JP3906362B2 - 環状ケトン類の製造方法 - Google Patents

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本発明は、医農薬、オレフィン重合触媒の配位子、液晶材料の合成中間体として有用な環状ケトン類の製造方法に関するものである。
3−アリールプロピオン酸類の分子内環化により環状ケトン類を製造する方法は、多数報告されている。ところが、これらの方法は、通常、カルボン酸を一旦酸塩化物に変換させた後、塩化アルミニウム等を用いて環化させる二段階法を採用するものである(特許文献1−2参照)。また、3−アリールプロピオン酸類を直接脱水環化反応させる製法も報告されているが、いずれも1当量以上の過剰量の酸反応剤を必要とする方法であるため、多量の廃酸が発生するという問題を抱えている。例えば、ポリリン酸(特許文献3,非特許文献1、2参照)、メタンスルホン酸(非特許文献3参照)、メタンスルホン酸−五酸化リン混合物(非特許文献2,4参照)を溶媒量用いる方法が知られている。さらに最近、その環化反応にゼオライトが触媒作用を有するという報告があるものの(非特許文献5参照)、目的物の収率が低いという欠点がある。
特開平10−273474号公報 US2003/0009046A1 特開平10−324648号公報 Ber.Deut.Chem.Ges.56,p620(1923) Heterocycles 43,p127(1996) J.Org.Chem.46,p2974(1981) J.Org.Chem.38,p4071(1973) J.Inclusion Phenom.Macrocyclic Chem.、45,p41(2003)
本発明は、従来の技術における上記した問題を解消するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、医農薬、オレフィン重合触媒の配位子、液晶材料の合成中間体として有用な環状ケトン類を、環境汚染を引き起こす化学物質の発生を抑制して、安価にかつ容易に高収率で得ることのできる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ある種のルイス酸を少量添加することにより、3位が芳香環で置換されたプロピオン酸類の脱水環化反応が速やかに進行し環状ケトンが高収率で得られることを見出し、これらの事実に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、一般式(I)
Figure 0003906362
(式中、R〜Rは、それぞれ反応に関与しない1価の基を示す。環Aは単環もしくは縮合多環の芳香環基または複素芳香環基を示し、その環を構成する原子には窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原子を含んでいてもよく、また環がさらに反応に関与しない基で置換されていてもよい。)で表されるカルボン酸を、一般式(II)
MXm・Ln (II)
(式中、Mはビスマス、ガリウム、インジウム、希土類元素から選ばれる金属イオンを示す。Xはハロゲンアニオン、パーフルオロアルキルスルホナートアニオン、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドアニオンから選ばれるアニオンを示す。Lは配位力のある中性分子を示す。mは金属Mの原子価数であり、nは0〜10の整数である。)
で表されるルイス酸の触媒量と反応させることによる、一般式(III)
Figure 0003906362
(式中、R〜R及び環Aは、それぞれ前記と同じ意味を持つ。)で表される環状ケトン類の製造方法である。
本発明によれば、特定のルイス酸を少量用いることにより、芳香環を有するプロピオン酸類の脱水環化反応が速やかに進行し、各種の環状ケトン類、特にインダノン類を容易に高収率で得ることができ、また、用いるルイス酸が少ないから、廃酸の排出を抑制できるものである。
本発明の製法に原料として用いられる前記一般式(I)で表されるカルボン酸は、3位が芳香環基または複素芳香環基で置換されたプロピオン酸類骨格を有するものであり、置換基R〜Rは、いずれも本発明の環化反応に悪影響を及ぼさないものであれば、特に制限されるものではない。
一般式(I)中のR〜Rは、プロピオン酸骨格のアルキレン鎖に結合する環化反応に関与しない基であって、例えば、水素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、エステル基、シアノ基などが挙げられる。
また、一般式(I)において環Aは、単環もしくは縮合多環の芳香環基または複素芳香環基であり、それらの環を構成する原子には、1個以上の窒素原子(N)、酸素原子(O)またはイオウ原子(S)を含んでいてもよく、また環が反応に関与しない基で置換されていてもよい。ただし、これらの芳香環基または複素芳香環基は一般式(I)に示すように、プロピオン酸部位が直接結合した炭素原子に結合する2つの原子のうち少なくとも1つには水素原子が結合した炭素原子でなければならない。
このような芳香環基または複素芳香環基Aの具体例としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、2−アンスリル基、2−フェナンスリル基、1−ピレニル基、3−チエニル基、2−チアンスリル基、3−フリル基、2−キサンテニル基、3−ピロリル基、3H−インドール−2−イル基、6−キノリル基、2−カルバゾリル基などが挙げられる。また、その芳香環基または複素芳香環基Aに置換してもよい基の例としては、ハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなどのアルキル基、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニルなどのアルケニル基、エチニル、1−プロピニルなどのアルキニル基、フェニル、ナフチル、トリルなどのアリール基、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、フェノキシなどのアリールオキシ基、メチルチオなどのアルキルチオ基、フェニルチオなどのアリールチオ基、パーフルオロアルキル基などが挙げられる。
次に、本発明の製法に用いられるルイス酸触媒は、一般式(II)
MXm・Ln (II)
で表される金属化合物である。
一般式(II)において、Mは金属イオンであり、ビスマス、ガリウム、インジウム、及びスカンジウム、サマリウム、イッテルビウムなどの希土類元素から選ばれる。
また、アニオンXは、その共役酸が高い酸性度を示すものがよく、例えばハロゲンアニオン、パーフルオロアルキルスルホナートアニオン、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられる。
また、本発明の脱水環化反応に用いられるルイス酸触媒には、反応に悪影響を及ぼさない中性分子が配位していても差し支えない。この中性分子は一般式(II)におけるLであり、例えば水やジエチルエーテルなどのエーテル類が挙げられ、その数nは0〜10である。また、その反応に用いるルイス酸触媒の使用量は、いわゆる触媒量の少量でよく、化合物(I)に対し0.0001〜50モル%の範囲で実施できるが、あまりに少ないと反応が有利な速度で進行せず、また、あまりに多いと反応の経済性が悪くなるので、好ましくは0.01〜30モル%の範囲であり、より好ましくは0.05〜20モル%の範囲である。
また、この反応は必ずしも溶媒を必要とするものではないが、溶媒を使用しても良い。使用しうる溶媒としては、芳香族炭化水素系、塩素化炭化水素系、ニトロ化炭化水素系、脂肪族炭化水素系などが挙げられるが、なかでも芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、具体的には、トルエン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロベンゼン、α,α,α−トリフルオロトルエン等が例示される。
反応温度としては、あまりに低温では反応が有利な速度では進行せず、一方、あまりに高温では副反応が起こるとともに経済性も劣ることから、一般的には0〜350℃の範囲から選ばれ、好ましくは60〜280℃の範囲で実施される。
反応生成混合物から所望の目的生成物を分離するには、溶媒抽出、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーおよび昇華の通常の分離精製法を用いることにより容易に達成される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
3−フェニルプロピオン酸37.5mg(0.25mmol)、Tb(OSOCF7.6mg(mmol)及びドデカン20μl(GC分析の内部標準物質)をクロロベンゼン6ml中で混合し、これを密閉したガラス容器中、250℃の油浴で1.5時間加熱して環化反応を行った。反応終了後、ガスクロマトグラフィーで分析することにより1−インダノンが95%生成していることを確認した。その後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより1−インダノン27mg(82%)を得た。
実施例2〜21
実施例1における3−フェニルプロピオン酸の環化反応による1−インダノンの合成において、使用するルイス酸触媒の種類、触媒量、溶媒量、反応温度及び反応時間を、それぞれ表1に示すものに代えたこと以外は、実施例1と同様にして環化反応及び生成物の確認を行った。実施例1〜21で得られた結果を表1に示す。なお、表中の収率はガスクロマトグラフィーで分析し決定した値である。
Figure 0003906362
実施例22〜34
各種3−アリールプロピオン酸類0.25mmolを、触媒としてTb(OSOCFを用い、クロロベンゼン6ml中250℃の油浴で加熱し環化反応を行った。それぞれの実施例に使用した原料化合物並びに得られた生成物の化学構造、触媒量、反応時間及び生成物の収率を、表2及び表3に示す。なお、表中の収率は単離収率であるが、括弧内にはガスクロマトグラフィーで分析し決定した値を示してある。
Figure 0003906362
Figure 0003906362
本発明方法は、、各種アリールプロピオン酸類を1工程で脱水環化反応させて高収率で環状ケトン類を製造できること及びその反応を少量のルイス酸触媒を用いるのみで行うことができるものであり、環境汚染を軽減できる良好で簡易な製法であることから、工業的実施に有用な方法である。

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003906362
    (式中、R〜Rは、それぞれ反応に関与しない1価の基を示す。環Aは、単環もしくは縮合多環の芳香環基または複素芳香環基を示し、その環を構成する原子には窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原子を含んでいてもよく、また環がさらに反応に関与しない基で置換されていてもよい。)で表されるカルボン酸を、一般式(II)
    MXm・Ln (II)
    (式中、Mはビスマス、ガリウム、インジウム、希土類元素から選ばれる金属イオンを示す。Xはハロゲンアニオン、パーフルオロアルキルスルホナートアニオン、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドアニオンから選ばれるアニオンを示す。Lは配位力のある中性分子を示す。mは金属Mの原子価数であり、nは0〜10の整数である。)
    で表されるルイス酸の触媒量と反応させることによる、一般式(III)
    Figure 0003906362
    (式中、R〜R及び環Aは、それぞれ前記と同じ意味を持つ。)で表される環状ケトン類の製造方法。
  2. 一般式(II)におけるXが、パーフルオロアルキルスルホナートアニオン、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオンまたはトリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドアニオンから選ばれるアニオンであるルイス酸を用いる請求項1に記載の製造方法。
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