JP2021169417A - アシロキシシランの製造方法 - Google Patents

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浩 山下
Hiroshi Yamashita
真紀子 羽鳥
Makiko Hatori
正安 五十嵐
Masayasu IGARASHI
一彦 佐藤
Kazuhiko Sato
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Abstract

【課題】機能性化学品として有用なアシロキシシランを効率的に製造する方法の提供。【解決手段】Si−OH結合を有するシラノールに、触媒存在下で、カルボン酸無水物を反応させる反応工程を含む、Si−OCO結合(OCOは、オキシカルボニル基のO−C(=O)を示す。)を有するアシロキシシランを製造する方法であって、前記触媒が、次の(1)または(2)より選ばれる酸性触媒であるアシロキシシランの製造方法。(1)周期表で第3族〜第15族元素から選ばれる元素の過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、ヘキサフルオロリン酸塩、塩化物、もしくは臭化物;無機酸;または有機酸。(2)無機系または有機系の固体酸化合物【選択図】なし

Description

本発明は、アシロキシシランの効率的な製造方法に関する。
アシロキシシラン類は、医、農薬、電子材料等の精密合成用試薬または合成中間体として利用される他、表面修飾剤、ゾル−ゲル材料、ナノ材料、有機無機ハイブリッド材料等の原料等として利用される機能性化学品である。
アシロキシシラン類の製造方法として、クロロシランを原料とする方法が知られている。具体的には、(A)クロロシランとカルボン酸を直接あるいは塩基存在下で反応させる方法(特許文献1、2)、(B)クロロシランとカルボン酸金属塩を反応させる方法(特許文献3)、(C)クロロシランとカルボン酸無水物を反応させる方法(特許文献4)等が検討されている。
一方、原料としてシラノールを用いる方法として、(D)トリエチルシラノールと無水酢酸を、無触媒の条件下、スチームバス上で12時間反応させた後、分別蒸留を行ってアセトキシトリエチルシランを得た反応例(非特許文献1)が報告されている。
しかし、クロロシランを原料とする方法では、(1)加水分解により腐食性の塩化水素を発生するクロロシランを使用するため、原料の取り扱いが容易でない(方法A、B)、(2)カルボン酸との反応で塩基を使用しない場合、腐食性の塩化水素が副生する(方法A)、(3)カルボン酸との反応で塩基を使用する場合、大量の塩が副生する(方法A)、(4)カルボン酸金属塩との反応でも大量の塩が副生する(方法B)、(5)カルボン酸無水物との反応では、加水分解しやすく腐食性の塩化水素を発生しやすいアシル塩化物が副生する(方法C)等の問題点があった。
一方、シラノールを原料とする方法では、腐食性の塩化水素の発生等の問題はないものの、高温で長時間反応させる必要があるなど、反応の効率が低い(方法D)、という問題があった。
特開昭54−103500号公報 欧州特許出願第0837067号明細書 米国特許第4379766号明細書 独国特許発明第882401号明細書
J.Am.Chem.Soc.,1946,68,11,2282−2284
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、シラノールからアシロキシシランを効率的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シラノールとカルボン酸無水物との反応が、特定の触媒存在下でスムーズに進行し、アシロキシシランが室温付近の短時間の反応でも効率よく得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
<1>
Si−OH結合を有するシラノールに、触媒存在下で、カルボン酸無水物を反応させる反応工程を含む、Si−OCO結合(OCOは、オキシカルボニル基のO−C(=O)を示す。)を有するアシロキシシランを製造する方法であって、
前記触媒が、次の(1)および(2)より選ばれる酸性触媒であるアシロキシシランの製造方法。
(1)周期表で第3族〜第15族元素から選ばれる元素の過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、ヘキサフルオロリン酸塩、塩化物、もしくは臭化物;無機酸;または有機酸。
(2)無機系または有機系の固体酸化合物。
<2>
前記(1)の酸性触媒が、第8族元素を含む化合物である、<1>に記載の製造方法。<3>
前記第8族元素が、鉄およびルテニウムから選ばれる元素である、<2>に記載の製造方法。
<4>
前記(2)の酸性触媒が、ゼオライト、モンモリロナイト、およびスルホ基含有ポリマーから選ばれる化合物である、<1>に記載の製造方法。
<5>
前記Si−OH結合を有するシラノールが、下記一般式(I)で表されるシラノールである、<1>〜<4>の何れかに記載の製造方法。
Si(OH)4−(a+b+c) (I)
(式中、a、b、およびcは、それぞれ独立に0〜3の整数であり;a+b+cは、0〜3の整数であり;R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
<6>
前記カルボン酸無水物が、下記一般式(II)で表されるカルボン酸無水物である、<1>〜<5>の何れかに記載の製造方法。
(RCO)O (II)
(式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
<7>
前記Si−OH結合を有するシラノールが、下記一般式(I’)で表されるシランモノオールであり、前記カルボン酸無水物が、下記一般式(II)で表されるカルボン酸無水物であり、生成するアシロキシシランが、下記一般式(IIIA)で表されるアシロキシシランである、<1>〜<4>の何れかに記載の製造方法。
Si(OH) (I’)
(式中、R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
(RCO)O (II)
(式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
Si(OCOR) (IIIA)
(式中、R、R、R、およびRは、前記と同義である。)
<8>
前記Si−OH結合を有するシラノールが、下記一般式(I’’)で表されるシランジオールであり、前記カルボン酸無水物が、下記一般式(II)で表されるカルボン酸無水物であり、生成するアシロキシシランが、下記一般式(IIIB)で表されるアシロキシシランである、<1>〜<4>の何れかに記載の製造方法。
Si(OH) (I’’)
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
(RCO)O (II)
(式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
(RCO)O(SiRO)(COR) (IIIB)
(式中、R、R、およびRは、前記と同義であり;mは、1〜20の整数である。)
<9>
前記反応がマイクロ波照射下で行われる、<1>〜<8>の何れかに記載の製造方法。<10>
<1>〜<9>の何れかに記載の製造方法によりアシロキシシランを製造するアシロキシシラン製造工程、および
前記アシロキシシランに下記一般式(IV)で表されるアルコールを反応させて、前記アシロキシシランのアシロキシ基をアルコキシ基に変換する修飾工程を含む、アルコキシシランの製造方法。
OH (IV)
(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基である。)
本発明の製造方法を用いることにより、シラノールからのアシロキシシラン製造を、従来の方法に比べ、より効率的に行うことができるという効果を有する。
詳細には、本発明の製造方法は、次のような特徴を有する。
(1)原料および触媒が入手し易く、取り扱いが容易で安全性も高い。
(2)腐食性の塩化水素が副生しない。
(3)温和な反応条件下、短時間で反応が終了する。
(4)固体酸触媒を使用する反応系では、触媒の分離、回収等も容易である。
(5)マイクロ波照射により、反応を促進することができる。
本発明の製造方法は、製造プロセスの低コスト化、高効率化を可能にするもので、従来技術に比べて経済性、環境負荷等の面で大きな利点を有すると考える。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、特段の記載がない限り、本明細書中のある式中の記号が他の式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
本発明の一実施態様に係るアシロキシシランの製造方法は、シラノールを、触媒の存在下で、カルボン酸無水物と反応させる反応工程を含むことを特徴とする。
本実施態様において、原料として使用するシラノールは、たとえば、下記一般式(I)
Si(OH)4−(a+b+c) (I)
で表される。
一般式(I)において、a、b、およびcは、それぞれ独立に0〜3の整数であり、a+b+cは、0〜3の整数である。また、R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。
炭化水素基の具体例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられる。
炭化水素基がアルキル基の場合、炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜6であり、アルキル基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、炭素数が1〜6のアルコキシ基、炭素数が1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子をより具体的に示せば、メトキシ基、エトキシ基、ヘキソキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;を挙げることができる。
反応に関与しない基で置換されていてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチル基、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル基等が挙げられる。
また、炭化水素基がアリール基の場合、炭化水素環系または複素環系の1価の芳香族有機基を使用できる。アリール基が炭化水素環系の場合、炭化水素環系の炭素数は、好ましくは6〜22、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは6〜10である。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。また、アリール基が複素環系の場合、複素環中のヘテロ原子は硫黄、酸素原子等である。また、アリール基の炭素数は、好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8である。アリール基の具体例としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基等が挙げられる。
アリール基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合に示したもの等を挙げることができる。また、その他の反応に関与しない基として、環上の2つの炭素原子を結合させる2価の基であるオキシエチレン基、オキシエチレンオキシ基等が挙げられる。それらの基等を有するアリール基の具体例としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、オクトキシフェニル基、メチル(メトキシ)フェニル基、フルオロ(メチル)フェニル基、クロロ(メトキシ)フェニル基、ブロモ(メトキシ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラニル基、1,4−ベンゾジオキサニル基等が挙げられる。
さらに、炭化水素基がアラルキル基の場合には、アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜23、より好ましくは7〜16である。アラルキル基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合について示したもの等を挙げることができる。
反応に関与しない基で置換されていてもよいアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、2−ナフチルメチル基、9−アントリルメチル基、(4−クロロフェニル)メチル基、1−(4−メトキシフェニル)エチル基等が挙げられる。
また、炭化水素基がアルケニル基の場合には、アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜23、より好ましくは2〜20である。アルケニル基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部が反応に関与しない基で置換されていてもよい。
反応に関与しない基の具体例としては、上記のアルキル基の場合について示したもの等の他、上記に示したアリール基等を挙げることができる。
反応に関与しない基で置換されていてもよいアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、9−デセニル基、2−フェニルエテニル基、2−(メトキシフェニル)エテニル基、2−ナフチルエテニル基、2−アントリルエテニル基等が挙げられる。
したがって、それらの炭化水素基等を有する原料のシラノールの具体例としては、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、ジメチルフェニルジシラノール、メチルジフェニルシラノール、トリフェニルシラノール、ベンジルジメチルシラノール、ジメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、フェニルビニルシランジオール、メチルシラントリオール、エチルシラントリオール、フェニルシラントリオール、ビニルシラントリオール、シランテトラオール等を挙げることができる。
一方、上記アルコキシシラン類と反応させるカルボン酸無水物は、たとえば、下記一般式(II)で表される。
(RCO)O (II)
一般式(II)において、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。
それら炭化水素基の具体例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等が挙げられる。また、反応に関与しない基の具体例としては、上記の一般式(I)のR、R、またはRの説明において示したもの等を挙げることができる。
炭化水素基中の炭素数に関しては、炭化水素基がアルキル基の場合には、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜6であり;アリール基の場合には、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜10であり;アラルキル基の場合には、好ましくは5〜21、より好ましくは5〜19であり;アルケニル基の場合には、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18である。
それらの基の具体例としては、上記の一般式(I)のR、R、またはRの説明において示したもの等を挙げることができる。
したがって、それらの炭化水素基を有するカルボン酸無水物(II)の具体例としては、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、イソ酪酸無水物、吉草酸無水物、イソ吉草酸無水物、ピバル酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物、オクタン酸無水物、ノナン酸無水物、デカン酸無水物、ラウリン酸無水物、ミリスチン酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリン酸無水物、ジフルオロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、安息香酸無水物、トルイル酸無水物、ナフトエ酸無水物、フェニル酢酸無水物、クロトン酸無水物、イソクロトン酸無水物、チグリン酸無水物、オレイン酸無水物等が挙げられ
る。
原料のシラノールに対するカルボン酸無水物のモル比は任意に選ぶことができるが、シラノールに対するアシロキシシランの収率を考慮すれば、通常0.4以上100以下であり、より好ましくは0.5以上50以下であり、さらに好ましくは0.5以上20以下である。
本実施態様においては、シラノールが下記一般式(I’)で表されるシランモノオールである場合、下記一般式(IIIA)で表されるアシロキシシランを製造できる。
Si(OH) (I’)
Si(OCOR) (IIIA)
一般式(I’)中、R、R、およびRは、一般式(I)中のR、R、およびRと同義である。すなわち、一般式(I’)で表されるシランモノオールは、一般式(I)で表されるシラノールにおいて、a=b=c=1の態様である。
一般式(IIIA)中、R、R、R、およびRは、前記と同義である。
したがって、それらの基等を有する一般式(IIIA)のアシロキシシランの具体例としては、アセトキシトリメチルシラン(MeSiOAc)、アセトキシトリエチルシラン(EtSiOAc)、アセトキシジメチルフェニルシラン(MePhSiOAc)、アセトキシメチルジフェニルシラン(MePhSiOAc)、トリメチル(プロピオニルオキシ)シラン(MeSiOCOEt)、トリメチル(ブタノイルオキシ)シラン(MeSiOCOPr)、トリメチル(ブタノイルオキシ)シラン(MeSiOCOPr)、(ベンゾイルオキシ)トリメチルシラン(MeSiOCOPh)等を挙げることができる。
また、本実施態様において、シラノールが下記一般式(I’’)で表されるシランジオールである場合、下記一般式(IIIB)で表されるアシロキシシランを製造できる。
Si(OH) (I’’)
(RCO)O(SiRO)(COR) (IIIB)
一般式(I’’)中、RおよびRは、一般式(I)中のRおよびRと同義である。すなわち、一般式(I’’)で表されるシランジオールは、一般式(I)で表されるシラノールにおいて、a=b=1かつc=0の態様である。
一般式(IIIB)中、R、R、およびRは、前記と同義である。
また、mは1〜20の整数であり、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜6である。
したがって、それらの基等を有する一般式(IIIB)のアシロキシシランの具体例としては、ジアセトキシジメチルシラン(AcO(SiMeO)Ac(m=1))、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(AcO(SiMeO)Ac(m=2))、1,5−ジアセトキシ−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(AcO(SiMeO)Ac(m=3))、1,7−ジアセトキシ−1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン(AcO(SiMeO)Ac(m=4))、ジアセトキシジフェニルシラン(AcO(SiPhO)Ac(m=1))、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン(AcO(SiPhO)Ac(m=2))、1,5−ジアセトキシ−1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン(AcO(SiPhO)Ac(m=3))、1,7−ジアセトキシ−1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン(AcO(SiPhO)Ac(m=4))等を挙げることができる。
本実施態様における反応工程は、形式的には、ヒドロキシ基を有する原料のシラノール
に対するカルボン酸無水物による求核的置換反応を伴う反応工程と考えられる。
したがって、前記一般式(II)のカルボン酸無水物を用いた場合、本実施態様における反応はカルボン酸の脱離を伴う反応となり、その反応工程は、たとえば、前記一般式(I)で表されるシラノールが、前記一般式(I’)で表されるシランモノオールである場合の反応では、下記スキーム1に示すように、カルボン酸の脱離を伴って、前記一般式(IIIA)のアシロキシシランが生成する。
Figure 2021169417
一方、前記一般式(I)で表されるシラノールが、前記一般式(I’’)で表されるシランジオールである場合の反応では、ヒドロキシ基のアシロキシ化だけでなく、ヒドロキシ基同士の縮合反応が進行するため、前記一般式(II)のカルボン酸無水物との反応では、前記一般式(IIIB)で表される、両末端にアシロキシ基を有するシランジオールのオリゴマーが生成する(スキーム2)。
Figure 2021169417
スキーム2におけるオリゴマーの分布は、シランジオール、カルボン酸無水物の反応性およびそれらの仕込み比等に依存して変化するが、一般的には、シランジオールに対するカルボン酸無水物の仕込み比が高いほど、単量体(m=1)の割合が多い分布になる。
アシロキシシランを製造する反応工程では、反応を促進するために、次の(1)または(2)の何れかより選ばれる酸性触媒を使用する。
(1)周期表で第3族〜第15族元素から選ばれる元素の過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、ヘキサフルオロリン酸塩、塩化物、もしくは臭化物;無機酸;または有機酸。
(2)無機系または有機系の固体酸化合物
前記(1)の触媒としては、周期表で第3族〜第15族元素の化合物であって、従来公知の各種の酸性化合物を使用できる。
第3族〜第15族元素の具体例としては、スカンジウム、イットリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、オスニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、スズ、リン、アンチモン、ビスマス等を挙げることができる。
それらの元素の中では、触媒活性等の観点から、第3族、第8族、または第12族〜第14族の元素が好ましく、第8族、第13族、または第14族の元素がより好ましく、第8族の元素がさらに好ましい。
また、第8族の元素の中では、鉄またはルテニウムが好ましい。
本実施態様における反応工程では、それらの元素の過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、ヘキサフルオロリン酸塩、塩化物、臭化物等を、効果的な触媒として使用できる。
それらの触媒の具体例としては、過塩素酸鉄(III)、過塩素酸アルミニウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸鉄
(III)、トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、ビス
(トリフルオロメタンスルホニルイミド)スカンジウム(III)、ビス(トリフルオロメ
タンスルホニルイミド)鉄(III)、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)イン
ジウム(III)、塩化スカンジウム(III)、塩化イットリウム(III)、塩化チタン(IIIまたはIV)、ヘキサフルオロリン酸鉄(III)、ヘキサフルオロリン酸アルミニウム(III)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、塩化ルテニウム(III)、塩化亜鉛(II)、フッ化ホ
ウ素(III)、塩化ホウ素(III)、塩化アルミニウム(III)、臭化アルミニウム(III)、塩化ガリウム(III)、塩化インジウム(III)、塩化スズ(IV)、塩化ビスマス(III)
等が挙げられる。それらの化合物は、水和物の形態で使用してもよい。
それらの塩の中では、触媒活性等の観点から、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、塩化物、または臭化物が好ましく、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、または塩化物がより好ましい。
また、塩化物または臭化物に、過塩素酸銀等を添加し、塩化物または臭化物を過塩素酸塩等に変換して使用することも、好ましい方法である。
さらに、従来公知の各種の無機酸または有機酸の使用も可能である。
無機酸の具体例としては、硝酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。
一方、有機酸の具体例としては、スルホン酸、スルホニルイミド、カルボン酸等のプロトン性水素原子を有する化合物を挙げることができる。それらの具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフルオロ酢酸、酢酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のようなルイス酸性化合物も使用できる。
無機系と有機系の酸は、それらを複数組み合わせて使用することもできる。
一方、前記(2)の触媒としては、触媒の分離、回収等が容易な、従来公知の各種の無機系または有機系の固体酸触媒を使用できる。
無機系の固体酸触媒の具体例としては、不溶性の金属塩、金属酸化物等の固体無機物等が挙げられ、より具体的に示せば、プロトン性水素原子あるいは周期表で第3族〜第15族元素を有する、ゼオライト、メソポーラスシリカ、モンモリロナイトなどのほか、シリカゲル、ヘテロポリ酸、カーボン系素材等を担体とする無機系固体酸が挙げられる。
それらの固体酸中の第3族〜第15族元素の種類に制限はなく、第3族〜第15族の元素の具体例としては、前記で示したもの等が挙げられる。それらの中では、第3族、第8族、または第12族〜第14族元素が好ましく、第8族、第13族、または第14族の元素がより好ましい。また、それらの元素の中では、鉄、アルミニウム、インジウム、またはスズが好ましく、鉄、アルミニウム、またはスズがより好ましい。
無機系固体酸の中では、触媒活性、生成物に対する選択性等の点で、規則的細孔および/または層状構造を有する固体酸である、ゼオライト、メソポーラスシリカ、モンモリロナイト等の固体酸が好ましく、ゼオライト、モンモリロナイトの固体酸がより好ましく使
用される。
無機系固体酸の規則的細孔および/または層状構造の種類にとくに制限はないが、反応する分子または生成する分子の拡散のしやすさを考慮すると、細孔構造を有する固体酸触媒では、細孔径は、通常0.2〜20nm、好ましくは、0.3〜15nm、より好ましくは0.3〜10nmである。また、層状構造を有する固体酸触媒では、層間距離は、通常0.2〜20nm、好ましくは、0.3〜15nm、より好ましくは0.3〜10nmである。
規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒としてゼオライトを使用する場合、その種類としては、USY型、Y型、ベータ型、ZSM−5型、モルデナイト型、SAPO型等の基本骨格を有する各種のゼオライトが使用可能である。また、Y型ゼオライト(Na−Y)を二次的処理して得られる、SUSY型(Super Ultrastable Y)、VUSY型(Very Ultrastable Y)、SDUSY型(Super dealuminated ultrastable Y)等として知られるUSY型(Ultrastable Y、超安定Y型)のものも好ましく使用できる(USY型については、たとえば、“Molecular Sieves”、Advances in Chemistry、Volume 121、American Chemical Society、1973、Chapter 19、等を参照)。
反応速度の点では、これらゼオライトの中では、USY型、ベータ型、Y型、ZSM−5型、およびモルデナイト型が好ましく、USY型、ベータ型、およびY型がより好ましく、USY型およびベータ型がさらに好ましく、USY型が特に好ましい。
これらゼオライトにおいては、プロトン性水素原子を有するブレンステッド酸型のもの、周期表で第3族〜第15族の元素を有するルイス酸型のものなど、各種のゼオライトを使用できる。この中で、プロトン性水素原子を有するプロトン型のものは、H−Y型、H−SDUSY型、H−SUSY型、H−ベータ型、H−モルデナイト型、H−ZSM−5型等で表される。また、アンモニウム型のものである、NH−Y型、NH−VUSY型、NH−ベータ型、NH−モルデナイト型、NH−ZSM−5型等のゼオライトを焼成して、プロトン型に変換したものも使用することができる。
さらに、ゼオライトのシリカ/アルミナ比(物質量比)については、反応条件に応じて各種の比を選択できるが、通常は3〜1000であり、好ましくは3〜800、より好ましくは5〜600、さらに好ましくは5〜400である。
それらゼオライトとしては、市販品を含む各種のものを使用できる。市販品の具体例を示すと、USY型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CBV760、CBV780、CBV720、CBV712、およびCBV600等が挙げられる。Y型ゼオライトとしては、東ソー社より市販されているHSZ−360HOAおよびHSZ−320HOA等が挙げられる。また、ベータ型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CP811C、CP814N、CP7119、CP814E、CP7105、CP814CN、CP811TL、CP814T、CP814Q、CP811Q、CP811E−75、CP811E、およびCP811C−300等;東ソー社より市販されているHSZ−930HOAおよびHSZ−940HOA等;UOP社より市販されているUOP−Beta等;などが挙げられる。さらに、モルデナイト型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されているCBV21AおよびCBV90A等;東ソー社より市販されている、HSZ−660HOA、HSZ−620HOA、およびHSZ−690HOA等;などが挙げられる。ZSM−5型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CBV5524G、CBV8020、およびCBV8014N等が挙げられる。
上記の無機系固体酸のほかに、酸性官能基を有する有機系固体酸も効果的に使用できる。有機系固体酸は、酸性官能基を有するポリマー等である。酸性官能基の種類としては、スルホ基、カルボキシ基、ホスホリル基等が挙げられ、ポリマーの種類としては、パーフルオロ側鎖を有するテトラフルオロエチレン骨格ポリマー、スチレン−ジビニルベンゼン共重合ポリマー等が挙げられる。酸性官能基を有するポリマーの具体例としては、スルホ基を有する、ナフィオン(Nafion、登録商標、デュポン社より入手可能)、ダウエックス(Dowex、登録商標、ダウ・ケミカル社より入手可能)、アンバーライト(Amberlite、登録商標、ローム&ハス社より入手可能)、アンバーリスト(Amberlyst、登録商標、ダウ・ケミカル社より入手可能)等が挙げられる。それらをより具体的に示せば、ナフィオンNR50、ダウエックス50WX2、ダウエックス50WX4、ダウエックス50WX8、アンバーライトIR120、アンバーライトIRP−64、アンバーリスト15、アンバーリスト36等を挙げることができる。
さらに、シリカ等の無機物にナフィオン等の有機系固体酸を担持した触媒(たとえば、ナフィオンSAC−13等)を用いることもでき、無機系固体酸と有機系固体酸を複数組み合わせて使用することもできる。
シラノール又はカルボン酸無水物に対する触媒量は任意に決めることができるが、モル比または重量比では、通常は0.00001〜10程度で、好ましくは0.0001〜8程度、より好ましくは0.0001〜6程度である。
本実施態様において、反応工程での反応は、反応温度または反応圧力に応じて、液相または気相状態で行うことができる。また、反応装置の形態としては、バッチ型、フロー型等、従来知られている各種形態で行うことができる。
反応温度は、通常は−20℃以上、好ましくは−10〜300℃、より好ましくは、−10〜200℃である。また、カルボン酸無水物の反応性を制御するために、室温で反応を行う場合には、室温の温度範囲としては、通常は0〜40℃、好ましくは5〜40℃、より好ましくは10〜35℃である。
さらに、反応圧力は、通常は0.1〜100気圧で、好ましくは0.1〜50気圧、より好ましくは0.1〜10気圧である。
反応時間は、原料の量、触媒量、反応温度、反応装置の形態等に依存するが、生産性および生産効率を考慮すると、通常は0.1〜1200分、好ましくは0.1〜600分、より好ましくは0.1〜300分程度、さらに好ましくは5〜200分、特に好ましくは5〜120分である。
また、反応を液相系で行う場合、溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用いる場合には、デカリン(デカヒドロナフタレン)、デカン等の炭化水素;クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;tert−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル等;のような、原料と反応しない各種の溶媒が使用可能で、2種以上混合して用いることもできる。また、反応を気相で行う場合には、窒素等の不活性ガスを混合して反応を行うこともできる。
本実施態様における反応工程での反応は、マイクロ波照射下で行うこともできる。本反応系では、原料のカルボン酸無水物、酸触媒等の誘電損失係数が比較的大きく、マイクロ波を効率よく吸収するため、マイクロ波照射下ではカルボン酸無水物、触媒等が活性化され、反応をより効率的に行うことができる。
マイクロ波照射反応では、接触式または非接触式の温度センサーを備えた各種の市販装置等を使用できる。また、マイクロ波照射の出力、キャビティの種類(マルチモード、シングルモード)、照射の形態(連続的、断続的)等は、反応のスケール、種類等に応じて
任意に決めることができる。マイクロ波の周波数としては、通常、0.3〜30GHzである。その中で好ましいのは、産業、科学、または医療分野で使用するために割り当てられたIMS周波数帯で、さらにその中でも、2.45GHz帯、5.8GHz帯等がより好ましい。
また、マイクロ波照射反応では、反応系をより効率よく加熱するために、マイクロ波を吸収して発熱する加熱材(サセプター)を反応系に添加することができる。加熱材の種類としては、活性炭、黒鉛、炭化ケイ素、炭化チタン等、従来公知の各種のものを使用できる。また、先に記載した触媒と加熱材の粉末を混合して、セピオライト、ホルマイト等の適当なバインダーを利用して焼成加工した成形触媒を用いることもできる。
本実施態様における反応工程は、密閉系の反応装置でも進行するが、反応装置を開放系にして、反応生成物を反応系外に連続的に除去することにより、反応をより効率的に進行させることもできる。
本実施態様に係る製造方法で、固体酸触媒を用いる場合、反応工程後の触媒の分離および回収は、濾過、遠心分離等の方法により容易に行うことができる。
また、生成したアシロキシシランの精製も、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の有機化学上通常用いられる手段により容易に達せられる。
本実施態様に係る製造方法では、アシロキシシランを製造した後、得られたアシロキシシランのアシロキシ基を他の官能基に変換する修飾工程を含んでいてもよい。なお、修飾工程は、精製したアシロキシシランだけでなく、未精製のアシロキシシランを用いて行うこともできる。すなわち、アシロキシシランを含む反応液に、修飾剤を添加して、アシロキシ基を他の置換基にワンポットで変換することが可能である。
修飾工程において使用される修飾剤としては、アシロキシ基と反応するものであればとくに制限はなく、たとえば、修飾剤としてアルコールを用いることで、アシロキシ基をアルコキシ基に変換することができる。
アルコールとしては、たとえば、下記一般式(IV)で表されるアルコールが挙げられ、当該アルコールとの反応により、アシロキシ基は下記一般式(V)で表されるアルコキシ基に変換される。
OH (IV)
−OR (V)
一般式(IV)および(V)において、Rは、炭素数1〜6のアルキル基である。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。それらの基を有する一般式(IV)のアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等を挙げることができる。また、それらの基を有する一般式(V)で表されるアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
また、修飾工程においては、反応を促進するために、塩基性化合物等を共存させて反応を行うこともできる。そのような塩基性化合物としては、有機系および無機系の塩基性化合物が使用可能である。有機系の塩基性化合物の具体例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン等を挙げることができる。無機系の塩基性化合物の具体例として
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等を挙げることができる。
修飾工程では、反応工程で生成するアシロキシシランを単離精製する必要はなく、反応工程と連続して、ワンポットの操作で行うこともできる。
修飾剤の量は任意に選ぶことができるが、アシロキシシラン中のアシロキシ基1個に対するモル比として、通常は1以上30以下、好ましくは1以上20以下、より好ましくは1以上10以下である。また、反応温度も任意に選ぶことができるが、通常は−20℃以上、好ましくは−10〜300℃、より好ましくは−10〜200℃である。反応時間は、アシロキシシランの量、塩基性化合物の量、反応温度、反応装置の形態等に依存するが、生産性および効率を考慮すると、通常は、1分〜72時間、好ましくは1分〜48時間、より好ましくは1分〜24時間程度である。
本実施態様に係る製造方法により提供されるアシロキシシランは、反応性が高いアシロキシ基を有している。そのため、合成中間体として利用する際の反応、表面処理剤、ゾル−ゲル材料等として利用する際の反応を、温和な条件で、効率的に行うことができると考えられ、機能性化学品として高い利用価値を有する。
たとえば、表面処理剤に関しては、ガラス等の固体材料に対して、室温で数分程度の温和な条件下で迅速に表面処理を行うことが可能で、使用するアシロキシシラン類の種類に応じて、固体材料表面の親水性または疎水性を容易に制御することができる。
また、本実施態様に係る製造方法により製造されるアシロキシシランは、1種単独で表面処理剤として使用してもよく、2種以上を組み合わせて表面処理剤として使用してもよい。
さらに、本実施態様に係るアシロキシシランの製造方法では、さまざまなアシロキシシランを温和な条件下で簡便に製造できるため、アシロキシシランを含む反応液を、精製せずにそのまま表面処理剤として使用することができる点も、本実施態様に係る製造方法の特長である。
アシロキシシランを表面処理剤として用いる場合は、必要に応じて、トルエン、ヘキサン等のアシロキシシランと反応しない有機溶剤で希釈して用いることもできる。
アシロキシシランを含有する表面処理剤を用いた固体材料の表面処理方法としては、ディップ法(浸漬法)、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法等、従来公知の各種の方法を挙げることができる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例で使用した主な分析装置等は、以下の通りである。
・核磁気共鳴スペクトル分析(以下、NMRと称する場合がある。):ブルカー製 AVANCE III HD 600MHz(クライオプローブ装着)
・ガスクロマトグラフ分析(以下、GCと称する場合がある。):島津製作所製 GC−2014
・ガスクロマトグラフ質量分析(以下、GC−MSと称する場合がある。):島津製作所製 GCMS−QP2010Plus
・マイクロ波照射反応:バイオタージ社製 Initiator8
(実施例1)
トリメチルシラノール(MeSiOH) 1mmol、無水酢酸(AcO) 2mmol、過塩素酸鉄(III)6水和物(Fe(ClO・6HO) 0.005m
molを反応容器に入れ、約25℃(室温)で、10分攪拌した。生成物を、GC、GC−MS、およびNMRで分析し、生成物の収率をNMRで測定した結果、(アセトキシ)
トリメチルシラン(MeSiOAc)が、≧99%の収率で生成したことがわかった(表1−1参照)。
(実施例2〜31、比較例1〜2)
反応条件(原料、触媒、温度、時間等)を変えて、実施例1と同様に反応および分析を行い、生成物の収率をNMRで測定した結果を表1−1〜表1−3に示す。
Figure 2021169417
Figure 2021169417
Figure 2021169417
表1−1〜表1−3中の注釈を以下に示す。
1) Me3SiOH:トリメチルシラノール
Et3SiOH:トリエチルシラノール
Ph2Si(OH)2:ジフェニルシランジオール
2) Ac2O:無水酢酸、
(EtCO)2O:プロピオン酸無水物
(PhCO)2O:安息香酸無水物
3) Fe(ClO4)3・6H2O:過塩素酸鉄(III)6水和物
FeCl3:塩化鉄(III)
FeBr3:臭化鉄(III)
RuCl3・H2O:塩化ルテニウム(III)水和物
CBV780:USY系ゼオライト(ゼオリスト社製)
Sn4+-mont:Sn4+イオン含有モンモリロナイト(水中で、Na+イオン含有モンモリロナ
イト(クニミネ工業社製クニピアF)に、SnCl4を添加し、陽イオンを交換させて調製したもの)
Amberlyst 15:H+型陽イオン交換樹脂(ダウ・ケミカル社製)
4) 単位は、触媒が均一系触媒(Fe(ClO4)3・6H2O、FeCl3、FeBr3、RuCl3・H2O)の場合はmmol、触媒が不均一系触媒(固体酸触媒、CBV780、Sn4+-mont、Amberlyst 15)の場合はmg。
5) DCB:1,2-ジクロロベンゼン。
6) 25℃は、室温での反応を示す。室温より高い温度での反応では、オイルバス(理工科
学社製MH-5D)を使用した。
7) Me3SiOAc:アセトキシトリメチルシラン
Me3SiOCOEt:トリメチル(プロピオニルオキシ)シラン
Et3SiOAc:アセトキシトリエチルシラン
Me3SiOCOPh:(ベンゾイルオキシ)トリメチルシラン
AcO(SiPh2O)mAc (m=1):ジアセトキシジフェニルシラン
AcO(SiPh2O)mAc (m=2):1,3-ジアセトキシ-1,1,3,3-テトラフェニルジシロキサン
AcO(SiPh2O)mAc (m=3):1,5-ジアセトキシ-1,1,3,3,5,5-ヘキサフェニルトリシロキサン
AcO(SiPh2O)mAc (m=4):1,7-ジアセトキシ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタフェニルテトラシロキサン
8) NMRによる収率(シラノールに対するアシロキシシラン生成物の収率)
9) マイクロ波照射装置(バイオタージ社製Initiator8)を使用した
10) カルボン酸無水物に対するシロキサン生成物の収率
11) 2個のアセトキシ基を有する化合物(単量体(m=1)、2量体(m=2)、3量体(m=3)、および4量体(m=4))の混合物。括弧内は、単量体〜4量体の化合物の比を示す。また、
収率は、それらの合計収率を示す。
(実施例32)
実施例25で得られた、AcO(SiPhO)Ac(m=1〜4、単量体〜4量体の化合物の比は、38:51:8:3) 0.12mmol(SiPhO当たりのモル数)を含む反応液 0.08mLを、重アセトニトリル 0.4mLに溶解し、メタノール 1.2mmolおよびトリエチルアミン 3.6mmolを添加して、室温で約2時間放置した。生成物を、GC、GC−MS、およびNMRで分析し、生成物の収率をNMRで測定した結果、MeO(SiPhO)Me(m=1〜4、単量体〜4量体の化合物の比は、反応前とほぼ同じ)が、≧99%の収率で生成したことがわかった。
上記実施例1〜32で得られた、アシロキシシランおよびアルコキシシランの29Si−NMRおよびGC−MSの測定データを表2に示す。
Figure 2021169417
表2中の注釈を以下に示す。
1) 各化合物の名称は、表1−1〜表1−3の脚注7および以下に記載の通りである。
MeO(SiPh2O)mMe(m=1):ジメトキシジフェニルシラン
MeO(SiPh2O)mMe(m=2):1,3-ジメトキシ-1,1,3,3-テトラフェニルジシロキサン
MeO(SiPh2O)mMe(m=3):1,5-ジメトキシ-1,1,3,3,5,5-ヘキサフェニルトリシロキサン
MeO(SiPh2O)mMe(m=4):1,7-ジメトキシ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタフェニルテトラシロ
キサン
2) 29Si NMRの化学シフト値。NMR溶媒として、C6D6を使用。緩和試薬Cr(acac)3(クロム(III)アセチルアセトナート)を添加して測定。
3) GC-MS:ガスクロマトグラフ質量分析計、EI法:電子衝撃イオン化法(70eV)。
4) NMR溶媒として、CDCl3を使用した。
本発明の製造方法では、触媒を用いることにより効率よく反応が進行するため、室温のような低温でも反応が容易に進行する。
たとえば、トリメチルシラノール(MeSiOH)と無水酢酸(AcO)の反応では、触媒が存在しない場合、比較例1または2に示すように、25℃で160分または80℃で60分の条件では、アセトキシトリメチルシラン(MeSiOAc)収率は、それぞれ、0%または1%であり、アシロキシシランはほとんど得られなかった。
一方、触媒を用いる本発明の方法では、実施例1に示すように、触媒量(0.5mol%)のFe(ClO・6HOの存在下、25℃で10分の条件で、MeSiOAcを99%以上の高収率で得ることができた。
これらの結果は、本発明の製造方法により、アシロキシシランを、室温でも短時間で効率よく製造できることを示している。
さらに、本発明の製造方法では、マイクロ波照射を用いて加熱を行うことにより、反応を加速することができる。
たとえば、オイルバス加熱装置を用いて反応を行った実施例18では、モル比1:1トリメチルシラノール(MeSiOH)と安息香酸無水物((PhCO)O)とを、安息香酸無水物に対して0.5mol%のFe(ClO・6HOの存在下で、120℃10分間反応させることで、70%の収率で(ベンゾイルオキシ)トリメチルシラン(MeSiOCOPh)が得られた。また、トリメチルシラノール(MeSiOH)と安息香酸無水物((PhCO)O)とのモル比を1:0.8とし、触媒量を安息香酸無水物に対して0.6mol%とした以外は実施例18と同様に反応を行った実施例20では、72%の収率で(ベンゾイルオキシ)トリメチルシラン(MeSiOCOPh)が得られた。
一方、実施例19および実施例21において、オイルバス加熱装置の代わりにマイクロ波照射装置を用いた以外は、それぞれ実施例18および実施例20と同じ条件で反応を行ったところ、MeSiOCOPhの収率は、それぞれ、74%および77%であった。
これらの結果は、本発明の製造方法が、オイルバス加熱等の通常加熱を用いる方法でも効率よく行うことができるが、マイクロ波加熱を用いることによりさらに効率よく行うことができることを示している。
本発明の製造方法により、機能性化学品として有用なアシロキシシランを、シラノールより効率的かつ安全に製造できるため、本発明の利用価値は高く、その工業的意義は多大である。

Claims (10)

  1. Si−OH結合を有するシラノールに、触媒存在下で、カルボン酸無水物を反応させる反応工程を含む、Si−OCO結合(OCOは、オキシカルボニル基のO−C(=O)を示す。)を有するアシロキシシランを製造する方法であって、
    前記触媒が、次の(1)および(2)より選ばれる酸性触媒であるアシロキシシランの製造方法。
    (1)周期表で第3族〜第15族元素から選ばれる元素の過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)塩、ヘキサフルオロリン酸塩、塩化物、もしくは臭化物;無機酸;または有機酸。
    (2)無機系または有機系の固体酸化合物。
  2. 前記(1)の酸性触媒が、第8族元素を含む化合物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第8族元素が、鉄およびルテニウムから選ばれる元素である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記(2)の酸性触媒が、ゼオライト、モンモリロナイト、およびスルホ基含有ポリマーから選ばれる化合物である、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記Si−OH結合を有するシラノールが、下記一般式(I)で表されるシラノールである、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
    Si(OH)4−(a+b+c) (I)
    (式中、a、b、およびcは、それぞれ独立に0〜3の整数であり;a+b+cは、0〜3の整数であり;R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
  6. 前記カルボン酸無水物が、下記一般式(II)で表されるカルボン酸無水物である、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法。
    (RCO)O (II)
    (式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
  7. 前記Si−OH結合を有するシラノールが、下記一般式(I’)で表されるシランモノオールであり、前記カルボン酸無水物が、下記一般式(II)で表されるカルボン酸無水物であり、生成するアシロキシシランが、下記一般式(IIIA)で表されるアシロキシシランである、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
    Si(OH) (I’)
    (式中、R、R、およびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
    (RCO)O (II)
    (式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
    Si(OCOR) (IIIA)
    (式中、R、R、R、およびRは、前記と同義である。)
  8. 前記Si−OH結合を有するシラノールが、下記一般式(I’’)で表されるシランジオールであり、前記カルボン酸無水物が、下記一般式(II)で表されるカルボン酸無水物であり、生成するアシロキシシランが、下記一般式(IIIB)で表されるアシロキシシランである、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
    Si(OH) (I’’)
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜24の炭化水素基または水素原子であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
    (RCO)O (II)
    (式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、前記炭素数1〜24の炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、反応に関与しない基で置換されていてもよい。)
    (RCO)O(SiRO)(COR) (IIIB)
    (式中、R、R、およびRは、前記と同義であり;mは、1〜20の整数である。)
  9. 前記反応がマイクロ波照射下で行われる、請求項1〜8の何れか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法によりアシロキシシランを製造するアシロキシシラン製造工程、および
    前記アシロキシシランに下記一般式(IV)で表されるアルコールを反応させて、前記アシロキシシランのアシロキシ基をアルコキシ基に変換する修飾工程を含む、アルコキシシランの製造方法。
    OH (IV)
    (式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基である。)
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