JP7497022B2 - アルキニルシランの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はアルキニルシランの製造方法に関し、より詳しくは、シリルアルキノエートの脱炭酸反応によるアルキニルシランの製造方法に関する。
アルキニルシランは合成化学上有用なビルディングブロックである(例えば、非特許文献1参照)。通常は、(1)末端アルキンに有機リチウム試薬やグリニャール試薬を反応させて、金属アセチリドへと変換し、これにハロシランを反応させることで合成される。また、触媒的なアルキニルシランの合成法として、(2)末端アルキンを適切な触媒の存在下でハロシランと反応させる手法(例えば、非特許文献2参照)や、(3)末端アルキンとヒドロシランを脱水素縮合させる手法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、(1)は不安定で危険な有機リチウム試薬やグリニャール試薬を用いなければならず、(1)および(2)は非常に加水分解されやすく取り扱いが不便なハロシランを用いなければならないという欠点を有する。また、(3)も可燃性で危険な水素ガスが副生するという欠点を有する。
一方で、シリルアルキノエートにトリエチルアミンを作用させることで脱炭酸反応を起こし、アルキニルシランを合成する手法が報告されている(非特許文献4参照)。この反応の進行に伴って副生するのは通常は無害であり除去の容易な二酸化炭素であるため、アルキニルシランの有用な合成ルートの候補となりうるが、既存手法で適用可能な基質はビス(トリメチルシリル)アセチレンジカルボキシレートの1例に限られている。
Figure 0007497022000001
G.Larson,Synthesis,2018,50,2433. I.Kownacki,B.Orwat,B.Marciniec,Organometallics,2014,33,3051. A.A.Toutov,K.N.Betz,D.P.Schuman,W.-B.Liu,A.Fedorov,B.M.Stoltz,R.H.Grubbs,J.Am.Chem.Soc.,2017,139,1668. G.Simchen,H.H.Hergott,Chimia,1985,39,53.
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、シリルアルキノエートの脱炭酸反応によるアルキニルシランの簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、触媒量の金属錯体を用いることで、シリルアルキノエートの脱炭酸反応が選択的に進行し、アルキニルシランが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を含む。
<1>金属錯体の存在下、下記式(a)で表されるシリルアルキノエートを脱炭酸させて下記式(b)で表されるアルキニルシランを生成する反応工程を含むことを特徴とするアルキニルシランの製造方法。
Figure 0007497022000002
<2>前記式(a)で表されるシリルアルキノエートが下記式(A-1)~(A-3)の何れかで表されるシリルアルキノエートである、<1>に記載のアルキニルシランの製造方法。
Figure 0007497022000003
(式(A-1)~(A-3)中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基を、nは1~4の整数を、mは1~5の整数を表す。)
<3>前記金属錯体が、Cu、Ag、Zn、Ni、及びPdからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子を含む、<1>又は<2>に記載のアルキニルシランの製造方法。<4>前記金属錯体が、1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ-iso-プロピルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン)、1,2-ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種の配位子を含む、<1>~<3>のいずれかに記載のアルキニルシランの製造方法。
本発明によれば、これまで適用可能な基質がビス(トリメチルシリル)アセチレンジカルボキシレートに限定されていたシリルアルキノエートの脱炭酸反応によるアルキニルシランの製造方法の適用範囲が広がることで、ビルディングブロックとして合成化学上有用
なアルキニルシランを合成するための新たな合成ルートが提供される。また、本反応の進行に伴って副生するのは通常は無害であり除去の容易な二酸化炭素であるため、ハロシランを用いる既存の合成法のように塩の副生を伴わず、得られるアルキニルシランの精製が容易である。
本発明の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<アルキニルシランの製造方法>
本発明の一態様であるアルキニルシランの製造方法は、金属錯体の存在下、下記式(a)で表されるシリルアルキノエートを脱炭酸させて下記式(b)で表されるアルキニルシランを生成する反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。式(a)及び(b)中の波線は、その先の構造が任意であることを意味する。
Figure 0007497022000004
本発明者らは、シリルアルキノエートの脱炭酸反応によるアルキニルシランの製造方法について検討を重ねた結果、これまでは基質がビス(トリメチルシリル)アセチレンジカルボキシレートに限定されていたところ、金属錯体を触媒量用いることで、様々なシリルアルキノエートに適用可能であり、ビルディングブロックとして合成化学上有用なアルキニルシランを合成するための新たな合成ルートとなり得ることを見出した。
かかる反応の詳細なメカニズムは、十分に明らかとなっていないが、シリルアルキノエートから生成した金属アルキノエートが脱炭酸反応を経て金属アセチリド中間体になり、金属アセチリドがシリルアルキノエートと反応し、アルキニルシランを生成し金属アルキノエートを再生すると推測している。
(式(A-1)~(A-3)で表されるシリルアルキノエート)
反応工程に使用する式(a)で表されるシリルアルキノエートは、特に限定されず、製造目的であるアルキニルシランに応じて適宜選択すべきであるが、例えば、下記式(A-1)~(A-3)の何れかで表されるシリルアルキノエートが好ましく挙げられる。
Figure 0007497022000005
(式(A-1)~(A-3)中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基を、nは1~4の整数を、mは1~5の整数を表す。)
(R、R
およびRは、それぞれ独立して「水素原子」、又は「炭素原子数1~20の炭化水素基」を表しているが、「炭化水素基」は、分岐構造及び/又は環状構造を有していてもよく、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基等の何れであってもよいものとする。また、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい」とは、炭化水素基の水素原子が、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ハロゲン原子を含む1価の官能基で置換されていてもよいほか、炭化水素基の炭素骨格内部の炭素原子が窒素原子、酸素原子、ケイ素原子等を含む2価以上の官能基(連結基)で置換されていてもよいことを意味する。従って、エーテル基(-O-)等の酸素原子、シリルオキシ基(-O-Si-)等の酸素原子及びケイ素原子、を炭素骨格の内部に含んでいてもよいことを意味する。
窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ハロゲン原子を含む1価の官能基としては、アミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、ピロリル基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、ピリジル基、ピリミジン基、ピラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、プリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピロリジニル基、ピラゾリル基、アニリン基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、及びシアノ基等の窒素原子を含む官能基;カルボニル基、ケトン基、エーテル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、フラニル基等の酸素原子を含む官能基;アミド基、イミド基、ウレア基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、シアネート基、イソシアネート基、モルホリノ基、ラクタム環等の酸素原子及び窒素原子を含む官能基;トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基等のアルキルシリル基、トリメチルシリルオキシ等のアルキルシリルオキシ基等のケイ素原子を含む官能基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、ジメチルアミノ基、メトキシ基、アセトキシ基、ニトロ基、塩素原子である。
、Rの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、4-メチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、1-トリフェニレニル基、2-トリフェニレニル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;4-メトキシフェニル基、4-アセトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-ニトロフェニル基等の窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、又はハロゲン原子を含む置換基を有していてもよい置換フェニル基等が挙げられる。
としては、入手容易性の観点から、好ましくは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい、炭素原子数1~20のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素原子数6~20の芳
香族炭化水素基であり;さらに好ましくは、炭素数1~10のアルキル基若しくはアルケニル基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、又はハロゲン原子を含む置換基を有していてもよい炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基であり;特に好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、4-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-アセトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-ニトロフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基であり;最も好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、フェニル基、4-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-アセトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-ニトロフェニル基である。
としては、反応性の観点から、好ましくは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい、炭素原子数1~20のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり;さらに好ましくは、炭素原子数1~10のアルキル基若しくはアルケニル基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、又はハロゲン原子を含む置換基を有していてもよい炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基であり;特に好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、4-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-アセトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-ニトロフェニル基2,4-ジメチルフェニル基であり;最も好ましくは、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、又はフェニル基である。
mは1~5の整数を表す。反応性の観点から、好ましくは1~3であり、より好ましくは1又は2である。
nは1~4の整数を表す。反応性の観点から、好ましくは1~3であり、より好ましくは1又は2である。
式(A-1)~(A-3)で表されるシリルアルキノエートとしては、好ましくは、以下の化合物1a~1rが挙げられる。
Figure 0007497022000006
(金属錯体)
反応工程は、金属錯体の存在下で行う。「金属錯体」とは、金属と非金属の原子が結合した構造を持つ化合物であれば特に限定されないが、高収率でアルキニルシランを得る観点から、反応工程に使用する「金属錯体」に含まれる金属原子としては、好ましくは、Cu、Ag、Zn、Ni、Pd等が挙げられる。該金属の酸化数は、通常0、+1、+2であるが、+1又は+2であることが好ましい。本発明の一実施形態においては、高収率でアルキニルシランを得る観点から、金属錯体が、好ましくは、Cu、Ag及びZnからなる群より選択される少なくとも1種を含み、より好ましくはCu又はZnを含む。
金属錯体の配位子は特に限定されないが、トリメチルホスフィン(PMe)、トリフェニルホスフィン(PPh)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリ-i
so-プロピルホスフィン(PPr)、トリ-t-ブチルホスフィン(PBu)、トリ-n-ブチルホスフィン(PBu)、トリシクロペンチルホスフィン(PCyp)、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(P(NMe)トリオクチルホスフィン(P(Oct))、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン(PCyPh)、シクロヘキシルジフェニルホスフィン(PCyPh)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)、並びに以下の配位子が好ましく挙げられる。
Figure 0007497022000007
中でも、アルキニルシランを高い収率で得られることから、好ましくは、1,10-フェナントロリン(Phen)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(PhPhen)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリシクロペンチルホスフィン(PCyp)、トリ-iso-プロピルホスフィン(PPr)、トリ-n-ブチルホスフィン(PBu)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(IPr)、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン)(dppm)、1,2-ビス(
ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(P(NMe)であり、より好ましくは、1,10-フェナントロリン(Phen)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(PhPhen)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリシクロペンチルホスフィン(PCyp)、トリ-iso-プロピルホスフィン(PPr)、トリ-n-ブチルホスフィン(PBu)、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(P(NMe)であり、さらに好ましくは、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリシクロ
ペンチルホスフィン(PCyp)、トリ-iso-プロピルホスフィン(PPr)トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(P(NMe)であり、特に好ましくは、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリシクロペンチルホスフィン(PCyp)、トリ-iso-プロピルホスフィン(PPr)トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(P(NMe)である。
金属錯体は、反応工程において、反応器に直接投入するほか、金属元素を含む化合物と配位子若しくは対イオンとなり得る化合物を添加剤として投入して、反応器内で目的の金属錯体を形成させてもよい。例えば、トリフェニルホスフィンと塩化銅(I)とを反応させることによって、トリフェニルホスフィン配位子を有する銅錯体を形成することが挙げられる。
金属元素を含む化合物としては、CuCl、CuCl、CuBr、CuI,CuOTf・0.5C、銅(I)フェニルアセチリド、CuSCN、CuCO、CuCN、
Cu(NO、Cu(ClO、Cu、Cu(CHCO等の銅化合物;AgO、AgSCN、AgNO、AgF、AgCl、AgBr、AgI、Ag(CHCO)等の銀化合物;ZnCl、ZnBr、ZnI、Zn(CHCO等の亜鉛化合物;NiCl、等のニッケル化合物;PdO、PdCl、PdCl、PdBr、PdI、PdCN、Pd(NO、PdS、PdSO、KPd、Pd(CHCO等のパラジウム化合物が挙げられる。
反応工程における金属錯体の使用量(仕込量)は、式(a)で表される構造を有するシリルアルキノエートに対して物質量換算で、通常0.01mol%以上、好ましくは0.1mol%以上、より好ましくは1mol%以上であり、通常50mol%以下、好ましくは10mol%以下、より好ましくは5mol%以下である。前記範囲内であると、より効率良くアルキニルシランを生成することができる。
反応器内で目的の配位子を有する金属錯体を形成させる場合の配位子の使用量(仕込量)は、金属元素を含む化合物中の金属に対して物質量換算で、通常0.5当量以上、好ましくは0.8当量以上、より好ましくは1当量以上であり、通常4当量以下、好ましくは3当量以下、より好ましくは2当量以下である。前記範囲内であると、より効率良くアルケニルシランを生成することができる。
なお、反応工程で用いられる金属錯体は、複数種の配位子又は対イオンを有してもよく、配位子若しくは対イオン、又はこれらになり得る化合物としては、1,5-シクロオクタジエン、エチレングリコール、メトキシエチルエーテル、メチルシクロペンタジエニル、塩化物アニオン(Cl)、臭化物アニオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、酢酸イオン(AcO)等が挙げられる。
(溶媒)
反応工程は、通常、溶媒中で行う。反応工程に用いられる溶媒の種類は特に限定されないが、ヘキサン、オクタン、トルエン、トリフルオロメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;1,2-ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglym)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のアミド系溶媒;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン等のアミ
ン系溶媒;等が挙げられる。反応性の観点から、溶媒は極性溶媒を含むことが好ましく、中でも、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びヘキサメチルリン酸トリアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。溶媒は1種を用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、溶媒全量に対し極性溶媒を5体積%以上含むことが好ましく、10体積%以上含むことがより好ましく、12体積%以上含むことがさらに好ましい。溶媒が極性溶媒をこの範囲で含むことにより、反応がより進行しやすくなる。
(反応条件)
反応工程の反応温度は、通常0℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは60℃以上であり、通常150℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下である。前記範囲内であると、より効率良くアルキニルシランを生成することができる。
反応工程の反応時間は、通常1時間以上、好ましくは6時間以上、より好ましくは8時間以上であり、通常72時間以下、好ましくは48時間以下、より好ましくは36時間以下である。
反応工程は、通常窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行う。
(その他の工程)
本実施形態に係るアルキニルシランの製造方法においては、上記反応工程の他、任意の工程を含んでいてもよい。任意の工程としては、アルキニルシランの純度を高めるための精製工程が挙げられる。精製工程においては、ろ過、吸着、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の有機合成分野で通常行われる精製方法を採用することができる。具体的には、反応工程後、例えば、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。
(式(B-1)~(B-3)で表されるアルキニルシラン)
反応工程によって生成する式(b)で表されるアルキニルシランは、特に限定されず、製造目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(B-1)~(B-3)の何れかで表されるアルキニルシランが好ましく挙げられる。
Figure 0007497022000008
式(B-1)~(B-3)中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基を、nは1~4の整数を、mは1~5の整数を表す。
、Rは、「式(A-1)~(A-3)のいずれかで表されるシリルアルキノエート」のものと同義である。
式(B-1)~(B-3)で表されるアルキニルシランとしては、以下の化合物2a~
2rが挙げられる。
Figure 0007497022000009
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1-1>
Figure 0007497022000010
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、3-フェニルプロピオール酸トリメチルシリル(43.7mg,0.20mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、25mM CuCl/2PCyのDMF溶液(40μL)(シリルアルキノエートに対して0.5mol%のCuClと1.0mol%のPCy)を加え、得られた混合物を80℃で攪拌した。6時間後、反応生成物をジクロロメタン(0.5mL)で希釈し、ショートシリカゲルカラム(溶離液:n-ヘキサン)で精製した。エバポレーターで濃縮後、アルキニルシラン2aが無色のオイル(34.5mg,>95%)として得られた。得られたオイルをNMR(BRUKER 核磁気共鳴装置(NMR) AVANCE III HD)で分析したところ、目的化合物が生成していることが確認された。NMR測定結果は以下の通りである。
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.48-7.45 (m, 2H), 7.32-7.28 (m, 3H), 0.25 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 132.0, 128.5, 128.2, 123.1, 105.1, 94.1, 0.0 ppm29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -17.8 ppm
<実施例1-2>
シリルアルキノエートに対して1.0mol%のPCyの代わりにシリルアルキノエートに対して0.5mol%のPPhを用いた以外は、実施例1-1と同様にして、アルキニルシランを得た。
<実施例1-3>
シリルアルキノエートに対して1.0mol%のPCyの代わりにシリルアルキノエートに対して0.5mol%のPBuを用いた以外は、実施例1-1と同様にして、アルキニルシランを得た。
<実施例1-4>
シリルアルキノエートに対して1.0mol%のPCyの代わりにシリルアルキノエートに対して0.5mol%のPCyを用いた以外は、実施例1-1と同様にして、アルキニルシランを得た。
<実施例1-5>
配位子を用いなかった以外は、実施例1-1と同様にして、アルキニルシランを得た。
Figure 0007497022000011
<実施例2-1~2-4>
Figure 0007497022000012
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、表2に記載の金属化合物(金属元素としてシリルアルキノエートに対して5mol%)にTHF(1.0mL)を加えた。ここに、1,10-フェナントロリン(Phen)(シリルアルキノエートに対して5mol%)、3-フェニルプロピオール酸トリメチルシリル(0.2mmol)を順次加えたのち、80℃で攪拌した。12時間後、反応混合物の一部を採取し、H NMR(BRUKER
核磁気共鳴装置(NMR) AVANCE III HD)で分析したところ、目的化合物が生成していることが確認された。シリルアルキノエートの転化率、アルキニルシランのNMR収率を表2に示す。
Figure 0007497022000013
<実施例3-1~3-8>
Figure 0007497022000014
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、CuCl(シリルアルキノエートに対して1mol%)に表3に記載の溶媒(1.0mL)を加えた。ここに、1,10-フェナントロリン(Phen)(シリルアルキノエートに対して1mol%)、3-フェニルプロピオール酸トリメチルシリル(0.2mmol)を順次加えたのち、80℃で攪拌した。12時間後、反応混合物の一部を採取し、H NMR(BRUKER 核磁気共鳴装置(NMR) AVANCE III HD)で分析したところ、目的化合物が生成していることが確認された。シリルアルキノエートの転化率、アルキニルシランのNMR収率を表3に示す。
<実施例3-9>
攪拌時間を24時間とした以外は実施例3-8と同様にして、アルキニルシラン2aを得た。シリルアルキノエートの転化率、アルキニルシランのNMR収率を表3に示す。
Figure 0007497022000015
<実施例4-1~4-7>
Figure 0007497022000016
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、25mM CuClのアセトニトリル溶液(80μL)(シリルアルキノエートに対して1mol%)にアセトニトリル(1.0mL)を加えた。ここに、表4に記載の配位子の25mMベンゼン溶液(80μL)(シリルアルキノエートに対して1mol%)、3-フェニルプロピオール酸トリメチルシリル(0.2mmol)を順次加えたのち、80℃で攪拌した。24時間後、反応混合物の一部を採取し、H NMR(BRUKER 核磁気共鳴装置(NMR) AVANCE II
I HD)で分析したところ、目的化合物が生成していることが確認された。アルキニルシランのNMR収率を表4に示す。
Figure 0007497022000017
<実施例4-8~4-13>
Figure 0007497022000018
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、25mM CuClのアセトニトリル溶液(80μL)(シリルアルキノエートに対して1mol%)にアセトニトリル(1.0mL)を加えた。ここに、表5に記載の配位子の25mMベンゼン溶液(80μL)(シリルアルキノエートに対して1mol%)、3-フェニルプロピオール酸トリメチルシリル(0.2mmol)を順次加えたのち、80℃で攪拌した。24時間後、反応混合物の一部を採取し、H NMR(BRUKER 核磁気共鳴装置(NMR) AVANCE II
I HD)で分析したところ、目的化合物が生成していることが確認された。アルキニルシランのNMR収率を表5に示す。
Figure 0007497022000019
<実施例5-1~5-5>
Figure 0007497022000020
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、表6に記載のシリルアルキノエート(0.20mmol)の表6に記載の溶媒(0.5mL)溶液に、25mM CuCl/2PCyのDMF溶液(40μL)(シリルアルキノエートに対して0.5mol%のCuClと1.0mol%のPCy)を加え、得られた混合物を80℃で攪拌した。24時間後、反応生成物をジクロロメタン(0.5mL)で希釈し、ショートシリカゲルカラム(溶離液:n-ヘキサン)で精製した。エバポレーターで濃縮後、アルキニルシランが得られた。アルキニルシランの単離収率を表6に示す。
Figure 0007497022000021
<実施例6-1~6-13>
Figure 0007497022000022
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、表7及び8に記載のシリルアルキノエート(0.20mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、25mM CuCl/2PCyのDMF溶液(40μL)(シリルアルキノエートに対して0.5mol%のCuClと1.0mol%のPCy)を加え、得られた混合物を80℃で攪拌した。表7及び8に示す時間の経過後、反応生成物をジクロロメタン(0.5mL)で希釈し、ショートシリカゲルカラム(溶離液:n-ヘキサン)で精製した。エバポレーターで濃縮後、アルキニルシランが得られた。得られたアルキニルシランをNMR(BRUKER 核磁気共鳴装置(NMR) AVANCE III HD)で分析したところ、目的化合物が生成していることが確認された。アルキニルシランの単離収率を表7及び8に示す。NMR測定結果は以下の通りである。
ジメチル(フェニルエチニル)(ビニル)シラン
Figure 0007497022000023
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.50-7.48 (m, 2H), 7.34-7.29 (m, 3H), 6.22 (dd, J = 20.1, 14.5 Hz, 1H), 6.07 (dd, J = 14.5, 3.7 Hz, 1H), 5.93 (dd, J = 20.0, 3.7 Hz, 1H), 0.33 ppm (s, 6H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 136.5, 133.2, 132.0, 128.7, 128.2, 123.0, 106.2,
92.0, -1.4 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -24.7 ppm
アリルジメチル(フェニルエチニル)シラン
Figure 0007497022000024
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.48-7.46 (m, 2H), 7.34-7.29 (m, 3H), 5.91-5.84 (m, 1H), 4.98-4.92(m, 2H), 1.73-1.71 (m, 2H), 0.25 ppm (s, 6H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 134.0, 132.0, 128.6, 128.2, 123.0, 113.9, 106.0,
92.6, 24.0, -2.2ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -17.9 ppm
ジメチル(フェニル)(フェニルエチニル)シラン
Figure 0007497022000025
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.75-7.74 (m, 2H), 7.56-7.54 (m, 2H), 7.45-7.43 (m, 3H), 7.38-7.33(m, 3H), 0.54 ppm (s, 6H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 137.1, 133.8, 132.1, 129.5, 128.8, 128.3, 128.0,
123.0, 106.8, 92.1, -0.7 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -21.6 ppm
トリエチル(フェニルエチニル)シラン
Figure 0007497022000026
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.49-7.47 (m, 2H), 7.32-7.28 (m, 3H), 1.06 (t, J = 7.9 Hz, 9H), 0.68ppm (q, J = 7.9 Hz, 6H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 132.1, 128.4, 128.2, 123.4, 106.4, 91.6, 7.5, 4.5 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -7.2 ppm
トリメチル(p-トリルエチニル)シラン
Figure 0007497022000027
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.38-7.36 (m, 2H), 7.11-7.10 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 0.26 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 138.6, 131.9, 129.0, 120.1, 105.4, 93.2, 21.5, 0.1 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -18.0 ppm
((4-メトキシフェニル)エチニル)トリメチルシラン
Figure 0007497022000028
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.41-7.39 (m, 2H), 6.83-6.81 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 0.24 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 159.7, 133.5, 115.3, 113.8, 105.2, 92.4, 55.3, 0.1 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -18.1 ppm
4-((トリメチルシリル)エチニル)フェニルアセテート
Figure 0007497022000029
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.50-7.48 (m, 2H), 7.07-7.05 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 0.27 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 169.1, 150.6, 133.1, 121.6, 120.8, 104.2, 94.3, 21.1, 0.0 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -17.7 ppm
((4-クロロフェニル)エチニル)トリメチルシラン
Figure 0007497022000030
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.40-7.37 (m, 2H), 7.28-7.26 (m, 2H), 0.24 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): 134.5, 133.2, 128.6, 121.6, 103.8, 95.4, -0.1 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -17.5 ppm
トリメチル((4-ニトロフェニル)エチニル)シラン
Figure 0007497022000031
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 8.18-8.16 (m, 2H), 7.60-7.58 (m, 2H), 0.27 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 147.2, 132.7, 130.0, 123.5, 102.7, 100.6, -0.3 p
pm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -16.6 ppm
トリメチル(ペント-1-イン-1-イル)シラン
Figure 0007497022000032
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 2.20 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.57-1.51 (m, 2H), 0.98 (t,
J = 7.4 Hz, 3H), 0.15 ppm (s, 9H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 107.6, 84.4, 22.1, 21.8, 13.4, 0.2 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -19.3 ppm
ジメチルビス(フェニルエチニル)シラン
Figure 0007497022000033
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.53-7.51 (m, 4H), 7.36-7.30 (m, 6H), 0.50 ppm (s, 6H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 132.2, 128.9, 128.2, 122.7, 105.9, 90.7, 0.5 ppm29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -39.4 ppm
1,4-ビス((トリメチルシリル)エチニル)ベンゼン
Figure 0007497022000034
1H NMR (600 MHz, CDCl3): d 7.39 (s, 4H), 0.25 ppm (s, 18H)
13C{1H} NMR (150 MHz, CDCl3): d 131.8, 123.1, 104.6, 96.3, -0.1 ppm
29Si{1H} NMR (119 MHz, CDCl3): d -17.5 ppm
Figure 0007497022000035
Figure 0007497022000036
上記実施例から、Cu、Ag又はZnを含み、1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ-iso-プロピルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン)
、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィンを配位子として用いることにより、25%以上の収率でアルキニルシランが得られたことがわかる。特に、1,10-フェナン
トロリン(Phen)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(PhPhen)、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcype)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)、トリシクロペンチルホスフィン(PCyp)、トリ-iso-プロピルホスフィン(PPr)、トリ-n-ブチルホスフィン(PBu)、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(P(NMe)を用いて60%以上の高収率でアルキニルシランが得られた。また、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の種々の溶媒を用いて、シリルアルキノエートからアルキニルシランを簡便に高収率で製造できることがわかった。
上記実施例に示されるように、様々な金属錯体を用いて、シリルアルキノエートからアルキニルシランを簡便に製造できる。
本発明の製造方法によって、アルキニルシランを簡便に製造することができる。製造されるアルキニルシランは、合成化学上有用なビルディングブロックであり、各種機能性材料やその原料として有用である。

Claims (4)

  1. 金属錯体の存在下、下記式(a)で表されるシリルアルキノエートを脱炭酸させて下記式(b)で表されるアルキニルシランを生成する反応工程を含むことを特徴とするアルキニルシランの製造方法。
    Figure 0007497022000037
  2. 前記式(a)で表されるシリルアルキノエートが下記式(A-1)~(A-3)の何れかで表されるシリルアルキノエートである、請求項1に記載のアルキニルシランの製造方法。
    Figure 0007497022000038
    (式(A-1)~(A-3)中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基を、nは1~4の整数を、mは1~5の整数を表す。)
  3. 前記金属錯体が、Cu、Ag、Zn、Ni、及びPdからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子を含む、請求項1又は2に記載のアルキニルシランの製造方法。
  4. 前記金属錯体が、1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ-iso-プロピルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン)、1,2-ビス(ジフェニルホ
    スフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種の配位子を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルキニルシランの製造方法。
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