)エテニル基、2−ナフチルエテニル基、2−アントリルエテニル基等が挙げられる。
さらに、一般式(IA)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、それらの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
したがって、それらの炭化水素基等を有する原料の一般式(IA)のアルコキシシラン類の具体例としては、トリメチル(メトキシ)シラン(MeSi(OMe))、(エトキシ)トリメチルシラン(MeSi(OEt))、トリエチル(メトキシ)シラン(EtSi(OMe))、トリエチル(エトキシ)シラン(EtSi(OEt))、ジメチル(メトキシ)(フェニル)シラン(MePhSi(OMe))、(エトキシ)ジメチル(フェニル)シラン(MePhSi(OEt))、メチル(メトキシ)ジ(フェニル)シラン(MePhSi(OMe))、(エトキシ)(メチル)ジ(フェニル)シラン(MePhSi(OEt))、(メトキシ)トリ(フェニル)シラン(PhSi(OMe))、(エトキシ)トリ(フェニル)シラン(PhSi(OEt))、メチルジ(メトキシ)(フェニル)シラン(MePhSi(OMe))、ジメチルジ(メトキシ)シラン(MeSi(OMe))、ジ(エトキシ)ジ(メチル)シラン(MeSi(OEt))、ジ(メトキシ)(フェニル)(ビニル)シラン(PhViSi(OMe))、ジ(エトキシ)(フェニル)(ビニル)シラン(PhViSi(OEt))、メチルトリ(メトキシ)シラン(MeSi(OMe))、トリ(エトキシ)(メチル)シラン(MeSi(OEt))、トリ(メトキシ)(フェニル)シラン(PhSi(OMe))、トリ(エトキシ)(フェニル)シラン(PhSi(OEt))、トリ(メトキシ)(ビニル)シラン(ViSi(OMe))、トリ(エトキシ)(ビニル)シラン(ViSi(OEt))、トリ(メトキシ)シラン(HSi(OMe))、トリ(エトキシ)シラン(HSi(OEt))、テトラ(メトキシ)シラン(Si(OMe))、テトラ(エトキシ)シラン(Si(OEt))、テトラ(プロポキシ)シラン(Si(OPr)))等を挙げることができる。
また、一般式(IA)のアルコキシシラン類に、水または重水を反応させて得られる一般式(IIA)のシラノール類の具体例としては、トリメチルシラノール(MeSi(OH)、トリメチルシラノール−d(MeSi(OD))、トリエチルシラノール(EtSi(OH))、トリエチルシラノール−d(EtSi(OD))、ジメチル(フェニル)シラノール(MePhSi(OH))、ジメチル(フェニル)シラノール−d(MePhSi(OD))、メチルジ(フェニル)シラノール(MePhSi(OH)))、メチルジ(フェニル)シラノール−d(MePhSi(OD))、トリフェニルシラノール(PhSi(OH))、トリフェニルシラノール−d(PhSi(OD))、ジメチルシランジオール(MeSi(OH)))、ジメチルシランジオール−d(MeSi(OD)))、メチル(フェニル)シランジオール(MePhSi(OH))、メチル(フェニル)シランジオール−d(MePhSi(OD))、フェニル(ビニル)シランジオール(PhViSi(OH))、フェニル(ビニル)シランジオール−d(PhViSi(OD))、ジフェニルシランジオール(PhSi(OH))、ジフェニルシランジオール−d(PhSi(OD))、フェニルシラントリオール(PhSi(OH))、フェニルシラントリオール−d(PhSi(OD))、ビニルシラントリオール(ViSi(OH))、ビニルシラントリオール−d(ViSi(OD))、シランテトラオール(Si(OH))、シランテトラオール−d(Si(OD))等を挙げることができる。
さらに、前記反応工程のアルコキシシラン類およびシラノール類の別の組み合わせの例として、下記一般式(IB)で表されるアルコキシシラン類および下記一般式(IIB)で表されるシラノール類の組み合わせも可能である。
Si(OR(OR4−e (IB)
Si(OR(OR4−(f+g)(OR (IIB)
一般式(IB)および(IIB)において、Rは、炭素数3〜26の炭化水素基であり;Rは、炭素数1〜3のアルキル基である。炭化水素基であるRの水素原子の一部
または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。反応に関与しない基としては、R、R、およびRで表される炭化水素基が有していてもよい反応に関与しない基と同様のものが挙げられる。
また、一般式(IB)において、eは、1以上3以下の整数であり、一般式(IIB)において、fは、0以上3以下の整数であり;gは、1以上4以下の整数であり;4−(f+g)は、0以上3以下の整数である。
の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられ、それらの具体例としては、前記R、R、およびRの炭化水素基の具体例として挙げたものの中で、炭素数3〜26のものなどが挙げられる。
また、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。これらのうち、Rは、好ましくはメチル基またはエチル基である。
したがって、それらの炭化水素基等を有する原料の一般式(IB)のアルコキシシラン類の具体例としては、ジ(ブトキシ)ジ(メトキシ)シラン(Si(OBu)(OMe))、ジ(ヘキソキシ)ジ(メトキシ)シラン(Si(OHex)(OMe))、ジ(シクロヘキソキシ)ジ(メトキシ)シラン(Si(O−cyc−Hex)(OMe))、ジ(メトキシ)ジ(2−オクトキシ)シラン(Si(O−2−Oct)(OMe))、ジ(2−メチルフェノキシ)ジ(メトキシ)シラン(Si(O−2−MeC(OMe))、ジ(2−イソプロポキシフェノキシ)ジ(メトキシ)シラン(Si(O−2−PrC(OMe))、ジ(2−sec−ブトキシフェノキシ)ジ(メトキシ)シラン(Si(O−2−BuC(OMe))、ジ(ベンジルオキシ)ジ(メトキシ)シラン((Si(OCHPh)(OMe))、ジ(アリロキシ)ジ(メトキシ)シラン((Si(OCHCH=CH(OMe))、ジ(メトキシ)ジ(フェニルエテニルオキシ)シラン(Si(OCH=CHPh)(OMe))等を挙げることができる。
また、一般式(IB)のアルコキシシラン類に、水または重水を反応させて得られる一般式(IIB)のシラノール類の具体例としては、ジ(ブトキシ)(メトキシ)シラノール(Si(OBu)(OMe)(OH))、ジ(ブトキシ)シランジオール(Si(OBu)(OH))、ジ(ヘキソキシ)(メトキシ)シラノール(Si(OHex)(OMe)(OH))、ジ(ヘキソキシ)(メトキシ)シラノール(Si(OHex)(OMe)(OH))、ジ(ヘキソキシ)シランジオール(Si(OHex)(OH))、ジ(シクロヘキシルオキシ)(メトキシ)シラノール(Si(O−cyc−Hex)(OMe)(OH))、ジ(シクロヘキシルオキシ)シランジオール(Si(O−cyc−Hex)(OH))、ジ(2−オクトキシ)(メトキシ)シラノール(Si(O−2−Oct)(OMe)(OH))、ジ(2−オクトキシ)シランジオール(Si(O−2−Oct)(OH))、ジ(2−メチルフェノキシ)(メトキシ)シラノール(Si(O−2−MeC(OMe)(OH))、ジ(2−メチルフェノキシ)シランジオール(Si(O−2−MeC(OH))、ジ(2−イソプロポキシフェノキシ)(メトキシ)シラノール(Si(O−2−PrC(OMe)(OH))、ジ(2−イソプロポキシフェノキシ)シランジオール(Si(O−2−PrC(OH))、ジ(2−sec−ブトキシフェノキシ)(メトキシ)シラノール(Si(O−2−BuC(OMe)(OH))、ジ(2−sec−ブトキシフェノキシ)(メトキシ)シラノール(Si(O−2−BuC(OMe)(OH))、ジ(2−sec−ブトキシフェノキシ)シランジオール(Si(O−2−BuC(OH))、ジ(ベンジルオキシ)(メトキシ)シラノール((Si(OCHPh)(OMe)(OH))、ジ(ベンジルオキシ)シランジオール((Si(OCHPh)(OH))、ジ(アリロキシ)(メトキシ)シラノール((Si(OCHCH=CH(OMe)(OH))、ジ(アリロキシ)シランジオ
ール((Si(OCHCH=CH(OH))、(メトキシ)ジ(フェニルエテニルオキシ)シラノール(Si(OCH=CHPh)(OMe)(OH))、ジ(フェニルエテニルオキシ)シランジオール(Si(OCH=CHPh)(OH))、および、それらのシラノール水酸基の重水素体等を挙げることができる。
さらに、本実施形態に係る製造方法等により、下記一般式(III)で表されるシラノール類を提供できる。
Si(OR(OR104−(h+i)(OR11 (III)
一般式(III)中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数7〜20のアリール基であり;R10は、メチル基またはエチル基であり;R11は、水素原子または重水素原子であり;hおよびiは、それぞれ独立に1以上3以下の整数であり;4−(h+i)は、0以上2以下の整数である。
のアリール基において、炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、それらの置換基等を有する炭素数7〜20のアリール基としては、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(III)のシラノール類では、Rのアルキル基またはアリール基の構造によって、シラノール類の安定性または反応性を制御できる。
たとえば、アリール基の母体骨格がフェニル基であり、環上の2位の炭素原子上にアルキル基を有している場合は、そのアルキル基の立体的効果によって、シラノール類の自己縮合等の反応を抑制して、シラノール類を効果的に安定化させることができる。
アルキル基としては、一般には、炭素数が多いほど安定化の効果が大きく、また、1級<2級<3級の順序で安定化の傾向が高まることから、アルキル基の構造を変えることによって、シラノール類の安定性または反応性を効率よく制御することができる。
また、置換基ORの個数hによっても反応性を制御でき、一般には、hの数が多いほど、生成するシラノール類の安定性が高くなる。
原料のアルコキシシラン類に対する、水または重水のモル比は任意に選ぶことができるが、アルコキシシラン類に対するシラノール類の収率を考慮すれば、通常0.4以上300以下であり、より好ましくは0.5以上200以下であり、さらに好ましくは0.5以上100以下であり、特に好ましくは1以上80以下である。
本実施形態における反応工程は、アルコキシ基を有する原料のアルコキシシラン類に対する、水または重水の求核的置換反応を伴う反応工程である。
これらの反応において、原料のアルコキシシラン類は、モノアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類、トリアルコキシシラン類、テトラアルコキシシラン類のいずれであってもよい。
したがって、それらの原料と水との反応では、たとえば、下記反応式に示すようなシラノール類を得ることができる。
Figure 2021116261
すなわち、本実施形態における反応工程で得られるシラノール類は、モノアルコキシシラン類を原料とする場合は1種類であるが、ジアルコキシシラン類、トリアルコキシシラン類、テトラアルコキシシラン類を原料とする場合は、1種類のシラノール類に限られるものではない。たとえばジアルコキシシラン類を原料とする場合、アルコキシ基が1つ水酸基に置換されたシラノール類(シランモノオール類)、アルコキシ基が2つ水酸基に置換されたシラノール類(シランジオール類)、またはこれらの混合物であってもよいことを意味する。さらにトリアルコキシシラン類を原料とする場合、アルコキシ基が1つ水酸基に置換されたシラノール類(シランモノオール類)、アルコキシ基が2つ水酸基に置換されたシラノール類(シランジオール類)、アルコキシ基が3つ水酸基に置換されたシラノール類(シラントリオール類)、またはこれらの混合物であってもよく、加えてテトラアルコキシシラン類を原料とする場合、アルコキシ基が1つ水酸基に置換されたシラノール類(シランモノオール類)、アルコキシ基が2つ水酸基に置換されたシラノール類(シランジオール類)、アルコキシ基が3つ水酸基に置換されたシラノール類(シラントリオール類)、アルコキシ基が4つ水酸基に置換されたシラノール類(シランテトラオール類)、またはこれらの混合物であってもよいことを意味する。
シラノール類を製造する本実施形態における反応工程では、反応を促進するために、規則的細孔構造を有する無機系固体酸を使用する。規則的細孔構造を有する無機系固体酸は、触媒活性および選択性の点で優れているだけでなく、触媒の分離および回収等の点でも有利である。
無機系固体酸の規則的細孔構造の種類にとくに制限はないが、反応する分子または生成する分子の拡散のしやすさを考慮すると、細孔径の範囲としては、通常、0.2〜20nm、好ましくは、0.3〜15nm、より好ましくは0.3〜10nmの範囲である。
それらの無機系固体酸をより具体的に示せば、プロトン性水素原子あるいは金属カチオン(アルミニウム、チタン、ガリウム、鉄、セリウム、スカンジウム等)を有する、ゼオライト、メソポーラスシリカなどのほか、多孔性構造を有する、シリカ、ヘテロポリ酸、
カーボン系素材等を担体とする無機系固体酸が挙げられる。
これらの中では、触媒活性および選択性の点で、ゼオライト系またはメソポーラスシリカ系が好ましく、ゼオライト系の固体酸がより好ましく使用される。
触媒としてゼオライトを使用する場合、その種類としては、Y型、ベータ型、ZSM−5型、モルデナイト型、フェリエライト型、SAPO型等の基本骨格を有する各種のゼオライトが使用可能である。また、Y型ゼオライト(Na−Y)を二次的処理して得られる、SUSY型(Super Ultrastable Y)、VUSY型(Very Ultrastable Y)、SDUSY型(Super dealuminated ultrastable Y)等として知られるUSY型(Ultrastable Y、超安定Y型)のものも好ましく使用できる(USY型については、たとえば、“Molecular Sieves”、Advances in Chemistry、Volume 121、American Chemical Society、1973、Chapter 19、等を参照)。
反応速度の点では、これらゼオライトの中では、USY型、ベータ型、Y型、ZSM−5型、フェリエライト型、およびモルデナイト型が好ましく、USY型、ベータ型、およびY型がより好ましく、USY型およびベータ型がさらに好ましい。
これらゼオライトにおいては、プロトン性水素原子を有するブレンステッド酸型のもの、金属カチオンを有するルイス酸型のものなど、各種のゼオライトを使用できる。この中で、プロトン性水素原子を有するプロトン型のものは、H−Y型、H−SDUSY型、H−SUSY型、H−ベータ型、H−モルデナイト型、H−ZSM−5型等で表される。また、アンモニウム型のものである、NH−Y型、NH−VUSY型、NH−ベータ型、NH−モルデナイト型、NH−ZSM−5型等のゼオライトを焼成して、プロトン型に変換したものも使用することができる。
さらに、ゼオライトのシリカ/アルミナ比(物質量比)については、反応条件に応じて各種の比を選択できるが、通常は3〜1000であり、好ましくは3〜800、より好ましくは5〜600、さらに好ましくは5〜400、特に好ましくは30〜250である。
それらゼオライトとしては、市販品を含む各種のものを使用できる。市販品の具体例を示すと、USY型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CBV760、CBV780、CBV720、CBV712、およびCBV600等が挙げられ、Y型ゼオライトとしては、東ソー社より市販されているHSZ−360HOAおよびHSZ−320HOA等が挙げられる。また、ベータ型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CP811C、CP814N、CP7119、CP814E、CP7105、CP814CN、CP811TL、CP814T、CP814Q、CP811Q、CP811E−75、CP811E、およびCP811C−300等;東ソー社より市販されているHSZ−930HOAおよびHSZ−940HOA等;UOP社より市販されているUOP−Beta等;が挙げられる。さらに、モルデナイト型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されているCBV21AおよびCBV90A等;東ソー社より市販されている、HSZ−660HOA、HSZ−620HOA、およびHSZ−690HOA等;が挙げられ、ZSM−5型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CBV5524G、CBV8020、およびCBV8014N等が挙げられる。さらにまた、フェリエライト型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されているCP914およびCP914C等が挙げられる。
それらの固体酸は、単独で使用するだけでなく、複数の種類を組み合わせて使用することもできる。
原料に対する触媒量は任意に決めることができるが、重量比では、アルコキシシラン類
に対して通常は0.0001〜10程度で、好ましくは0.001〜8程度、より好ましくは0.001〜6程度、さらに好ましくは0.001〜1程度、特に好ましくは0.01〜0.6程度である。
本実施形態における反応工程は、反応温度、反応圧力等に応じて、液相または気相状態、あるいは、密閉系または開放系等、で行うことができる。また、反応装置の形態としては、バッチ型、フロー型等、従来知られている各種形態で行うことができる。
反応温度は、通常は−20℃以上、好ましくは−10〜300℃、より好ましくは、−10〜200℃である。また、原料の反応性を制御するために、室温で反応を行う場合には、室温の温度範囲としては、通常は0〜40℃、好ましくは5〜40℃、より好ましくは10〜35℃である。
さらに、反応圧力は、通常は0.1〜100気圧で、好ましくは0.1〜50気圧、より好ましくは0.1〜10気圧である。
反応時間は、原料の量、触媒の量、反応温度、反応装置の形態等に依存するが、生産性および効率を考慮すると、通常は0.1〜1200分、好ましくは0.1〜600分、より好ましくは0.1〜300分程度である。
また、反応を液相系で行う場合、溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用いる場合には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;tert−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル;デカリン(デカヒドロナフタレン)、デカン等の炭化水素;クロロベンゼン、1,2−または1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−または1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;等、原料と反応するものを除いた各種の溶媒が使用可能で、2種以上混合して用いることもできる。
それらの溶媒の中では、親水性が高く、水と混和しやすい極性溶媒が、反応速度の点では有利である。
また、シラノール類の安定性を高める上では、反応溶媒として、スルホキシドまたはアミドを用いることが有利で、それらの好ましい具体例としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
とくに、スルホキシドを用いた場合には、アルコキシ基と水の反応が速く、シラノール類の生成が速いという利点がある。
上述したように、シラノール類は、スルホキシドまたはアミド中で安定に存在し得るため、これらの反応溶媒を用いてシランテトラオール(Si(OH))のような反応性の高いシラノール類を製造する場合は、反応後に反応液から触媒を分離除去して得られたシラノール類の溶液を低温下で長期間保存することができる。なお、保存時の温度条件としては、5℃以下が好ましく、−10℃以下がより好ましい。
さらに、本反応は液相系だけでなく気相系で行うことも可能で、窒素等の不活性ガスを混合して反応を行うこともできる。
本実施形態における反応工程は、マイクロ波照射下で行うこともできる。本反応系では、アルコキシシラン類に反応させる水あるいは重水の誘電損失係数が大きく、マイクロ波を効率よく吸収するため、マイクロ波照射下では、水あるいは重水、触媒等が活性化され、反応をより効率的に行うことができる。
マイクロ波照射反応では、接触式または非接触式の温度センサーを備えた各種の市販装置等を使用できる。また、マイクロ波照射の出力、キャビティの種類(マルチモード、シ
ングルモード)、照射の形態(連続的、断続的)等は、反応のスケール、種類等に応じて任意に決めることができる。マイクロ波の周波数としては、通常、0.3〜30GHzである。その中で好ましいのは、産業、科学、または、医療分野で使用するために割り当てられたIMS周波数帯で、さらにその中でも、2.45GHz帯、5.8GHz帯等がより好ましい。
また、マイクロ波照射反応では、反応系をより効率よく加熱するために、マイクロ波を吸収して発熱する加熱材(サセプター)を反応系に添加することができる。加熱材の種類としては、活性炭、黒鉛、炭化ケイ素、炭化チタン等、従来公知の各種のものを使用できる。また、先に記載した触媒と加熱材の粉末を混合して、セピオライト、ホルマイト等の適当なバインダーを利用して焼成加工した成形触媒を用いることもできる。
本実施形態に係る製造方法では、固体触媒を使用しているため、反応工程後の触媒の分離および回収は、濾過、遠心分離等の方法により容易に行うことができる。
また、生成したシラノール類の精製も、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の有機化学上通常用いられる手段により容易に達せられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メチルジ(メトキシ)(フェニル)シラン(MePhSi(OMe)) 0.5mmol、重水 10mmol、ゼオライト CBV780(ゼオリスト社製) 1mg、アセトニトリル 0.9mLの混合物を反応管に入れ、25℃(室温)で10分攪拌した。生成物を核磁気共鳴スペクトル測定装置(NMR)、ガスクロマトグラフ(GC)、およびガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)で分析し、生成物の収率をNMRで測定した結果、メチル(フェニル)シランジオール−d(MePhSi(OD))が90%の収率で生成したことがわかった(表1−1参照)。
(実施例2〜65)
反応条件(触媒、原料、時間等)を変えて、実施例1と同様に反応および分析を行い、生成物の収率をガスクロマトグラフ分析または核磁気共鳴スペクトル分析で測定した結果を表1−1〜表1−10に示す。
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
Figure 2021116261
表1−1〜表1−10中の注釈を以下に示す。
1) MePhSi(OMe)2:メチルジ(メトキシ)(フェニル)シラン
Me3Si(OMe):トリメチル(メトキシ)シラン
Me3Si(OEt):(エトキシ)トリメチルシラン
Me2Si(OMe)2:ジメチルジ(メトキシ)シラン
Me2Si(OEt)2:ジ(エトキシ)ジ(メチル)シラン
MeSi(OMe)3:メチルトリ(メトキシ)シラン
PhSi(OEt)3:トリ(エトキシ)(フェニル)シラン
Ph2Si(OMe)2:ジ(メトキシ)ジ(フェニル)シラン
PhViSi(OEt)2:ジ(エトキシ)(フェニル)(ビニル)シラン
MePh2Si(OEt):(エトキシ)(メチル)ジ(フェニル)シラン
Me2PhSi(OEt):(エトキシ)ジメチル(フェニル)シラン
PhSi(OMe)3:トリ(メトキシ)(フェニル)シラン
ViSi(OMe)3:トリ(メトキシ)(ビニル)シラン
ViSi(OEt)3:トリ(エトキシ)(ビニル)シラン
Si(OEt)4:テトラ(エトキシ)シラン
Si(OMe)4:テトラ(メトキシ)シラン
Si(O-2-MeC6H4)(OMe)3:(2-メチルフェノキシ)トリ(メトキシ)シラン
Si(O-2-MeC6H4)2(OMe)2:ジ(2-メチルフェノキシ)ジ(メトキシ)シラン
Si(O-2-sBuC6H4)(OMe)3:(2-sec-ブチルフェノキシ)トリ(メトキシ)シラン
Si(O-2,6-Me2C6H3)(OMe)3:(2,6-ジメチルフェノキシ)トリ(メトキシ)シラン
Si(O-cyc-Hex)(OMe)3:(シクロヘキソキシ)トリ(メトキシ)シラン
2) H2O:水
D2O:重水
3) MeCN:アセトニトリル
CD3CN:重アセトニトリル
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
DMF-d7:重ジメチルホルムアミド
4) CBV780:H-SDUSY型ゼオライトCBV780(ゼオリスト社製)
CBV760:H-SDUSY型ゼオライトCBV760(ゼオリスト社製)
CBV720:H-SDUSY型ゼオライトCBV720(ゼオリスト社製)
CBV90A:H-モルデナイト型ゼオライトCBV90A(ゼオリスト社製)
HSZ-660HOA:H-モルデナイト型ゼオライトHSZ-660HOA(東ソー社製)
HSZ-690HOA:H-モルデナイト型ゼオライトHSZ-690HOA(東ソー社製)
CP811E-75:H-ベータ型ゼオライトCP811E-75(ゼオリスト社製)
CP811C:H-ベータ型ゼオライトCP811C(ゼオリスト社製)
CP811Q:H-ベータ型ゼオライトCP811Q(ゼオリスト社製)
CBV3020E:H-ZSM-5型ゼオライトCBV3020E(ゼオリスト社製)
CBV8020:H-ZSM-5型ゼオライトCBV3020E(ゼオリスト社製)
Amberlyst 15:陽イオン交換樹脂Amberlyst 15(ダウ・ケミカル社製)
Purolite CT151:陽イオン交換樹脂Purolite CT151(ピュロライト社製)
Purolite CT175:陽イオン交換樹脂Purolite CT175(ピュロライト社製)
Purolite CT151:陽イオン交換樹脂Purolite CT275(ピュロライト社製)
Dowex 50WX4-200:陽イオン交換樹脂Dowex 50WX4-200(ダウ・ケミカル社製)
活性白土:活性白土(純正化学社製)
5) 触媒のSiO2/Al2O3のモル比。
6) 25℃は、室温での反応を示す。
7) アルコキシシラン類の転化率。
8) 転化率および収率は、核磁気共鳴スペクトル分析および/またはガスクロマトグラフ分析により算出した。収率における括弧内の数値は、生成したシラノール類の生成比を示
す。
9) MePhSi(OD)2:メチル(フェニル)シランジオール-d2
MePhSi(OH)2:メチル(フェニル)シランジオール
Me3Si(OD):トリメチルシラノール−d
Me2Si(OD)2:ジメチルシランジオール-d2
Me2Si(OH)2:ジメチルシランジオール
Ph2Si(OD)2:ジフェニルシランジオール-d2
Ph2Si(OH)2:ジフェニルシランジオール
PhViSi(OH)2:フェニル(ビニル)シランジオール
MePh2Si(OD):メチルジ(フェニル)シラノール-d
MePh2Si(OH):メチルジ(フェニル)シラノール
Me2PhSi(OD):ジメチル(フェニル)シラノール-d
MeSi(OD)3:メチルシラントリオール-d3
PhSi(OD)3:フェニルシラントリオール-d3
PhSi(OH)3:フェニルシラントリオール
ViSi(OD)3:ビニルシラントリオール-d3
ViSi(OH)3:ビニルシラントリオール
Si(OEt)3(OH):トリエトキシシラノール
Si(OEt)2(OH)2:ジ(エトキシ)シランジオール
Si(OEt)(OH)3:エトキシシラントリオール
Si(OH)4:シランテトラオール
Si(OEt)3(OD):トリ(エトキシ)シラノール-d
Si(OEt)2(OD)2:ジ(エトキシ)シランジオール-d2
Si(OEt)(OD)3:エトキシシラントリオール-d3
Si(OD)4:シランテトラオール-d4
Si(OMe)3(OH):トリ(メトキシ)シラノール
Si(OMe)2(OH)2:ジ(メトキシ)シランジオール
Si(OMe)(OH)3:メトキシシラントリオール
Si(O-2-MeC6H4)(OMe)2(OH):(2-メチルフェノキシ)ジ(メトキシ)シラノール
Si(O-2-MeC6H4)(OMe)(OH)2:(2-メチルフェノキシ)(メトキシ)シランジオール
Si(O-2-MeC6H4)(OH)3:(2-メチルフェノキシ)シラントリオール
Si(O-2-MeC6H4)2(OMe)(OH):ジ(2-メチルフェノキシ)(メトキシ)シラノール
Si(O-2-MeC6H4)2(OH)2:ジ(2-メチルフェノキシ)シランジオール
Si(O-2-sBuC6H4)(OMe)2(OH):(2-sec-ブチルフェノキシ)ジ(メトキシ)シラノール
Si(O-2-sBuC6H4)(OMe)(OH)2:(2-sec-ブチルフェノキシ)(メトキシ)シランジオール
Si(O-2-sBuC6H4)(OH)3:(2-sec-ブチルフェノキシ)シラントリオール
Si(O-2,6-Me2C6H3)(OMe)2(OH):(2,6-ジメチルフェノキシ)ジ(メトキシ)シラノール
Si(O-2,6-Me2C6H3)(OMe)(OH)2:(2,6-ジメチルフェノキシ)(メトキシ)シランジオール
Si(O-2,6-Me2C6H3)(OH)3:(2,6-ジメチルフェノキシ)シラントリオール
Si(O-cyc-Hex)(OMe)2(OH):(シクロヘキソキシ)ジ(メトキシ)シラノール
Si(O-cyc-Hex)(OMe)(OH)2:(シクロヘキソキシ)(メトキシ)シランジオール
Si(O-cyc-Hex)(OH)3:シクロヘキソキシシラントリオール
10) 選択率 = (シラノール類の収率/アルコキシシラン類の転化率) × 100(%)
11) NMR管中での反応。
上記実施例で得られたシラノール類の核磁気共鳴スペクトルおよび/または質量分析スペクトルのデータを表2−1および表2−2に示す。
Figure 2021116261
Figure 2021116261
表2−1および表2−2中の注釈を以下に示す。
1) 表1−1〜表1−10の実施例で得られたシラノール類。
2) 29Si NMRの化学シフト値。NMR溶媒として、(A)重アセトニトリル(CD3CN)、(B)重ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、または(C)重アセトン(acetone-d6)を使用。緩和試薬Cr(acac)3(クロム(III)アセチルアセトナート)を添加して測定。
3) GC-MS:ガスクロマトグラフ質量分析計
EI:電子衝撃イオン化法(70eV)。
本発明の製造方法では、規則的細孔構造を有する無機系触媒を用いることにより、従来知られていたマクロポーラス型陽イオン交換樹脂を用いる方法に比べて、生成したシラノール類の2量化等の副反応を効率よく抑制し、シラノール類の単量体をより高収率で製造可能であることが示された。
たとえば、MeSi(OMe)と水との反応において、25℃で30分の反応条件の場合、ゼオライト触媒のCBV780を用いた反応系では、MeSi(OMe)の転化率が100%であり、MeSi(OH)の収率が88%であったことから、生成したシラノール類のうち12%は、2量化等の副反応によって消費されたと考えられる(表1−3、実施例21)。一方、陽イオン交換樹脂である、Amberlyst 15、Purolite CT151、Purolite CT175、または、Purolite CT275を用いた反応系では、MeSi(OMe)の転化率が100%であり、MeSi(OH)の収率が、それぞれ、47%、51%、58%、または、55%であったことから、生成したシラノール類のうち2量化等の副反応によって消費された割合は、それぞれ、53%、49%、42%、または45%であると考えられる(表1−3、比較例1〜4)。すなわち、触媒として陽イオン交換樹脂を用いた場合、生成したシラノール類の4割超が副反応に消費され、2量体等が非常に多く副生した。
また、ViSi(OMe)と重水との反応においても、25℃で30分の反応条件の場合、ゼオライト触媒のCBV760を用いた反応系では、ViSi(OMe)の転化率が100%であり、ViSi(OD)の収率が94%であったことから、生成したシラノール類うち2量化等の副反応によって消費された割合は、6%であると考えられる(表1−4、実施例37)。一方、陽イオン交換樹脂である、Dowex 50WX4−200、Amberlyst 15、または、Purolite CT175を用いた反応系では、ViSi(OMe)の転化率が100%であり、ViSi(OD)の収率が、それぞれ、45%、73%、または、66%であったことから、生成したシラノール類のうち2量化等の副反応によって消費された割合は、それぞれ、55%、27%、または、34%であると考えられる(表1−5、比較例5〜7)。すなわち、触媒として陽イオン交換樹脂を用いた場合、生成したシラノール類の約3割以上が副反応に消費され、2量体等の副生が多かった。
これらの結果より、MeSi(OH)、ViSi(OD)などのような反応性が高いシラノール類が生成する反応系では、触媒としてゼオライトのような規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒を用いた場合、マクロポーラス型陽イオン交換樹脂を用いた場合よりも、高い収率および選択率で目的のシラノール類が得られることが示された。
また、規則的細孔構造を有する無機系触媒は、従来知られていた活性白土に比べて、触媒活性も非常に高い。
たとえば、Si(OEt)と水との反応において、25℃、90分の反応条件の場合、ゼオライト触媒のCBV780を用いた反応系では、転化率は100%で、生成物として、Si(OEt)(OH)とSi(OH)の混合物(7:90)が97%の収率で得られたが(実施例49)、活性白土を用いた反応系では、転化率はわずか3%で、Si(OEt)(OH)が約3%生成しただけであった(表1、比較例8)。
前記製造方法により得られたシラノール類は、次の実施例に示すように、触媒を遠心分
離、ろ過等で分離した後、溶媒等の留去、蒸留、再結晶等の操作により、容易に単離精製することができる。
(実施例66)
(エトキシ)メチルジ(フェニル)シラン(MePhSi(OEt)) 0.50mmol、水 5mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で10分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、(メチルジ(フェニル)シラノール(MePhSi(OH))が、約0.485mmol得られた(収率約97%)。
MePhSi(OH)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 0.60 (s, 3H, SiCH3), 5.40 (s, 1H, OH), 7.35-7.42 and 7.62-7.65 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ -1.7, 127.6, 129.3, 133.8, 138.6
29Si-NMR (acetone-d6): δ -7.0
GC-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 214 (M+, 15), 199 (100), 137 (15), 77 (14)
IR (液膜): 3291, 1428, 1255, 1120, 855, 792, 737, 723, 698, 483, 445 cm-1
(実施例67)
(エトキシ)メチルジ(フェニル)シラン(MePhSi(OEt)) 0.50mmol、重水 5mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で10分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、(メチルジ(フェニル)シラノール−d(MePhSi(OD))が、約0.50mmol得られた(収率約100%)。
MePhSi(OD)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 0.60 (s, 3H, SiCH3), 7.34-7.42 and 7.62-7.65 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ -1.7, 127.6, 129.3, 133.8, 138.6
29Si-NMR (acetone-d6): δ -6.9
IR (液膜): 2443, 1428, 1255, 1120, 859, 794, 736, 722, 698, 482 cm-1
(実施例68)
メチルジ(メトキシ)(フェニル)シラン(MePhSi(OMe)) 0.50mmol、水 10mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で5分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、メチル(フェニル)シランジオール(MePhSi(OH))が、約0.495mmol得られた(収率約99%)。
MePhSi(OH)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 0.26 (s, 3H, SiCH3), 5.37 (s, 2H, OH), 7.31-7.40 and 7.64-7.70 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): -1.7, 127.4, 129.2, 133.5, 139.0
29Si-NMR (acetone-d6): δ -19.7
GC-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 154 (M+, 15), 139 (100), 77 (22), 45 (14)
IR (KBr): 3178, 1429, 1265, 1124, 888, 698, 484 cm-1
(実施例69)
メチルジ(メトキシ)(フェニル)シラン(MePhSi(OMe)) 0.50mmol、重水 10mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で5分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、メチル(フェニル)シランジオール−d(MePhSi(OD))が、約0.495mmol得られた(収率約99%)。
MePhSi(OD)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 0.26 (s, 3H, SiCH3), 7.31-7.40 and 7.64-7.70 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ -1.8, 127.4, 129.2, 133.5, 138.9
29Si-NMR (acetone-d6): δ -19.3
DI-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 156 (M+, 15), 141 (100), 79 (13)
IR (KBr): 2364, 1429, 1265, 1124, 886, 698, 479 cm-1
(実施例70)
ジ(メトキシ)ジ(フェニル)シラン(PhSi(OMe)) 0.50mmol、水 10mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で10分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、ジ(フェニル)シランジオール(PhSi(OH))が、約0.49mmol得られた(収率約98%)。
PhSi(OH)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 5.94 (s, 2H, OH), 7.30-7.41 and 7.67-7.73 (each m, 5H,
C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ 127.4, 129.4, 134.3, 137.4
29Si-NMR (acetone-d6): δ -33.2
GC-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 216 (M+, 27), 154 (40), 139 (100), 77 (20), 51 (14), 45 (15)
IR (KBr): 3200, 1590, 1429, 1130, 1119, 907, 880, 837, 741, 719, 697, 509, 481, 463 cm-1
(実施例71)
ジ(メトキシ)ジ(フェニル)シラン(PhSi(OMe)) 0.50mmol、重水 15mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で10分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、ジ(フェニル)シランジオール−d(PhSi(OD))が、約0.49mmol得られた(収率約98%)。
PhSi(OD)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 7.17-7.30 and 7.56-7.63 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ 127.3, 129.3, 134.2, 137.2
29Si-NMR (acetone-d6): δ -33.1
DI-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 218 (M+, 32), 154 (49), 141 (100), 77 (11)
IR (KBr): 2388, 1590, 1429, 1130, 1120, 906, 885, 836, 740, 717, 697, 508 cm-1
(実施例72)
ジ(エトキシ)(フェニル)(ビニル)シラン(PhViSi(OEt)) 1.0mmol、水 20mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 6mg、および、アセトニトリル 0.8mLを反応管に入れ、25℃で15分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、約0℃で減圧下濃縮した結果、(フェニル)(ビニル)シランジオール(PhViSi(OH))が、約0.45mmol得られた(収率約90%)。
PhViSi(OH)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (CD3CN): δ 4.41 (s, 2H, OH), 5.90 (dd, J = 20.3, 4.2 Hz, 1H, SiCH=CHaHb), 6.10 (dd, J = 15.0, 4.2 Hz, 1H, SiCH=CHaHb), 6.20 (dd, J = 20.3, 15.0 Hz, 1H, SiCH=CH2), 7.39-7.47 and 7.64-7.67 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (CD3CN): δ 128.8, 130.9, 135.0, 135.4, 136.4, 137.4
29Si-NMR (CD3CN): δ -32.6
GC-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 166 (M+, 22), 139 (100), 121 (19), 104 (81), 89 (13), 78 (15), 77 (23), 63 (18), 51 (17), 45 (22)
(実施例73)
トリ(メトキシ)(フェニル)シラン(PhSi(OMe)) 0.50mmol、水 15mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル
0.5mLを反応管に入れ、25℃で5分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、(フェニル)シラントリオール(PhSi(OH))が、約0.485mmol得られた(収率約97%)。
PhSi(OH)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 7.30-7.39 and 7.70-7.74 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ 127.2, 129.2, 134.2, 136.4
29Si-NMR (acetone-d6): δ -53.0
DI-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 159 (M+, 57), 82 (100), 79 (59), 51 (14)
IR (KBr): 2408, 1430, 1134, 907, 740, 699, 484 cm-1
(実施例74)
トリ(メトキシ)(フェニル)シラン(PhSi(OMe)) 0.50mmol、重水 15mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、アセトニトリル 0.5mLを反応管に入れ、25℃で10分攪拌した。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、触媒をアセトニトリルで洗浄し(0.5mLで1回)、先の濾液と洗浄液を合わせて、室温で減圧下濃縮した結果、(フェニル)シラントリオール−d(PhSi(OD))が、約0.47mmol得られた(収率約94%)。
PhSi(OD)のスペクトルデータは次の通りであった。
1H-NMR (acetone-d6): δ 7.30-7.39 and 7.70-7.74 (each m, 5H, C6H5)
13C-NMR (acetone-d6): δ 127.2, 129.2, 134.2, 136.4
29Si-NMR (acetone-d6): δ -53.0
DI-MS (EI, 70eV): m/z (相対強度) 159 (M+, 57), 82 (100), 79 (59), 51 (14)
IR (KBr): 2408, 1430, 1134, 907, 740, 699, 484 cm-1
ここで、シラントリオール類およびシランテトラオール(Si(OH))のように、
反応性が高いシラノール類を製造する場合は、反応後に触媒を分離除去して得られたシラノール類の溶液を、冷却することにより、長期間保存することが可能である。
スルホキシド系の溶媒を用いて、さまざまな濃度でシラノール類を製造し、それらの溶液の保存を行った実施例を次に示す。
(実施例75)
テトラ(エトキシ)シラン(Si(OEt)) 7.5mmol、水 150mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 75mg、および、ジメチルスルホキシド 12mLを反応容器に入れ、25℃で2時間攪拌した(反応液の原料シラン濃度は約0.46M)。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、濾液中の生成物の収率をNMRで測定した結果、シランテトラオール(Si(OH))が93%の収率で生成したことがわかった。また、濾液のシラノール濃度は、濾液の体積等より、約0.46Mと見積もられた。
この濾液を約−20℃に冷却して保存し、11日後、29日後、および、42日後に、濾液中の生成物の収率をNMRで再度測定した結果、Si(OH)の収率は、それぞれ、93%、91%、および91%であった。
これらの結果は、ジメチルスルホキシド中で反応を行って得られたSi(OH)の溶液は、約0.46Mのシラノール濃度の条件で、低温下において、40日以上安定に保存できることを示すものである。
(実施例76)
テトラ(エトキシ)シラン(Si(OEt)) 1.3mmol、水 13mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 3mg、および、ジメチルスルホキシド 0.475mLを反応容器に入れ、25℃で1時間攪拌した(反応液の原料シラン濃度は約1.3M)。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、濾液中の生成物の収率をNMRで測定した結果、エトキシシラントリオール(Si(OEt)(OH))とSi(OH)の混合物(18:82)が94%の収率で生成したことがわかった。
この濾液を約−20℃に冷却して保存し、1日後に、濾液中の生成物の収率をNMRで再度測定した結果、Si(OEt)(OH)とSi(OH)の混合物の収率は94%であった。また、濾液のシラノール濃度は、濾液の体積等より、約1.3Mと見積もられた。
この結果は、ジメチルスルホキシド中で反応を行って得られた、Si(OH)を主成分とする溶液は、約1.3Mのような比較的高濃度の条件でも、低温下において、1日以上安定に保存できることを示すものである。
(実施例77)
テトラ(エトキシ)シラン(Si(OEt)) 3mmol、水 30mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 9mg、および、ジメチルスルホキシド 1.8mLを反応容器に入れ、25℃で1.5時間攪拌した(反応液の原料シラン濃度は約1.0M)。触媒の固体をメンブレンフィルターで濾別した後、濾液中の生成物の収率をNMRで測定した結果、エトキシシラントリオール(Si(OEt)(OH))とSi(OH)の混合物(14:81)が95%の収率で生成したことがわかった。また、濾液のシラノール濃度は、濾液の体積等より、約1Mと見積もられた。
この濾液を、約−20℃に冷却して保存し、1日後、18日後、および31日後に、濾液中の生成物の収率をNMRで再度測定した結果、Si(OEt)(OH)とSi(OH)の混合物の収率は、それぞれ、95%、87%、および80%であった。
この結果は、ジメチルスルホキシド中で反応を行って得られた、Si(OH)を主成分とする溶液は、約1Mの濃度において、低温下で、18日程度は、ほぼ安定に保存できることを示すものである。
(実施例78)
実施例77と同様の条件で、反応および後処理を行い、濾液中の生成物の収率をNMRで測定した結果、エトキシシラントリオール(Si(OEt)(OH))とSi(OH)の混合物(14:81)が95%の収率で生成したことがわかった。
この濾液を、減圧下(約95Pa)で濃縮し、濃縮液の重量およびNMRを測定した結果、共生成物のエタノールを約75%留去したと考えられた。また、NMRの測定で、エトキシシラントリオール(Si(OEt)(OH))とSi(OH)の混合物(14:80)の収率は94%と見積もられ、濃縮液のシラノール濃度は、濃縮液の体積等より、約1.4Mと見積もられた。
この濃縮液を、約−20℃に冷却して保存し、1日後、18日後、および31日後に、濾液中の生成物の収率をNMRで再度測定した結果、Si(OEt)(OH)とSi(OH)の混合物の収率は、それぞれ、94%、93%、および90%であった。
この結果は、ジメチルスルホキシド中で反応を行って得られた、Si(OH)を主成分とする溶液は、反応液を濃縮した後の約1.4Mの濃度において、低温下で、31日程度は、ほぼ安定に保存できることを示すものである。
また、実施例78の結果を実施例77の結果と比較すると、反応液を濃縮して、エタノールを除去することにより、高いシラノール濃度とした場合でも、高い保存安定性を実現できると考えられる。その理由としては、エタノールを除去することによって、溶液中のジメチルスルホキシドの割合を増やすことができ、シラノールの安定性が高まったと推定される。たとえば、実施例78の場合、濃縮前の反応液では、ジメチルスルホキシドの割合は、約60%(v/v)であるが、濃縮後は、約80%(v/v)と見積もられた。
したがって、本発明の方法で不安定なシラノールを製造する反応系において、スルホキシド系等のシラノールを安定化させる効果が高い溶媒を用いる場合には、触媒を濾別等の方法で除去して、反応液を冷却することに加えて、反応の共生成物であるアルコールを、減圧留去等の方法で除去することにより、不安定シラノールの保存安定性を、さらに向上できると考えられる。
本発明の製造方法により、機能性化学品として有用なシラノール類をより効率的かつ安全に製造できるとともに、新規なシラノール類を提供できるため、本発明の利用価値は高く、その工業的意義は多大である。

Claims (6)

  1. Si−OR結合(Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。)を有するアルコキシシラン類に、水または重水を、触媒存在下で反応させる反応工程を含むシラノール類の製造方法であって、前記触媒が、規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒であることを特徴とする、Si−OR’結合(R’は水素原子または重水素原子を示す。)を有するシラノール類の製造方法。
  2. 前記アルコキシシラン類および前記シラノール類が、それぞれ、下記一般式(IA)で表されるアルコキシシラン類および下記一般式(IIA)で表されるシラノール類、または、下記一般式(IB)で表されるアルコキシシラン類および下記一般式(IIB)で表されるシラノール類である、請求項1に記載のシラノール類の製造方法。
    Si(OR4−(a+b+c) (IA)
    (式中、a、b、およびcは、それぞれ独立に0以上3以下の整数であり;a+b+cは、0以上3以下の整数であり;R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜26の炭化水素基または水素原子であり;Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり;R、R、およびRが、炭化水素基である場合、炭化水素基の水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
    Si(OR4−(a+b+c+d)(OR5d (IIA)
    (式中、a、b、c、R、R、R、およびRは、それぞれ、前記と同義であり;Rは、水素原子または重水素原子であり;dは、1以上4−(a+b+c)以下の整数である。)
    Si(OR(OR4−e (IB)
    (式中、eは、1以上3以下の整数であり;Rは、炭素数3〜26の炭化水素基であり;Rは、炭素数1〜3のアルキル基であり;Rの水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
    Si(OR(OR4−(f+g)(OR (IIB)
    (式中、RおよびRは、それぞれ、前記と同義であり;Rは、水素原子または重水素原子であり;fは、0以上3以下の整数であり;gは、1以上4以下の整数であり;4−(f+g)は、0以上3以下の整数である。)
  3. 前記の規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒が、ゼオライトである、請求項1または2に記載のシラノール類の製造方法。
  4. 前記ゼオライトが、USY型、Y型、モルデナイト型、ベータ型、ZSM−5型、およびフェリエライト型からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載のシラノール類の製造方法。
  5. 前記反応工程において、スルホキシドまたはアミドを溶媒として用いる、請求項1〜4の何れか1項に記載のシラノール類の製造方法。
  6. 下記一般式(III)で表されるシラノール類。
    Si(OR(OR104−(h+i)(OR11 (III)
    (式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数7〜20のアリール基であり;R10は、メチル基またはエチル基であり;R11は、水素原子または重水素原子であり;hおよびiは、それぞれ独立に1以上3以下の整数であり、4−(h+i)は、0以上2以下の整数である。)
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