JP2021113438A - 仕口金物、及び仕口プレキャスト部材と柱部材の連結方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の接合金物は、鉄筋かごに一体に取り付けられて柱用組立鉄筋を構成するとともに、鉄骨梁に接合される。接合金物は、柱と梁の接合部を覆う鋼板と、この鋼板に設けられた上下一対の十文字状のダイアフラムとを有している。
上記上下一対のダイアフラムは、上記塞ぎ板の上端及び下端の開口を塞ぐように上記塞ぎ板に接合されており、上記接続梁部の基端において、上記上下のフランジはそれぞれ上記上下のダイアフラムの側面に接合され、上記ウェブは上記塞ぎ板の外周面に接合されていることを特徴としている。
また、ダイアフラムと接続梁部のフランジの接合は、ダイアフラムの側面とフランジとを突き合わせて接合すればよく、作業が容易化される。このダイアフラムと接続梁部のフランジとの接合にロボット溶接機を使用すれば、より生産性を向上させることができる。
上記構成によれば、ダイアフラムと接続梁部のフランジとの接合を塞ぎ板に近い位置で行うことができ作業性を向上させることができる。
上記構成によれば、シース管により柱部材の鉄筋が誘導され、鉄筋を上下のダイアフラムに形成された鉄筋貫通孔に容易に通すことができる。
上記構成によれば、仕口金物をコンクリートが打設されたプレキャスト部材とすることにより、仕口部の品質を均一化して建築現場での施工品質を向上させることができる。また、建築現場における作業の省力化及び工期の短縮化を図ることができる。
上記構成によれば、先打ちスラブ部を備えることにより、建築現場における作業の手間をより省くことができ、工期をより短くすることができる。
下方柱部材の柱頭から上階の柱部材との接合に供される鉄筋が上方に突出しており、仕口プレキャスト部材は、柱と梁の接合部分である仕口部を鉛直方向に貫通するシース管を有しており、
上記下方柱部材の鉄筋が上記シース管を貫通するように上記仕口プレキャスト部材を上記下方柱部材の上方に建て入れ、上記下方柱部材の柱頭と上記仕口プレキャスト部材の下面との間に上記シース管と連通する目地空間を形成し、この目地空間の周囲に目地型枠を設ける工程と、
グラウト材を上記シース管の上端と上記鉄筋との隙間から注入して上記目地空間内及び上記シース管と上記鉄筋との隙間内に充填する工程と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、グラウト材をシース管の上端と鉄筋との隙間から注入することにより、グラウト注入孔を別個に設ける必要がなくなる。また、上階の柱部材との接合に供される鉄筋の上端部の周囲にグラウト材が付着することを避けることができ、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁を有する混合構造体の構築のための作業効率を向上させることができる。
以下、この発明の第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態は、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁で構成される混合構造体の中間階にこの発明を適用したものである。
仕口金物30は、鋼材により形成され、塞ぎ板31と、塞ぎ板31の上端部及び下端部に設けられた上下一対のダイアフラム32,33と、接続梁部34とを備える。
先ず、図2に示す仕口金物30を製作する。塞ぎ板31の上端と下端の開口31a,31bをそれぞれ上下のダイアフラム32,33で覆うように塞ぎ、ダイアフラム32,33と、塞ぎ板31の上端面及び下端面とを突き合わせ溶接により接合する。
先ず、図4(A)に示すように、第1コンクリート柱部材20の上側に仕口部材10を建て込むため、第1コンクリート柱部材20の柱頭から上方に突出する主筋23の上部23Xを上下のダイアフラム32,33の主筋貫通孔32b,33bに通す。
図6は、この発明の第2実施形態を示す。本実施形態は、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁で構成される混合構造体の最上階にこの発明を適用したものである。
塞ぎ板の形状は、円筒形状、その他の筒形状であってもよい。
上記第1実施形態では、仕口部材10に先打ちスラブ部40を含めているが、仕口部材10に先打ちスラブ部40を含めなくてもよい。
上記実施形態では、仕口部材10においてあらかじめ工場でコンクリートを打設しフルプレキャスト部材としているが、仕口金物30、又は、シース管50を設けた仕口金物30を、工場で製作したプレキャスト部材としてもよい。
上記実施形態では、一対のダイアフラム32,33にそれぞれコンクリート充填用孔32a,33aを形成しているが、何れか一方のダイアフラムにコンクリート充填用孔を形成するようにしてもよい。
上記実施形態では、接続梁部34を塞ぎ板31の各辺に取り付けた平面視十字形状の仕口金物30の例を示したが、接続梁部34が取り付けられる塞ぎ板31の辺に応じて、仕口金物30をI字形状、L字形状、T字形状としてもよい。
上記実施形態では、主筋23に、外周にねじを有するねじ鉄筋を用いたが、ねじを持たない異形鉄筋を用いてもよい。
第1コンクリート柱部材20は、場所打ちコンクリート工法によるものであってもよい。
2 鉄筋コンクリート柱
3 鉄骨梁
3a 主梁部(鉄骨梁、梁部材)
4 仕口部
5 スラブ
6 目地型枠
7 グラウト材
8 目地型枠
9 グラウト材
H 注入ホース
N ナット
P 鉄板
S1 目地空間
S2 目地空間
10 仕口部材(仕口部プレキャスト部材)
20 第1コンクリート柱部材(下方柱部材)
20B 第2コンクリート柱部材
21 コンクリート
22 鉄筋組立体
23,23B 主筋(鉄筋)
23X 主筋の上部
23x 主筋の上端部
24,24B スリーブ継手
24a,24b グラウト通路口
25,25B 剪断補強筋
30 仕口金物
31 塞ぎ板
31a 上端開口
31b 下端開口
32 上側のダイアフラム
32a コンクリート充填孔
32b 主筋貫通孔(鉄筋貫通孔)
33 下側のダイアフラム
33a コンクリート充填孔
33b 主筋貫通孔(鉄筋貫通孔)
34 接続梁部(鉄骨梁)
34a フランジ
34b ウェブ
35 コンクリート
40 先打ちスラブ部
41 コンクリート
50 シース管
60 底型枠
70 側面型枠
71 補強材
Claims (6)
- 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁を有する混合構造体に用いられ、柱部材に取り付けられて梁部材が接続される仕口金物であって、
筒形状をなし上端及び下端に開口が形成された塞ぎ板と、
上記塞ぎ板の上端部及び下端部に設けられ、柱部材から延びる鉄筋を通すための鉄筋貫通孔を有する上下一対のダイアフラムと、
上下のフランジをウェブによって一体的に連結した断面H形の鉄骨により構成され、上記塞ぎ板及びダイアフラムの側方から水平方向に延びて先端に梁部材が接続されて鉄骨梁の一部を構成する接続梁部と、を備え、
上記上下一対のダイアフラムは、上記塞ぎ板の上端及び下端の開口を塞ぐように上記塞ぎ板に接合されており、
上記接続梁部の基端において、上記上下のフランジはそれぞれ上記上下のダイアフラムの側面に接合され、上記ウェブは上記塞ぎ板の外周面に接合されていることを特徴とする仕口金物。 - 上記上下一対のダイアフラムは上記塞ぎ板の上端及び下端の開口の形状に対応した形状を有することを特徴とする請求項1に記載の仕口金物。
- 柱部材から延びる鉄筋を挿通させるためのシース管が、上記上下一対のダイアフラムの鉄筋貫通孔に挿通されるようにして設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の仕口金物。
- 上記上下一対のダイアフラムの一方又は双方には、コンクリートを充填するためのコンクリート充填孔が形成され、
上記塞ぎ板と上記上下一対のダイアフラムとにより囲まれた空間には、柱部材への取り付けに先立ってコンクリートが打設されていることを特徴とする請求項3に記載の仕口金物。 - 上記上側のダイアフラムの上面に上階の床と柱との接合部分をなす先打ちスラブ部が設けられ、
この先打ちスラブ部は、上記塞ぎ板の内部に打設されたコンクリートと一体のコンクリートを有し、
上記先打ちスラブ部のコンクリートには、上記上側のダイアフラムの鉄筋貫通孔から上方に延びる上記シース管が貫通していることを特徴とする請求項4に記載の仕口金物。 - 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁を有する混合構造体における仕口プレキャスト部材と柱部材とを一体に連結する方法であって、
下方柱部材の柱頭から上階の柱部材との接合に供される鉄筋が上方に突出しており、
仕口プレキャスト部材は、柱と梁の接合部分である仕口部を鉛直方向に貫通するシース管を有しており、
上記下方柱部材の鉄筋が上記シース管を貫通するように上記仕口プレキャスト部材を上記下方柱部材の上方に建て入れ、上記下方柱部材の柱頭と上記仕口プレキャスト部材の下面との間に上記シース管と連通する目地空間を形成し、この目地空間の周囲に目地型枠を設ける工程と、
グラウト材を上記シース管の上端と上記鉄筋との隙間から注入して上記目地空間内及び上記シース管と上記鉄筋との隙間内に充填する工程と、
を備えたことを特徴とする仕口プレキャスト部材と柱部材の連結方法。
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