JP2021113978A - 運転支援システム、及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化に適した表示装置を提供する。省スペースに適した表示装置を提供する。または、折り畳むことのできる表示装置を提供する。または運転者が情報を得やすい表示装置または運転支援システムを提供する。または運転者の負担になりにくい表示装置または運転支援システムを提供する。【解決手段】固定部により固定された可撓性を有する表示パネルの裏面に、帯状の形状を有する複数の支持部材が離間して設けられた構成とする。また複数の支持部材のうち、固定部から最も離れて位置する支持部材は、コードと接続され、コードの先端の巻き取り機構によりコードを固定部の方向に巻き取る構成とする。また表示パネルは、不純物の侵入を防止する保護層が、少なくとも一対の基板を封止する封止層の側面に接して設けられる。【選択図】図24

Description

本発明の一態様は、表示装置に関する。本発明の一態様は、車両に搭載可能な表示装置
に関する。本発明の一態様は、運転支援システムに関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書で開示する本発明
の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、
記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることがで
きる。
近年、表示装置の大型化が求められている。例えば、一般家庭においても対角40イン
チ以上の大きさの表示パネルを有するテレビジョン装置が多く普及しており、今後さらに
大型化が進むことが予想される。
また、表示装置は様々な用途への応用も期待されており、その形態の多様化が進められ
ている。
表示装置としては、代表的には液晶表示装置、有機EL(Electro Lumin
escence)素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting Di
ode)等の発光素子を備える発光装置、電気泳動方式などにより表示を行う電子ペーパ
などが挙げられる。
例えば、有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層
を挟持したものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物から
発光を得ることができる。このような有機EL素子が適用された表示装置は、液晶表示装
置等で必要であったバックライトが不要なため、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消
費電力な表示装置を実現できる。
また、特許文献1には、フィルム基板上にスイッチング素子であるトランジスタや有機
EL素子を備えたフレキシブルなアクティブマトリクス型の発光装置が開示されている。
また近年、郊外の大型商用施設の拡充が進み、日用品や食材などの買い物を住宅地から
徒歩圏内にある商店などではなく、当該大型商用施設で行う人が増えている。このような
大型商用施設は、住宅地や大都市近郊から離れた場所にあり大型の駐車場を完備している
場合が多い。そのため交通手段として自家用車を用いると便利である場合が多い。近年、
自家用車の保有台数が上昇傾向にある背景の一つとして、このような事情がある。
しかしながら、交通量が増えるにしたがって、交通事故の発生率も高まるといった問題
がある。また、通勤や通学等のために日常的に運転するのではなく、休日などにのみ運転
するような運転の頻度の低い層では、交通事故を引き起こす確率が高い。その上、近い将
来に超高齢社会を迎えるにあたって、交通事故の発生率をどのように抑えるかが課題とな
っている。そのため、運転者に周囲の情報を提供する、または危険を察知して運転者に警
告するなどの、運転支援システムの開発が進められている。
運転支援システムの一つに、ナビゲーションシステムが知られている。ナビゲーション
システムは液晶表示装置などの表示装置を備え、地図や位置情報、目的地までの経路、交
通情報などを表示装置の表示部に表示することにより、運転者の運転を支援するものであ
る。
特開2003−174153号公報
本発明の一態様は、大型化に適した表示装置を提供することを課題の一とする。または
、省スペースに適した表示装置を提供することを課題の一とする。または、折り畳むこと
のできる表示装置を提供することを課題の一とする。または、信頼性の高い表示装置を提
供することを課題の一とする。
本発明の一態様は、運転者が情報を得やすい表示装置または運転支援システムを提供す
ることを課題の一とする。または、運転者の負担になりにくい表示装置または運転支援シ
ステムを提供することを課題の一とする。または、省スペースに適した運転支援システム
を提供することを課題の一とする。または、大面積で表示が可能な表示装置または運転支
援システムを提供することを課題の一とする。または、車内の美観を損なわない表示装置
または運転支援システムを提供することを課題の一とする。または、新規な表示装置また
は運転支援システムを提供することを課題の一とする。または、信頼性の高い表示装置、
または運転支援システムを提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様
は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。また、明細書等の記載から上
記以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、表示パネルと、固定部と、複数の支持部材と、コードと、巻き取り
機構と、を有する表示装置である。表示パネルは、第1の基板と、第2の基板と、表示素
子と、封止層と、保護層と、を有する。第1の基板及び第2の基板は可撓性を有する。表
示素子は、第1の基板と第2の基板の間に位置し、封止層は、第1の基板と第2の基板を
接着し、且つ表示素子を囲って設けられる。保護層は、封止層の露出した表面と接して設
けられる。固定部は、表示パネルの一部を支持する機能を有する。複数の支持部材は、帯
状の形状を有し、且つ表示パネルの裏面に間隔をあけて並べて配置されている。複数の支
持部材の各々は、固定部と略平行な向きに配置されている。コードは、複数の支持部材の
うち、固定部から最も離れた一と接続される。巻き取り機構は、コードを巻き取る機能を
有する。また、表示パネルは表示面が平面状態となる第1の状態と、表示面が折り畳まれ
た状態となる第2の状態と、を有する。さらに表示装置は、巻き取り機構により、固定部
と、固定部から最も離れた支持部材との距離を変化させ、第1の状態と第2の状態とに表
示装置の状態を変化させる機能を有することを特徴とする。
また、上記において、第2の状態における、表示パネルの湾曲部の最も小さい曲率半径
が、1mm以上50mm以下であることが好ましい。
また、上記において、支持部材と、表示パネルとの間に、緩衝材を有することが好まし
い。また当該緩衝材は、弾性を有し、且つ支持部材の短辺方向の幅よりも大きいことが好
ましい。
また、上記において、支持部材の厚さが、1mm以上30mm以下であることが好まし
い。
また、上記において、第1の状態における、隣接する2つの支持部材の間隔が、支持部
材それぞれの短辺方向の幅よりも大きいことが好ましい。
また、上記において、第2の状態における、支持部材の短辺方向と、支持部材の変位方
向との角度が、10度以上90度未満であることが好ましい。
また、上記において、支持部材の短辺方向と、支持部材の変位方向との角度を調整する
調整機構を有することが好ましい。
また、上記において、固定部は、表示パネルと電気的に接続する回路を有することが好
ましい。また、固定部は、アンテナ、無線受信機、無線送信機、バッテリ、演算装置、及
び記憶装置のうち少なくとも一を有することが好ましい。
本発明の一態様は、表示パネルと駆動手段とを有する表示装置であって、移動体の内部
に設置することが可能である。表示パネルは、第1の基板と、第2の基板と、表示素子と
、封止層と、保護層と、を有する。第1の基板及び第2の基板は、可撓性を有する。表示
素子は、第1の基板と第2の基板の間に位置し、封止層は、第1の基板と第2の基板を接
着し、且つ表示素子を囲って設けられている。保護層は、封止層の露出した表面と接して
設けられている。表示パネルは、可撓性を有し、且つ、第1の形態と、第2の形態とに変
形可能である。第1の形態は、表示パネルが吊り下げられた形態である。第2の形態は、
表示パネルが上方に収納される形態である。駆動手段は、表示パネルを、第1の形態と第
2の形態との間で可逆的に変化させる機能を有する。
また、本発明の他の一態様は、表示パネルと駆動手段とを有する表示装置であって、車
体の運転席前方の上部に設置することが可能である。表示パネルは、第1の基板と、第2
の基板と、表示素子と、封止層と、保護層と、を有する。第1の基板及び第2の基板は、
可撓性を有する。表示素子は、第1の基板と第2の基板の間に位置し、封止層は、第1の
基板と第2の基板を接着し、且つ表示素子を囲って設けられている。保護層は、封止層の
露出した表面と接して設けられている。表示パネルは、可撓性を有し、且つ、第1の形態
と、第2の形態とに変形可能である。第1の形態は、表示パネルが吊り下げられ、その表
示面が運転者から視認できる範囲に位置する形態である。第2の形態は、表示パネルが上
方に収納される形態である。駆動手段は、表示パネルを、第1の形態と第2の形態との間
で可逆的に変形させる機能を有する。
また、本発明の他の一態様は、制御部と、検知手段と、第1の撮像手段と、表示装置と
、を有し、車体に組み込み可能な運転支援システムである。検知手段は、車体の変速機の
状態を検知する機能を有し、且つ制御部に検知情報を出力する機能を有する。第1の撮像
手段は、車体の後方を撮像する機能を有する。表示装置は、表示パネルと駆動手段とを有
し、且つ、車体の運転席前方の上部に設置することが可能である。表示パネルは、第1の
基板と、第2の基板と、表示素子と、封止層と、保護層と、を有する。第1の基板及び第
2の基板は、可撓性を有する。表示素子は、第1の基板と第2の基板の間に位置し、封止
層は、第1の基板と第2の基板を接着し、且つ表示素子を囲って設けられている。保護層
は、封止層の露出した表面と接して設けられている。表示パネルは、可撓性を有し、且つ
、第1の形態と、第2の形態とに変形可能である。第1の形態は、表示パネルが吊り下げ
られ、その表示面が運転者から視認できる範囲に位置する形態である。第2の形態は、表
示パネルが上方に収納される形態である。駆動手段は、表示パネルを、第1の形態と第2
の形態との間で可逆的に変形させる機能を有する。制御部は、検知情報に基づいて、第1
の状態または第2の状態に切り替える機能を有する。第1の状態は、表示パネルが第1の
形態であり、且つ、第1の撮像手段により撮像された第1の映像が表示パネルの表示面に
表示される状態である。第2の状態は、表示パネルの表示面への表示が停止され、且つ、
表示パネルが第2の形態である。
また、上記において、表示パネルは第2の形態において、折り畳まれるように収納され
ることが好ましい。または、表示パネルは第2の形態において、巻き取られるように収納
されることが好ましい。
また、上記制御部は、検知情報が後退であるときに、第1の状態に切り替える機能を有
することが好ましい。このとき、第1の形態は、表示パネルの下端が、運転者の視点の高
さ以下に位置する形態であることが好ましい。
また、上記制御部は、第1の映像から目標物の位置情報を検知する機能と、位置情報か
ら、車体を進行させるべき方向を判断する機能と、第1の状態において、表示面に第1の
映像とともに、ハンドルを操作すべき方向を示す画像を表示する機能と、を有することが
好ましい。
また、上記制御部は、検知情報が前進であるときに、第3の状態に切り替える機能を有
することが好ましい。このとき第3の状態は、表示パネルが第3の形態であり、且つ、第
1の映像が表示面に表示される状態である。ここで第3の形態は、表示パネルの下端が、
運転者の視点の高さよりも高く位置する形態である。
また、上記において車体の前方、または側方を撮像する機能を有する第2の撮像手段を
有することが好ましい。このとき制御部は、第1の状態において、第2の撮像手段により
撮像された第2の映像を表示パネルの表示面に表示する機能を有することが好ましい。ま
たは、第1の状態及び第3の状態において、第2の撮像手段により撮像された第2の映像
を表示パネルの表示面に表示する機能を有することが好ましい。
また、上記制御部は、第1の状態、または第1の状態及び第3の状態において、第1の
映像を左右反転して表示パネルの表示面に表示する機能を有することが好ましい。
また、本発明の一態様は、上記表示装置、または運転支援システムを備え、表示装置が
、車体内装の上部に取り付けられた、車両である。
また、上記において車体の天井に取り付けられたサンバイザを有し、表示装置は、表示
パネルが第2の形態であるとき、サンバイザを上げたときに覆われる位置に取り付けられ
ていることが好ましい。または、表示装置はサンバイザに取り付けられていることが好ま
しい。
本発明の一態様によれば、大型化に適した表示装置を提供できる。または、省スペース
に適した表示装置を提供できる。または、折り畳むことのできる表示装置を提供できる。
または、信頼性の高い表示装置を提供できる。
本発明の一態様によれば、運転者が情報を得やすい表示装置または運転支援システムを
提供できる。または、運転者の負担になりにくい表示装置または運転支援システムを提供
できる。または、省スペースに適した表示装置または運転支援システムを提供できる。ま
たは、車内の景観を阻害しない表示装置または運転支援システムを提供できる。または、
新規な表示装置または運転支援システムを提供できる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、明細書、図面、請
求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
実施の形態に係る、発光パネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、発光パネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、発光パネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、発光パネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、発光パネルの作製方法例を説明する図。 実施の形態に係る、発光パネルの作製方法例を説明する図。 実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。 実施の形態に係る、表示装置の構成例及び適用例。 実施の形態に係る、表示装置及び車両の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例及び適用例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例及び適用例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例及び適用例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例及び適用例。 実施の形態に係る、システム及び車両の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の形態を説明する図。 実施の形態に係る、フローチャート。 実施の形態に係る、表示パネルの表示を説明する図。 実施の形態に係る、表示パネルの表示を説明する図。 実施の形態に係る、表示パネルの表示を説明する図。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の構成例。 実施の形態に係る、表示装置の適用例を説明する図。 実施の形態に係る、タッチセンサのブロック図及びタイミングチャート図。 実施の形態に係る、タッチセンサの回路図。 実施の形態に係る、積層パネルを説明する図。 実施の形態に係る、積層パネルを説明する図。 実施の形態に係る、成膜装置の構成を説明する図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には
同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様
の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、
明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されな
い。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避ける
ために付すものであり、数的に限定するものではない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、互いに入れ替えることが可能であ
る場合がある。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更すること
が可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語
に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する表示パネルに適用可能な発光パ
ネルの構成例及び作製方法例について説明する。
本発明の一態様の表示パネルは、一対の基板の間に設けられた表示素子が封止層により
封止された構成を有している。さらに、封止層の露出した部分を覆うように、保護膜が形
成されている構成とする。
また、保護膜は、表示パネルの露出している部分を覆って設けることができる。例えば
、一対の基板の表面及び側面、封止層、絶縁層、等の露出した側面を覆って設けることが
できる。
保護膜は、少なくとも封止層の露出した側部、及びその周辺の基板の一部を覆って設け
られる。保護膜は、段差被覆性(ステップカバレッジ)の良好な成膜方法を用いて形成す
ることが好ましい。このような手法の一つに、原子層堆積(ALD:Atomic La
yer Deposition)法がある。
保護膜には、水などの不純物を透過しにくい材料を用いることができる。したがって、
水などの不純物が外部から内部に拡散することを効果的に抑制することができる。
例えば、酸化物、窒化物、フッ化物、硫化物、三元化合物、金属またはポリマー等を用
いることができる。
例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムシリケート、酸化ランタン、
酸化珪素、チタン酸ストロンチウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ
、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、
酸化エルビウム、酸化バナジウムまたは酸化インジウム等を含む材料を用いることができ
る。
例えば、窒化アルミニウム、窒化ハフニウム、窒化珪素、窒化タンタル、窒化チタン、
窒化ニオブ、窒化モリブデン、窒化ジルコニウムまたは窒化ガリウム等を含む材料を用い
ることができる。
例えば、チタンおよびアルミニウムを含む窒化物、チタンおよびアルミニウムを含む酸
化物、アルミニウムおよび亜鉛を含む酸化物、マンガンおよび亜鉛を含む硫化物、セリウ
ムおよびストロンチウムを含む硫化物、エルビウムおよびアルミニウムを含む酸化物、イ
ットリウムおよびジルコニウムを含む酸化物等を含む材料を用いることができる。
例えば、ALD法を用いて形成することができる材料を、保護膜に用いることが好まし
い。ALD法を用いることで緻密な、クラックやピンホールなどの欠陥が低減された、ま
たは均一な厚さを備える保護膜を形成することができる。また、保護膜を形成する際に加
工部材に与える損傷を、低減することができる。
例えばALD法を用いて保護膜を形成することで、複雑な凹凸形状を有する表面や、タ
ッチパネルの上面、側面及び裏面にまで均一で欠陥の少ない保護膜を形成することができ
る。
例えば表示素子として有機EL素子を用いた場合、水等が有機EL素子に拡散すること
で劣化が生じてしまう。また液晶素子の場合には、液晶の抵抗の変化が生じてしまう。ま
た、トランジスタ、特に半導体層に酸化物半導体を適用したトランジスタにおいては、半
導体に水等が拡散することで、その特性が変化してしまう場合がある。
このような保護膜を表示パネルに適用することで、表示パネル内に水分などの不純物が
外部から拡散することを抑制できる。したがって、表示パネルを構成する表示素子(有機
EL素子、液晶素子など)や、トランジスタ、または配線や電極などに当該不純物が拡散
することを抑制できる。その結果、極めて高い信頼性を有する表示パネルを実現できる。
より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
[具体例1]
図1(A)に発光パネルの平面図を示し、図1(A)における一点鎖線A1−A2間の
断面図の一例を図1(C)に示す。具体例1で示す発光パネルは、カラーフィルタ方式を
用いたトップエミッション型の発光パネルである。本実施の形態において、発光パネルは
、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成や、
R(赤)、G(緑)、B(青)、W(白)、またはR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(
黄)の4色の副画素で1つの色を表現する構成等が適用できる。色要素としては特に限定
はなく、RGBW以外の色を用いてもよく、例えば、イエロー、シアン、マゼンタなどで
構成されてもよい。
図1(A)に示す発光パネルは、発光部804、駆動回路部806、FPC(Flex
ible Printed Circuit)808を有する。発光部804及び駆動回
路部806に含まれる発光素子やトランジスタは基板801、基板803、及び封止層8
23によって封止されている。
図1(C)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、複数のト
ランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層82
1、封止層823、オーバーコート849、着色層845、遮光層847、絶縁層843
、接着層841、基板803、及び保護膜800を有する。封止層823、オーバーコー
ト849、絶縁層843、接着層841、基板803、及び保護膜800は可視光を透過
する。
発光部804は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジスタ
820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817上の下部電極83
1と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有す
る。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接
続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。下部電極831は可視
光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過する。
また、発光部804は、発光素子830と重なる着色層845と、絶縁層821と重な
る遮光層847と、を有する。着色層845及び遮光層847はオーバーコート849で
覆われている。発光素子830とオーバーコート849の間は封止層823で充填されて
いる。
絶縁層815は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏
する。また、絶縁層817は、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能
を有する絶縁層を選択することが好適である。
駆動回路部806は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジ
スタを複数有する。図1(C)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、1
つのトランジスタを示している。
絶縁層813と基板801は接着層811によって貼り合わされている。また、絶縁層
843と基板803は接着層841によって貼り合わされている。絶縁層813や絶縁層
843に透水性の低い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820に水等の不純
物が侵入することを抑制でき、発光パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号(ビデオ信号、クロック信号、ス
タート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。
ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。工程数の増加を防
ぐため、導電層857は、発光部や駆動回路部に用いる電極や配線と同一の材料、同一の
工程で作製することが好ましい。ここでは、導電層857を、トランジスタ820を構成
する電極と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
図1(C)に示す発光パネルでは、接続体825が基板803上に位置する。接続体8
25は、基板803、接着層841、絶縁層843、封止層823、絶縁層817、及び
絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接続体82
5はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層857は
電気的に接続する。導電層857と基板803とが重なる場合には、基板803を開口す
る(又は開口部を有する基板を用いる)ことで、導電層857、接続体825、及びFP
C808を電気的に接続させることができる。
具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813やトランジスタ820、発光素
子830を作製し、該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層8
13やトランジスタ820、発光素子830を転置することで作製できる発光パネルを示
している。また、具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層843、着色層845
及び遮光層847を作製し、該作製基板を剥離し、接着層841を用いて基板803上に
絶縁層843、着色層845及び遮光層847を転置することで作製できる発光パネルを
示している。
基板に、耐熱性が低い材料(樹脂など)を用いる場合、作製工程で基板に高温をかける
ことが難しいため、該基板上にトランジスタや絶縁層を作製する条件に制限がある。また
、基板に透水性が高い材料(樹脂など)を用いる場合、高温をかけて、透水性の低い膜を
形成することが好ましい。本実施の形態の作製方法では、耐熱性の高い作製基板上でトラ
ンジスタ等の作製を行えるため、高温をかけて、信頼性の高いトランジスタや十分に透水
性の低い膜を形成することができる。そして、それらを基板801や基板803へと転置
することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。これにより、本発明の一態様では、
軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実現できる。作製方法の詳細は後述
する。
図1(C)において、保護膜800は、発光パネルの露出した部分を覆って設けられて
いる。具体的には、基板803、接着層841、絶縁層843、封止層823、絶縁層8
17、絶縁層815、絶縁層813、接着層811、及び基板801等の露出した面の一
部、または全部を覆って設けられている。
また図1(C)に示すように、FPC808と電気的に接続する導電層857の上面の
一部が露出するように、保護膜800の一部に開口が設けられていることが好ましい。こ
うすることで、FPC808と導電層857の電気的な接続を容易にすることができる。
すなわち、FPC808等が電気的に接続する接続部(端子部)以外の領域を覆って、
保護膜800が設けられている構成とすると、外部からの不純物の拡散が効果的に抑制で
きるため好ましい。
保護膜800を設けない部分を形成する場合、保護膜800を全面に形成した後に、一
部を物理的に剥離することで形成してもよいし、保護膜800を成膜する前に、マスキン
グを施すことで成膜されない部分を形成してもよい。
また、図1(C)に示すように、接続体825を設けるための開口の内壁にも、保護膜
800が設けられる構成とすると、より不純物の拡散を効果的に抑制できるため好ましい
なお、開口の内壁に保護膜800が設けられていなくてもよい。図2(A)では、後述
する開口の形成前に保護膜800を形成した場合の例を示している。また、図2(B)で
は、開口付近には保護膜800を形成しない場合の例を示している。また、図3では、F
PC808を貼り付けた後に保護膜800を形成した場合の例を示している。
保護膜800には、上述の水などの不純物を透過しにくい材料を好適に用いることがで
きる。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化シリコンなどは、透湿性が極めて
低いため薄く形成してもバリア性が確保されるため好ましい。
[具体例2]
図1(B)に発光パネルの平面図を示し、図1(B)における一点鎖線A3−A4間の
断面図の一例を図1(D)に示す。具体例2で示す発光パネルは、具体例1とは異なる、
カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光パネルである。ここでは、具体
例1と異なる点のみ詳述し、具体例1と共通する点は説明を省略する。
図1(D)に示す発光パネルは、図1(C)に示す発光パネルと下記の点で異なる。
図1(D)に示す発光パネルは、絶縁層821上にスペーサ827を有する。スペーサ
827を設けることで、基板801と基板803の間隔を調整することができる。
また、図1(D)に示す発光パネルは、基板801と基板803の大きさが異なる。接
続体825が絶縁層843上に位置し、基板803と重ならない。接続体825は、絶縁
層843、封止層823、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導
電層857と接続している。基板803に開口を設ける必要がないため、基板803の材
料が制限されない。
保護膜800は、発光パネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、基
板803、接着層841、絶縁層843、封止層823、絶縁層817、絶縁層815、
絶縁層813、接着層811、及び基板801等の露出した面の一部、または全部を覆っ
て設けられている。
[具体例3]
図4(A)に発光パネルの平面図を示し、図4(A)における一点鎖線A5−A6間の
断面図の一例を図4(C)に示す。具体例3で示す発光パネルは、塗り分け方式を用いた
トップエミッション型の発光パネルである。ここでは、上記具体例と異なる点のみ詳述し
、上記具体例と共通する点は説明を省略する。
図4(A)、(C)に示す発光パネルは、枠状の封止層824を有する。また封止層8
23及び枠状の封止層824に接して基板803を有する。
図4(C)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、複数のト
ランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層82
1、封止層823、枠状の封止層824、基板803、及び保護膜800を有する。封止
層823及び基板803は可視光を透過する。
枠状の封止層824は、封止層823よりもガスバリア性が高い層であることが好まし
い。これにより、外部から水分や酸素が発光パネルに侵入することを抑制できる。したが
って、信頼性の高い発光パネルを実現することができる。
具体例3では、封止層823を介して発光素子830の発光が発光パネルから取り出さ
れる。したがって、封止層823は、枠状の封止層824に比べて透光性が高いことが好
ましい。また、封止層823は、枠状の封止層824に比べて屈折率が高いことが好まし
い。また、封止層823は、枠状の封止層824に比べて硬化時の体積の収縮が小さいこ
とが好ましい。
接続体825は、基板803、封止層823、絶縁層817、及び絶縁層815に設け
られた開口を介して導電層857と接続している。
具体例3では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813やトランジスタ820、発光素
子830を作製し、該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層8
13やトランジスタ820、発光素子830を転置することで作製できる発光パネルを示
している。耐熱性の高い作製基板上でトランジスタ等の作製を行えるため、高温をかけて
、信頼性の高いトランジスタや十分に透水性の低い膜を形成することができる。そして、
それらを基板801へと転置することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。これに
より、本発明の一態様では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実現で
きる。
保護膜800は、発光パネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、基
板803、封止層824、絶縁層817、絶縁層815、絶縁層813、接着層811、
及び基板801等の露出した面の一部、または全部を覆って設けられている。
[具体例4]
図4(B)に発光パネルの平面図を示し、図4(B)における一点鎖線A7−A8間の
断面図の一例を図4(D)に示す。具体例4で示す発光パネルは、カラーフィルタ方式を
用いたボトムエミッション型の発光パネルである。ここでは、上記具体例と異なる点のみ
詳述し、上記具体例と共通する点は説明を省略する。
図4(D)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、複数のト
ランジスタ、導電層857、絶縁層815、着色層845、絶縁層817a、絶縁層81
7b、導電層816、複数の発光素子、絶縁層821、封止層823、基板803、及び
保護膜800を有する。基板801、接着層811、絶縁層813、絶縁層815、絶縁
層817a、及び絶縁層817bは可視光を透過する。
また図4(D)では発光部804が、トランジスタ820、トランジスタ822を有す
る場合を示している。また上部電極835は可視光を反射することが好ましい。下部電極
831は可視光を透過する。発光素子830と重なる着色層845を設ける位置は、特に
限定されず、例えば、絶縁層817aと絶縁層817bの間や、絶縁層815と絶縁層8
17aの間等に設ければよい。
図4(D)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、2つのトランジスタ
を示している。
また、ここでは、導電層857を、導電層816と同一の材料、同一の工程で作製した
例を示す。
具体例4では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813やトランジスタ820、発光素
子830等を作製し、該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層
813やトランジスタ820、発光素子830等を転置することで作製できる発光パネル
を示している。耐熱性の高い作製基板上でトランジスタ等の作製を行えるため、高温をか
けて、信頼性の高いトランジスタや十分に透水性の低い膜を形成することができる。そし
て、それらを基板801へと転置することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。こ
れにより、本発明の一態様では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実
現できる。
保護膜800は、発光パネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、基
板803、封止層823、絶縁層817b、絶縁層817a、導電層857、絶縁層81
5、絶縁層813、接着層811、及び基板801等の露出した面の一部、または全部を
覆って設けられている。
[具体例5]
図4(E)に具体例1〜4とは異なる発光パネルの例を示す。ここでは、上記具体例と
異なる点のみ詳述し、上記具体例と共通する点は説明を省略する。
図4(E)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、導電層8
14、導電層857a、導電層857b、発光素子830、絶縁層821、封止層823
、及び基板803を有する。
導電層857a及び導電層857bは、発光パネルの外部接続電極としての機能を有し
、FPC等と電気的に接続させることができる。
発光素子830は、下部電極831、EL層833、及び上部電極835を有する。下
部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。発光素子830はボトムエミッシ
ョン型、トップエミッション型、又はデュアルエミッション型である。光を取り出す側の
電極、基板、絶縁層等は、それぞれ可視光を透過する。導電層814は、下部電極831
と電気的に接続する。
光を取り出す側の基板は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ
、凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基
板上に上記レンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率
を有する接着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を形成することができる。
導電層814は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極831の抵抗に起因する電圧降
下を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極835と電
気的に接続する導電層を絶縁層821上、EL層833上、又は上部電極835上などに
設けてもよい。
導電層814は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジ
ム、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする
合金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層814の膜厚は
、例えば、0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0
.5μm以下である。
上部電極835と電気的に接続する導電層の材料にペースト(銀ペーストなど)を用い
ると、該導電層を構成する金属が粒状になって凝集する。そのため、該導電層の表面が粗
く隙間の多い構成となり、EL層833が該導電層を完全に覆うことが難しく、上部電極
と該導電層との電気的な接続をとることが容易になり好ましい。
具体例5では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813や発光素子830等を作製し、
該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層813や発光素子83
0等を転置することで作製できる発光パネルを示している。耐熱性の高い作製基板上で、
高温をかけて、十分に透水性の低い膜(例えば絶縁層813等)を形成し、基板801へ
と転置することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。これにより、本発明の一態様
では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実現できる。
保護膜800は、発光パネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、基
板803、封止層823、絶縁層813、接着層811、及び基板801等の露出した面
の一部、または全部を覆って設けられている。また保護膜800は、導電層857a及び
導電層857bの表面の一部と重なる開口を有する。
なお、ここでは、表示素子として、発光素子を用いた場合の例を示したが、本発明の一
態様は、これに限定されない。
例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Syste
m)素子や、電子放出素子などの表示素子を用いた表示装置を用いることができる。ME
MSを用いた表示素子としては、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のME
MS表示素子などが挙げられる。電子放出素子としては、カーボンナノチューブを用いて
もよい。また、電子ペーパを用いてもよい。電子ペーパとしては、マイクロカプセル方式
、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用
した素子を用いることができる。
[材料の一例]
次に、発光パネルに用いることができる材料等を説明する。なお、本明細書中で先に説
明した構成については説明を省略する場合がある。
基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金などの材料を用いることができる。発
光素子からの光を取り出す側の基板は、該光に対する透光性を有する材料を用いる。
特に、可撓性基板を用いることが好ましい。例えば、有機樹脂や可撓性を有する程度の
厚さのガラス、金属、合金を用いることができる。
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、可撓性基板として有機樹脂を用いると、
ガラスを用いる場合に比べて発光パネルを軽量化でき、好ましい。
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破
損しにくい発光パネルを実現できる。例えば、有機樹脂基板や、厚さの薄い金属基板もし
くは合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しに
くい発光パネルを実現できる。
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光パ
ネルの局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた
基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であ
ることがより好ましい。
金属基板や合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウ
ム、銅、鉄、チタン、ニッケル等の金属、またはこれら金属から選ばれた一以上の金属を
含む合金を用いることができる。合金としては、例えば、アルミニウム合金もしくはステ
ンレス等を好適に用いることができる。
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると発光パネルの表面温度が高くなることを
抑制でき、発光パネルの破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱
放射率の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができる)の積層構
造としてもよい。
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹
脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)等が挙げられる。特に、熱膨張率の低い材料を用いることが好ましく、
例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる
。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグともいう)や、無機フィラーを有機樹
脂に混ぜて熱膨張率を下げた基板を使用することもできる。
可撓性基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷などから保護するハード
コート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラ
ミド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。
可撓性基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成
とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い発光パネルとすることが
できる。
例えば、発光素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した可撓性基
板を用いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好
ましくは25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水や酸素に
対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、1
0μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有
機樹脂層をガラス層よりも外側に設けることにより、ガラス層の割れやクラックを抑制し
、機械的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を
基板に適用することにより、極めて信頼性が高いフレキシブルな発光パネルとすることが
できる。
接着層や封止層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型
接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤とし
てはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、
イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂
、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透
湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート
等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸
化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用い
ることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を
吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子に
侵入することを抑制でき、発光パネルの信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、発光素子
からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、
ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
発光パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトラ
ンジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート
型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる
半導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、窒化ガ
リウム等が挙げられる。または、In−Ga−Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガ
リウム、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、
結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領
域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トラン
ジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
ここで、画素や、駆動回路、また後述するタッチセンサ等に用いられるトランジスタな
どの半導体装置には、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバン
ドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャ
ップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態
における電流を低減できるため好ましい。
例えば、上記酸化物半導体として、少なくとも少なくともインジウム(In)もしくは
亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。より好ましくは、In−M−Zn系酸化物(MはA
l、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)で表記される
酸化物を含む。
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面
、または半導体層の上面に対し垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界が確認でき
ない酸化物半導体膜を用いることが好ましい。
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために表示パネルを湾曲させたときの
応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことが抑制される。したがって、
可撓性を有し、湾曲させて用いる表示パネルなどに、このような酸化物半導体を好適に用
いることができる。
半導体層としてこのような結晶性を有する材料を用いることで、電気特性の変動が抑制
され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
また、シリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を用いたトランジスタは、
その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間
に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、
各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。
その結果、極めて消費電力の低減された電子機器を実現できる。
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては
、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無
機絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法
、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD
法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD
(Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形
成できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよい。上記各構成例では、絶縁
層813がトランジスタの下地膜を兼ねることができる。
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝
度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機
EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型
のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる
。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好まし
い。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:
Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添
加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム
、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もし
くはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例
えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる
。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウ
ムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。
また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タング
ステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又
はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ラン
タン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチ
タンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金等のアルミ
ニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金、
銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む
合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金
属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金
属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記
可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITO
の積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、イ
ンクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形
成することができる。
下部電極831及び上部電極835の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加す
ると、EL層833に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入さ
れた電子と正孔はEL層833において再結合し、EL層833に含まれる発光物質が発
光する。
EL層833は少なくとも発光層を有する。EL層833は、発光層以外の層として、
正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物
質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い
物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層833には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無
機化合物を含んでいてもよい。EL層833を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸
着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することがで
きる。
発光素子830として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層833に2種
類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発
光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができ
る。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示
す発光物質、またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光
物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子830からの発光のスペクト
ルが、可視光領域の波長(例えば350nm〜750nm)の範囲内に2以上のピークを
有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料
の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であるこ
とが好ましい。
より好ましくは、EL層833は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色
を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、E
L層833における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、いずれの発
光材料も含まない領域を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層
との間に、当該蛍光発光層または燐光発光層と同一の材料(例えばホスト材料、アシスト
材料)を含み、且ついずれの発光材料も含まない領域を設ける構成としてもよい。これに
より、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
また、発光素子830は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数の
EL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これに
より、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑
制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を
含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、
酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m・day)
]以下、好ましくは1×10−6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×1
−7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m・d
ay)]以下とする。
透水性の低い絶縁膜を、絶縁層813や絶縁層843に用いることが好ましい。
絶縁層815としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニ
ウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層817、絶縁層817a、
及び絶縁層817bとしては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミド
アミド、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料をそれぞれ用いることができる。また、
低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。また、絶縁膜を複数積層させ
ることで、各絶縁層を形成してもよい。
絶縁層821としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いて形成する。樹脂として
は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキ
シ樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に感光性の樹脂材料を用い、絶
縁層821の側壁が曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい
絶縁層821の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法
、蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印
刷等)等を用いればよい。
スペーサ827は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料等を用いて形成することが
できる。例えば、無機絶縁材料や有機絶縁材料としては、上記絶縁層に用いることができ
る各種材料が挙げられる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いることが
できる。導電材料を含むスペーサ827と上部電極835とを電気的に接続させる構成と
することで、上部電極835の抵抗に起因した電位降下を抑制できる。また、スペーサ8
27は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
トランジスタの電極や配線、又は発光素子の補助電極等として機能する、発光パネルに
用いる導電層は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アル
ミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を
用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、導電層は、導電性の金属酸化
物を用いて形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In
)、酸化スズ(SnO等)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、インジウム亜鉛酸化物(I
−ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用い
ることができる。
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色の波長帯域の光を
透過する赤色(R)のカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過する緑色(G)のカラ
ーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過する青色(B)のカラーフィルタなどを用いるこ
とができる。各着色層は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソ
グラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光
を遮光し、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光
層と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、
発光素子からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料や顔料や染料を含
む樹脂材料を用いてブラックマトリクスを形成すればよい。なお、遮光層は、駆動回路部
などの発光部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるた
め好ましい。
また、着色層及び遮光層を覆うオーバーコートを設けてもよい。オーバーコートを設け
ることで、着色層に含有された不純物等の発光素子への拡散を防止することができる。オ
ーバーコートは、発光素子からの発光を透過する材料から構成され、例えば窒化シリコン
膜、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜や、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用い
ることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
また、封止層の材料を着色層及び遮光層上に塗布する場合、オーバーコートの材料とし
て封止層の材料に対してぬれ性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、オーバーコ
ートとして、ITO膜などの酸化物導電膜や、透光性を有する程度に薄いAg膜等の金属
膜を用いることが好ましい。
接続体としては、熱硬化性の樹脂に金属粒子を混ぜ合わせたペースト状又はシート状の
、熱圧着によって異方性の導電性を示す材料を用いることができる。金属粒子としては、
例えばニッケル粒子を金で被覆したものなど、2種類以上の金属が層状となった粒子を用
いることが好ましい。または、粒状の樹脂の表面を金属で被覆した材料を用いることが好
ましい。
[作製方法例]
次に、発光パネルの作製方法を図5及び図6を用いて例示する。ここでは、具体例1(
図4(C))の構成の発光パネルを例に挙げて説明する。
まず、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層813を形
成する。次に、絶縁層813上に複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶
縁層817、複数の発光素子、及び絶縁層821を形成する。なお、導電層857が露出
するように、絶縁層821、絶縁層817、及び絶縁層815は開口する(図5(A))
また、作製基板205上に剥離層207を形成し、剥離層207上に絶縁層843を形
成する。次に、絶縁層843上に遮光層847、着色層845、及びオーバーコート84
9を形成する(図5(B))。
作製基板201及び作製基板205としては、それぞれ、ガラス基板、石英基板、サフ
ァイア基板、セラミック基板、金属基板などを用いることができる。
また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラ
ス、バリウムホウケイ酸ガラス等のガラス材料を用いることができる。後の加熱処理の温
度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いるとよい。なお、酸化バリウム(
BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。他にも、結晶化ガ
ラスなどを用いることができる。
作製基板にガラス基板を用いる場合、作製基板と剥離層との間に、酸化シリコン膜、酸
化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を形成すると、ガラ
ス基板からの汚染を防止でき、好ましい。
剥離層203及び剥離層207としては、それぞれ、タングステン、モリブデン、チタ
ン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素、該元素を含む
合金材料、又は該元素を含む化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコ
ンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
剥離層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等により形成できる
。なお、塗布法は、スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
剥離層が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブ
デンの混合物を含む層を形成することが好ましい。また、タングステンの酸化物もしくは
酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、又はタングステ
ンとモリブデンの混合物の酸化物もしくは酸化窒化物を含む層を形成してもよい。なお、
タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相
当する。
また、剥離層として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構
造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁
膜を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を含む
層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処
理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(NO)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い
溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ
処理や加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガスとの混
合気体雰囲気下で行ってもよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層の表面状態
を変えることにより、剥離層と後に形成される絶縁膜との密着性を制御することが可能で
ある。
各絶縁層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成す
ることが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上400
℃以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることができる。
その後、作製基板205の着色層845等が設けられた面又は作製基板201の発光素
子230等が設けられた面に封止層823となる材料を塗布し、封止層823を介して該
面同士が対向するように、作製基板201及び作製基板205を貼り合わせる(図5(C
))。
そして、作製基板201を剥離し、露出した絶縁層813と基板801を、接着層81
1を用いて貼り合わせる。また、作製基板205を剥離し、露出した絶縁層843と基板
803を、接着層841を用いて貼り合わせる。図6(A)では、基板803が導電層8
57と重ならない構成としたが、導電層857と基板803が重なっていてもよい。
なお、剥離工程は、様々な方法を適宜用いることができる。例えば、剥離層として、被
剥離層と接する側に金属酸化膜を含む層を形成した場合は、当該金属酸化膜を結晶化によ
り脆弱化して、被剥離層を作製基板から剥離することができる。また、耐熱性の高い作製
基板と被剥離層の間に、剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を形成した場合はレーザ光
の照射又はエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、被剥離層を作製基板か
ら剥離することができる。また、剥離層として、被剥離層と接する側に金属酸化膜を含む
層を形成し、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、さらに剥離層の一部を溶液やNF
、BrF、ClF等のフッ化ガスを用いたエッチングで除去した後、脆弱化された
金属酸化膜において剥離することができる。さらには、剥離層として窒素、酸素や水素等
を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を
用い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放
出させ被剥離層と基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。また、被剥離層が形成さ
れた作製基板を機械的に除去又は溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ガスによ
るエッチングで除去する方法等を用いることができる。この場合、剥離層を設けなくとも
よい。
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に剥離工程を行うことができる
。つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフや
メスなどによる機械的な除去を行い、剥離層と被剥離層とを剥離しやすい状態にしてから
、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
また、剥離層と被剥離層との界面に液体を浸透させて作製基板から被剥離層を剥離して
もよい。また、剥離を行う際に水などの液体をかけながら剥離してもよい。
その他の剥離方法としては、剥離層をタングステンで形成した場合は、アンモニア水と
過酸化水素水の混合溶液により剥離層をエッチングしながら剥離を行うとよい。
なお、作製基板と被剥離層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい
。例えば、作製基板としてガラスを用い、ガラスに接してポリイミド、ポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル等の有機樹脂を形成し、有機樹
脂上に絶縁膜やトランジスタ等を形成する。この場合、有機樹脂を加熱することにより、
作製基板と有機樹脂の界面で剥離することができる。又は、作製基板と有機樹脂の間に金
属層を設け、該金属層に電流を流すことで該金属層を加熱し、金属層と有機樹脂の界面で
剥離を行ってもよい。
最後に、絶縁層843及び封止層823を開口することで、導電層857を露出させる
(図6(B))。なお、基板803が導電層857と重なる構成の場合は、導電層857
を露出させるために、基板803及び接着層841も開口する(図6(C))。開口の手
段は特に限定されず、例えばレーザアブレーション法、エッチング法、イオンビームスパ
ッタリング法などを用いればよい。また、導電層857上の膜に鋭利な刃物等を用いて切
り込みを入れ、物理的な力で膜の一部を引き剥がしてもよい。
なお、ここでは絶縁層843及び封止層823を形成した後に開口を設ける例を示した
が、あらかじめ開口となる部分に絶縁層843や封止層823を形成しないようにするこ
ともできる。または、あらかじめ導電層857と重なる部分に粘着性のテープを貼り付け
ておき、当該テープを剥がすことにより開口を形成してもよい。
その後、保護膜800を成膜する。保護膜800はALD法を用いて成膜すると、発光
パネルの表面を覆って、緻密で、且つ均一な保護膜800を形成することができる。保護
膜800の成膜に用いることのできる装置の一例については後述する。
また、保護膜800は、スパッタリング法、CVD法のような堆積法のほか、スピンコ
ート法、ディップ法などの、液体材料を用いたコート法を適用してもよい。
保護膜800を設けない部分には、あらかじめマスキングを施し、保護膜800の成膜
後に当該マスキングを除去することで、保護膜800に開口部を設けることができる。マ
スキングに用いる材料は、後の除去が容易で、且つ保護膜800の成膜時の温度に対して
耐熱性を有し、且つ成膜ガス(または液体)に対して安定な材料を用いればよい。例えば
ポリイミドを含む粘着テープなどを用いることが好ましい。
以上により、発光パネルを作製することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する表示パネルに適用可能な、折り
曲げ可能なタッチパネルの構成例について、図7〜図10を用いて説明する。なお、各層
に用いることのできる材料については、実施の形態2を参照することができる。
[構成例1]
図7(A)はタッチパネルの上面図である。図7(B)は図7(A)の一点鎖線A−B
間及び一点鎖線C−D間の断面図である。図7(C)は図7(A)の一点鎖線E−F間の
断面図である。
図7(A)に示すように、タッチパネル390は表示部301を有する。
表示部301は、複数の画素302と複数の撮像画素308を備える。撮像画素308
は表示部301に触れる指等を検知することができる。これにより、撮像画素308を用
いてタッチセンサを構成することができる。
画素302は、複数の副画素(例えば副画素302R)を備え、副画素は発光素子及び
発光素子を駆動する電力を供給することができる画素回路を備える。
画素回路は、選択信号を供給することができる配線及び画像信号を供給することができ
る配線と電気的に接続される。
また、タッチパネル390は選択信号を画素302に供給することができる走査線駆動
回路303g(1)と、画像信号を画素302に供給することができる画像信号線駆動回
路303s(1)を備える。
撮像画素308は、光電変換素子及び光電変換素子を駆動する撮像画素回路を備える。
撮像画素回路は、制御信号を供給することができる配線及び電源電位を供給することが
できる配線と電気的に接続される。
制御信号としては、例えば記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択すること
ができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、及び撮像画素回路が光を検
知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
タッチパネル390は制御信号を撮像画素308に供給することができる撮像画素駆動
回路303g(2)と、撮像信号を読み出す撮像信号線駆動回路303s(2)を備える
図7(B)に示すように、タッチパネル390は、基板510及び基板510に対向す
る基板570を有する。
可撓性を有する材料を基板510及び基板570に好適に用いることができる。
不純物の透過が抑制された材料を基板510及び基板570に好適に用いることができ
る。例えば、水蒸気の透過率が10−5g/(m・day)以下、好ましくは10−6
g/(m・day)以下である材料を好適に用いることができる。
線膨張率がおよそ等しい材料を基板510及び基板570に好適に用いることができる
。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好
ましくは1×10−5/K以下である材料を好適に用いることができる。
基板510は、可撓性基板510b、不純物の発光素子への拡散を防ぐ絶縁層510a
、及び可撓性基板510bと絶縁層510aを貼り合わせる接着層510cが積層された
積層体である。
基板570は、可撓性基板570b、不純物の発光素子への拡散を防ぐ絶縁層570a
、及び可撓性基板570bと絶縁層570aを貼り合わせる接着層570cの積層体であ
る。
例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリ
イミド、ポリカーボネートまたはアクリル、ウレタン、エポキシなどの樹脂、もしくはシ
ロキサン結合を有する樹脂含む材料を接着層に用いることができる。
封止層560は基板570と基板510を貼り合わせている。封止層560は空気より
大きい屈折率を備える。また、封止層560側に光を取り出す場合は、封止層560は封
止層560を挟む2つの部材(ここでは基板570と基板510)を光学的に接合する層
(以下、光学接合層ともいう)としても機能する。画素回路及び発光素子(例えば第1の
発光素子350R)は基板510と基板570の間にある。
画素302は、副画素302R、副画素302G及び副画素302Bを有する(図7(
C))。また、副画素302Rは発光モジュール380Rを備え、副画素302Gは発光
モジュール380Gを備え、副画素302Bは発光モジュール380Bを備える。
例えば副画素302Rは、第1の発光素子350R及び第1の発光素子350Rに電力
を供給することができるトランジスタ302tを含む画素回路を備える(図7(B))。
また、発光モジュール380Rは第1の発光素子350R及び光学素子(例えば着色層3
67R)を備える。
発光素子350Rは、第1の下部電極351R、上部電極352、下部電極351Rと
上部電極352の間のEL層353を有する(図7(C))。
EL層353は、第1のEL層353a、第2のEL層353b、及び第1のEL層3
53aと第2のEL層353bの間の中間層354を備える。
発光モジュール380Rは、第1の着色層367Rを基板570に有する。着色層は特
定の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色又は青色等を呈する
光を選択的に透過するものを用いることができる。または、発光素子の発する光をそのま
ま透過する領域を設けてもよい。
例えば、発光モジュール380Rは、第1の発光素子350Rと第1の着色層367R
に接する封止層360を有する。
第1の着色層367Rは第1の発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、発
光素子350Rが発する光の一部は、光学接合層を兼ねる封止層360及び第1の着色層
367Rを透過して、図中の矢印に示すように発光モジュール380Rの外部に射出され
る。
タッチパネル390は、遮光層367BMを基板570に有する。遮光層367BMは
、着色層(例えば第1の着色層367R)を囲むように設けられている。
タッチパネル390は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に備える。反
射防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
タッチパネル390は、絶縁層321を備える。絶縁層321はトランジスタ302t
を覆っている。なお、絶縁層321は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層とし
て用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を抑制すること
ができる層が積層された絶縁層を、絶縁層321に適用することができる。
タッチパネル390は、発光素子(例えば第1の発光素子350R)を絶縁層321上
に有する。
タッチパネル390は、第1の下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を絶縁層3
21上に有する。また、基板510と基板570の間隔を制御するスペーサ329を、隔
壁328上に有する。
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む
。なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。図7(
B)に示すようにトランジスタ303tは絶縁層321上に第2のゲート304を有して
いてもよい。第2のゲート304はトランジスタ303tのゲートと電気的に接続されて
いてもよいし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必要であれば、第2
のゲート304をトランジスタ308t、トランジスタ302t等に設けてもよい。
撮像画素308は、光電変換素子308p及び光電変換素子308pに照射された光を
検知するための撮像画素回路を備える。また、撮像画素回路は、トランジスタ308tを
含む。
例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用いることができる。
タッチパネル390は、信号を供給することができる配線311を備え、端子319が
配線311に設けられている。なお、画像信号及び同期信号等の信号を供給することがで
きるFPC309(1)が端子319に電気的に接続されている。なお、FPC309(
1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
保護膜800は、タッチパネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、
基板570(可撓性基板570b、接着層570c、絶縁層570a)、封止層360、
端子319、基板510(可撓性基板510b、接着層510c、絶縁層510a)等の
露出した面の一部、または全部を覆って設けられている。また保護膜800は、端子31
9の表面の一部と重なる開口を有する。
同一の工程で形成されたトランジスタを、トランジスタ302t、トランジスタ303
t、トランジスタ308t等のトランジスタに適用できる。
また、トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、タッチパネルを構成する各
種配線及び電極に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニ
ッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステ
ンなどの金属、又はこれを主成分とする合金を単層構造又は積層構造として用いる。例え
ば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する
二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−
アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造
、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタ
ン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタ
ン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、その
モリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらに
その上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化イ
ンジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。また、マンガンを含
む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
[構成例2]
図8(A)、(B)は、タッチパネル505の斜視図である。なお明瞭化のため、代表
的な構成要素を示す。図9は、図8(A)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図である。
タッチパネル505は、表示部501とタッチセンサ595を備える(図8(B))。
また、タッチパネル505は、基板510、基板570及び基板590を有する。なお、
基板510、基板570及び基板590はいずれも可撓性を有する。
表示部501は、基板510、基板510上に複数の画素及び当該画素に信号を供給す
ることができる複数の配線511を備える。複数の配線511は、基板510の外周部に
まで引き回され、その一部が端子519を構成している。端子519はFPC509(1
)と電気的に接続する。
基板590には、タッチセンサ595と、タッチセンサ595と電気的に接続する複数
の配線598を備える。複数の配線598は基板590の外周部に引き回され、その一部
は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509(2)と電気的に接続される。なお
、図8(B)では明瞭化のため、基板590の裏面側(基板510面側)に設けられるタ
ッチセンサ595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容
量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式な
どがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
以下では、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合について、図8(B)を
用いて説明する。
なお、指等の検知対象の近接または接触を検知することができるさまざまなセンサを適
用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極
591は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598
の他のいずれかと電気的に接続する。
電極592は、図8(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の
四辺形が角部で接続された形状を有する。
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置
されている。
配線594は、電極592を挟む二つの電極591を電気的に接続する。このとき、電
極592と配線594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これによ
り、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のムラを低減できる。その結
果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。例え
ば、複数の電極591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極5
92を、電極591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよ
い。このとき、隣接する2つの電極592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー
電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
タッチセンサ595は、基板590、基板590上に千鳥状に配置された電極591及
び電極592、電極591及び電極592を覆う絶縁層593並びに隣り合う電極591
を電気的に接続する配線594を備える。
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、基板590を基
板570に貼り合わせている。
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有
する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物
、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。な
お、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形
成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法として
は、熱を加える方法等を挙げることができる。
また、電極591及び電極592をそれぞれメッシュ状の形状とし、メッシュの開口と
発光素子とが互いに重なるように配置してもよい。このとき、電極591及び電極592
に導電性の低い金属や合金などの材料を用いることができる。
なお、電極591及び電極592などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線
や電極に用いることのできる材料として、例えば、抵抗値が低いものが望ましい。一例と
して、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハ
ロゲン化銀など)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノ
メートル)多数の導電体を用いて構成されるような金属ナノワイヤを用いてもよい。また
は、導電体を網目状にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ
や、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ、Agメッシュや、Cuメッシュ、Alメッシュな
どを用いてもよい。Agナノワイヤの場合、光透過率は89%以上、シート抵抗値は40
Ω/□以上100Ω/□以下を実現することができる。なお、透過率が高いため、表示素
子に用いる電極、例えば、画素電極や共通電極に、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カー
ボンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。
透光性を有する導電性材料を基板590上にスパッタリング法により成膜した後、フォ
トリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極59
1及び電極592を形成することができる。
また、絶縁層593に用いる材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、
シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム
などの無機絶縁材料を用いることもできる。
また、電極591に達する開口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極
591を電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めること
ができるため、配線594に好適に用いることができる。また、電極591及び電極59
2より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることが
できる。
一の電極592は一方向に延在し、複数の電極592がストライプ状に設けられている
配線594は電極592と交差して設けられている。
一対の電極591が一の電極592を挟んで設けられ、配線594は一対の電極591
を電気的に接続している。
なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置される必要
はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
一の配線598は、電極591又は電極592と電気的に接続される。配線598の一
部は、端子として機能する。配線598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀
、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラ
ジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護
することができる。
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
接続層599としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic
Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotr
opic Conductive Paste)などを用いることができる。
接着層597は、透光性を有する。例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いるこ
とができ、具体的には、アクリル、ウレタン、エポキシなどの樹脂、またはシロキサン結
合を有する樹脂などの樹脂を用いることができる。
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を備える。画素は表示素子と表
示素子を駆動する画素回路を備える。
本実施の形態では、白色の光を射出する有機EL素子を表示素子に適用する場合につい
て説明するが、表示素子はこれに限られない。
例えば、副画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なる有機EL素子を副
画素毎に適用してもよい。
基板510、基板570、及び封止層560は、構成例1と同様の構成が適用できる。
画素は、副画素502Rを含み、副画素502Rは発光モジュール580Rを備える。
副画素502Rは、第1の発光素子550R及び第1の発光素子550Rに電力を供給
することができるトランジスタ502tを含む画素回路を備える。また、発光モジュール
580Rは第1の発光素子550R及び光学素子(例えば着色層567R)を備える。
発光素子550Rは、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間にEL層を有する
発光モジュール580Rは、光を取り出す方向に第1の着色層567Rを有する。
また、封止層560が光を取り出す側に設けられている場合、封止層560は、第1の
発光素子550Rと第1の着色層567Rに接する。
第1の着色層567Rは第1の発光素子550Rと重なる位置にある。これにより、発
光素子550Rが発する光の一部は第1の着色層567Rを透過して、図中に示す矢印の
方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
表示部501は、光を射出する方向に遮光層567BMを有する。遮光層567BMは
、着色層(例えば第1の着色層567R)を囲むように設けられている。
表示部501は、反射防止層567pを画素に重なる位置に備える。反射防止層567
pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
表示部501は、絶縁膜521を備える。絶縁膜521はトランジスタ502tを覆っ
ている。なお、絶縁膜521は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用い
ることができる。また、不純物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を、絶縁膜521に適
用することができる。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ502t等の信頼性
の低下を抑制できる。
表示部501は、発光素子(例えば第1の発光素子550R)を絶縁膜521上に有す
る。
表示部501は、第1の下部電極の端部に重なる隔壁528を絶縁膜521上に有する
。また、基板510と基板570の間隔を制御するスペーサを、隔壁528上に有する。
走査線駆動回路503g(1)は、トランジスタ503t及び容量503cを含む。な
お、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
表示部501は、信号を供給することができる配線511を備え、端子519が配線5
11に設けられている。なお、画像信号及び同期信号等の信号を供給することができるF
PC509(1)が端子519に電気的に接続されている。
なお、FPC509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良
い。
表示部501は、走査線、信号線及び電源線等の配線を有する。上述した様々な導電膜
を配線に用いることができる。
保護膜800は、タッチパネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、
基板590、接着層597、基板570(可撓性基板570b、接着層570c、絶縁層
570a)、封止層560、端子519、基板510(可撓性基板510b、接着層51
0c、絶縁層510a)等の露出した面の一部、または全部を覆って設けられている。ま
た保護膜800は、端子519の表面の一部と重なる開口を有する。
なお、様々なトランジスタを表示部501に適用できる。ボトムゲート型のトランジス
タを表示部501に適用する場合の構成を、図9(A)、(B)に図示する。
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図9(A)に図示
するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用することができる。
例えば、レーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体
層を、図9(B)に図示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用する
ことができる。
また、トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、図9(
C)に図示する。
例えば、多結晶シリコンまたは単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリコン膜
等を含む半導体層を、図9(C)に図示するトランジスタ502t及びトランジスタ50
3tに適用することができる。
[構成例3]
図10は、タッチパネル505Bの断面図である。本実施の形態で説明するタッチパネ
ル505Bは、供給された画像情報をトランジスタが設けられている側に表示する表示部
501を備える点及びタッチセンサが表示部の基板510側に設けられている点が、構成
例2のタッチパネル505とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様
の構成を用いることができる部分は、上記の説明を援用する。
第1の着色層567Rは第1の発光素子550Rと重なる位置にある。また、図10(
A)に示す発光素子550Rは、トランジスタ502tが設けられている側に光を射出す
る。これにより、発光素子550Rが発する光の一部は第1の着色層567Rを透過して
、図中に示す矢印の方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
表示部501は、光を射出する方向に遮光層567BMを有する。遮光層567BMは
、着色層(例えば第1の着色層567R)を囲むように設けられている。
タッチセンサ595は、表示部501の基板510側に設けられている(図10(A)
)。
接着層597は、基板510と基板590の間にあり、表示部501とタッチセンサ5
95を貼り合わせる。
保護膜800は、タッチパネルの露出した部分を覆って設けられている。具体的には、
基板570(可撓性基板570b、接着層570c、絶縁層570a)、封止層560、
基板510(可撓性基板510b、接着層510c、絶縁層510a)、基板590、接
着層597、端子519、配線598等の露出した面の一部、または全部を覆って設けら
れている。また保護膜800は、端子519、及び配線598等の表面の一部と重なる開
口を有する。
なお、様々なトランジスタを表示部501に適用できる。ボトムゲート型のトランジス
タを表示部501に適用する場合の構成を、図10(A)、(B)に図示する。
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図10(A)に図
示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用することができる。
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、図10(B)に図示するトランジスタ5
02t及びトランジスタ503tに適用することができる。
また、トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、図10
(C)に図示する。
例えば、多結晶シリコン又は転写された単結晶シリコン膜等を含む半導体層を、図10
(C)に図示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用することができ
る。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成例について、図面を参照して説明
する。
本発明の一態様の表示装置は、自動車の内装に好適に取り付けることができる表示装置
である。特に、自動車の天井などの上部の内装に取り付ける、または内装に組み込むこと
ができる。表示装置は可撓性を有する表示パネルと、表示パネルの形態を変化させる駆動
部と、を有する。駆動部により、表示パネルの表示面が自動車の上部から吊り下げられた
形態と、表示パネルが上部に収納された形態の間で、表示パネルを可逆的に変形させるこ
とができる。例えば、表示パネルは巻き取られた形態、または折り畳まれた形態で収納す
ることができる。
このような表示装置は、運転席の前方だけでなく、助手席や後部座席の前方にも配置す
ることができる。これにより運転者以外の同乗者が画像や動画などを視聴することが可能
となる。表示装置の表示パネルは収納することが可能であるため、従来の据え置き型の表
示装置と比較して表示領域の面積の大きな表示パネルを適用することができる。そのため
、多くの情報を提供しつつ、省スペース化も可能となる。また、設置場所の自由度も高く
、さまざまなボディサイズの車体に取り付けることが可能である。また、表示パネルが可
撓性を有しているため、万が一事故等で搭乗者が表示パネルに衝突しても怪我をする危険
性が低いため、従来の表示装置に比べて極めて安全性が高いといえる。
上記表示パネルに、実施の形態1及び実施の形態2で例示した表示パネル(発光パネル
、タッチパネル)を適用することができる。したがって極めて信頼性に優れた表示装置と
することができる。
また、上述の保護膜は、水などの不純物の拡散を抑制するだけでなく、表示パネルの機
械的強度を高める効果も奏する。例えば表示パネルの表面の硬度を高め、キズなどが生じ
にくくすることができる。また繰り返し表示パネルを曲げることによって表示パネルを構
成する基板等にヒビ(クラック)等が発生してしまうことを抑制できる。
より具体的には、例えば以下の構成とすることができる。
[表示装置の設置例]
図11(A)乃至(C)に、本発明の一態様の表示装置を、自動車の内装に取り付けた
場合の例を示す。ここでは、運転席の前方の上部(上斜め前方)に表示装置50を取り付
けた例を示している。
自動車は、内部にフロントガラス61、変速レバー62、サンバイザ63、ハンドル6
4等を有している。またここでは、自動車にナビゲーションシステム65が組み込まれて
いる場合を示している。
図11(A)は、サンバイザ63を上げた(収納した)状態であり、図11(B)はサ
ンバイザ63を下ろした状態を示している。表示装置50は、サンバイザ63を上げた状
態のときに覆われる位置に好適に設けることができる。したがって自動車の内装の美観を
損なうことなく表示装置50を車体に取り付けることができる。
図11(A)(B)は、表示装置50の表示パネル51が収納された状態である。ここ
では表示パネル51が天井の内部(天井表面よりも内側)に収納されている状態を示して
いる。この状態から、図11(C)に示すように、表示パネル51を吊り下げた形態に変
形することができる。このとき、表示パネル51の表示面は平面形状または曲面形状であ
り、当該表示面が運転者から視認できる範囲に位置している。
また、図11の各図において、車体が有するハンドル64に、表示装置50の表示パネ
ル51の形状を操作するための操作部66を組み込んだ場合を示している。操作部66と
しては、例えばスイッチや、タッチパネルなどを用いることができる。操作部66を操作
することで、後述する表示装置50の駆動手段52によって表示パネル51を変形させる
ことができる。
図12に、表示装置50を組み込んだ車両60のブロック図を示している。車両60は
、例えば表示装置50、画像出力手段67、操作部66等を有している。
表示装置50は、表示パネル51と、駆動手段52とを有する。表示パネル51は、可
撓性を有し、表示面が広げられて(展開されて)平面または曲面である状態と、表示パネ
ル51が巻き取られて収納された形態、または折り畳んで収納された形態とに変形するこ
とができる。また、表示装置50が有する駆動手段52は、表示パネル51の表示面の少
なくとも一部が吊り下げられた形態と、表示パネル51が上方に収納される形態と、の間
で可逆的に表示パネル51を変形することができる。駆動手段52は、例えば操作部66
によって操作することができる。
表示パネル51には画像出力手段67を接続することが可能である。画像出力手段67
から出力される映像や画像を、表示パネル51の表示面に表示することができる。表示パ
ネル51には、画像出力手段67により後述する車体外部に設けられたカメラ(撮像手段
)の映像を表示できるほか、地図情報、交通情報、自車の位置情報、目的地までの経路や
距離、進行方向、到着予想時間などの情報、時刻、速度、方位、温度、湿度、気圧、傾斜
角、標高などの様々な情報を表示することができる。また、画像出力手段67の一例とし
ては、テレビジョン放送受信機(チューナー)や、CDやDVD、メモリカードなどの記
憶装置に記録された映像情報を再生するメディア再生装置などが挙げられる。このような
画像出力手段67を表示装置50に接続することにより、テレビジョン放送や様々な映像
などを表示パネル51に表示することもできる。また、ノート型PCやタブレット端末、
携帯電話、スマートフォンなどの情報端末や、携帯型ゲーム機等と、画像出力手段67と
を無線または有線で接続することもできる。これにより、これら情報端末やゲーム機から
送信された映像等を、画像出力手段67を介して表示パネル51に表示することもできる
表示装置50の表示パネル51は、タッチパネルとしての機能を有していてもよい。こ
の時、表示パネル51には、アプリケーション自体や、その動作に関連付けられたアイコ
ン等の画像を表示しておくことが好ましい。こうすることで、直感的な操作を容易にする
ことができる。また、例えば地図の移動、拡大、縮小などをタッチ操作で行ってもよい。
なお、図11(C)では、表示パネル51が運転席から見てフロントガラス61の上端
から下端にかけて重なるように位置する場合を示したが、フロントガラス61の一部と重
なるように位置する形態としてもよい。例えば図13(A)に示すように、運転者からみ
て表示パネル51の下端がフロントガラス61と重なるように位置するように、表示パネ
ル51を変形させてもよい。表示パネル51をこのような形態とすることで、運転者の前
方視界を妨げることがないため、運転者はこの状態で運転をすることができる。例えば、
運転者の視界が確保できるように、運転者からみて表示パネル51の下端がフロントガラ
ス61の上端から50%以下の範囲、または30%以下の範囲、または20%以下の範囲
に位置するように、表示パネル51の形態を維持することが好ましい。
また、図11では運転席の前方上部に表示装置50を組み込む場合を示したが、他の座
席から見ることのできる位置に表示装置50を組み込んでもよい。図13(B)では、助
手席の前方の上部に、表示装置50を設ける構成の例を示している。助手席の同乗者は、
座席側部に設けられた操作部66によって、表示装置50の表示パネル51の形態を自由
に操作することができる。
また、図13(C)に示すように、車体側部に設けられた窓部を覆う位置に表示装置5
0を設けてもよい。このように、座席の側方に表示装置50を配置することで、窓を透過
する紫外線を遮ることができる。また、このとき、例えば表示パネル51には車両の側方
の映像を表示することにより、運転者の死角となる範囲を縮小することができる。
また、図14(A)(B)には、車体天井の前部座席よりも後方の一部に、2つの表示
装置50を組み込んだ場合を示している。また車体天井には、操作部66を有する場合を
示している。それぞれの表示装置50の表示パネル51は吊り下げられた形態において、
表示パネル51の一部が前席の一部と重なるような形態とすることができる。このような
構成とすることで、後部座席の右側と左側のそれぞれに着座した同乗者が、個別に映像を
楽しむことができる。また、図14(C)に示すように、車体天井に一つの大きな表示パ
ネル51を有する表示装置50を組み込んでもよい。このとき、表示パネル51は、助手
席の一部と運転席の一部の両方と重なるように、吊り下げられた形態とすることができる
。このような構成とすることで、後部座席の同乗者はより大画面で映像を楽しむことがで
きる。
なお、図14(C)に示した表示装置50を、例えば図13(B)で示した2つの表示
装置50に代えて配置してもよい。すなわち、運転席の前方から助手席の前方にかけて1
つの大きな表示パネル51が配置されるように、表示装置50を設けてもよい。
また、後部座席と前部座席との間に表示装置50を設けたとしても、表示パネル51は
可撓性を有しているため、万が一事故等によって後部座席の同乗者が表示パネル51に衝
突した場合であっても大きな怪我をする危険性が低く、安全性が高い。例えば、運転席や
助手席のヘッドレストに従来の液晶表示装置等の表示装置を組み込んだ場合に比べて、よ
り大面積で映像を楽しめるといった効果に加えて、安全性の面でも高い優位性があると言
える。
なお、表示装置50を組み込む位置はこれに限られず、車内の天井やドアなど、様々な
位置に組み込むことができる。例えば、フロントガラス61以外の窓部(後方または側方
に設けられるガラス等)に表示パネル51が沿う位置に、表示装置50を設置することが
できる。
また、ここでは表示装置50を車体上部に配置し、表示パネル51が吊り下がる形態を
示したがこれに限られない。例えば表示パネル51を水平方向に引き出す構成としてもよ
いし、表示パネル51を下側から上側に向かって引き出す構成としてもよい。
なお、上述した操作部66の位置はこれに限られず、少なくとも運転者や同乗者が操作
できる位置に組み込むことができる。例えば、車内のアームレスト、天井、ダッシュボー
ド、ドアなどの様々な部分に配置することができる。
また、ナビゲーションシステム65と表示装置50とを連動させることが好ましい。ナ
ビゲーションシステム65として、上述した画像出力手段67としての機能を持たせ、ナ
ビゲーションシステム65が出力する映像や画像を、表示パネル51に表示する構成とし
てもよい。また、ナビゲーションシステム65に操作部66としての機能を付加してもよ
い。こうすることで、操作部66を車内の内装に組み込む必要がなくなるため、より自動
車の内装の美観を損なうことなく表示装置50を適用することができる。
以上が、表示装置の設置例についての説明である。
[表示装置の構成例]
続いて、表示装置50の構成の一例と、運転席前方上部への設置方法の一例について図
15を用いて説明する。
図15(A1)(A2)に、車両60の車体内部の断面概略図を示している。
車体の天井68には凹部が設けられ、当該凹部内に表示装置50が設置されている。図
15(A1)(A2)に示す表示装置50は、巻き取り機構53と表示パネル51とを有
する。巻き取り機構53は、上記駆動手段52に相当する。
図15(A1)は、表示パネル51が吊り下がった形態の例を示している。この状態か
ら、巻き取り機構53で表示パネル51を巻き取ることにより、図15(A2)に示すよ
うに表示パネル51が巻き取られた形態に表示パネル51を変形することができる。
また、図15(A1)(A2)では、表示装置50は天井68の内部に設けられている
ともいえる。さらに図15(A2)に示すように表示パネル51を巻き取ったときに、表
示装置50の露出した一部をサンバイザ63で覆うことのできる位置に表示装置50を設
置すると、自動車の内装の美観を損ねることがないため好ましい。
図15(B1)(B2)には、表示パネル51を折り畳んで収納できる表示装置50の
構成例を示している。表示装置50は、図15(B1)に示すように表示パネル51が吊
り下がった形態から、図示しない引き上げ機構によって表示パネル51が蛇腹状に折り畳
まれ、図15(B2)に示すように、天井68の凹部に収納された形態に表示パネル51
を変形することができる。また、図15(B2)に示すように、表示パネル51が収納さ
れたときに、サンバイザ63で覆われる位置に、表示装置50を設置することが好ましい
なお、あらかじめ表示装置50を設置するための天井68の凹部などの構造を有さない
車体にも、使用者が任意に表示装置50を取り付けることもできる。例えば、図15(C
)に示すように、表示装置50が車体に取り付け可能な筐体54を備える構成とし、筐体
54を車体の任意の位置に設置することができる。このように、筐体54に表示パネル5
1等が組み込まれ、使用者が任意の位置に取り付けることのできる形態を、表示ユニット
と呼ぶこともできる。
また、図15(D)には、サンバイザ63に筐体54を取り付けた例を示している。こ
のとき、サンバイザ63を上げた状態で筐体54が天井68と接触しないように、筐体5
4の厚さを薄くすることが好ましい。図15(D)では、表示パネル51を巻き取った状
態でサンバイザ63を上げた場合の例を破線で示している。
なお、図15(C)(D)では筐体54の内部に、巻き取り機構53と、表示パネル5
1を設ける構成を示しているが、図15(B1)(B2)のように、表示パネル51を折
り畳んで収納可能な構成としてもよい。
なお、表示装置50のより具体的な構成例については、後の実施の形態で説明する。
以上が表示装置の構成例についての説明である。
[他の応用例]
本発明の一態様の表示装置は、一般的な乗用車だけでなく、特殊な用途を想定した特殊
車両にも好適に適用することができる。
例えば、図16(A)(B)には、フロントガラス61の前面を覆うことのできるシャ
ッター91を有する特殊車両の例を示している。シャッター91は、図16(A)に示す
ように車体の天井68内に格納された形態と、図16(B)に示すようにフロントガラス
61の前面を覆う形態とに、その形態を可逆的に変化させることができる。通常走行の際
には、図16(A)に示すようにシャッターを格納した状態で走行し、特殊な状況におい
ては、図16(B)に示すようにシャッター91を下ろすことができる。このとき、運転
者が視認できる範囲に位置する表示パネル51に、車両の周囲の映像を表示することによ
って運転者の視界を確保し、安全に運転することができる。
なおここではフロントガラス61を覆うシャッター91のみを明示しているが、他の窓
部(後方または側方に設けられるガラス等)を覆うことのできるシャッター91を設ける
ことが好ましい。
例えば放射線量の高い地域を走るための車両などの場合、シャッター91に放射線を透
過しない材質を用いることができる。また、護衛車や護送車、装甲車等の車両の場合には
、5mm以上の厚さの金属や合金など、物理的強度の高い材質をシャッター91に用いる
ことができる。このような材質は可視光を透過しない場合が多い。
このようなシャッター91を適用した特殊車両では、例えば車体周辺の状況を視認する
ために小さな窓部をシャッター91に設けることができるが、その場合では視界が狭く、
周囲の状況を詳細に把握することができない場合がある。一方、本発明の一態様の表示装
置50を適用することで、図16(B)に示すようにシャッター91によりフロントガラ
ス61等の窓部の全体を覆った状態であっても、表示パネル51に後述する撮像手段によ
って撮像された周囲の映像を表示することができる。また、シャッター91に窓部を設け
る必要がないため、より危険性の少ない特殊車両とすることができる。
また、自動車のほかにもあらゆる移動体に本発明の一態様の表示装置を適用することが
できる。例えばバス、電車や機関車などの鉄道車両、クレーン車やブルドーザー等の土木
作業車または建設作業車、有人ロボット、飛行機やヘリコプターなどの航空機、船舶、潜
水艦、宇宙船など、様々な移動体に適用することが可能となる。
特に宇宙船においては、宇宙線の影響や重量の問題などにより窓部の大きさと数が制限
される場合が多い。また、太陽フレアなどの影響により宇宙線の放射強度が高い場合には
、安全性を確保するために宇宙線を遮断するシャッターで窓部を覆うことも想定される。
そこで、表示領域の大型化と省スペース化の両立が容易な本発明の一態様の表示装置を好
適に適用することができる。また本発明の一態様の表示装置は極めて軽量であり且つコン
パクトであるため、従来の表示装置に比べて輸送コスト(打ち上げに要するコスト)を大
幅に削減することもできる。
以上が他の応用例についての説明である。
本発明の一態様の表示装置は、可撓性を有する表示パネルを使用者の視界に位置する形
態と、収納された形態とに変形することができる。したがって、表示パネルを使用する場
合には大きな表示領域に多くの情報を使用者に提供することができ、また表示パネルを使
用しない場合には表示パネルを収納することにより、省スペースが実現され、且つ車体の
内装の美観を損ねることなく、表示装置を適用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
以下では、本発明の一態様の表示装置を用いた運転支援システムの例について、図面を
参照して説明する。
本発明の一態様の運転支援システムは、例えば車両の変速機の状態と、表示装置の表示
パネルの形態とを連動させて動作させるものである。これにより運転者が特別な操作を行
うことなく、運転の状況に応じて、その状況に適した形状に表示パネルを変形させること
ができる。さらにその状況に適した情報や映像を、表示パネルに表示させることができる
。したがって、運転者が負担を感じることなく、運転に集中することができる。
また車両の変速機の状態に応じて、運転者の視界の範囲内に表示パネルが位置しない状
態と、運転者の視界の範囲の大部分に表示パネルが位置する状態と、に表示パネルを変形
させることができる。そのため運転者は視線を変えることなく、表示パネルに表示された
情報を得ることができる。さらに、運転者の視界のうち表示パネルが占める割合が大きい
ため、運転者が得ることのできる情報量を多くできる、または運転者が直感的に捉えやす
い大きな画像を表示することができる。
また、車両を前進させるように運転する場合であっても、運転者の視点の高さよりも高
い位置に表示パネルが位置するような形態とすることで、運転者が運転するのに必要な視
界を遮ることなく、同時に表示パネルに表示された情報を得ることができる。
より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
[システムの構成例]
図17に以下で説明するシステム70の構成の一例を示すブロック図を示す。
システム70は、表示装置50、制御部71、撮像手段72、検知手段73を有する。
また図17に示すように、記憶装置74、入力手段75等を有していてもよい。
表示装置50は、実施の形態1の構成を参照することができる。すなわち、表示装置5
0は可撓性を有する表示パネル51を有し、駆動手段52によって表示パネル51が吊り
下げられた形態と、収納された形態とに可逆的に変形することができる。
撮像手段72は、車体の周囲を撮像することができる。また撮像手段72は、撮像した
映像情報を制御部71に出力する機能を有する。撮像手段72は、例えば車体の後方、車
体の前方、車体の側方などを撮像することができる。撮像手段72は、車体の前面、後面
、側面の少なくとも一に取り付ければよい。好ましくは、車体の後面に取り付ければよく
、より好ましくは、車体の前面、後面、両側面のそれぞれに1以上の撮像手段72を取り
付ける。撮像手段72としては、例えばカメラを用いればよい。
また、撮像手段72が広範囲にわたって撮像する機能を有することが好ましい。例えば
、1つの撮像手段72の撮像範囲が80度以上180度以下、好ましくは90度以上18
0度以下、より好ましくは120度以上180度以下であることが好ましい。このとき、
撮像手段72が高視野角のレンズを一つ有する構成としてもよいし、2以上のレンズを有
する構成としてもよい。
検知手段73は、車両60が有する変速機69の状態を検知する機能を有する。また検
知手段73は、検知情報を制御部71に出力する機能を有する。検知手段73は、より具
体的には、変速機69の状態が前進である状態(前進するためのギアが接続された状態)
、後退である状態(後退するためのギアが接続された状態)、ニュートラルである状態(
ギアが接続されていない状態)、停止である状態(ギアが接続されておらず、且つタイヤ
がロックされている状態)等のいずれであるかを検知することができる。
記憶装置74は、制御部71の動作を規定するプログラムや、設定情報等の情報を格納
することができる。ここで設定情報は、例えば使用者が入力手段75等により制御部71
の動作をあらかじめ設定した情報である。記憶装置74は、制御部71によって情報の書
き込み、及び読み出しを行うことができる。
記憶装置74としては、例えばハードディスクドライブ(Hard Disc Dri
ve:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:S
SD)などの記録メディアドライブ、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetore
sistive Random Access Memory)、PRAM(Phase
change RAM)、ReRAM(Resistance RAM)、FeRAM
(Ferroelectric RAM)などの不揮発性の記憶素子が適用された記憶装
置、またはDRAM(Dinamic Ram)やSRAM(Static RAM)な
どの揮発性の記憶素子が適用された記憶装置等を用いてもよい。
入力手段75は、使用者が事前に制御部71の動作を規定する設定情報を入力すること
のできるインターフェースである。入力手段75としては、例えばスイッチ、タッチパネ
ル、タッチパッド、マウス、キーボード、ジョイスティック、トラックボール、データグ
ローブ等の直接的な入力手段を用いることができる。また入力手段75として、視点入力
手段、音声入力手段、ジェスチャ入力手段等の間接的な(非接触の)入力手段を用いると
、運転者が運転中であっても危険を伴うことなく入力することができる。また例えば表示
パネル51がタッチパネルとしての機能を有する場合には、表示パネル51を入力手段7
5として用いることもできる。
制御部71は、表示装置50の表示パネル51に映像を出力する機能を有する。また制
御部71は、表示装置50の駆動手段52の駆動を制御する信号を出力する機能を有する
。また制御部71は、撮像手段72から入力された映像情報の解析、変換、補正等を行う
機能を有していてもよい。また撮像手段72から入力された映像情報を基に、新たな映像
を生成する機能を有していてもよい。
制御部71は、例えばCPU(Central Processing Unit)な
どのプロセッサと、システム70が有する記憶装置74等のコンポーネントと接続する入
力インターフェース、及び出力インターフェース等を有する構成とすることができる。プ
ロセッサと各インターフェースとは、システムバスにより電気的に接続される。またプロ
セッサは、システムバスを介して接続された各コンポーネントから入力される信号を処理
し、且つ、各コンポーネントへ出力する信号を生成し、システムバスに接続された各コン
ポーネントを統括的に制御することができる。
またプロセッサとしてCPUのほか、DSP(Digital Signal Pro
cessor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の他
のマイクロプロセッサを併せて用いることができる。制御部71は、プロセッサにより種
々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理やプログラム制御
を行う。プロセッサにより実行しうるプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格
納されていてもよいし、記憶装置74に格納されていてもよい。
制御部71及び記憶装置74は、例えば車体のダッシュボードの内部に組み込まれる構
成とすると、車内の美観を損ねることがないため好ましい。また、車体に装着するナビゲ
ーションシステムに、制御部71及び記憶装置74としての機能を持たせてもよい。すな
わち、ナビゲーションシステムがシステム70の機能の一部を有していてもよい。このと
き、ナビゲーションシステムの入力手段(スイッチやタッチパネル等)を、システム70
の入力手段75として用いてもよい。また、検知手段73は、車両60自体が有するもの
を流用してもよい。
以上がシステムの構成例についての説明である。
[表示装置の形態について]
続いて、本発明の一態様の運転支援システムにおける、表示装置の形態について図18
を用いて説明する。図18の各図は、表示装置50の表示パネル51の形状と、運転者の
視界との関係を説明する概略図である。ここで図18(A)は表示パネル51が第2の形
態である場合に相当し、図18(B1)及び図18(B2)は表示パネル51が第1の形
態である場合に相当し、図18(C)は表示パネル51が第3の形態である場合に相当す
る。
〔第2の形態〕
図18(A)には、表示装置50の表示パネル51が収納されている形態(第2の形態
)を示している。また図18(A)には、運転者80の視点81を通る面82と、運転者
80がフロントガラス61を介して車体前方を視認できる範囲(前方視界83)を示して
いる。
ここで、運転者80の視点81としては、運転者80の体格や着座位置等に応じて変化
する場合がある。例えば視点81は、「日本工業規格 JIS D 0021 自動車の
運転者アイレンジ」で規定される基準アイポイントを用いることができる。
面82は、視点81を通る水平面とすることができる。または、面82は、視点81を
通り、且つ3つのタイヤの接地点を通る面に平行な面とすることができる。ここで、視点
81の高さよりも高いという場合、面82よりも上側に位置することを指す。また視点8
1の高さ以下という場合、面82と一致する、または面82よりも下側に位置することを
指す。
また本明細書等において、前方視界83は、車体中心面(車体の左右中心線を通り、面
82に垂直な面)に平行で、且つ視点81を通る面上であって、視点81とフロントガラ
ス61の上端とを結んだ線と、視点81とフロントガラスの下端とを結んだ線との間の範
囲とすることができる。
図18(A)では、表示装置50の表示パネル51が収納されているため、前方視界8
3に表示パネル51が位置しない状態である。したがって、運転者80は表示装置50を
設けていないときと同様に、通常運転をすることができる。
〔第1の形態〕
図18(B1)は、表示装置50の表示パネル51が面82と交差する場合を示してい
る。すなわち、表示パネル51の下端が運転者80の視点81の高さ以下に位置している
。ここでは、表示パネル51の下端が、前方視界83よりも下側に位置している。表示パ
ネル51をこのような形態とすることで、運転者80は表示パネル51に表示された映像
などの情報を、図18(A)の状態から視線を変えることなく見ることができる。
図18(B1)に示す状態は、例えば車両を後退させるときに好適に用いることができ
る。このとき、表示パネル51には、車体の後方の映像を表示することが好ましい。運転
者80は表示パネル51に表示された車体の後方の映像を見ながら運転することができる
。表示パネル51は前方視界83の大部分と重なるように位置するため、運転者80の視
界の大部分に車体の後方の映像を表示することができる。そのため例えばダッシュボード
等に組み込まれた小型の(例えば対角10インチ以下の)ディスプレイを有する表示装置
を適用した場合に比べて、運転者80の没入感や現実感が高まる。さらに、表示パネル5
1に車体の後方を撮像した映像の反転映像を表示することで、運転者80はあたかも前進
しているかのような感覚で、車両を後退させる運転をすることができる。
また、図18(B2)に示すように、表示パネル51の下端が、面82よりも下側であ
って、且つ前方視界83の内側に位置するようにしてもよい。
〔第3の形態〕
図18(C)は、表示装置50の表示パネル51の下端が面82よりも上側であって、
且つ前方視界83の内側に位置している場合を示している。すなわち、表示パネル51の
下端が運転者80の視点81の高さよりも高く位置している。表示パネル51をこのよう
な形態とすることで、運転者80は車両前方を視認することが可能であるため、この状態
で運転することができる。また、視界上部に表示パネル51が位置しているため、運転者
80は表示パネル51に表示される映像や情報を、視線を大きくずらすことなく見ること
ができる。このとき、表示パネル51には、撮像手段72により撮像された、車体周囲の
映像のほか、地図情報、交通情報、進行方向を示す情報、自車の位置情報、目的地までの
経路や距離、到着予想時間などの情報、時刻、速度、方位などの情報を表示することが好
ましい。
以上が表示装置の形態についての説明である。
[動作例]
続いて、本発明の一態様の運転支援システムに適用可能な動作の一例について、図19
を用いて説明する。図19に、運転支援システムの動作にかかるフローチャートを示す。
S10で動作を開始する。このとき、表示パネル51の形態は第2の形態、または第3
の形態であるとする。表示パネル51が第3の形態であるとき、表示パネル51には映像
等が表示されていてもよい。また、S10において、使用者があらかじめ入力手段75に
よって制御部71の動作を規定する設定情報を入力しておいてもよい。
S11において、制御部71は検知手段73から検知情報を取得する。検知情報が後退
である場合には、S12に移行する。また検知情報が後退以外である場合には、S11を
繰り返す。
S12において、制御部71は、記憶装置74に格納された設定情報を読みこむ。設定
情報には、検知情報が後退である場合に表示パネル51を下ろすか否かの情報が含まれて
いる。
S13において、制御部71は設定情報に基づいて判断する。具体的には、設定情報に
表示パネル51を下ろすという情報が含まれている場合には、S14に移行する。一方表
示パネル51を下ろさないという情報が含まれている場合には、S20に移行し動作を終
了する。
S14において、制御部71は駆動手段52に表示パネル51を第1の形態に変形する
ように動作させる信号を送信する。駆動手段52は当該信号に基づいて、表示パネル51
の形態を第2の形態または第3の形態から、第1の形態に変形させる。
続いて、S15において、制御部71は撮像手段72に撮像を開始する信号を送信する
。撮像手段72は、撮像を開始し、撮像した映像情報を制御部71に出力する。
S16において、制御部71は取得した映像情報を基に表示パネル51に表示する映像
を生成し、表示パネル51に送信する。表示パネル51には、制御部71が生成した映像
が表示される。
ここで、運転者80は、表示パネル51に表示された映像を見ながら、車両を後退させ
る運転をすることができる。
続いてS17において、制御部71は、検知手段73から検知情報を再度取得する。検
知情報が後退以外である場合には、S18に移行する。また検知情報が後退のままである
場合には、S16に戻り表示を維持する。
S18において、制御部71は表示パネル51への表示を停止する。具体的には、表示
パネル51に表示される映像のうち、少なくとも撮像手段72によって撮像された映像を
含む表示を停止する。また、S18において、制御部71は撮像手段72に撮像を停止さ
せる信号を送信する。撮像手段72は、撮像と映像信号の出力を停止する。撮像の停止と
表示の停止は同時に行ってもよいし、いずれかを先に行ってもよい。
続いて、S19において、制御部71は駆動手段52に表示パネル51を第2の形態に
変形するように動作させる信号を送信する。駆動手段52は当該信号に基づいて、表示パ
ネル51の形態を第1の形態から第2の形態に変形させる。
なお、S19では、S10の時点での表示パネル51の形態に変形させてもよい。例え
ば、S10の段階で表示パネル51が第3の形態である場合には、S19で表示パネル5
1の形態を第3の形態に変形させてもよい。また、S19で変形させる表示パネル51の
形態は、S12において読み出される設定情報に基づいて決定されてもよい。例えば、設
定情報に第3の形態にすることが規定されている場合には、S19で表示パネル51を第
3の形態に変形させてもよい。
S20で動作を終了する。S20において、表示パネル51が第2の形態である場合に
は、表示パネル51への映像等の表示は停止されている。一方、表示パネル51が第3の
形態である場合には、表示パネル51の運転者から視認される領域に、映像や画像が表示
されていてもよい。
なお、ここでは車両を後退させる場合に、表示パネル51を第1の形態とする例を示し
たが、それ以外にもさまざまな動作をさせることが可能である。
例えば、制御部71は、検知情報が前進であるときに、表示パネル51を第3の形態に
変化するように動作させる信号を駆動手段52に送信してもよい。このとき、制御部71
は、撮像手段72に撮像を開始させ、撮像手段72により撮像された、車両後方、前方、
側方の少なくとも一の映像情報に基づいて生成された映像を、表示パネル51に表示させ
てもよい。
以上が運転支援システムの動作の一例についての説明である。
[表示パネルの表示について]
以下では、表示パネル51に表示することのできる映像または画像について説明する。
図20(A)に、車両60を後退させて、駐車スペース35に駐車しようとしていると
きの様子を示している。車両60の後部には車両60の後方を撮像する撮像手段72が取
り付けられている。図20(A)には、撮像手段72によって撮像される映像31の範囲
を示している。駐車スペース35は、駐車スペース35を規定する白線や車輪止めなどの
目標物36の内側に位置している。なお駐車スペース35は実際には明示されていないた
め破線で表記している。
図20(B1)は、撮像手段72により撮像された映像31の例を示している。映像3
1は車両60の後方の映像であり、映像31には目標物36が映っている。
図20(B2)は、表示パネル51に表示される映像32の例を示している。映像32
は、撮像手段72により撮像された映像31を左右反転した映像である。このように表示
パネル51に左右反転の映像を表示することにより、運転者80は直感的な運転操作を行
うことが可能となる。すなわち、映像32の左右方向と、ハンドル操作の方向とを一致さ
せることができる。特に、表示パネル51が第1の形態であり、運転者80の視界の大部
分に位置する場合、運転者が感じる没入感や現実感が増すため、運転者はあたかも前進し
ているかのように、車両60を後退させる操作を行うことができる。
また、図20(B2)には、車両60の進行方向を示すガイド37が表示されている例
を示している。このとき、例えば制御部71が、現在のハンドル64の回転角度に応じて
決定される車両60の進行方向の情報を、ガイド37等の映像情報として、表示パネル5
1に表示させることができる。
また、制御部71は、撮像手段72から出力された映像31を解析することにより、駐
車スペース35や、車両60が進行すべき方向の情報を画像として可視化して映像32に
重ねて表示させることが好ましい。図20(B2)には、駐車スペース35の領域を可視
化して(図ではハッチングを付して)表示している例を示している。
また図21(A)には、車両60が進行すべき方向を、ハンドルを模した画像38aに
よって表現して表示する例を示している。運転者80は、画像38aに示されるハンドル
の角度と同じ角度にハンドル64を操作することにより、車両60を確実に駐車スペース
35に向かって進行させることができる。
図21(B1)(B2)は、画像38aの他の一例を示している。図21(B1)には
、現在のハンドル64の状態が実線で表示され、また車両60を進行すべき方向に向ける
ためのハンドル64の角度が点線で表示されている例を示している。またこのとき、図2
1(B1)に示すように、ハンドル64を操作する(回転させる)向きを示す矢印等を表
示すると、より直感的な操作が可能となる。また、運転者80がハンドル64を適切な角
度になるように操作した(回転させた)場合、図21(B2)に示すように、画像38a
が点滅する、または色が変わるなど、表現方法変えるなどして運転者80にハンドル64
が適切な角度となったことを明示することが好ましい。また、音声で運転者80に知らせ
る機能を有していてもよい。
このように、車両60が進行すべき向きを表示パネル51に表示する場合、例えば制御
部71が、撮像手段72から出力された映像31を解析し、画像38aを生成し、画像3
8aを映像32に重ねて表示パネル51に出力する機能を有する構成とすればよい。より
具体的には、制御部71は映像31に表示されている目標物36を認識し、目標物36の
位置から目標物36と車両60との相対的な位置関係を解析し、解析で得られた距離など
の情報から車両60が進行すべき向きを算出することができる構成とすればよい。制御部
71が認識できる目標物36の例としては、例えば白線、車輪止め、壁、段差、轍、縁石
、建造物、道路標識、道路標示、などの固定物のほか、人や動物などの生き物や、自動車
や自転車などの車両など、動くものも挙げられる。例えば、車両60と目標物36とが所
定の距離以下に近づいた際に、自動的にハンドルがきられる、またはブレーキがかかる構
成としてもよい。
また、車両60の後方だけでなく、前方、側方などにも撮像手段72を設け、これらの
映像を表示パネル51に表示することもできる。
図22(A)には、車両60に4つの撮像手段を設けた例を示している。車両60は、
車両後部に撮像手段72aが、車両前部に撮像手段72bが、車両左側部に撮像手段72
cが、車両右側部に撮像手段72dが、それぞれ固定されている。撮像手段72aは車両
後方を、撮像手段72bは車両前方を、撮像手段72cは車両左側方を、撮像手段72d
は車両右側方を、それぞれ撮像することができる。ここで、撮像手段72a乃至72dに
よって撮像される映像を映像31a乃至31dと表記する。
図22(B1)には、表示パネル51に表示される映像の一例を示している。映像32
の範囲のうち上側に映像32bが、下側に映像32aが、左側に映像32cが、右側に映
像32dが、それぞれ表示されている。ここで、映像32bは映像31bと同じ向きの映
像であり、映像32aは映像31aを左右反転させた映像であり、映像32cは映像31
cを左回りに90度回転させた映像であり、映像32dは映像31dを右回りに90度回
転させた映像であることが好ましい。このような映像32を表示パネル51に表示するこ
とで、運転者80が直感的に車両60の周囲の状況を把握することができる。また、図2
2(B1)に示すように、4つの映像の中央付近に車両60を模した画像38bを表示す
ると、より直感的に捉えやすい映像とすることができるため好ましい。
また、図22(B2)に示すように、映像32a乃至映像32dのうち、隣接する2つ
の映像をつなぎ合わせ、一つの映像32eとして表示パネル51に表示してもよい。この
とき、2つの映像の境界に生じるずれや歪を補正する画像処理を、制御部71が行うこと
が好ましい。
図22(B1)(B2)に示した映像は、車両60を後退させるとき以外に、車両60
を前進させる場合や、車両60が停止している場合にも、表示パネル51に表示させるこ
とができる。特に、車両60を前進させる場合に、車両60の左側方の映像32cや右側
方の映像32dの映像を表示パネル51に表示させると、運転者80の死角となる範囲の
状況を運転者80が把握することが可能なため安全性を高めることができる。
なお、図22(B1)(B2)では、表示パネル51に車両の4方の映像を全て表示す
る場合を示したが、1以上の撮像手段からの映像を表示すればよい。また、車両の斜め前
方や斜め後方を撮像する撮像手段を設けてもよい。また、撮像手段からの映像と、地図情
報などのナビゲーションを目的とした映像の両方を同時に表示パネル51に表示してもよ
い。
以上が表示パネルの表示についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の例について、図面を参照して説明する
[構成例1]
図23(A)(B)に、本発明の一態様の表示装置150の構成の例を示している。
表示装置150は、表示パネル100と、軸部151と、回転機構152と、軸受部1
53と、を有する。
表示パネル100は可撓性を有し、図23(A)に示すように表示パネル100が軸部
151に巻き取られた形態と、図23(B)に示すように表示パネル100が吊り下がっ
た状態とに変形することができる。
表示パネル100の厚さは、例えば10μm以上5mm以下、好ましくは20μm以上
4mm以下、より好ましくは50μm以上3mm以下、代表的には100μm以上2mm
以下の厚さとすることができる。表示パネル100の厚さが薄いほど表示パネル100を
巻き取った時の表示装置150のサイズをコンパクトにできるが、厚さが薄すぎると風な
どの影響を受けやすくなり、また表示パネル100の機械的強度が低下してしまう恐れが
ある。また例えば0.5mm以上5mm以下程度の適度な厚さを有することで、表示パネ
ル100を吊り下げた状態でもその表示面が波打ってしまうなどの不具合を抑制できる。
なお、表示パネル100を吊り下げた状態でカールしてしまうことを抑制するために、表
示パネル100の下側の端部に、図11等に示すような重りとして機能する部材を取り付
けてもよい。
軸部151は、表示パネル100の一端を固定する機能を有する。軸部151内には、
表示パネル100に電気的に接続するFPC(Flexible Printed Ci
rcuit)等が配置される。ここで、軸部151内に当該FPCと電気的に接続するコ
ネクタや配線が設けられていることが好ましい。さらに、軸部151は、表示パネル10
0に信号や電圧を供給する回路を備えることが好ましい。そのほか、軸部151にアンテ
ナ、無線受信機、無線送信機、電源供給線、バッテリ、演算装置や記憶装置などのICが
実装されたプリント基板、外部接続ポートなどのうち、1以上を有する構成としてもよい
ここで、軸部151の直径が小さいほど、表示パネル100を巻き取った時のサイズを
小さくすることができる。軸部151の直径は表示パネル100を曲げた際に許容される
曲率に応じて決定すればよい。例えば、軸部151の直径を0.1mm以上50mm以下
、好ましくは0.5mm以上30mm以下、より好ましくは1mm以上20mm以下、よ
り好ましくは2mm以上10mm以下とすることができる。軸部151の直径を0.1m
m以上とすることで、表示パネル100の重量によって軸部151がたわんでしまうこと
を抑制できる。また軸部151の直径を50mm以下とすることで、表示装置150の大
きさを十分にコンパクトにすることができる。
回転機構152は、軸部151を回転させる機能を有する。軸受部153は、軸部15
1を支える機能を有する。回転機構152は、例えばモータ等の動力と歯車などの組み合
わせにより、軸部151を回転させる構成とすればよい。
回転機構152は、例えば実施の形態3及び実施の形態4で例示した駆動手段52に相
当する。
また、回転機構152と軸部151との間には、軸部151内のFPC等に電力や信号
を供給するための配線が設けられていることが好ましい。このとき、当該配線が軸部15
1を回転させたときに生じるねじれによって断線してしまうことのないように、十分に長
い配線、またはあらかじめ回転の向きとは反対向きにねじりが加えられた配線など、ねじ
りに対する対策が施された配線を用いることが好ましい。
または、回転機構152と軸部151との間で、無線で信号や電力の伝達を行い、配線
を設けない、または配線の数を減らす構成としてもよい。例えば、回転機構152に無線
送信機を設け、軸部151内に無線受信機を設けることにより、無線で信号の伝達を行う
構成としてもよい。また回転機構152と軸部151との間で、非接触給電を用いて電力
を伝達する機構を設けてもよい。こうすることで、配線の断線などの不具合が起こる危険
性を無くすことができ、信頼性の高いものとすることができる。または、回転機構152
からではなく、他の機器から直接軸部151に信号や電力を供給してもよい。
表示装置150は、回転機構152によって軸部151の回転量を調整することにより
、表示パネル100が吊り下がった領域、すなわち表示に寄与する領域の長さを適宜調節
することができる。
なお、図23(A)(B)では、表示パネル100の表示部101が外側になるように
軸部151に巻き取られる構成を示したが、図23(C)に示すように、表示部101が
内側になるように軸部151に巻き取られる構成としてもよい。このような構成とするこ
とで、表示パネル100の表示部101の表面が他の部材と物理的に接触してしまうこと
が抑制できる。
以上が構成例1についての説明である。
[構成例2]
以下では、上記構成例1とは異なる構成の、表示装置の構成例について説明する。
本発明の一態様の表示装置は、可撓性を有する表示パネルの裏面に、帯状の形状を有す
る複数の支持部材が離間して設けられた表示装置である。また表示パネルの上部は固定部
により固定されている。また複数の支持部材のうち、固定部から最も離れて位置する支持
部材は、コードと接続されている。コードの一端は巻き取り機構に接続され、当該巻き取
り機構はコードを巻き取ること、及びコードを引き出すことができる。
表示装置は、例えば表示パネルを吊り下げるように設置することができる。例えば表示
パネルの表示面が略平面である状態(第1の状態)とすることができる。このとき、コー
ドを巻き取ることによって固定部から最も離れて位置する支持部材を固定部側に移動させ
ることができる。そして複数の支持部材間に位置する表示パネルが湾曲し、表示パネルが
折り畳まれた状態(第2の状態)に変形することができる。また、コードを引き出すこと
により、第2の状態から第1の状態に変形することができる。すなわち表示パネルの状態
を第1の状態と第2の状態の間で変化させることができる。
また、コードは複数の支持部材のそれぞれが一方向にのみ移動するように、ガイドとし
ての機能を有することが好ましい。こうすることで、表示パネルを折り畳んだ状態におい
て、各支持部材が略平行に積み重なった状態となる。また、コードは支持部材の角度を調
整する機能を有していることが好ましい。
このような構成とすることで、隣り合う2つの支持部材の間に位置する表示パネルは、
2つの支持部材の相対的な位置に応じて、自動的に(自然に)最適な曲率半径で湾曲した
状態となる。そのため、表示パネルに無理な外力が加わらず、表示パネルが屈曲するなど
して破損することを抑制することができる。
上記構成とすることで、固定部から最も離れた支持部材を、コードにより一方向に変位
させるだけで、表示パネルを最適な曲率半径を維持しながら折り畳むことができる。また
、上述のように支持部材の角度を調整することにより、表示パネルの湾曲形状をより精密
に制御することができるため好ましい。
また、支持部材と表示パネルの間に、弾性を有する緩衝材を備えることが好ましい。緩
衝材の幅を、帯状の支持部材の幅よりも大きくすることで、表示パネルの支持部材が設け
られた領域と、設けられない領域の境界部分で、表示パネルが屈曲してしまうことを抑制
することができる。特に、緩衝材は支持部材から遠いほどその復元力が小さくなるような
形状または材質とすることが好ましい。例えば緩衝材の形状を、支持部材と離れるほど厚
さが薄くなるような形状とする。こうすることで、表示パネルが支持部材の端部近傍で屈
曲してしまうような不具合をより効果的に抑制することができる。
また、支持部材が厚いほど、表示パネルが湾曲したときの曲率半径を大きくすることが
でき、破損を防止することができる。
また、複数の支持部材は、等間隔に配置することが好ましい。特に、2つの支持部材の
間隔を、支持部材の幅よりも大きく設定することが好ましい。支持部材の間隔が大きいほ
ど、表示パネルが湾曲できる面積が増大するため、表示パネルにかかる応力を分散させる
ことができるとともに、表示パネルが湾曲した時の曲率半径を大きくすることができる。
また表示パネルを固定する固定部には、例えば表示パネルに電源電位や信号を供給する
回路が組み込まれていてもよい。また、固定部を上方に配置すると、重力を利用した吊り
下げ型の表示装置とすることができるが、これに限られず、固定部の配置方法により、様
々な形態とすることができる。例えば、表示パネルを横方向(水平方向)に折り畳むよう
な配置とすることもできる。このとき、表示パネルを展開するときには、表示パネルを横
方向に引っ張る機構を備える構成とすることができる。
本発明の一態様の表示装置は、使用するときには表示面が平面な状態とし、使用しない
ときには表示面を折り畳むことにより、表示パネルを収納することができる。したがって
、従来の据え置き型のテレビジョン装置等のように設置場所を確保する必要がなくなる。
また、表示パネルに軽量なフレキシブルパネルを適用するため、表示パネルを折り畳んだ
状態で持ち運ぶことも容易である。また、例えば投影型の表示装置(プロジェクタともい
う)の場合では、スクリーンと本体の両方が必要であり、また大きな映像を得るためには
、スクリーンと本体とをある程度離す必要がある。一方本発明の一態様の表示装置では、
それ自体に映像を表示することができるために、狭い部屋であっても大きな映像を表示す
ることができる。また、表示面を折り畳んだ状態ではコンパクトになるため、例えばドレ
ープ等で隠すことも容易であり、あたかも表示装置のない部屋のように見せることができ
、よりすっきりとしたインテリアを実現することができる。
また、本発明の一態様の表示装置は、固定部の位置や向きを変えずに表示パネルを折り
畳んで収納することができる。ここで、例えば表示パネル自体を上部に巻き取ることによ
り、コンパクトに収納する構成を考えた場合、巻き取る軸となる部分が本発明の一態様の
固定部に相当する。そのため、固定部を回転させる機構を追加する必要がある。さらに固
定部内に表示パネルを駆動する回路等を設け、外部と固定部、及び固定部と表示パネルと
を電気的に接続するコネクタ等を備える構成とした場合には、このようなコネクタが、固
定部を回転したときにも電気的な接続を保てる機構が必要となるため構成が複雑化し、ま
た故障の原因ともなりうる。一方、本発明の一態様では、このような回転機構が不要であ
り、極めて単純な構成で表示パネルをコンパクトに収納することが可能である。
上記表示パネルに、実施の形態1及び実施の形態2で例示した表示パネル(発光パネル
、タッチパネル)を適用することができる。したがって極めて信頼性に優れた表示装置と
することができる。
また、上述の保護膜は、水などの不純物の拡散を抑制するだけでなく、表示パネルの機
械的強度を高める効果も奏する。例えば表示パネルの表面の硬度を高め、キズなどが生じ
にくくすることができる。また繰り返し表示パネルを曲げることによって表示パネルを構
成する基板等にヒビ(クラック)等が発生してしまうことを抑制できる。
本発明の一態様は、より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
図24(A)〜(C)に、本発明の一態様の表示装置160の斜視概略図を示す。図2
4(A)は、表示面が平面状態である状態であり、図24(C)は表示面が折り畳まれた
状態であり、図24(B)は、図24(A)と図24(C)の間の状態を示している。
表示装置160は、表示パネル100、固定部102、支持部材103a、103b、
コード104、及び巻き取り機構105等を有する。表示パネル100は表示部101を
有する。
なお、ここでは一例として表示パネル100を吊り下げた状態で使用する表示装置16
0の例を示すが、その上下関係に限定されず、横置きにして用いることもできる。また、
ここでは表示パネル100の表示部101を、縦方向(固定部102の長辺に垂直な方向
)が長辺方向となるように示しているが、これに限られない。例えば表示部101は、表
示部101の横方向(固定部102の長辺に平行な方向)が長辺方向となるような形態で
あってもよいし、正方形でもよい。
表示パネル100は、可撓性を有する。したがって、表示面が平面である状態から、曲
面を有する状態に可逆的に表示パネル100を変形することが可能である。例えば表示パ
ネル100を表示面が内側になるように曲げる(内曲げ)ことや、表示面が外側になるよ
うに曲げる(外曲げ)ことができる。したがって、表示パネル100を折り畳むことが可
能となる。表示パネル100は、支持部材103a、103bに支持される部分は可撓性
を有していなくてもよい。
固定部102は、表示パネル100の上部を固定し、表示パネル100を吊り下げる機
能を有する。固定部102を例えば車体の天井や、部屋の壁または天井等に設置してもよ
いし、固定部102をフレーム等に固定して、持ち運びが可能な構成としてもよい。
固定部102と表示パネル100とは、相対的な位置がずれないように固定されている
ことが好ましい。例えば固定部102と表示パネル100とをネジやリベット等で固定し
てもよいし、これらを接着剤等で接着してもよい。また固定部102が表示パネル100
を挟むような構成としてもよい。
また、固定部102内には、表示パネル100に電気的に接続するFPC等が配置され
る。ここで、固定部102内に、当該FPCと電気的に接続するコネクタや配線が設けら
れていることが好ましい。さらに、固定部102は、表示パネル100に信号や電圧を供
給する回路を備えることが好ましい。そのほか、固定部102にアンテナ、無線受信機、
無線送信機、電源供給線、バッテリ、演算装置や記憶装置などのICが実装されたプリン
ト基板、外部接続ポートなどのうち、1以上を有する構成としてもよい。
支持部材103a、103bは、表示パネル100の表示部101側の面とは反対側に
設けられ、表示パネル100を支持する機能を有する。支持部材103a、103bは、
帯状の形状を有する。支持部材103a、103bは、それぞれ短辺方向に並べて、且つ
間隔をあけて配置されている。ここで、表示面が平面な状態のときの、固定部102から
最も離れて位置する支持部材を支持部材103aとし、それ以外の支持部材を支持部材1
03bとして説明する。また、支持部材103a、支持部材103bのそれぞれ表示パネ
ル100と重なる面における長い辺を長辺、短い辺を短辺と呼ぶ。また支持部材103a
、支持部材103bの表示パネル100と重なる面に垂直な方向を厚さ方向と呼ぶ。
支持部材103a、103bと、表示パネル100とは、例えば接着剤等で接着されて
いることが好ましい。または、粘着性の部材によりこれらが固定されていてもよい。支持
部材103a、103bと、表示パネル100とが固定されている面積が大きいと、これ
らが剥がれてしまうなどの不具合を抑制できるため好ましい。
支持部材103a、103bとしては、少なくとも表示パネル100よりも可撓性の低
い材料、または剛性の高い材料を用いることができる。また、支持部材103a、103
bに、表示パネル100の重量密度よりも小さい重量密度の材料を用いると、支持部材1
03a、103bの重量により表示パネル100が破損してしまう不具合を抑制できる。
支持部材103a、103bに用いる材料は、特に限定されないが、例えば金属、合金、
木、紙、合成樹脂、ガラス、ゴム、セラミック等の様々な材料を用いることができる。特
にプラスチックや、チタンを含む合金等を用いると、軽量なため好ましい。また支持部材
103a、103bは、そいの一部に孔があけられた構造、または内部に空洞を有する構
造とするなどして軽量化されていてもよい。また、支持部材103a、103bは、少な
くとも表示パネル100を支持する部分に平坦面を有していればよく、その他の部分は凹
凸を有していてもよい。
コード104は、少なくとも支持部材103aと接続する。表示装置160は2つ以上
のコード104を有し、支持部材103aの両端部にそれぞれ接続する構成とすることで
、支持部材103aの長辺方向が傾くことなく、鉛直方向に対して略垂直方向になるよう
に、支持部材103aを支持することができる。
支持部材103aとコード104とは、例えば接着剤等で固定されていてもよいし、支
持部材103aにコード104を結びつけるなどして固定してもよい。また、支持部材1
03aに貫通孔を設け、当該貫通孔にコード104を通した後に貫通孔の径よりも大きな
部材をコード104に接続するなどしてコード104が抜けないようにしてもよい。
また、コード104の上部には巻き取り機構105を有する。巻き取り機構105によ
り、コード104を巻き取ることで、支持部材103aを上側(固定部102側)に移動
させることができる。また巻き取り機構105によりコード104を引き出すことにより
、支持部材103aを重力によって下側(固定部102とは反対側)に移動させることが
できる。
巻き取り機構105は、コード104を巻き取る機能を有すればよく、様々な構成を取
りうる。例えば、巻き取り機構105は、少なくともコード104に固定される回転軸を
有する構成とすればよい。また、巻き取り機構105としては、巻き取りコード等を手動
で引くことによりコード104を巻き取る構成としてもよいし、モータなどを備え、電気
的にコード104を巻き取る構成としてもよい。このとき、無線受信機等を設け、リモー
トコントローラで操作できる構成としてもよい。
巻き取り機構105は、例えば実施の形態3及び実施の形態4で例示した駆動手段52
に相当する。
また、ここでは巻き取り機構105と固定部102を別々に示しているが、これらが一
つの筐体内に収まる構成としてもよい。
巻き取り機構105により、コード104を巻き取ることで、図24(A)に示す状態
から図24(B)に示す状態を経て、図24(C)に示す状態に表示装置160を変形さ
せることができる。反対に巻き取り機構105により、コード104を引き出すことによ
り、図24(C)に示す状態から、図24(B)に示す状態を経て、図24(A)に示す
状態に表示装置160を変形させることができる。すなわち巻き取り機構105により表
示パネル100の状態を図24(A)の状態と図24(C)の状態の間で変化させること
ができる。
巻き取り機構105によりコード104を巻き取ると、支持部材103aが上側に移動
する。このとき、支持部材103aと、支持部材103aと隣接する支持部材103bと
の距離が小さくなることに応じて、表示パネル100が湾曲する。このとき、表示パネル
100にかかる外力は支持部材103aと支持部材103bとが近づくことに起因する力
や重力等が支配的であり、そのほかの外力がかからないため、表示パネル100は2つの
支持部材間の相対的な位置に応じて、自然な形状になるように湾曲する。したがって、表
示パネル100に無理な外力が加わることで、表示パネル100の許容される曲率半径を
超えて湾曲する(または屈曲する)ことにより表示パネル100が破損してしまうことを
抑制できる。
また、図24(B)に示すように、支持部材103aが移動することに応じて、他の支
持部材103bは自然に支持部材103aに折り重なる。このとき、各支持部材間の距離
は、表示パネル100が湾曲したときに元の形状に戻る力(復元力ともいう)によって、
一定の距離が保持される。したがって、支持部材同士が接近しすぎることが抑制され、表
示パネル100の破損を防ぐことができる。なお、支持部材103bの重量に対して、表
示パネル100の復元力が小さい場合には、支持部材103b同士、または支持部材10
3aと支持部材103bとの距離が一定以上近づかないような機構をコード104と支持
部材103bの間に設けることが好ましい。
例えば、図24(A)の状態から、支持部材103aを引き上げると、支持部材103
aと、最も下に位置する支持部材103bとの間の表示パネル100の一部が湾曲する。
さらに支持部材103aが引き上げられる距離が大きくなるにつれ、表示パネル100の
曲率が大きくなり、これに応じて表示パネル100の復元力が増大する。ここで、支持部
材103bはコード104に固定されておらず、上下方向に動くことができるため、表示
パネル100の復元力により、最も下に位置する支持部材103bが持ち上がる。その後
同様にして、最も下に位置する支持部材103bと、その次に位置する支持部材103b
との間の表示パネル100の一部が湾曲する。このように、コード104によって支持部
材103aを引き上げることにより、図24(A)の状態から図24(B)の状態を経て
図24(C)の状態に表示パネル100を変形することができる。ここで、表示パネル1
00を吊り下げた状態では、表示パネル100の湾曲した部分の曲率半径は、重力の影響
により下側に近いほど小さくなる場合がある。
また、図24の各図に示すように、コード104が支持部材103aで折り返される形
態とし、コード104の2つの部分により各支持部材103bを挟み込む構成とすること
が好ましい。こうすることで、各支持部材103が上下方向にのみ移動するように、コー
ド104をガイドとして機能させることができる。
また、図24の各図に示すように、コード104を帯状の形状とすると、支持部材10
3a及び支持部材103bをより安定して保持することができる。コード104の幅は、
例えば2mm以上100mm以下、好ましくは5mm以上50mm以下、より好ましくは
10mm以上50mm以下とすることができる。または、支持部材103aまたは支持部
材103bの厚さよりもコード104の幅を厚くすることが好ましい。特にコード104
の幅を5mm以上にすると、支持部材103aまたは支持部材103bが回転してしまう
などの不具合を抑制できる。
なお、コード104の形態はこれに限られず、例えば、コード104に紐状の材料を用
い、支持部材103bに設けられた貫通孔に通す形態としてもよい。この場合でもコード
104は支持部材103bのガイドとして機能させることができる。またこの時、紐状の
コード104の一方の端部を支持部材103aに接続し、他方の端部を巻き取り機構10
5と接続する構成とし、コード104を折り返さないようにしてもよい。
また、巻き取り機構105は、折り返されたコード104の2つの端部のうち一方を先
に巻き取ることにより、支持部材103aの角度を調整することができる。例えば、図2
4(A)に示すように、表示パネル100の表示面が平面の状態のときには、支持部材1
03aの短辺方向が鉛直方向になるようにし、図24(B)、(C)に示すように、表示
パネル100の表示面を折り畳むときに、支持部材103aの短辺方向と鉛直方向との角
度が0度よりも大きく90度以下になるように、調整することができる。支持部材103
aの角度を90度に近い角度にすることで、表示パネル100を折り畳んだ時によりコン
パクトにすることができる。
コード104としては、例えば表示パネル100よりも可撓性の高い(または柔軟性の
高い)材料を用いることができる。コード104としては、例えば繊維状の材料を用いる
と、巻き取りが容易になるため好ましい。コード104に用いることのできる材料は特に
限られないが、例えば天然繊維、合成繊維、紙、合成樹脂、ゴム、繊維状の金属または合
金等の様々な材料を用いることができる。また、図24等ではコード104として帯状の
形状としたが、コード104は巻き取り機構105で巻き取ることのできる形態とすれば
よく、帯状に限られず紐状、糸状、チェーン状など、様々な形態とすることができる。
図25(A1)は、図24(B)に示した状態の表示装置160を側面側から見た概略
図であり、図25(A2)は、図25(A1)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図である
。また、図25(B1)は、図24(C)に示した状態の表示装置160を側面側から見
た概略図であり、図25(B2)は、図25(B1)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図
である。
図25(A2)に示すように、表示パネル100が平面である領域において、2つの支
持部材103bは間隔D離れて配置されている。このとき、2つの支持部材103bの間
隔、及び支持部材103bと支持部材103aの間隔をそれぞれ等間隔に配置することが
好ましい。または、上側(固定部102側)に近いほど、間隔が大きくなるように配置し
てもよいし、下側に近いほど間隔が大きくなるように配置してもよい。
2つの支持部材103bの間隔Dは、支持部材103bの短辺方向の幅Wよりも大きい
ことが好ましい。例えば、幅Wに対する間隔Dの比(D/W)が1よりも大きく30以下
、好ましくは1.5以上20以下、より好ましくは2以上15以下とすることができる。
間隔Dが大きいほど、表示パネル100を折り畳んだ時に表示パネル100の湾曲形状の
自由度が高まるため、表示パネル100の破損を抑制することができる。一方間隔Dを小
さくするほど、表示パネル100を折り畳んだときにコンパクトにすることができる。な
お、支持部材103aと支持部材103bの間隔についても、上記間隔Dと同様である。
また、2つの支持部材103bの間隔D、または支持部材103aと支持部材103bの
間隔を小さくする場合には、支持部材103bの数を増やして密に配置することが好まし
い。
また支持部材103bの厚さTは、1mm以上30mm以下、好ましくは2mm以上2
0mm以下、より好ましくは3mm以上15mm以下とすることが好ましい。支持部材1
03bが厚いほど、表示パネルが湾曲したときの曲率半径を大きくすることができ、破損
を防止することができる。なお、支持部材103aは、支持部材103bと異なる厚さと
してもよいし、同じ部材を用いてもよい。最も下側に位置する支持部材103aには、装
飾が施されていてもよい。
また、図25(B2)に示すように、表示パネル100が折り畳まれた部分では、表示
パネル100表示面が内向きに湾曲した部分と外向きに湾曲した部分とが交互に位置する
ような形状となっている。ここで、表示パネル100が折り畳まれた状態において、表示
パネルの湾曲部のうち最も大きい曲率で湾曲している部分の曲率半径Rが、1mm以上5
0mm以下、好ましくは2mm以上30mm以下、より好ましくは4mm以上20mm以
下であることが好ましい。
また、表示パネル100が折り畳まれた状態において、支持部材103aが所定の角度
になるように調整されていることが好ましい。例えば図25(B2)に示すように、帯状
の支持部材103aの短辺方向O1と、鉛直方向O2との角度がθであるとする。このと
き、角度θは0度よりも大きく90度以下、好ましくは10度以上90度未満、より好ま
しくは30度以上90度未満とすることができる。角度θが大きいほど、表示パネル10
0をコンパクトに折り畳むことができる。なお、ここで示した鉛直方向O2は、支持部材
103aがコード104によって移動する方向(変位方向)と平行である。
ここで、表示パネル100と支持部材103aまたは103bとの間には、弾性を有す
る緩衝材を設けることが好ましい。図26(A1)は、緩衝材106を設けた場合におけ
る、支持部材103bの端部近傍の拡大図である。なお以下の説明は支持部材103aに
ついても同様である。
緩衝材106は、少なくとも表示パネル100よりも可撓性が低く、且つ支持部材10
3aまたは支持部材103bよりも可撓性の高い材料を用いることが好ましい。また、緩
衝材106は、変形させた状態から元の状態に戻る力(復元力)が、表示パネル100よ
りも大きい材料を好適に用いることができる。緩衝材106としては、ゴムなどの弾性体
や、板バネとしての機能を有する金属板などを好適に用いることができる。これらの材料
の厚さを最適化して、所望の復元力を得ることができる。
緩衝材106を適用すると、図26(A2)に示すように、表示パネル100と緩衝材
106とが重なる部分P1では、緩衝材106と重ならない部分P2よりも表示パネル1
00が小さい曲率で湾曲する。したがって、表示パネル100が支持部材103bの端部
で屈曲してしまうなどの不具合を効果的に抑制することができる。
また、緩衝材106は、支持部材103bから遠いほどその復元力が小さくなるような
形状、または材質とすることが好ましい。例えば、図26(B1)に示すように、緩衝材
106の形状を、支持部材103bから遠いほど、薄い形状とすることができる。このと
き、図26(B2)に示すように、表示パネル100の緩衝材106と重なる部分P3で
は、支持部材103bから離れるほど曲率が連続的に大きくなる(曲率半径が小さくなる
)ような湾曲形状となる。また、表示パネル100の緩衝材106と重ならない部分P4
では、領域P3よりも大きい曲率で湾曲する。この時、緩衝材106の端部の角度が鋭角
であるほど(すなわち当該角度が小さいほど)、領域P3と領域P4の間で曲率が連続的
になるため好ましい。
また、図27(A)に示すように、支持部材103bに近い部分には緩衝材106aを
設け、遠い部分には、緩衝材106aよりも復元力の小さい緩衝材106bを設ける構成
としてもよい。また、図27(B)に示すように、緩衝材106aと緩衝材106bとを
積層し、緩衝材106aよりも緩衝材106bの幅を大きくするような構成としてもよい
。なおここでは復元力の異なる2つの緩衝材を用いたが、復元力の異なる3以上の緩衝材
を用いてもよいし、同じ復元力の2以上の緩衝材を積層して用いてもよい。
以上が構成例1についての説明である。
〔変形例〕
上記構成例1では、コード104により固定部102から最も離れた支持部材103a
を引き上げることで表示パネル100を折り畳む構成としたが、支持部材103aに加え
て複数の支持部材103bのそれぞれを同時に引き上げる構成としてもよい。その場合の
例を図28(A)、(B)に示す。図28(A)は、表示パネル100を折り畳む途中の
段階の斜視概略図であり、図28(B)は、表示パネル100を折り畳んだ状態における
斜視概略図である。
なお、図28(A)、(B)では明瞭化のためコード104等を明示していないが、コ
ード104と支持部材103、及び各々の支持部材103bとは、構成例1のコード10
4と支持部材103aの接続関係を援用することができる。すなわち、支持部材103a
、及び複数の支持部材103bの各々を接続する複数のコードを有する構成とすればよい
また、図29(A)(B)に示すように、隣接する2つの支持部材を、互いに反対側に
傾けるように角度を調整して、表示パネル100を折り畳む構成としてもよい。
以上が変形例についての説明である。
〔適用例〕
本発明の一態様の表示装置は、実施の形態3で例示したように自動車の内装に取り付け
る以外にも、室内など様々な場所にも適用することができる。
図30(A)に、室内の壁15に、本発明の一態様の表示装置10を設置した例を示す
。表示装置10は、上記表示装置150または表示装置160を適用することができる。
図30(A)、(B)では、表示装置10の巻き取り機構(図示しない)と連動した巻き
取りコード11を有する構成を示している。巻き取りコード11を引くことにより、表示
装置10の表示パネルを折り畳んだ状態と、表示パネルの表示面が平面である状態とに変
形させることができる。また、表示装置10の上部には固定部(図示しない)を収納する
カバー16が設けられ、表示パネルを折り畳んで収納することができる。図30(B)に
は、表示装置をカバー16内に収納した状態を示す。表示装置10を使用しないときには
、図30(B)に示すようにカバー16により表示パネルが折り畳まれた状態の表示装置
10全体が隠され、よりすっきりとしたインテリアを実現できる。
また、図30(A)(B)には、本発明の一態様の表示装置10を有するテーブル20
を示している。またテーブル20の断面概略図を図30(C)(D)に示す。テーブル2
0は、筐体21の内部に表示装置10を有し、また筐体21の上面には透光性のカバー2
2を有する。カバー22には、例えばガラスやプラスチックなどを用いればよい。図30
(C)に示すように、表示装置10の表示面が平面である状態のとき、カバー22を介し
て表示面に表示される画像を見ることができる。また、表示装置10を使用しない場合に
は、図30(D)に示すようにカバー22に覆われていない部分に表示装置10の表示パ
ネルを折り畳んで収納することで、通常のテーブルとして用いることができる。
ここでは、室内の壁やテーブルの内部に本発明の一態様の表示装置を設置した例を示す
が、これに限られず様々な場所に配置することができる。例えば、一般家庭や会議室等の
天井や床、テーブル、柱などに設置してもよい。また、自動車やバス、電車、飛行機等の
移動体のほか、商用施設、宇宙船など、様々なものに設置することができる。また、上述
のように折り畳み可能なフレーム等に表示装置を取り付けることにより、場所を選ばずに
使用することもできる。
以上が適用例についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する表示パネルに適用可能なタッチ
パネルの駆動方法の例について、図面を参照して説明する。
[センサの検知方法の例]
図31(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図31
(A)では、パルス電圧出力回路601、電流検出回路602を示している。なお図31
(A)では、パルス電圧が与えられる電極621、電流の変化を検知する電極622をそ
れぞれ、X1−X6、Y1−Y6のそれぞれ6本の配線として示している。また図31(
A)は、電極621および電極622が重畳することで形成される容量603を図示して
いる。なお、電極621と電極622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路601は、X1−X6の配線に順にパルス電圧を印加するための回
路である。X1−X6の配線のうち一つにパルス電圧が印加されることで、容量603を
形成する電極621および電極622は電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等
により容量603の容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体が近づくこと、接
触すること、または押圧すること等を検出することができる。
電流検出回路602は、容量603での容量の変化による、Y1−Y6の配線での電流
の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接
触等がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触等
により容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積
分回路等を用いて行えばよい。
次いで図31(B)には、図31(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入
出力波形のタイミングチャートを示す。図31(B)では、1フレーム期間で各行列での
被検知体の検出を行うものとする。また図31(B)では、被検知体を検出しない場合(
非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。な
おY1−Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示して
いる。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−
Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6
の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接
または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化す
る。
このように、容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知する
ことができる。
また、図31(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量603のみを設けるパ
ッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを備えたア
クティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。図32にアクティブマトリクス型の
タッチセンサに含まれる一つのセンサ回路の例を示している。
センサ回路は容量603と、トランジスタ611と、トランジスタ612と、トランジ
スタ613とを有する。トランジスタ613はゲートに信号G2が与えられ、ソース又は
ドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量603の一方の電極およびトラン
ジスタ611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ611はソース又はドレインの
一方がトランジスタ612のソース又はドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧V
SSが与えられる。トランジスタ612はゲートに信号G1が与えられ、ソース又はドレ
インの他方が配線MLと電気的に接続する。容量603の他方の電極には電圧VSSが与
えられる。
続いて、センサ回路の動作について説明する。まず信号G2としてトランジスタ613
をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ611のゲートが接続されるノ
ードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次いで信号G2としてトランジスタ
613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。
続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量603の容量が変化することに
伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ612をオン状態とする電位を与える。ノー
ドnの電位に応じてトランジスタ611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が
変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することが
できる。
トランジスタ611、トランジスタ612、トランジスタ613としては、チャネルが
形成される半導体層に酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることが好ましい。特
にトランジスタ613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位
を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnに電圧VRESを供給しなおす動
作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用可能で、大型化が容易な表示パネ
ルの一態様である積層パネルの構成例について、図面を参照して説明する。
本発明の一態様は、複数の表示パネルを一部が重なるように配置することにより大型化
が可能な表示パネルである。また、重ねた2つの表示パネルのうち、少なくとも表示面側
(上側)に位置する表示パネルは、表示部と隣接して可視光を透過する部分を備える。下
側に配置される表示パネルの画素と、上側に配置される表示パネルの可視光を透過する部
分とを重ねて設ける。これにより、2つの表示パネルを表示面側から見たときに(平面視
において)、これらに表示される画像を、継ぎ目なく連続して表示することが可能となる
例えば、本発明の一態様は、第1の表示パネルと、第2の表示パネルと、を有する積層
パネルである。第1の表示パネルは、第1の領域を有し、第1の領域は、第1の画素と、
第2の画素と、を有する。第2の表示パネルは、第2の領域と、第3の領域と、第4の領
域と、を有する。第2の領域は、第3の画素を有し、第3の領域は、可視光を透過する機
能を有し、第4の領域は、可視光を遮光する機能を有する。また第1の表示パネルの第2
の画素と、第2の表示パネルの第3の領域とは、互いに重なる領域を有する。また第2の
画素の開口率は、第1の画素の開口率よりも大きいことを特徴とする。
より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
図33(A)は、本発明の一態様の表示装置に含まれる表示パネル400の上面概略図
である。
表示パネル400は、表示領域401と、表示領域401に隣接して、可視光を透過す
る領域410と、可視光を遮光する部分を有する領域420と、を備える。図33(A)
では、表示パネル400にFPC(Flexible Printed Circuit
)412が設けられている例を示す。
ここで、表示パネル400は単体であっても表示領域401に画像を表示することがで
きる。
領域410には、例えば表示パネル400を構成する一対の基板、及び当該一対の基板
に挟持された表示素子を封止するための封止材などが設けられていてもよい。このとき、
領域410に設けられる部材には、可視光に対して透光性を有する材料を用いる。
領域420には、例えば表示領域401に含まれる画素に電気的に接続する配線が設け
られている。また、このような配線に加え、画素を駆動するための駆動回路(走査線駆動
回路、信号線駆動回路等)や、保護回路等の回路が設けられていてもよい。また、領域4
20は、FPC412と電気的に接続する端子(接続端子ともいう)や、当該端子と電気
的に接続する配線等が設けられている領域も含む。
表示パネルの断面構成例等の詳細な説明については、実施の形態1、2を援用できる。
[積層パネルの構成例1]
本発明の一態様の積層パネル40は、上述した表示パネル400を複数備える。図33
(B)では、3つの表示パネルを備える積層パネル40の上面概略図を示す。
なお、以降では各々の表示パネル同士、各々の表示パネルに含まれる構成要素同士、ま
たは各々の表示パネルに関連する構成要素同士を区別して説明する場合、これらの符号の
後にアルファベットを付記する。また特に説明のない場合には、一部が互いに重ねて設け
られた複数の表示パネルのうち、最も下側(表示面とは反対側)に配置される表示パネル
及びその構成要素等に対して「a」の符号を付記し、その上側に順に配置される一以上の
表示パネル及びその構成要素等に対しては、符号の後にアルファベットをアルファベット
順に付記することとする。また、特に説明のない限り、複数の表示パネルを備える構成を
説明する場合であっても、各々の表示パネルまたは構成要素等に共通する事項を説明する
場合には、アルファベットを省略して説明する。
図33(B)に示す積層パネル40は、表示パネル400a、表示パネル400b、及
び表示パネル400cを備える。
表示パネル400bは、その一部が表示パネル400aの上側(表示面側)に重ねて配
置されている。具体的には、表示パネル400aの表示領域401aと表示パネル400
bの可視光を透過する領域410bとが重畳し、且つ、表示パネル400aの表示領域4
01aと表示パネル400bの可視光を遮光する領域420bとが重畳しないように配置
されている。
また、表示パネル400cは、その一部が表示パネル400bの上側(表示面側)に重
ねて配置されている。具体的には、表示パネル400bの表示領域401bと表示パネル
400cの可視光を透過する領域410cとが重畳し、且つ、表示パネル400bの表示
領域401bと表示パネル400cの可視光を遮光する領域420cとが重畳しないよう
に配置されている。
表示領域401a上には可視光を透過する領域410bが重畳するため、表示領域40
1aの全体を表示面側から視認することが可能となる。同様に、表示領域401bも領域
410cが重畳することでその全体を表示面側から視認することができる。したがって、
表示領域401a、表示領域401bおよび表示領域401cが継ぎ目なく配置された領
域を積層パネル40の表示領域41とすることが可能となる。
[積層パネルの構成例2]
図33(B)では一方向に複数の表示パネル400を重ねて配置する構成を示したが、
縦方向および横方向の二方向に複数の表示パネル400を重ねて配置してもよい。
図34(A)は、図33(A)とは領域410の形状が異なる表示パネル400の例を
示している。図34(A)に示す表示パネル400は、表示領域401の2辺に沿って可
視光を透過する領域410が配置されている。
図34(B)に図34(A)に示した表示パネル400を縦2つ、横2つ配置した積層
パネル40の斜視概略図を示している。また図34(C)は、積層パネル40の表示面側
とは反対側から見たときの斜視概略図である。
図34(B)、(C)において、表示パネル400aの表示領域401aの短辺に沿っ
た領域と、表示パネル400bの領域410bの一部が重畳して設けられている。また表
示パネル400aの表示領域401aの長辺に沿った領域と、表示パネル400cの領域
410cの一部が重畳して設けられている。また表示パネル400dの領域410dは、
表示パネル400bの表示領域401bの長辺に沿った領域、及び表示パネル400cの
表示領域401cの短辺に沿った領域に重畳して設けられている。
したがって、図34(B)に示すように、表示領域401a、表示領域401b、表示
領域401cおよび表示領域401dが継ぎ目なく配置された領域を積層パネル40の表
示領域41とすることが可能となる。
ここで、表示パネル400に用いる一対の基板に可撓性を有する材料を用い、表示パネ
ル400が可撓性を有していることが好ましい。こうすることで、例えば図34(B)、
(C)中の表示パネル400aに示すように、FPC412a等が表示面側に設けられる
場合にFPC412aが設けられる側の表示パネル400aの一部を湾曲させ、FPC4
12aを隣接する表示パネル400bの表示領域401bの下側にまで重畳するように配
置することができる。その結果、FPC412aを表示パネル400bの裏面と物理的に
干渉することなく配置することができる。また、表示パネル400aと表示パネル400
bとを重ねて接着する際に、FPC412aの厚さを考慮する必要がないため、表示パネ
ル400bの領域410bの上面と、表示パネル400aの表示領域401aの上面との
高さの差を低減できる。その結果、表示領域401a上に位置する表示パネル400bの
端部が視認されてしまうことを抑制できる。
さらに、各表示パネル400に可撓性を持たせることで、表示パネル400bの表示領
域401bにおける上面の高さを、表示パネル400aの表示領域401aにおける上面
の高さと一致するように、表示パネル400bを緩やかに湾曲させることができる。その
ため、表示パネル400aと表示パネル400bとが重畳する領域近傍を除き、各表示領
域の高さを揃えることが可能で、積層パネル40の表示領域41に表示する画像の表示品
位を高めることができる。
上記では、表示パネル400aと表示パネル400bの関係を例に説明したが、隣接す
る2つの表示パネル間でも同様である。
また、隣接する2つの表示パネル400間の段差を軽減するため、表示パネル400の
厚さは薄いほうが好ましい。例えば表示パネル400の厚さを1mm以下、好ましくは3
00μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが好ましい。
なお、ここでは表示パネル400を4つ積層する構成を示したが、表示パネル400の
数を増やすことにより、極めて大型の積層パネルとすることが可能となる。また、複数の
表示パネル400の配置方法を変えることで、積層パネルの表示領域の輪郭形状を円や楕
円、多角形など、様々な形状にすることができる。また、表示パネル400を立体的に配
置することで、立体形状を有する表示領域を備える積層パネルを実現できる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
[成膜装置の構成例]
以下では、本発明の一態様の表示装置に適用可能な表示パネル、発光パネル、またはタ
ッチパネルを構成する薄膜を成膜することのできる装置について説明する。以下で例示す
る装置は、特に保護膜800等の成膜に好適に用いることができる。
〔成膜装置ALDの構成例〕
図35は、成膜装置ALDを説明する図である。
本実施の形態で説明する成膜装置ALDは、成膜室710と、成膜室710に接続され
る制御部712と、を有する(図35参照)。
制御部712は、制御信号を供給する制御装置(図示せず)ならびに制御信号を供給さ
れる流量制御器712a、流量制御器712bおよび流量制御器712cを備える。例え
ば、高速バルブを流量制御器に用いることができる。具体的にはALD用バルブ等を用い
ることにより、精密に流量を制御することができる。また、流量制御器および配管の温度
を制御する加熱機構712hを有する。
流量制御器712aは、制御信号ならびに第1の原料および不活性ガスを供給され、制
御信号に基づいて第1の原料または不活性ガスを供給する機能を有する。
流量制御器712bは、制御信号ならびに第2の原料および不活性ガスを供給され、制
御信号に基づいて第2の原料または不活性ガスを供給する機能を有する。
流量制御器712cは、制御信号を供給され、制御信号に基づいて排気装置715に接
続する機能を有する。
≪原料供給部≫
原料供給部711aは、第1の原料を供給する機能を有し、第1の流量制御器712a
に接続されている。
原料供給部711bは、第2の原料を供給する機能を有し、第2の流量制御器712b
に接続されている。
気化器または加熱手段等を原料供給部に用いることができる。これにより、固体の原料
や液体の原料から気体の原料を生成することができる。
なお、原料供給部は2つに限定されず、3つ以上の原料供給部を有することができる。
≪原料≫
さまざまな物質を第1の原料に用いることができる。
例えば、揮発性の有機金属化合物、金属アルコキシド等を第1の原料に用いることがで
きる。
第1の原料と反応をするさまざまな物質を第2の原料に用いることができる。例えば、
酸化反応に寄与する物質、還元反応に寄与する物質、付加反応に寄与する物質、分解反応
に寄与する物質または加水分解反応に寄与する物質などを第2の原料に用いることができ
る。
また、ラジカル等を用いることができる。例えば、原料をプラズマ源に供給し、プラズ
マ等を用いることができる。具体的には酸素ラジカル、窒素ラジカル等を用いることがで
きる。
ところで、第1の原料と組み合わせて用いる第2の原料は、室温に近い温度で反応する
原料が好ましい。例えば、反応温度が室温以上200℃以下好ましくは50℃以上150
℃以下である原料が好ましい。
≪排気装置≫
排気装置715は、排気する機能を有し、第3の流量制御器712cに接続されている
。なお、排出される原料を捕捉するトラップを排出口714と第3の流量制御器712c
の間に有してもよい。このとき、除害設備を用いて排気を除害することが好ましい。
≪制御部≫
制御装置は、流量制御器を制御する制御信号または加熱機構を制御する制御信号等を供
給する。例えば、第1のステップにおいて、第1の原料を加工基材の表面に供給する。そ
して、第2のステップにおいて、第1の原料と反応する第2の原料を供給する。これによ
り第1の原料は第2の原料と反応し、反応生成物が加工部材700の表面に堆積すること
ができる。
加工部材700の表面に堆積させる反応生成物の量は、第1のステップと第2のステッ
プを繰り返すことにより、制御することができる。
加工部材700に供給される第1の原料の量は、加工部材700の表面が吸着すること
ができる量により制限される。例えば、第1の原料の単分子層が加工部材700の表面に
形成される条件を選択し、形成された第1の原料の単分子層に第2の原料を反応させるこ
とにより、極めて均一な第1の原料と第2の原料の反応生成物を含む層を形成することが
できる。
その結果、入り組んだ構造を表面に備える加工部材700の表面に、さまざまな材料を
成膜することができる。例えば3nm以上200nm以下の厚さを備える膜を、加工部材
700に形成することができる。
例えば、加工部材700の表面にピンホールと呼ばれる小さい穴や、マイクロクラック
と呼ばれる小さいヒビ等が形成されている場合、これらの内部に回り込んで成膜材料を成
膜し、ピンホールやマイクロクラックを埋めることができる。
成膜装置ALDは、成膜される膜の段差被覆性(ステップカバレッジ)が極めて高いと
いう特徴を有している。また、加工部材700の表面形状が複雑な凹凸形状を有している
場合であっても、その隙間にも均質な膜を成膜できるという特徴を有している。
また、余剰の第1の原料または第2の原料を、排気装置715を用いて成膜室710か
ら排出する。例えば、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスを導入しながら排気してもよ
い。
≪成膜室≫
成膜室710は、第1の原料、第2の原料および不活性ガスを供給される導入口713
と、第1の原料、第2の原料および不活性ガスを排出する排出口714とを備える。
成膜室710は、単数または複数の加工部材700を支持する機能を備える支持部71
6と、加工部材を加熱する機能を備える加熱機構717と、加工部材700の搬入および
搬出をする領域を開閉する機能を備える扉718と、を有する。
例えば、抵抗加熱器または赤外線ランプ等を加熱機構717に用いることができる。
加熱機構717は、例えば80℃以上、100℃以上または150℃以上に加熱する機
能を備える。
加熱機構717は、例えば室温以上200℃以下好ましくは50℃以上150℃以下の
温度になるように加工部材700を加熱する。
また、成膜室710は、圧力調整器および圧力検知器を有する。
≪支持部≫
支持部716は、単数または複数の加工部材700を支持する。これにより、一回の処
理ごとに単数または複数の加工部材700に例えば絶縁膜を形成できる。
加工部材700としては、基板のほか、タッチパネル、表示装置、入力装置、またはF
PC等のモジュールが接続されたタッチパネル等を適用することができる。
〔膜の例〕
本実施の形態で説明する成膜装置ALDを用いて、作製することができる膜について説
明する。
例えば、酸化物、窒化物、フッ化物、硫化物、三元化合物、金属またはポリマーを含む
膜を形成することができる。
例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムシリケート、ハフニウムシ
リケート、酸化ランタン、酸化珪素、チタン酸ストロンチウム、酸化タンタル、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化セリ
ウム、酸化スカンジウム、酸化エルビウム、酸化バナジウムまたは酸化インジウム等を含
む材料を成膜することができる。
例えば、窒化アルミニウム、窒化ハフニウム、窒化珪素、窒化タンタル、窒化チタン、
窒化ニオブ、窒化モリブデン、窒化ジルコニウムまたは窒化ガリウム等を含む材料を成膜
することができる。
例えば、銅、白金、ルテニウム、タングステン、イリジウム、パラジウム、鉄、コバル
トまたはニッケル等を含む材料を成膜することができる。
例えば、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、硫化カルシウム、硫化鉛、フッ化カルシウム
、フッ化ストロンチウムまたはフッ化亜鉛等を含む材料を成膜することができる。
例えば、チタンおよびアルミニウムを含む窒化物、チタンおよびアルミニウムを含む酸
化物、アルミニウムおよび亜鉛を含む酸化物、マンガンおよび亜鉛を含む硫化物、セリウ
ムおよびストロンチウムを含む硫化物、エルビウムおよびアルミニウムを含む酸化物、イ
ットリウムおよびジルコニウムを含む酸化物等を含む材料を成膜することができる。
≪酸化アルミニウムを含む膜≫
例えば、アルミニウム前駆体化合物を含む原料を気化させたガスを第1の原料に用いる
ことができる。具体的には、トリメチルアルミニウム(TMA、化学式はAl(CH
)またはトリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アル
ミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などを
用いることができる。
水蒸気(化学式はHO)を第2の原料に用いることができる。
成膜装置ALDを用いて上記の第1の原料および第2の原料から、酸化アルミニウムを
含む膜を形成できる。
≪酸化ハフニウムを含む膜≫
例えば、ハフニウム前駆体化合物を含む原料を気化させたガスを第1の原料に用いるこ
とができる。具体的には、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(TDMAH、化学
式はHf[N(CH)またはテトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウム等
のハフニウムアミドを含む原料を用いることができる。
オゾンを第2の原料に用いることができる。
成膜装置ALDを用いて上記の第1の原料および第2の原料から、酸化ハフニウムを含
む膜を形成できる。
≪タングステンを含む膜≫
例えば、WFガスを第1の原料に用いることができる。
ガスまたはSiHガスなどを第2の原料に用いることができる。
成膜装置ALDを用いて上記の第1の原料および第2の原料から、タングステンを含む
膜を形成できる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
10 表示装置
11 コード
15 壁
16 カバー
20 テーブル
21 筐体
22 カバー
31 映像
31a 映像
31b 映像
31c 映像
31d 映像
32 映像
32a 映像
32b 映像
32c 映像
32d 映像
32e 映像
35 駐車スペース
36 目標物
37 ガイド
38a 画像
38b 画像
40 積層パネル
41 表示領域
50 表示装置
51 表示パネル
52 駆動手段
53 巻き取り機構
54 筐体
60 車両
61 フロントガラス
62 変速レバー
63 サンバイザ
64 ハンドル
65 ナビゲーションシステム
66 操作部
67 画像出力手段
68 天井
69 変速機
70 システム
71 制御部
72 撮像手段
72a 撮像手段
72b 撮像手段
72c 撮像手段
72d 撮像手段
73 検知手段
74 記憶装置
75 入力手段
80 運転者
81 視点
82 面
83 前方視界
91 シャッター
100 表示パネル
101 表示部
102 固定部
103 支持部材
103a 支持部材
103b 支持部材
104 コード
105 巻き取り機構
106 緩衝材
106a 緩衝材
106b 緩衝材
150 表示装置
151 軸部
152 回転機構
153 軸受部
160 表示装置
201 作製基板
203 剥離層
205 作製基板
207 剥離層
230 発光素子
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g(1) 走査線駆動回路
303g(2) 撮像画素駆動回路
303s(1) 画像信号線駆動回路
303s(2) 撮像信号線駆動回路
303t トランジスタ
304 ゲート
308 撮像画素
308p 光電変換素子
308t トランジスタ
309 FPC
311 配線
319 端子
321 絶縁層
328 隔壁
329 スペーサ
350R 発光素子
351R 下部電極
352 上部電極
353 EL層
353a EL層
353b EL層
354 中間層
360 封止層
367BM 遮光層
367p 反射防止層
367R 着色層
380B 発光モジュール
380G 発光モジュール
380R 発光モジュール
390 タッチパネル
400 表示パネル
400a 表示パネル
400b 表示パネル
400c 表示パネル
400d 表示パネル
401 表示領域
401a 表示領域
401b 表示領域
401c 表示領域
401d 表示領域
410 領域
410b 領域
410c 領域
410d 領域
412 FPC
412a FPC
420 領域
420b 領域
420c 領域
501 表示部
502R 副画素
502t トランジスタ
503c 容量
503g 走査線駆動回路
503t トランジスタ
505 タッチパネル
505B タッチパネル
509 FPC
510 基板
510a 絶縁層
510b 可撓性基板
510c 接着層
511 配線
519 端子
521 絶縁膜
528 隔壁
550R 発光素子
560 封止層
567BM 遮光層
567p 反射防止層
567R 着色層
570 基板
570a 絶縁層
570b 可撓性基板
570c 接着層
580R 発光モジュール
590 基板
591 電極
592 電極
593 絶縁層
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
601 パルス電圧出力回路
602 電流検出回路
603 容量
611 トランジスタ
612 トランジスタ
613 トランジスタ
621 電極
622 電極
700 加工部材
710 成膜室
711a 原料供給部
711b 原料供給部
712 制御部
712a 流量制御器
712b 流量制御器
712c 流量制御器
712h 加熱機構
713 導入口
714 排出口
715 排気装置
716 支持部
717 加熱機構
718 扉
800 保護膜
801 基板
803 基板
804 発光部
806 駆動回路部
808 FPC
811 接着層
813 絶縁層
814 導電層
815 絶縁層
816 導電層
817 絶縁層
817a 絶縁層
817b 絶縁層
820 トランジスタ
821 絶縁層
822 トランジスタ
823 封止層
824 封止層
825 接続体
827 スペーサ
830 発光素子
831 下部電極
833 EL層
835 上部電極
841 接着層
843 絶縁層
845 着色層
847 遮光層
849 オーバーコート
857 導電層
857a 導電層
857b 導電層

Claims (26)

  1. 表示パネルと、固定部と、複数の支持部材と、コードと、巻き取り機構と、を有する表示装置であって、
    前記表示パネルは、第1の基板と、第2の基板と、表示素子と、封止層と、保護層と、を有し、
    前記第1の基板及び前記第2の基板は、可撓性を有し、
    前記表示素子は、前記第1の基板と前記第2の基板の間に位置し、
    前記封止層は、前記第1の基板と前記第2の基板を接着し、且つ前記表示素子を囲って設けられ、
    前記保護層は、前記封止層の露出した表面と接して設けられ、
    前記固定部は、前記表示パネルの一部を支持する機能を有し、
    前記複数の支持部材は、帯状の形状を有し、且つ前記表示パネルの裏面に間隔をあけて並べて配置され、
    前記複数の支持部材の各々は、前記固定部と略平行な向きに配置され、
    前記コードは、前記複数の支持部材のうち、前記固定部から最も離れた一と接続され、
    前記巻き取り機構は、前記コードを巻き取る機能を有し、
    前記表示パネルは、表示面が平面状態となる第1の状態と、前記表示面が折り畳まれた状態となる第2の状態と、を有し、
    前記巻き取り機構により、前記固定部と、前記固定部から最も離れた前記支持部材との距離を変化させ、前記第1の状態と前記第2の状態とに前記表示パネルの状態を変化させる機能を有する、
    表示装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2の状態における、前記表示パネルの湾曲部の最も小さい曲率半径が、1mm以上50mm以下である、
    表示装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記支持部材と、前記表示パネルとの間に、緩衝材を有し、
    前記緩衝材は、弾性を有し、且つ前記支持部材の短辺方向の幅よりも大きい、
    表示装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記支持部材の厚さが、1mm以上30mm以下である、
    表示装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記第1の状態における、隣接する2つの前記支持部材の間隔が、前記支持部材それぞれの短辺方向の幅よりも大きい、
    表示装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記第2の状態における、前記支持部材の短辺方向と、前記支持部材の変位方向との角度が、10度以上90度未満である、
    表示装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記支持部材の短辺方向と、前記支持部材の変位方向との角度を調整する調整機構を有する、
    表示装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
    前記固定部は、前記表示パネルと電気的に接続する回路を有する、
    表示装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
    前記固定部は、アンテナ、無線受信機、無線送信機、バッテリ、演算装置、及び記憶装置のうち少なくとも一を有する、
    表示装置。
  10. 表示パネルと駆動手段とを有する表示装置であって、
    移動体の内部に設置することが可能であり、
    前記表示パネルは、第1の基板と、第2の基板と、表示素子と、封止層と、保護層と、を有し、
    前記第1の基板及び前記第2の基板は、可撓性を有し、
    前記表示素子は、前記第1の基板と前記第2の基板の間に位置し、
    前記封止層は、前記第1の基板と前記第2の基板を接着し、且つ前記表示素子を囲って設けられ、
    前記保護層は、前記封止層の露出した表面と接して設けられ、
    前記表示パネルは、第1の形態と、第2の形態とに変形可能で、
    前記第1の形態は、前記表示パネルが吊り下げられた形態であり、
    前記第2の形態は、前記表示パネルが上方に収納される形態であり、
    前記駆動手段は、前記表示パネルを、前記第1の形態と前記第2の形態との間で可逆的に変化させる機能を有する、
    表示装置。
  11. 表示パネルと駆動手段とを有する表示装置であって、
    車体の運転席前方の上部に設置することが可能であり、
    前記表示パネルは、第1の基板と、第2の基板と、表示素子と、封止層と、保護層と、を有し、
    前記第1の基板及び前記第2の基板は、可撓性を有し、
    前記表示素子は、前記第1の基板と前記第2の基板の間に位置し、
    前記封止層は、前記第1の基板と前記第2の基板を接着し、且つ前記表示素子を囲って設けられ、
    前記保護層は、前記封止層の露出した表面と接して設けられ、
    前記表示パネルは、第1の形態と、第2の形態とに変形可能で、
    前記第1の形態は、前記表示パネルが吊り下げられ、前記表示パネルの表示面が運転者から視認できる範囲に位置する形態であり、
    前記第2の形態は、前記表示パネルが上方に収納される形態であり、
    前記駆動手段は、前記表示パネルを、前記第1の形態と前記第2の形態との間で可逆的に変形させる機能を有する、
    表示装置。
  12. 請求項10または請求項11において、
    前記表示パネルは、前記第2の形態において、折り畳まれるように収納される、
    表示装置。
  13. 請求項10または請求項11において、
    前記表示パネルは、前記第2の形態において、巻き取られるように収納される、
    表示装置。
  14. 制御部と、検知手段と、第1の撮像手段と、表示装置と、を有し、車体に組み込み可能な運転支援システムであって、
    前記検知手段は、前記車体の変速機の状態を検知する機能を有し、且つ前記制御部に検知情報を出力する機能を有し、
    前記第1の撮像手段は、前記車体の後方を撮像する機能を有し、
    前記表示装置は、表示パネルと駆動手段とを有し、且つ、前記車体の運転席前方の上部に設置することが可能であり、
    前記表示パネルは、第1の基板と、第2の基板と、表示素子と、封止層と、保護層と、を有し、
    前記第1の基板及び前記第2の基板は、可撓性を有し、
    前記表示素子は、前記第1の基板と前記第2の基板の間に位置し、
    前記封止層は、前記第1の基板と前記第2の基板を接着し、且つ前記表示素子を囲って設けられ、
    前記保護層は、前記封止層の露出した表面と接して設けられ、
    前記表示パネルは、第1の形態と、第2の形態とに変形可能で、
    前記第1の形態は、前記表示パネルが吊り下げられ、前記表示パネルの表示面が運転者から視認できる範囲に位置する形態であり、
    前記第2の形態は、前記表示パネルが上方に収納される形態であり、
    前記駆動手段は、前記表示パネルを、前記第1の形態と前記第2の形態との間で可逆的に変形させる機能を有し、
    前記制御部は、前記検知情報に基づいて、第1の状態または第2の状態に切り替える機能を有し、
    前記第1の状態は、前記表示パネルが前記第1の形態であり、且つ、前記第1の撮像手段により撮像された第1の映像が前記表示パネルの前記表示面に表示される状態であり、
    前記第2の状態は、前記表示パネルの前記表示面への表示が停止され、且つ、前記表示パネルが前記第2の形態である、
    運転支援システム。
  15. 請求項14において、
    前記表示パネルは、前記第2の形態において、折り畳まれるように収納される、
    運転支援システム。
  16. 請求項14において、
    前記表示パネルは、前記第2の形態において、巻き取られるように収納される、
    運転支援システム。
  17. 請求項14乃至請求項16のいずれか一において、
    前記制御部は、前記検知情報が後退であるときに、前記第1の状態に切り替える機能を有し、
    前記第1の形態は、前記表示パネルの下端が、運転者の視点の高さ以下に位置する形態である、
    運転支援システム。
  18. 請求項14乃至請求項17のいずれか一において、
    前記制御部は、
    前記第1の映像から目標物の位置情報を検知する機能と、
    前記位置情報から、前記車体を進行させるべき方向を判断する機能と、
    前記第1の状態において、前記表示面に前記第1の映像とともに、ハンドルを操作すべき方向を示す画像を表示する機能と、を有する、
    運転支援システム。
  19. 請求項14乃至請求項18のいずれか一において、
    前記制御部は、前記検知情報が前進であるときに、第3の状態に切り替える機能を有し、
    前記第3の状態は、前記表示パネルが第3の形態であり、且つ、前記第1の映像が前記表示面に表示される状態であり、
    前記第3の形態は、前記表示パネルの下端が、運転者の視点の高さよりも高く位置する形態である、
    運転支援システム。
  20. 請求項14乃至請求項18のいずれか一において、
    第2の撮像手段を有し、
    前記第2の撮像手段は、前記車体の前方、または側方を撮像する機能を有し、
    前記制御部は、前記第1の状態において、前記第2の撮像手段により撮像された第2の映像を前記表示パネルの前記表示面に表示する機能を有する、
    運転支援システム。
  21. 請求項14乃至請求項18のいずれか一、または請求項20において、
    前記制御部は、前記第1の状態において、前記第1の映像を左右反転して前記表示パネルの前記表示面に表示する機能を有する、
    運転支援システム。
  22. 請求項19において、
    第2の撮像手段を有し、
    前記第2の撮像手段は、前記車体の前方、または側方を撮像する機能を有し、
    前記制御部は、前記第1の状態及び前記第3の状態において、前記第2の撮像手段により撮像された第2の映像を前記表示パネルの前記表示面に表示する機能を有する、
    運転支援システム。
  23. 請求項19または請求項22において、
    前記制御部は、前記第1の状態及び前記第3の状態において、前記第1の映像を左右反転して前記表示パネルの前記表示面に表示する機能を有する、
    運転支援システム。
  24. 請求項10乃至請求項13のいずれか一に記載の表示装置、または請求項14乃至請求項23のいずれか一に記載の運転支援システムを備え、
    前記表示装置が、車体内装の上部に取り付けられた、
    車両。
  25. 請求項24において、
    車体の天井に取り付けられたサンバイザを有し、
    前記表示装置は、前記表示パネルが前記第2の形態であるとき、前記サンバイザを上げたときに覆われる位置に取り付けられた、
    車両。
  26. 請求項24において、
    車体の天井に取り付けられたサンバイザを有し、
    前記表示装置は、前記サンバイザに取り付けられた、
    車両。
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