JP6631907B2 - アルコキシシラン類、オリゴシロキサン類およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルコキシシラン類、それを水と反応させて得られるオリゴシロキサン類とその製造方法に関する。
アルコキシシラン類は、たとえば、トリアルコキシシラン類が無機材料の表面修飾を行うためのシランカップリング剤等として利用されている他、テトラアルコキシシラン類がゾル・ゲル法によるシリカ、ゼオライト、セラミックや有機・無機ハイブリッド材料の原料として広範に利用されている。また、有機基や水素原子で置換されたシラン類は、医・農薬、電子材料等の精密合成用試薬、合成中間体として利用される機能性化学品である。
トリまたはテトラアルコキシシラン類などのアルコキシ基としてはエトキシ基またはメトキシ基がよく使用されているが、プロポキシ基、ブトキシ基などその他のアルコキシ基を持つアルコキシシラン類も知られている。しかしながら、それらは通常、同一のアルコキシ基を複数個有するもので、市販されている化合物も同一のアルコキシ基を複数個有する特定のものに限定されていた。
一方、複数のエトキシ基またはメトキシ基を有するアルコキシシラン類の反応性制御あるいは機能性付与のために、エトキシ基またはメトキシ基の一部を他のアルコキシ基で置換することが考えられる。そのようなアルコキシシラン類(以下、一部置換型アルコキシシラン類と称する)は、分子内にメトキシ基またはエトキシ基をまだ有しているため、それらの反応性を残したまま、新しく導入されたアルコキシ基により、融点、沸点、粘度、屈折率等の物理的物性や、親水性・疎水性、他の有機分子との会合性、金属原子や金属イオンに対する配位性、反応性等の化学的物性を制御することや付与することなどを期待できる。
しかしながら、一部置換型アルコキシシラン類の種類はまだ多くなく、テトラエトキシまたはテトラメトキシシランなどに対して、エトキシ基またはメトキシ基の一部を、比較的短鎖の有機基である、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブトキシ基、2−(メタクリロキシ)エトキシ基、2−(メタクリロキシ)プロポキシ基、グリドキシ基や、オクトキシ基、デカノキシ基など特定のアルコキシ基で置換した構造の一部置換型アルコキシシランが報告されている程度であった(非特許文献1、特許文献1〜4)。一方、有機基として、オキシアルキル基あるいはチオアルキル基を含むものは、酸素原子あるいは硫黄原子を含むことから、それら原子の特性に基づいて、分子の極性、溶媒溶解性や、他の分子、金属イオン等に対する会合性、配位性等を制御できると考えられる。また、ハロゲノアルキル基を含むものは、ハロゲン原子の性質や反応性に基づいて、他の分子との相互作用や他の官能基への変換等を期待できる。しかしながら、オキシアルキル基、チオアルキル基、またはハロゲノアルコキシ基を有する一部置換型アルコキシシラン類はほとんど知られていなかった。
また、テトラエトキシまたはテトラメトキシシランに比べ、ジエトキシまたはジメトキシシランやトリエトキシまたはトリメトキシシランに対しては、一部置換型アルコキシシラン類の種類はさらに少ないという問題点があった。とくに、二つの異なる有機基を有する、ジエトキシまたはジメトキシシランのエトキシ基またはメトキシ基の一つを他のアルコキシ基に変換したものは、四つの異なる置換基を有するもので、四つの置換基による物性や反応性の制御ができる、ケイ素原子が不斉中心になるため光・電子材料や医・農薬の設計に有利である、等の利点があるにも関わらず製造例がほとんどなかった。これらのことから、有機基として、オキシアルキル基、チオアルキル基、ハロゲノアルキル基等の機能性基を有する一部置換型アルコキシシラン類や、ケイ素原子に結合する四つの置換基がすべて異なる一部置換型アルコキシシラン類について、構造や純度等が確かな化合物を提
供するとともに、それらの効果的な利用法を提供することが求められていた。
一方、メトキシ基またはエトキシ基とそれら以外のアルコキシ基を有するオリゴシロキサン類は、メトキシ基またはエトキシ基に基づく反応性とそれら以外のアルコキシ基に基づく機能性をあわせもつ化合物であり、樹脂材料、ゾル・ゲル材料や有機無機ハイブリッド材料用の原料、表面修飾・処理剤等としての利用が期待されている。たとえば、メトキシ基とブトキシ基等のアルコキシ基を有するポリシロキサン類については、それらの製造法や硬化性樹脂としての応用が知られていた(特許文献5)。一方、オキシアルキル基、チオアルキル基、ハロゲノアルキル基のような置換基は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を有することから、それらの原子の性質に基づいて、前記に示したような機能性を期待できるが、メトキシ基またはエトキシ基と、他のアルコキシ基中の有機基として、オキシアルキル基、チオアルキル基、ハロゲノアルキル基等の機能性基を有するオリゴシロキサン類やそれらを製造する方法については知られていなかった。
Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,4087−4092(1988)
特開平4−295486号公報 特開平5−255348号公報 特開平5−255349号公報 特開2004−269465号公報 特開平8−20646号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、有機基として、オキシアルキル基、チオアルキル基、ハロゲノアルキル基から選ばれる有機基等を有する一部置換型アルコキシシラン類およびそれから得られるオリゴシロキサン類を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(1)メトキシ基またはエトキシ基含有シラン類と、オキシアルキル基、チオアルキル基、またはハロゲノアルキル基から選ばれる有機基等を有するアルコールの反応が、規則的細孔構造等を有する無機系固体酸触媒存在下でスムーズに進行し、対応する一部置換型アルコキシシラン類が効率よく得られること、(2)得られた一部置換型アルコキシシラン類が加水分解による縮重合により、エトキシ基またはメトキシ基と、オキシアルキル基、チオアルキル基、またはハロゲノアルキル基から選ばれる有機基等を有するオリゴシロキサン類を与えることなどを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、次のような特徴を有する。
(1)原料のアルコール等が入手容易であるため、目的とする一部置換型アルコキシシラン類を低コストで提供できる。
(2)一部置換型アルコキシシラン類を製造する反応の触媒が入手し易く、取り扱いが容易で安全性も高い。また、触媒が固体で反応が不均一系のため、触媒の分離・回収等も容易である。
(3)一部置換型アルコキシシラン類の加水分解による縮重合は、従来法と同様の条件で容易に進行し、エトキシ基またはメトキシ基と、オキシアルキル基、チオアルキル基、またはハロゲノアルキル基から選ばれる有機基等を有するオリゴシロキサン類を効率よく提
供できる。
すなわち、この出願は以下の発明を提供するものである。
〈1〉下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン類。
Si(OR(OR (I)
(式(I)中、p、q、p+qは0以上2以下の整数、r、sは1以上の整数、p+q+r+s=4である。RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10の有機基または水素原子、Rはそれぞれ独立にエチル基またはメチル基、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜10の有機基である。
さらに、前記RおよびRの有機基は、炭素数4〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル基である。
加えて、p、q、r、およびsがいずれも1である場合以外は、前記Rの有機基は、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、または炭素数2〜10のハロゲノアルキル基である。
また、p、q、r、およびsがいずれも1である場合は、前記Rの有機基は、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のアルキニル基、炭素数5〜10のアラルキル基、または炭素数3〜10のアミノアルキル基である。)
〈2〉前記RおよびRの有機基において、炭素数4〜10のアリール基がフェニル基であり、炭素数1〜10のアルキル基がメチル基であり、炭素数2〜10のアルケニル基がビニル基であり、炭素数3〜10のオキシアルキル基が、2−メトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、(2−テトラヒドロフリル)メチル基、または2−(2−メトキシエトキシ)エチル基であり、前記Rの有機基において、炭素数2〜10のチオアルキル基が、2−メルカプトエチル基、2−(メチルチオ)エチル基、または2−(フェニルチオ)エチル基であり、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基が3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、6−クロロヘキシル基、または6−ブロモヘキシル基であり、炭素数3〜10のアルキル基が、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、tert−アミル基、またはオクチル基であり、炭素数3〜10のアルケニル基が3−メチル−2−ブテニル基であり、炭素数3〜10のアルキニル基がプロパルギル基であり、炭素数5〜10のアラルキル基がベンジル基であり、炭素数3〜10のアミノアルキル基が2−(ジメチルアミノ)エチル基である、〈1〉に記載のアルコキシシラン類。
〈3〉〈1〉または〈2〉に記載のアルコキシシラン類を含む組成物。
〈4〉前記アルコキシシラン類の含有量が、50質量%以上である、〈3〉に記載の組成物。
〈5〉シロキサン類製造用または表面処理用である、〈3〉または〈4〉に記載の組成物。
〈6〉〈1〉に記載のアルコキシシラン類と水を反応させる反応工程を含むオリゴシロキサン類の製造方法。
〈7〉前記反応工程が、酸または塩基が共存する工程である、〈5〉に記載のオリゴシロキサン類の製造方法。
〈8〉下記一般式(II)で表される構造を有するオリゴシロキサン類。
(RO)Si−O−Si(OR (II)
(式(II)中、p、q、p+qは0以上2以下の整数、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10の有機基または水素原子、Rはそれぞれ独立にエチル基、メチル基、炭素数2〜10の有機基、またはシリル基であり、Rの少なくとも1つは炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のアルキニル基、炭素数5〜10のアラルキル基、または炭素数3〜10のアミノアルキ
ル基である。tは1以上3以下の整数、p+q+t=3である。)
本発明により、エトキシ基またはメトキシ基と、オキシアルキル基、チオアルキル基、またはハロゲノアルキル基を有する一部置換型アルコキシシラン類、それらより得られるオリゴシロキサン類およびその製造方法を提供でき、機能性材料の開発に資することができるという効果を有する。
アルコキシシランと水の反応で生成したオリゴシロキサンの29Si−NMRスペクトルである((a):トリ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)シラン、(b):テトラ(エトキシ)シラン)。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一態様であるアルコキシシラン類は、下記一般式(I)で表されることを特徴とする。
Si(OR(OR (I)
一般式(I)中、p、q、p+qは0以上2以下の整数、r、sは1以上の整数、p+q+r+s=4である。RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10の有機基または水素原子、Rはそれぞれ独立にエチル基またはメチル基、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜10の有機基である。さらに、前記RおよびRの有機基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜10のアリール基、または炭素数2〜10のアルケニル基である。
加えて、p、q、r、およびsがいずれも1である場合以外は、前記Rの有機基は、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、または炭素数2〜10のハロゲノアルキル基である。
また、p、q、r、およびsがいずれも1である場合は、前記Rの有機基は、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のアルキニル基、炭素数5〜10のアラルキル基、または炭素数3〜10のアミノアルキル基である。
特に一般式(I)で表されるアルコキシシラン類は、親水性・疎水性の制御、無機原子や金属カチオン等との相互作用、他の官能基や機能性基への変換、光・電子材料や医・農薬の中間原料としての応用性等に優れた化合物であり、例えばシロキサン類製造用の原料、表面処理用の原料、ゾル・ゲル法による有機・無機ハイブリッド材料製造用の原料等に利用した場合には、表面の親水性・疎水性を広い範囲で制御できる、さまざまな無機原子や金属カチオン等の捕捉や吸着等が可能になる、他の機能性基等の導入によりさらなる高性能化や多機能化を図ることができる、等の優れた利点を発揮することができる。
また、その製造方法としては、たとえば、複数のエトキシ基またはメトキシ基を有するシラン類をアルコールと反応させ、複数のエトキシ基またはメトキシ基の一部を他のアルコキシ基で置換する方法が考えられる。具体的には、下記一般式(III)で表されるエトキシ基またはメトキシ基を有するシラン類を、下記一般式(IV)で表されるアルコール類と反応させることにより製造できる。
Si(OR4−(p+q) (III)
OH (IV)
一般式(III)、(IV)において、pおよびq、R、R、R、およびRは前記と同じ意味である。
一般式(I)および一般式(III)のRおよびRにおける有機基としては、炭素数4〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル
基が挙げられる。
またはRが炭素数4〜10のアリール基の場合、炭化水素環系または複素環系の1価の芳香族有機基を使用できる。炭化水素環系の有機基の場合には、炭素数が好ましくは6〜8であり、それら炭素環系の芳香族有機基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
また、アリール基が複素環系の有機基の場合には、ヘテロ原子は硫黄、酸素原子等であり、炭素数が好ましくは4〜10、より好ましくは4〜8である。それら複素環系の芳香族有機基の具体例としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基等が挙げられる。
一方、RまたはRが炭素数1〜10のアルキル基の場合、炭素数が好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6である。それらのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等を挙げることができる。
また、RまたはRが炭素数2〜10のアルケニル基の場合には、炭素数が好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。それらのアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、9−デセニル基等を挙げることができる。
したがって、それらのR、Rの基を有する一般式(III)のシラン類の具体例としては、ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、ジ(メトキシ)ジ(メチル)シラン、ジ(エトキシ)ジ(メチル)シラン、トリ(メトキシ)(メチル)シラン、トリ(エトキシ)(メチル)シラン、トリ(メトキシ)(フェニル)シラン、トリ(エトキシ)(フェニル)シラン、トリ(メトキシ)(ビニル)シラン、トリ(エトキシ)(ビニル)シラン、トリ(メトキシ)シラン、トリ(エトキシ)シラン、テトラ(メトキシ)シラン、テトラ(エトキシ)シラン等が挙げられる。
一方、一般式(IV)のアルコールにおいては、Rは炭素数2〜10の有機基である。さらに、pおよびqが1である場合以外は、その有機基は、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、または炭素数2〜10のハロゲノアルキル基である。また、pおよびqが1である場合は、その有機基は、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のアルキニル基、炭素数5〜10のアラルキル基、または炭素数3〜10のアミノアルキル基である。
が素数3〜10のオキシアルキル基の場合、炭素数が好ましくは3〜9、より好ましくは3〜8である。したがって、それらの基の具体例としては、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、6−メトキシヘキシル基、8−メトキシオクチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、(2−テトラヒドロフリル)メチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基等を挙げることができる。
また、Rが炭素数2〜10のチオアルキル基の場合には、炭素数が好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。したがって、それらの基の具体例としては、2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基、6−メルカプトヘキシル基、2−(メチルチオ)エチル基、3−(メチルチオ)プロピル基、2−(フェニルチオ)エチル基等を挙げることができる。
さらに、Rが炭素数2〜10のハロゲノアルキル基の場合は、炭素数が好ましくは2〜9、より好ましくは2〜8である。それらの基の具体例としては、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、4−クロロブチル基、4−ブロモブチル基、6−クロロヘキシル基、6−ブロモヘキシル基、8−クロロオクチル基、8−ブロモオクチル基等を挙げることができる。
一方、Rが炭素数3〜10のアルキル基の場合は、炭素数が好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8である。それらの基の具体例としては、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、アミル基、tert−アミル基、シクロヘキシル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等を挙げることができる。
また、Rが炭素数3〜10のアルケニル基の場合は、炭素数が好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8である。それらの基の具体例としては、2−プロペニル基、3−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、5−ヘキセニル基、9−デセニル基等を挙げることができる。
さらに、Rが炭素数3〜10のアルキニル基の場合は、炭素数が好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8である。それらの基の具体例としては、プロパルギル基、2−ブチン−1−イル基、3−フェニル−2−プロピン−1−イル基等を挙げることができる。
加えて、Rが炭素数5〜10のアラルキル基の場合は、炭素数が好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8である。それらの基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、2−フェニルプロピル基等を挙げることができる。
また、Rが炭素数3〜10のアミノアルキル基の場合は、炭素数が好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8である。それらの基の具体例としては、2−アミノエチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(ジエチルアミノ)エチル基、3−アミノプロピル基、2−(ジメチルアミノ)プロピル基、4−(ジメチルアミノ)ブチル基等を挙げることができる。
原料のシラン類に対するアルコールのモル比は任意に選ぶことができるが、原料シラン類に対する生成シラン類の収率を考慮すれば、通常0.4以上300以下であり、より好ましくは0.5以上200以下であり、さらに好ましくは0.5以上150以下である。
上記一般式(III)のシラン類と上記一般式(IV)のアルコールの反応により、一般式(I)
Si(OR(OR (I)
で表される一部置換型シラン類を製造できる。
一般式(I)中のp、q、r、s、R、およびRそれぞれ前記と同じ意味であり、RおよびRの好ましい具体例としては、上記一般式(III)および(IV)で例示したもの等を挙げることができる。
したがって、Rとして、炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、または炭素数2〜10のハロゲノアルキル基を有する、一般式(I)の一部置換型アルコキシシラン類の好ましい具体例としては、(メトキシ)(2−メトキシエトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(2−フェノキシエトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(2−メルカプトエトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)[2−(メチルチオ)エトキシ] (メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)[2−(フェニルチオ)エトキシ] (メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(3−クロロプロポキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(3−ブロモプロポキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(2−メトキシエトキシ)ジ(メチル)シラン、(メトキシ)(2−フェノキシエトキシ)ジ(メチル)シラン、(メトキシ)(2−メルカプトエトキシ)ジ(メチル)シラン、(メトキシ)[2−(メチルチオ)エトキシ] ジ(フェニル)シラン、(メトキシ)[2−(フェニルチオ)エトキシ] ジ(メチル)シラン、(メトキシ)(3−クロロプロポキシ)ジ(メチル)シラン、(メトキシ)(3−ブロモプロポキシ)ジ(フェニル)シラン、ジ(メトキシ)(2−メトキシエトキシ)(フェニル)シラン、(メトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)(フェニル)シラン、ジ(メトキシ)(2−フェノキシエトキシ)(フェニル)シラン、(メトキシ)ジ(2−フェノキシエトキシ)(フェニル)シラン、ジ(メトキシ)(2−メルカプトエトキシ)(フェニル)シラン、(メトキシ
)ジ(2−メルカプトエトキシ)(フェニル)シラン、ジ(メトキシ)[2−(メチルチオ)エトキシ](フェニル)シラン、(メトキシ)ジ[2−(メチルチオ)エトキシ](フェニル)シラン、ジ(メトキシ)[2−(フェニルチオ)エトキシ](フェニル)シラン、ジ(メトキシ)(3−クロロプロポキシ)(フェニル)シラン、(メトキシ)ジ(3−クロロプロポキシ)(フェニル)シラン、ジ(メトキシ)(3−ブロモプロポキシ)(フェニル)シラン、(メトキシ)ジ(3−ブロモプロポキシ)(フェニル)シラン、ジ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)(フェニル)シラン、(2−メトキシエトキシ)ジ(エトキシ)(フェニル)シラン、(エトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)(フェニル)シラン、ジ(エトキシ)(2−メルカプトエトキシ)(フェニル)シラン、(エトキシ)ジ(2−メルカプトエトキシ)(フェニル)シラン、ジ(エトキシ)(3−ブロモプロポキシ)(フェニル)シラン、(エトキシ)ジ(3−ブロモプロポキシ)(フェニル)シラン、ジ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)(ビニル)シラン、(エトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)(ビニル)シラン、ジ(エトキシ)(2−フェノキシエトキシ)(ビニル)シラン、(エトキシ)ジ(2−フェノキシエトキシ)(ビニル)シラン、ジ(メトキシ)(2−メルカプトエトキシ)(ビニル)シラン、(メトキシ)ジ(2−メルカプトエトキシ)(ビニル)シラン、ジ(エトキシ)[2−(メチルチオ)エトキシ](ビニル)シラン、(エトキシ)ジ[2−(メチルチオ)エトキシ](ビニル)シラン、ジ(メトキシ)[2−(フェニルチオ)エトキシ](ビニル)シラン、ジ(エトキシ)(3−クロロプロポキシ)(ビニル)シラン、(エトキシ)ジ(3−クロロプロポキシ)(ビニル)シラン、ジ(エトキシ)(3−ブロモプロポキシ)(ビニル)シラン、(エトキシ)ジ(3−ブロモプロポキシ)(ビニル)シラン、トリ(メトキシ)(2−メトキシエトキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)シラン、(メトキシ)トリ(2−メトキシエトキシ)シラン、トリ(メトキシ)(2−フェノキシエトキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(2−フェノキシエトキシ)シラン、(メトキシ)トリ(2−フェノキシエトキシ)シラン、トリ(エトキシ)(2−フェノキシエトキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(2−フェノキシエトキシ)シラン、(メトキシ)トリ(2−フェノキシエトキシ)シラン、トリ(メトキシ)[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン、ジ(メトキシ)ジ[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン、(メトキシ)トリ[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン、トリ(メトキシ)[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、ジ(メトキシ)ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、(メトキシ)トリ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、トリ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)シラン、(エトキシ)トリ(2−メトキシエトキシ)シラン、トリ(エトキシ)(2−フェノキシエトキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(2−フェノキシエトキシ)シラン、(エトキシ)トリ(2−フェノキシエトキシ)シラン、トリ(エトキシ)(2−フェノキシエトキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(2−フェノキシエトキシ)シラン、(エトキシ)トリ(2−フェノキシエトキシ)シラン、トリ(エトキシ)[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン、ジ(エトキシ)ジ[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン、(エトキシ)トリ[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン、トリ(エトキシ)[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、ジ(エトキシ)ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、(エトキシ)トリ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、トリ(メトキシ)(2−メルカプトエトキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(2−メルカプトエトキシ)シラン、(メトキシ)トリ(2−メルカプトエトキシ)シラン、トリ(メトキシ)[2−(メチルチオ)エトキシ] シラン、ジ(メトキシ)ジ[2−(メチルチオ)エトキシ] シラン、(メトキシ)トリ[2−(メチルチオ)エトキシ] シラン、トリ(メトキシ)[2−(フェニルチオ)エトキシ] シラン、ジ(メトキシ)ジ[2−(フェニルチオ)エトキシ] シラン、(メトキシ)トリ[2−(フェニルチオ)エトキシ] シラン、トリ(メトキシ)(3−クロロプロポキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(3−クロロプロポキシ)シラン、(メトキシ)トリ(3−クロロプロポキシ)シラン、トリ(メトキシ)(3−ブロモプロポキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(3−ブロモプロポキシ)シラン、(メトキシ)トリ(3−ブロモプロポキシ)シラン、トリ(エトキシ)(3−クロロプロポキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(3−クロロプロポキシ)シラン、(エトキシ)トリ(3−クロロプロポキシ)シラン、トリ(エトキシ)(3−ブロモプロポキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(3−ブロモプロポキシ)シラン、(エトキシ)トリ(3−ブロモプロポキシ)シラン、トリ(メトキシ)(6−クロロヘキ
ソキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(6−クロロヘキソキシ)シラン、(メトキシ)トリ(6−クロロヘキソキシ)シラン、トリ(メトキシ)(6−ブロモヘキソキシ)シラン、ジ(メトキシ)ジ(6−ブロモヘキソキシ)シラン、(メトキシ)トリ(6−ブロモヘキソキシ)シラン、トリ(エトキシ)(6−クロロヘキソキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(6−クロロヘキソキシ)シラン、(エトキシ)トリ(6−クロロヘキソキシ)シラン、トリ(エトキシ)(6−ブロモヘキソキシ)シラン、ジ(エトキシ)ジ(6−ブロモヘキソキシ)シラン、(エトキシ)トリ(6−ブロモヘキソキシ)シラン等が挙げられる。
一方、Rとして、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のアルキニル基、炭素数5〜10のアラルキル基、または炭素数3〜10のアミノアルキル基を有する、一般式(I)の一部置換型アルコキシシラン類の好ましい具体例としては、(メトキシ)(ブトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(sec−ブトキシ)シラン、(メトキシ)(tert−ブトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(2−メチルブトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(tert−アミロキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(オクトキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(3−メチル−2−ブテノキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(プロパルギルオキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)(ベンジルオキシ)(メチル)(フェニル)シラン、(メトキシ)[2−(ジメチルアミノ)エトキシ](メチル)(フェニル)シラン等が挙げられる。
一部置換型アルコキシシランを、複数のエトキシ基またはメトキシ基を有するシラン類とアルコールの反応で製造する場合、原料のシランが残存する場合や、エトキシ基またはメトキシ基の全部が置換された全置換型アルコキシシランが副生する場合がある。一部置換型アルコキシシランの用途によっては、原料や全置換型アルコキシシランのような副生物が混在しても大きな影響はないと考えられ、一部置換型アルコキシシランを精製せずに、反応液をそのまま組成物として使用することもできる。なお、一般式(I)のアルコキシシラン類を含む組成物も本発明の一態様である。
組成物に含まれる一般式(I)のアルコキシシラン類の含有量は、50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。上記範囲内であると、一部置換型アルコキシシランに特徴的な性能や機能をより効果的に発現させることができる。なお、組成物に含まれる一般式(I)のアルコキシシラン類以外の化合物としては、原料のシランやエトキシ基またはメトキシ基の全部が置換された全置換型アルコキシシランが挙げられる。
組成物の用途としては、シロキサン類製造用の原料や表面処理用の原料が挙げられる。
一般式(III)のシラン類を一般式(IV)のアルコールと反応させて、一般式(I)の一部置換型アルコキシシラン類を製造する反応では、反応を促進するために従来公知の各種の酸または塩基等の触媒を使用することができる。
たとえば、触媒として酸を使用する場合、触媒の分離・回収等が容易な固体酸触媒を用いることができる。それらの具体例としては、金属塩、金属酸化物等の固体無機物等が挙げられ、より具体的に示せば、プロトン性水素原子あるいは金属カチオン(アルミニウム、チタン、ガリウム、鉄、セリウム、スカンジウム等)を有する、ゼオライト、メソポーラスシリカ、モンモリロナイトなどのほか、シリカゲル、ヘテロポリ酸や、カーボン系素材を担体とする無機系固体酸が挙げられる。
これらの中では、触媒活性や生成物に対する選択性等の点で、規則的細孔および/または層状構造を有する無機系固体酸である、ゼオライト、メソポーラスシリカ、モンモリロナイト系等の固体酸が好ましく、ゼオライト、モンモリロナイト系の固体酸がより好ましく使用される。無機系固体酸の規則的細孔および/または層状構造の種類にとくに制限は
ないが、反応する分子や生成する分子の拡散のしやすさを考慮すると、細孔構造を有する固体酸触媒では、細孔径の範囲としては、0.2〜20nm、好ましくは、0.3〜15nm、より好ましくは0.3〜10nmの範囲内のものである。また、層状構造を有する固体酸触媒では、層間距離の範囲としては、0.2〜20nm、好ましくは、0.3〜15nm、より好ましくは0.3〜10nmの範囲内のものである。
規則的細孔構造を有する無機系固体酸触媒としてゼオライトを使用する場合、その種類としては、Y型、ベータ型、ZSM−5型、モルデナイト型、SAPO型等の基本骨格を有する各種のゼオライトが使用可能である。また、Y型ゼオライト(Na−Y)を二次的処理して得られる、SUSY型(Super Ultrastable Y)、VUSY型(Very Ultrastable Y)、SDUSY型(Super dealuminated ultrastable Y)等として知られるUSY型(Ultrastable Y、超安定Y型)のものも好ましく使用できる(USY型については、たとえば、“Molecular Sieves”、Advances in Chemistry、Volume 121、American Chemical Society、1973、Chapter 19、等を参照)。
反応速度の点では、これらゼオライトの中で、USY型、ベータ型、Y型が好ましく、USY型、ベータ型がより好ましい。また、複数のエトキシ基またはメトキシ基の一部を選択的に他のアルコキシ基に変換するためのゼオライトとしては、反応速度および選択性の面で、USY型、Y型が好ましく、USY型がより好ましい。
これらゼオライトにおいては、プロトン性水素原子を有するブレンステッド酸型のものや金属カチオンを有するルイス酸型のものなど、各種のゼオライトを使用できる。この中で、プロトン性水素原子を有するプロトン型のものは、H−Y型、H−SDUSY型、H−SUSY型、H−ベータ型、H−モルデナイト型、H−ZSM−5型等で表される。また、アンモニウム型のものである、NH−Y型、NH−VUSY型、NH−ベータ型、NH−モルデナイト型、NH−ZSM−5型等のゼオライトを焼成して、プロトン型に変換したものも使用することができる。
さらに、ゼオライトのシリカ/アルミナ比(物質量比)については、反応条件に応じて各種の比を選択できるが、通常は5〜1000であり、好ましくは5〜600、より好ましくは5〜300、さらに好ましくは5〜100である。
それらゼオライトとしては、市販品を含む各種のものを使用できる。市販品の具体例を示すと、USY型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CBV760、CBV780、CBV720、CBV712、およびCBV600等、Y型ゼオライトとしては、東ソー社より市販されているHSZ−360HOAおよびHSZ−320HOA等が挙げられる。また、ベータ型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CP811C、CP814N、CP7119、CP814E、CP7105、CP814CN、CP811TL、CP814T、CP814Q、CP811Q、CP811E−75、CP811E、およびCP811C−300等、東ソー社より市販されているHSZ−930HOAおよびHSZ−940HOA等、UOP社より市販されているUOP−Beta等が挙げられる。さらに、モルデナイト型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されているCBV21AおよびCBV90A等、東ソー社より市販されている、HSZ−660HOA、HSZ−620HOA、およびHSZ−690HOA等が挙げられ、ZSM−5型ゼオライトとしては、ゼオリスト社より市販されている、CBV5524G、CBV8020、およびCBV8014N等が挙げられる。
また、マイクロ波照射を用いる反応では、上記の無機系固体酸のほかに、酸性官能基を有する有機系固体酸も効果的に使用できる。有機系固体酸は、酸性官能基を有するポリマー等であり、酸性官能基の種類としては、スルホ基、カルボキシ基、ホスホリル基等が挙
げられ、ポリマーの種類としては、パーフルオロ側鎖を有するテフロン(登録商標)骨格ポリマーやスチレン−ジビニルベンゼン共重合ポリマー等が挙げられる。それらの具体例としては、スルホ基を有する、ナフィオン(Nafion、登録商標、デュポン社より入手可能)、ダウエックス(Dowex、登録商標、ダウ・ケミカル社より入手可能)、アンバーライト(Amberlite、登録商標、ローム&ハス社より入手可能)、アンバーリスト(Amberlyst、登録商標、ダウ・ケミカル社より入手可能)等が挙げられる。それらをより具体的に示せば、ナフィオンNR50、ダウエックス50WX2、ダウエックス50WX4、ダウエックス50WX8、アンバーライトIR120、アンバーライトIRP−64、アンバーリスト15、アンバーリスト36等を挙げることができる。さらに、シリカ等の無機物にナフィオン等の有機系固体酸を担持した触媒(たとえば、ナフィオンSAC−13等)を用いることもでき、無機系固体酸と有機系固体酸を複数組み合わせて使用することもできる。
さらに、前記一般式(I)のアルコキシシラン類を水と反応させて得られることにより、新規なオリゴシロキサン類を製造することができる。
それらのオリゴシロキサン類は、下記一般式(II)
(RO)Si−O−Si(OR (II)
の構造を有するもので、式中、p、q、p+qは0以上2以下の整数、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜10の有機基または水素原子、Rはそれぞれ独立にエチル基、メチル基、炭素数2〜10の有機基、またはシリル基であり、Rの少なくとも1つは炭素数3〜10のオキシアルキル基、炭素数2〜10のチオアルキル基、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のアルキニル基、炭素数5〜10のアラルキル基、または炭素数3〜10のアミノアルキル基である。tは1以上3以下の整数、p+q+t=3である。
、R、Rの具体例およびオリゴシロキサン類を製造するために用いられる前記一般式(I)のアルコキシシラン類の具体例としては、前記で例示したもの等が挙げられる。
オリゴシロキサン類を製造する反応において、アルコキシシラン類に対する水のモル比は任意に選ぶことができるが、アルコキシシラン類に対する生成オリゴシロキサン類の収率等を考慮すれば、アルコキシシラン中のアルコキシ基1個当たり通常0.1以上20以下であり、より好ましくは0.1以上10以下であり、さらに好ましくは0.1以上5以下である。
また、オリゴシロキサン中のケイ素の数については、通常、2以上10000以下であるが、溶媒に対する可溶性等の物性や加工性、取り扱い性等を考慮すると、好ましくは2以上5000以下、より好ましくは2以上3000以下である。
一般式(II)で表される部分構造を有するアルコキシシラン類は、原料アルコキシシラン中のオキシアルキル基、チオアルキル基、またはハロゲノアルキル基を有しているため、親水性・疎水性の制御、無機原子や金属カチオン等との相互作用、他の官能基や機能性基への変換等に優れた化合物であり、例えば表面処理用の材料、ゾル・ゲル法による有機・無機ハイブリッド材料等に利用した場合に、表面の親水性・疎水性を広い範囲で制御できる、さまざまな無機原子や金属カチオン等の捕捉や吸着等が可能になる、他の機能性基等の導入によりさらなる高性能化や多機能化を図ることができる、等の優れた利点を発揮することができる。
一部置換型アルコキシシラン類と水との反応では、酸または塩基を触媒として共存させることにより、オリゴシロキサン類を効率よく製造することができる。それらの酸または塩基の種類としては、一般的なアルコキシシラン類の加水分解反応で用いられる従来公知の各種のものを使用できる。
たとえば、酸の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸や、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。また
、一部置換型アルコキシシラン類の製造法で例示した固体酸を使用することもできる。
さらに、塩基の具体例としては、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基や、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。
一部置換型アルコキシシラン類やオリゴシロキサン類の製造において、原料に対する触媒量は任意に決めることができるが、たとえば重量比では、通常は0.0001〜10程度で、好ましくは0.001〜8程度、より好ましくは0.001〜6程度である。
それらの製造反応は、反応を行う際の温度や圧力に応じて、液相または気相状態で行うことができる。また、反応装置の形態としては、バッチ型、フロー型等、従来知られている各種形態で行うことができる。
反応温度は、通常は−20℃以上、好ましくは−10〜300℃、より好ましくは、−10〜200℃である。また、反応性を制御するために、室温で反応を行う場合には、室温の温度範囲としては、通常は0〜40℃、好ましくは5〜40℃、より好ましくは10〜35℃である。
さらに、反応圧力は、通常は0.0001〜100気圧で、好ましくは0.001〜50気圧、より好ましくは0.001〜10気圧である。
反応時間は、原料や触媒の量、反応温度、反応装置の形態等に依存するが、生産性や効率を考慮すると、通常は0.1〜1200分、好ましくは0.1〜600分、より好ましくは0.1〜300分程度である。
また、製造反応を液相系で行う場合、溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用いる場合には、デカリン(デカヒドロナフタレン)、デカン等の炭化水素、クロロベンゼン、1,2−または1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−または1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、tert−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル等、原料と反応するものを除いた各種の溶媒が使用可能で、2種以上混合して用いることもできる。また、反応を気相で行う場合には、窒素等の不活性ガスを混合して反応を行うこともできる。
それらの製造反応は、マイクロ波照射下で行うこともできる。本反応系では、原料のアルコール、水や、アルコキシシラン、固体酸触媒等の誘電損失係数が比較的大きくマイクロ波を効率よく吸収するため、マイクロ波照射下では原料や触媒等が活性化され、反応をより効率的に行うことができる。
マイクロ波照射反応では、接触式または非接触式の温度センサーを備えた各種の市販装置等を使用できる。また、マイクロ波照射の出力、キャビティの種類(マルチモード、シングルモード)、照射の形態(連続的、断続的)等は、反応のスケールや種類等に応じて任意に決めることができる。マイクロ波の周波数としては、通常、0.3〜30GHzである。その中で好ましいのは、産業・科学・医療分野で使用するために割り当てられたIMS周波数帯で、さらにその中でも、2.45GHz帯、5.8GHz帯等がより好ましい。
また、マイクロ波照射反応では、反応系をより効率よく加熱するために、マイクロ波を吸収して発熱する加熱材(サセプター)を反応系に添加することができる。加熱材の種類としては、活性炭、黒鉛、炭化ケイ素、炭化チタン等、従来公知の各種のものを使用できる。また、先に記載した触媒と加熱材の粉末を混合して、セピオライト、ホルマイト等の適当なバインダーを利用して焼成加工した成形触媒を用いることもできる。
製造反応は密閉系の反応装置でも進行するが、反応装置を開放系にして、反応で共生成
物として生成するエタノールまたはメタノール等を反応系外に連続的に除去することにより、反応をより効率的に進行させることができる。
また、製造反応で固体触媒を使用する場合、固体触媒が溶液に不溶のため、反応後の触媒の分離・回収は、濾過、遠心分離等の方法により容易に行うことができる。さらに、生成したシラン類の精製も、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の有機化学上通常用いられる手段により容易に達せられる。
次に、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 1.6mmol、2−メトキシエタノール(IVa) 3.2mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 5mgの混合物を反応管に入れ、室温(25℃)で10分攪拌した。生成物をガスクロマトグラフ装置(GC)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)、および核磁気共鳴スペクトル分析装置(NMR)で分析した結果、生成物として、一部置換型アルコキシシランの (メトキシ)(2−メトキシエトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Va−1)(=(Ia−1))と全置換型アルコキシシランのジ(2−メトキシエトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Va−2)が合計68%の収率(Va−1:Va−2=74:26)で生成し、その中の一部置換型アルコキシシラン(Ia−1)は50%の収率で生成したことがわかった(表1参照)。
(実施例2〜64)
反応条件(原料、触媒、温度、時間等)を変えて、実施例1と同様に反応および分析を行い、生成物の収率を測定した結果を表1に示す。
Figure 0006631907
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上記実施例で得られた一部置換型アルコキシシラン類(Ia−1)〜(Ian−1)の質
量分析スペクトルと29Si−NMRスペクトルのデータを表2に示す。
Figure 0006631907
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上記の製造方法では、原料シラン中の複数のエトキシ基またはメトキシ基の一部を選択的に他のアルコキシ基に変換することが可能で、触媒の種類や温度等の反応条件を制御することにより、一置換体型のモノアルコキシシラン類を主生成物として製造することができる。
このような選択的アルコキシ化用の触媒としては、反応速度および選択性の面で、USY型、Y型のゼオライト触媒が好ましく使用されるが、Y型はUSY型よりも反応速度や収率等の面で劣る場合が多く、USY型のものがより好ましく使用される。
また、選択的アルコキシ化における温度、時間等の反応条件については、原料や触媒の種類、量によって適宜調整するものであるが、触媒活性が比較的高いゼオライト触媒を用いる場合には、反応温度としては、通常は0〜70℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜50℃程度であり、触媒活性が比較的低いゼオライト触媒を用いる場合は、通常は50〜150℃、好ましくは60〜140℃、より好ましくは70〜130℃程度である。また、反応時間については、反応温度等によっても変化するが、製造の効率を考えると、通常は0.5〜600分、好ましくは0.5〜300分、より好ましくは0.5〜180分程度である。
本反応では、加熱を行う場合、マイクロ波照射を用いることにより、アルコール等の原料や固体酸触媒をより効率的に加熱することができるため、オイルバス等を用いる通常の外部加熱の方法に比べて、反応を加速・促進させることができる。
また、本反応は、密閉系、開放系いずれの系でも進行するが、開放系で窒素等の不活性ガスを流しながら反応を行う、あるいは、減圧系で反応を行う、など、共生成物であるエタノールやメタノールを反応系外に積極的に除去する方法により、使用するアルコールの量を減らした場合でも、効率的に反応を行うことができる。
上記方法により得られた一部置換型アルコキシシラン(I)は、次の実施例に示すように、固体酸触媒を遠心分離、ろ過等で分離した後、蒸留、再結晶等の操作により、容易に単離精製することができる。
(実施例65)
テトラ(メトキシ)シラン(IIId)240mmol、(2−テトラヒドロフリル)メタノール(IVc)360mmol、CBV780(ゼオリスト社製)400mgの混合物をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、オイルバス(理工科学社製R90)を用いて40℃で15分攪拌した。固体触媒を濾過で分離し、触媒をヘキサン5mLで洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせて減圧下で蒸留を行った結果、トリ(メトキシ)[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン(Vl−1(Il−1))が96mmol(収率40%)と、ジ(メトキシ)ジ[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン(Vl−2(Il−2))が72mmol(収率30%)得られた。
(Il−1)および(Il−2)の物性値、スペクトルデータ等は次の通りであった。
(Il−1)
沸点:104-106℃/10mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.65-1.72 (m, 1H, CH), 1.82-1.98 (m, 3H, CH), 3.59 (s, 9H, OCH3), 3.74-3.79 (m, 3H, OCH2 and OCH), 3.84-3.88 (m, 1H, OCH), 3.99-4.04 (m, 1H, OCH)
13C-NMR (CDCl3): δ 25.7, 27.6, 51.3, 66.0, 68.4, 78.9
29Si-NMR (CDCl3): δ -79.6
IR (液膜): 1459, 1195, 1091, 1003, 831 cm-1
(Il−2)
沸点:162-168℃/10mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.59-1.65 (m, 2H, CH), 1.75-1.91 (m, 6H, CH), 3.52 (s, 6H, OCH3), 3.67-3.73 (m, 6H, OCH2 and OCH), 3.76-3.82 (m, 2H, OCH), 3.92-3.97 (m, 2H, OCH)
13C-NMR (CDCl3): δ 25.5, 27.5, 51.1, 65.8, 68.2, 78.7
29Si-NMR (CDCl3): δ -80.6
IR (液膜): 1458, 1195, 1091, 1002, 832 cm-1
(実施例66)
テトラ(メトキシ)シラン(IIId)200mmol、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(IVd)300mmol、CBV780(ゼオリスト社製)350mgの混合物をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、オイルバス(理工科学社製R90)を用いて70℃で15分攪拌した。固体触媒を濾過で分離し、触媒をヘキサン5mLで洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせて減圧下で蒸留を行った結果、トリ(メトキシ)[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン(Vm−1(Im−1))が80mmol(収率40%)と、ジ(メトキシ)ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン(Vm−2(Im−2))が40mmol(収率20%)得られた。
(Im−1)および(Im−2)の物性値、スペクトルデータ等は次の通りであった。
(Im−1)
沸点:91-93℃/1.6mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 3.32 (s, 3H, COCH3), 3.48-3.50 (m, 2H, OCH2), 3.53 (s, 9H, SiOCH3), 3.57 (t, J = 5.3 Hz, 2H, OCH2), 3.59-3.61 (m, 2H, OCH2), 3.88 (t, J = 5.3 Hz, 2H, OCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 51.1, 58.8, 62.8, 70.4, 71.8, 72.0
29Si-NMR (CDCl3): δ -79.6
IR (液膜): 1457, 1197, 1093, 968, 834 cm-1
(Im−2)
沸点:152-154℃/1.6mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 3.33 (s, 6H, COCH3), 3.49-3.52 (m, 4H, OCH2), 3.55 (s, 6H, SiOCH3), 3.58 (t, J = 5.3 Hz, 4H, OCH2), 3.60-3.63 (m, 4H, OCH2), 3.91 (t, J = 5
.3 Hz, 4H, OCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 51.2, 58.9, 62.8, 70.4, 71.9, 72.0
29Si-NMR (CDCl3): δ -80.6
IR (液膜): 1457, 1356, 1250, 1199, 1094, 972, 834 cm-1
(実施例67)
テトラ(エトキシ)シラン(IIIe)200mmol、2−メトキシエタノール(IVa)300mmol、CBV780(ゼオリスト社製)350mgの混合物をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、オイルバス(理工科学社製R90)を用いて110℃で50分攪拌した。固体触媒を濾過で分離し、触媒をヘキサン5mLで洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせて減圧下で蒸留を行った結果、トリ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)シラン(Vu−1(Iu−1))が80mmol(収率40%)、ジ(エトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)シラン(Vu−2(Iu−2))が40mmol(収率20%)と、(エトキシ)トリ(2−メトキシエトキシ)シラン(Vu−3(Iu−3))が10mmol(収率5%)、得られた。
(Iu−1)、(Iu−2)、および(Iu−3)の物性値、スペクトルデータ等は次の通りであった。
(Iu−1)
沸点:89-91℃/10mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.22 (t, J = 7.0 Hz, 9H, OCCH3), 3.37 (s, 3H, OCH3), 3.50 (t, J = 5.2 Hz, 2H, OCH2), 3.84 (q, J = 7.0 Hz, 6H, OCH2), 3.90 (t, J = 5.2 Hz, 2H, OCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 18.0, 58.9, 59.2, 62.6, 73.5
29Si-NMR (CDCl3): δ -82.0
IR (液膜): 1455, 1391, 1296, 1200, 1169, 1105, 1084, 968, 845, 793 cm-1
(Iu−2)
沸点:114-117℃/10mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.22 (t, J = 7.0 Hz, 6H, OCCH3), 3.37 (s, 6H, OCH3), 3.50 (t, J = 5.1 Hz, 4H, OCH2), 3.85 (q, J = 7.0 Hz, 4H, OCH2), 3.91 (t, J = 5.2 Hz, 4H, OCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 18.0, 58.9, 59.3, 62.6, 73.5
29Si-NMR (CDCl3): δ -82.1
IR (液膜): 1456, 1392, 1296, 1201, 1104, 1086, 1029, 971, 845, 793 cm-1
(Iu−3)
沸点:141℃/10mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.20 (t, J = 7.0 Hz, 3H, OCCH3), 3.34 (s, 9H, OCH3), 3.48 (t, J = 5.1 Hz, 6H, OCH2), 3.84 (q, J = 7.0 Hz, 2H, OCH2), 3.90 (t, J = 5.1 Hz, 6H, OCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 18.0, 58.8, 59.3, 62.7, 73.4
29Si-NMR (CDCl3): δ -82.3
(実施例68)
テトラ(エトキシ)シラン(IIIe)220mmol、2−メルカプトエタノール(IVe)240mmol、CBV780(ゼオリスト社製)350mgの混合物をフラスコに入れ、減圧下(130mmHg)、オイルバス(理工科学社製R90)を用いて70℃で30分攪拌した。さらに、(IVe)を160mmol添加して、減圧下(130mmHg)、70℃で30分撹拌した。固体触媒を濾過で分離し、触媒をヘキサン5mLで洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせて減圧下で蒸留を行った結果、トリ(エトキシ)(2−メルカプトエトキシ)シラン(Vy−1(Iy−1))が77mmol(収率35%)、ジ(エトキシ)ジ(2−メルカプトエトキシ)シラン(Vy−2(Iy−2))が100mmol(収率4
5%)と、(エトキシ)トリ(2−メルカプトエトキシ)シラン(Vy−3(Iy−3))が15mmol(収率7%)得られた。
(Iy−1)、(Iy−2)、および(Iy−3)の物性値、スペクトルデータ等は次の通りであった。
(Iy−1)
沸点:78-80℃/2.0mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 9H, OCCH3), 1.53 (t, J = 8.4 Hz, 1H, SH), 2.66-2.71 (m, 2H, SCH2), 3.85 (q, J = 7.0 Hz, 6H, OCH2), 3.88 (t, J = 6.6 Hz, 2H, SCCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 18.1, 26.6, 59.3, 65.3
29Si-NMR (CDCl3): δ -82.2
IR (液膜): 1391, 1298, 1169, 1103, 1081, 967, 835, 792 cm-1
(Iy−2)
沸点:118-119℃/2.0mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 6H, OCCH3), 1.52 (t, J = 8.3 Hz, 2H, SH), 2.66-2.71 (m, 4H, SCH2), 3.86 (q, J = 7.0 Hz, 4H, OCH2), 3.89 (t, J = 6.5 Hz, 4H, SCCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 18.1, 26.6, 59.5, 65.3
29Si-NMR (CDCl3): δ -82.7
IR (液膜): 1390, 1299, 1169, 1099, 968, 835, 794 cm-1
(Iy−3)
沸点:148-150℃/2.0mmHg
1H-NMR (CDCl3): δ 1.22 (t, J = 7.0 Hz, 3H, OCCH3), 1.51 (t, J = 8.3 Hz, 3H, SH), 2.64-2.70 (m, 6H, SCH2), 3.85 (q, J = 7.0 Hz, 2H, OCH2), 3.89 (t, J = 6.5 Hz, 6H, SCCH2)
13C-NMR (CDCl3): δ 18.0, 26.5, 59.6, 65.4
29Si-NMR (CDCl3): δ -83.2
(実施例69)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 5.0mmol、ブタノール(IVl) 19.9mmol、CBV600(ゼオリスト社製) 15mgの混合物を反応管に入れ密閉し、室温(23℃)で20分攪拌した。触媒の固体を遠心分離で分離し、上澄み液を分離した後、触媒をヘキサンで洗浄し(0.8mLで2回)、先の上澄み液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮して、ショートパス蒸留装置で蒸留を行った結果、(メトキシ)(ブトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Vae−1(Iae−1))が、3.6mmol(収率71%)得られた。
(Iae−1)の物性値、スペクトルデータ等は次の通りであった。
沸点:65-70℃/0.65mmHg(ショートパス蒸留での留出温度)
元素分析: C 63.96, H 8.98 (測定値); C 64.24, H 8.98 (計算値 C12H20O2Si)
1H-NMR (CDCl3): δ 0.35 (s, 3H, SiCH3), 0.91 (t, J = 7.3 Hz, 3H, CCH3), 1.39 (sext, J = 7.3 Hz, 2H, OCCCH2), 1.58 (quint, J = 7.3 Hz, 2H, OCCH2), 3.54 (s, 3H,
OCH3), 3.70-3.79 (m, 2H, OCH2), 7.33-7.42 (m, 3H, 芳香環H), 7.59-7.65 (m, 2H, 芳香環H)
13C-NMR (CDCl3): δ -4.7, 13.8, 19.0, 34.7, 50.5, 62.7, 127.8, 130.0, 134.0, 134.3
29Si-NMR (CDCl3): δ -16.2
IR (液膜): 1592, 1465, 1430, 1387, 1258, 1190, 1121, 1087, 1039, 984, 894, 826, 802, 773, 738, 700, 652, 482, 437 cm-1
(実施例70)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 5.0mmol、sec−ブチルアルコール(IVm) 19.7mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 15mgの混合物を反応管に入れ密閉し、室温(23℃)で20分攪拌した。触媒の固体を遠心分離で分離し、上澄み液を分離した後、触媒をヘキサンで洗浄し(0.8mLで2回)、先の上澄み液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮して、ショートパス蒸留装置で蒸留を行った結果、 (メトキシ)(sec−ブトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Vaf−1(Iaf−1))が、3.3mmol(収率65%)得られた。
(Iaf−1)の物性値、スペクトルデータは次の通りであった。
沸点:60-70℃/0.7mmHg(ショートパス蒸留での留出温度)
元素分析: C 63.95, H 8.93 (測定値); C 64.24, H 8.98 (計算値 C12H20O2Si)
1H-NMR (CDCl3): δ 0.35 and 0.36 (each s, 3H, SiCH3), 0.89 and 0.91 (each t, J
= 7.3 Hz, 3H, CCH3), 1.19 and 1.20 (each d, each J = 6.1 Hz, 3H, CHCH3), 1.43-1.60 (m, 2H, CH2), 3.528 and 3.535 (each s, 3H, OCH3), 3.88-3.97 (m, 1H, OCH), 7.35-7.43 (m, 3H, 芳香環H), 7.62-7.66 (m, 2H, 芳香環H)
13C-NMR (CDCl3): δ -4.20 and -4.13, 9.99 and 10.05, 23.05 and 23.07, 32.14 and 32.17, 50.5, 70.35 and 70.37, 127.78 and 127.79, 129.9, 134.06 and 134.07, 134.85 and 134.91
29Si-NMR (CDCl3): δ -18.1
IR (液膜): 1592, 1463, 1429, 1376, 1258, 1190, 1171, 1122, 1088, 1053, 1013, 952, 854, 822, 804, 783, 765, 738, 700, 656, 484, 460, 419 cm-1
(実施例71)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 3.3mmol、オクタノール(IVp) 13.2mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 10mgの混合物を反応管に入れ密閉し、マイクロ波照射装置(バイオタージ製Initiator)を用いて、110℃で5分攪拌した。触媒の固体を遠心分離で分離し、上澄み液を分離した後、触媒をヘキサンで洗浄し(0.8mLで2回)、先の上澄み液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮して、ショートパス蒸留装置で蒸留を行った結果、 (メトキシ)(オクトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Vai−1(Iai−1))が、2.2mmol(収率68%)得られた。
(Iai−1)の物性値、スペクトルデータは次の通りであった。
沸点:90-95℃/0.3mmHg(ショートパス蒸留での留出温度)
元素分析: C 68.90, H 9.77 (測定値); C 68.52, H 10.06 (計算値 C16H28O2Si)
1H-NMR (CDCl3): δ 0.35 (s, 3H, SiCH3), 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H, CCH3), 1.21-1.37 (m, 10H, OCC(CH2)5), 1.59 (quint, J = 6.9 Hz, 2H, OCCH2), 3.54 (s, 3H, OCH3), 3.68-3.78 (m, 2H, OCH2), 7.34-7.44 (m, 3H, 芳香環H), 7.59-7.64 (m, 2H, 芳香環H)
13C-NMR (CDCl3): δ -4.7, 14.1, 22.7, 25.8, 29.3, 29.4, 31.8, 32.5, 50.5, 63.0, 127.8, 130.0, 134.0, 134.3
29Si-NMR (CDCl3): δ -16.1
IR (液膜): 1467, 1429, 1258, 1190, 1121, 1089, 846, 804, 775, 738, 699, 482, 434 cm-1
(実施例72)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 5.0mmol、3−メチル−2−ブテノール(IVq) 19.9mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 15mgの混合物を反応管に入れ密閉し、室温(23℃)で1分攪拌した。触媒の固体を遠心分離で分離し、上澄み液を分離した後、触媒をヘキサンで洗浄し(0.8mLで2回)、先の上澄み液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮して、ショートパス蒸留装置で蒸留を行った結果、 (メトキシ)(3−メチル−2−ブテノキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Vaj−1(I
aj−1))が、3.4mmol(収率68%)得られた。
(Iaj−1)の物性値、スペクトルデータは次の通りであった。
沸点:85-95℃/0.5mmHg(ショートパス蒸留での留出温度)
1H-NMR (CDCl3): δ 0.36 (s, 3H, SiCH3), 1.60 (s, 3H, CCH3), 1.72 (d, J = 1.0 Hz, 3H, CCH3), 3.56 (s, 3H, OCH3), 4.23-4.31 (m, 2H, OCH2), 5.36-5.40 (m, 1H, =CH), 7.36-7.43 (m, 3H, 芳香環H), 7.62-7.64 (m, 2H, 芳香環H)
13C-NMR (CDCl3): δ -4.5, 17.8, 25.7, 50.5, 59.7, 123.5, 127.8, 130.0, 134.0, 134.3, 135.0
29Si-NMR (CDCl3): δ -15.4
IR (液膜): 1679, 1592, 1447, 1430, 1380, 1259, 1191, 1121, 1083, 1065, 1029, 869, 827, 803, 773, 739, 700, 655, 481, 440 cm-1
(実施例73)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 3.3mmol、ベンジルアルコール(IVr) 13.3mmol、CBV600(ゼオリスト社製) 10mgの混合物を反応管に入れ密閉し、マイクロ波照射装置(バイオタージ製Initiator)を用いて、110℃で3.5分攪拌した。触媒の固体を遠心分離で分離し、上澄み液を分離した後、触媒をヘキサンで洗浄し(0.8mLで2回)、先の上澄み液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮して、ショートパス蒸留装置で蒸留を行った結果、 (メトキシ)(ベンジルオキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Vak−1(Iak−1))が、1.8mmol(収率55%)得られた。
(Iak−1)の物性値、スペクトルデータは次の通りであった。
沸点:105-110℃/0.35mmHg(ショートパス蒸留での留出温度)
元素分析: C 69.52, H 7.04 (測定値); C 69.72, H 7.02 (計算値 C15H18O2Si)
1H-NMR (CDCl3): δ 0.39 (s, 3H, SiCH3), 3.52 (s, 3H, OCH3), 4.83 (s, 1H, OCHaHb), 4.86 (s, 1H, OCHaHb), 7.23-7.28 (m, 1H, 芳香環H), 7.32-7.45 (m, 7H, 芳香環H), 7.64-7.67 (m, 2H, 芳香環H)
13C-NMR (CDCl3): δ -4.6, 50.6, 64.7, 126.6, 127.2, 127.9, 128.3, 130.2, 133.9, 134.1, 140.4
29Si-NMR (CDCl3): δ -15.0
IR (液膜): 1592, 1496, 1454, 1429, 1379, 1259, 1208, 1190, 1121, 1086, 1028, 853, 809, 777, 738, 698, 659, 581, 482, 438 cm-1
(実施例74)
ジ(メトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(IIIa) 4.1mmol、tert−ブチルアルコール(IVs) 48.5mmol、CBV780(ゼオリスト社製) 13mgの混合物を反応管に入れ密閉し、マイクロ波照射装置(CEM製Discover)を用いて、70℃で15分攪拌した。触媒の固体を遠心分離で分離し、上澄み液を分離した後、触媒をヘキサンで洗浄し(0.8mLで2回)、先の上澄み液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮して、ショートパス蒸留装置で蒸留を行った結果、 (メトキシ)(tert−ブトキシ)(メチル)(フェニル)シラン(Val−1(Ial−1))が、2.7mmol(収率65%、ガスクロマトグラフ分析による純度は95%以上)得られた。
(Ial−1)の物性値、スペクトルデータは次の通りであった。
沸点:70-80℃/2.8mmHg(ショートパス蒸留での留出温度)
元素分析: C 63.85, H 8.86 (測定値); C 64.24, H 8.98 (計算値 C12H20O2Si)
1H-NMR (CDCl3): δ 0.36 (s, 3H, SiCH3), 1.34 (s, 9H, CCH3), 3.49 (s, 3H, OCH3), 7.34-7.41 (m, 3H, 芳香環H), 7.61-7.66 (m, 2H, 芳香環H)
13C-NMR (CDCl3): δ -1.7, 31.9, 50.3, 73.1, 127.7, 129.6, 134.0, 136.4
29Si-NMR (CDCl3): δ -23.5
IR (液膜): 1470, 1429, 1389, 1365, 1258, 1241, 1198, 1121, 1088, 1056, 1025, 8
36, 808, 785, 754, 738, 714, 700, 625, 483, 442, 420, 409 cm-1
また、上記方法により得られた一部置換型アルコキシシラン(I)は、次の実施例に示すように、水との反応により、対応するオリゴシロキサンに変換することができる。
(実施例75)
トリ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)シラン(Iu−1) 0.15mmolに、重アセトニトリル 0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRスペクトル分析装置で分析した結果、エタノールと2−メトキシエタノールが生成(エタノール:2−メトキシエタノール=約2.4:1、アルコキシ基全体の約45%が水と反応)するとともに、2−メトキシエトキシ基とエトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
オリゴシロキサン中に2−メトキシエトキシ基とエトキシ基が存在することは、反応液のNMRスペクトルを、トリ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)シランのかわりにテトラ(エトキシ)シランを用いて同様の条件で反応を行って得られた反応液のNMRスペクトルと比較することによって推定した(図1)。すなわち、29Si−NMRで、オリゴシロキサンの29Siシグナルの領域を比較すると、テトラ(エトキシ)シランの反応液では、−88.68、−88.61、−85.98、および−85.90ppm等にエトキシシリル基(Si−OEt)に由来すると考えられるシグナルが観察されたが、トリ(エトキシ)(2−メトキシエトキシ)シランの反応液では、それらの他に、−88.75、−88.57、−85.77、−85.67、−85.53、および−85.52ppm等に2−メトキシエトキシシリル基(Si−OCHCHOMe)に由来すると考えられるシグナルが観察され(表3)、エトキシ基と2−メトキシエトキシ基の両方が存在することが示唆された。
また、GPC(ポリスチレン標準)による分子量測定では、生成したオリゴシロキサンの分子量は、重量平均分子量(Mw)が500、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.1であった(表3)。
得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
Figure 0006631907
Figure 0006631907
Figure 0006631907
(実施例76)
ジ(エトキシ)ジ(2−メトキシエトキシ)シラン(Iu−2)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、エタノールと2−メトキシエタノールが生成(エタノール:2−メトキシエタノール=約0.8:1、アルコキシ基全体の約50%が水と反応)するとともに、2−メトキシエトキシ基とエトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例77)
トリ(メトキシ)[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン(Il−1)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、メタノールと(2−テトラヒドロフリル)メタノールが生成(メタノール:(2−テトラヒドロフリル)メタノール=約2.4:1、アルコキシ基全体の約45%が水と反応)するとともに、(2−テトラヒドロフリル)メトキシ基とメトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例78)
ジ(メトキシ)ジ[(2−テトラヒドロフリル)メトキシ]シラン(Il−2)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、メタノールと(2−テトラヒドロフリル)メタノールが生成(メタノール:(2−テトラヒドロフリル)メタノール=約1.9:1、アルコキシ基全体の約55%が水と反応)するとともに、(2−テトラヒドロフリル)メトキシ基とメトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例79)
トリ(メトキシ)[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン(Im−1)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、メタノールと2−(2−メトキシエトキシ)エタノールが生成(メタノール:2−(2−メトキシエトキシ)エタノール=約2.3:1、アルコキシ基全体の約55%が水と反応)するとともに、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基とメトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3
の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例80)
ジ(メトキシ)ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン(Im−2)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、メタノールと2−(2−メトキシエトキシ)エタノールが生成(メタノール:2−(2−メトキシエトキシ)エタノール=約0.6:1、アルコキシ基全体の約55%が水と反応)するとともに、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基とメトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例81)
トリ(エトキシ)(2−メルカプトエトキシ)シラン(Iy−1)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、エタノールと2−メルカプトエタノールが生成(エタノール:2−メルカプトエタノール=約2.2:1、アルコキシ基全体の約50%が水と反応)するとともに、2−メルカプトエトキシ基とエトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例82)
ジ(エトキシ)ジ(2−メルカプトエトキシ)シラン(Iy−2)0.15mmolに、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、エタノールと2−メルカプトエタノールが生成(エタノール:2−メルカプトエタノール=約0.8:1、アルコキシ基全体の約50%が水と反応)するとともに、2−メルカプトエトキシ基とエトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例83)
ジ(メトキシ)ジ(3−クロロプロポキシ)シラン(Iq−2)を主成分とするシラン混合物(Iq−1:Iq−2:Iq−3:IIId:Vq−4 = 28:38:23:7:4、合計量として約0.15mmol)に、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMR
で分析した結果、メタノールと3−クロロプロパノールが生成(メタノール:3−クロロプロパノール=約0.6:1、アルコキシ基全体の約60%が水と反応)するとともに、3−クロロプロポキシ基とメトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
(実施例84)
ジ(エトキシ)ジ(3−クロロプロポキシ)シラン(Iaa−2)を主成分とするシラン混合物(Iaa−1:Iaa−2:Iaa−3:IIIe:Vaa−4 = 38:38:13:9:2、合計量として約0.15mmol)に、重アセトニトリル0.45mL、0.25N塩酸水溶液0.003mLを加え、よく混合した後、室温で14時間放置した。反応液をNMRで分析した結果、エタノールと3−クロロプロパノールが生成(エタノール:3−クロロプロパノール=約1.2:1、アルコキシ基全体の約55%が水と反応)するとともに、3−クロロプロポキシ基とエトキシ基を有するオリゴシロキサンが生成していることがわかった。
生成したオリゴシロキサンのNMR測定およびGPCによる分子量測定の結果は、表3の通りであった。
また、得られたオリゴシロキサンの溶液は、無機物等の基板上に塗布可能で、たとえば、スピンコート法(2000回転/分、60秒)により、ガラス基板上に塗布することができた。
前記の実施例で得られたオリゴシロキサンの塗布膜は、原料アルコキシシラン中のアルコキシ基の種類に基づいた物理的・化学的特性を示す。
たとえば、親水性・疎水性に関しては、水の接触角を測定した結果、オキシアルキル基を含むオリゴシロキサンでは約20〜35の範囲、チオアルキル基またはハロゲノアルキル基を含むオリゴシロキサンでは約40〜55の範囲の数値が得られた。このことは、オキシアルキル基を含むアルコキシシランから得られたオリゴシロキサンが親水性の膜を形成する傾向があるのに対して、チオアルキル基やハロゲノアルキル基を含むアルコキシシランから得られたオリゴシロキサンは親水性が低い膜を形成する傾向があることを示すもので、表面の親水性・疎水性等の制御に有用であると考えられる。
また、オキシアルキル基やチオアルキル基を含むオリゴシロキサンでは、さまざまな無機原子や金属カチオン等の捕捉や吸着に対して優れた特性を期待できるとともに、ハロゲノアルキル基を含むオリゴシロキサンでは、ハロゲン原子の部分を他の官能基や機能性基に変換して高性能化や多機能化を図ることなども期待できる。
本発明により、各種機能性化学品あるいはその合成中間体等として有用なアルコキシシラン類およびオリゴシロキサン類を、効率的かつ安全に提供できるため、本発明の利用価値は高く、その工業的意義は多大である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン類と水を反応させる反応工程を含むオリ
    ゴシロキサン類の製造方法。
    1 p2 qSi(OR3r(OR4s (I)
    (式(I)中、p、q、p+qは0以上2以下の整数、r、sは1以上の整数、p+q
    +r+s=4である。R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10の有機基または水素原子、R3はそれぞれ独立にエチル基またはメチル基、R4はそれぞれ独立に炭素数2〜10の有機基である。さらに、前記R1およびR2の有機基は、炭素数4〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル基である。
    前記R4の有機基は、炭素数3〜9のオキシアルキル基、炭素数2〜8のチオアルキル
    基、または炭素数2〜10のハロゲノアルキル基である。さらに、炭素数3〜9のオキシアルキル基は、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、6−メトキシヘキシル基、8−メトキシオクチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、(2−テトラヒドロフリル)メチル基、および2−(2−メトキシエトキ
    シ)エチル基からなる群より選ばれる基であり;炭素数2〜8のチオアルキル基は、2−
    メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基、6−メルカプトヘキシル基、2−(メチルチオ)エチル基、3−(メチルチオ)プロピル基、および2−(フェニルチオ)エチル基からなる群より選ばれる基であり;炭素数2〜10のハロゲノアルキル基はモノクロロアルキル基及びモノブロモアルキル基からなる群より選ばれる基である。)
  2. 前記R1およびR2の有機基において、炭素数4〜10のアリール基がフェニル基であり、炭素数1〜10のアルキル基がメチル基であり、炭素数2〜10のアルケニル基がビニル基であり、前記R4の有機基において、炭素数3〜9のオキシアルキル基が、2−メト
    キシエチル基、2−フェノキシエチル基、(2−テトラヒドロフリル)メチル基、または2−(2−メトキシエトキシ)エチル基であり、炭素数2〜8のチオアルキル基が、2−メルカプトエチル基、2−(メチルチオ)エチル基、または2−(フェニルチオ)エチル基であり、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基が3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、6−クロロヘキシル基、または6−ブロモヘキシル基である、請求項1に記載のオリゴシロキサン類の製造方法。
  3. 前記反応工程が、酸または塩基が共存する工程である、請求項1または2に記載のオリゴシロキサン類の製造方法。
  4. 下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン類を加水分解縮重合して得られる、オリ
    ゴシロキサン
    1 p2 qSi(OR3r(OR4s (I)
    (式(I)中、p、q、p+qは0以上2以下の整数、r、sは1以上の整数、p+q
    +r+s=4である。R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10の有機基または水素原子、R3はそれぞれ独立にエチル基またはメチル基、R4はそれぞれ独立に炭素数2〜10の有機基である。さらに、前記R1およびR2の有機基は、炭素数4〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル基である。
    前記R4の有機基は、炭素数3〜9のオキシアルキル基、炭素数2〜8のチオアルキル
    基、または炭素数2〜10のハロゲノアルキル基である。さらに、炭素数3〜9のオキシアルキル基は、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、6−メトキシヘキシル基、8−メトキシオクチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、(2−テトラヒドロフリル)メチル基、および2−(2−メトキシエトキ
    シ)エチル基からなる群より選ばれる基であり;炭素数2〜8のチオアルキル基は、2−
    メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基、6−メルカプトヘキシル基、2−(メチルチオ)エチル基、3−(メチルチオ)プロピル基、および2−(フェニルチオ)エチル基からなる群より選ばれる基であり;炭素数2〜10のハロゲノアルキル基はモノクロロアルキル基及びモノブロモアルキル基からなる群より選ばれる基である。)
  5. 前記R1およびR2の有機基において、炭素数4〜10のアリール基がフェニル基であり、炭素数1〜10のアルキル基がメチル基であり、炭素数2〜10のアルケニル基がビニル基であり、前記R4の有機基において、炭素数3〜9のオキシアルキル基が、2−メト
    キシエチル基、2−フェノキシエチル基、(2−テトラヒドロフリル)メチル基、または2−(2−メトキシエトキシ)エチル基であり、炭素数2〜8のチオアルキル基が、2−メルカプトエチル基、2−(メチルチオ)エチル基、または2−(フェニルチオ)エチル基であり、炭素数2〜10のハロゲノアルキル基が3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、6−クロロヘキシル基、または6−ブロモヘキシル基である、請求項に記載のオリゴシロキサン
  6. 請求項4または5に記載のオリゴシロキサンを含む組成物。
  7. 表面処理用である、請求項6に記載の組成物。
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