本発明の一実施の形態に係る発電制御装置は、走行用のモータと、モータに電力を供給するバッテリと、バッテリに充電する電力を発電する発電機と、発電機を駆動する内燃機関と、を備えた電動車両の発電制御装置であって、バッテリの残容量に応じて内燃機関の運転状態を制御する自動発電モードと、発電機による発電を要求する操作に応じて内燃機関の運転を開始する手動発電モードとのいずれかの発電モードで内燃機関の運転状態を制御する制御部と、手動発電モードにおける発電状態を乗員に設定させる発電状態設定部とを備えることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る発電制御装置は、乗員の意思が反映された充電を行うことができる。
以下、本発明の一実施例に係る電動車両について図面を用いて説明する。
図1に示すように、車両10は、車輪12と、車両を走行させる走行用のモータジェネレータ(以下、「MG」という)20と、走行用のバッテリ30と、発電機ユニット40と、ECU(Electronic Control Unit)100とを含んで構成される。車両10は、MG20の動力により走行する電動車両である。
MG20は、電動機及び発電機の機能を有する回転電機であり、ドライブシャフト11を介して車輪12に連結されている。MG20には、INV21が設けられている。MG20は、INV21を介してバッテリ30に接続されている。INV21は、ECU100の制御により、バッテリ30から出力される直流電力を交流電力に変換してMG20に出力する。
バッテリ30は、リチウムイオンバッテリ等の二次電池からなり、MG20、後述する発電機42及び図示しない電装品等に電力を供給する。また、バッテリ30は、発電機42及びMG20が発電した電力を蓄電する。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
このコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU100として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、このコンピュータユニットは、本実施例におけるECU100として機能する。
ECU100は、INV21を介してMG20を制御する。ECU100には、INV21、バッテリセンサ31等の各種センサ類、及びカーナビゲーション装置80等の各種機器が接続されている。ECU100は、後述するGCU(Generator Control Unit)45とCAN通信線101を介して接続されており、GCU45との間で相互にデータのやり取りを行うようになっている。
バッテリセンサ31は、バッテリ30の蓄電量、すなわち充電状態(SOC)を検出する。バッテリセンサ31は、検出結果を示す信号をECU100に出力する。
カーナビゲーション装置80は、地図情報等を表示する表示部、操作者としての乗員によって目的地等を操作入力するタッチパネル式の入力部、車両10の現在位置を検出する現在位置検出部、車両10の現在位置から目的地までの経路としてのルートを検索するルート検索部、車両10の現在位置から目的地までの距離を算出する距離算出部、地図情報等に基づき現在地から目的地までのルート上に存在する充電設備を検索する充電設備検索部、履歴情報等を記憶する記憶部などを備える。カーナビゲーション装置80は、乗員によって入力部を介して操作入力された目的地を車両10の目的地として設定する。
カーナビゲーション装置80は、ECU100と双方向通信可能に接続されており、ECU100から車速やSOC、過去の電費等の各種情報を取得可能に構成され、ECU100に対しては例えば距離算出部によって算出した現在位置から目的地までの距離や、目的地までのルート上に存在する充電設備等の情報を送信可能に構成されている。本実施例において、カーナビゲーション装置80に設定された目的地及び目的地までのルート上に存在する充電設備を総称して目標地点という。
発電機ユニット40は、内燃機関としてのエンジン41と、エンジン41を始動する始動装置であるスタータ(図示せず)と、発電機42と、INV43と、燃料タンク44と、制御部としてのGCU45とを含んで構成されている。
発電機ユニット40は、エンジン41、スタータ、発電機42、INV43、燃料タンク44及びGCU45が一体化されたユニットとして構成されている。このように各種構成品が一体化された発電機ユニット40は、図2に示すように、車両10に固定された引き出しレール14によって車両10に対して着脱可能に構成されている。本実施例においては、発電機ユニット40は、車両後部に設けられ、車両後部から車両後方に引き出されるよう構成されている。発電機ユニット40は、車両後部に限らず、車両前部又は車両側方部に設けられてもよく、また車両外部への引き出し方向も車両後方に限らず、車両前方や車速側方であってもよい。
発電機ユニット40は、車両10に搭載された状態では、図示しないロック機構によって車両10に固定される。発電機ユニット40は、車両10から取り外された状態では、車両10に設けられた電気機器以外の電気機器に電力を供給する発電装置として機能する。
発電機ユニット40は、INV43から出力される直流電力又は発電機42から出力される交流電力を商用電源に準じた電力に変換するコンバータと、商用電源に準じた電力を外部に供給するためのコンセントと、後述する操作パネル70と同様に機能する操作パネル70Aとを有している。また、発電機ユニット40は、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠した電気機器を充電するためのUSBポートや、シガーソケットを有していてもよい。また、発電機ユニット40には、エンジン41及び発電機42の駆動を緊急停止するための緊急停止ボタンが設けられている。
エンジン41には、少なくとも1以上の気筒が形成されている。本実施例において、エンジン41は、各気筒に対して、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行うように構成されている。
発電機42は、エンジン41のクランクシャフトとギヤ等の駆動部材を介して連結されており、エンジン41の動力により発電する発電機の機能を有する。すなわち、発電機42は、内燃機関駆動式の発電機である。発電機42には、インバータ(以下、「INV」という)43が設けられている。発電機42は、INV43を介してバッテリ30に接続されている。
INV43は、GCU45の制御により、発電機42から出力された交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に出力する。燃料タンク44は、エンジン41で消費される燃料を貯留するタンクである。燃料タンク44には、給油口が設けられている。当該給油口は、発電機ユニット40が車両外部に引き出された際に車両外部に露出するようになっている。給油は、発電機ユニット40を車両外部に引き出して行う。このため、本実施例では、給油口は車両10には設けられていない。
GCU45は、CPUと、RAMと、ROMと、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
このコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをGCU45として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、このコンピュータユニットは、本実施例におけるGCU45として機能する。
GCU45は、図示しないインジェクタ及びスロットルバルブを介してエンジン41を制御する。GCU45は、INV43を介して発電機42を制御する。
GCU45は、ECU100から得られるバッテリセンサ31の検出結果に応じてエンジン41の運転状態を制御する自動発電モードと、発電機42による発電を要求する乗員の操作に応じてエンジン41の運転を開始する手動発電モードとのいずれかの発電モードでエンジン41の運転状態を制御する。
GCU45には、操作パネル70が接続されている。操作パネル70は、車両10のインストルメントパネル又はセンターコンソール等、運転者が操作しやすく、かつ支障なく視認できる箇所に設けられている。なお、操作パネル70は、カーナビゲーション装置80の表示画面の一態様として設けられていてもよい。
本実施例において、操作パネル70は、液晶表示装置とタッチパッドとからなるタッチパネルによって構成されている。本実施例の操作パネル70は、本発明における発電状態設定部を構成する。
図3において、操作パネル70には、燃料残量表示表域71、発電電力表示領域72、SOC表示領域73、発電スイッチ74、発電制御スイッチ75a、75b、発電制御状態表示領域76及び設定スイッチ77が設けられている。
燃料残量表示表域71には、燃料タンク44に貯留されている燃料の残量が表示される。発電電力表示領域72には、発電機42の出力電力[kW]が表示される。SOC表示領域73には、バッテリ30のSOC[%]が表示される。なお、SOC表示領域73には、バッテリ30のSOCがそのまま表示されてもよく、後述する下限SOC及び上限SOCで正規化された値が表示されてもよい。
発電スイッチ74は、手動発電モードにおいて、発電機42による発電を要求する操作を乗員に行わせるスイッチである。すなわち、手動発電モードにおいて発電スイッチ74がオンされると、発電機42による発電が開始される。発電制御スイッチ75a、75bは、自動発電モードと手動発電モードとの切替操作を行うスイッチである。
発電制御スイッチ75aが押されると、自動発電モードから、手動発電モード(非発電状態)に切り替わり、手動発電モードにおいて、発電制御スイッチ75aが押されると、発電機42の出力電力の目標値(「目標電力」ともいう)が段階的に大きくなり、手動発電モードから自動発電モードに戻るといったように循環的な選択が行われる。
本実施例において、出力電力の目標値の段階的な度合は、1.0kW(省電力)、2.0kW(高速)及び3.0kW(緊急)とする。つまり、発電制御スイッチ75aが押される度に、自動発電モード、手動発電モード(非発電状態)、省電力(出力電力=1.0kW)、高速(出力電力=2.0kW)、緊急(出力電力=3.0kW)の順に状態が切り替わり、また自動発電モードに戻る仕様となっている。
発電機42の出力電力の目標値のうち最も小さい値は、燃費が最も高い状態でエンジン41が運転されたときの発電機42の出力電力に設定されている。なお、発電制御スイッチ75aが押されて、自動発電モードから手動発電モードに切り替わった場合には、発電スイッチ74が押されたときと同様に、発電機42による発電を要求する操作も行われたこととしてもよい。
発電制御スイッチ75bが押されると、発電制御スイッチ75aが押されたときと逆方向に循環的な選択が行われる。発電制御スイッチ75a、75bは、発電機42による発電中であっても操作可能である。したがって、発電機42による発電中であっても、発電制御スイッチ75a、75bの操作によって発電モードや発電機42の目標電力を変更することができる。
操作パネル70には、発電制御スイッチ75a、75bのいずれか一方が設けられていてもよい。発電制御状態表示領域76には、発電制御スイッチ75a、75bの選択状態が表示される。
自動発電モードは、車両10の電源がオンのときに、バッテリ30のSOCが下限SOC以下となった場合にエンジン41を始動してバッテリ30の充電を開始し、バッテリ30のSOCが上限SOC以上となった場合にエンジン41を停止してバッテリ30の充電を終了するモードである。下限SOC及び上限SOCは、バッテリ30の仕様に応じた適合値であり、ECU100のROMに記憶されている。
手動発電モードは、車両10の電源がオンであるか否かによらず、発電スイッチ74が押されたときに、エンジン41を始動して発電機42による発電を開始し、バッテリ30に充電を行い、目標とする発電量に応じた指標として発電終了条件が成立した場合にエンジン41を停止してバッテリ30の充電を終了するモードである。
発電終了条件は、バッテリ30のSOCが目標SOCになったときに成立する第1条件、充電時間が設定時間となったときに成立する第2条件、車両10が設定距離を走行する分の発電量が発電されると成立する第3条件、及び、カーナビゲーション装置80から得ることができる目標地点にたどり着ける分の発電量が確保されると成立する第4条件のなかから1又は複数の条件が選択される。
なお、複数の条件が発電終了条件として選択された場合には、選択されたいずれかの条件が成立すると、発電終了条件が成立する。また、バッテリ30のSOCが上限SOC以上になると、選択された発電終了条件が成立していなくても、エンジン41が停止されバッテリ30の充電が終了する。
発電終了条件は、図4に示す発電終了条件設定画面で選択される。発電終了条件設定画面は、図3に示す表示画面において設定スイッチ77が押されたときに操作パネル70に表示される。発電終了条件設定画面には、第1条件から第4条件の各条件が選択される選択ボタン88a、88b、88c、88dと、各条件の目標値を設定するためのスイッチ89a、89b、89c、89dが設けられている。
本実施例において、スイッチ89aは、下限SOCから上限SOCの間、又は、下限SOCと上限SOCとの間で正規化した0%から100%の間で第1条件の目標値を選択させることができる。スイッチ89bは、例えば、10分から1分間隔又は10分間隔で第2条件の目標値を選択させることができる。
スイッチ89cは、例えば、10kmから1km間隔又は10km間隔で第3条件の目標値を選択させることができる。スイッチ89dは、カーナビゲーション装置80に設定された目的地及び現在地から目的地までのルート上に存在する充電設備のなかから第4条件の目標値として目標地点を選択させることができる。なお、第3条件及び第4条件における発電量は、例えば、過去の走行履歴とバッテリ30のSOCの履歴とから求めることができる。
なお、図3において、発電スイッチ74及び発電制御スイッチ75a、75bは、車両10のインストルメントパネル、センターコンソール又はステアリングに設けられた機械的スイッチによって構成してもよい。この場合、発電スイッチ74、発電制御スイッチ75a、75bは、例えばプッシュ式スイッチによって構成される。また、発電制御スイッチ75a、75bを1つのロータリースイッチによって構成してもよい。
また、発電スイッチ74は、車両10のリモコンキーに設けられていてもよく、スマートフォン等の携帯端末のアプリケーションの表示画面上にタッチアイコンとして設けられていてもよい。
図5に示すように、GCU45は、目標電力が発電機42から出力されていなければ、発電機42の出力電力(「発電パワー」ともいう)を徐々に変化させて発電機42の出力電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御する。図5では、現在の出力電力に対して目標電力が高い場合の例を示している。
GCU45は、発電機42の出力電力を徐々に変化させている期間では、発電機42の出力電力が目標電力に向けて変化する第1期間T1と、発電機42の出力電力が第1期間T1よりも変化量が少ない第2期間T2とが連続して繰り返されるようにエンジン41の運転状態を制御する。
本実施例において、第1期間T1では、GCU45は、1秒間あたり1kwの変動量で発電機42の出力電力が変化するようにエンジン41の運転状態を制御する。第2期間T2では、GCU45は、発電機42の出力電力が変化しないようにエンジン41の運転状態を制御する。本実施例では、第1期間T1及び第2期間T2をいずれも1秒間としたが、これは例示であって1秒間に限られるものではなく任意の時間を設定可能であり、また第1期間T1と第2期間T2とが異なる時間に設定されてもよい。
なお、第2期間T2では、GCU45は、第1期間T1より少ない変動量で発電機42の出力電力が変化するようにエンジン41の運転状態を制御するようにしてもよいし、第1期間T1より少ない変動量で発電機42の出力電力が目標電力から離れるように変化するようにエンジン41の運転状態を制御するようにしてもよい。
このように、GCU45は、発電機42の出力電力を変化させる場合、発電機42の出力電力を徐々に変化させることによって、エンジン音が急に変化することを防止し、乗員に安心感を与えることができる。
また、GCU45は、エンジン41の運転状態を制御してから発電機42の出力電力が変化するまでの応答の遅れによって生じる発電機42の出力電力のオーバーシュートを抑制するため、エンジン41の運転状態のふらつきを低減することができる。
なお、図5においては、発電機42の出力電力が目標電力よりも低い場合を例示したが、発電機42の出力電力が目標電力よりも高い場合においても、GCU45は、発電機42の出力電力を徐々に変化させる。
図6に示すように、GCU45は、目標電力が変更された場合には、エンジン41を一時停止させた後に、発電機42から出力される電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御する。
例えば、図6に示す例において、GCU45は、自動発電モードから手動発電モードに発電モードが切り替えられたとき(時間t1)、及び、手動発電モードから自動発電モードに発電モードが切り替えられたとき(時間t2)、エンジン41を一時停止させた後に、発電機42の出力電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御する。
このように、本実施例では、例えば発電モードの切替等によって目標電力が変更された場合には、GCU45がエンジン41を一時停止させるため、次のような効果がある。
すなわち、発電機42の出力電力の目標電力が変更されたこと、又は発電モードが切り替えられたとことをエンジン音の変化で乗員に確認させることができる。また、エンジン41を一時停止することによってエンジン運転を仕切り直すことができ、エンジン回転やエンジン負荷を緩和することができる。
なお、本実施例では、発電モードの切替時にエンジン41を一時停止する例について説明したが、発電モードの切替時にエンジン41を所定時間停止する構成としてもよい。また、GCU45は、目標電力が変更された場合には、エンジン41の出力を一定期間低下(例えば、アイドル運転状態まで低下)させてエンジン音を小さくした後に、発電機42の出力電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御するようにしてもよい。この場合、エンジン41の再始動時のショック等が発生することがなく、乗員の乗り心地を向上させることができる。
また、GCU45は、手動発電モードにおいて、バッテリ30のSOCに応じた2段階以上の喚起レベルで発電機42による発電の要求操作を喚起する。例えば、GCU45は、バッテリ30のSOCが15%よりも多い状態から15%以下かつ10%よりも多い状態になった場合には、1段階目の喚起レベルとして、発電を軽微に喚起する「バッテリ残量が減ってきています。発電しますか?」といったようなメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力する。
また、GCU45は、バッテリ30のSOCが10%よりも多い状態から10%以下かつ5%よりも多い状態になった場合には、2段階目の喚起レベルとして、発電を強く喚起する「発電して下さい」といったようなメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力する。
さらに、GCU45は、バッテリ30のSOCが5%よりも多い状態から5%以下の状態になった場合には、3段階目の喚起レベルとして、発電を開始することを喚起する「発電を開始します」といったようなメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力し、発電モードを手動発電モードから自動発電モードに切り替える。
なお、本実施例では、GCU45は、手動発電モードにおいて、バッテリ30の現時点におけるSOCに応じた喚起レベルで発電機42による発電の要求操作を喚起する例について説明したが、目標地点に到達した時点において推定されるバッテリ30のSOCに応じた喚起レベルで発電機42による発電の要求操作を喚起するようにしてもよい。
この場合には、GCU45は、カーナビゲーション装置80から得られる現在位置から目標地点までの経路の状況を加味して発電機42による発電の要求操作を喚起する。現在位置から目標地点までの経路の状況には、距離、勾配、路面状況(例えば、アスファルト、砂利など)、一般道・高速道、天候(天気、気温、風速など)、時間帯等が含まれる。
例えば、夕方に目標地点に到達することが推定される場合には、ライトの使用が予測されるため、GCU45は、ライトによって消費される電力量を加味して発電機42による発電の要求操作を喚起する。
また、例えば、気温が低温又は高温であると判断される場合には、エアコンの使用が予測されるため、GCU45は、エアコンによって消費される電力量を加味して発電機42による発電の要求操作を喚起する。
次に、図7を参照して、本実施例のGCU45による動作について説明する。図7に示すGCU45による動作は、所定の間隔で繰り返し実行される。
図7に示すように、GCU45は、車両10の電源がオフか否かを判定する(ステップ11)。GCU45は、ステップS11において車両10の電源がオフであると判定した場合には、発電スイッチ74がオンであるか否かを判定する(ステップS12)。
GCU45は、ステップS12において発電スイッチ74がオンでないと判定した場合には、エンジン41を停止して(ステップS23)、今回の動作を終了する。GCU45は、ステップS12において発電スイッチ74がオンであると判定した場合には、手動発電モードで発電を行って(ステップS20)、今回の動作を終了する。
GCU45は、ステップS11において車両10の電源がオフでない、すなわち車両10の電源がオンであると判定した場合、発電モードが自動発電モードであるか否かを判定する(ステップS13)。
GCU45は、ステップS13において発電モードが自動発電モードでないと判定した場合には、発電スイッチ74がオンであるか否かを判定する(ステップS15)。GCU45は、ステップS15において発電スイッチ74がオンでないと判定した場合、それまでエンジン41が駆動していた場合にはバッテリ30のSOCの値に関わらずエンジン41を停止し(ステップS21)、今回の動作を終了する。なお、ステップS15の時点でエンジン41が駆動していない場合には、ステップS21においてエンジン41の停止が維持される。
GCU45は、ステップS15において発電スイッチ74がオンであると判定した場合には、手動発電モードで発電を行って(ステップS17)、ステップS18の処理に進む。
GCU45は、ステップS13において発電モードが自動発電モードであると判定した場合には、バッテリ30のSOCが下限SOC以下であるか否かを判定する(ステップS14)。下限SOCは、車両10の走行に支障をきたすおそれがある程度まで低下したSOCであり、運転者によるアクセルペダルの操作量に見合った駆動力をMG20が出力できない程度まで低下したSOC(例えば、SOC=5%)である。
GCU45は、ステップS14においてバッテリ30のSOCが下限SOC以下でないと判定した場合には、今回の動作を終了する。GCU45は、ステップS14においてバッテリ30のSOCが下限SOC以下であると判定した場合には、自動発電モードで発電を行って(ステップS16)、ステップS18の処理に進む。
自動発電モードでは、予め定められた発電量(例えば、上限SOCや緊急時用SOC等)を目標発電量として発電が行われてもよいし、手動発電モードにおいて設定された発電終了条件が成立するまで発電が行われてもよい。
ステップS18において、GCU45は、自動発電モード又は手動発電モードでの発電中に発電モードの切替があったか否かを判定する。GCU45は、ステップS18において自動発電モード又は手動発電モードでの発電中に発電モードの切替がなかったと判定した場合には、ステップS19の処理を行うことなく、今回の動作を終了する。
GCU45は、ステップS18において自動発電モード又は手動発電モードでの発電中に発電モードの切替があったと判定した場合には、エンジン41を停止して(ステップS19)、目標電力を設定した後(ステップS22)、今回の動作を終了する。
ステップS22においては、例えば、発電モードの切替先での目標電力が設定される。例えば、自動発電モードから手動発電モードに発電モードが切り替えられたときは、手動発電モードにおいて乗員により選択されている出力電力の目標値が目標電力として設定される。手動発電モードから自動発電モードに発電モードが切り替えられたときは、予め定められた出力電力が目標電力として設定される。なお、手動発電モードから自動発電モードに発電モードが切り替えられたときは、手動発電モードにおいて選択された出力電力の目標値が目標電力として設定されてもよい。
次に、図8を参照して、本実施例のGCU45によって実行される出力電力徐変処理について説明する。図8に示す出力電力徐変処理は、所定の間隔で繰り返し実行される。
図8に示す出力電力徐変処理は、例えば発電モードが切り替えられたときのように現在の出力電力と目標電力とが一致しない場合に発電機42の出力電力が目標電力に徐々に近づくように出力電力を変更する処理である。発電モードが切り替えられたときは、図6に示すようにエンジン41を一時停止するので、発電モードの切替後は現在の出力電力と目標電力とが一致しないこととなる。したがって、このような場合に、出力電力徐変処理によって発電モードの切替後の出力電力(=0kW)を徐々に変更して目標電力に近づけることとなる。
図8に示すように、GCU45は、目標電力と現在の出力電力とが一致しているか否かを判定する(ステップS31)。GCU45は、ステップS31において目標電力と現在の出力電力とが一致していると判定した場合には、本出力電力徐変処理を終了する。
GCU45は、ステップS31において目標電力と現在の出力電力とが一致していないと判定した場合には、目標電力が現在の出力電力よりも大きいか否かを判定する(ステップS32)。
GCU45は、ステップS32において目標電力が現在の出力電力よりも大きいと判定した場合には、目標電力から現在の出力電力を差し引いた値が「1.0(kW)」よりも大きいか否かを判定する(ステップS33)。
GCU45は、ステップS33において目標電力から現在の出力電力を差し引いた値が「1.0(kW)」よりも大きいと判定した場合には、現在の出力電力に1.0(kW)を加えた値を発電機42の一時目標電力として(ステップS34)、ステップS36に処理を進める。
GCU45は、ステップS33において目標電力から現在の出力電力を差し引いた値が「1.0(kW)」よりも大きくない、すなわち「1.0(kW)」以下であると判定した場合には、目標電力を発電機42の一時目標電力として(ステップS35)、ステップS36に処理を進める。
ステップS36において、GCU45は、一時目標電力に向けて発電機42の出力電力を1秒かけて線形に変更する。その後、発電機42の出力電力が一時目標電力に到達すると、GCU45は、発電機42の出力電力を1秒間、一時目標電力に保持して(ステップS37)、本出力電力徐変処理を終了する。
GCU45は、ステップS32において目標電力が現在の出力電力よりも大きくない、すなわち目標電力が現在の出力電力以下であると判定した場合には、目標電力から現在の出力電力を差し引いた値が「−1.0(kW)」よりも小さいか否かを判定する(ステップS43)。GCU45は、目標電力から現在の出力電力を差し引いた値の絶対値が「1.0(kW)」よりも大きいか否かを判定してもよい。
GCU45は、ステップS43において目標電力から現在の出力電力を差し引いた値が「−1.0(kW)」よりも小さいと判定した場合には、現在の出力電力から1.0(kW)を差し引いた値を発電機42の一時目標電力として(ステップS44)、ステップS46に処理を進める。
GCU45は、ステップS43において目標電力から現在の出力電力を差し引いた値が「−1.0(kW)」よりも小さくない、すなわち「−1.0(kW)」以上であると判定した場合には、目標電力を発電機42の一時目標電力として(ステップS45)、ステップS46に処理を進める。
ステップS46において、GCU45は、一時目標電力に向けて発電機42の出力電力を1秒かけて線形に変更する。その後、発電機42の出力電力が一時目標電力に到達すると、GCU45は、発電機42の出力電力を1秒間、一時目標電力に保持して(ステップS47)、本出力電力徐変処理を終了する。
次に、図9を参照して、本実施例のGCU45によって実行される発電停止処理について説明する。図9に示す発電停止処理は、手動発電モード中に所定の間隔で繰り返し実行される。
図9に示す発電停止処理において、各発電終了条件で用いられている値(90%、10分、10km)はいずれも例示であってこれに限定されるものではない。なお、自動発電モードにおける発電終了条件として、手動発電モードにおいて設定された発電終了条件を用いる場合には、自動発電モード中においても図9に示す発電停止処理が実行される。
図9に示すように、GCU45は、発電終了条件が第1条件か否かを判定する(ステップS51)。第1条件は、バッテリ30のSOCが目標SOCになったときに成立する条件である。
GCU45は、ステップS51において発電終了条件が第1条件であると判定した場合には、バッテリ30のSOCが90%以上であるか否かを判定する(ステップS52)。
GCU45は、ステップS52においてバッテリ30のSOCが90%以上でないと判定した場合には、ステップS51に処理を戻す。GCU45は、ステップS52においてバッテリ30のSOCが90%以上であると判定した場合には、発電機42による発電を停止して(ステップS53)、本発電停止処理を終了する。
GCU45は、ステップS51において発電終了条件が第1条件でないと判定した場合には、発電終了条件が第2条件であるか否かを判定する(ステップS54)。第2条件は、充電時間が設定時間となったときに成立する条件である。
GCU45は、ステップS54において発電終了条件が第2条件であると判定した場合には、充電時間が10分を超えたか否かを判定する(ステップS55)。
GCU45は、ステップS55において充電時間が10分を超えていないと判定した場合には、ステップS51に処理を戻す。GCU45は、ステップS55において充電時間が10分を超えたと判定した場合には、発電機42による発電を停止して(ステップS53)、本発電停止処理を終了する。
GCU45は、ステップS54において発電終了条件が第2条件でないと判定した場合には、発電終了条件が第3条件であるか否かを判定する(ステップS56)。第3条件は、車両10が設定距離を走行する分の発電量が発電されると成立する条件である。
GCU45は、ステップS56において発電終了条件が第3条件であると判定した場合には、過去の電費から、10kmを走行するのに必要な発電量(10km走行分の発電量)を計算して(ステップS57)、ステップS58に処理を移す。過去の電費としては、例えば直近10分間における出力電力と走行キロ数から求められる「出力電力1kWh当たりの走行キロ数(km/kWh)」を用いることができる。
ステップS58において、GCU45は、発電機42による発電量が10km走行分の発電量を超えたか否かを判定する。GCU45は、ステップS58において発電機42による発電量が10km走行分の発電量を超えていないと判定した場合には、ステップS51に処理を戻す。
GCU45は、ステップS58において発電機42による発電量が10km走行分の発電量を超えたと判定した場合には、発電機42による発電を停止して(ステップS53)、本発電停止処理を終了する。
GCU45は、ステップS56において発電終了条件が第3条件でないと判定した場合には、発電終了条件が第4条件であると判断して、目的地までの距離、走行可能距離、過去の電費から目的地に到達するために必要な発電量を計算して(ステップS59)、ステップS60に処理を移す。
第4条件は、カーナビゲーション装置80から得ることができる目標地点(目的地)に到達できる分の発電量が確保されると成立する条件である。目的地までの距離は、車両10の現在位置から目標地点(目的地)までの距離である。走行可能距離とは、現在のバッテリ30のSOCで走行可能な距離のことであり、過去の電費に基づき算出される。過去の電費は、ステップS57と同様に計算される。走行可能距離は、例えばカーナビゲーション装置80によって計算され、カーナビゲーション装置80からECU100を介してGCU45に送信される。
ステップS60において、GCU45は、発電機42による発電量が目的地まで到達できる分の発電量を超えたか否かを判定する。GCU45は、ステップS60において発電機42による発電量が目的地まで到達できる分の発電量を超えていないと判定した場合には、ステップS51に処理を戻す。
GCU45は、ステップS60において発電機42による発電量が目的地まで到達できる分の発電量を超えたと判定した場合には、発電機42による発電を停止して(ステップS53)、本発電停止処理を終了する。
次に、図10を参照して、本実施例のGCU45によって実行される発電喚起処理について説明する。図10に示す発電喚起処理は、手動発電モード中に所定の間隔で繰り返し実行される。なお、本発電喚起処理で出力される各メッセージは、一例であってこれに限定されるものではない。
図10に示すように、GCU45は、カーナビゲーション装置80からECU100を介して、車両10の現在地から目的地までの走行可能距離を受信する(ステップS71)。GCU45は、ステップS71で受信した走行可能距離が現在地から目的地までの距離未満であるか否かを判定する(ステップS72)。
GCU45は、ステップS72において、ステップS71で受信した走行可能距離が現在地から目的地までの距離未満であると判定した場合には、「現在のバッテリ残量では目的地までたどり着けません」のメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力して(ステップS73)、処理をステップS75に移す。
GCU45は、ステップS72において、ステップS71で受信した走行可能距離が現在地から目的地までの距離未満でない、すなわち現在地から目的地までの距離以上と判定した場合には、「目的地到着後のバッテリ残量は〇〇%です」のメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力して(ステップS74)、処理をステップS75に移す。
ステップS75において、GCU45は、バッテリ30のSOCが10%よりも多く、かつ15%以下であるか否かを判定する。GCU45は、ステップS75においてバッテリ30のSOCが10%よりも多く、かつ15%以下でないと判定した場合には、「バッテリ残量が減ってきています。発電しますか?」のメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力して(ステップS76)、本発電喚起処理を終了する。
GCU45は、ステップS75においてバッテリ30のSOCが10%よりも多く、かつ15%以下であると判定した場合には、バッテリ30のSOCが5%よりも多く、かつ10%以下であるか否かを判定する(ステップS77)。なお、GCU45は、現在のSOCの値のほか、目的地到着時のSOCの値でステップS75の判定を行ってもよい。
GCU45は、ステップS77においてバッテリ30のSOCが5%よりも多く、かつ10%以下であると判定した場合には、「発電して下さい」のメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力して(ステップS78)、本発電喚起処理を終了する。
GCU45は、ステップS77においてバッテリ30のSOCが5%よりも多く、かつ10%以下でないと判定した場合には、バッテリ30のSOCが5%以下であるか否かを判定する(ステップS79)。
GCU45は、ステップS79においてバッテリ30のSOCが5%以下でないと判定した場合には、本発電喚起処理を終了する。GCU45は、ステップS79においてバッテリ30のSOCが5%以下であると判定した場合には、「発電を開始します」のメッセージを、操作パネル70やカーナビゲーション装置80等を介して音声及び画像、又はいずれか一方により出力する(ステップS80)。
その後、GCU45は、エンジン41を始動して(ステップS81)、発電機42による発電を開始する(ステップS82)。これにより、手動発電モード中であっても、強制的に発電が開始される。
次いで、GCU45は、バッテリ30のSOCが10%以上か否かを判定する(ステップS83)。GCU45は、バッテリ30のSOCが10%以上となるまでステップS83の処理を繰り返す。
GCU45は、ステップS83においてバッテリ30のSOCが10%以上であると判定した場合には、発電機42による発電を停止した後(ステップS84)、エンジン41を停止して(ステップS85)、本発電喚起処理を終了する。
以上のように、本実施例に係る電動車両は、エンジン41、スタータ、発電機42、INV43、燃料タンク44及びGCU45を一体化した発電機ユニット40が車両10に対して着脱可能に構成されている。このため、本実施例に係る電動車両は、必要に応じて発電機ユニット40を車両10から取り外すことによって、発電機42を独立した発電機として使用することができる。これにより、例えば車外の他の電気機器に電力を供給することができ、発電機42を有効に活用できる。
また、本実施例に係る電動車両は、発電モードとして自動発電モードと手動発電モードとを備えるので、例えば、自動発電モードをメインに使用しつつ、必要に応じて手動発電モードに切り替えて運転者の意図に沿った発電を行うことができる。例えば、運転者の判断でバッテリ30への充電量を多めにしたい場合、ガソリンを節約し充電設備まで走行したい場合に手動発電モードとすることで、運転者の判断を尊重した運用を図ることができる。
また、本実施例に係る電動車両は、手動発電モードにおける発電状態を乗員に設定させる操作パネル70を備えるので、乗員が操作パネル70を操作することによって乗員の意図する発電状態に制御することができる。
また、本実施例に係る電動車両は、目標とする発電量に応じた指標(例えば、SOC、充電時間、走行距離、目的地までの到達のための発電量等)を乗員に指定させることによって、手動発電モードにおける発電状態を乗員に設定させるようになっている。これにより、本実施例に係る電動車両は、発電量を運転者に概念的な指標として提示することで、発電量を運転者が容易に認識しやすくなる。
このため、運転者は、必要な発電量を容易に選択することができる。また、運転者は、上記指標を通じて発電量を量的に捉えることができるので、運転者の感覚に沿った発電量の選択を行うことができる。
また、発電機ユニット40を車両10から取り外して独立して使用する場合にも、同様の概念的な指標を用いることで、運転者が、電力供給先の状況に応じた発電、エンジン騒音、発電燃費、緊急性に対応しやすい。
また、本実施例に係る電動車両は、操作パネル70を通じて、発電機42に出力させる電力の度合いを乗員に設定させることによって手動発電モードにおける発電状態を乗員に設定させるようになっている。これにより、例えば緊急にバッテリ30のSOCを回復させることを運転者が要求している場合には、出力電力の目標値の段階的な度合として最も出力電力の大きい目標値(緊急)を設定することができる。
また、例えば燃費・騒音のバランスが取れた運転で発電を行うことを運転者が要求している場合には、出力電力の目標値の段階的な度合として出力電力が中程度の目標値(高速)を設定することができる。
また、例えば低騒音重視の運転で発電を行うことを運転者が要求している場合には、出力電力の目標値の段階的な度合として最も出力電力の小さい目標値(省電力)を設定することができる。
また、本実施例に係る電動車両は、手動発電モードにおいて、バッテリ30のSOCが限界値(例えば、5%)以下となると、発電モードを自動発電モードに変更するので、電欠状態となることがなく、車両10の走行を保証することができる。
また、本実施例に係る電動車両は、目標電力が発電機42から出力されていなければ、発電機42の出力電力を徐々に変化させて発電機42の出力電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御するようになっている。
これにより、乗員や使用者の違和感を無くすことができる。例えば、エンジン音の急な変化が抑制されるため、乗員に安心感を与えることができる。また、エンジン状態を確認しながら目標電力に向けて出力電力を徐々に変化させるので、エンジン41が過度にふらついた運転となることを抑制できる。例えば、スロットル開度を大きくし過ぎた後に戻すようなエンジン41の運転状態のふらつきを抑制できる。
また、本実施例に係る電動車両は、発電機ユニット40からMG20に直接給電せずに、バッテリ30を介して給電しているため、急な動作を必要とせず、滑らかな運転移行が好ましい。したがって、上記のように、発電機42の出力電力を徐々に変化させて発電機42の出力電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御することは、有用である。
また、本実施例に係る電動車両は、発電機42の出力電力を徐々に変化させている期間では、当該出力電力が目標電力に向けて変化する第1期間T1と、当該出力電力が第1期間T1よりも変化量が少ない第2期間T2とが連続して繰り返されるようにエンジン41の運転状態を制御するようになっている。
このように、連続する第1期間T1の間に第2期間T2のような変化が緩やか又は変化しない緩和期間を設けることで、発電機42の出力電力を徐々に変化させている期間におけるエンジン運転状態の変化を滑らかにすることができる。エンジン運転状態の変化はスロットル開度やインジェクタ噴射量などで調整する。この場合、連続してエンジン運転状態を変化させるよりも間欠的に応答を待つ期間を設けるほうが、スロットル開度やインジェクタ噴射量などの調整に際して的確な制御ができる。また、排気ガス制御の応答を確認しつつエンジン41の運転状態を制御することで、発電機42の出力電力を徐々に変化させて発電機42の出力電力が目標電力になるようにエンジン41の運転状態を制御する際の無駄な排気ガスの排出を避けるなどの効果も期待できる。
また、本実施例に係る電動車両は、手動発電モードにおいて、バッテリ30のSOCに応じた2段階以上の喚起レベルで発電機42による発電の要求操作を喚起するので、運転者による発電要求の判断を補助することができる。
なお、本実施例においては、発電喚起処理として図10に示す処理を実行する例について説明したが、これに限らず、例えば次の図11に示す発電喚起処理を実行してもよい。
図11を参照して、本実施例のGCU45によって実行される発電喚起処理の変形例について説明する。図11に示す発電喚起処理は、手動発電モード中に所定の間隔で繰り返し実行される。
図11に示すように、GCU45は、カーナビゲーション装置80によって設定された目的地までのルート上に充電設備があるか否かを判定する(ステップS101)。
具体的には、GCU45は、カーナビゲーション装置80から目的地までのルート上に存在する充電設備の情報を受信したか否かにより、すなわち目的地までのルート上に存在する充電設備を検出したか否かにより、目的地までのルート上に充電設備があるか否かを判定する。なお、目的地までのルートは、カーナビゲーション装置80によって複数検索されてもよい。この場合、例えばGCU45は、複数のルートのうち、充電設備の存在するルートを優先的に選択することも可能である。
GCU45は、ステップS101において目的地までのルート上に充電設備がないと判定した場合には、目的地までの走行が可能か否かを判定する(ステップS105)。
具体的には、GCU45は、現在のバッテリ30のSOCから求めた走行可能距離が、現在位置から目的地までの走行距離よりも長い場合には、現在位置から目的地までの走行が可能と判定することができる。GCU45は、現在のバッテリ30のSOCから求めた走行可能距離が、現在位置から目的地までの走行距離よりも短い場合には、現在位置から目的地までの走行が可能でないと判定することができる。走行可能距離は、本実施例と同様、カーナビゲーション装置80において計算され、カーナビゲーション装置80からECU100を介してGCU45に送信される。
GCU45は、ステップS105において目的地までの走行が可能であると判定した場合には、本発電喚起処理を終了する。GCU45は、ステップS105において目的地までの走行が可能でないと判定場合には、エンジン41の駆動による発電を促す発電喚起を行う(ステップS106)。
ステップS106において、GCU45は、目的地までの走行に要する電力量に応じ、適切な発電量を乗員に報知する発電量調整喚起も行う。
GCU45は、ステップS101において目的地までのルート上に充電設備があると判定した場合には、当該充電設備までの走行が可能か否かを判定する(ステップS102)。
GCU45は、ステップS102において充電設備までの走行が可能であると判定した場合には、充電設備でのバッテリ30の充電を乗員に促す充電喚起を行う(ステップS103)。このとき、エンジン41による発電が既に行われている場合には、GCU45は、ステップS103において当該発電の停止を乗員に報知する発電停止喚起を行う。発電停止喚起の方法は、充電喚起及び発電喚起の方法と同様である。GCU45は、ステップS103の処理後に本発電喚起処理を終了する。
GCU45は、ステップS102において充電設備までの走行が可能でないと判定した場合には、充電喚起及び発電喚起を行う(ステップS104)。ステップS104において、GCU45は、充電設備までの走行に要する電力量に応じ、適切な発電量を乗員に報知する発電量調整喚起も行う。GCU45は、ステップS104の処理後に本発電喚起処理を終了する。
ここで、図11に示す発電喚起処理において、GCU45は、現在位置から目的地又は充電設備まで車両10が走行可能か否かを、車両10の走行開始後、例えば所定時間ごと又は所定距離ごとに判定するのが好ましい。GCU45によって車両10の走行開始時に発電を行わなくとも目的地又は充電設備まで車両10が走行可能であると判定された場合であっても、その後の走行条件や目的地又は充電設備までのルートが当初設定したルートと異なるルートに変更された場合などは目的地又は充電設備まで車両10が走行不能となる場合もある。このような場合に、上述したように現在位置から目的地又は充電設備まで車両10が走行可能か否かを定期的に判定することで、目的地又は充電設備まで車両10が走行不能と判定した時点で乗員に対してバッテリ30の充電を促すことができる。このため、GCU45は、早期にバッテリ30の充電を促すことができる。
この変形例によれば、車両10の現在位置から目的地までのルート上に充電設備が存在する場合には、当該充電設備での充電を乗員に促すので、充電設備での充電が可能であるにも関わらず乗員が不必要にエンジン41を駆動して発電を行うことを防止することができる。このため、本変形例では、エンジン41の燃料消費を抑制することができる。
また、本変形例は、車両10の現在位置から充電設備までの走行に要する電力に応じてエンジン41の駆動による発電の必要の有無を報知する。例えば、バッテリ30のSOC不足により現在地から充電設備まで車両10が走行できない場合には、エンジン41を駆動して発電機42による発電を行うよう乗員に促す発電喚起が行われる。このため、本変形例では、車両10が走行不能となるまでバッテリ30のSOCが低下してしまうことを防止することができる。したがって、走行用のバッテリ30のSOCが不足することにより車両10が道路上に停止してしまうことが防止される。
また、本変形例では、エンジン41の駆動による発電が行われている場合に、車両10の現在位置から目的地までのルート上に充電設備が存在するか否かに応じて、それぞれの場合に応じた適切な発電量を乗員に促すように構成されている。これにより、本変形例では、目的地までのルート上に充電設備が存在する場合、存在しない場合のいずれの場合であっても、エンジン41の燃料消費を抑制したり、バッテリ30が電欠状態に陥ったりすることを防止できる。
また、本実施例においては、発電機ユニット40を車両10に対して着脱可能に構成したが、発電機ユニット40を車両10に対して着脱可能でなく、予め搭載した構成であってもよい。この場合、エンジン41、スタータ、発電機42、INV43、燃料タンク44及びGCU45を一体化したユニットとして構成しなくてもよい。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。例えば、発電機42とエンジンの始動装置であるスタータとを別個に設けることとしたが、発電機42を、発電機とスタータとの機能を共に有するスタータジェネレータとしてもよい。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。