JP2021112184A - 加工食品および加工食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】嚥下・咀嚼機能の低い人でも容易に喫食ができ、しかも、通常の食品を喫食している状態に近い形で食事を楽しむことができ、食材の彩り等が良くなり、料理の見た目も向上することができる加工食品および加工食品の製造方法を提供する。【解決手段】所定の形状を形成できるが、力を加えるとペースト状になる程度の状態に食材Fを粉砕したペースト状食材Pを形成し、ペースト状食材Pを成形した成形体Mを形成し、成形体Mを所定の形状に切断して固形食材2を形成する。固形食材2はペースト状食材Pを成形したものであるので、喫食した際にある程度の食感は維持するが、簡単に潰れてペースト状の食材になる。嚥下・咀嚼機能の低い人でも安心して喫食ができ、通常の食品を喫食している状態に近い形で食事を楽しむことができる。未利用食材をペースト状食材の原料として使用できるので、廃棄食材の減量化にも貢献することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、加工食品および加工食品の製造方法に関する。さらに詳しくは、嚥下・咀嚼機能の低い人でも喫食ができる加工食品および加工食品の製造方法に関する。
従来、嚥下・咀嚼機能の低い人の喫食用の食品として、ゲル状の食品や食品をゲル状にする食品等が各種開発されている(例えば、特許文献1等)。また、介護施設等においては、通常の食品を水等と混合した状態でミキサー等によって粉砕して流動食として提供することが行われている。
しかし、ゲル状の食品や流動食は、通常の食品のような固形物を有していないため、喫食する人が食材を見ながら食事を楽しむことができない。しかも、複数の食材が混合した状態になっているので、通常の食事と同じ味付けがされていても、個々の食材の味を楽しむことができない。したがって、流動食等を食べている人が通常の食品を食べているように食事を十分に楽しむことができていない。
かかる問題を解決するために、特許文献2、3に示す技術が開発されている。
特許文献2には、余分な水分を除去した食品を一旦冷凍して解凍した後、細切りにしてメッシュを通過させてペースト状にしたものとゲル化剤や補助ゲル化剤、副原料、水等を混合して形成した配合原材料を型に充填し、加熱凝固させた後冷凍した、ゼリータイプの介護食用加工食品材料が開示されている。また、特許文献2には、ゲル化剤を使用して粘度を調整することも開示されている。
特許文献3には、細かく裁断した食材につなぎ材料や調味成分、水などを混ぜてペースト化して食材の形状に成形した後、加熱して固めた食材を冷凍し包装した、咀嚼・嚥下困難者用加工食品が開示されている。
しかし、特許文献2の食品材料はゼリータイプになっているので、ゲル化剤を使用して粘度を調整しているとしても、喫食する人にとっては通常の食品を喫食しているとは感じられない。しかも、特許文献2の食品材料は、介護食の咀嚼の容易さの区分で区分3(UDF3)「舌でつぶせるもの」となっているが、舌でつぶしてもペースト状にはならず、あくまでも固形の状態で食することになると考えるので、嚥下・咀嚼機能の低い人にとっては誤嚥の原因となる。
また、特許文献3の食品は、食品の見た目を食材に近づけることはできるものの、あくまでも食品そのものに味をつけてそのまま食することを想定しているものであり、肉じゃがなどのように複数の食材を混ぜで煮たりする等した料理を製造する際に使用するものではない。そして、特許文献3の食品は、加熱して固化しているので、舌でつぶすなどしてもペースト状にはならず、あくまでも固形の状態で食することになると考える。すると、特許文献3の食品は、特許文献2の食品材料と同様に、嚥下・咀嚼機能の低い人にとっては誤嚥の原因となる。
本発明は上記事情に鑑み、嚥下・咀嚼機能の低い人でも容易に喫食ができ、しかも、通常の食品を喫食している状態に近い形で食事を楽しむことができ、食材の彩り等が良くなり、料理の見た目も向上することができる加工食品および加工食品の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明の加工食品の製造方法は、加工食品を製造する方法であって、所定の形状を形成できるが、力を加えるとペースト状になる程度の状態に食材を粉砕したペースト状食材を形成し、該ペースト状食材を成形した成形体を形成し、該成形体を所定の形状に切断して固形食材を形成することを特徴とする。
第1発明によれば、固形材料は、所定の形状を形成できるが力を加えるとペースト状になる程度の状態に食材が粉砕されたペースト状食材を成形したものであるので、喫食した際にある程度の食感は維持するが、簡単に潰れてペースト状の食材になる。このため、所定の形状を有する固形材料を調理した食事を嚥下・咀嚼機能の低い人が喫食しても、容易に嚥下することができる。したがって、嚥下・咀嚼機能の低い人でも安心して喫食ができ、通常の食品を喫食している状態に近い形で食事を楽しむことができる。しかも、食品や料理の食材が固形物として視認できるので、嚥下・咀嚼機能の低い人が安心して喫食できる食材であっても、食材の彩り等が良くなり、料理の見た目も向上することができる。また、食材をペースト状食材としてから固形材料にするため、通常は食材として使用しないもの(未利用食材)をペースト状食材の原料として使用できる。したがって、廃棄食材の減量化にも貢献することができる。
本実施形態の加工食品は、固形状の加工食品であって、嚥下・咀嚼機能の低い人でも喫食が容易にできるようにしたことに特徴を有している。
本実施形態の加工食品の原料となる食材はとくに限定されず、野菜や魚、肉等のように通常の食品に使用される食材を原料として使用することができる。また、通常は食材として使用しないもの(未利用食材)も本実施形態の加工食品の原料として使用することができる。
<本実施形態の加工食品1>
本実施形態の加工食品1は、複数の固形材料2を調理して味付けしたものである。具体的には、複数の固形材料2を醤油・塩・砂糖等の調味料を含む調味液Sによって味付けしたものである。例えば、複数の固形材料2と調味液Sとを袋3に入れて、その状態で加熱することによって、調味液Sの味を複数の固形材料2に浸み込ませることができる(図1(C)参照)。
本実施形態の加工食品1は、複数の固形材料2を調理して味付けしたものである。具体的には、複数の固形材料2を醤油・塩・砂糖等の調味料を含む調味液Sによって味付けしたものである。例えば、複数の固形材料2と調味液Sとを袋3に入れて、その状態で加熱することによって、調味液Sの味を複数の固形材料2に浸み込ませることができる(図1(C)参照)。
図1(A)に示すように、複数の固形材料2は、通常の食材をペースト状に粉砕したペースト状食材Pを固めて所定の形状にしたものである。
通常の食材とは、例えば、ニンジンやジャガイモ、玉ねぎ、ほうれん草などの野菜や、アジやサンマ、鮭、さばなどの魚、牛肉や豚肉、鶏肉などの食肉であるが、これらに限定されない。また、咀嚼・嚥下しにくいといわれる昆布やタケノコ、ワカメなどの繊維質の多い食材もここでいう通常の食材に含まれる。ペースト状に粉砕する食材は単品の食材でもよいが、複数の食材を混合して粉砕してもよい。
また、ペースト状に粉砕するとは、粉砕する食材の形状が残っておらず、固形分がほぼない状態となるように粉砕することを意味している。例えば、固形分がほぼない状態とは、ペースト状食材P中に1mm以上の固形物が無い状態等が該当する。
所定の形状とは、キュービック状や短冊状、円柱状、イチョウ型など種々の形状を挙げることができるが、喫食しやすい大きさに形成されていれば、これらに限定されない。喫食しやすい大きさとは、例えば、複数の固形材料2をキュービック状に形成した場合には、一辺が5〜20mm程度とすれば、嚥下・咀嚼機能の低い人でも喫食が容易になる。
固形材料2が以上のようなものなので、本実施形態の加工食品1を喫食すれば、所定の形状を有する固形材料2を調理した食事を喫食することになる。したがって、喫食する人が固形食材2を視認できるので、通常の食事のように、視覚でも食事を楽しむことができる。しかも、食材をペースト状食材Pとしてから固形材料2としているので、通常は食材として使用しないもの(未利用食材)をペースト状食材Pの原料として使用できる。つまり、これまで廃棄されていた未利用食材を食材として利用できるので、廃棄食材の減量化にも貢献することができる。
また、固形食材2はペースト状食材Pを成形したものであるので、喫食した際にある程度の食感は維持するが、舌と硬口蓋、口底と挟んで圧迫したり硬口蓋、口底等で挟んで圧迫したりすると簡単に潰れてペースト状の食材になる。このため、所定の形状を有する固形食材2を調理した食事を喫食した場合、嚥下・咀嚼機能が低下していても、容易に嚥下することができる。したがって、嚥下・咀嚼機能の低い人でも安心して喫食ができ、通常の食品を喫食している状態に近い形で食事を楽しむことができる。
しかも、本実施形態の加工食品1では、固形材料2は、従来のソフト食のように調理済みの食材を複数含む料理自体をペースト状にしたものではなく、各料理に使用される食材をそれぞれ別々に粉砕してそれぞれを別々にペースト状にして固めたものである。このため、固形材料2を食したときに、加工食品1としての味だけでなく、個々の固形材料2の原料となる個々の食材の味も感じることができる。したがって、本実施形態の加工食品1では、嚥下や咀嚼等がしやすくなっているものの、通常の料理に近い感覚で食事をすることができる。
なお、固形材料2には若干の添加剤が含まれていてもよいが、添加剤はできるだけ含まない状態で製造されることが望ましい。添加剤としては、ペースト状食材Pの成形を高めるために若干の結合剤を挙げることができる。例えば、固形材料2の総重量100gに対して結合剤が0.02〜0.20g程度、好ましくは、0.03〜0.15g程度含まれていてもよい。具体的には、牛肉であれば、総重量100gに対して結合剤が0.04〜0.06g程度含まれていてもよいし、玉ねぎであれば、総重量100gに対して結合剤が0.06〜0.14g程度含まれていてもよい。また、ジャガイモであれば、総重量100gに対して結合剤が0.05〜0.11g、ニンジンであれば、総重量100gに対して結合剤が0.06〜0.14g程度含まれていてもよい。結合剤の含有量が上記程度であれば、舌と硬口蓋、口底と挟んで圧迫したり硬口蓋、口底等で挟んで圧迫したりした際に、簡単に潰れてペースト状の食材となる程度の固形材料2とすることができる。この場合に使用する結合剤としては、卵白やでん粉・グルコマンナン・カードラン等を使用することができるが、卵白が望ましい。
また、固形材料2には、食材を切断した切断食材Cを混ぜてもよい(図1(B)参照)。つまり、固形材料2の原料となる食材と同じ食材を切断した切断食材Cが固形材料2中に混在していてもよい。この場合には、固形材料2を食したときに切断食材Cの硬さも感じることができるので、より通常の料理に近い感覚で食事をすることができる。切断食材Cの大きさはとくに限定されないが、例えば、最大の長さで3.0mm程度とすることが望ましい。かかる大きさであれば、切断食材Cの硬さも感じつつ、切断食材Cが嚥下の障害などになりにくい。とくに、切断食材Cが嚥下の障害となることを防止する上では、固形材料2がペースト状になっても切断食材Cをペースト状食材P中に留めておくために、卵白やでん粉・グルコマンナン・カードラン等の結合剤Gを固形材料2に混合することが望ましい。なお、固形材料2の原料となる食材として、固形材料2がその形状を維持することが困難な食材を使用した場合には、切断食材Cを入れない場合でも、ペースト状食材Pに結合剤Gを混合することが望ましい。固形材料2がその形状を維持することが困難な食材とは、例えば、ペースト状食材Pを固めたときや、ペースト状食材Pを冷凍したのち解凍した際に、形状を維持することが困難な食材を意味している。
また、本実施形態の加工食品1を顧客に提供する方法はとくに限定されない。例えば、複数の固形材料2を袋3に封入した状態(図1(C)参照)で凍結して顧客に提供する方法を採用することができる。この場合、本実施形態の加工食品1を購入した顧客は、施設や自宅の冷凍庫に加工食品1を保管しておくことができる。すると、加工食品1を解凍したり加熱したりすれば、顧客はいつでも加工食品1を喫食することができる。また、製造業者も、同じ加工食品1をまとめて製造しても一部を冷凍庫等にストックしておくことができるので、少量を個別に製造する場合に比べて製造コストを抑えることができるし、冷凍便で搬送すれば遠方の顧客にも提供できる。
また、複数の固形材料2を袋3に入れて顧客に提供する場合において、袋3に入れる複数の固形材料2の量はとくに限定されない。例えば、袋3に入れる複数の固形材料2の量は一人分の量としてもよいし、複数人が喫食する量を入れてもよい。また、複数の固形材料2を入れて顧客に提供する容器は袋3に限られず、種々の容器を使用することができる。例えば、プラスチック製のふた付き密閉容器等を、複数の固形材料2を入れて顧客に提供する容器として使用することも可能である。
上記例では、複数の固形材料2は、原料の食材が異なる固形材料2を複数含んでいてもよいし、同じ食材を素材とする固形材料2を複数個含んでいてもよい。例えば、加工食品1がカボチャの煮つけであれば、食材はカボチャだけであるので、カボチャを原料として製造された固形材料2だけを袋に封入し凍結して加工食品1としてもよい。
また、上記例では、加工食品1は、複数の固形材料2が調味液Sによって味付けされている場合を説明した。しかし、味付けされていない複数の固形材料2を加工食品1としてもよい。例えば、加工食品1が肉じゃがの場合であれば、その素材であるジャガイモやニンジン、肉などをそれぞれ原料とする複数の固形材料2を、味付けせずに袋に封入し凍結して加工食品1としてもよい。この場合、加工食品1を食する人が調理する際に味付けを調整することができるので、喫食する人の体調や病状、好み等に合わせて適切に味付けされた加工食品1を使った料理を提供することができる。また、複数の加工食品1を利用すれば、好みの食材の固形材料2を組み合わせて料理の材料とすることができるので、加工食品1を使って喫食者の好みに合った料理を作ることもできる。例えば、味付けされていないジャガイモを原料として製造された固形材料2のみからなる加工食品1と、味付けされていないニンジンを原料として製造された固形材料2のみからなる加工食品1と、味付けされていない肉を原料として製造された固形材料2のみからなる加工食品1とを、それぞれ用意する。そして、各加工食品1の固形材料2を混ぜて調理すれば、加工食品1を材料とする肉じゃがを、好みの味付けで作ることもできる。この場合、各加工食品1の固形材料2を混ぜる量や使用する加工食品1も調整できるので、喫食者の好みに合った料理を作ることができる。
なお、調味液Sによって味付けされていない固形材料2を加工食品1として提供する場合には、調味液Sを別の容器に入れて提供してもよい。
また、加工食品1は、複数の固形材料2を袋3に封入し凍結して顧客に提供してもよいが、加工食品1を凍結させずに顧客に提供してもよい。例えば、加工工場の近隣の場所にいる顧客に加工食品1を提供する場合であれば、袋に封入された凍結前の加工食品1を顧客にそのまま提供することもできる。さらに、加工食品1を凍結せずに顧客に提供するのであれば、複数の固形材料2を袋3に入れずに調理して、その状態の固形材料2を顧客に提供することも可能である。
<本実施形態の加工食品1の製造方法>
以下では、本実施形態の加工食品1の製造方法を説明する。
以下の説明は、加工食品1を、袋3に封入し凍結したものを顧客に提供する製品とする場合を説明する。
以下では、本実施形態の加工食品1の製造方法を説明する。
以下の説明は、加工食品1を、袋3に封入し凍結したものを顧客に提供する製品とする場合を説明する。
図2に示すように、まず、原料となる食材に対して、あく抜き等の下処理が行われる(前処理工程S1)。この下処理が終了した食材は、粉砕されてペースト状のペースト状食材Pが形成される(粉砕工程S2、図3(A)参照)。なお、食材を粉砕する方法はとくに限定されず、ミキサーなどの一般的な粉砕装置が使用される。このとき、ペースト状食材Pは、後述する凍結工程S5や製品冷凍工程S9において冷凍された後に解凍した際に、解凍前の形状は維持できるが、舌などで簡単に潰れてペースト状になる程度の状態に粉砕される。
また、粉砕工程S2で形成されたペースト状食材Pは混合用のミキサー装置に供給されて、ミキサー装置によってペースト状食材Pに結合剤Gや切断食材Cが混合される(混合工程S3、図3(B)参照)。すると、ペースト状食材Pに結合剤Gや切断食材Cが混合された混合食材Dが形成される。なお、結合剤Gや切断食材Cをペースト状食材Pに混合しない場合には、混合工程S3は不要である。
また、混合工程S3で形成された混合食材Dは型枠Fなどに流し込まれて、その状態で加熱される。すると、型枠Fで混合食材Dが固まり、成形体Mが形成される(成形体形成工程S4、図3(C))。
成形体形成工程S4で形成された成形体Mはスパイラルトンネルフリーザ等の冷凍装置によって凍結され凍結成形体CMが形成される(凍結工程S5)。
凍結工程S5で形成された凍結成形体CMは、切断機等によって所定の形状に切断される。すると、所定の形状の固形食材2が形成される(固形食材形成工程S6、図3(D))。なお、凍結工程S5で形成された凍結成形体CMは、すぐに固形食材形成工程S6で切断されてもよいが、その形状のままで冷凍保管してもよい。
固形食材形成工程S6で切断された固形食材2は調味液Sとともに袋3に封入される(封入工程S7、図3(E))。このとき、製造する加工食品1に合わせて、封入される固形食材2が計量される。例えば、肉じゃがの場合であれば、牛肉が原料として形成された固形食材2Aと、ジャガイモが原料として形成された固形食材2Bと、ニンジンが原料として形成された固形食材2Cと、がそれぞれ決まった量だけ袋3に封入される。
封入工程S7で固形食材2と調味液Sとが封入された袋3は、加熱用のボイル槽に浸漬されて、加熱および殺菌が行われる(加熱工程S8)。このとき、固形食材2が調味液Sとともに加熱されるので、固形食材2には調味液Sが浸み込んで固形食材2が調味液Sによって味付けされる。
加熱工程S8で加熱された固形食材2と調味液Sとが封入された袋3は、スパイラルトンネルフリーザ等の冷凍装置によって冷凍される(製品冷凍工程S9)。そして、冷凍された袋3、つまり、冷凍された加工食品1は、箱詰めされて出荷したり、箱詰めされた状態または袋3の状態で冷凍倉庫に保管されたりする。なお、加工食品1を凍結せずに顧客に提供する場合には、凍結工程は不要である。
<調味液S>
調味液Sは、以下のように固形食材2を通常使用される調味液(基準調味料SB)に混合して調製したものを使用してもよい。
調味液Sは、以下のように固形食材2を通常使用される調味液(基準調味料SB)に混合して調製したものを使用してもよい。
図4に示すように、基準調味料SBに固形食材2を混合して混合物を形成する(混合工程C1)。基準調味料SBと固形食材2との混合割合はとくに限定されないが、重量比で、基準調味料SBが80〜90%、固形分が10〜20%となるように調製することが望ましい。固形食材2の元となる食材にもよるが、概ね上述した配合比に調製すれば、調製された調味料Sの粘度等を、上述したように固形食材2と混合して調理する上で適切な状態としやすくなる。
その後、混合物を攪拌しながら加熱する(加熱工程C2)。例えば、混合物を攪拌しながら、80〜90℃、好ましくは、85℃程度に加熱する。すると、固形食材2が柔らかくなり調味液Sとなじむようになる。
その後、混合物を加熱をした状態で、とろみをつけるために増粘剤(例えば酢酸デンプン等)を入れて混合物を攪拌する(粘度調整工程C3)。このときの加熱温度はとくに限定されないが、80〜90℃、好ましくは、87℃程度に加熱する。なお、増粘剤を入れなくても、基準調味料SBと固形食材2との混合割合を調製するだけで混合物を適切な粘度とすることができる場合には、粘度調整工程C3は行わなくてもよい。
適度にとろみがつくと、混合物をミキサーなどの一般的な粉砕装置にかけて、混合物中の固形食材2を粉砕して、混合物に1mm以上の固形物が無い状態にすれば、調味料Sが完成する(粉砕工程C4)。調味料Sが完成するまでの時間等は固形食材2の量や素材によって異なるが、一般的な食材(例えば、牛肉や玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジンなど)で形成された固形食材2であれば、30秒程度粉砕装置にかければ、混合物に1mm以上の固形物が無い調味料Sを調製することは可能である。
固形食材2が粉砕された混合物は、例えば20℃程度まで冷却された後(冷却工程C5)、上述した封入工程S7に供給されて、本実施形態の加工食品1の製造に使用される。なお、調味料Sは、冷却せずに封入工程S7に供給してもよい。
なお、基準調味料SBは、一般的に食材の味付けに使用される調味料を使用することができ、製造する加工食品1に合せて、適切な基準調味料SBを使用すればよい。例えば、製造する加工食品1が肉じゃがであれば、醤油、砂糖、酒(発酵調味料)、みりん(発酵調味料)、かつおだし、昆布だし、水等を原料として作られたものを基準調味料SBとして使用することができる。
また、調味料Sの調製に使用される固形食材2もとくに限定されず、製造する加工食品1に合せて、適切な固形食材2を使用すればよい。加工食品1に使用される固形食材2を、調味料Sの調製に使用すれば、加工食品1の味を通常の調理法で調理された加工食品の味に近づけることができる。例えば、加工食品1が肉じゃがであれば、肉じゃがに使用される食材、つまり、牛肉や玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジンなどから形成された固形食材2を使用すれば、製造する加工食品1の味を、通常の調理法で調理した肉じゃがの味に近づけることができる。
本発明の加工食品である肉じゃが(以下単に肉じゃがという)に使用する調味液について、従業員(男性6名(年齢30〜60歳)、女性6名(年齢30〜50歳))が官能試験を実施した。
調味液は、基準調味液1000mlに対して、以下の配合で固形材料を入れて調製した。なお、基準調味液には醤油、砂糖、酒(発酵調味料)、みりん(発酵調味料)、かつおだし、昆布だし、水等を原料として作ったものを使用した。
調味液は、基準調味液1000mlに対して、以下の配合で固形材料を入れて調製した。なお、基準調味液には醤油、砂糖、酒(発酵調味料)、みりん(発酵調味料)、かつおだし、昆布だし、水等を原料として作ったものを使用した。
官能試験の意見として、以下の意見が得られた。
<実験例1>
・コクがある。
・甘味が深く感じて美味しい。
・一番肉じゃがの味がする
・コクがある。
・甘味が深く感じて美味しい。
・一番肉じゃがの味がする
<実験例2>
・野菜のコクが無く、全体にたん白に感じる
・タレだけの味とあまり大差を感じない
・肉じゃが感をあまり感じない
・たん白なタレとして美味しい。
・野菜のコクが無く、全体にたん白に感じる
・タレだけの味とあまり大差を感じない
・肉じゃが感をあまり感じない
・たん白なタレとして美味しい。
<実験例3>
・コクがあり、美味しく仕上がっている。
・クリーミーで美味しいが、肉じゃが感が実験例1より薄く感じる。
・肉じゃがよりも他の料理に合いそうな味になっている。
・コクがあり、美味しく仕上がっている。
・クリーミーで美味しいが、肉じゃが感が実験例1より薄く感じる。
・肉じゃがよりも他の料理に合いそうな味になっている。
以上の結果より、「肉じゃが」には実験例1の配合割合が適切であると考えられるが、実験例2、3の調味液についても、使用する加工食品によっては、加工食品の味を向上でき、加工食品の品質向上に適したものとできる可能性があることが確認された。
本発明の加工食品は、嚥下・咀嚼機能の低い人の喫食用の食材や、離乳食、食事療養時に喫食する食事等に使用する食材にして適している。
1 加工食品
2 固形食材
3 袋
P ペースト状食材
C 切断食材
M 成形体
G 結合剤
S 調味液
SB 基準調味液
2 固形食材
3 袋
P ペースト状食材
C 切断食材
M 成形体
G 結合剤
S 調味液
SB 基準調味液
Claims (14)
- 加工食品を製造する方法であって、
食材を粉砕したペースト状食材を形成し、
該ペースト状食材を成形した成形体を形成し、
該成形体を所定の形状に切断して固形食材を形成して加工食品を製造し、
前記固形食材の原料となるペースト状食材は、
成形後に切断しても形状は維持できるが、力を加えるとペースト状になる程度に食材を粉砕して形成されている
ことを特徴とする加工食品の製造方法。 - ベースとなる基準調味液と、該基準調味液に前記固形食材を混合した混合液を該固形食材がペースト状になるまで粉砕して調味液を調製し、
一または複数の材料によって形成された前記固形食材を混合した調理用材料と、前記調味液と、を混合して加熱する
ことを特徴とする請求項1記載の加工食品の製造方法。 - 前記加工食品が肉じゃがであり、
前記調味液の原料となる前記固形食材が、牛肉から形成された固形食材と、玉ねぎから形成された固形食材と、ジャガイモから形成された固形食材と、ニンジンから形成された固形食材である
ことを特徴とする請求項2記載の加工食品の製造方法。 - 前記調味液の原料の配合割合が、
重量比で、前記基準調味液が80〜90%、牛肉から形成された固形食材が1〜2%、玉ねぎから形成された固形食材が2〜6%と、ジャガイモから形成された固形食材が2〜6%、ニンジンから形成された固形食材が2〜6%、に調製されている
ことを特徴とする請求項3記載の加工食品の製造方法。 - 一または複数の材料によって形成された前記固形食材を混合した調理用材料と、該調理用材料に味付けする基準調味液および/または該基準調味液に前記調理用材料を混合した混合液を該調理用材料がペースト状になるまで粉砕して調製した調味液と、を袋に封入して加熱処理し、加熱処理されたものを凍結して加工食品を製造し、
前記固形食材の原料となるペースト状食材は、
冷凍後に解凍した際に、解凍前の形状は維持できるが、力を加えるとペースト状になる程度に食材を粉砕して形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の加工食品の製造方法。 - 前記成形体が、
食材を切断した切断食材と、前記ペースト状食材と、該ペースト状食材と前記切断食材とを結合する結合剤とを、混合して成形した成形体である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の加工食品の製造方法。 - 前記固形食材は、
該固形食材の総重量100gに対して、0.03〜0.2gの結合剤を含んでいる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の加工食品の製造方法。 - ペースト状食材を成型した固形食材であって、
前記ペースト状食材は、
成型すると所定の形状を形成できるが、力を加えるとペースト状になる程度に食材を粉砕したものである
ことを特徴とする加工食品。 - 一または複数の材料によって形成された前記固形食材を混合した調理用材料と、
ベースとなる基準調味液および/または該基準調味液に前記固形食材を混合した混合液を該固形食材がペースト状になるまで粉砕して調製した調味液と、からなり、
該調理用材料と調味料とが混合した状態で加熱処理されたものである
ことを特徴とする請求項8記載の加工食品。 - 前記加工食品が肉じゃがであり、
前記調味液の原料となる前記固形食材が、牛肉から形成された固形食材と、玉ねぎから形成された固形食材と、ジャガイモから形成された固形食材と、ニンジンから形成された固形食材である
ことを特徴とする請求項9記載の加工食品。 - 前記調味液の原料の配合割合が、
重量比で、前記基準調味液が80〜90%、牛肉から形成された固形食材が1〜2%、玉ねぎから形成された固形食材が2〜6%と、ジャガイモから形成された固形食材が2〜6%、ニンジンから形成された固形食材が2〜6%、に調製されている
ことを特徴とする請求項10記載の加工食品。 - 袋に収容された冷凍食品であり、
前記固形食材の原料となるペースト状食材は、
冷凍後に解凍した際に、解凍前の形状は維持できるが、力を加えるとペースト状になる程度に食材を粉砕して形成されている
ことを特徴とする請求項11記載の加工食品。 - 前記固形食材が、
前記ペースト状食材と、食材を切断した切断食材と、該切断食材と前記ペースト状食材とを結合する結合剤と、を含んでいる
ことを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載の加工食品。 - 前記固形食材は、
該固形食材の総重量100gに対して、0.02〜0.2gの結合剤を含んでいる
ことを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載の加工食品。
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JP2020005464 | 2020-01-16 | ||
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JP2021005074A Pending JP2021112184A (ja) | 2020-01-16 | 2021-01-15 | 加工食品および加工食品の製造方法 |
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2021
- 2021-01-15 JP JP2021005074A patent/JP2021112184A/ja active Pending
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